JP3814426B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、従来の現像装置を備えた画像形成装置の一例を示す。同図は概略構成を示す縦断面図であり、同図を参照しながら、従来の画像形成装置の概略を説明する。
【0003】
感光ドラム(像担持体)111は、矢印R1方向に回転駆動され、その表面が帯電ローラ(帯電装置)103によって一様に帯電された後、露光装置102による露光を受けて表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置208によってトナー像として現像される。感光ドラム111上のトナー像は、転写ローラ(転写装置)110によって転写材114上に転写される。この転写材114は、給紙カセット117に収納されていたものが、給紙ローラ116等によって供給されたものである。トナー像転写後の感光ドラム111は、転写材114に転写されないで表面に残ったトナーがクリーニング装置112のクリーニングブレード113によって除去されて次の画像形成に供される。一方、トナー像転写後の転写材114は、定着装置115によって表面にトナー像が定着された後、画像形成装置本体101外部に排出される。これにより画像形成が完了する。
【0004】
図10に、従来の現像装置の一例を示す。同図は、上述の図9中の現像装置208の拡大図である。同図を参照しながら、従来の現像装置の概略を説明する。
【0005】
同図に示す現像装置208は、磁性一成分トナーを用いた現像装置である。現像スリーブ(現像剤担持体)105は、アルミニウムやステンレススチールのパイプから形成された非磁性スリーブであり、矢印R2方向に回転自在に支持されている。現像スリーブ105の内側には、N極とS極とが交互に複数個形成されたマグネット106が固定的に配置されている。現像スリーブ105の表面は、所望量のトナーが搬送できるように、適切な表面粗さに加工されている。この現像スリーブ105表面には、弾性ブレード(現像剤規制部材)107aが所定の圧力で当接されている。弾性ブレード107aは、例えばウレタンゴムやシリコーンゴム等によって形成されており、支持板金107bに固定されている。マグネット106の磁力によって現像スリーブ105表面に引き付けられたトナー109は、現像スリーブ105上にて担持搬送されることによる摩擦帯電、及び弾性ブレード107aによって適量が規制される際の現像スリーブ105と弾性ブレード107a間での摺擦による摩擦帯電で、適切な電荷を与えられて現像領域へと搬送される。
【0006】
また、現像装置208は、図15に示すように、現像スリーブ105の両端部にコロ209が固定されており、コロ209を感光ドラム111に当接させることにより、現像スリーブ105表面と感光ドラム111表面との間が所定の間隔となるようにしている。現像スリーブ105は、一方の端部に現像スリーブギヤ212が固定されており、この現像スリーブギヤ212に、感光ドラム111と一体の感光ドラムギヤ211から伝達される駆動力によって回転駆動される。
【0007】
このような現像装置208におけるトナー残量検知の手段としては、図10に示すように、現像スリーブ105に対して平行に配置されたアンテナ部材108により、現像スリーブ−アンテナ間のトナー量の変化に伴うインピーダンスの変化を利用し、交流の現像バイアス印加電源118によりアンテナ部材108に誘起される電流変化を検知してトナー残量を推測するもの(以下「誘起電流検知手段」という。)が従来から知られている。現像バイアスを印加する電源としては、上述の交流の現像バイアス印加電源118の他に、直流の現像バイアス印加電源119も有しており、これらにより、上述の現像スリーブ105に交流と直流とが重畳された現像バイアスを印加するようになっている。
【0008】
誘起電流検知手段は、図中120〜123の各部材によって構成されている。120は、トナーが無い状態と同等の静電容量を持つコンデンサで、この静電容量とアンテナ部材108から検出された静電容量とを、それぞれダイオード121、122を介した後、コンパレータ123で比較することでトナー有無を判断する。
【0009】
トナー残量検知を行う場合、現像容器104内部の長手方向に配置されたアンテナ部材108は、トナーの動きを妨げる作用をもたらすことがある。特にアンテナ部材108の下部は、現像容器104下部とアンテナ部材108との間にトナーの壁が形成されやすいため、攪拌部材130を設け、トナーをほぐしながら、現像スリーブ105へのトナー供給をスムーズにする方法が従来用いられてきた。
【0010】
攪拌部材130としては、図11に示すような、クランク形の棒部材が用いられ、その両端部を回転中心とし、図10中の矢印R3方向に回転させて用いる方法が従来からある。
【0011】
また、攪拌部材140が現像容器104内のトナーをほぐし、かつ、攪拌部材130にトナーを受け渡すべく、配置されている。攪拌部材140は、図12に示すように、攪拌部材130と同様のクランク形の棒部材であり、その両端部を回転中心とし、図10中の矢印R4方向に回転させて用いている。攪拌部材130及び攪拌部材140を回転させるための駆動力は、例えば、上述の現像スリーブギヤ212(図15参照)からギヤ列で適当な回転速度に落とすことで利用するのが一般的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、レーザビームによって露光を行うデジタル方式の画像形成装置においての、1ドット再現性の向上を目的としたトナーの小粒径化に伴い、上述構成の現像装置208の使用開始からしばらくの間、画像濃度が薄くなる傾向が見られるようになってきた。
【0013】
図13は、トナー平均(中心)粒径の違いによる、初期の画像濃度推移を表した図である。平均粒径が6μmと8μmのいずれも初期の濃度は薄い傾向があるが、平均粒径が小さい6μmの方がより顕著となる。初期濃度薄のレベルについては、平均粒径が8μm以上の場合には、濃度1.4以上と問題になる程のレベルではないが、それ未満の平均粒径のトナーを用いる場合には、改善する方が望ましいレベルになると考えられる。
【0014】
本出願人らの検討によれば、この濃度低下の原因は、図16に示すように、トナー中の比較的粒径の小さな微粉量と初期のべた黒濃度(濃度測定は、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いた)には相関関係があり、微粒量が多いほど濃度薄になることがわかった。すなわち、初期においては、使い始めの時期に現像装置208内のトナー中の比較的粒径の小さなものが現像スリーブ105近傍に集まる傾向があり、これによって現像スリーブ105上にコートされたトナーのトリボ分布がブロード化(現像するのに最適なトリボを持ったトナーの割合が減少する)し、現像能力が低下していることがわかった。そして、小さい粒径のトナーの存在が問題となるため、当然、トナーの平均粒径が小さくなる程、顕著に現れやすくなる現象でもある。さらに、本現象は、トナー消費が少ないパターンを印字し続けるほど顕著になる(例えばべた白を続けて印字した直後のべた黒はより薄くなる)こともわかった。これはトナー消費が少ないほど、現像スリーブ105近傍の微粉量が増加していくためである。
【0015】
図14(a)は、従来のクランク形の攪拌部材130を用いた現像装置208内のトナーの動きを表した図である。同図において、現像容器104側からの新しいトナーの供給は、矢印4のように攪拌部材130の下方を経由して行われるものと、図14(b)に示すようにトナーの自重作用により矢印5のように攪拌部材130とアンテナ部材108との間に流れ込んで行われるものとがある。矢印4、5の流れで現像スリーブ105近傍に流れたトナーは、現像スリーブ105内部のマグネット106の磁力によって引き付けられた後、弾性ブレード107で現像スリーブ105上コートされることになるが、コートされたもの以外は、矢印2又は矢印3の方向に循環していく。この循環はトナーのトリボ付与に寄与している。そして出願人らの検討によれば、これら矢印4、5の大量なトナーの流れが初期濃度薄発生の原因となっていることもわかった。つまり、初期濃度薄いの防止には、初期時に大量のトナーが現像スリーブ105近傍に流入することを防ぐ構成を有するか、又は大量の流入を起こしても、濃度低下を招かないトナーでの対策が必要と考えられる。
【0016】
トナーでの対策としては、トナーの粒径を揃える(微粉側を製造時にカットする)ことが考えられるが、トナー製造時の歩留まりが非常に悪化し、高コストを招くため、現実的な手段になり得ない。
【0017】
また、特許番号第2682003号では、現像装置内のトナー収容槽内の現像スリーブ側に、現像装置内下側に仕切り部材を設け、その仕切り部材と現像スリーブ間にあるトナー収容槽内の小室に、攪拌部材によってトナーを補給する補給室を設ける構成を有し、その小室内のトナーから優先的に現像させることにより、均一な粒径のトナーを安定して供給する提案がなされている。
【0018】
しかしながら、下側からの壁を乗り越えるだけのトナー搬送力が求められるため、攪拌構成に対する性能要求が厳しく、コストアップを招きやすい。また、現像スリーブ105の回転中心より現像容器104の重心が上部に位置する系においては、図14(a)、(b)による矢印4、5からのトナー流入は抑制することができるものの、攪拌部材として、回転トルクが軽くコストのかからない攪拌部材140を使用する場合や、攪拌部材を持たずにトナーの自重落下のみでトナー供給を行う場合においては、上述の小室内へのトナーの絶対供給量が不足しやすく、現像スリーブ105へのトナー供給が不安定になり、現像容器104中にトナーが大量にあるにもかかわらず、画像上白抜けを発生させる可能性があった。
【0019】
また、特開平10−104943号公報では、トナー層規制部材の極近傍に、現像室の上壁部から下方に向かって防御壁を、トナー層規制部材と同程度突出させるという提案があるが、この構成においても、図14(b)に示す矢印5のトナーの流れ込みを抑制することができず、初期濃度薄を防止することができない。
【0020】
さらには、初期のみ攪拌部材の動きを止めることも、現像スリーブ近傍へのトナー流入を防止する効果は高いが、装置構成が複雑になり、コストアップを招くという問題がある。
【0021】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、現像剤担持体に対するトナーの供給量過多に起因する初期濃度薄の防止と、現像剤担持体に対するトナーの供給量不足に起因する白抜け画像の防止とを両立させるようにした、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1の発明は、画像形成装置の装置本体内に設けられる現像装置であって、現像剤を収納するとともに前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態でその前側の下部に開口部を有する現像容器と、前記現像剤を担持する、前記開口部に回転自在に配置された現像剤担持体と、前記現像容器内に収納された前記現像剤の残量を検知する、前記現像容器内で前記現像剤担持体の長手方向に平行に配置された現像剤残量検知部材と、前記現像容器内に収納された前記現像剤を攪拌する、前記現像容器内に配置された第1の攪拌部材および第2の攪拌部材と、を備えた現像装置において、前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で前記現像剤残量検知部材を前記現像剤担持体の後方における斜め上方に配置し、前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で前記第1の攪拌部材を前記現像剤残量検知部材の後方における斜め上方に回転自在に配置し、前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で前記第2の攪拌部材を前記現像剤残量検知部材の斜め下方、かつ、前記第1の攪拌部材の前方における斜め下方に回転自在に配置し、前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で前記現像容器の上部内側から前記現像剤残量検知部材と前記第1の攪拌部材との間に向けて仕切り部材を突設し、前記現像剤残量検知部材における前側の鉛直方向の接線を第1の接線として、前記第2の攪拌部材の回転軌跡における後側の鉛直方向の接線を第2の接線としたときに、前記仕切り部材の先端を、前記第1の接線と前記第2の接線との間に配置することにより、前記現像剤が自重によって前記現像剤残量検知部材と前記第2の攪拌部材との間の領域を通過して前記現像剤担持体の設けられた方向へ移動するのを抑制するように構成し、前記現像容器内に存在する前記現像剤の残量が多いとき程、前記領域に搬送される前記現像剤の量が少なくなるように、前記第1の攪拌部材が、前記現像剤担持体の回転軸と平行な回転軸を有する剛体棒と、前記剛体棒に基端部が固定され先端部が自由端である弾性シートとを有することを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明は、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在なカートリッジ容器に、少なくとも像担持体と現像装置とを組み込んで構成したプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置が、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって現像する請求項1に記載の現像装置であることを特徴とする。
【0024】
請求項3の発明は、像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像装置と、を備えた画像形成装置において、前記現像装置が、請求項1に記載の現像装置であることを特徴とする。
【0025】
請求項4の発明は、転写材に画像形成する装置本体と、該装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとを備えた画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項2に記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする。
【0026】
請求項5の発明は、現像容器の前側の下部の開口部に配置され、現像剤を表面に保持して現像を行う円筒状の現像剤担持体と、前記現像剤担持体と平行に配置されて回転することにより前記現像剤担持体へ現像剤を送り込む第2の攪拌部材と、前記攪拌部材の回転軌跡の上方にその回転軌跡が一部重なる位置関係で配置されて回転することにより前記現像容器の底部の現像剤を前記第2の攪拌部材に送り込む第1の攪拌部材とを備えた現像装置であって、前記第1の攪拌部材の回転軌跡と前記第2の攪拌部材の回転軌跡とを仕切る仕切り部材を前記第2の攪拌部材の回転軌跡の上方に配置し、前記仕切り部材の下縁は、前記第2の攪拌部材の回転軌跡における前側の鉛直方向の接線と後側の鉛直方向の接線との間に位置し、前記第1の攪拌部材は、その回転軸としての剛体棒に基端部が固定された弾性シートを有し、前記現像容器内に存在する前記現像剤の残量が多いとき程、前記第2の攪拌部材に送り込まれる前記現像剤の量が少なくなるように前記弾性シートの厚みが選択されていることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
〈実施の形態1〉
図1に、本発明に係る現像装置の一例を示す。同図は、現像装置の概略構成を示す縦断面図である。また、図5に、この現像装置を備えた、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。同図は、画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0030】
まず、図5を参照しながら、画像形成装置全体について説明し、つづいて、図1を参照しながら定着装置について詳述する。
【0031】
図5に示す画像形成装置は、プリンタエンジンとしての画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)101を備えている。
【0032】
装置本体101の内側には、像担持体としてドラム形の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)111を備えている。感光ドラム111は、前述の図15に示すように、長手方向(軸方向)の一方の端部に感光ドラムギヤ211が固定されている。感光ドラム111は、この感光ドラムギヤ211に駆動手段(不図示)から駆動力が伝達されることにより、軸を中心に図5中の矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0033】
感光ドラム111は、その表面が帯電装置としての帯電ローラ103によって帯電される。帯電ローラ103は、感光ドラム111表面に接触配置されており、感光ドラム111の矢印R1方向の回転に伴って矢印R5方向に従動回転する。帯電ローラ103には、帯電バイアス印加電源(不図示)によって、例えば交流電圧と直流電圧とが重畳された帯電バイアスが印加される。これにより、感光ドラム111表面が所定の極性、所定の電位に均一に帯電される。
【0034】
帯電後の感光ドラム111表面は、露光装置102によって静電潜像が形成される。露光装置102は、レーザスキャナ102a、ポリゴンミラー(不図示)、反射レンズ102b等を有しており、画像情報に基づいたレーザ光を感光ドラム111表面に照射して照射部分の電荷を除去し、静電潜像を形成するものである。
【0035】
こうして感光ドラム111表面に形成された静電潜像は、本発明に係る現像装置8によってトナーが付着され、トナー像として現像される。なお、現像装置8については、後に詳述する。
【0036】
感光ドラム111表面に形成されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ110によって転写材114上に転写される。転写ローラ110は、感光ドラム111表面に圧接されて転写ニップ部を構成し、感光ドラム111の矢印R1方向の回転に伴って矢印R6方向に従動回転する。この転写ニップ部によって転写材114を挟持搬送する。この転写材114は、給紙カセット117に収納され給紙ローラ116やレジストローラ(不図示)等によって感光ドラム111上のトナー像と同期をとって転写ニップ部に供給されたものである。転写材114の挟持搬送と同時に、転写ローラ110に、転写バイアス印加電源(不図示)によって感光ドラム111上のトナー像と逆極性の転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム111上のトナー像が転写材114上に転写される。
【0037】
感光ドラム111は、転写材114に対するトナー像の転写後に表面に残ったトナーがクリーニング装置112のクリーニングブレード113によって除去され、次の画像形成に供される。
【0038】
一方、トナー像転写後の転写材114は、定着装置115に搬送され、定着ローラ115a、加圧ローラ115bによる加熱、加圧を受けて、表面のトナー像が定着される。
【0039】
トナー像定着後の転写材114は、装置本体101外部に排出され、これにより、画像形成が完了する。
【0040】
つづいて、図1を中心に、本発明に係る現像装置8について詳述する。
【0041】
同図に示す現像装置8は、磁性一成分トナーを用いた現像装置であり、内部にトナーを収納する現像容器104を備えている。現像容器104は、前側の下部に開口部104aを有し、ここに現像剤担持体としての現像スリーブ105が配設されている。なお、以下の説明では、現像装置8における感光ドラム111に対向する側(図1中の左側)を前側、また、感光ドラム111から遠い側を後ろ側(図1中の右側)というものとする。
【0042】
現像スリーブ105は、アルミニウムやステンレススチールのパイプによって形成された非磁性スリーブであり、現像容器104によって矢印R2方向に回転自在に支持されている。現像スリーブ105は、その長手方向(軸方向)の両端部に、図15で説明したように、コロ209が固定されており、これらコロ209を感光ドラム111に当接させることにより、感光ドラム111表面との間に所定のギャップ(間隙)を確保するようにしている。現像スリーブ105の一方の端部には、現像スリーブギヤ212が固定されており、この現像スリーブギヤ212に、前述の感光ドラムギヤ211から駆動力が伝達され、これにより、現像スリーブ105は、矢印R2方向に回転駆動される。現像スリーブ105の表面は、所望量のトナーを担持し搬送することができるように、適切な表面粗さに加工されている。また、現像スリーブ105の内側には、マグネット106が配設されている。
【0043】
マグネット106は、円筒状に形成されており、その周方向にN極とS極とが交互に複数個形成されている。マグネット106は、現像スリーブ105が矢印R2方向に回転するのとは異なり、現像スリーブ105の内側に固定的に配置されている。
【0044】
上述の現像スリーブ105表面には、現像剤規制部材としての弾性ブレード107が当接されている。弾性ブレード107aは、例えばウレタンゴムやシリコーンゴム等によって板状に形成されたものであり、その基端部が支持板金107bに固定されるとともに、その先端部を現像スリーブ105表面に所定の圧力で当接させて弾性変形している。弾性ブレード107aは、上述のマグネット106の磁力によって現像スリーブ105表面に引き付けられたトナー109の層厚を規制するものである。現像スリーブ105表面に担持されたトナーは、現像スリーブ105の矢印R2方向の回転によって搬送されることによるトナー相互の摩擦帯電、及び弾性ブレード107aによって層厚が規制される際の現像スリーブ105と弾性ブレード107a間での摺擦による摩擦帯電により、適切な電荷が付与され、さらに、感光ドラム111表面に対向する現像領域へと搬送されていく。このとき、現像スリーブ105には、図10で前述したように、交流の現像バイアス印加電源118(図と直流の現像バイアス印加電源119とによって、交流と直流とが重畳された現像バイアスが摺動接点(不図示)を介して印加される。これにより、現像スリーブ105上のトナーが、現像領域において、感光ドラム111に飛翔して静電的に静電潜像に付着され、静電潜像をトナー像として現像するものである。
【0045】
上述構成の現像装置8におけるトナー残量検知の手段としては、図10で前述したように、現像スリーブ105に対して平行に配置されたアンテナ部材108により、現像スリーブ−アンテナ間のトナー量の変化に伴うインピーダンスの変化を利用し、交流の現像バイアス印加電源118によりアンテナ部材108に誘起される電流変化を検知してトナー残量を推測するようにしている。この誘起電流検知手段は、符号120〜123の各部材によって構成されている。120は、トナーが無い状態と同等の静電容量を持つコンデンサで、この静電容量とアンテナ部材108から検出された静電容量とを、それぞれダイオード121、122を介した後、コンパレータ123で比較することでトナー有無を判断する。
【0046】
トナー残量検知を行う場合、現像容器104内部の長手方向に配置されたアンテナ部材108は、トナーの動きを妨げる作用をもたらすことがある。特にアンテナ部材108の下部は、現像容器104下部とアンテナ部材108との間にトナーの壁が形成されやすいため、第2の攪拌部材130を設け、トナーをほぐしながら、現像スリーブ105へのトナー供給をスムーズにするようにしている。
【0047】
第2の攪拌部材130としては、前述したように、図11に示すような、クランク形の棒部材が用いられ、その両端部を回転中心とし、図1中の矢印R3方向に回転させる。また、第1の攪拌部材7が現像容器104内のトナーをほぐし、かつ、第2の攪拌部材130にトナーを受け渡すべく、配置されている。第1の攪拌部材7は、図2に示すように、現像スリーブ105の回転中心と平行な回転中心を有する剛体棒7aと、この剛体棒7aに基端部Aが固定され、先端部Bが自由端となった弾性シート(現像剤搬送部材)7bとによって構成されている。第2の攪拌部材130及び第1の攪拌部材7を回転させるための駆動力は、例えば、上述の現像スリーブギヤ212(図15参照)からギヤ列で適当な回転速度に落とすことで利用するのが一般的である。
【0048】
次に、本実施の形態における現像装置8の構成部材の一例を、具体的な数値をあげながら詳述する。
【0049】
現像スリーブ105は、直径16mmの非磁性アルミスリーブである。現像スリーブ105の表面は、トナーの搬送及びトリボ付与を行うために導電性粒子を含有する樹脂層でコートされており、表面粗さがJIS規格のRaで、通常、平均0.4〜3.5μmとなるように形成されている。本実施の形態では平均Ra0.95μmのものを用いた。
【0050】
マグネット106としては、その周方向にN極とS極とが交互に配置された4極のマグネットロールが使用され、現像スリーブ105の内部に固定的に配置されている。
【0051】
弾性ブレード107aとしては、JIS硬度40゜程度のシリコーンゴムを現像スリーブ105表面に対して当接力が20〜40gf/cm(現像スリーブ105の長手方向についての1cm当たりの当接荷重)となるように当接されている。
【0052】
トナーは負帯電性の磁性一成分トナーが用いられる。成分としては、結着樹脂としてスチレンn−ブチルアクリレート共重合体100重量部に、磁性体粒子80重量部、モノアゾ系鉄錯体の負荷電制御剤2部、ワックスとして低分子量ポリプロピレン3部を140℃に加熱された2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級して、重量平均径5.0μmの分級粉を得る。平均粒径5.0μmの分級品に疎水性シリカ微粉体1.0重量部をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤を得る。そして、重量平均粒径が3.5〜7.0μmの範囲(主に6μm程度)のものが用いられる。このようなトナーを、上述構成の現像装置8に使用した場合、現像スリーブ105上のトナーのコート量は、0.5〜2.0mg/cm2 程度になる。
【0053】
ここで、重量平均粒径について説明する。
【0054】
測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールタ−社製)を用い、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。測定方法としては、上述の電解液水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜0.5ml加え、さらに、測定試料を2〜20ml加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で分散処理を行い、上述のコールターカウンターにより、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、個数を基準として粒度分布を測定する。これにより、重量平均粒径が求められる。
【0055】
また、現像容器104は、現像スリーブ105の回転中心105aに対し、鉛直方向斜め上方に位置している。このため、現像容器104中のトナーの重心G(初期のトナー満載時の重心)が現像スリーブ105に対し鉛直方向斜め上方に位置し、重力を有効に利用してトナーを現像スリーブ105近傍に搬送しやすく、また、攪拌部材7のトルクも小さくすることができる。したがって、本実施の形態で用いるような簡略な構成でも充分に搬送可能となる。現像容器104中のトナーの重心Gの現像スリーブ105回転中心105aに対する角度αは水平を基準として5〜70度ほどであれば、トナーを現像スリーブ105近傍に搬送することは可能であるが、本実施の形態においては、初期のトナー満載時の重心Gが図1で示す位置に存在し、現像スリーブ105の回転中心105aに対し、斜め40゜上方に位置するようにしている。
【0056】
現像容器104内の上部からは、仕切り部材1が設けられており、また、現像容器104の後部に、前述の第1の攪拌部材7が設けられている。
【0057】
上述の現像スリーブ105に印加される現像バイアスは、例えば感光ドラム111と現像スリーブ105との間のギャップが300μm程度であった場合、直流電圧:−550Vと、交流電圧:矩形波VPP=1600V、周波数2200Hzとを印加する。
【0058】
なお、感光ドラム111表面は、帯電ローラ103によって、暗部電位VD =−600Vに帯電され、その後のレーザ露光により露光部の電位、つまり明部電位VL が−150Vとなるようにした。これにより感光ドラム111表面のうちの明部電位VL の部分に、上述の負帯性のトナーを付着させる、いわゆる反転現像を行った。
【0059】
次に、本実施の形態の特徴である初期濃度薄防止手段について詳述する。
【0060】
本実施の形態では、現像容器104の内部の現像スリーブ105側に、現像容器104の上部から斜め下方に向けて仕切り部材1を設け、かつ、初期でトナー量が多いときにはトナーの搬送能力を弱める第1の攪拌部材7との相乗効果により、トナーの現像スリーブ105近傍への大量の流れ込みを防止しているのが大きな特徴である。
【0061】
以下に、仕切り部材1と第1の攪拌部材7の作用効果について詳細に述べる。
【0062】
『仕切り板1の作用効果』
初期濃度薄は、前述したように、図14に示す矢印5や矢印4のトナーの流れ込みが原因であるが、特にアンテナ部材108と撹枠部材130上部からのトナー落下による矢印5の寄与率が高い。そのため、このトナー落下を防ぐべく、図4に示すように、現像容器104内上部に仕切り部材1を設け、この仕切り部材1の先端1aを、アンテナ部材108の現像スリーブ105側に接する鉛直方向に引かれた接線C1と、撹拌部材130の回転軌跡の現像スリーブ遠側に接する鉛直方向に引かれた接線C2との間に挟まれた領域X内に位置させるようにすることがより有効な手段となる。
【0063】
以下に、仕切り部材1の最適構成を設計する上での一例である、仕切り部材1を設けた現像装置での検討結果を述べる。
【0064】
この仕切り部材1の高さを変化させ、すなわち、図4に示すように仕切り部材1の先端1aを位置(ア)、(イ)、(ウ)、(工)と変化させ、各位置での現像装置8の初期濃度等の現像特性を、レファレンスとして仕切り部材のない従来例であげた現像装置208と比較した。
【0065】
実験においては、仕切り部材1の高さによる初期濃度薄への効果と、仕切り部材1を設けたことにより予想される弊害である現像スリーブ105ヘのトナー供給追従不足から生ずるフェーディングの発生に着目した。
【0066】
詳細な実験内容は以下のとおりである。
【0067】
[実験1]
(実験条件)
実験環境:温度23℃、湿度60%
画像形成装置のプロセススピード:80mm/sec
アンテナ部材108の直径:2.0mm
アンテナ部材108下部〜撹拌部材130の回転中心間距離:6.0mm
撹拌部材130の回転軌跡円直径:6.5mm
撹拌部材130の回転速度:35rpm
撹拌部材7の構成:弾性シート7bとして100μm厚みのPETを使用し、
回転軌跡円直径を35.0mmとした
撹拌部材7の回転速度:10rpm
仕切り部材1の先端1aの位置(ア)
:X領域外であつて、接線C2より現像スリーブ遠側
仕切り部材1の先端1aの位置(イ)
:X領域内であって、接線C2近傍
仕切り部材1の先端1aの位置(ウ)
:X領域内であって、接線C1近傍
仕切り部材1の先端1aの位置(工)
:X領域外であって、接線C1より現像スリーブ近側
(実験方法)
1.仕切り部材1の高さを変化させた各位置での現像装置において、まず、ベタ白画像を10枚出す(出力する)。目的は、現像スリーブ105近傍の微粉量を増やし、濃度薄を顕著にするためである。
2.ベタ黒を1枚出し、画像濃度を測定する。目的は、初期濃度薄に対する効果確認のためである。濃度測定は、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いた。
3.再度、ベタ白画像を10枚出した後、現像スリーブ105上のトナーサンプルを採取し、その中の微粉量を測定する。目的は、濃度薄の直接的原因となっている微粉量の量で、効果の判断を行うためである。トナーの粒径測定は、コールタールマルチライザー(コールタール社製)を用い、3.2μm以下の粒径のものを微粉と判断し、その割合を計算する。なお、本実験で用いたトナーでは、製造時の段階での3.2μm以下の微粉量の含有率は約13%であった。
4.その後、ベタ黒を30枚出し、フェーディング発生の有無、及びその程度をサンプルを見て判断する。
【0068】
図18に、上述の実験における結果をまとめた。
【0069】
同図から、仕切り部材1の先端1aの各位置と濃度との関係は、(ア)、(イ)はともに大きな効果があり、その効果もほぼ同等であった。現像スリーブ105上の微粉量も(ア)、(イ)では製造時の含有率の約13%に近い値になっている。(ウ)の位置においては、微粉量が増加した分、濃度が若干低くなったが、効果は認められる領域である。(エ)の位置においては、濃度、微粉量ともにレファレンスに近くなるが、撹拌部材7の作用により、レファレンス(仕切り部材の無い状態)よりはレベルが良い。
【0070】
仕切り部材1の先端1aの各位置とフェーディングとの関係は、(ア)の位置で発生しており、(イ)、(ウ)、(エ)の位置においての発生はなかった。
【0071】
次に、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)の各位置でのトナー循環を観察した。
【0072】
(ア)の位置でのトナー循環は、図6(a)に示すように、仕切り部材1から現像スリーブ105側の空間310でトナーが矢印301→302→303へと大きな循環があり、また、若干ではあるが、空間310から空間311へと流れていく矢印305の循環もあった。また、(ア)の位置の仕切り部材1の先端位置が、接線C2から現像容器後方側にあるため、図14(b)に示す、矢印5のようなアンテナ部材108と撹拌部材130との間へのトナーの流れ込みを防止していた。このため、現像スリーブ105上での微粉量増加を防止していることがわかった。しかしながら、仕切り部材1から撹拌部材7側の空間311から空間310への開口面積が小さいため、ベタ黒連続印字の際のトナー供給が間に合わなくなり、フェーディングを発生させたものとわかった。
【0073】
(イ)の位置でのトナー循環を、図6(b)に示す。(イ)の位置の仕切り部材1の先端位置は、領域Xを十分に覆っているため、図14(b)での、矢印5のようなアンテナ部材108と撹拌部材130との間へのトナーの流れ込みを大きく抑制している。また、空間310において、トナーが矢印301→302へと循環し、その後、撹拌部材130側へ流れていく矢印303の流れと、空間311へと流れていく矢印305の流れもあり、これらの流れも上部からのトナー落下を抑制する作用があることもわかった。このため、(ア)の位置同様(イ)の位置においても、このことで必要以上の、空間311からのトナー供給がされないため、現像スリーブ105上での微粉量増加を防止していることがわかった。さらには、仕切り部材1の先端位置が接線C2より現像スリーブ105側に存在するため、空間311から空間310への矢印304のトナー供給は充分行われており、ベタ黒連続印宇においても充分、現像スリーブ105上にトナー供給できていることがわかった。
【0074】
(ウ)の位置でのトナー循環を、図6(c)に示す。この位置では(イ)位置のときよりも、上部からのトナーが落下しやすい状況がある。さらに、アンテナ部材108と仕切り部材1との間隔が広まったことにより、矢印303のトナーの流れ、又は空間310から空間311へと循環していく矢印305の流れが(イ)位置よりも分散して弱くなることでトナー流れ込み抑制効果が弱くなり、空間311からのトナー供給がやや多くなってしまい、現像スリーブ105上での微粉量が(イ)位置よりも若干増加したものとわかった。
【0075】
(エ)の位置でのトナー循環を、図6(d)に示す。この位置では(ウ)位置よりもさらにトナーが落下しやすいことと、トナー流れ込み抑制効果のある矢印305及び矢印303の流れがさらに弱まったため、アンテナ部材108と撹拌部材130との間への矢印5のトナーの流れ込みが増加していた。このため、空間311からのトナー供給が多くなってしまい、現像スリーブ105上での微粉量も増加してしまったものとわかった。
【0076】
しかしながら、(エ)位置では、空間311から空間310への矢印304のトナー供給は充分、行われており、ベタ黒連続印字においても充分、現像スリーブ105上にトナー供給できていることがわかった。
【0077】
以上の検討結果から、仕切り部材1を現像容器104上部から設け、しかも、仕切り部材1の先端1aの位置を接線C1と接線C2とに挟まれた領域Xに存在させることにより、アンテナ部材108と撹拌部材130との間への大量のトナーの流れ込みを抑制して、現像スリーブ105上の微粉量増加を防ぐことができるので、初期濃度薄に対し効果を有し、かつ、現像スリーブ105ヘのトナー供給も問題ない現像装置1を得ることが可能となる。
【0078】
以上のような例のとおり、仕切り部材1の最適位置を求めることができる。
【0079】
つづいて、攪拌部材7の作用効果について詳述する。
【0080】
『撹拌部材7の作用効果』
図2は、撹拌部材7の詳細図である。同図において、剛体からなる剛体棒(撹拌支持部材)7aに、弾性シート7bの基端部Aが固定されており、剛体棒7aの軸に設けられた回転軸を中心に回転する構成を有している。
【0081】
図3(a)と図3(b)とは、撹拌部材7の作用を説明した図である。図3(a)は、初期の状態で、トナー(現像剤)109が大量に現像容器104内に入っているため、現像容器104内のトナーからの負荷により、弾性シート7bが回転方向に対して後方に湾曲し、現像スリーブ105側へのトナーの供給が抑えられているようすを示す。これに対し、図3(b)は、トナー109が少なくなったときの状態で、トナーによる負荷が軽減されたため、弾性シート7bがほぼ元の状態に戻り、現像容器104底部のトナーを搬送することが可能となるようすを示す。
【0082】
本発明においては、上述の作用を実現できる弾性力が得られるように、上述の弾性シート7bの厚みを適宜な値に設定するようにした。
【0083】
本発明における、弾性シート7bの厚みの最適値の求め方の一例を以下に示す。
【0084】
実験においては、弾性シート7bの厚みを変えたときの初期濃度薄の効果(実験2)と、厚みを薄くしたことで予想される弊害である、使用末期のトナー白抜け時の現像容器104内のトナー残量の増加(実験3)について調べた。
【0085】
詳細な実験内容は以下のとおりである。
【0086】
[実験2]
(実験条件)
以下に示す以外は、先に述べた実験1と同じ。
【0087】
仕切り部材1の先端1aの位置:(イ)と(ウ)のほぼ中間位置。
【0088】
[実験3]
(実験条件)
以下に示す以外は、先に述べた実験1と同じ。
【0089】
環境:温度32.5℃、湿度80%
(実験方法)
1.以下に記す攪拌部材7を組み込んだ現像装置8において、印字率4%程度の画像を出してトナーを消費させる。
2.現像スリーブ105上にトナーがコートしなくなり、画像に不良「抜け」が発生した時点でそのときの現像容器104内のトナー残量を測定する。
【0090】
以上の実験を幾つかの比較例も交えて行った。
【0091】
実施例a:仕切り部材1+攪拌部材7
(弾性シート7bが厚み100μmのPET)
比較例a:仕切り部材1+攪拌部材7
(弾性シート7bが厚み50μmのPET)
比較例b:仕切り部材1+攪拌部材7
(弾性シート7bが厚み150μmのPET)
比較例c:仕切り部材1+攪拌部材140(図12、図17参照)
図19に、上述の実験における結果をまとめた。
【0092】
以上の結果より、PETの厚みが薄くなるほど濃度アップ効果は高いが、反面トナー残量が増加するという弊害が出る。本実験結果においては、トータルの性能の面から、100μmの厚みが最も適切であった。
【0093】
なお、弾性シート7bの曲がり方を観察すると、最大回転直径35mmに対して、トナーによる負荷で最も曲がったときの撹拌部材回転軌跡直径が、50μm時が20mm前後(約57%)、100μmが28mm前後(約80%)、150μmが31mm前後(約88%)であった。弾性が弱いものほど曲がり量が多いため、搬送力が低下しているものと思われる。
【0094】
また、比較例cも濃度が出て、かつトナー残量が増加する弊害もない系であるが、初期の濃度アップ効果は、本発明の方が高い。それは、本発明の撹拌部材7の方が、クランク型の撹拌部材140よりも、初期のトナー搬送能力が低いため、現像スリーブ105側へのトナー流入をより効果的に防止するためである。
【0095】
上述の、本発明で使用した攪拌部材7によると、初期でトナー量が多いときにはトナー搬送能力を弱めることができる一方、使用時後半のトナー搬送能力が求められるときには、十分なトナー搬送能力を得ることができる。
【0096】
なお、本実施の形態では仕切り部材1の最適構成や、弾性シート7bの最適弾性を求める上での一例を示したのであって、他の現像系においては、本実施の形態に限定されることなく、その系に適した仕切り部材を設けることで対応してもよいのはもちろんである。
【0097】
上述において、攪拌部材7の弾性シート7bは、材質としてPETを使用した例を示したが、これに限定されるものではなく、同様の弾性特性をもつように厚みを選定した他の材料を用いてもほぼ同様な効果を得ることができる。
【0098】
〈実施の形態2〉
本実施の形態の特徴は、上述の実施の形態1で説明した現像装置を、感光ドラム、クリーニング装置、帯電ローラ(帯電装置)とともに一体型のカートリッジ容器内に設けてプロセスカートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱自在に装着することにある。
【0099】
図7は、プロセスカートリッジPCの一例を示す縦断面図であり、また、図8は、このプロセスカートリッジPCを画像形成装置の装置本体101に装着したようすを示す縦断面図である。いずれも上述の実施の形態1で述べたものと同じ構成のものには同符号を付してその重複説明は省略する。
【0100】
本実施の形態では、現像装置8と感光ドラム111とクリーニング装置112と帯電ローラ(帯電装置)103とを、一体型のカートリッジ容器6によって統合してプロセスカートリッジPCを構成している。このプロセスカートリッジPCの場合は、現像装置8がトナー109を使い切ったときに、他の感光ドラム111や帯電ローラ103やクリーニング装置112もほぼ同時に寿命を迎えるよう設計されている。したがって、ユーザはプロセスカートリッジPC内のトナーがある間は常に安定した画像を得ることができ、しかも一体型であるために、その交換も容易に行うことができるという利点がある。
【0101】
そして、プロセスカートリッジPC内の現像装置8に、前述の実施の形態1で説明した仕切り部材1及び攪拌部材7を設けることで、プロセスカートリッジPC本来の利点に加えて、初期から安定した濃度が得られるという利点が加わるのである。
【0102】
なお、上述では、プロセスカートリッジPCの一例として、カートリッジ容器6に対して、感光ドラム111、帯電ローラ103、現像装置8、クリーニング装置112の各プロセス機器を備えたものについて説明したが、本発明に係るプロセスカートリッジとしては、これに限定されるものではなく、少なくとも像担持体としての感光ドラム111と現像装置8とを備えていれば充分である。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、フェーディングを抑制しつつ初期濃度低下も抑制することができ、かつ、適正量のトナーを現像領域側に供給できる能力も有するため、耐久に対して安定した画像濃度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の現像装置の縦断面図。
【図2】実施の形態1で使用する攪拌部材の構成を示すほぼ正面図。
【図3】(a)は現像容器内のトナーが多い場合の攪拌部材の動作を示す図。
(b)は現像容器内のトナーが少ない場合の攪拌部材の動作を示す図。
【図4】実施の形態1の現像装置における仕切り部材の先端の位置を説明する図。
【図5】実施の形態1の画像形成装置の縦断面図。
【図6】(a)は実施の形態1において、仕切り部材の先端の位置が図4中の(ア)である場合のトナーの流れを説明する図。
(b)は実施の形態1において、仕切り部材の先端の位置が図4中の(イ)である場合のトナーの流れを説明する図。
(c)は実施の形態1において、仕切り部材の先端の位置が図4中の(ウ)である場合のトナーの流れを説明する図。
(d)は実施の形態1において、仕切り部材の先端の位置が図4中の(エ)である場合のトナーの流れを説明する図。
【図7】実施の形態2のプロセスカートリッジの縦断面図。
【図8】プロセスカートリッジを装着した状態の画像形成装置の縦断面図。
【図9】従来の画像形成装置の縦断面図。
【図10】従来の現像装置の縦断面図。
【図11】第2の攪拌部材の長手方向の形状を示す図。
【図12】従来の第1の攪拌部材の長手方向の形状を示す図。
【図13】トナーの平均粒径の違いによる、枚数と濃度との関係を示す図。
【図14】(a)は、従来の現像装置内のトナーの流れを示す図。
(b)は、従来の現像装置内のトナーの流れを示す図。
【図15】感光ドラムと現像スリーブとの関係を示す図。
【図16】トナーの微粉量とベタ黒濃度との関係を示す図。
【図17】比較例としての現像装置の縦断面図。
【図18】仕切り部材の先端の高さの違いによる、べた濃度、微粉量、フェーディングの違いを説明する図。
【図19】攪拌部材を代えたときの、初期濃度、微粉量、フェーディング、白抜け時トナー残量の違いを説明する図。
【符号の説明】
1 仕切り部材
1a 仕切り部材の先端
6 カートリッジ容器
7 第1の攪拌部材
7a 剛体棒
7b 現像剤搬送部材(弾性シート)
8 現像装置
109 現像剤(トナー)
104 現像容器
104a 開口部
105 現像剤担持体(現像スリーブ)
106 磁界発生部材(マグネット)
107a 現像剤規制部材(弾性ブレード)
108 現像剤残量検知部材(アンテナ部材)
111 像担持体(感光ドラム)
130 第2の攪拌部材
A 弾性シートの基端部
B 弾性シートの先端部
C1 第1の接線
C2 第2の接線
PC プロセスカートリッジ
Claims (5)
- 画像形成装置の装置本体内に設けられる現像装置であって、
現像剤を収納するとともに、前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態でその前側の下部に開口部を有する現像容器と、
前記現像剤を担持する、前記開口部に回転自在に配置された現像剤担持体と、
前記現像容器内に収納された前記現像剤の残量を検知する、前記現像容器内で前記現像剤担持体の長手方向に平行に配置された現像剤残量検知部材と、
前記現像容器内に収納された前記現像剤を攪拌する、前記現像容器内に配置された第1の攪拌部材および第2の攪拌部材と、を備えた現像装置において、
前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で、前記現像剤残量検知部材を前記現像剤担持体の後方における斜め上方に配置し、
前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で、前記第1の攪拌部材を前記現像剤残量検知部材の後方における斜め上方に回転自在に配置し、
前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で、前記第2の攪拌部材を前記現像剤残量検知部材の斜め下方、かつ、前記第1の攪拌部材の前方における斜め下方に回転自在に配置し、
前記現像装置が前記装置本体内に設けられた状態で、前記現像容器の上部内側から前記現像剤残量検知部材と前記第1の攪拌部材との間に向けて仕切り部材を突設し、
前記現像剤残量検知部材における前側の鉛直方向の接線を第1の接線として、前記第2の攪拌部材の回転軌跡における後側の鉛直方向の接線を第2の接線としたときに、前記仕切り部材の先端を、前記第1の接線と前記第2の接線との間に配置することにより、前記現像剤が自重によって前記現像剤残量検知部材と前記第2の攪拌部材との間の領域を通過して前記現像剤担持体の設けられた方向へ移動するのを抑制するように構成し、
前記現像容器内に存在する前記現像剤の残量が多いとき程、前記領域に搬送される前記現像剤の量が少なくなるように、前記第1の攪拌部材が、前記現像剤担持体の回転軸と平行な回転軸を有する剛体棒と、前記剛体棒に基端部が固定され先端部が自由端である弾性シートと、を有することを特徴とする現像装置。 - 画像形成装置の装置本体に対して着脱自在なカートリッジ容器に、少なくとも像担持体と現像装置とを組み込んで構成したプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置が、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって現像する請求項1に記載の現像装置である、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像装置と、を備えた画像形成装置において、
前記現像装置が、請求項1に記載の現像装置である、ことを特徴とする画像形成装置。 - 転写材に画像形成する装置本体と、該装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとを備えた画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジが、請求項2に記載のプロセスカートリッジである、ことを特徴とする画像形成装置。 - 現像容器の前側の下部の開口部に配置され、現像剤を表面に保持して現像を行う円筒状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体と平行に配置されて回転することにより前記現像剤担持体へ現像剤を送り込む第2の攪拌部材と、
前記攪拌部材の回転軌跡の上方にその回転軌跡が一部重なる位置関係で配置されて、回転することにより前記現像容器の底部の現像剤を前記第2の攪拌部材に送り込む第1の攪拌部材と、を備えた現像装置であって、
前記第1の攪拌部材の回転軌跡と前記第2の攪拌部材の回転軌跡とを仕切る仕切り部材を、前記第2の攪拌部材の回転軌跡の上方に、前記第1の攪拌部材側へ向かって低く傾斜させて配置し、
前記仕切り部材の下縁は、前記第2の攪拌部材の回転軌跡における前側の鉛直方向の接線と後側の鉛直方向の接線との間に位置し、
前記第1の攪拌部材は、その回転軸としての剛体棒に基端部が固定された弾性シートを有し、前記現像容器内に存在する前記現像剤の残量が多いとき程、前記第2の攪拌部材に送り込まれる前記現像剤の量が少なくなるように前記弾性シートの厚みが選択されていることを特徴とする現像装置。
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