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JP3867544B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法に関し、特に、非磁性支持体上に金属磁性薄膜よりなる磁性層が形成されてなる磁気テープ媒体などの金属薄膜型磁気記録媒体と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録の分野においては、記録する情報量の増大に伴って、年々高密度記録化が強く要求されてきている。
これに伴い、磁気記録媒体としては、従来より広く用いられてきた磁性粒子をバインダー中に分散させて塗布する方法で製造する磁気記録媒体(以下、塗布型媒体とも言う)に代わって、メッキによる薄膜形成法や、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜形成法により強磁性金属の薄膜を成膜して製造する磁気記録媒体(以下、薄膜型媒体とも言う)が主流になりつつある。
【0003】
この強磁性金属の薄膜を有する薄膜型媒体は、保磁力や角形比などに優れており、塗布型媒体のように磁性層中に非磁性材であるバインダーを混入する必要がないため、磁性材料の充填密度(言い換えると、単位体積当りの磁化量)を高めることができ、塗布型媒体に比べて磁性層の膜厚を極めて薄くすることが可能であるため、今後より広く用いられると予想される短波長領域における電磁変換特性に優れる。
さらに、上記の薄膜型媒体は記録減磁も著しく小さい特性を有する。
強磁性金属の薄膜を有する薄膜型媒体は、上述のような優位さから、高密度記録用の磁気記録媒体として今後主流となるのは間違いない。
【0004】
磁気記録テープを用いた磁気記録システムにおいては、電磁変換特性を向上させ、より短波長領域での高出力化を測るため、薄膜型媒体の一種である、いわゆる斜方蒸着テープが実用化されている。
【0005】
図4は、上記の斜方蒸着テープの断面図である。
非磁性支持体1上に、強磁性金属の薄膜である磁性層3が形成されており、その上層にカーボンなどの保護膜4が形成されて、その上層に潤滑剤などのトップコート層5が形成されている。
一方、非磁性支持体1の裏面にはバックコート層6が形成されている。
上記の構成の磁気記録媒体がテープ形状に裁断され、斜方蒸着テープとなっている。
【0006】
非磁性支持体1は、例えば、ポリエステルフイルム、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルムなどの高分子フイルムなどからなる。
【0007】
磁性層3は、非磁性支持体1を所定方向に移動走行させ、この表面に斜め方向から真空蒸着法により磁性金属を堆積させる、いわゆる斜方蒸着法により形成した強磁性金属の薄膜である。
【0008】
上記の磁性層3を構成する磁性材料としては、Co,Niが広く用いられている。
上記の磁性層3を蒸着法により非磁性支持体1上に形成するには、例えば、Co,Niを蒸着源とし、移動する非磁性支持体上に酸素ガスを吹き付けながら行う方法が広く行われている。
【0009】
上記のように成膜すると、磁性層3はα−Coの磁性粒子(またはCo−Ni)と非磁性のCoO(またはCoNiO)が混在する構造となる。
ここで、酸素を膜中に導入する目的は、非磁性粒子を導入し、結晶粒を微細化することにより、磁気特性を向上させるとともに、磁性粒子間の磁気的結合を遮断して媒体ノイズを低下させることにある。
上記のようにして得られた現在実用化されている斜方蒸着テープにおいて、磁性層3の磁化容易軸の傾き角は約20〜30°となっている。
【0010】
上記のような斜方蒸着法により製造された磁気テープでは、磁性粒子が非磁性支持体の表面に対して斜めに配向していることから、テープ形状の支持体の長手方向に磁性粒子を配向させた従来の磁気テープに比べてより高密度な記録が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような斜方蒸着テープとして、VTRやコンピュータストレージの分野では、さらなる高密度記録化によるテープの大容量化、小型・軽量化が望まれている。
現在実用化されている磁気記録テープ以上の高密度記録を実現するには、媒体の高出力化および低ノイズ化、すなわち高C/N比化が不可欠であり、特に、より短波長領域での高C/N比化が重要となっている。
【0012】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録テープなど、次世代の大容量の磁気記録媒体として、特に短波長領域においても高C/N比特性を有してさらなる高密度記録化が可能な磁気記録媒体と、その製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の磁気記録媒体は、高分子基板よりなる非磁性支持体上に、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であって、非磁性支持体と、上記非磁性支持体上に形成され、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上である下地層と、上記下地層上に形成され、CoおよびOを含む磁性層とを有する。
【0014】
上記の本発明の磁気記録媒体において、前記下地層は、膜厚が10nm以上50nm以下である。
【0015】
上記の本発明の磁気記録媒体において、前記下地層は、蒸着法における下地層構成成分の上記非磁性支持体に対する最大の入射角を70°以下として堆積された膜である。
【0016】
上記の本発明の磁気記録媒体においては、非磁性支持体と磁性層の間に、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上である下地層が形成されている。
上記の下地層を形成することにより、媒体の磁気特性、特に保磁力Hcが大きく向上する。Hcを高めることにより、媒体内での反磁界に打ち勝つ記録磁化を形成することが可能となり、反磁界は、記録磁化の長さが短い短波長領域においてより大きくなるので、上記の結果、特に短波長領域での出力増大およびノイズ低減を得ることができ、さらなる高密度記録化が可能となる。
これは、非磁性支持体上に下地層を介してCo/CoO磁性層を積層させるので、磁性層は成長初期より結晶配向性が良い状態で成長することができるためと考えられる。
【0017】
さらに、媒体ノイズを減少するためには、磁性層の結晶粒の微細化および均質化が有効であり、また、テープ表面性の向上も重要である。
非磁性支持体の表面を粗くして、テープの耐久性を向上させるため、一般に、蒸着テープの非磁性支持体上には、フィラーと称する微少粒子が内部に添加あるいは下塗りされているが、このような表面を粗くした非磁性支持体上に蒸着時の最大入射角を90°として成膜すると、蒸着粒子のシャドーイング効果により、磁性層の表面形状は、非磁性支持体の表面性を反映したものとなる。すなわち、フィラーのある所は蒸着粒子が付きやすく、フィラーの影となっているところには付きにくいので、磁性層の表面は、フィラーがあるところは凸に、その影は凹状になりやすい。媒体ノイズは媒体表面性に大きく影響するため、この表面性の悪さがノイズの増大につながる。
さらに、シャドウイング効果のために、磁性層の成長初期は、粒子の大きさにバラツキが大きく、空孔などの欠縮もできやすいため、記録再生した時の、媒体ノイズ源となってしまう。
【0018】
上記の本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層の間に下地層が形成されている構成としており、さらにこの下地層は非磁性支持体上に蒸着時の最大入射角を70°以下として成膜することにより、上記のシャドーイング効果を抑制し、表面がより平坦で、さらに成長初期から均質な構造の磁性層を作製することが可能となる。
【0019】
上記のように、本発明の磁気記録媒体によれば、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、特に短波長領域においても高C/N比特性を有し、さらなる高密度記録化が可能である。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、高分子基板よりなる非磁性支持体上に、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体の製造方法であって、非磁性支持体上に、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上である下地層を形成する工程と、上記下地層上に、CoおよびOを含む磁性層を形成する工程とを有する。
【0021】
上記の本発明の磁気記録媒体の製造方法は、前記下地層を形成する工程においては、膜厚が10nm以上50nm以下の下地層を形成する。
【0022】
上記の本発明の磁気記録媒体の製造方法は、前記下地層を形成する工程においては、蒸着法により、下地層構成成分の上記非磁性支持体に対する最大の入射角を70°以下として堆積させ、形成する。
【0023】
上記の本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に、蒸着法により磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法において、非磁性支持体上に、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上である下地層を形成し、その上層に、CoおよびOを含む磁性層を形成する。
【0024】
上記の本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、非磁性支持体と磁性層の間に、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上である下地層を形成しているので、媒体の磁気特性、特に保磁力Hcを大きく向上させることができる。
また、特に下地層を非磁性支持体上に蒸着時の最大入射角を70°以下として成膜することにより、上記のシャドーイング効果を抑制し、表面がより平坦で、さらに成長初期から均質な構造の磁性層を作製することが可能となる。
従って、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、特に短波長領域においても高C/N比特性を有し、さらなる高密度記録化が可能である磁気記録媒体を製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本実施形態に係る磁気記録媒体およびその製造方法について説明する。
【0026】
図1は、本実施形態に係る磁気記録媒体である斜方蒸着テープの断面図である。
非磁性支持体1上に、下地層2が形成されており、その上層に、強磁性金属の薄膜である磁性層3が形成されており、その上層にカーボンなどの保護膜4が形成されて、その上層に潤滑剤などのトップコート層5が形成されている。
一方、非磁性支持体1の裏面にはバックコート層6が形成されている。
上記の構成の磁気記録媒体がテープ形状に裁断され、斜方蒸着テープとなっている。
【0027】
非磁性支持体1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレートなどのポリエステル類、ポリプロピレンなどのポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテートなどのセルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネートなどに代表されるような高分子材料により形成される高分子支持体などが挙げられる。また、Cu、Al、Znなどの金属、ガラス、窒化瑚素、Siカーバイドなどのセラミックなども使用できる。
上記の非磁性支持体1には、非磁性支持体の表面を粗くして、テープの耐久性を向上させるため、フィラーと称する微少粒子が内部に添加あるいは下塗りされている。
【0028】
下地層2は、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上の膜である。膜厚は、10nm以上50nm以下である。
例えば、非磁性支持体1を所定方向に移動走行させ、この表面に斜め方向から真空蒸着法により下地層成分を堆積させる、いわゆる斜方蒸着法により形成することができる。このとき、非磁性支持体1に対する最大入射角を70°以下として堆積して形成する。
【0029】
磁性層3は、CoおよびOを含む膜であり、O/Coの原子数比は例えば0.2〜0.4程度であり、膜厚は例えば30〜200nm程度である。
磁性層3は、下地層2と同様に斜方蒸着法により形成することができる。
上記のようにして得られた現在実用化されている斜方蒸着テープにおいて、磁性層3の磁化容易軸の傾き角は約20〜30°となっている。
【0030】
保護膜4としては、カーボン、Al23 、Ti−N、Mo−C、Cr−C、SiO、SiO2 、SiNなどが挙げられるが、これに限定されるものではなく、従来公知の材料がいずれも使用可能である。
【0031】
トップコート層5は、防錆剤あるいは潤滑剤よりなるものであり、その材料として通常この種の磁気記録媒体において使用されるものがいずれも使用可能である。
【0032】
また、非磁性支持体の磁性層とは反対側の面には、媒体の走行性向上のために、非磁性粉末(例えばシリカ、カーボンブラック)および結合剤などからなるバックコート層6を設けることができる。
【0033】
上記の本実施形態に係る磁気記録媒体の記録再生システムとして、従来のインダクティブヘッドを用いたシステムはもとより、再生ヘッドとしてMRヘッドやGMRヘッドを用いた次世代システムも適用することができる。
【0034】
上記の本実施形態に係る磁気記録媒体は、斜方蒸着テープにおいて、非磁性支持体と磁性層との間に、最大入射角を70°以下として成膜したCoとOを含む下地層を設けることにより、磁性層の磁気特性、特に保磁力が大きく向上し、特に短波長領域においても高C/N比特性を有し、さらなる高密度記録化が可能である。
【0035】
次に、上記の本実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法について説明する。
図2(a)は、この製造方法における下地層と磁性層の成膜に用いる斜方蒸着装置全体の模式図であり、図2(b)は要部の模式図である。
装置内部において、巻き出しロール10から送りだされた非磁性支持体となる高分子ベースフイルム11が円筒状の冷却キャン12の外周に導かれ、巻き取りロール13に巻き取られていく。
ここで、装置内を真空排気した状態で、電子銃14から放出された電子ビーム15をCoなどが収容されたルツボ16に照射し、蒸発させ、Coなどの被着物蒸気17をベースフイルム11表面に斜めに入射させ、ベースフイルム11の表面に被着物を堆積させる。
このとき、ベースフイルム11表面に対する被着物蒸気17の入射角の上限(最大入射角θmax )および下限(最小入射角θmin )は、遮蔽板18の開口位置により制御され、例えば、下地層を形成する工程においては、下地層となる被着物蒸気17のベースフイルム11に対する最大の入射角を70°以下として堆積する
【0036】
また、堆積する表面近傍において、移動する非磁性支持体上に酸素供給部19から酸素ガスを吹き付けながら被着物を堆積させる。
酸素ガスを吹きつけながら成膜すると、例えば磁性層3の成膜工程においてはα−Coの磁性粒子と非磁性のCoOが混在する構造となり、非磁性粒子を導入して結晶粒を微細化することにより、磁気特性を向上させ、磁性粒子間の磁気的結合を遮断して媒体ノイズを低下させることができる。
ここで、酸素ガスの供給量を調節することで、堆積させる膜の酸素の含有比率、例えばO/Co原子数比を制御することができる。
例えば、下地層2を形成するときには、酸素ガスを0.8〜1.5リットル/分で供給し、O/Coの原子数比を例えば0.6〜1.0程度とする。一方、磁性層3を形成するときには、酸素ガスを0.4〜0.6リットル/分で供給し、O/Coの原子数比を例えば0.2〜0.4程度とする。
【0037】
保護膜4、トップコート層5、および、バックコート層6については、従来より公知の方法を用いて形成することができる。
上記のように得られた積層体を、所定の形状および大きさに加工して、所定の磁気記録媒体とすることができる。磁気記録媒体の形状は、テープ状、フィルム状、シート状、カード状、ディスク状、ドラム状など、磁気記録媒体として通常使用されている形状がいずれも採用可能である。
【0038】
従って、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法によれば、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、特に短波長領域においても高C/N比特性を有し、さらなる高密度記録化が可能である磁気記録媒体を製造することができる。
【0039】
(実施例)
下記に示す工程により、図1に示す構成の斜方蒸着テープの試料を作成した。
非磁性支持体1となる高分子ベースフイルム11には、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた。
図2に示す斜方蒸着装置において、チャンバー内を真空排気した後、冷却キャン12上に、ベースフィルム11を走行させる。冷却キャン12の一部は遮蔽板18により開口され、開口部の下には、Coインゴットが収容されたルツボ16が配置され、このCoを電子ビーム15により溶解することによって、Co薄膜をベースフィルム11上に成膜した。
遮蔽板18による開口部とルツボ16の位置関係を変えることにより、蒸着入射角を変えた。
また、蒸着時は、開口部最小入射角および最大入射角付近から酸素を導入し、Coを適度に酸化した。
【0040】
下地層2、磁性層3に共通な成膜条件を以下に示す。
成膜条件
・到達真空度:2×10-3(Pa)
・蒸着時真空度:3×10-2(Pa)
・インゴット:Co100
なお、各層の厚さは、蒸着時のラインスピードにより制御した。
【0041】
まず、下地層2を成膜した。入射角は、0〜50°、導入酸素流量は、0.5〜2.0リットル/分の範囲内で変更しながら成膜した。
【0042】
さらに、下地層2の上にCo/CoOからなる磁性層3を成膜した。
蒸着入射角は45〜90°、導入酸素流量は、0.5リットル/分とした。
【0043】
さらに、磁性層3の上層にカーボンCからなる保護膜4を成膜し、非磁性支持体1の裏面にバックコート層6を形成し、保護膜4上に潤滑剤を塗布してトップコート層6を形成し、裁断してテープとして完成させた。
【0044】
ここで、下地層2の膜厚は、5〜100nmとし、磁性層3の膜厚は30〜200nmとし、保護膜4の膜厚は10nmで一定とした。
【0045】
(下地層厚み依存性試験)
次に、磁性層3の膜厚を100nmで一定、下地層のO/Co原子数比を0.9で一定、下地層を形成するときの最大の入射角を50°で一定として、下地層2の膜厚を10〜100nmの範囲で変化させたときの、試料の磁気特性の変化を調べた。
図3は、試料の保磁力Hcを下地層2の膜厚に対してプロットした図である。
【0046】
図3から、わずか10nmの膜厚の下地層により、下地層無しの場合と比べ、Hcが大きく上昇することが分かる。
下地層の膜厚をさらに厚くしていくと、50nm程度の膜厚まで媒体のHcは増加し、それ以上の下地層の膜厚においては、Hcに大きな変化はない。
【0047】
次に、磁性層3の膜厚を100nmで一定、下地層のO/Co原子数比を0.9で一定、下地層を形成するときの最大の入射角を50°で一定として、下地層2の膜厚を変化させ、下地層2の膜厚が、それぞれ5nm(比較例a)、10nm(実施例2)、25nm(実施例3)、50nm(実施例4)、75nm(比較例b)、100nm(比較例c)の試料と、下地層2なしの試料(比較例1)を作成し、O/Co原子数比と媒体ノイズおよびC/N比との関係を測定した。
記録する信号の記録波長は約0.3μm、ノイズは信号周波数の±1MHzでの値の平均値とし、比較例1の試料を0dBとした。
結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003867544
【0049】
表1から、Hcと同様に下地層の膜厚が50nmまでの領域でC/N比は増加するが、その上がり幅はそれほど大きくない。下地層の膜厚が50nm以上の領域ではHcが頭打ちになり、C/N比も同じく頭打ちになる。
【0050】
体積記録密度の観点からは、メディアの厚みは薄いほうが望ましい。
10nmの下地層でも、大きなC/N比向上が得られており、50nm以上の領域でHcやC/N比の向上が認められないので、下地層の膜厚は50nm以下とすることが好ましい。
【0051】
(下地層成膜時最大入射角依存性試験)
次に、磁性層3の膜厚を100nmで一定、下地層2の膜厚を30nmで一定、下地層2のO/Co原子数比を0.9で一定、下地層2を成膜するときの最小入射角を30°で一定として、下地層2を成膜するときの最大入射角を変化させ、最大入射角がそれぞれ40°(実施例7)、50°(実施例8)、60°(実施例9)、70°(実施例10)、80°(実施例11)、90°(実施例12)の試料と、下地層2なしの試料(比較例2)を作成し、最大入射角と媒体ノイズおよびC/N比との関係を測定した。
記録する信号の記録波長は約0.3μm、ノイズは信号周波数の±2MHzでの値の平均値とし、比較例2の試料を0dBとした。
記録ヘッドはギャップ長0.2μmのMIGヘッド、再生ヘッドは、積層タイプヘッド、ギャップ長は0.18μmとした。
【0052】
【表2】
Figure 0003867544
【0053】
表2より、下地層成膜時の最大入射角が、70°以下である場合、媒体ノイズが小さくなる傾向が見られた。
媒体ノイズが減少する原因は、以下のように考えられる。
即ち、下地層成膜時の最大入射角を下げることにより、蒸着粒子のシャドーイング効果が減少し、表面が平滑かつ均質な構造の下地層が形成され、それにより、その上に成膜される磁性層の表面性も向上し、さらに、膜成長初期から膜が均質な構造になるため、と推定される。
また、媒体ノイズ減少とともに、媒体Hcが向上するため、短波長領域での出力が向上し、高C/N比を得ることができる。
【0054】
(下地層O/Co原子数比依存性試験)
次に、下地層2のO/Co原子数比と、磁気特性と電磁変換特性との関係について調べた。
磁気特性に関してHcを測定した。Hcは、O/Co原子数比が0.4以上の時に大きく増大した。この組成が、下地層がほぼ磁性を持たなくなる組成であると考えられる。
【0055】
次に、磁性層3の膜厚を100nmで一定、下地層2の膜厚を30nmで一定、下地層2を成膜するときの最大入射角を50°で一定として、下地層2成膜時の酸素導入量を変えることにより、下地層2中のO/Co原子数比を変化させて、下地層2のO/Co原子数比が、それぞれ0.4(実施例13)、0.6(実施例14)、1.0(実施例15)、1.2(実施例16)の試料と、下地層2のO/Co原子数比がそれぞれ0.2(比較例3)と0.3(比較例4)の試料、さらには下地層2なしの試料(比較例3)を作成し、O/Co原子数比と媒体ノイズおよびC/N比との関係を測定した。
記録する信号の記録波長は約0.3μm、ノイズは信号周波数の±2MHzでの値の平均値とした。
結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0003867544
【0057】
O/Co原子数比が0.4未満となって、下地層2に磁化が残っていると、媒体ノイズが増加してしまうことがわかった。
媒体ノイズが増加しないOとCoの比は、O/Co=0.4以上であり、この仕の組成において、下地層の磁化がほとんどなくなると考えられる。
【0058】
またC/N比も、O/Co原子数比が0.4以上であるときに大きく向上している。
これは、媒体ノイズが減少するとともに、この組成領域では下地層が磁性を持たなくなり、磁性層のHcが大きく向上するために、短波長領域では出力も向上する。
【0059】
以上の結果より、本発明においては、下地層のO/Co比は0.4以上とする。
【0060】
以上、本発明を上記の実施形態および実施例により説明したが、本発明はこれらに限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明の磁気記録媒体によれば、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、特に短波長領域においても高C/N比特性を有し、さらなる高密度記録化が可能である。
【0062】
本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、特に短波長領域においても高C/N比特性を有し、さらなる高密度記録化が可能である磁気記録媒体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体である斜方蒸着テープの断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法における下地層と磁性層の成膜に用いる斜方蒸着装置全体の模式図であり、図2(b)は要部の模式図である。
【図3】図3は、実施例において試料の保磁力Hcを下地層2の膜厚に対してプロットした図である。
【図4】図4は、従来例に係る斜方蒸着テープの断面図である。
【符号の説明】
1…非磁性支持体、2…下地層、3…磁性層、4…保護層、5…トップコート層、6…バックコート層、10…巻き出しロール、11…ベースフイルム、12…冷却キャン、13…巻き取りロール、14…電子銃、15…電子ビーム、16…ルツボ、17…被着物蒸気、18…遮蔽板、19…酸素供給部。

Claims (2)

  1. 高分子基板よりなる非磁性支持体上に、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であって、
    非磁性支持体と、
    上記非磁性支持体上に形成され、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上であり、膜厚が10nm以上50nm以下である下地層と、
    上記下地層上に形成され、CoおよびOを含む磁性層と
    を有し、
    上記下地層は、蒸着法における下地層構成成分の上記非磁性支持体に対する最大の入射角を70°以下として堆積された膜である
    磁気記録媒体。
  2. 高分子基板よりなる非磁性支持体上に、蒸着法により磁性層が形成されてなる磁気記録媒体の製造方法であって、
    非磁性支持体上に、CoおよびOを含み、O/Coの原子数比が0.4以上であり、膜厚が10nm以上50nm以下である下地層を形成する工程と、
    上記下地層上に、CoおよびOを含む磁性層を形成する工程と
    を有し、
    上記下地層を形成する工程においては、蒸着法により、下地層構成成分の上記非磁性支持体に対する最大の入射角を70°以下として堆積させ、形成する
    磁気記録媒体の製造方法。
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