JP3916304B2 - 屈折率分布型光ファイバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信媒体として利用可能な屈折率分布型プラスチック光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの半径方向の屈折率分布がその中心部から外周部に向かって順次減少する屈折率分布型プラスチック光ファイバ(以下「GI型POF」という)は、ステップインデックス型光ファイバに比較して周波数帯域が広く、光通信媒体として期待されている。
【0003】
GI型POFの曲げ損失や、光源との結合損失を改善するために、開口数(NA)が大きく、伝送損失のできる限り小さなGI型POFを製造する必要がある。NAを大きくするには、GI型POFの中心部と最外周部の最大屈折率差Δnが大きくなるように設計しなければならない。
【0004】
このGI型POFの製造方法としては種種の方法が知られており、(1)反応性比が異なり、且つその単独重合体の屈折率が異なる2種類の単量体を、これら単量体の重合体からなる円筒容器内に入れて重合体を溶解・膨潤させた後に、重合させ、次いで延伸する方法(特開昭61−130904号公報)、(2)屈折率の異なる2種類の重合体を用いて、その混合比を変化させた複数の重合体混合物を調製し、これらを多層紡糸し、次いで熱処理することによって各層間で相互拡散させる方法(特開平1−265208号公報)、(3)共重合組成比の異なる複数の二元共重合体からなるフィルムを巻き付けた積層体を加熱延伸する方法(特公昭55−15684号公報)等がある。
【0005】
また、熱履歴が加わることにより生じる伝送損失をできる限り小さくする目的から、(4)コア層とクラッド層の間に段階的に屈折率の変化を有する整合層を具備したステップインデックス型光ファイバがある(特開平5−232337号公報)。更に、屈折率が異なる樹脂を積層し、段階的な屈折率分布を付与するものがある。(特開平9−133818号公報、特開平9−133819号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)及び(2)の方法で製造されるGI型POFは全体が重合体の混合物の層で構成されているために、ミクロ相分離などによる不均一な構造が発生し、POFの光散乱損失が大きい点が問題である。また(3)の方法で製造されるスチレンとメチルメタクリレート共重合体等からなるGI型POFは、多層構造ファイバの隣接する層の共重合体間の屈折率差が0.02等と大きすぎるので、光散乱損失が大きいものである。
【0007】
また、(3)の方法において、塩化ビニル(ポリマーのガラス転移温度Tg=77℃)と酢酸ビニル(Tg=27℃)、エチレン(Tg=−23℃)と酢酸ビニルまたはメタクリル酸エチル(Tg=65℃)または塩化ビニル等の二元共重合体のフィルムを巻き付ける方法によるPOFについても示唆されているが、それらのNAの大きなPOFを得ようとした場合、その一部にガラス転移温度が低い層が存在し、賦形時に発生する糸斑や層構造の不整、または、紡糸後の取り扱いにおいて加えられる曲げ、ねじれなどの歪み、応力により発生する層構造の不整が原因で、POFの伝送損失が増大し、また、実用性能要求されるPOFの耐湿熱特性が大きく低下し、伝送損失が増大する結果となる。(4)の特開平5−232337号公報に開示されるベンジルメタクリレート(Tg=54℃)とメチルメタクリレート(Tg=112℃)の共重合体を用いた製造物では、POF中心部付近でのそれらの単量体の配合比が10:1であり、本共重合層のTgは60℃以下であり、上記の理由から、そのPOFの伝送損失は680dB/kmと極めて大きく、耐湿熱特性の上からも、実用性能に乏しい。また、特開平9−133818号公報に開示される光ファイバにおいても中心部付近にベンジルメタクリレート単独重合体を、特開平9−133819号公報においては周辺部付近に2、2、2−トリフルオロエチルメタクリレート(Tg=75℃)単独重合体を用いているため、やはり同様の問題を有する。
【0008】
本発明の目的は、伝送損失が小さくて開口数が比較的大きな、耐湿熱特性に優れる広帯域POFを可能にする技術を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、中心部の屈折率が最も高く、外周部に向かって屈折率が順次低下する多層構造の屈折率分布型光ファイバであって、前記多層構造を形成する各層は、ビニル型単量体単位M1、M2、…及びMn(nは2以上の整数)からそれぞれ構成される単独重合体HP1、HP2、…及びHPn、並びにこれら単量体単位の2種で構成される2元共重合体CPの一種類以上からなる群より選ばれたガラス転移温度(Tg)が80℃以上である(共)重合体からなり、かつ前記多層構造の各層間には厚みが1〜10μmの混合層が形成され、前記混合層は、混合層に隣接して存在する2つの(共)重合体の混合層が形成されてなるとともに、混合層に隣接して存在する2つの非混合層(LNB)を構成する、互いに同種の単量体により構成される2つの共重合体間の共重合組成比の差が20モル%以下であることを特徴とした屈折率分布型光ファイバにある。
【0010】
また本発明の要旨は、2種類の単量体M1及びM2から製造される共重合組成比と屈折率が異なる(共)重合体を同心円状に積層した多層構造であって、各層間には隣接する2つの(共)重合体の混合層が形成されてなる前記の光ファイバにある。
【0011】
更に本発明の要旨は、3種類の単量体M1、M2及びM3から製造される共重合組成比と屈折率が異なる2元共重合体CP1/2、CP2/3、単独重合体HP1、HP2、HP3から選ばれる(共)重合体を、同心円状に積層した多層構造であって、各層間には隣接する2つの(共)重合体の混合層が形成されてなる前記の光ファイバにある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい態様として、2種類の単量体M1及びM2から製造される光ファイバであって、単独重合体HP1及びHP2の屈折率の差が0.05以上であることを特徴とする光ファイバがある。
【0013】
また本発明の好ましい態様として、3種類の単量体M1、M2及びM3から製造される光ファイバであって、単独重合体HP1、HP2及びHP3の屈折率の差がそれぞれ0.05以上であることを特徴とする光ファイバがある。
【0014】
また本発明の好ましい態様として、屈折率が異なる(共)重合体を同心円状に積層した多層構造であって、隣接する層間の(共)重合体の屈折率差が0.016以下であり、各層間には隣接する2つの共重合体の混合層が形成された構造を有する光ファイバがある。
【0015】
また更に本発明の好ましい態様として、隣接する(共)重合体間の共重合組成比の差が20モル%以下である光ファイバがある。
【0016】
また本発明の好ましい態様として、各(共)重合体中の単量体の残存量が0.5重量%以下である光ファイバがある。
【0017】
また本発明の好ましい態様として、各(共)重合体中の連鎖移動剤の残存量が150ppm以下である光ファイバがある。
【0018】
更に本発明の好ましい態様として中心より順次屈折率が低下する同心円状の多層構造を有する光ファイバであって、その外周部に一つ又は複数の鞘層を有する光ファイバがある。
【0019】
また本発明の好ましい態様として、中心より順次屈折率が低下する同心円状の多層構造を有する光ファイバであって、以下の式で表される開口数NAの値が0.2〜0.35に相当する層に伝送損失が500dB/km以上の材料からなる厚さ5〜50μmの第一鞘層を有し、更にその外周部に、開口数NAの値が0.4〜0.6に相当する層に、厚さ5〜50μmの第二鞘層を有する光ファイバがある。
【0020】
NA=( n0 2−nr 2 )0.5 (1)
(但しn0は光ファイバの中心軸の屈折率、nrは中心からの動径rでの屈折率を示す。)
また本発明の好ましい態様として、前記の光ファイバであって、650nmにおける伝送損失が250dB/km以下、50mで測定した帯域が400MHz以上であり、65℃95%RHの湿熱雰囲気下で1000時間保持した時の伝送損失の増加が50dB/km以下であることを特徴とする通信用広帯域光ファイバがある。
【0021】
また本発明の好ましい態様として、前記のいずれかの光ファイバの複数本が、支持体となる重合体中に配置されてなる多芯光ファイバがある。
【0022】
また本発明の好ましい態様として、前記光ファイバの外周部に被覆層が形成されてなる光ファイバケーブルがある。
【0023】
本発明において、HPは単独重合体、CPは二元共重合体、Pは単独重合体または二元共重合体、BPは2つの(共)重合体の混合物、LNBはひとつの(共)重合体からなる非混合層、LBは2つの(共)重合体を混合した混合物からなる混合層を意味する。
【0024】
本発明の理解を容易にするために先ず単量体の数nが3の場合について説明する。単量体の数nが3の場合、各単量体M1、M2及びM3からそれぞれ3種類の単独重合体HP1、HP2及びHP3が製造されうる。また、M1とM2またはM2とM3から製造される2系列の2元共重合体CPが製造されうる。これらのひとつのCP(またはひとつのHP)と他のCPは互いに相溶性の良いものを選択するのが好ましい。
【0025】
本発明において高屈折率重合体は、単量体M1の単独重合体HP1、単量体M1と単量体M2との種々のモル組成比の共重合体CP、又は、単独重合体HP1と単独重合体HP2との種々の混合組成比の重合体混合物BPとして調製される。
【0026】
又、低屈折率重合体は同様にして、単量体M3の単独重合体HP3、単量体M3と単量体M2との種々のモル組成比の共重合体CP、又は、単独重合体HP3と単独重合体HP2との種々の混合組成比の重合体混合物BPとして調製される。
【0027】
本発明の多層構造のPOFは、図1に示すように厚みTNBの非混合層(LNB)と厚みTBの混合層(LB)からなる構造、または非混合層(LNB)のみからなる構造である。非混合層(LNB)はひとつの(共)重合体のみから構成される層であり、混合層(LB)はその両側の非混合層を構成する2つの(共)重合体の混合物BPで構成される層である。
【0028】
非混合層(LNB)の数を多くすれば実質的に混合層(LB)が存在しない構造とすることもできる。しかし非混合層(LNB)の数が少ない場合は、屈折率の急激な変化を避けるために、混合層(LB)が必要であり、またその厚みTBをある程度大きくすることが必要となる。
【0029】
図1は、3つの非混合層(LNB)と2つの混合層(LB)からなる5層構造のPOFを示している。図1(a)はPOFの横断面図、(b)は縦断面図、(c)は半径方向の屈折率分布を示す図である。非混合層(LNB)において屈折率は一定であり、混合層(LB)において屈折率はなだらかに変化している。全体の層数が多くなれば全体の屈折率分布はより滑らかになる。
【0030】
光伝送帯域を大きくするためには屈折率分布は滑らかな方が好ましい。しかし混合層(LB)の割合が多すぎると光伝送損失が大きくなる。そこで光伝送帯域の大きさと光伝送損失の大きさのバランスを考慮して、屈折率分布の形状が選定される。
【0031】
尚、図1のGI型POFの外周部には鞘層や被覆層(ジャケット層)を設けることができる。鞘層、被覆層はそれぞれ2層以上の多層構造とすることができる。被覆層(ジャケット層)にはポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリオレフィンエラストマ、ポリウレタン、ナイロン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の公知の物を使用できる。 また、本発明において述べる多層構造POFを、主に光伝送路として使用されるコア部分と考え、その外周に更に鞘層を設けることができる。鞘層は2層以上の多層構造とすることもできる。鞘層には公知の樹脂を用いることが可能であり、POFに付与したい特性等に応じて適宜決定される。POFの曲げ損失を抑制したい場合には、鞘層の最内周層の屈折率と光ファイバの最外周層の屈折率との差を0.001以上にすることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、α−フルオロアクリレート系重合体等を鞘材として用いることが好ましい。
【0032】
繰り返し屈曲特性の向上のためには、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体等を用いることが好ましい。
【0033】
耐熱性の向上のためには、酸素遮断性を有する重合体、例えばエチレン/ビニルアルコール共重合体等を用いることが好ましい。防湿性を付与するためには、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体等を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の特殊な態様においては、鞘層に用いられる素材を被覆層として用いることも可能である。また2本以上のPOFを纏めて被覆することも可能である。
【0035】
先ず混合層(LB)を構成するBPについて説明する。一般にBPは、HPやCPに比べて、屈折率揺らぎ及び相分離構造(以下適宜「不均一構造」という)を誘発し易い傾向にあるため、POF中のLBの割合が多い程、POF全体の光散乱損失が大きくなる。
【0036】
また一般にBPは、HPやCPに比べて、構造の熱的安定性が乏しいので、POFを比較的高温域で長期間使用した場合、POF中に混合層LBが大きな割合で存在すると、POFの不均一構造が助長され、光散乱損失が増大する。
【0037】
このようにPOF中のLBの割合が多い程、POF全体の光散乱損失が大きくなるので、POF中のLBの割合は少ない方が好ましく、厚み(TB)も小さい方が好ましい。TBは、一般的に、半径方向におけるLBの位置によって異なり、目標とする帯域性能や、層数にも依存するが、それぞれ0.3〜100μm程度が好ましく、1〜10μm程度であることがより好ましい。
【0038】
又BPを形成するHPもしくはCPとCPは、相溶性が良好であってその屈折率差が十分に小さいことが好ましい。
【0039】
本発明のGI型POFを構成する(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は80℃以上であることが好ましい。Tgが低過ぎると、POF全体の耐湿熱性が低下し、湿度を伴う比較的高温の使用環境において伝送損失が増大する。即ち、低Tgのポリマーは動き易いことから、例えば、LB層での相分離などによる新たな不均一構造が形成され散乱損失が増大する。また低Tgのポリマーでは水分子等の低分子物のポリマー中での移動度が著しく増すことから、湿熱環境下でPOF中への水分の侵入が容易となり、水に起因した分子振動吸収損失の増大、および水と残存単量体や残存重合助剤との相互作用による新たな不均一構造形成やファイバー形状の変化による散乱損失が増大する。
【0040】
従って、 一般的使用を想定した耐熱温度としての要求が、70℃程度であるため、本GI型POFを構成する全てのLNB層の(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、95度以上であることが更に好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。
【0041】
Tg差が大きい単量体を使用する場合はこのLNB層の共重合体のガラス転移温度(Tg)は、共重合組成比に大きく依存する。共重合体を構成する単独重合体のTgが共に80℃以上であることが好ましい。しかし、仮に一方の単独重合体のTgが80℃未満の場合でも、その共重合体中におけるその単量体単位の含有量が少なく、かつ他方の単独重合体のTgが充分に高い場合は、それらより構成される共重合体のTgを80℃以上にすることが可能である。
【0042】
しかし、単独重合体のTgが高い単量体M1と、低い単量体M2とを用いて本発明のPOFを製作する場合、両単独重合体HP1、HP2の互いの屈折率差が大きいことが好ましい。例えば単独重合体HP1のTgが100℃程度で、HP2のTgが50℃程度である場合、それら単量体単位から構成される共重合体CP1/2のTgを80℃以上に設定するためには、M2単位の含有量を少なくすることが必要となる。従って、HP1とHP2との屈折率差が小さい場合は、POF全体のNAを大きくすることは難しい。
【0043】
以下、前記2元共重合体におけるHP1とHP2との屈折率差とガラス転移温度差の関係について詳細に説明する。
【0044】
ガラス転移温度Tg1、屈折率n1を有するHP1、及びガラス転移温度Tg2、屈折率n2(但しTg1 <Tg2、またn1<n2とする。)を有するHP2に関するM1、M2の成分より構成されるGI型POFを考える。このとき共重合体CP1/2のガラス転移温度Tg1/2は式(2)で近似され、共重合体CP1/2の屈折率n1/2は式(3)で近似される。また、HP1とCP1/2より構成されるPOFのNAは式(4)で表現される。
【0045】
Tg1/2=Tg1+△Tg・V2 (2)
n1/2 =n1+△n・V2 (3)
(NA)2=n1/2 2−n1 2 (4)
ここで、△Tg=Tg2−Tg1、またV2はM2の体積分率(V1+V2=1)である。また、△n=n2−n1である。
【0046】
(1)式で、Tg1/2 ≧80℃なる共重合体のガラス転移温度に関する制限を付加すると、△ n、△Tg及びNAとの間の関係において、式(5)が成立する。
【0047】
△Tg≧(80−Tg1)・△n÷{−n1+(n1 2+(NA)2)0.5}(5)
(4)式より、仮にM1としてMMA(n1=1.492、Tg1=112℃)を用い、M2にn2=1.442(即ち△n=0.05)の材料を用いてNA=0.3のPOFを設計する場合、△Tg=−53℃となり、Tg2≧112−53=59℃の条件を満たす材料(M2)を用いなければならない。
【0048】
M1、M2及びM3の3種類の単量体を用いたGI型POFであっても、CP1/2、CP2/3に関して、同様の考え方が適用できる。
【0049】
3種類以上の単量体を用いた場合、NAを規定する最内層を構成する(共)重合体と最外層を構成する(共)重合体の屈折率差を大きくとることがより容易であるので、POFを構成する共重合体に用いる単量体の種類は多いほうが好ましい。ただし単量体の種類が多いほど製造に手間がかかる。用いる単量体の種類の数は製造するPOFに要求される特性、製造コスト等により適宜決定されるが、通常2種類又は3種類程度である。
【0050】
次に非混合層(LNB)を構成する重合体、即ち、HPとCPについて説明する。POF中のLNBを構成する(共)重合体は光散乱損失が小さいことが好ましい。光散乱損失が小さい(共)重合体を得るためには、重合体または単量体の選定に際しては、HP1とHP2間またはHP3とHP2間のポリマーの屈折率差ができるだけ小さくなるようにポリマー(または単量体)を選定することが本来望ましい。これはHP1とHP2間(またはHP3とHP2間)の屈折率差が大きいと、HP1とHP2との重合体混合物BPまたはM1とM2との共重合体CPの屈折率揺らぎが大きくなり、POFの光散乱損失を増加させるからである。
【0051】
しかし、HP1とHP2間またはHP3とHP2間のポリマーの屈折率差が大きくて重合後の散乱損失が大きい共重合体であっても、最終的にPOFを製造する段階において、溶融状態に所定時間保持された場合、その不均一構造が短時間(溶融紡糸時間内)で消滅し、低散乱損失な共重合体となる場合がある。
【0052】
上記不均一構造の消滅に要する時間や改善後の散乱損失のレベルは、HP1/HP2または、HP2/HP3などの材料間の相溶性や、重合直後に形成される共重合体の不均一構造形態に強く依存していると考えられる。
【0053】
HP1とHP2の間またはHP2とHP3の間の屈折率差としては0.05以上が好ましいが、0.06以上がより好ましい。
【0054】
これらの条件を満たす共重合体としては、以下の単量体の組み合わせが見出された。
【0055】
M2がメチルメタクリレート(nd=1.492、Tg=112℃)であって、M1がベンジルメタクリレート(nd=1.569、Tg=54℃)、フェノキシエチルメタクリレート(nd=1.560、Tg=30℃)、ビニルベンゾエート(nd=1.579、Tg=75℃)、フェニルメタクリレート(nd=1.572、Tg=120℃)、1−フェニルエチルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート(nd=1.559、Tg=30℃)、スチレン(nd=1.59、Tg=100℃)、α−メチルスチレン(Tg=102℃)の群から選ばれるものである。
【0056】
また、共重合成分としてフッ素化モノマー群を用いた場合、それらは分子振動吸収が小さいため、POFの伝送損失を大きく低減させることができる。以下の良好な組み合わせが見出された。
【0057】
また、M1がメチルメタクリレートであって、M2がフッ化アルキル(メタ)アクリレート群、フッ化アルキル−α−フルオロアクリレート群のフッ素化モノマー群から製造される共重合体に関しても低散乱損失で良好なものが見出された。
【0058】
フッ化アルキル(メタ)アクリレートとしては、2, 2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(Tg=75℃、nd=1.415)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート(Tg=64℃、nd=1.422)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート(Tg=67℃、nd=1.392)、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルメタクリレート(Tg=78℃、nd=1.381)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート(Tg=49℃、nd=1.402)、2,2,3,3,4,4,5,5オクタフルオロペンチルメタクリレート(Tg=32℃、nd=1.393)、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート(Tg=13℃)、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート(Tg=−15℃)、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(nd=1.37)等が例示される。
【0059】
フッ化アルキル−α−フルオロアクリレートとしては、2,2,2−トリフロオロエチル−α−フルオロアクリレート(Tg=123℃、nd=1.385)、2,2,3,3テトラフルオロプロピル−α−フルオロアクリレート(Tg=95℃、nd=1.398)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−α−フルオロアクリレート(Tg=110℃、nd=1.366)等が例示される。
【0060】
M1が フッ化アルキル−α−フルオロアクリレート群、α−フルオロアクリレート(Tg=140℃、nd=1.460)、ペンタフルオロフェニルメタクリレート(Tg=125℃、nd=1.487)、ペンタフルオロフェニル−α−フルオロアクリレート(Tg=160℃、nd=1.465)、ペンタフルオロフェニルメチルメタクリレート(Tg=110℃、nd=1.480)のフッ素化モノマー群から選ばれるものであり、M2がフッ化アルキルメタクリレート群から選ばれるものから製造される共重合体に関しても低散乱損失で良好なものが見出された。
【0061】
また、M1がベンジルメタクリレートであって、M2がα−フルオロアクリレート、ペンタフルオロフェニルメタクリレート、ペンタフルオロフェニル−α−フルオロアクリレート、ペンタフルオロフェニルメチルメタクリレートの群から製造される共重合体に関しても低散乱損失で良好なものが見出された。
【0062】
3種類の単量体M1、M2及びM3から製造される光ファイバにおいては、M1がフェノキシエチルメタクリレート、ビニルベンゾエート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレンの群から選ばれる1種類であり、M2がメチルメタクリレートであり、M3がフッ化アルキル(メタ)アクリレート群、フッ化アルキル−α−フルオロアクリレート群、α−フルオロアクリレート、ペンタフルオロフェニル−α−フルオロアクリレート、ペンタフルオロフェニルメタクリレート、ペンタフルオロフェニルメチルメタクリレートのフッ素化モノマー群から選ばれる1種類である共重合体に関しても低散乱損失で良好なものが見出された。
【0063】
また、M1がベンジルメタクリレートであり、M2がメチルメタクリレートであり、M3がフッ化アルキル(メタ)アクリレート群、フッ化アルキル−α−フルオロアクリレート群、α−フルオロアクリレート、ペンタフルオロフェニル−α−フルオロアクリレート、ペンタフルオロフェニルメタクリレート、ペンタフルオロフェニルメチルメタクリレートのフッ素化モノマー群から選ばれる1種類である共重合体に関しても低散乱損失で良好なものが見出された。
【0064】
本発明の好ましい態様として、3種類の単量体M1、M2及びM3から製造される光ファイバであって、M2がメチルメタクリレートであり、一つもしくは複数のCP1/2、HP2、及び一つもしくは複数のCP2/3を順に同心円状に積層した多層構造を有する光ファイバがある。即ち、PMMA層を有し、その内側と外側にMMA含有共重合体層を有する光ファイバである。
【0065】
高Tg成分のメチルメタクリレート単位が含有されているので、共重合体に含有される他の単量体単位のTgが低い場合であっても、各層を構成する(共)重合体のTgを容易に高く設定できる。MMA単位が50重量%以上含有されていれば、(共)重合体のTgを更に高めることができ、機械的強度や耐湿熱性が更に向上するので、更に好ましい。60重量%以上であれば、特に好ましい。
【0066】
また本発明の混合層(LB)を含む多層構造のPOFにおいては、非混合層(LNB)間の屈折率差が小さい程、混合層(LB)と非混合層(LNB)との界面における急な屈折率変化が抑えられ、界面での光散乱損失が小さくなる。従って、隣接する非混合層(LNB)層間の屈折率差は小さいほど好ましく、0.016以下、より好ましくは0.008以下である。
【0067】
POF中の混合層(LB)を構成するBPも、光散乱損失が小さいことが好ましい。混合される(共)重合体同士の相溶性を高めることによって、光散乱損失が小さい混合物を得ることができる。
【0068】
その手段として、隣接する非混合層(LNB)を構成するCPとして、それぞれ同種の単量体から製造され、互いに組成比が異なるものを選択することが好ましく、更にこれらのCP(またはHP)とCPとの間の共重合組成比差をできるだけ小さくすることが更に好ましい。共重合組成比差が大きい(共)重合体からなる混合物BPでは、ひとつのCP(またはHP)と他のCPの性質が大きくかけ離れるため、互いの相溶性が低下し、BP中で不均一構造が多く形成されやすく、その結果POFの光散乱損失が増大する。共重合組成比の差は、実際には、POF全体に占める混合層(LB)の割合も考慮して実用上問題が生じない値に設定される。
【0069】
表1は、M1として2,2,2トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)、又は2,2,3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)、M2として2,2,3,3,3ペンタフルオロプロピルメタクリレート(5FM)を用いて製造した、HP及び組成が異なる複数のCPを50/50(重量%)の割合で混合調製したBPについて、650nmにおける等方性光散乱損失を示している。
【0070】
ここで、(共)重合体(M1/M2)において、M2の組成が0モル%のときはM1の単独重合体HP1であり、同じくM1の組成が0モル%のときはM2の単独重合体HP2である。互いに共重合組成比の異なる2種類の共重合体1および共重合体2の組成比の差は、M1またはM2のモル組成比(%)の差として、記載されている。
【0071】
混合されるひとつのCP(またはHP)と他のCPの共重合組成比が近い程、BPがより小さい等方性光散乱損失を有することを、表1は示している。M1またはM2において共重合組成比の差は20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることが更に好ましい。但し、共重合組成比の差を極端に小さくしすぎると、光ファイバのNAの大きさを維持するためには、(共)重合体の層数を多くすることが必要となる。
【0072】
【表1】
【0073】
以上、単量体の数n=3の場合について説明したきたが、nが2または、nが4以上であっても同様である。
【0074】
一方、開口数NAは以下の式で記述される。尚、n0はPOFの断面中心軸の屈折率であり、nrは中心からの動径rにおける屈折率である。
【0075】
NA=( n0 2−nr 2 )0.5 (1)
nrにPOFの最外周部での屈折率を代入した値が、POF全体のNAとして定義される。このNAを小さくすることで、POF内を伝搬する高次モードの光(到達時間の遅い光)が減少し、帯域性能を向上させることができる。しかし、一般にPOFを低NA化すると、ファイバに曲げの操作が加わった場合、伝搬光の外部への漏れが起こりやすくなり、そのため伝送損失(曲げ損失)が増大する。こうした曲げ損失特性は、実用上かなり重要な問題となる。
【0076】
そこで、高い帯域性能を維持し、曲げ損失を低減する技術について以下説明する。
【0077】
本発明の多層構造POFの外周部に第1鞘層と第2鞘層の2層構造の鞘層を配置したPOF構造を考える。このとき、このコアのNAは、中心屈折率n0と第1鞘層の屈折率によって(1)式から定義される。このときのNAを仮に、0.3とすると、第1鞘層は、NA=0.3に相当する層と表現することができる。また、この更に外周部に、第2鞘層なる層を配置した場合、同じく中心屈折率と第2鞘層の屈折率より、(1)式からNAを定義することができる。この値を仮に0.5とすると、上記同様、第2鞘層はNA=0.5に相当する層と表現することができる。
【0078】
本発明の意図するところは、この第1鞘層に相当する層に、その材料の伝送損失が500dB/km以上で厚さ5〜50μmの層を用い、また第2鞘層に、特にその材料の伝送損失は限定しないが、厚さ5〜50μmの層を用いることにある。
【0079】
以下、上記構造を有するPOFの優れた点について説明する。
【0080】
本POF全体のNAは、見かけ上0.5であるが、実際には第1鞘層の損失が大きいことから、この層を伝搬する高次モードの光はかなり減衰し、実質上、NA=0.3に対応した高い帯域性能を維持するPOFを得ることができる。このとき、第1鞘層による高次モードの減衰による伝送損失の増大は、全体のPOFの伝送損失にはさほど大きな影響を与えない。なぜなら、第1鞘層が極めて薄いため、伝送路としての利用効率が小さいからである。但し、これらの層が薄すぎると、高次モードの減衰が不十分となり、実質上のNAが0.3より大きくなり帯域性能の低下を招く。
【0081】
一方上記の構造で、ファイバに局所的に曲げの操作が加えられたときには、その曲げの部分において、かなりの量の伝搬光が、薄い第1鞘層を通過して第2鞘層に到達する。しかし、このとき、第2鞘層に起因する開口数は、NA=0.5と大きいため、上記第1鞘層を貫通してきた伝搬光の一部が全反射されPOF中心部へ引き戻され、モードの再カップリングが起こることで、伝搬光の漏れが軽減され曲げ損失が大きく改善される。しかし、第1鞘層や第2鞘層が厚すぎると、それらの層による損失増加がPOFそのものの損失に影響したり、また曲げ損失改善効果が小さくなるので好ましくない。
【0082】
第1鞘層に相当するNAは、0.2〜0.35、好ましくは0.25〜0.3が適当である。その層の厚さは、5〜50μm、好ましくは10〜20μmが適当である。また第2鞘層としては、相当するNAが、0.4〜0.6、好ましくは0.45〜0.55、層の厚さは5〜50μm、好ましくは10〜20μmが適当である。
【0083】
また、以上述べた第1鞘層及び第2鞘層は、本発明における共重合多層構造コアとは別に定義して説明したが、コア層に第1鞘層及び第2鞘層に相当する機能を持たせることもできる。
【0084】
以上単芯のPOFについて説明してきたが、本発明には多芯構造のPOFも含まれる。即ち、支持体となる重合体中に、前記多層構造の光ファイバの複数本が配置された海島構造の多芯光ファイバである。
【0085】
POF中の残存単量体や残存連鎖移動剤はPOFの耐湿熱特性を悪くするので、これら残存物を極力低減することが好ましい。残存単量体は0.5重量%以下に減少させることが好ましく、0.2重量%以下とすることがより好ましい。一方、ノルマルブチルメルカプタンやノルマルオクチルメルカプタンなどの連鎖移動剤の残存量は、150ppm以下に減少させることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましく、10ppm以下とすることが特に好ましい。
【0086】
本発明のPOFの製法は特に限定されないが、たとえば以下のような製法で製造される。
【0087】
まず、各層を構成する共重合体を製造するためのMMAを含有する単量体混合物、重合開始剤などの混合液を調製し、重合反応に供する。重合方法は特に限定されないが、塊状重合などが好ましい。また、分子量を調節するため、連鎖移動剤を用いることが好ましい。重合開始剤、連鎖移動剤には公知のものを用いることができる。このように製造された紡糸原料を必要に応じて濾過精製した後、屈折率が外層ほど低くなるようにして、同心円筒状の複合紡糸ノズルに供給し、溶融状態で紡糸する。ファイバーに鞘層を形成する場合はこの段階で、鞘層の原料を紡糸ノズルに供給することが好ましい。紡糸温度は180℃〜280℃程度が好ましく、紡糸原料の溶融粘度は1000ポイズから100000ポイズ程度とすることが好ましい。POFの層数は、複合紡糸ノズルの層数を変更することにより任意に調整できる。このようにして吐出されたファイバを必要に応じて延伸することにより、本発明のPOFを得ることができる。なお、混合層は、例えば隣接層を構成する溶融状態の紡糸原料を紡糸ノズル内で相互に接触させることによって形成される。混合層の厚みTBは紡糸原料が溶融状態での接触する時間が長ければ厚くなり、短ければ薄くなる。また、ファイバを吐出後加熱処理を行うことによっても混合層を形成することができる。また、このようにして得られたPOFに適宜被覆層を設ける。被覆層の形成は公知の方法で行われる。
【0088】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
【0089】
実施例1
単独重合体の屈折率がnd=1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレート(BzMA)、nd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)の2種類の単量体成分を用いた。
【0090】
重合反応に供した単量体または単量体混合液(数値はモル%)は以下の5種類である。重合時には連鎖移動剤としてノルマルブチルメルカプタン(3000ppm/単量体)を用いた。
【0091】
1)BzMA/MMA=24/76(共重合体としてのTg=91℃、MMAは64重量%)
2)BzMA/MMA=17/83(Tg=96℃)
3)BzMA/MMA=11/89(Tg=97℃)
4)BzMA/MMA=5/95(Tg=102℃)
5)MMA(Tg=112℃)
これら単量体混合物を用いた(共)重合体の重量平均分子量は、GPC測定から、約8万〜9万であった。
【0092】
次に、これら5種類の紡糸原料を脱気設備を有する押出機に供給し、240℃で5層の同心円筒状の複合紡糸ノズルに供給した。このとき、紡糸原料中に残存する単量体や連鎖移動剤は、紡糸ノズル直前でほぼ除去される。紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0093】
次に、これら5種類の紡糸原料を押出機に供給して、240℃で溶融し、5層の同心円筒状の複合紡糸ノズルに供給した。紡糸ノズルは、溶融状態のファイバが吐出されるノズル先端部から300mm手前で、3mmφの5層の同心円筒構造が形成されるように設計されている。ノズル先端温度(紡糸温度)は230℃である。ポリマーの紡糸ノズル滞在時間は約5分である。吐出後のファイバは、最終的に、直径が1mmφのPOFとなるように延伸し、巻き取り機によって巻き取った。
【0094】
以上のようにして製造された長さ50mのPOFを用い、−3dB帯域を測定したところ、870MHzであった。帯域測定は、浜松ホトニクス社製の光サンプリングオシロスコープ、及び光源として、東芝製半導体レーザーTOLD9410(発光波長650nm)を用いて行った。伝送損失測定は、52m/2mカットバック法で、波長650nm、励振NA=0.4で行った。その結果、伝送損失は170dB/kmであった。また、またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。
【0095】
湿熱試験の試験条件は65℃、湿度95%RHである。1000時間における伝送損失の増大はわずか20dB/kmであった。
【0096】
実施例2
単独重合体の屈折率がnd=1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレート(BzMA)、nd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)、及び屈折率がnd=1.422、Tg=64℃の2,2,3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)の3種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の4種類である。
【0097】
1)BzMA/MMA=17/83(Tg=97℃、MMAは74重量%)
2)BzMA/MMA= 8/92(Tg=105℃)
3)MMA(Tg=112℃)
4)MMA/4FM=93/7(Tg=106℃)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0098】
このPOFの伝送損失は155dB/kmであり、50mにおける帯域は720MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか20dB/kmであった。
【0099】
実施例3
単独重合体の屈折率がnd=1.487、Tg=125℃のペンタフルオロフェニルメタクリレート(PFMA)、nd=1.422、Tg=64℃の2,2,3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)の2種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の4種類である。
【0100】
1)PFMA(Tg=125℃)
2)PFMA/4FM=84/16(Tg=117℃)
3)PFMA/4FM =68/32(Tg=109℃)
4)PFMA/4FM =54/46(Tg=101℃)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0101】
このPOFの伝送損失は95dB/kmであり、50mにおける帯域は700MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか30dB/kmであった。
【0102】
実施例4
単独重合体の屈折率がnd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)、nd=1.422、Tg=64℃の2,2,3,3テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)の2種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の4種類である。
【0103】
1)MMA(Tg=112℃)
2)MMA/4FM= 93/7(Tg=106℃)
3)MMA/4FM = 85/15(Tg=100℃)
4)MMA/4FM = 76/24(Tg=94℃、MMA61重量%)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0104】
このPOFの伝送損失は140dB/kmであり、50mにおける帯域は700MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか25dB/kmであった。
【0105】
実施例5
単独重合体の屈折率がnd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)、nd=1.415、Tg=75℃の2,2,2トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)の2種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の4種類である。
【0106】
1)MMA(Tg=112℃)
2)MMA/3FM=92/8(Tg=107℃)
3)MMA/3FM =83/17(Tg=102℃)
4)MMA/3FM =73/27(Tg=97℃、MMA61重量%)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0107】
このPOFの伝送損失は150dB/kmであり、50mにおける帯域は730MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか22dB/kmであった。
【0108】
実施例6
単独重合体の屈折率がnd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)、nd=1.392、Tg=67℃の2,2,3,3,3ペンタフルオロプロピルメタクリレート(5FM)の2種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の4種類である。
【0109】
1)MMA(Tg=112℃)
2)MMA/5FM=94/6 (Tg=107℃)
3)MMA/5FM =87/13(Tg=102℃)
4)MMA/5FM =80/20(Tg=97℃、MMA64重量%)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0110】
このPOFの伝送損失は135dB/kmであり、50mにおける帯域は690MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか21dB/kmであった。
【0111】
実施例7
単独重合体の屈折率がnd=1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレート(BzMA)、 nd=1.487、Tg=125℃のペンタフルオロフェニルメタクリレート(PFMA)の2種類の単量体成分を用いた。
【0112】
また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の4種類である。
【0113】
1)BzMA/PFMA=46/54(Tg=99℃)
2)BzMA/PFMA=32/68(Tg=107℃)
3)BzMA/PFMA=17/83(Tg=116℃)
4)PFMA(Tg=125℃)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0114】
このPOFの伝送損失は100dB/kmであり、50mにおける帯域は710MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか23dB/kmであった。
【0115】
実施例8
単独重合体の屈折率がnd=1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレート(BzMA)、nd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)及び、nd=1.373、結晶融解温度Tm=92℃の2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(17FM)の3種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の5種類である。
【0116】
1)BzMA/MMA=17/83(Tg=97℃、MMA74重量%)
2)BzMA/MMA= 8/92(Tg=105℃)
3)MMA(Tg=112℃)
4)MMA/17FM=98/2(Tg=100℃ ) <第1鞘層用>
5)MMA/17FM=91/9(Tg=73℃、MMA65重量%)<第2鞘層用>
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し5層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用い溶融紡糸を行いPOFを作製した。
【0117】
但し、POFの中心から第4層目(NA=0.31に相当する層)に用いたMMA/17FMの共重合ポリマーに関する伝送損失を測定したところ、1000dB/kmであった。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0118】
このPOFの伝送損失は170dB/kmであり、50mにおける帯域は760MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか15dB/kmであった。
【0119】
第1鞘層の厚さ10μm、屈折率は1.48、第2鞘層の厚さは10μm、屈折率は1.45であった。
【0120】
実施例9
単独重合体の屈折率がnd=1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレート(BzMA)、nd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)、及び屈折率がnd=1.415、Tg=75℃の2,2,2トリフルオロエチルメタクリレ−ト(3FM)の3種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の3種類である。
【0121】
重合時には重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン(3000ppm/単量体)を用いた。
【0122】
1)BzMA/MMA=12/88(Tg=100℃、MMA80重量%)
2)MMA(Tg=112℃)
3)MMA/3FM=86/14(Tg=105℃、MMA80重量%)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し紡糸ノズルに供給される(共)重合体の温度を230度とし、3層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用いて、溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0123】
このPOFの伝送損失は127dB/kmであり、50mにおける帯域は442MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。
【0124】
このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか20dB/kmであった。
【0125】
実施例10
実施例9で用いた3種類の紡糸原液の他に、鞘層の原料としてエチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体を4層の同心円筒状の複合紡糸ノズルに供給した他、実施例9と同様にしてPOFを得た。なお、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体は4層目に供給した。得られたPOFの曲げ損失特性及び繰り返し屈曲特性が、実施例9のPOFに比べて更に向上した。
【0126】
実施例11
単独重合体の屈折率がnd=1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレート(BzMA)、nd=1.492、Tg=112℃のメチルメタクリレート(MMA)、及び屈折率がnd=1.415、Tg=75℃の2,2,2トリフルオロエチルメタクリレ−ト(3FM)の3種類の単量体成分を用いた。また、重合反応に共した単量体または単量体混合液は以下の5種類である。
【0127】
重合時には重合開始剤としてアゾビス(2、4、4−トリメチルペンタン)、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタン(3000ppm/単量体)を用いた。
【0128】
1)BzMA/MMA=12/88(Tg=100℃、MMA80重量%)
2)BzMA/MMA=6/94(Tg=106℃)
3)MMA(Tg=112℃)
4)3FM/MMA=7/93 (Tg=108℃)
5)3FM/MMA=14/86 (Tg=105℃、MMA80重量%)
これら各単量体または各単量体混合液を重合し、実施例1と同様の方法で、但し紡糸ノズルに供給される(共)重合体の温度を220度とし、5層の同心円筒状の複合紡糸ノズルを用いて、溶融紡糸を行いPOFを作製した。尚(共)重合体の重量平均分子量は約8万〜9万であり、また紡糸ノズル直前における各(共)重合体中の単量体の残存量はいずれも0.2重量%以下、連鎖移動剤の残存量はいずれも1ppm以下であった。
【0129】
このPOFの伝送損失は135dB/kmであり、50mにおける帯域は853MHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜2μmであった。
【0130】
このPOFの65℃、湿度95%RH、1000時間における湿熱試験での伝送損失の増大は、わずか20dB/kmであった。
【0131】
実施例12
実施例11で用いた5種類の紡糸原液の他に、鞘層の原料としてエチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体を6層の同心円筒状の複合紡糸ノズルに供給した他、実施例4と同様にしてPOFを得た。なお、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体は6層目に供給した。得られたPOFの曲げ損失特性及び繰り返し屈曲特性が、実施例1のPOFに比べて更に向上した。
【0132】
実施例13、実施例14
実施例10、実施例12で得られたPOFにそれぞれ更にポリエチレンを被覆し、直径2.2mmの光ファイバケーブルを得た。得られた光ファイバケーブルの耐熱性などの耐環境特性がそれぞれ更に向上した。
【0133】
実施例15
実施例1と同様の多層構造を有する7本のPOFを島とする、海島構造の多芯ファイバを製造した。ただし、実施例1において、最外周部に配置したMMAを海材として用いた。従って、島の構造は、海材を除くと、実質上、実施例1のファイバ中心から4番目までの層によって構成されることになる。この島の平均直径は約0.5mmで、多芯ファイバ全体の直径は、2.0mmである。この多芯ファイバは伝送損失が190dB/kmであり、50mにおける島1本あたりの帯域が0.9GHzであった。またPOFの各混合層の厚みはおよそ1〜3μmであった。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば伝送損失が小さくて開口数の比較的大きな、耐湿熱特性に優れた広帯域POFを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGI型POFを説明するための図である。
Claims (10)
- 中心部の屈折率が最も高く、外周部に向かって屈折率が順次低下する多層構造の屈折率分布型光ファイバであって、前記多層構造を形成する各層は、ビニル型単量体単位M1、M2、…及びMn(nは2以上の整数)からそれぞれ構成される単独重合体HP1、HP2、…及びHPn、並びにこれら単量体単位の2種で構成される2元共重合体CPの一種類以上からなる群より選ばれたガラス転移温度(Tg)が80℃以上である(共)重合体からなり、かつ前記多層構造の各層間には厚みが1〜10μmの混合層が形成され、前記混合層は、混合層に隣接して存在する2つの(共)重合体の混合層が形成されてなるとともに、混合層に隣接して存在する2つの非混合層(LNB)を構成する、互いに同種の単量体により構成される2つの共重合体間の共重合組成比の差が20モル%以下であることを特徴とした屈折率分布型光ファイバ。
- 2種類の単量体M1及びM2から製造される共重合組成比と屈折率が異なる(共)重合体を同心円状に積層した多層構造である請求項1に記載の光ファイバ。
- 3種類の単量体M1、M2及びM3から製造される共重合組成比と屈折率が異なる2元共重合体CP1/2、CP2/3、単独重合体HP1、HP2、HP3から選ばれる(共)重合体を、同心円状に積層した多層構造である請求項1または2に記載の光ファイバ。
- 請求項3に記載の光ファイバであって、M2がメチルメタクリレートであり、一つもしくは複数のCP1/2、HP2、及び一つもしくは複数のCP2/3を順に同心円状に積層した多層構造を有する光ファイバ。
- 請求項4に記載の光ファイバであって、各層を構成する(共)重合体に占めるM2の含有率が50重量%以上である光ファイバ。
- 請求項4または5に記載の光ファイバであって、各層を構成する(共)重合体のTgが95度以上である光ファイバ。
- 請求項1〜6に記載の光ファイバであって、その外周部に一つ又は複数の鞘層を有する光ファイバ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバの複数本が、支持体となる重合体中に配置されてなる多芯光ファイバ。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光ファイバの外周部に被覆層が形成されてなる光ファイバケーブル。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光ファイバの複数本が、被覆層により集束されてなる光ファイバケーブル。
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