JP3901321B2 - リボフラビン−5’−リン酸またはそのナトリウム塩の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、医薬、食品添加物、飼料、工業中間体などとして有用な、リン酸リボフラビン(III)の、工業的に優れた新規製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
本発明は医薬品として価値のあるリボフラビン-5'-リン酸(以後5'-FMNと記す)もしくはそのモノナトリウム塩の製造法に関する。5'-FMNは生体内の異なる酵素反応における補酵素として重要な役割を持ち、その塩、特にナトリウム-5'FMNの形で薬品、食品および飼料添加物として使用される化合物である。従来リボフラビン-5'-リン酸エステルの製造法としては極性溶媒、三級アミン、オキシ塩化リンおよび水の混合液にリボフラビンを加えて反応させ、その後系内に多量の水を加え過剰のオキシ塩化リンを分解、そこで副生する塩酸(水)により加水分解を行ない、pH調整後濃縮する方法(特開昭48-54099号)、ラクトン類とオキシ塩化リンの混合液にリボフラビンを加えて反応させ、その後系内に多量の水を加え過剰のオキシ塩化リンを分解、そこで副生する塩酸(水)により加水分解を行ない、pH調整後濾取する方法(特開平3-109394号)などがあり、これらの方法は多量の水を用いて分解するため、多大な反応缶を必要とする。(同一反応缶でのロットスケール小)加えて多量のリン酸廃液を産出する。本発明によれば過剰のリン酸化剤(POCl3など)は濃縮操作で分解させることなく容易に回収再利用できるため多大な反応缶を必要とせず、またリン酸廃液も削減でき、反応に使用した溶媒類も目的物の熱虐待を気にすることなく容易に回収される。加えて過剰なオキシ塩化リンと分離した事により品質上問題となる目的物中の遊離リン酸は極めて少なくなる。また上記の通り従来法では次工程の加水分解は過剰のリン酸化試薬の分解で副生する塩酸(水)で行なわれているため、高品質を確保するための条件変更は容易ではないが、本法は中間体であるリボフラビン・サイクリック 4',5'-ホスホリデート(II)またはその塩を単離しているため任意の濃度、酸種を選択でき余分な酸がない。そのためpH調整に必要な水酸化ナトリウム水溶液量も減り、副生する塩も少なくなる。
【0003】
本発明は医薬品として価値のあるリボフラビン-5'-リン酸(以後5'-FMNと記す)もしくはそのモノナトリウム塩の製造法に関する。5'-FMNは生体内の異なる酵素反応における補酵素として重要な役割を持ち、その塩、特にナトリウム-5'FMNの形で薬品、食品および飼料添加物として使用される化合物である。従来リボフラビン-5'-リン酸エステルの製造法としては極性溶媒、三級アミン、オキシ塩化リンおよび水の混合液にリボフラビンを加えて反応させ、その後系内に水を加え過剰のオキシ塩化リンを分解、そこで副生する塩酸(水)により加水分解を行ない、pH調整後濃縮する方法(特開昭48-54099号)、ラクトン類とオキシ塩化リンの混合液にリボフラビンを加えて反応させ、その後系内に水を加え過剰のオキシ塩化リンを分解、そこで副生する塩酸(水)により加水分解を行ない、pH調整後濾取する方法(特開平3-109394号)などがあり、これらの方法で得られる5'-FMNの純度は日局基準を満たすものの、生体内で活性型でない異性体である3'-FMN、4'-FMN、および未反応リボフラビンを多く含有する。たとえば前者特許の追試によれば3'-FMN 5〜7%、4'-FMN 11〜13%、未反応リボフラビン1〜2%(5'-FMN 75〜80%)であり、後者特許の記載によれば3'-FMN 5〜7%、4'-FMN 9〜11%、未反応リボフラビン4〜5.8%(5'-FMN 76〜80%)である。より高純度の目的物を得るためには技術的に経費のかかる精製法(たとえばカラムクロマト)を行なう必要がある。
FMNはその酸溶液中3',4',5'異性体に平衡が存在する事が知られている。(Eur.J.biochem.,66,567-577,1976.)その比率は約3':4':5'=5:15:80であり、実際上記特許結果もこれらの値を示唆している。我々は5'-FMN側に平衡をずらす検討の中で酸濃度を変化させる事により、選択的に5'-FMNを結晶として系外に除き、平衡をずらす方法を見いだした。
本発明によれば経費のかかる精製法なしに高純度の5'-FMNを得ることができる。
本発明は所定の反応により析出した中間体であるリボフラビン・サイクリック 4',5'-ホスホリデート(II)またはその塩を濾取し、適当な濃度、量の酸により異性化させる事を特徴とする。詳しくは1〜35.5(w/v)%濃度、好ましくは5〜18%、さらに好ましくは12%の酸、たとえば塩酸、硝酸、硫酸(望ましくは塩酸)などの鉱酸を、出発原料であるリボフラビンに対し1〜10倍容量(望ましくは2倍容量)加えて10〜100℃(望ましくは20〜40℃)で攪拌反応する。異性化の進行はHPLCにて行ない、5'-FMN純度が90%を越えた時点を仮の終点とし、後処理に入る。後処理は得られた懸濁反応液中に酸もしくはアルカリ水を投入し溶解後、先に使用した液性と逆のアルカリもしくは酸でpHを5.5に調整する。この液を冷却後濾取し、アルコールで洗浄後乾燥する。本発明による方法で得られる目的物は、3'-FMN 3〜5%、4'-FMN 4〜6%、5'-FMN 88〜90%、未反応リボフラビン〜1%であり、薬局方グレードを大きく上回る品質であり、引き続き経費のかかる精製法を行なう必要はない。
【本発明が解決しようとする問題点】
このように、工業的に優れたリン酸リボフラビン(III)またはそのナトリウム塩の製造法は、まだ確立されていないのが現状であり、新たな優れた方法が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点の改善を目指して鋭意研究を進めてきた。その結果、以下に詳述する方法により課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
本発明はより詳しくは、以下のいずれかの方法である。
(1) リボフラビン(I)とオキシ塩化リンを反応させてリン酸リボフラビン(III)を製造する反応において、反応中間体であるリボフラビン・サイクリック 4',5'-ホスホリデート(II)またはその塩を系外に取り出して分解する。
(2) リボフラビン・サイクリック 4',5'-ホスホリデート(II)の分解を酸性条件下で行う。
(3) 酸性条件を、1〜35.5(w/v)%濃度の酸を出発原料であるリボフラビンに対し1〜10倍容量用いて調整し行う。
【0006】
続いて本発明を具体的に説明するため、以下に実施例および比較例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
【実施例】
【0007】
実施例1 リン酸リボフラビンの製造
攪拌機、塩化カルシウム管、温度計、バッフルを付けた1L四頚フラスコ中にアセトニトリル300ml、オキシ塩化リン150mlおよびピリジン127mlを投入し攪拌する。氷冷下に水16.7mlを滴下後リボフラビン100gを加え、室温で一夜攪拌する。
翌日ヌッチェにて析出した中間体を吸引濾取し、アセトニトリル250mlで洗浄した。得られた中間体を1Lナスフラスコに移し、濃塩酸80ml、水80mlを加え、50℃で3時間攪拌する。この液を20℃以下まで冷却し、25%NaOH水250mlを滴下、pHを5.5に調整する。この溶液を10℃以下まで冷却後、ヌッチェにて析出した粗FMNを吸引濾取し、メタノール200mlで洗浄した。得られた粗FMNを1Lナスフラスコに移し、水およびメタノールで再結晶化を行ない、濾取後減圧乾燥し精FMN88.8gを得た。(理論量の70%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 2.5%
リボフラビン-4-リン酸 8.5%
リボフラビン-5-リン酸 86.8%
リボフラビン 1.4%
旋光度は+38.5°であった。
【0008】
実施例2 リン酸リボフラビンの製造
攪拌機、塩化カルシウム管、温度計、バッフルを付けた1L四頚フラスコ中にアセトニトリル600ml、オキシ塩化リン150mlおよびトリエチルアミン220mlを投入し攪拌する。氷冷下に水16.7mlを滴下後リボフラビン100gを加え、室温で一夜攪拌する。翌日ヌッチェにて析出した中間体を吸引濾取し、アセトニトリル250mlで洗浄した。得られた中間体を1Lナスフラスコに移し、濃塩酸80ml、水80mlを加え、50℃で2時間攪拌する。この液を20℃以下まで冷却し、25%NaOH水250mlを滴下、pHを5.5に調整する。この溶液を10℃以下まで冷却後、ヌッチェにて析出した粗FMNを吸引濾取し、メタノール200mlで洗浄した。得られた粗FMNを1Lナスフラスコに移し、水およびメタノールで再結晶化を行ない、濾取後減圧乾燥し精FMN81.3gを得た。(理論量の64%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 2.5%
リボフラビン-4-リン酸 8.4%
リボフラビン-5-リン酸 86.2%
リボフラビン 1.9%
旋光度は+38.5°であった。
【0009】
実施例3 リン酸リボフラビンの製造
溶媒をアセトニトリルからテトラヒドロフラン300ml使用以外は実施例1と同様に反応を行なった。濾取後減圧乾燥し精FMN88.9gを得た。(理論量の70.0%に相当) HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 2.4%
リボフラビン-4-リン酸 8.4%
リボフラビン-5-リン酸 87.1%
リボフラビン 1.0%
旋光度は+38.7°であった。
【0010】
実施例4 リン酸リボフラビンの製造
リボフラビン100gスケール反応での中間体濾液650mlを1000mlナスフラスコに移し、常圧蒸留を行ない、留出温度78〜82℃にて495ml回収した。この物はアセトニトリルとオキシ塩化リンおよびHClの混合物で滴定分析により5%のオキシ塩化リンであった。これにより使用アセトニトリルの85%回収、未反応オキシ塩化リンの60%回収となる。
【0011】
実施例5 リン酸リボフラビンの製造
回収したアセトニトリルを315ml(オキシ塩化リン5%含有、オキシ塩化リンとして15mlに相当)、オキシ塩化リン135ml使用以外は実施例1と同様に反応を行なった。濾取後減圧乾燥し精FMN88.7gを得た。(理論量の69.9%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 2.1%
リボフラビン-4-リン酸 7.7%
リボフラビン-5-リン酸 88.1%
リボフラビン 1.4%
旋光度は+38.7°であった。
【0012】
実施例6 リン酸リボフラビンの製造
攪拌機、塩化カルシウム管、温度計、バッフルを付けた1L四頚フラスコ中にアセトニトリル300ml、オキシ塩化リン150mlおよびピリジン127mlを投入し攪拌する。氷冷下に水16.7mlを滴下後リボフラビン100gを加え、室温で一夜攪拌する。
翌日ヌッチェにて析出した中間体を吸引濾取し、アセトニトリル300mlで洗浄した。得られた中間体を1L四頚フラスコに移し、濃塩酸67ml、水133mlを加え、40℃で21時間攪拌する。この際クリアーな褐色溶液から黄色懸濁溶液へと変化し、HPLC値91.2%を示した。この反応液に25%NaOH水を徐々に加え280ml投入した時点でpH=9.3を示しクリアーな褐色液とする。さらに濃塩酸を徐々にくわえ34ml投入した時点でpH=5.5を示し懸濁反応液となる。冷却後吸引濾過しアルコールで洗浄、減圧乾燥を行ない目的物104.2gを得た。(理論量の82%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 2.8%
リボフラビン-4-リン酸 5.4%
リボフラビン-5-リン酸 88.9%
リボフラビン 0.8%
旋光度は+38.4°であった。
【0013】
実施例7 リン酸リボフラビンの製造
攪拌機、塩化カルシウム管、温度計、バッフルを付けた1L四頚フラスコ中にアセトニトリル300ml、オキシ塩化リン150mlおよびピリジン127mlを投入し攪拌する。氷冷下に水16.7mlを滴下後リボフラビン100gを加え、室温で一夜攪拌する。
翌日ヌッチェにて析出した中間体を吸引濾取し、アセトニトリル300mlで洗浄した。得られた中間体を1L四頚フラスコに移し、濃塩酸67ml、水133mlを加え、40℃で21時間攪拌する。この際クリアーな褐色溶液から黄色懸濁溶液へと変化し、HPLC値90.2%を示した。この反応液に濃塩酸を徐々に加え110ml投入した時点でクリアーな褐色液とする。さらに25%アルカリ水を徐々にくわえ392ml投入した時点でpH=5.5を示し懸濁反応液となる。冷却後吸引濾過しアルコールで洗浄、減圧乾燥を行ない目的物108.8gを得た。(理論量の85.7%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 3.3%
リボフラビン-4-リン酸 6.1%
リボフラビン-5-リン酸 88.6%
リボフラビン 0.8%
旋光度は+38.7°であった。
【0014】
実施例8 リン酸リボフラビンの製造
実施例6と同様にして得た中間体を1L四頚フラスコに移し濃硝酸53ml、水167mlを加え50℃にて16時間攪拌反応させる。室温まで冷却しpH調整のため25%NaOH水を220ml投入しpH=5.5とした。さらにメタノール200mlを加え冷却後吸引濾過し、アルコールで洗浄、減圧乾燥を行ない目的物111.3gを得た。(理論量の87.6%に相当)
HPLC分析よりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 4.5%
リボフラビン-4-リン酸 6.1%
リボフラビン-5-リン酸 88.1%
リボフラビン 0.6%
旋光度は+38.7°であった。
【0015】
実施例9 リン酸リボフラビンの製造
1000mL4頚フラスコに、アセトニトリル250mL、ピリジン127mL、オキシ塩化リン150mLを取り、氷水で冷却した。イオン交換水16.6mL/アセトニトリル100mLの混合液を1時間かけて加えた後、リボフラビン100gを加え、一晩攪拌した。翌朝析出物を濾過し、アセトニトリル150mLで洗浄した。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水187.5mLと濃塩酸62.5mLを取り、9%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、50℃温水槽中にて、一晩撹拌した。翌朝冷却しながら25%NaOH水267mLを加えて溶解後、内温31℃時点で濃塩酸28.5mLを加えてpH=5.5とし、冷却下、さらに一晩攪拌した。
翌朝析出した結晶を分離し、10%水/メタノール200mLで洗浄した。湿結晶を1000mLナスフラスコ中に移し、20℃水浴中60mmHg減圧下で一晩乾燥し、さらに40℃水浴中10mmHg以下の真空度で乾燥して、標題化合物 102gを得た。(収率;77.4%、5'-FMN純度;90.3%、水分;3.6%、メタノール;検出せず)
【0016】
実施例10 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水187.5mLと濃塩酸62.5mLを取り、9%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、40℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌朝冷却しながら25%NaOH水292mLを加えて溶解後、内温34℃時点で濃塩酸40mLを加えてpH=5.5とし、冷却後結晶を分離し、15%水/メタノール300mLで洗浄した。以後実施例9と同様に乾燥して、標題化合物 101gを得た。(収率;77.1%、5'-FMN純度;88.4%、水分;3.1%、メタノール;検出せず)
【0017】
実施例11 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水187.5mLと濃塩酸62.5mLを取り、9%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、60℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌朝冷却しながら25%NaOH水288mLを加えて溶解後、内温34℃時点で濃塩酸40mLを加えてpH=5.5とし、冷却後結晶を分離し、15%水/メタノール300mLで洗浄した。
湿結晶を1000mLナスフラスコ中に移し、20℃水浴中40mmHgで一晩、さらに40℃水浴中10mmHg以下の真空度で乾燥して、標題化合物 100.7gを得た。(収率;76.4%、5'-FMN純度;87.5%、水分;3.7%;、メタノール;検出せず)
【0018】
実施例12 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水195mLと濃塩酸55mLを取り、8%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、40℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌朝冷却しながら25%NaOH水276mLを加えて溶解後、内温29℃時点で濃塩酸36.8mLを加えてpH=5.5とし、冷却後結晶を分離し、10%水/メタノール300mLで洗浄した。 湿結晶を乾燥機に移し一晩通風乾燥後、さらに40℃/10mmHg以下の真空度で乾燥して、標題化合物 99gを得た。(収率;75.5%、5'-FMN純度;90.7%、水分3.1%、メタノール;検出せず)
【0019】
実施例13 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水180.4mLと濃塩酸69.6mLを取り、10%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、40℃温水中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌朝冷却しながら25%NaOH水308mLを加えて溶解後、内温27℃時点で濃塩酸38.4mLを加えてpH=5.5とし、冷却後結晶を分離し、10%水/メタノール300mLで洗浄した。 以後実施例12と同様に乾燥して、標題化合物 101gを得た。(収率;77.1%、5'-FMN純度;88.6%、水分;3.1%、メタノール;検出せず)
【0020】
実施例14 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水133mLと濃塩酸67 mLを取り、12%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、40℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌日冷却しながら25%NaOH水280mLを加えて溶解後、内温25℃時点で濃塩酸34mLを加えてpH=5.5とし、冷却後結晶を分離し、5%水/メタノール200mLで洗浄した。 以後実施例12と同様に乾燥して、標題化合物 106.2gを得た。(収率;80.4%、5'-FMN純度;88.9%、水分;3.9%、メタノール;検出せず)
【0021】
実施例15 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水133mLと濃塩酸67 mLを取り、12%HCl水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、40℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌日冷却しながら濃塩酸110mLを加えて攪拌溶解後、25%NaOH水392mLを加えてpH=5.5とした。冷却後結晶を分離し、5%水/メタノール200mLで洗浄した。以後実施例12と同様に乾燥して、標題化合物 111gを得た。(収率;83.9%、5'-FMN純度;88.6%、水分;4.0%、メタノール;検出せず)
【0022】
実施例16 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水182.5mLと濃硝酸61.5mLを取り、15%硝酸水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、50℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌日冷却しながら25%NaOH水280mLを加えて溶解後、内温28℃時点で濃硝酸24.8mLを加えてpH=5.5とし、メタノール100mLを加えて冷却後、結晶を分離し、メタノール200mLで洗浄した。以後実施例12と同様に乾燥して、標題化合物 98.8gを得た。(収率;74.7%、5'-FMN純度;89.1%、水分;3.0%、メタノール;検出せず)
【0023】
実施例17 リン酸リボフラビンの製造
実施例9と同様にしてリボフラビンとオキシ塩化リンを反応させた。
あらかじめ別のフラスコにイオン交換水187mLと濃硝酸53mLを取り、13%硝酸水を調製した。ここに濾取した析出物を全量加え、50℃温水槽中にて、以下実施例9と同様に反応させた。
翌日冷却しながら25%NaOH水220mLを加えてpH=5.5とし、メタノール200mLを加え冷却後、結晶を分離し、メタノール500mLで洗浄した。以後実施例9と同様に乾燥して、標題化合物 111.3gを得た。(収率;85.8%、5'-FMN純度;86.5%、水分;2.1%、メタノール;検出せず)
【0024】
比較例1 リン酸リボフラビンの製造(特開昭48-54099号の追試)
攪拌機、塩化カルシウム管、温度計、バッフルを付けた1L四頚フラスコ中にアセトニトリル80ml、オキシ塩化リン22.5mlおよびピリジン19mlを投入し攪拌する。氷冷下に水2.5mlを滴下後リボフラビン10gを加え、室温で5時間攪拌した。水500mlを加えた後、溶媒を減圧留去し、結晶が析出した水溶液を加熱溶解したのち冷却し、25%NaOH水でpH=5.5に調節した。この液を濃縮乾固し残渣に水を加え300mlとし、再度加熱溶解後冷却し析出した結晶を濾取、水、アルコール、エーテルで洗浄後減圧乾燥を行ない目的物11.0gを得た。(理論量の86.6%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 5.7%
リボフラビン-4-リン酸 12.6%
リボフラビン-5-リン酸 78.2%
リボフラビン 0.4%
旋光度は+39.5°であった。
【0025】
比較例2 リン酸リボフラビンの製造(特開昭48-54099号の追試)
ピリジンをトリエチルアミン33mlに変更した以外は比較例1と同様に行なって、目的物10.3gを得た。(理論量の81.1%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 6.0%
リボフラビン-4-リン酸 12.0%
リボフラビン-5-リン酸 73.8%
リボフラビン 2.1%
旋光度は+39.4°であった。
【0026】
比較例3 リン酸リボフラビンの製造(特開平3-109394号の追試)
500mlのカッ色ナスフラスコ中にγ-ブチロラクトン42mlを入れ、攪拌下リボフラビン10.8g、オキシ塩化リン6.4mlを順次投入した。フラスコ内溶物をゆっくりと35℃まで加熱し、かつこの温度で1時間攪拌した。この反応液に迅速に水18mlを投入後90℃ま で昇温し更に水25mlを投入、90℃内温で10分保持させた。更に水43mlを投入し室温まで冷却した。25%NaOH水でpH=5.5とし冷却後濾取、洗浄後減圧乾燥を行ない目的物10.4gを得た。(理論量の81.9%に相当)
HPLC分析によりこの生成物は次のものを含有した。
リボフラビン-3-リン酸 5.5%
リボフラビン-4-リン酸 12.0%
リボフラビン-5-リン酸 73.1%
リボフラビン 3.8%
旋光度は+38.9°であった。
以上の実施例及び比較例から、本発明の優れた効果が明らかである。
Claims (4)
- 下記式(I)で表されるリボフラビンから下記式(III)で表されるリボフラビン−5’−リン酸を製造する製造方法であって、
前記リボフラビン・サイクリック4’,5’−ホスホリデートを系外に取り出す工程と、
系外に取り出した前記リボフラビン・サイクリック4’,5’−ホスホリデートを分解・異性化させるように、酸性条件下における加水分解する工程と、を含み、
前記酸性条件下における加水分解は、1〜35.5(w/v)%の濃度の酸を前記リボフラビンに対し1〜10倍容量用いて実行する製造方法。 - 前記酸は、塩酸、硝酸又は硫酸である、請求項1に記載の製造方法。
- 下記式(I)で表されるリボフラビンからリボフラビン−5’−リン酸ナトリウム塩を製造する製造方法であって、
前記リボフラビン・サイクリック4’,5’−ホスホリデートを系外に取り出す工程と、
系外に取り出した前記リボフラビン・サイクリック4’,5’−ホスホリデートを分解・異性化させるように、酸性条件下における加水分解する工程と、
前記式(III)で表される化合物を、水酸化ナトリウムで処理する工程と、を含み、
前記酸性条件下における加水分解は、1〜35.5(w/v)%の濃度の酸を前記リボフラビンに対し1〜10倍容量用いて実行する製造方法。 - 前記酸は、塩酸、硝酸又は硫酸である、請求項3に記載の製造方法。
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