JP3851521B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用エンジンなどの排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)および窒素酸化物(NOx)を効率よく浄化する排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)および窒素酸化物(NOx)を同時に浄化できる三元触媒は、通常、白金、ロジウム、パラジウムなどの貴金属が担持されており、排ガス浄化用触媒として広く用いられている。このような排ガス浄化用触媒において、貴金属の中でも、ロジウムは、酸化および還元の両者に対して優れた活性を示し、とりわけ、NOxの浄化において優れた効果を発現する。そのため、ロジウムを必須成分として、その他に、適宜、白金やパラジウムがあわせて担持される排ガス浄化用触媒が、種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ロジウムは高価であるため、工業的には、なるべく少量でその効果を有効に発現させることができる排ガス浄化用触媒が、強く望まれている。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ロジウムの活性を効果的に発現させることができ、優れた浄化性能を経済的に実現することのできる、排ガス浄化用触媒を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化用触媒は、予めロジウムと白金とが担持されたジルコニウム系複合酸化物と、予め白金が担持されたセリウム系複合酸化物と、白金および/またはパラジウムが担持されてもよいアルミナとを含有し、前記ジルコニウム系複合酸化物が、下記一般式(1)
Zr 1−(a+b) Ce a N b O 2−c (1)
(式中、Nはアルカリ土類金属または希土類金属を、cは酸素欠陥量を示し、aは0.10〜0.35の原子割合を、bは0〜0.20の原子割合を、1−(a+b)は0.45〜0.90の原子割合をそれぞれ示す。)で表される耐熱性酸化物であり、前記セリウム系複合酸化物が、下記一般式(2)
Ce 1−(x+y) Zr x M y O 2−z (2)
(式中、Mはアルカリ土類金属または希土類金属を、zは酸素欠陥量を示し、xは0.20〜0.70の原子割合を、yは0〜0.20の原子割合を、1−(x+y)は0.10〜0.80の原子割合をそれぞれ示す。)で表される耐熱性酸化物であって、ロジウムは、ジルコニウム系複合酸化物のみに担持され、パラジウムは、アルミナのみに担持されることを特徴としている。
【0006】
また、触媒担体上に、コート層として形成されていることが好ましい。
【0007】
また、前記コート層は、上層および下層の2層からなるコート層であり、パラジウムが担持されたアルミナが、前記下層に含有されていることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明の排ガス浄化用触媒では、ロジウムの担持量が、前記触媒担体1Lあたり1g未満であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明の排ガス浄化用触媒は、予めロジウムと白金とが担持されたジルコニウム系複合酸化物と、予め白金が担持されたセリウム系複合酸化物とを含有している。
【0010】
ジルコニウム系複合酸化物は、下記一般式(1)
Zr1−(a+b)CeaNbO2−c (1)
(式中、Nはアルカリ土類金属または希土類金属を、cは酸素欠陥量を示し、aは0.10〜0.35の原子割合を、bは0〜0.20の原子割合を、1−(a+b)は0.45〜0.90の原子割合をそれぞれ示す。)で表される耐熱性酸化物である。
【0011】
Nで示されるアルカリ土類金属としては、例えば、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)が挙げられ、好ましくは、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられる。また、Nで示される希土類金属としては、例えば、Y(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、La(ランタン)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロビウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられ、好ましくは、Y、Sc、La、Pr、Ndが挙げられる。これらアルカリ土類金属または希土類金属は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0012】
また、bで示されるNの原子割合は0〜0.20の範囲、すなわち、Nが耐熱性酸化物の成分として含まれていないか、あるいは、含まれている場合には、0.20以下の範囲である。0.20を超えると、比表面積が低下する場合がある。
【0013】
また、aで示されるセリウム(Ce)の原子割合は、0.10〜0.35の範囲である。0.10に満たないと、比表面積が低下する場合がある。
【0014】
したがって、1−(a+b)で示されるジルコニウム(Zr)の原子割合は、0.45〜0.90の範囲である。この範囲を満足しない場合には、目的とする比表面積にならない場合があり、また、目的とする耐熱性が得られない場合がある。なお、Zrの原子割合は、0.65〜0.90の範囲であることが、さらに好ましい。
【0015】
また、cは酸素欠陥量を示し、これは、Zr、CeおよびNの酸化物が通常形成するホタル石型の結晶格子において、その結晶格子にできる空孔の割合を意味する。
【0016】
このようなジルコニウム系複合酸化物は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、酸化セリウム粉末に水を加えてスラリーとした後、このスラリーに、ジルコニウム塩およびアルカリ土類金属塩および/または希土類金属塩を所定の化学量論比で混合した水溶液を加えて、十分に攪拌した後、酸化処理を行なえばよい。
【0017】
酸化セリウム粉末は、市販品でよいが、酸素ストレージ能を向上させるため、比表面積の大きいものが好ましい。この酸化セリウム粉末1重量部に約10〜50重量部の水を加えてスラリーとする。
【0018】
また、ジルコニウム塩およびアルカリ土類金属塩および/または希土類金属塩の塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、りん酸塩等の無機塩、例えば、酢酸塩、しゅう酸塩等の有機酸塩が挙げられ、好ましくは、硝酸塩が挙げられる。これらジルコニウム塩およびアルカリ土類金属塩および/または希土類金属塩は、化学量論比で上記した所定の原子割合の範囲となる割合で、それぞれ1重量部に対し0.1〜10重量の水に溶解して混合水溶液とする。
【0019】
そして、この混合水溶液を、上記のスラリーに加えて十分に攪拌混合した後、酸化処理を行なう。この酸化処理は、先ず、真空乾燥機などを用いて減圧乾燥を行なった後、好ましくは、約50〜200℃で約1〜48時間乾燥し乾燥物を得て、得られた乾燥物を、約350〜1000℃、好ましくは、約400〜700℃で約1〜12時間、好ましくは、約2〜4時間焼成すればよい。この焼成において、耐熱性酸化物の少なくとも一部が、固溶体となるようにして、耐熱性酸化物の耐熱性を向上させることが好ましい。固溶体を形成するための好適な焼成条件は、耐熱性酸化物の組成およびその割合において適宜決定される。
【0020】
また、このジルコニウム系複合酸化物は、所定の化学量論比となるように、ジルコニウム、セリウムおよびアルカリ土類金属および/または希土類金属を含む塩の溶液を調製して、この溶液にアルカリ性水溶液を加え、ジルコニウム、セリウムおよびアルカリ土類金属および/または希土類金属を含む塩を共沈させた後、この共沈物を酸化処理するようにしてもよい。この場合、用いる塩としては、上記した例示の塩が挙げられ、また、アルカリ性水溶液としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニアなどの水溶液の他、適宜公知の緩衝剤が挙げられ、アルカリ水溶液を加えた後の溶液のPHが8〜11程度となるように調製することが好ましい。また、酸化処理は、共沈物を濾過洗浄後、上記と同様の酸化処理を行なえばよい。
【0021】
また、このジルコニウム系複合酸化物は、所定の化学量論比となるように、ジルコニウム、セリウムおよびアルカリ土類金属および/または希土類金属を含む混合アルコキシド溶液を調製して、この混合アルコキシド溶液に脱イオン水を加えて、共沈あるいは加水分解させて、この共沈物あるいは加水分解生成物を酸化処理するようにしてもよい。この場合、混合アルコキシド溶液の調製は、ジルコニウム、セリウムおよびアルカリ土類金属および/または希土類金属の各アルコラート体を、トルエン、キシレンなどの有機溶媒中で混合することにより調製すればよい。各アルコラート体を形成するアルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドなどや、これらのエトキシエチレートあるいはメトシキプロピレートなどのアルコキシアルコラートなどが挙げられる。また、酸化処理は、共沈物あるいは加水分解生成物を濾過洗浄後、上記と同様の酸化処理を行なえばよい。
【0022】
また、セリウム系複合酸化物は、下記一般式(2)
Ce1−(x+y)ZrxMyO2−z (2)
(式中、Mはアルカリ土類金属または希土類金属を、zは酸素欠陥量を示し、xは0.20〜0.70の原子割合を、yは0〜0.20の原子割合を、1−(x+y)は0.10〜0.80の原子割合をそれぞれ示す。)で表される耐熱性酸化物である。
【0023】
Mで示されるアルカリ土類金属または希土類金属としては、上記したアルカリ土類金属または希土類金属と同様のものが挙げられる。アルカリ土類金属として、好ましくは、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられ、また、希土類金属として、好ましくは、Y、Sc、La、Pr、Ndが挙げられる。これらアルカリ土類金属または希土類金属は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0024】
また、yで示されるMの原子割合は0〜0.20の範囲、すなわち、Mが耐熱性酸化物の成分として含まれていないか、あるいは、含まれている場合には、0.20以下の範囲である。
【0025】
また、xで示されるZrの原子割合は、0.20〜0.70の範囲である。0.20に満たないと、耐熱性が低下する場合があり、また、0.70を超えると、Ceの不足により酸素ストレージ能が低下する場合がある。
【0026】
したがって、1−(x+y)で示されるCeの原子割合は、0.10〜0.80の範囲である。なお、Ceの原子割合は、0.35〜0.70の範囲であることが、さらに好ましい。
【0027】
また、Zは酸素欠陥量を示し、これは、Ce、ZrおよびMの酸化物が通常形成するホタル石型の結晶格子において、その結晶格子にできる空孔の割合を意味する。
【0028】
このようなセリウム系複合酸化物は、上記と同様の方法を用いるなど、公知の方法を用いて製造することができる。
【0029】
そして、本発明の排ガス浄化用触媒では、ジルコニウム系複合酸化物に、予めロジウムと白金とが担持されている。ロジウムを白金とともにジルコニウム系複合酸化物に担持させることにより、ロジウムの活性を効果的に発現させることができる。
【0030】
ジルコニウム系複合酸化物にロジウムと白金とを担持させるには、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ロジウムおよび白金を含む塩の溶液をそれぞれ調製し、この含塩溶液をジルコニウム系複合酸化物に、順次含浸および焼成すればよい。
【0031】
この場合、含塩溶液としては、上記した例示の塩の溶液を用いてもよく、また実用的には、硝酸塩水溶液、ジニトロジアンミン硝酸溶液、塩化物水溶液などが用いられる。より具体的には、ロジウム塩溶液として、例えば、硝酸ロジウム溶液、塩化ロジウム溶液などが、白金塩溶液として、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液、塩化白金酸溶液、4価白金アンミン溶液などが好ましく用いられる。ジルコニウム系複合酸化物にロジウムおよび白金を含浸させた後は、好ましくは、それぞれの含浸ごとに、約50〜200℃で約1〜48時間乾燥し、さらに、約350〜1000℃で約1〜12時間焼成する。なお、ロジウムおよび白金の両方を含む塩の溶液を調製して、この含塩溶液をジルコニウム系複合酸化物に1度に含浸して焼成するようにしてもよい。
【0032】
また、ジルコニウム系複合酸化物にロジウムおよび白金を担持させる他の方法として、上記したジルコニウム系複合酸化物の製造工程において、ジルコニウム、セリウムおよびアルカリ土類金属および/または希土類金属を含む塩の溶液や混合アルコキシド溶液を共沈あるいは加水分解する時に、ロジウム塩および白金塩の溶液を加えて、ジルコニウム系複合酸化物の各成分とともにロジウムおよび白金を共沈させて、その後、酸化処理を行なってもよい。
【0033】
また、本発明の排ガス浄化用触媒では、セリウム系複合酸化物に、ロジウムが担持されることなく、予め白金が担持されている。セリウム系複合酸化物に、ロジウムを担持させることなく、白金を担持させることにより、酸素ストレージ能を有効に発現させることができながら、ロジウムの使用量を低減することができる。
【0034】
セリウム系複合酸化物に、白金を担持させるには、特に制限されず、上記と同様の方法を用いるなど、公知の方法を用いることができる。
【0035】
そして、本発明の排ガス浄化用触媒では、このようにして得られる予めロジウムと白金とが担持されたジルコニウム系複合酸化物と、予め白金が担持されたセリウム系複合酸化物とが配合されている。ジルコニウム系複合酸化物とセリウム系複合酸化物との配合は、混合した後にスラリーとする、あるいは、それぞれスラリーとした後に混合するなどの公知の方法を用いることができる。
【0036】
そして、このようにして得られる本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体上にコート層として形成されることが好ましい。触媒担体としては、特に限定されず、例えば、コージェライトなどからなるハニカム状のモノリス担体など、公知の触媒担体が用いられる。触媒担体上にコート層として形成するには、例えば、まず、ジルコニウム系複合酸化物およびセリウム系複合酸化物のそれぞれに、水を加えてスラリーとした後、これらスラリーを混合して、触媒担体上にコーティングし、約50〜200℃で約1〜48時間乾燥し、さらに、約350〜1000℃で約1〜12時間焼成すればよい。また、ジルコニウム系複合酸化物およびセリウム系複合酸化物を粉体混合した後に、これに水を加えてスラリーとし、このスラリーを触媒担体上にコーティングし、約50〜200℃で約1〜48時間乾燥し、さらに、約350〜1000℃で約1〜12時間焼成してもよい。
【0037】
このようにして得られる本発明の排ガス浄化用触媒では、触媒担体1Lあたり、セリウム系複合酸化物が40〜150g、さらには、80〜120g、ジルコニウム系複合酸化物が20〜100g、さらには、40〜60gであることが好ましく、また、ロジウムの担持量が、触媒担体1Lあたり1g未満、さらには、0.8g以下、とりわけ、0.2〜0.5gであることが好ましく、また、白金の担持量が、触媒担体1Lあたり0.5〜2g、さらには、0.7〜1.5gであることが好ましい。なお、本発明の排ガス浄化用触媒では、ロジウムは、ジルコニウム系複合酸化物にすべて担持されるが、白金は、ジルコニウム系複合酸化物と、さらにセリウム系複合酸化物に担持される。ジルコニウム系複合酸化物およびセリウム系複合酸化物に担持される白金の割合は、ジルコニウム系複合酸化物に対する担持量1重量部に対して、セリウム系複合酸化物に対する担持量が1〜5重量部、好ましくは、2〜3重量部となるような割合で担持されることが好ましい。
【0038】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、白金および/またはパラジウムが担持されてもよいアルミナを含有している。
【0039】
また、本発明の排ガス浄化用触媒では、その目的および用途などによっては、例えば、ロジウム、白金およびパラジウムなどの貴金属が担持されないセリウム系複合酸化物を適宜配合してもよい。これらを配合するには、例えば、ジルコニウム系複合酸化物およびセリウム系複合酸化物のそれぞれに水を加えてスラリーとする時に、同時に配合すればよく、また、これらの単独のスラリーを調製して、ジルコニウム系複合酸化物やセリウム系複合酸化物を含むスラリーに混合してもよい。
【0040】
なお、白金および/またはパラジウムが担持されているアルミナを配合する場合には、その配合割合が、触媒担体1Lあたり、20〜150g、さらには、35〜100gであることが好ましく、また、白金の担持量が、0.1〜2g、さらには、0.5〜1.5gであることが好ましく、また、パラジウムの担持量が、0.5〜5g、さらには、0.7〜2.5gであることが好ましい。
【0041】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体上に、1層として形成してもよいが、2層以上の多層の最外層として形成してもよい。多層として形成する場合には、各層の成分を含むスラリーを触媒担体上に順次コーティングして、各層ごとに、乾燥および焼成すればよい。
【0042】
例えば、2層として形成する場合には、触媒担体上に直接コーティングされる1層目(下層)の上に、本発明の排ガス浄化用触媒が2層目(上層)として形成される。なお、この場合において、アルミナ、ジルコニウム系複合酸化物およびセリウム系複合酸化物の量は、1層目および2層目の合計が、上記した量となるようにすることが好ましい。
【0043】
下層の成分としては、例えば、上記したセリウム系複合酸化物、ジルコニウム系複合酸化物およびアルミナから選択される1種以上の成分が好ましく用いられ、例えば、触媒担体1Lあたり、セリウム系複合酸化物が20〜70g、アルミナが20〜100gで用いられることが好ましい。また、下層にも、白金やパラジウムが担持されていてもよく、その担持量は、例えば、触媒担体1Lあたり、それぞれ、0.4〜5gであることが好ましい。好ましくは、パラジウムが担持される。なお、パラジウムは、アルミナに担持されている。
【0044】
また、パラジウムが担持される場合には、そのパラジウムが担持される層には、さらに、Ba、Ca、Sc、Mg、Laの硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩および/または酢酸塩を含んでいることが好ましい。このような硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩および/または酢酸塩を含ませれば、パラジウムの炭化水素(HC)などの被毒を抑制することができ、触媒活性の低下を防止することができる。このような硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩および/または酢酸塩を含ませる割合は、その目的および用途によって適宜選択される。なお、このような硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩および/または酢酸塩を含む各層の形成は、例えば、各層を形成するためのスラリーに、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩および/または酢酸塩を混合すればよい。
【0045】
そして、このようにして得られる本発明の排ガス浄化用触媒は、酸化および還元の両者に対して優れた活性を示し、とりわけ、NOxの浄化において優れた効果を発現するロジウムの担持量が少量であっても、その効果を有効に発現させることができ、高温耐久時においても優れた浄化性能を経済的に実現することができる。そのため、自動車用の排気ガスの浄化用触媒として好適に用いることができる。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
【0047】
セリウム系複合酸化物Aの調製
セリウムメトキシプロピレート0.1mol、ジルコニウムメトキシプロピレート0.09mol、イットリウムメトキシプロピレート0.01molをトルエン200mlに加えて攪拌溶解することにより、混合アルコキシド溶液を調製した。この溶液に脱イオン水80mlを滴下して、アルコキシドを加水分解した。加水分解された溶液から、トルエンおよび脱イオン水を留去乾固して、Ce0.50Zr0.45Y0.05O1.97前駆体を得た。これを、60℃、24時間通風乾燥した後、電気炉にて、450℃、3時間焼成を行ない、Ce0.50Zr0.45Y0.05O1.97の組成を有するセリウム系複合酸化物A粉末を得た。
【0048】
ジルコニウム系複合酸化物Bの調製
セリウム系複合酸化物Aの調製と同様の方法に従って、下記の組成を有するジルコニウム系複合酸化物Bの粉末を得た。
【0049】
ジルコニウム系複合酸化物B:Zr0.78Ce0.16La0.02Nd0.04O1.97
実施例1
下層の形成:
まず、Al2O3粉末に、硝酸パラジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pd担持Al2O3粉末を調製した。次いで、Pd担持Al2O3粉末、セリウム系複合酸化物AおよびBaSO4粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、モノリス担体(直径105.7mm、長さ114mm、容量1000mL、以下同じ)の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより下層を形成した。なお、この下層は、モノリス担体1Lあたり、Pd担持Al2O3粉末が50g(Pd担持量2.1g)、セリウム系複合酸化物Aが45g、BaSO4 が20gとなるように形成した。
【0050】
上層の形成:
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をジルコニウム系複合酸化物Bに担持し、さらにこのPt担持ジルコニウム系複合酸化物Bに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0051】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0052】
そして、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末およびAl2O3粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、既に下層が形成されているモノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより上層を形成し、これによって、2層コートからなる排ガス浄化用触媒を得た。
【0053】
なお、この上層は、モノリス担体1Lあたり、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Pt担持量0.5g、Rh担持量0.4g)、Pt担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量1.0g)、Al2O3が50gとなるように形成した。
【0054】
比較例1
下層の形成:
実施例1と同様の操作により、実施例1と同様の成分および割合を有する下層を形成した。
【0055】
上層の形成:
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をジルコニウム系複合酸化物Bに担持し、さらにこのPt担持ジルコニウム系複合酸化物Bに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0056】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をセリウム系複合酸化物Aに担持し、さらにこのPt担持セリウム系複合酸化物Aに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0057】
そして、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt−Rh担持セリウム系複合酸化物A粉末およびAl2O3粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、既に下層が形成されているモノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより上層を形成し、これによって、2層コートからなる排ガス浄化用触媒を得た。
【0058】
なお、この上層は、モノリス担体1Lあたり、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Pt担持量0.5g、Rh担持量0.3g)、Pt−Rh担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量1.0g、Rh担持量0.1g)、Al2O3が50gとなるように形成した。
【0059】
比較例2
下層の形成:
実施例1と同様の操作により、実施例1と同様の成分および割合を有する下層を形成した。
【0060】
上層の形成:
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0061】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0062】
そして、Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末およびAl2O3粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、既に下層が形成されているモノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより上層を形成し、これによって、2層コートからなる排ガス浄化用触媒を得た。
【0063】
なお、この上層は、モノリス担体1Lあたり、Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Rh担持量0.4g)、Pt担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量1.5g)、Al2O3が50gとなるように形成した。
【0064】
実施例2
実施例1において、下層を形成せずに、上層の成分のみで単層コートを形成した以外は、実施例1と同様の操作により、排ガス浄化用触媒を得た。
【0065】
比較例3
比較例1において、下層を形成せずに、上層の成分のみで単層コートを形成した以外は、比較例1と同様の操作により、排ガス浄化用触媒を得た。
【0066】
比較例4
比較例2において、下層を形成せずに、上層の成分のみで単層コートを形成した以外は、比較例2と同様の操作により、排ガス浄化用触媒を得た。
【0067】
比較例5
下層の形成:まず、セリウム系複合酸化物A粉末に、硝酸パラジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pd担持セリウム系複合酸化物A粉末を調整した。次いで、Pd担持セリウム系複合酸化物A粉末、Al2O3粉末およびBaSO4粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、モノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより下層を形成した。なお、この下層は、モノリス担体1Lあたり、Pd担持セリウム系複合酸化物Aが45g(Pd担持量2.1g)、Al2O3が50g、BaSO4が20gとなるように形成した。
【0068】
上層の形成:
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をジルコニウム系複合酸化物Bに担持し、さらにこのPt担持ジルコニウム系複合酸化物Bに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0069】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0070】
そして、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末およびAl2O3粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、既に下層が形成されているモノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより上層を形成し、これによって、2層コートからなる排ガス浄化用触媒を得た。
【0071】
なお、この上層は、モノリス担体1Lあたり、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Pt担持量0.75g、Rh担持量0.4g)、Pt担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量0.75g)、Al2O3が50gとなるように形成した。
【0072】
比較例5において、下層を形成せずに、上層の成分のみで単層コートを形成した以外は、比較例5と同様の操作により、排ガス浄化用触媒を得た。
【0073】
実施例5
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をジルコニウム系複合酸化物Bに担持し、さらにこのPt担持ジルコニウム系複合酸化物Bに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0074】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0075】
さらに、Al2O3粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持Al2O3粉末を調製した。
【0076】
そして、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末およびPt担持Al2O3粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、モノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより、排ガス浄化用触媒を得た。
【0077】
なお、この排ガス浄化用触媒は、モノリス担体1Lあたり、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Pt担持量0.5g、Rh担持量0.4g)、Pt担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量0.5g)、Pt担持Al2O3粉末が50g(Pt担持量0.5g)となるように形成した。
【0078】
実施例6
下層の形成:
まず、Al2O3粉末に、硝酸パラジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pd担持Al2O3粉末を調製した。次いで、Pd担持Al2O3粉末、セリウム系複合酸化物AおよびBaSO4粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、モノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより下層を形成した。なお、この下層は、モノリス担体1Lあたり、Pd担持Al2O3粉末が50g(Pd担持量0.4g)、セリウム系複合酸化物Aが30g、BaSO4 が20gとなるように形成した。
【0079】
上層の形成:
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をジルコニウム系複合酸化物Bに担持し、さらにこのPt担持ジルコニウム系複合酸化物Bに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0080】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0081】
さらに、Al2O3粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持Al2O3粉末を調製した。
【0082】
そして、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末およびPt担持Al2O3粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、既に下層が形成されているモノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより上層を形成し、これによって、2層コートからなる排ガス浄化用触媒を得た。
【0083】
なお、この上層は、モノリス担体1Lあたり、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Pt担持量0.175g、Rh担持量0.7g)、Pt担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量0.175g)、Pt担持Al2O3粉末が70g(Pt担持量0.35g)となるように形成した。
【0084】
実施例7
まず、ジルコニウム系複合酸化物B粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、白金をジルコニウム系複合酸化物Bに担持し、さらにこのPt担持ジルコニウム系複合酸化物Bに、硝酸ロジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末を調製した。
【0085】
次いで、セリウム系複合酸化物A粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末を調製した。
【0086】
その後、Al2O3粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pt担持Al2O3粉末を調製した。
【0087】
さらに、Al2O3粉末に、硝酸パラジウム溶液を含浸させ、乾燥後、電気炉にて、600℃、3時間焼成を行ない、Pd担持Al2O3粉末を調製した。
【0088】
そして、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物B粉末、Pt担持セリウム系複合酸化物A粉末、Pt担持Al2O3粉末、Pd担持Al2O3粉末、セリウム系複合酸化物AおよびBaSO4粉末を、ボールミルにて混合および粉砕し、これに蒸留水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを、モノリス担体の各セルの内表面にコーティングして、乾燥後、600℃、3時間焼成することにより、排ガス浄化用触媒を得た。
【0089】
なお、この排ガス浄化用触媒は、モノリス担体1Lあたり、Pt−Rh担持ジルコニウム系複合酸化物Bが40g(Pt担持量0.23g、Rh担持量0.7g)、Pt担持セリウム系複合酸化物Aが70g(Pt担持量0.23g)、Pt担持Al2O3粉末が70g(Pt担持量0.23g)、Pd担持Al2O3粉末が50g(Pd担持量0.4g)、セリウム系複合酸化物Aが30g、BaSO4 が20gとなるように形成した。
【0090】
1150℃耐久試験
排気量4リッター・V型8気筒エンジンを実車に搭載し、このエンジンの片バンク(4気筒)に、実施例および比較例の排ガス浄化用触媒を連結して、図1に示すサイクルを1サイクル(30秒)として、このサイクルを48時間繰り返すことにより、耐久試験を実施した。
【0091】
1サイクルは、図1に示すように、0〜5秒の間は、フィードバック制御によって、理論空燃比(A/F=14.6)であるストイキ状態に維持されたガソリンと空気との混合ガスをエンジンに供給するとともに、排ガス浄化用触媒(触媒床)の内部温度が、850℃近辺となるように設定した。5〜7秒の間は、フィードバックをオープンにするとともに、燃料を過剰に噴射して燃料リッチな状態(A/F=11.2)の混合ガスをエンジンに供給した。7〜28秒の間は、引き続いて、フィードバックをオープンにして燃料を過剰に供給したままで、各触媒部の上流側から導入管を介してエンジンの外部から二次空気を吹き込んで、触媒床内部において過剰な燃料と二次空気とを反応させて触媒床温度を上昇させた。このときの最高温度は1150℃であり、A/Fは、ほぼ理論空燃比である14.8に維持した。最後の28〜30秒の間は、燃料を供給せずに二次空気を供給し、リーン状態とした。なお、燃料は、ガソリンにリン化合物を添加した状態で供給し、その添加量をリン元素に換算して、耐久試験の合計を0.41gとした。また、触媒床温度は、ハニカム担体の中心部に挿入した熱電対によって計測した。
【0092】
CO−NOXクロスポイント浄化率の測定
以上に説明した耐久試験を行なった各触媒部に対して、まず、900℃で2時間アニーリング処理を実施した。次いで、混合ガスを、燃料リッチな状態からリーン状態に変化させつつエンジンに供給するとともに、これをエンジンで燃焼させたときの排出ガスを、実施例および比較例の排ガス浄化用触媒によって浄化した。この時、COおよびNOXが浄化される割合をそれぞれ測定し、これらの成分の浄化率が一致する時の浄化率をCO−NOXクロスポイント浄化率とした。
【0093】
なお、このような浄化率の測定は、エンジンを自動車に実際に搭載させた状態ではなく、エンジンのみの状態で実施した。また、各触媒部に供給する排気ガスの温度を460℃、その空間速度SVを80000/hとした。その結果を、表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】
本発明の排ガス浄化用触媒は、酸化および還元の両者に対して優れた活性を示し、とりわけ、NOxの浄化において優れた効果を発現するロジウムの担持量が少量であっても、その効果を有効に発現させることができ、高温耐久時においても優れた浄化性能を経済的に実現することができる。そのため、自動車用の排気ガスの浄化用触媒として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1150℃耐久試験の1サイクルの工程を示すタイムチャートである。
Claims (4)
- 予めロジウムと白金とが担持されたジルコニウム系複合酸化物と、
予め白金が担持されたセリウム系複合酸化物と、
白金および/またはパラジウムが担持されてもよいアルミナとを含有し、
前記ジルコニウム系複合酸化物が、下記一般式(1)
Zr 1−(a+b) Ce a N b O 2−c (1)
(式中、Nはアルカリ土類金属または希土類金属を、cは酸素欠陥量を示し、aは0.10〜0.35の原子割合を、bは0〜0.20の原子割合を、1−(a+b)は0.45〜0.90の原子割合をそれぞれ示す。)
で表される耐熱性酸化物であり、
前記セリウム系複合酸化物が、下記一般式(2)
Ce 1−(x+y) Zr x M y O 2−z (2)
(式中、Mはアルカリ土類金属または希土類金属を、zは酸素欠陥量を示し、xは0.20〜0.70の原子割合を、yは0〜0.20の原子割合を、1−(x+y)は0.10〜0.80の原子割合をそれぞれ示す。)
で表される耐熱性酸化物であって、
ロジウムは、ジルコニウム系複合酸化物のみに担持され、
パラジウムは、アルミナのみに担持されることを特徴とする、排ガス浄化用触媒。 - 触媒担体上に、コート層として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記コート層は、上層および下層の2層からなるコート層であり、
パラジウムが担持されたアルミナが、前記下層に含有されていることを特徴とする、請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。 - ロジウムの担持量が、前記触媒担体1Lあたり1g未満であることを特徴とする、請求項2または3に記載の排ガス浄化用触媒。
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