JP3835250B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内に吹き出す空調風の風量や温度等の空調能力を自動制御可能な車両用空調装置に関し、特に車両のウインドウを防曇する防曇制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用空調装置は、吹き出す空調風の風量や温度等を制御することにより車室内を快適な環境にすると共に、ウインドウの曇りを防止し、あるいはウインドウの曇りの除去を行って、運転者の視界を確保し、安全で快適な運転を可能にすることを目的とする。
【0003】
ここで、実用新案登録第2509856号公報の記載においては、車室内の暖房とウインドウの曇り晴らしとを行うヒート/デフモード時の制御として、ヒート吹出口からの風量とデフロスタ吹出口からの風量との風量割合を経時的に繰り返し変更して暖房と曇り晴らしとを行いつつ、その変更タイミングを手動操作により可変して暖房と曇り晴らしとのバランスを変えることのできる自動車の空気調和装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような制御では、個人差のあるデフロスタ吹出口からの温風による顔の火照り易さやその時々の環境条件に関係なくデフロスタからの風量や吹出温度が変化するため、乗員に違和感を与えるという問題がある。また、ヒートドア及びデフロスタドアの開度をアクチュエータで何度も変更するため、その作動音で乗員に煩わしさを与えるという問題もある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、個人差のある顔の火照り易さや環境条件を制御に反映して防曇性と快適性を向上することのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では以下の技術的手段を採用する。
【0009】
請求項1記載の発明では、空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、第1の吹出モードから第2の吹出モードへ移行してウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を増加させる場合、その吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の増加量の上限を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とする。
【0010】
これにより、その時々の環境条件に応じてデフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の顔に感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ能力とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ能力の上限を調節できることより快適性を向上することができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けるとともに、
空調制御手段(10)は、ウインドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速の増加を自動で行うオート制御モードの時、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変することを特徴とする。
【0012】
これにより、環境条件からウインドウでの曇りの発生し易さに対応してデフロスタ能力を調節する防曇制御となり、曇り難い環境条件時には自動でデフロスタ能力が下がり、より顔の火照りを回避した快適性優先の制御となる。
【0013】
請求項3記載の発明では、空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けるとともに、
車両用空調装置は複数の空調ゾーンを互いに独立して空調制御する機能を備え、空調制御手段(10)は、複数の空調ゾーン毎にウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とする。これにより、左右独立コントロール車等で、左右の各人の好みに対応することが可能となる。
【0014】
請求項4記載の発明では、空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けるとともに、
空調制御手段(10)は、オート吹出口制御モードの時、ウインドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速を増加させる吹出モードへ移行する条件を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とする。
【0015】
これは、各人の好みに対応して、顔の火照りに影響するデフロスタ吹出口からも空調風を吹き出すヒート/デフモードへの切り替わり条件を可変するものであり、例えば通常の自動制御でヒート/デフモードへと切り替わる温度条件を可変することにより、ヒート/デフモードになり易くなったり、なり難くなったりさせることができる。
【0017】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づき説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1ないし図6は本発明の第1実施形態を示したもので、図1はオートエアコンシステムの全体構成を示したものである。また、図2はインストルメントパネルを示した図で、図3はエアコン操作パネルを示した図である。
【0020】
本実施形態の車両用空調装置、いわゆるカーエアコンは、走行用に水冷エンジンを搭載する自動車等の車両の、車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御手段(以下エアコンECUという)10によって制御するように構成されたオートエアコンシステムである。
【0021】
その空調ユニット1は、車室内の運転席側(運転席後方の後部座席を含む)空調ゾーンと、助手席側(助手席後方の後部座席を含む)空調ゾーンとの温度調節及び吹出口モードの変更等を、互いに独立して行うことが可能なエアコンユニットである。
【0022】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3及びブロワ4とが設けられていて内外気送風手段としての送風機ユニットとなっている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等のアクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸込口7との開度(いわゆる吸込口モード)を変更する吸込口切替手段である。
【0023】
ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制御されるブロワモータ(送風ファン駆動手段)9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる遠心式送風機である。尚、ブロワ4は、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手席側フロントウインドウの内側)に向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出風量または吹出風速を変更する吹出風量可変手段または吹出風速可変手段を構成する。
【0024】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2を通過する空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ(冷却用熱交換器)41が設けられている。また、そのエバポレータ41の空気下流側には、第1、第2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却水と熱交換して加熱するヒータコア(加熱用熱交換器)42が設けられている。尚、第1、第2空気通路11、12は、仕切板14により区画されている。また、例えば電力を用いて走行する車両に用いられた車両用空調装置では、エバポレータをペルチェ素子に変更しても良い。
【0025】
そのヒータコア42の空気上流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられている。そして、運転席側、助手席側A/Mドア15、16は、サーボモータ17、18等のアクチュエータにより駆動されて、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手席側フロントウインドウの内側)に向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する運転席側、助手席側吹出温度可変手段を構成する。
【0026】
ここで、本実施形態のエバポレータ41は、冷凍サイクルの一構成部品を成すものである。冷凍サイクルは、車両のエンジンルーム内に搭載された車両走行用のエンジンの出力軸にベルト駆動されて、冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)と、このコンプレッサより吐出された冷媒を凝縮液化させる冷媒凝縮器(コンデンサ)と、このコンデンサより流入した液冷媒を気液分離する受液器(レシーバ)と、このレシーバより流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁(エキスパンション・バルブ)と、このエキスパンション・バルブより流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる上記のエバポレータ(冷媒蒸発器)とから構成されている。
【0027】
これらの内コンプレッサは、エアコンECU10により制御される電磁クラッチによって、エンジンからの回転力が断続される。そして、電磁クラッチがONされてコンプレッサが起動することによってエバポレータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却し除湿することで、車室内温度が下がり、フロントウインドウを含むウインドウの内側が曇り難くなる。
【0028】
本実施形態では、エバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度(TE)と目標エバ後温度(TEO)との比較結果に応じて出力される制御信号に基づき容量可変制御を行う電磁式容量可変制御弁を有する容量可変コンプレッサが用いられている。
【0029】
そして、第1空気通路11の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2に示したように、運転席側デフロスタ(DEF)吹出口20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口21、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口22及び運転席側フット(FOOT)吹出口23が開口している。
【0030】
また、第2空気通路12の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2に示したように、助手席側デフロスタ(DEF)吹出口30、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口31、助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口32及び助手席側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0031】
尚、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22、32は、サイドウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成する。
【0032】
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36が設けられている。そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36は、サーボモータ28、29、38、39等のアクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアで、風量割合調節手段を構成する。
【0033】
ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、FOOT/DEFモード、DEFモード等がある。尚、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24、34は、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30を互いに独立して開閉することが可能な運転席側、助手席側デフロスタドアで、それを駆動するサーボモータ28、38は、窓曇りまたは霜付きの防止、或いは窓曇りまたは霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエータを構成する。
【0034】
エアコンECU10は、本発明の空調制御手段に相当するもので、エンジンの始動及び停止を司るイグニッションスイッチが投入(IG・ON)された時に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示せず)から直流電源が供給されると演算処理や制御処理を開始するように構成されている。エアコンECU10には、図1及び図2に示したように、インストルメントパネル50に一体的に設置されたエアコン操作パネル51上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力されるように構成されている。
【0035】
そして、エアコン操作パネル51には、液晶表示装置(LCD:液晶ディスプレイ)52、内外気切替スイッチ53、フロントデフロスタスイッチ(以下DEFスイッチと言う)54、リヤデフロスタ(デフォッガ)スイッチ55、DUALイスッチ56、吹出口モード(MODE)切替スイッチ57、ブロワ風量切替スイッチ58、A/Cスイッチ59、AUTOスイッチ60、OFFスイッチ61、運転席(DRIVER)側温度設定スイッチ62、助手席(PASSENGER)側温度設定スイッチ63及び低燃費向上スイッチ64等が設置されている。
【0036】
上記の内のDUALイスッチ56は、運転席側空調ゾーン内の温度調節と助手席側空調ゾーン内の温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度コントロールを指令する左右独立制御指令手段である。また、DEFスイッチ54は、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当するもので、吹出口モード(MODE)をDEFモードに固定(設定)するように要求するDEFモード要求手段である。
【0037】
MODE切替スイッチ57は、本発明の設定手段に相当するもので、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当し、ユーザーのマニュアル操作に応じて、吹出口モード(MODE)を、FACEモードまたはB/LモードまたはF/DモードまたはFOOTモードのいずれかに固定(設定)するように要求するF/Dモード要求手段である。
【0038】
液晶ディスプレイ52には、運転席側、助手席側空調ゾーンの設定温度を視覚表示する設定温度表示部、吹出口モードを視覚表示する吹出口モード表示部(吹出モード表示手段)、及びブロワ風量を視覚表示する風量表示部等が設けられている。尚、液晶ディスプレイ52に外気温表示部、吸込口モード表示部、時刻表示部、を設けても良い。また、エアコン操作パネル51上の各種の操作スイッチは、液晶ディスプレイ52に設けられていても良い。
【0039】
A/Cスイッチ59は、冷凍サイクルのコンプレッサの起動または停止を指令する空調操作スイッチである。一般に、A/Cスイッチ59は、コンプレッサをOFFしてエンジンの回転負荷を減らすことで燃費効率を高めるために設けられている。
【0040】
運転席側温度設定スイッチ62は、運転席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチ62aとダウンスイッチ62bよりなる。また、助手側温度設定スイッチ63は、助手席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチ63aとダウンスイッチ63bよりなる。
【0041】
更に、低燃費向上スイッチ64は、冷凍サイクルのコンプレッサの稼働率を下げて、低燃費及び省動力を考慮した経済的な空調制御を行うか否かを指令するエコノミー(ECON)スイッチである。
【0042】
また、エアコンECU10の内部には、演算処理や制御処理を行う中央演算装置(CPU)、メモリ(ROMまたはEEOROM、RAM)、及びI/Oポート(入力/出力回路)等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられ、各種センサーからのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0043】
即ち、エアコンECU10には、車室内温度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検出手段としての外気温センサ72、及び日射検出手段としての日射センサ73が接続されている。
【0044】
また、エバポレータ41を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度TEという)を検出するエバ後温度検出手段としてのエバ後温度センサ74、車両のエンジン冷却水温を検出する冷却水温検出手段としての冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ76、及び冷凍サイクルの高圧側のレシーバとエキスパンション・バルブとの間に取り付けられ、高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサ77等が接続されている。
【0045】
ここで、湿度センサ76は、内気温センサ71と共に、運転席近傍のインストルメントパネル50の前面に形成された凹所内に収容されている。尚、凹所は通気口が形成された蓋体50aによって塞がれている。
【0046】
これらのうち内気温センサ71、外気温センサ72、エバ後温度センサ74、及び冷却水温センサ75は、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されている。また、日射センサ73は、運転席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Dr)を検知する運転席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)と、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Pa)を検知する助手席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)とを有している。
【0047】
次に、エアコンECU10による制御方法を図4に基づいて説明する。ここで図4は、エアコンECU10の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0048】
まず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU10に直流電源が供給されると、予めROMに記憶されている制御プログラム(図4のルーチン)の実行が開始される。この時に、エアコンECU10内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容等の初期化を行う(ステップS1)。
【0049】
次に、各種データをデータ処理用メモリ(RAM)に読み込む。即ち、エアコン操作パネル51上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサからのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
【0050】
特に、内気温センサ71の検出値である車室内温度に対応した出力信号TR、外気温センサ72の検出値である外気温に対応した出力信号TAM、日射センサ73の検出値である日射量に対応した出力信号TS(Dr)、TS(Pa)、エバ後センサ74の検出値であるエバ後温度に対応した出力信号TE、冷却水温センサ75の検出値である冷却水温に対応した出力信号TWを入力する。
【0051】
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)、及び助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する(ステップS3)。次に、上記のステップS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ風量{ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)}を演算する(ステップS4)。
【0052】
実際には、上記のブロワ制御電圧VAは、運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を予め定めた特性パターンに基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。
【0053】
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側A/Mドア15のA/M開度SW(Dr)(%)及び助手席側A/Mドア16のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する(ステップS5)。運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)は上記のステップS3で求めたものに基づく。
【0054】
次に、後述する図5のルーチンが起動して、ウインドウ防曇制御を行う(ステップS6)。次に、上記ステップで決定した目標エバ後温度(TEO)とエバ後センサ74の検出値である実際のエバ後温度(TE)とが一致するように、フィードバック制御(PI制御)にてコンプレッサの目標吐出量を決定する(ステップS7)。具体的には、コンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を記憶している演算式に基づいて演算する。
【0055】
次に、ステップS4で決定されたブロワ制御電流VA(Dr)、VA(Pa)となるようにブロワ駆動回路8に制御信号を出力する(ステップS8)。次に、ステップS5で決定されたA/M開度SW(Dr)、SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18に制御信号を出力する(ステップS9)。
【0056】
次に、ステップS6で決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ28、29、38、39に制御信号を出力する(ステップS10)。次に、ステップS7で決定されたソレノイド電流(制御電流:In)をコンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに出力する(ステップS11)。その後にステップS2の制御処理に戻る。
【0057】
次に、エアコンECU10によるウインドウ防曇制御に関する制御を図1ないし図7に基づいて説明する。まず、図5は防曇制御に関する制御を示したフローチャートであり、ウインドウへの吹出風量の上限を可変するものとしてDEFドア開度の上限を可変した例である。尚、これらの制御は運転席側と助手席側とで互いに独立して行われるため、以降の説明は運転席側で説明する。
【0058】
まず、図5のルーチンが起動すると、ステップS21で吹出口モードがF/D(FOOT/DEF)モードであるか否かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターンして当ステップS21の判定を繰り返す。そして、F/Dモードが選択されてステップS21の判定結果がYESとなった場合にはステップS22へ進み、乗員が手動操作によって入力設定した環境の好みデータを読み込む。
【0059】
この乗員の好みを入力し設定する手段として、例えば乗員がエアコン操作パネル51のMODE切替スイッチ57でF/Dモードを選択した後、運転席側または助手席側のアップスイッチ62a、63aまたはダウンスイッチ62b、63bで好みを選択できるようにしても良い。
【0060】
次にステップS23で、読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。そして、その結果、ステップS33で上限値が高に分類される場合はステップS24へ進みDEFドア開度の上限を30度とする。同じく、ステップS33で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS25へ進みDEFドア開度の上限を25度とする。同じく、ステップS33で上限値が低に分類される場合はステップS26へ進みDEFドア開度の上限を20度とするものである。
【0061】
図6は、そのDEFドア開度の変化を示した特性図である。(a)はFOOTモードからF/Dモードへ切り替わった場合で、FOOTモードでは5〜12.5度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモードでは12.5〜30度(高)または12.5〜25度(中)または12.5〜20度(低)へと開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0062】
また、(b)はDEFモードからF/Dモードへ切り替わった場合で、DEFモードでは42.5〜55度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモードでは(a)と同じく12.5〜30度(高)または12.5〜25度(中)または12.5〜20度(低)へと開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0063】
図7は防曇制御に関する制御を示したフローチャートであり、ウインドウへの吹出温度の上限を可変するものとしてエバ後目標温度TAOの上限を可変した例である。図7のルーチンが起動すると、ステップS31で吹出口モードがF/Dモードであるか否かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターンして当ステップS31の判定を繰り返す。そして、F/Dモードが選択されてステップS31の判定結果がYESとなった場合にはステップS32へ進み、乗員が手動操作によって入力設定した環境の好みデータを読み込む。
【0064】
次にステップS33で、読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。そして、その結果、上限値が高に分類される場合はステップS34へ進み、エバ後目標温度TAOが60度より高くなっていないかをチェックする。そして、エバ後目標温度TAOが60度より高くなった場合にはステップS35へ進んでそのエバ後目標温度TAOを60度に変更してそれを上限とする。
【0065】
同じく、ステップS33で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS36へ進み、エバ後目標温度TAOが50度より高くなっていないかをチェックする。そして、エバ後目標温度TAOが50度より高くなった場合にはステップS37へ進んでそのエバ後目標温度TAOを50度に変更してそれを上限とする。
【0066】
同じく、ステップS33で上限値が低に分類される場合はステップS38へ進み、エバ後目標温度TAOが40度より高くなっていないかをチェックする。そして、エバ後目標温度TAOが40度より高くなった場合にはステップS39へ進んでそのエバ後目標温度TAOを40度に変更してそれを上限とするものである。尚、防曇能力の上限を可変するものであれば吹出風速または配風割合を可変しても良い。
【0067】
次に、本実施形態の特徴を述べる。エアコンECU10は防曇制御に関する制御として、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段としてMODE切替スイッチ57等を用いている。
【0068】
これにより、その時々の環境条件に応じてデフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の顔に感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ能力とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ能力の上限を調節できることより快適性を向上することができる。
【0069】
(第2実施形態)
図8は本発明の第2実施形態での防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。第1実施形態(図5)と同じ形のフローチャートで、ステップS41でF/Dモードが選択され、ステップS42で好みデータを読み込んだ後、ステップS43で読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断し、その結果の処置内容のみ異なる。
【0070】
その処置内容として、ステップS43で上限値が高に分類される場合はステップS44へ進みDEFドア開度の増加量の上限を20度とする。同じく、ステップS43で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS25へ進みDEFドア開度の増加量の上限を15度とする。同じく、ステップS43で上限値が低に分類される場合はステップS26へ進みDEFドア開度の増加量の上限を10度とするものである。
【0071】
図9は、そのDEFドア開度の増加量の変化を示した特性図であり、FOOTモードからF/Dモードへ切り替わった例で、FOOTモード時のDEFドア開度に対して、F/Dモード時には+20度(高)または+15度(中)または+10度(低)と増加量の上限値を変えることとなる。
【0072】
図10は防曇制御に関する制御を示したフローチャートであり、オート温度コントロール時のウインドウへの吹出温度の増加量を可変した例である。図8と同じ形のフローチャートで、ステップS51でF/Dモードが選択され、ステップS52で好みデータを読み込んだ後、ステップS53で読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断し、その結果の処置内容のみ異なる。
【0073】
その処置内容として、ステップS53で上限値が高に分類される場合はステップS54へ進みオートでの温度上限設定に対して+5℃とする。同じく、ステップS53で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS55へ進みオートでの温度上限設定はそのままとする。同じく、ステップS53で上限値が低に分類される場合はステップS56へ進みオートでの温度上限設定に対して−5℃とするものである。
【0074】
図11は、その温度上限設定の変化を示した特性図であり、F/Dモードへ切り替わった時に、今までのオートでの温度上限設定に対して+5℃(高)または±0℃(中)または−5℃(低)と温度上限値を変えることとなる。
【0075】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は防曇制御に関する制御として、第1の吹出モードから第2の吹出モードへ移行してウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を増加させる場合、その吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の増加量の上限を乗員の操作によって可変可能な設定手段としてMODE切替スイッチ57等を用いている。
【0076】
これによっても、その時々の環境条件に応じてデフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の顔に感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ能力とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ能力の上限を調節できることより快適性を向上することができる。
【0077】
(第3実施形態)
図12は本発明の第3実施形態での防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。図12のルーチンが起動すると、ステップS61で吹出口モードがF/D(FOOT/DEF)モードであるか否かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターンして当ステップS61の判定を繰り返す。そして、F/Dモードが選択されてステップS61の判定結果がYESとなった場合にはステップS62へ進み、乗員が手動操作によって入力設定した環境の好みデータを読み込む。
【0078】
次にステップS63で、外気温センサ72で検知される外気温TAMが0℃より低い状況であるかを判定する。外気温TAMが0℃より高い場合にはリターンしてステップS61の判定から繰り返し、外気温TAMが0℃より低い状況であればステップS64へ進む。
【0079】
次にステップS64で、更に外気温TAMが−5℃より低い状況であるかを判定する。そして、外気温TAMが−5℃よりは高い場合にはステップS65へ進み、先に読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。
【0080】
その結果、ステップS65で上限値が高に分類される場合はステップS66へ進みDEFドア開度の上限を25度とする。同じく、ステップS65で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS67へ進みDEFドア開度の上限を20度とする。同じく、ステップS65で上限値が低に分類される場合はステップS68へ進みDEFドア開度の上限を15度とするものである。
【0081】
図13は、そのDEFドア開度の変化を示した特性図である。(a)はFOOTモードからF/Dモードへ切り替わった場合で、FOOTモードでは5〜12.5度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモードでは12.5〜25度(高)または12.5〜20度(中)または12.5〜15度(低)へと開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0082】
また、(b)はDEFモードからF/Dモードへ切り替わった場合で、DEFモードでは42.5〜55度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモードでは(a)と同じく12.5〜25度(高)または12.5〜20度(中)または12.5〜15度(低)へと開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0083】
また、ステップS64の判定で外気温TAMが−5℃よりも低い場合にはステップS69へ進み、先に読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。
【0084】
その結果、ステップS69で上限値が高に分類される場合はステップS70へ進みDEFドア開度の上限を30度とする。同じく、ステップS69で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS71へ進みDEFドア開度の上限を25度とする。同じく、ステップS69で上限値が低に分類される場合はステップS72へ進みDEFドア開度の上限を20度とするものである。
【0085】
図14は、そのDEFドア開度の変化を示した特性図である。(a)はFOOTモードからF/Dモードへ切り替わった場合で、FOOTモードでは5〜12.5度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモードでは12.5〜30度(高)または12.5〜25度(中)または12.5〜20度(低)へと開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0086】
また、(b)はDEFモードからF/Dモードへ切り替わった場合で、DEFモードでは42.5〜55度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモードでは(a)と同じく12.5〜30度(高)または12.5〜25度(中)または12.5〜20度(低)へと開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0087】
この様に、外気温TAMが0〜−5℃の範囲で、窓の曇る度合が少ない環境条件の場合にはステップS65〜S68の防曇能力の上限を下げて快適性を優先させた弱防曇制御を実施し、外気温TAMが−5℃以下で、窓が曇り易い環境条件の場合にはステップS69〜S72の防曇能力の上限を上げて防曇性を優先させた強防曇制御を実施するものである。
【0088】
但し、先のステップS63、S64の目的は、ウインドウが曇り易い環境条件か否かの判定であるため、外気温TAMに限らず、例えば日射量TSまたは車室内温度TRまたは湿度またはガラス温度等で曇り易い・曇り難いの条件を判定しても良い。
【0089】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、ウインドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速の増加を自動で行うオート制御モードの時、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変している。
【0090】
これにより、環境条件からウインドウでの曇りの発生し易さに対応してデフロスタ能力を調節する防曇制御となり、曇り難い環境条件時には自動でデフロスタ能力が下がり、より顔の火照りを回避した快適性優先の制御となる。
【0091】
(第4実施形態)
本実施形態の車両は左右独立コントロール車で、車両用空調装置は左右複数の空調ゾーンを互いに独立して空調制御する機能を備えている。図15は本発明の第4実施形態での右側空調ゾーンの防曇制御に関する制御を示したフローチャートであるが、第1実施形態(図5)と同じ内容のフローチャートで、同様の制御が左右複数の空調ゾーンで互いに独立して行われるものである。
【0092】
ステップS81で右側空調ゾーンにおいてF/Dモードが選択されると、ステップS82で右側乗員の好みデータを読み込み、ステップS83で読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。
【0093】
その結果、ステップS83で上限値が高に分類される場合はステップS84へ進みDEFドア開度の上限を30度とし、ステップS83で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS85へ進みDEFドア開度の上限を25度とし、ステップS83で上限値が低に分類される場合はステップS86へ進みDEFドア開度の上限を20度とするものである。
【0094】
このような本実施形態の特徴として、車両用空調装置は複数の空調ゾーンを互いに独立して空調制御する機能を備え、エアコンECU10は、複数の空調ゾーン毎にウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変可能な設定手段としてMODE切替スイッチ57等を用いている。これにより、左右独立コントロール車等で、左右の各人の好みに対応することが可能となる。
【0095】
(第5実施形態)
図16は本発明の第5実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。概略、吹出口モードの変更を自動で行うオート吹出口制御モードの時、F/Dモードへの切り替わり条件を可変した例である。
【0096】
図16のルーチンが起動すると、まず、ステップS91で乗員の好みデータを読み込む。次に、ステップS92で読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。そして、ステップS92で上限値が高に分類される場合はステップS93へ進み、通常のオートでF/Dモードへ切り替わる条件に対して−5℃F/Dモードへ切り替わる条件を低くする。同じく、ステップS92で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS94へ進み通常のオートでF/Dモードへ切り替わる条件はそのままとする。同じく、ステップS92で上限値が低に分類される場合はステップS95へ進み、通常のオートでF/Dモードへ切り替わる条件に対して+5℃F/Dモードへ切り替わる条件を高くするものである。
【0097】
このような本実施形態の特徴として、エアコンECU10は、オート吹出口制御モードの時、ウインドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速を増加させる吹出モードへ移行する条件を乗員の操作によって可変可能な設定手段としてMODE切替スイッチ57等を用いている。
【0098】
これは、各人の好みに対応して、顔の火照りに影響するデフロスタ吹出口からも空調風を吹き出すヒート/デフモードへの切り替わり条件を可変するものであり、例えば通常の自動制御でヒート/デフモードへと切り替わる温度条件を上記のように可変することにより、ヒート/デフモードになり易くなったり、なり難くなったりさせることができる。
【0099】
(第6実施形態)
本実施形態の車両用空調装置は外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する送風機ユニット3、4を備えているか、または、空気冷却手段としてエバポレータ41の冷凍サイクル中にコンプレッサを備えている。そして、送風機ユニット3、4またはコンプレッサはエアコンECU10で制御されている。
【0100】
または車両に、ウインドウの曇りを晴らすためのウインドウ加熱手段として熱線43を備えており、通常は操作パネル51のDEFスイッチ54が乗員の選択により押された場合、熱線43に通電加熱されウインドウに付いた霜を除去したり曇りを晴らしたりすると同時に、吹出口モードをDEFモードに設定して空調風によるウインドウの防曇能力が上げられる。
【0101】
図17は本発明の第6実施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートである。概略、デフロスタ能力を抑える設定になった場合、顔の火照りに関係しない防曇手段で防曇能力を補うものである。
【0102】
ステップS101でF/Dモードが選択されると、ステップS102で乗員の好みデータを読み込み、ステップS103で読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。
【0103】
その結果、ステップS103で上限値が高に分類される場合はステップS104へ進みDEFドア開度の上限を30度とする。また、ステップS103で上限値が中または入力無しに分類される場合はステップS105へ進みDEFドア開度の上限を25度とする。また、ステップS103で上限値が低に分類される場合はステップS106へ進みDEFドア開度の上限を20度とするものである。
【0104】
但し、ステップS106のように防曇能力の上限を低く抑えた場合、次のステップS107の防曇能力処置で防曇能力を補う。具体的には、送風機ユニット3、4を備えた車両用空調装置では送風機ユニット3、4での外気導入率を増加させる。または、コンプレッサを備えた車両用空調装置ではコンプレッサの稼動率を増加させる。または、熱線43を備えた車両では熱線43の稼動率を増加させる。または、これらの手段を複合して行っても良い。
【0105】
このような本実施形態の特徴として、車両用空調装置は外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する送風機ユニット3、4、またはエバポレータ41の冷凍サイクル中にコンプレッサ、または車両ウインドウの曇りを晴らすための熱線43を備え、
エアコンECU10は、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限が所定値以下に設定された時、防曇性能増加手段として送風機ユニット3、4での外気導入率またはコンプレッサの稼動率または熱線43の稼動率を増加させている。これにより、デフロスタ能力を抑える設定に対応して、顔の火照りに関係しない手段で防曇性を補って確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートエアコンシステムの全体構成を示した構成図である。
【図2】車両のインストルメントパネルを示した正面図である。
【図3】エアコン操作パネルを示した正面図である。
【図4】エアコンECUの制御プログラムを示したフローチャートである。
【図5】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図6】(a)、(b)ともドア開度の変化を示した特性図である(第1実施形態)。
【図7】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第2実施形態)。
【図8】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第3実施形態)。
【図9】ドア開度増加量の変化を示した特性図である(第3実施形態)。
【図10】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第4実施形態)。
【図11】吹出温度の変化を示した特性図である(第4実施形態)。
【図12】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第5実施形態)。
【図13】(a)、(b)ともドア開度の変化を示した特性図である(第5実施形態)。
【図14】(a)、(b)ともドア開度の変化を示した特性図である(第5実施形態)。
【図15】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第6実施形態)。
【図16】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第7実施形態)。
【図17】防曇制御に関する制御を示したフローチャートである(第8実施形態)。
【符号の説明】
3、4 送風機ユニット(内外気送風手段)
10 エアコンECU(空調制御手段)
41 エバポータ(空気冷却手段)
43 熱線(ウインドウ加熱手段)
57 MODE切替スイッチ(設定手段)
Claims (4)
- 車両ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を調節可能な空調機器と、この空調機器を制御する空調制御手段(10)とを備え、この空調制御手段(10)の制御により前記ウインドウを防曇する車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、第1の吹出モードから第2の吹出モードへ移行して前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を増加させる場合、その吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の増加量の上限を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 車両ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を調節可能な空調機器と、この空調機器を制御する空調制御手段(10)を備え、この空調制御手段(10)の制御により車両のウインドウを防曇する車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けるとともに、
前記空調制御手段(10)は、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速の増加を自動で行うオート制御モードの時、前記ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変することを特徴とする車両用空調装置。 - 車両ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を調節可能な空調機器と、この空調機器を制御する空調制御手段(10)を備え、この空調制御手段(10)の制御により車両のウインドウを防曇する車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けるとともに、
車両用空調装置は複数の空調ゾーンを互いに独立して空調制御する機能を備え、
前記空調制御手段(10)は、前記複数の空調ゾーン毎に前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 車両ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速を調節可能な空調機器と、この空調機器を制御する空調制御手段(10)を備え、この空調制御手段(10)の制御により車両のウインドウを防曇する車両用空調装置において、
前記空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御として、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けるとともに、
前記空調制御手段(10)は、オート吹出口制御モードの時、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速を増加させる吹出モードへ移行する条件を乗員の操作によって可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
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