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JP3297976B2 - 液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法

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JP3297976B2
JP3297976B2 JP32396695A JP32396695A JP3297976B2 JP 3297976 B2 JP3297976 B2 JP 3297976B2 JP 32396695 A JP32396695 A JP 32396695A JP 32396695 A JP32396695 A JP 32396695A JP 3297976 B2 JP3297976 B2 JP 3297976B2
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武男 吉田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性及び硬化特
性に優れるのみならず、保存時の粘度安定性も良好であ
り、射出成形機を使用して射出成形する場合に特に好適
な液状のシリコーンゴム組成物及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンポリマーに補強性シリカ充填剤を多量に配合する
と、その組成物は引張強度、引裂強度、伸び、耐熱性な
どの優れた物理的特性を有するようになることが知られ
ている。しかし、シリコーンポリマーにシリカ充填剤を
多量に配合するためには、シリカ充填剤の分散性を良好
にするため、分散剤(ウェッター)を多量に添加する必
要がある。
【0003】従来、ウエッターとしては、下記式 HO〔(CH32SiO〕xH(x=10〜20) で示される重合度が10〜20のα,ω−シロキサンジ
オールが一般的に用いられてきた(米国特許第3799
962号公報)。
【0004】また、RO〔(CH32SiO〕y
(R:短鎖アルキル基,y=3〜5)のα−アルコキシ
−ω−シロキサノールも知られており、更にはヘキサメ
チルトリシロキサンジオールとメトキシヘキサメチルト
リシロキサノールの混合物を用いたアンチスラクチャー
剤も提案されている(米国特許第3925285号公
報)。しかし、これらのように末端に水酸基を有するシ
リコーンオイルをウェッターとして使用する場合、シリ
カ充填剤を多量にシリコーンポリマー中に配合すること
は可能となるが、得られるシリコーンポリマー組成物は
チキソトロピー性を有する高粘度の組成物となり、この
組成物を成形する場合は流動性がないために射出成形に
は適さない。
【0005】上記シリコーンオイルとは別にヘキサメチ
ルジシラザンも液状シリコーンゴム組成物のウェッター
として知られている。しかし、ヘキサメチルジシラザン
をウェッターとして使用して得られる液状のシリコーン
ゴム組成物は、その流動性も良好で粘度も抑えられる
が、ヘキサメチルジシラザンを配合する際に副生するア
ミンにより、その硬化性が悪くなったり、保存時に増粘
するといった問題があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、流動性及び硬化特性に優れるのみならず、保存時の
粘度安定性も良好な液状のシリコーンゴム組成物及びそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、(a)1分子中にケイ素原子と結合したアルケニル
基を2個以上有するオルガノポリシロキサンと、(b)
比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強性シリ
カ充填剤と、更に(e)1分子中にケイ素原子と結合す
る水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポ
リシロキサン及び(f)白金系触媒を主成分とする付加
反応硬化型の液状シリコーンゴム組成物に対し、下記一
般式(1)又は(2)で示されるシラノール基含有シロ
キサン(d)及びこのシロキサンのシラノール基と上記
シリカ充填剤表面のシラノール基とを縮合させるための
縮合触媒(c)を配合すること、この場合、特に上記
(a)成分の一部又は全部及び(b)成分の全部を混合
する際に、上記縮合触媒(c)と上記シロキサン(d)
とを添加配合することが有効であることを知見した。
【0008】
【化3】 (但し、式中R1はメチル基、トリメチルシロキシ基、
ビニル基又はトリフルオロプロピル基を示す。)
【0009】即ち、(a)成分のオルガノポリシロキサ
ンと(b)成分のシリカ充填剤とに、(d)成分の上記
式(1)又は(2)で示される特定のシラノール基含有
シロキサン化合物と(c)成分の縮合触媒とを配合して
シリカ充填剤の表面シラノール基と式(1)又は(2)
の化合物のシラノール基とを縮合させることにより、従
来公知の末端に水酸基を有するシリコーンオイルをウェ
ッターとして使用した場合に生じていた、得られる組成
物にチキソトロピー性が発現する上に増粘し、その組成
物は流動性がないために射出成形には向かないという問
題点、並びに上記従来のシリコーンオイルに代えてヘキ
サジメチルジシラザンを使用した場合には、得られる組
成物の流動性は良好であるが硬化特性が悪くなり、粘度
の保存安定性も低下してしまう、という問題点のいずれ
をも解決し、液状シリコーンゴム組成物の良好な流動性
を損なうことなく硬化特性を顕著に改善し、且つシリコ
ーンゴム組成物の保存時の粘度上昇を抑え、更には、上
記式(1)又は(2)のシロキサン化合物はシラノール
基の活性が高いため、シリカ等の充填剤の配合が非常に
行い易くなるという利点をも与えるものであるというこ
とを知見し、本発明をなすに至った。
【0010】従って、本発明は、(a)1分子中にケイ
素原子と結合したアルケニル基を2個以上有するオルガ
ノポリシロキサン;100重量部、 (b)比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強
性シリカ充填剤;5〜100重量部、 (c)塩基性化合物、スズ化合物、チタン化合物、およ
び亜鉛化合物から選ばれる少なくとも1種の縮合触媒;
(d)成分1重量部に対して0.005〜1重量部、 (d)下記一般式(1)又は(2)で示される化合物;
(b)成分に対して1〜30重量%、 (e)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個
以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;
(e)成分中のケイ素原子結合水素原子の数と(a)成
分のケイ素原子結合アルケニル基の数との比率が0.
5:1〜20:1となる量、 (f)白金系触媒;(a)成分と(e)成分との合計量
に対して白金金属として0.1〜1000ppmを含有
してなる液状シリコーンゴム組成物及びこのシリコーン
ゴム組成物を製造するにあたり、上記(a)成分の一部
又は全部及び(b)成分の全部を混合する際に、上記
(c)成分及び(d)成分を配合することを特徴とする
液状シリコーンゴム組成物の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の(a)成分のオルガノポリシロキサンは本発明のシ
リコーンゴム組成物の主成分であり、この(a)成分の
オルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個
のケイ素原子結合アルケニル基を有することが必要であ
る。
【0012】この(a)成分のオルガノポリシロキサン
としては、下記平均組成式(3) R aSiO(4-a)/2 …(3) で示されるものが好適に用いられる。
【0013】ここで、R はケイ素原子に結合した炭素数
1〜12、特に1〜8の非置換又は置換1価炭化水素基
であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル等のアルキ
ル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル等のシクロアルキル基、ビニル、アリル、プロペニ
ル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル等のアルケニル基、フェニル、トリ
ル、キシリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、メチル
ベンジル等のアラルキル基やこれらの炭化水素基中の水
素原子の一部又は全部がF,Cl,Br等のハロゲン原
子やシアノ基などで置換されたクロロメチル基、2−ブ
ロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、
3−クロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ
る。
【0014】この場合、上記オルガノポリシロキサン
は、上記Rで示される有機基のうち少なくとも2個はア
ルケニル基であり、好ましくは全R基中0.001〜5
モル%、より好ましくは0.01〜2モル%がアルケニ
ル基である。アルケニル基の割合が少なすぎる場合に
は、得られる組成物の硬化性が低下し、また、多すぎる
場合には、硬化物の引張強度、引裂強度、伸びなどの物
理的特性が低下する。なお、アルケニル基は分子鎖末端
のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原
子に結合してもよく、両者に存在してもよい。
【0015】また、上記式(3)中、aは1.65〜
2.35、好ましくは1.8〜2.2の正数であり、こ
のオルガノポリシロキサンの分子構造は基本的には直鎖
状であることが好ましく、また分子鎖両末端にアルケニ
ル基を有するものであることが好ましいが、一部分に分
岐状構造を有していてもよい。なお、このオルガノポリ
シロキサンは、その分子鎖末端がトリビニルシリル、メ
チルジビニルシリル、ジメチルビニルシリル又はトリメ
チルシリル基などのトリオルガノシリル基で封鎖されて
いるものが好ましい。
【0016】上記オルガノポリシロキサンの分子量は適
宜選定されるが、硬化してゴム状弾性体になるという
点、及び液状シリコーンゴム組成物を与えるという点か
ら25℃の粘度が100〜300,000センチポイ
ズ、特に1,000〜100,000センチポイズであ
ることが好ましい。
【0017】本発明の(b)成分の比表面積(BET
法)が50m2/g以上の補強性シリカ充填剤として
は、例えばヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ
等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組
み合わせて用いてもよい。また、それらのシリカ充填剤
はその表面を、例えば鎖状オルガノポリシロキサン、環
状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等
のオルガノシラザンなどによって処理されたものでもよ
い。
【0018】本発明の(b)成分のシリカ充填剤は、B
ET法による比表面積が50m2/g以上であることを
要するが、特に、得られたシリコーンゴム組成物の透明
性、補強性においては比表面積が100〜400m2
gであるヒュームドシリカが望ましい。また、得られた
シリコーンゴム組成物のコスト、弾性などの物性では比
表面積が50〜800m2/gの補強性、沈降性シリカ
が特に望ましい。
【0019】上記シリカ充填剤の配合量は上記(a)成
分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して5〜
100重量部の割合が好ましく、より好ましくは10〜
60重量部である。配合量が多すぎる場合又は少なすぎ
る場合には、得られるシリコーンゴム組成物の成形性が
低下する場合があり、またそのシリコーンゴム組成物を
硬化して得られる硬化物が十分な引張強度、引裂強度な
どの機械的強度を有しなくなる場合がある。
【0020】本発明は、上記(a)成分のオルガノポリ
シロキサンと(b)成分のシリカ充填剤とを配合する際
に、(c)成分の縮合触媒と下記(d)成分の化合物
(ウェッター)とを配合するものであるが、この(c)
成分の縮合触媒は、これを添加することによりシリコー
ンゴム組成物の流動性が顕著に改善されるものである。
これに対し、この(c)成分を添加しない場合には得ら
れるシリコーンゴム組成物の流動性は著しく損なわれ、
射出成形が不可能となる。このような縮合触媒として
は、シリカ表面のシラノール基と後述する本発明の
(d)成分のシラノール基との縮合を促進するものであ
る限り特に制限はされないが、例えばアンモニア、アン
モニア水、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド等のアンモニウム塩、下記に示すようなリン−シリコ
ネート塩、下記に示すようなカリウム−シリコネート塩
等の塩基性化合物、オクチル酸スズ、ジブチルチンジラ
ウレートなどのスズ化合物、テトラブチルチタネートな
どのチタン化合物、オクチル酸亜鉛、ナフチル酸亜鉛等
の亜鉛化合物などが使用され、これらの中でも特にアン
モニア、アンモニア水等が好適に使用される。
【0021】
【化4】
【0022】上記(c)成分の縮合触媒の配合量は、下
記(d)成分1重量部に対して0.005〜1重量部、
好ましくは0.01〜0.8重量部である。配合量が少
なすぎる場合には得られる組成物が十分な流動性を有し
なくなる場合があり、多すぎる場合には組成物の硬化
性、硬化物の機械的特性等に悪影響を及ぼす場合があ
る。
【0023】本発明の(d)成分は、下記式(1)又は
(2)で表されるシラノール基を有するオルガノシロキ
サン化合物であり、上記(a)、(b)成分を混合する
際にウェッターとして上記(c)成分の縮合触媒と共に
配合され、これにより本発明のシリコーンゴム組成物の
硬化性、流動性及び保存時の粘度が顕著に改善されるも
のである。
【0024】
【化5】 (但し、式中R1はメチル基、トリメチルシロキシ基、
ビニル基又はトリフルオロプロピル基を示す。)
【0025】ここで、上記式(1)で示される化合物は
公知の方法により得ることができ、例えば1,1,1,
3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、
3,5−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,1,
7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,1,
1,7,7,7−ヘキサメチル−3,5−ジビニルテト
ラシロキサン、3,5−ビス(トリフルオロプロピル)
−1,1,1,7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキ
サン、1,1,1,3,7,7,7−ヘプタメチル−5
−ビニルテトラシロキサンなどをPd/C触媒で加水分
解する等の方法により得ることができる。
【0026】一方、上記式(2)の化合物も、同様に公
知の方法で得ることができ、例えば1,1,1,3,
5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、3−(トリ
メチルシロキシ)−1,1,1,5,5,5−ヘキサメ
チルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサ
メチル−3−ビニルトリシロキサン、1,1,1,5,
5,5−ヘキサメチル−3−トリフルオロプロピルトリ
シロキサンなどをPd/C触媒で加水分解する等の方法
により得ることができる。
【0027】上記式(1)又は(2)の化合物は、その
1種を単独で使用しても、2種以上を併用しても良く、
その配合量は、上記(b)成分のシリカ充填剤に対し、
1〜30重量%添加するのが望ましいが、より好ましく
は2〜20重量%である。1重量%未満であるとシリカ
の活性が強いために保存時の粘度安定性の改善が十分で
ない場合があり、30重量%を超えると硬化物の機械的
特性に悪影響を及ぼす可能性があり、コスト高になる。
【0028】本発明の(e)成分のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンは、本発明のシリコーンゴム組成物
の架橋剤として作用するものである。即ち、この(e)
成分のケイ素原子結合水素原子は、下記(f)成分の白
金系触媒存在下、上記(a)成分のケイ素原子結合アル
ケニル基に付加反応して、架橋することにより、シリコ
ーンゴム組成物を硬化せしめるものである。従って、本
発明の(e)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンは1分子中に少なくとも2個以上、通常2〜200
個、好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子
(即ち、SiH基)を有することが必要である。
【0029】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンとしては、下記一般組成式(4) R bcSiO(4-b-c)/2 …(4) で示されるものが好適に用いられる。
【0030】ここで、R’は炭素数1〜12、特に1〜
8の非置換又は置換1価炭化水素基であり、上記Rで例
示した基と同様の基、好ましくは脂肪族不飽和結合を含
まないものを挙げることができ、特にアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、置換アルキル基が好ましいもの
として挙げられる。bは0.8≦b≦2.2、より好ま
しくは1.2≦b≦2、cは0.002≦c≦1.0、
より好ましくは0.01≦c≦0.8の正数であり、b
+cは0.8<b+c≦3、より好ましくは1.5≦b
+c≦2.7であることが好ましく、(e)成分の分子
構造としては直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のい
ずれの状態であってもよく、SiH基は分子鎖の末端に
存在しても、分子鎖途中に存在してもよい。さらに、
(e)成分の分子量に特に限定はないが、25℃での粘
度が1〜1000センチポイズ、特に3〜500センチ
ポイズの範囲であることが好ましい。
【0031】上記(e)成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンの配合量は、(e)成分中のケイ素原子
結合水素原子(即ち、SiH基)の数と、前記(a)成
分中のケイ素原子結合アルケニル基の数との比率が0.
5:1〜20:1となるような量が好ましく、より好ま
しくは1:1〜3:1となるような量である。このアル
ケニル基に対するケイ素原子結合水素原子の比率が低す
ぎる場合には組成物が十分に硬化することができない場
合があり、高すぎる場合には発泡する恐れがある。
【0032】本発明の(f)成分の白金系触媒は本発明
の組成物を硬化させるための触媒である。このような白
金系触媒としては、例えば微粉末金属白金触媒(例えば
米国特許第2970150号公報に記載されたもの)、
塩化白金酸触媒(例えば米国特許第2823218号公
報に記載されたもの)、白金−炭化水素錯化合物(例え
ば米国特許第3159601号又は同第3159662
号公報に記載されたもの)、塩化白金酸−オレフィン化
合物(例えば米国特許第3516946号公報に記載さ
れたもの)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば米国
特許第3775452号又は同第3814780号公報
に記載されたもの)等が挙げられる。この(f)成分の
添加量は、上記(a)成分と(e)成分との合計量に対
して、白金金属として0.1〜1000ppmとするの
が望ましいが、より好ましくは1〜100ppmであ
る。0.1ppm未満であると組成物の硬化が十分に進
行しない場合が多く、1000ppmを超えるとコスト
高になる。
【0033】本発明のシリコーンゴム組成物は、流動性
を有する液状の組成物であり、その粘度は特に制限され
ないが、25℃における粘度が50〜50000ポイ
ズ、好ましくは200〜20000ポイズとすることが
望ましい。また、本発明のシリコーンゴム組成物には、
本発明の効果を損なわない限り、更に必要に応じて通
常、この種の組成物に配合される各種添加剤、例えば反
応制御剤、顔料、難燃剤、離型剤等を任意成分として配
合することができる。
【0034】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記
(a)〜(f)成分及び任意成分を適宜混合するだけで
も得られるが、本発明の製造方法は、上記(a)成分の
オルガノポリシロキサンの一部又は全部と(b)成分の
シリカ充填剤の全部とを混合する際に、上記(c)成分
の縮合触媒と(d)成分の特定のシラノール基含有オル
ガノシロキサン化合物とを配合するものである。即ち、
(c)成分の縮合触媒により(b)成分のシリカ充填剤
のシラノール基と(d)成分のシラノール基との縮合が
促進され、組成物の流動性を損なうことなく多量の
(b)成分のシリカ充填剤を配合することが容易となる
と共に、(b)成分のシリカ充填剤のシラノール基と
(d)成分のシラノール基との縮合により、(b)成分
のシリカ充填剤の活性が抑制されて、保存時の粘度安定
性が改善される。なお、(e)、(f)成分は、このよ
うに(a)成分の一部又は全部と(b)、(e)、
(d)成分を混合した後、添加配合することが好まし
く、この際、(a)成分の一部を(b)、(c)、
(d)成分と混合した場合は(a)成分の残量はこれら
(e)、(f)成分と共に混合することができる。ここ
で、(b)、(c)、(d)成分と混合する(a)成分
の量は適宜選定されるが、(a)成分全体の50重量%
以上、特に70重量%以上であることが好ましい。その
他の任意成分は、上記(c)、(d)成分の添加配合
時、或いは(e)、(f)成分の添加時に適宜選定して
配合することができる。
【0035】このように、本発明のシリコーンゴム組成
物を製造する場合、上記(a)〜(f)成分及び任意成
分を常温で均一に混合するだけで得ることも可能である
が、上述したように上記(a)〜(d)成分及び必要に
応じて任意成分をプラネタリーミキサー、(加圧)ニー
ダーミキサー、エクストルーダー等の混練り機で混練り
し、100〜400℃で1分〜8時間熱処理し、その後
に上記(e)、(f)成分及び必要に応じて任意成分を
混合して製造することが好ましい。
【0036】上記のようにして得られた本発明のシリコ
ーンゴム組成物は、従来のシリコーンゴム組成物と同様
に、その粘度に応じて射出成形、トランスファー成形、
注入成形、圧縮成形等の手段を適宜選択して成形するこ
とが可能であるが、本発明の組成物の場合は、射出成形
機を使用して成形すると、より好適である。本発明の組
成物をこのような装置を用いて成形する場合、通常は室
温〜250℃で10秒〜120分間加熱することで硬化
させることができる。このようにして得られた硬化物
は、必要に応じて更に30分〜4時間、2次加硫しても
良い。
【0037】
【発明の効果】本発明の液状シリコーンゴム組成物、特
に(a)成分のオルガノポリシロキサンの一部又は全部
と(b)成分のシリカ充填剤とを混合する際に、(c)
成分の縮合触媒と(d)成分の特定のシラノール基含有
オルガノシロキサン化合物とを配合することにより得ら
れた液状シリコーンゴム組成物は、流動性、硬化性に優
れると共に、保存時の粘度も安定しているので、特に射
出成形機による成形材料として好適であり、例えばロー
ル部材、自動車部材のコネクタ材料、電子レンジ、電子
ジャー等のパッキン、キーボード部材、時計部品、カメ
ラ部品、各種Oリングなどの成型品の材料として好適に
用いられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお実施例中部は重量部を表す。
【0039】[実施例1]25℃における粘度が100
00センチポイズの両末端がジメチルビニルシロキシ基
で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A)100部に
沈降シリカ(日本シリカ工業社製、商品名ニプシルL
P:BET法による比表面積200m2/g)40部、
下記式(5)で示される化合物(B)3部及びアンモニ
ア水(29%)2部をニーダーミキサーに入れ、均一に
混合し、更に150℃で1時間加熱混合して液状シリコ
ーンゴムベースを得た。
【0040】この液状シリコーンゴムベース100部
に、上記ジメチルポリシロキサン(A)30部、架橋剤
として下記式(6)で示される25℃における粘度が1
5csのメチルハイドロジェンポリシロキサン2部、塩
化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液0.1部、
反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05
部を添加し、均一に混合して液状シリコーンゴム組成物
を得た。
【0041】
【化6】
【0042】[実施例2]実施例1において化合物
(B)の代わりに下記式(7)で示される化合物(C)
を3部用いた以外は実施例1と同様にして液状シリコー
ンゴム組成物を得た。
【0043】
【化7】
【0044】[比較例1]実施例1において化合物
(B)の代わりにヘキサメチルジシラザン3部、アンモ
ニア水(29%)2部の代わりに水1部を用いた以外は
実施例1と同様にして液状シリコーンゴム組成物を得
た。
【0045】[比較例2、3]実施例1において化合物
(B)3部及びアンモニア水(29%)2部の代わり
に、平均重合度10のジメチルポリシロキサン−α,ω
−ジオール4部又は8部を用い、アンモニア水(29
%)2部を除外した以外は実施例1と同様にして液状シ
リコーンゴム組成物を得たが、ジメチルポリシロキサン
−α,ω−ジオール4部を用いた比較例2の場合、製造
の過程において液状シリコーンゴムベースに沈降シリカ
を配合することが困難であった。また、ジメチルポリシ
ロキサン−α,ω−ジオール8部を用いた比較例3の場
合、得られた液状シリコーンゴム組成物は、チキソトロ
ピー性があり、射出成形には不向きなものであった。
【0046】[比較例4]実施例1においてアンモニア
水(29%)2部を除外した以外は実施例1と同様にし
て液状シリコーンゴム組成物を得た。
【0047】上記実施例及び比較例のシリコーンゴム組
成物についてレオメータを用いて150℃における硬化
性を測定した。また、各シリコーンゴム組成物を120
℃で10分間プレス成形してそれぞれ厚さ2mmのゴム
シートを得、これらの一般的物性値を測定した。更に、
各シリコーンゴムベースについて60℃保存時の粘度変
化を観察した。これらの結果を表1に示す。なお、表1
においてT10、T90は、硬化開始後2分経過時のト
ルクを100%としたとき、トルクがそれぞれ10%、
90%になるまでの時間である。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から、本発明のシリコーンゴム
組成物は、初期粘度も低く、硬化性、流動性に優れ、保
存時の粘度変化も小さいことが認められる。それに対
し、ウェッターとしてヘキサメチルジシラザンを用い、
縮合触媒の代わりに水を用いた組成物(比較例1)は硬
化性がやや悪く、保存時の粘度変化も大きい。一方、ウ
ェッターとしてα,ω−シロキサンジオールを用い、縮
合触媒を用いない組成物(比較例3)は初期粘度が高
く、流動性に劣り、更に保存時の粘度変化も大きい。ま
た、縮合触媒を用いない組成物(比較例4)は流動性に
劣り、保存時の粘度安定性の改善効果も小さいことが認
められる。
【0050】[実施例3]実施例1において沈降シリカ
(ニプシルLP)の代わりにBET法による比表面積が
200m2/gのヒュームドシリカ(日本アエロジル株
式会社製、商品名エロジル200)を用い、化合物
(B)を6部とした以外は実施例1と同様にして液状シ
リコーンゴム組成物を得た。
【0051】[実施例4]実施例1において沈降シリカ
(ニプシルLP)の代わりに上記ヒュームドシリカ(エ
ロジル200)、化合物(B)3部の代わりに化合物
(C)6部を用いた以外は実施例1と同様にして液状シ
リコーンゴム組成物を得た。
【0052】[比較例5]比較例1において沈降シリカ
(ニプシルLP)の代わりに上記ヒュームドシリカ(エ
ロジル200)を用い、ヘキサメチルジシラザンを8
部、水を2部とした以外は比較例1と同様にして液状シ
リコーンゴム組成物を得た。
【0053】[比較例6]実施例3においてアンモニア
水(29%)2部を除外した以外は実施例3と同様にし
て液状シリコーンゴム組成物を得た。
【0054】これらの実施例及び比較例について上記と
同様にして、硬化性及び各シリコーンゴム組成物から得
られたゴムシートの一般的物性値を測定し、60℃保存
時の粘度変化を観察した。これらの結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2の結果によれば、本発明のシリコーン
ゴム組成物は、上記表1の場合と同様に、初期粘度も低
く、硬化性、流動性に優れ、保存時の粘度変化も小さい
ことが認められる。それに対し、ウェッターとしてヘキ
サメチルジシラザンを用い、縮合触媒の代わりに水を用
いた組成物(比較例5)は硬化性がやや悪く、保存時の
粘度変化も非常に大きく、縮合触媒を用いない組成物
(比較例6)は流動性が悪くなり、保存時の粘度安定性
の効果も小さいことが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−228782(JP,A) 特開 平8−157726(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08L 83/05 C08K 3/36 C08K 5/541

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1分子中にケイ素原子と結合した
    アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサ
    ン;100重量部、 (b)比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強
    性シリカ充填剤;5〜100重量部、 (c)塩基性化合物、スズ化合物、チタン化合物、また
    は亜鉛化合物から選ばれる縮合触媒;(d)成分1重量
    部に対して0.005〜1重量部、 (d)下記一般式(1)又は(2)で示される化合物;
    (b)成分に対して1〜30重量%、 【化1】 (但し、式中R1はメチル基、トリメチルシロキシ基、
    ビニル基又はトルフルオロプロピル基を示す。) (e)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個
    以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;
    (e)成分中のケイ素原子結合水素原子の数と(a)成
    分のケイ素原子結合アルケニル基の数との比率が0.
    5:1〜20:1となる量、 (f)白金系触媒;(a)成分と(e)成分との合計量
    に対して白金金属として0.1〜1000ppm を含有することを特徴とする液状シリコーンゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 (a)1分子中にケイ素原子と結合した
    アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサ
    ン、 (b)比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強
    性シリカ充填剤、 (c)塩基性化合物、スズ化合物、チタン化合物、また
    は亜鉛化合物から選ばれる縮合触媒、 (d)下記一般式(1)又は(2)で示される化合物、 【化2】 (但し、式中R1はメチル基、トリメチルシロキシ基、
    ビニル基又はトルフルオロプロピル基を示す。) (e)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個
    以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、 (f)白金系触媒 を含有する液状シリコーンゴム組成物を製造するにあた
    り、上記(a)成分の一部又は全部及び(b)成分の全
    部を混合する際に、上記(c)成分及び(d)成分を配
    合することを特徴とする液状シリコーンゴム組成物の製
    造方法。
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