JP3919011B2 - 熱硬化性シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーンゴムコンパウンンドの素練り時にロール粘着性が少なく、作業性に優れた熱硬化性シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シリコーンゴムは、生理的に不活性であり、耐候性、耐久性、耐熱性、透明性等に優れているため、建築材料、電気電子部品、事務機器部品、自動車部品、医療器具等の様々な分野で使用されている。通常、シリコーンゴムには、その機械的強度を向上させるため煙霧質シリカ、沈降シリカ等の補強性シリカが配合されている。
【0003】
高強度のシリコーンゴムは、シリコーンポリマーに補強性シリカを比較的多量に添加することにより得られる。しかし、補強性シリカを多量に添加すると、得られるシリコーンゴム組成物の可塑度が高くなりすぎて、ロール混練り等の作業性に劣り、加工時のコストを高くしてしまう。更に、補強性シリカを高充填した場合、シリコーンゴム組成物の可塑化戻りが非常に大きくなるため、輸送・保管のために硬化剤を配合しない状態で保存したのちに使用する場合、長時間の素練りが必要となってしまう。更に、可塑化戻りが大きくなり、素練り作業すら不可能となることがある。
【0004】
この可塑化戻りを少なくする方法として、ゴムコンパウンドを 200〜250℃の高温で処理する方法が提案されているが(特許文献1参照)実用的ではなく、特定の表面処理されたヒュームドシリカを用いることが提案されているが(特許文献2、特許文献3参照)コスト面で高価なものとなり汎用品への応用は困難であり、また、特定の添加剤と混練り機を組み合わせて用いることが提案されているが(特許文献4参照)生産性の点で問題があった。
可塑化戻りが少ないベースポリマーを得る方法も提案されているが(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)ロールへの粘着性を改良する点については十分なものではなかった。
【0005】
可塑化戻りは、シラノール基、ケイ素原子に結合したアルコキシ基等を有する有機ケイ素化合物等の分散剤を添加することにより抑制されるが、分散剤を多く添加するとシリコーンゴム組成物の粘着性が高まり、ロールへの粘着性が大きくなって作業性が悪くなり、更に、硬化後のシリコーンゴムの機械的強度を低下させることとなる。シリコーンゴム組成物の粘着性を低減させる方法として、乳化重合ポリテトラフルオロエチレンを添加する方法が提案されているが(特許文献9参照)、シリコーンゴム組成物の粘着性に対する完全な解決策は知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−133356号公報
【特許文献2】
特開平8−100125号公報
【特許文献3】
特開2001−139814号公報
【特許文献4】
特開平8−157726号公報
【特許文献5】
特開2000−143809号公報
【特許文献6】
特開2000−159890号公報
【特許文献7】
特開2000−159894号公報
【特許文献9】
特開昭52−11250号公報
【特許文献9】
特開昭52−11250号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、分散剤を多く使用してもシリコーンゴムコンパウンドのロール粘着性が少なく、作業性に優れる熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ベースポリマーであるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン生ゴムの分子構造中に、CH3SiO1.5 単位(即ち、3官能性構造単位。以下、「T単位」ということがある)を 10〜80 ppm含有させることで、ロール粘着性が著しく改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、1分子当たり平均してCH3SiO1.5 単位を 10〜80 ppm 有するオルガノポリシロキサン生ゴム: 100重量部、
(B)比表面積が 50m2/g以上のシリカ微粉末: 5〜100重量部、および
(C)硬化剤: 有効量
を含む熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供する。
【0010】
また、上記(A)〜(C)成分に加えて、
更に、(D)下記式(1):
HO[(R1 2)SiO]mH (1)
(式中、複数あるR1は独立にメチル基またはビニル基を表し、mは1〜100の整数である)
で表される末端シラノール基含有有機ケイ素化合物: 0.1〜20重量部
を含む熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)オルガノポリシロキサン生ゴム]
(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムのケイ素原子に結合する有機基としては、好ましくは炭素原子数1〜12の、より好ましくは炭素原子数1〜8の非置換または置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基;および、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した置換一価炭化水素基、例えば、クロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、フェニル基、ビニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基が好ましく、特にケイ素原子に結合する全有機基に占めるメチル基が少なくとも 50モル%、更に 80モル%以上であることが好ましい。
【0012】
この(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムの分子鎖末端は、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、メチルビニルシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されたものとすることができ、少なくとも前記末端に1つ以上のビニル基を含有するものが好ましい。
【0013】
(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムは、1分子中に1分子中に少なくとも2個、好ましくは O.001〜10モル%、特に好ましくは O.01〜5モル%のアルケニル基、特にビニル基を有することが好ましい。アルケニル基の含有量が少なすぎると、本発明組成物の硬化性が不十分となり、また多すぎると該組成物から得られる硬化物の物理的特性が損なわれる。
【0014】
このオルガノポリシロキサン生ゴムの重合度は、十分な機械的強度を有するシリコーンゴムを与えるために、好ましくは 3,000以上、より好ましくは 5,000以上であり、重合度の上限は 100,000、より好ましくは 20,000である。
【0015】
本発明では(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムが、1分子当たり平均してCH3SiO1.5 単位を 10〜80 ppm、好ましくは 20〜60 ppm 含有することが必要であり、この点が本発明の特徴をなすものである。本明細書において、前記CH3SiO1.5 単位の含有量は、(A)成分の全体における1分子当たりの平均含有量を意味する。従って、分子中にCH3SiO1.5 単位を有する分子と、CH3SiO1.5 単位を有しない分子との合計の平均含有量として表される。
【0016】
このCH3SiO1.5 単位を含有する(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムは、例えば、CH3SiO1.5 単位を有する少量の 1-ヒドロキシ-ヘプタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンオリゴマーおよび/または前記単位を鎖中に有する鎖状シロキサンオリゴマーと、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーと、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有する環状シロキサンオリゴマーと、必要に応じて末端封鎖剤とを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルホスホニウム、これらのシラノレート等のアルカリ性触媒の存在下に、常法によりシロキサン結合を切断および再結合させる平衡化反応により重合させる工程、および前記工程に引き続いて常法により触媒を中和し、減圧下で加熱することにより、副生した低分子オルガノポリシロキサンを留去して精製する工程を経て、合成することができる。
前記CH3SiO1.5 単位を有する環状シロキサンオリゴマーおよび前記単位を鎖中に有する鎖状シロキサンオリゴマーは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0017】
また、(A)成分の原料としてCH3SiO1.5 単位を有する成分を全く使用しなくても、シロキサンの熱分解によりCH3SiO1.5 単位を生成させたものも、1分子当たり平均してCH3SiO1.5 単位を 10〜80 ppm 含有するものであれば、本発明に使用することができる。
【0018】
[(B)シリカ微粉末]
(B)成分の比表面積が 50m2/g以上のシリカ微粉末は、補強材として用いられる。(なお、本明細書において、比表面積はBET法によって規定される。)得られるシリコーンゴムの補強性と透明性の点から、比表面積が 50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは 100〜800m2/gである。このようなシリカとしては、湿式(沈降)シリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられ、湿式シリカが好ましい。また、その平均粒子径が 100μm以下、通常、0.1〜100μm、好ましくは 0.2〜50μm程度のものがよい。例えば、市販品としては、Nipsil LP(商品名、日本シリカ社製、比表面積 200m2/g、平均粒径9μm)、トクシールUSA(商品名、トクヤマ社製、比表面積 200m2/g、平均粒径 11μm)等を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合せても使用することができる。また、シリカ系充填剤はその表面を、例えば、鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等によって疎水化処理を施したものであってもよい。
【0019】
この(B)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴム 100重量部に対して5〜100重量部であり、好ましくは 10〜70重量部である。前記配合量が多すぎる場合または少なすぎる場合には、得られるシリコーンゴム組成物の加工性が低下し、また、得られる硬化物が、充分な引張り強度、引裂き強度等の機械的強度を有しなくなる。
【0020】
[(C)硬化剤]
(C)成分の硬化剤は、シリコーンゴム組成物を硬化させるものである。シリコーンゴム組成物を硬化させる方法としては、ヒドロシリル化反応を利用する方法と有機過酸化物を触媒として用いて加硫させる方法が挙げられる。
【0021】
ヒドロシリル化反応を利用して硬化させる場合には、シリコーンゴム組成物に硬化剤としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒とを配合する。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH基」という)を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上の有するオルガノポリシロキサンであればよく、直鎖状、環状または分枝状のいずれであってもよいが、重合度が 300以下のものが好適である。また、このSiH基は、ポリシロキサン鎖の末端に存在してもよいし、ポリシロキサン鎖の途中にあってもよい。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの使用量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムのアルケニル基1モルに対して、通常、SiH基が 0.5〜3モル、特に 1.0〜2モルとなる割合とすることが好ましい。
【0022】
また、同時に使用される白金族金属系触媒は、(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴム中のアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基とのヒドロシリル化反応を促進する触媒として作用するもので、その使用量は、触媒として有効量であればよく、特に制限されないが、(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計量に対して、白金族金属として、通常、0.1〜1000 ppm、好ましくは1〜100 ppmの範囲で使用される。白金族金属系触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる公知のものを全て使用することができ、例えば、米国特許第2970150号に記載されている微粉末金属白金触媒、米国特許第2823218号に記載されている塩化白金酸触媒、米国特許第3159601号および米国特許第3159662号に記載されている白金−炭化水素錯化合物、米国特許第3516946号に記載されている塩化白金酸−オレフィン錯化合物、米国特許第3775452号および米国特許第3814780号に記載されている白金−ビニルシロキサン錯体等を使用することができる。
【0023】
ヒドロシリル化反応により硬化させる場合には、室温における保存安定性を良好とし、かつ適度なポットライフを保持するために、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類等の反応制御剤を添加することもできる。
【0024】
一方、硬化剤として有機過酸化物を用いる場合は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエート、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、p-メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,6-ビス(p-トルオイルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジ(4-メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサメチレンビスカーボネート等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合せて用いてもよい。その使用量は、本発明組成物の硬化に必要とされる有効量でよく、特に制限されないが、(A)成分のオルガノポリシロキサン 100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、特に 0.05〜3重量部を配合することが好ましい。前記量の配合によって、押出し成形と同時に加熱硬化することができる。
【0025】
[(D)末端シラノール基含有有機ケイ素化合物]
本発明の熱硬化性シリコーンゴム組成物には、(D)成分として、下記式(1)で示される末端シラノール基含有有機ケイ素化合物を配合することが好ましい。
【0026】
HO[(R1 2)SiO]mH (1)
(式中、複数あるR1は独立にメチル基またはビニル基を表し、mは1〜100、好ましくは1〜60、特に1〜30の整数である)
(D)成分は、シリコーンゴムコンパウンドを製造する際の分散剤として作用するものである。
この(D)成分の具体例としては、例えば、下記に示すものが挙げられる。
【0027】
【化1】
(式中、mは1〜100の整数である)
【0028】
【化2】
(式中、m1は0以上の整数、m2は1以上の整数、m1+m2の和は1〜100の整数である)
この(D)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0029】
この(D)成分を用いる場合、その配合量は、(A)成分 100重量部に対して 0.1〜20重量部とするのが好ましい。前記配合量が少ないと添加による分散効果が得られない。また、逆に多すぎるとゴムコンバウンドがべたつき、作業性が悪くなったり、硬化物の機械的特性の低下が生じるおそれがある。
【0030】
[その他の成分]
本発明の熱硬化性シリコーンゴム組成物には、必要に応じて、粉砕石英等の増量剤、炭酸カルシウム等の充填剤等を配合してもよく、また、必要に応じて、着色剤、耐熱性向上剤、充填剤用分散剤等の各種添加剤を添加することは任意である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
<合成例1>
高粘度流体を攪拌するに十分な撹枠モータおよび撹枠羽根を備えた4Lのステンレススチール製反応器に、オタタメチルシクロテトラシロキサン 1800g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 0.57g、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン 2.62g、および 1-ヒドロキシ-ヘプタメチルシクロテトラシロキサン 0.20gを仕込み、約1時間かけて 110℃に昇温した。温度が 110℃に到達した後、水酸化テトラ-n-ブチルホスホニウムを 10%含有するジメチルポリシロキサネート3gを添加して、反応器内の圧力を 100 mmHgに保ち、110℃の温度を保ちながら重合反応させた。引き続き反応器内の圧力を 200 mmHgに保ちながら温度を上げ、150〜180℃で2時間保温し、水酸化テトラ-n-ブチルホスホニウムを熱分解させた。その後、反応器内の圧力を5mmHg以下となるまで徐々に下げ、約3時間かけて低揮発分を溜去して、無色透明生ゴム状生成物を得た。
【0033】
得られた無色透明生ゴム状生成物は、平均重合度 8000、平均CH3SiO1.5単位含有量 25 ppm、およびビニル基含有量 0.15モル%であった。これを、オルガノポリシロキサン生ゴム(G1)とする。
【0034】
<合成例2>
1-ヒドロキシ-ヘプタメチルシクロテトラシロキサンの使用量 0.20gを、0.40gに変更したこと以外は、上記合成例1と同様にして、平均重合度 8000、平均CH3SiO1.5単位含有量 50 ppm、およびビニル基含有量 0.15モル%の無色透明生ゴム状生成物を得た。これを、オルガノポリシロキサン生ゴム(G2)とする。
【0035】
<合成例3>
1-ヒドロキシ-ヘプタメチルシクロテトラシロキサンの使用量 0.20gを、0.24gに変更したこと以外は、上記合成例1と同様にして、平均重合度 8000、平均CH3SiO1.5単位含有量 30 ppm、およびビニル基含有量 0.15モル%の無色透明生ゴム状生成物を得た。これを、オルガノポリシロキサン生ゴム(G3)とする。
【0036】
<比較用合成例1>
1-ヒドロキシ-ヘプタメチルシクロテトラシロキサンを使用しなかったこと以外は、上記合成例1と同様にして、平均重合度 8000、およびビニル基含有量 0.15モル%の無色透明生ゴム状生成物を得た。これを、オルガノポリシロキサン生ゴム(G4)とする。
【0037】
<比較用合成例2>
1-ヒドロキシ-ヘプタメチルシクロテトラシロキサンの使用量 0.20gを、80gに変更したこと以外は、上記合成例1と同様にして、平均重合度 8000、平均CH3SiO1.5単位含有量 100 ppm、およびビニル基含有量 0.15モル%の無色透明生ゴム状生成物を得た。これを、オルガノポリシロキサン生ゴム(G5)とする。
【0038】
[実施例1]
上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G1)100重量部に、比表面積 200m2/g、平均粒子径 1.9μmの沈降シリカを 40重量部、および分子鎖両末端に水酸基を含有するジメチルポリシロキサン(重合度:4)4重量部を、ニーダー内で均一に混練りした後、180℃で1時間熱処理してシリコーンゴムコンパウンドを得た。
【0039】
このシリコーンゴムコンパウンド 100重量部に対して、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン 0.5重量を、2本ロールで混合分散して、硬化性シリコーンゴム組成物を製造した。
【0040】
この硬化性シリコーンゴム組成物を 165℃で 10分間プレスキュアーし、次に 200℃で4時間ポストキュアーを行うことによって、130mm×170mm×2mmのゴムシートを作製した。次いで、JIS K 6249に準拠して常態の物性(硬さ、引張り強さ、剪断時伸び)を測定した。測定結果を表1に示す。
【0041】
次いで、下記手法により、シリコーンゴムコンパウンドの粘着性および可塑化戻り性を評価した。評価結果を表1に示す。
ロール粘着性評価
ゴムコンパウンドを2本ロールで練る時の粘着性を評価した。
ロールへの粘着性がなく、混練作業性が良好であるものについて、「A」で表示した。ロールへゴムコンパウンドが粘着し、混練作業が困難なものについて、「B」で表示した。
【0042】
可塑化戻り試験
ゴムコンパウンドを 100℃の条件下で 16時間放置し、冷却した後、6インチ2本ロールに投入し、可塑化戻りの様子を観察した。即ち、表面が滑らかとなるまでの時間を測定した。(なお、前記時間が短いほど可塑化戻りが生じておらず良好である。)
【0043】
[実施例2]
上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G1)に代えて、上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴムコンパウンド、硬化性シリコーンゴム組成物、およびゴムシートを調製し、実施例1と同様にして、硬化物の物性等を測定または評価した。結果を表1に示す。
【0044】
[実施例3]
上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G1)に代えて、上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴムコンパウンドを得た。
【0045】
このシリコーンゴムコンパウンド 100重量部に対して、塩化白金酸-ビニルシロキサン錯体(白金金属含有量:1重量%)0.05重量部、エチニル-メチル-デシルカルビノール 0.06重量部、および分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.5重量%)1.2重量部を2本ロールで混合分散して、硬化性シリコーンゴム組成物を製造した。
【0046】
この硬化性シリコーンゴム組成物を用いて、実施例1と同様にして、ゴムシートを調製し、硬化物の物性等を測定または評価した。結果を表1に示す。
【0047】
[比較例1]
上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G1)に代えて、(T単位を有しない)上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴムコンパウンド、硬化性シリコーンゴム組成物、およびゴムシートを調製し、実施例1と同様にして、硬化物の物性等を測定または評価した。結果を表1に示す。
【0048】
[比較例2]
上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G1)に代えて、上記オルガノポリシロキサン生ゴム(G5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴムコンパウンド、硬化性シリコーンゴム組成物、およびゴムシートを調製し、実施例1と同様にして、硬化物の物性等を測定または評価した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、長期間の保存・保管によって可塑化戻りが生じることがなく、かつ、シリコーンゴムコンパウンドのロール粘着性が少なく、作業性に優れる熱硬化性シリコーンゴム組成物を得ることができる。
Claims (3)
- (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、1分子当たり平均してCH3SiO1.5 単位を 10〜80 ppm 有するオルガノポリシロキサン生ゴム: 100重量部、
(B)比表面積が 50m2/g以上のシリカ微粉末: 5〜100重量部、および
(C)硬化剤: 有効量
を含む熱硬化性シリコーンゴム組成物。 - 前記(B)成分が、湿式シリカ微粉末である請求項1に記載の熱硬化性シリコーンゴム組成物。
- 更に、(D)下記式(1):
HO[(R1 2)SiO]mH (1)
(式中、複数あるR1は独立にメチル基またはビニル基を表し、mは1〜100の整数である)
で表される分子鎖両末端にシラノール基を有する有機ケイ素化合物: 0.1〜20重量部
を含む請求項1または2に記載の熱硬化性シリコーンゴム組成物。
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