JP3806507B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空調・冷凍機器などに搭載されるスクロール型圧縮機に関するものであり、更に詳しくは、固定スクロールと揺動スクロールとを噛み合わせて形成される複数の圧縮室にて圧縮させた圧縮ガスを密閉容器内へ吐出した後、密閉容器外へ吐出するようにしたスクロール型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より空気調和機などの冷凍サイクルに使用される横置き型のスクロール型圧縮機は、例えば特公平7−99150号公報に示されている。係る従来のスクロール型圧縮機を図4で説明すると、両端が閉鎖された筒状の密閉容器1の内側には電動要素2とスクロール圧縮要素3とが内蔵されている。電動要素2は密閉容器1の内壁面側に固定されたステータ4と、このステータ4の内側に回転自在に支持されたロータ5とから成り、このロータ5には回転軸6が貫通状態に結合されている。
【0003】
この回転軸6の一端は上記スクロール圧縮要素3の一部を構成する支持フレーム7の軸受部に回転自在に支持されている。そして、回転軸6の他端側はロータ5から突出しており、この先端部にはトロコイドポンプなどの容積型ポンプ8が接続されている。そして、上記容積型ポンプ8の端部には油導入管9が接続されている。この油導入管9の吸込側の端部は上記密閉容器1内に収容された潤滑油bに没するように下方に延長されている。
【0004】
また、上記回転軸6には容積型ポンプ8によって潤滑油bを供給する油通路が軸方向に穿設されており、潤滑油が支持フレーム7などの各摺動部に供給された後、再循環されるように構成されている。
【0005】
そして、上記支持フレーム7に貫通する状態に支持された回転軸6の一端部は、その中心が回転軸6の軸心と偏心して設けられたピン部(クランク部)10として形成されており、このピン部10には揺動スクロール11が連接されている。この揺動スクロール11は円盤状に形成されており、背面の中央部に上記ピン部10が接続されるボス穴部12が形成されている。この揺動スクロール11の表面には渦巻き形状のラップ13が一体に形成されている。
【0006】
また、支持フレーム7には固定スクロール14が結合されている。この固定スクロール14には上記揺動スクロール11に対面する部分に渦巻き形状のラップ15が形成されており、上記ラップ13との間に複数の圧縮室16を形成している。これらの圧縮室16の外周部で冷媒ガスを吸い込み、漸次中心に移動していくことで容積を縮小して冷媒ガスを圧縮するように構成されている。
【0007】
固定スクロール14の中央部には吐出ポート17が形成されており、この吐出ポート17の外側を包囲する状態で固定スクロール14には消音器18が設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では回転軸6の一端部に取り付けられた容積型ポンプ8によって密閉容器1内底部に収容された潤滑油bを吸い上げ、この回転軸6の一端から他端に渡って形成された油通路によって他端部から各摺動部に供給するように構成していたため、油導入管9や容積型ポンプ8が必要となり、部品点数が増加する問題があった。
【0009】
そこで、揺動スクロール11と支持フレーム7間を冷媒吸入側と同じ低圧とし、密閉容器1内の高圧との差圧を用いて各摺動部に給油を行う方法もある。係る方法によれば上記容積型ポンプ8などを廃止することが可能となる。しかしながら、係る差圧を構成するためには、支持フレームと回転軸の間を潤滑油にてガスシールするために、軸受部と回転軸間のクリアランスを狭くし、これを厳格に管理しなければ成らなくなる。
【0010】
そして、係る問題は、ボス穴部12とピン部10の間のガスシールに対しても同様に発生する。
【0011】
そこで、本発明は差圧により摺動部に給油する際のガスシールを容易としたスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のスクロール型圧縮機は、密閉容器内に設けられた電動要素と、この電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、密閉容器内に装着されてスクロール圧縮要素を支持すると共に、中央に電動要素の回転軸の一端部側を軸支するための軸受部を設けた支持フレームと、密閉容器内に収容された潤滑油とを備え、スクロール圧縮要素は中央部に圧縮ガスの吐出ポートを設けると共に一方の面に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールに対して電動要素の駆動により公転し、一方の面に渦巻き状のラップを有する揺動スクロールとから構成され、両ラップを互いに噛み合わせて複数の圧縮室を形成し、密閉容器外から吸入した冷媒ガスをこの圧縮室にて圧縮して吐出ポートから密閉容器内に吐出した後、密閉容器外に吐出するようにしたものであって、回転軸内に形成された油通路と、この油通路に潤滑油を送るための給油手段と、支持フレームの軸受部に形成された収納部と、回転軸との間に所定のクリアランスを存して収納部内に移動自在に収納され、回転軸との間をシールする環状のシール部材とを備え、密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を揺動スクロールの背面と支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によってシール部材を収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、給油手段から潤滑油を油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたものである。
【0013】
請求項1の発明によれば、シール部材は回転軸の回転により自動調芯され、荷重を受けない位置に安定するので、シール部材の寸法管理を適切に行うだけで、軸受部のガスシールを行うことが可能となると共に、回転軸と軸受部間のクリアランスの管理を厳密に行う必要がなくなり、加工コストを削減できると共に、軸受部の耐磨耗性が向上し、結果としてガスシール性も改善されるものである。
【0014】
特に、密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を揺動スクロールの背面と支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によってシール部材を収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、給油手段から潤滑油を油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたので、密閉型ポンプなどが不要となり、部品点数を削減できるものである。また、シール部材と回転軸間には所定のクリアランスが構成されるので、シール部材の耐摩耗性の低下や摺動ロスの発生も回避できる。
【0015】
請求項2の発明のスクロール型圧縮機は、密閉容器内に設けられた電動要素と、この電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、密閉容器内に装着されてスクロール圧縮要素を支持すると共に、中央に電動要素の回転軸の一端部側を軸支するための軸受部を設けた支持フレームと、密閉容器内に収容された潤滑油とを備え、スクロール圧縮要素は中央部に圧縮ガスの吐出ポートを設けると共に一方の面に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールに対して電動要素の駆動により公転し、一方の面に渦巻き状のラップを有する揺動スクロールとから構成され、両ラップを互いに噛み合わせて複数の圧縮室を形成し、密閉容器外から吸入した冷媒ガスをこの圧縮室にて圧縮して吐出ポートから密閉容器内に吐出した後、密閉容器外に吐出するようにしたものであって、回転軸内に形成された油通路と、この油通路に潤滑油を送るための給油手段と、揺動スクロールの他方の面の中央部に突設されたボス穴部と、回転軸の先端にその中心が当該回転軸の軸心と偏心して設けられ、ボス穴部に挿入されたピン部と、ボス穴部内面に形成された収納部と、回転軸との間に所定のクリアランスを存して収納部内に移動自在に収納され、回転軸のピン部との間をシールする環状のシール部材とを備え、密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を揺動スクロールの背面と支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によってシール部材を収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、給油手段から潤滑油を油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたものである。
【0016】
請求項2の発明によれば、同様にシール部材は回転軸の回転により自動調芯され、荷重を受けない位置に安定するので、シール部材の寸法管理を適切に行うだけで、ボス穴部のガスシールを行うことが可能となると共に、回転軸のピン部と揺動スクロールのボス穴部間のクリアランスの管理を厳密に行う必要がなくなり、加工コストを削減できると共に、ボス穴部の耐磨耗性が向上し、結果としてガスシール性も改善されるものである。
【0017】
特に、密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を揺動スクロールの背面と支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によってシール部材を収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、給油手段から潤滑油を油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたので、密閉型ポンプなどが不要となり、部品点数を削減できるものである。また、シール部材と回転軸間には所定のクリアランスが構成されるので、シール部材の耐摩耗性の低下や摺動ロスの発生も回避できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1に基づいて詳述する。図1は本発明に係る横置き型のスクロール型圧縮機の全体構成を示す断面図である。
【0019】
図1に示される圧縮機20はスクロール型圧縮機であり、両端が閉鎖された筒状の密閉容器21を備えている。この密閉容器21内には電動要素22と、この電動要素22によって駆動されるスクロール圧縮要素23とが収容されている。
【0020】
上記電動要素22は上記密閉容器21の内部に固定されたステータ24と、このステータ24の中央部に位置されたロータ25とを有し、このロータ25の中心部には上記密閉容器21の軸心方向に向けられた回転軸26が貫通状態に結合され、その一端側は上記スクロール圧縮要素23を支持する支持フレーム27の中央部に貫通され、回転自在に支持されている。上記支持フレーム27は上記密閉容器21の内壁面に結合固定されている。
【0021】
また、上記支持フレーム27を貫通した回転軸26の端部にはその中心が回転軸26の軸心と偏心して設けたピン部(クランク部)29が形成されている。このピン部29には揺動スクロール30が連接されている。この揺動スクロール30は、円盤状の鏡板の背面中央部に上記ピン部29を挿入して連接するボス穴部31と、上記鏡板の表面に形成された渦巻き状のラップ32とを備えている。
【0022】
また、上記支持フレーム27には固定スクロール33が結合されている。この固定スクロール33は上記揺動スクロール30のラップ32に互い違い状態に位置して複数の圧縮室34を形成する渦巻き状のラップ35が形成されている。
【0023】
そして、上記固定スクロール33の側壁面には上記密閉容器21に貫通された冷媒ガスの吸入管36が接続されている。また、上記固定スクロール33の中央部には、圧縮された冷媒ガスを密閉容器21内に吐出する吐出ポート37が設けられている。
【0024】
この場合、吸入管36から吸入される冷媒ガスのスクロール圧縮要素23の吸入側と、上記揺動スクロール30の背面(上記鏡板のボス穴部31のある側の面)と上記支持フレーム27との間は上記揺動スクロール30の鏡板の周縁部において連通させてあるので、この間の圧力は上記冷媒ガス吸入側と略同じに低く、前記密閉容器21内の圧力より低い中間圧となる。
【0025】
ここで、支持フレーム27の軸受部28の揺動スクロール30側の縁部は、図2に示す如く回転軸26から離間する方向に拡張されており、この拡張部分の揺動スクロール30側には環状のスラストプレート52が支持フレーム27に固定され、これら支持フレーム27とスラストプレート52によって軸受部28には外側に拡開された収納部53が形成されている。
【0026】
そして、この収納部53内には環状のシール部材54が移動自在に収納され、回転軸26の周囲に位置している。尚、前記ブッシュ51と回転軸26間のクリアランスは20μm〜40μm程度に設定されているが、シール部材54と回転軸26間のクリアランスは10μm〜20μmに設定されている。
【0027】
また、この実施例ではピン部29とボス穴部31間のクリアランスも10μm〜20μmに設定されているものとする。
【0028】
他方、回転軸26の他の端部には差圧式給油部38が設けられている。この給油部38は、密閉容器21内に装着されて回転軸26を軸支すると共に、油導入管39を装着した副軸受部40を備えた副支持フレーム41を備えている。この副支持フレーム41と回転軸26の間には、ベアリング42が介在されており、このベアリング42の受け部43が前記副軸受部40に設けられている。
【0029】
ここで、上記密閉容器21には所定のレベルまで潤滑油bが収容されており、この潤滑油bは前述した差圧によって前記給油部38から吸い上げられて回転軸26の中に設けた油通路44を経て前記軸受部28を含む各摺動部に送られ、循環して使用されるように構成されている。
【0030】
回転軸26は軸受部28により軸支されている部分の中途に前記油通路44から前記軸受部28の摺動面に通じる小孔45が設けられている。この小孔45の出口から始まり前記揺動スクロール30側に向かって回転軸26の表面にこの小孔45と連絡する溝46が、回転軸26が軸受部28により軸支されている部分の外まで、設けられている。
【0031】
そして、回転軸26の一端面から出た潤滑油は、ボス穴部31とピン部29の摺動面をガスシールし、前記小孔45を通過した潤滑油は前記溝46を流れて摺動面を循環する。また、シール部材54は密閉容器1内の圧力(高圧)と揺動スクロール30及び支持フレーム27間の圧力(中間圧)との差圧によってスラストプレート52に押し付けられるので、このシール部材54よりスクロール圧縮要素23側も潤滑油によりガスシールされる。
【0032】
上記のように構成した横置き型スクロール型圧縮機20が運転を開始すると、冷媒ガスは吸入管36からスクロール圧縮要素23の外周部に吸入されて、漸次中心に移動していくことで圧縮され、固定スクロール33の中央部に設けた吐出ポート37から密閉容器21内に吐出され、この空間で同伴した潤滑油が分離され、脈動が低減される。
【0033】
吐出されたガスは固定スクロール33と支持フレーム27に設けた図示しない通路を流れて、電動要素22側に行き、ロータ25の回転による遠心力とステータ24や副支持フレーム41などの邪魔板効果などで冷媒ガス中の潤滑油がさらに分離される。そして、潤滑油が分離された冷媒ガスは吐出管47から密閉容器21外に吐出される。分離された潤滑油は密閉容器21の底部に溜まり、循環して使用される。
【0034】
また、シール部材54は、回転軸26の回転により自動調芯され、荷重を受けない位置に安定する。
【0035】
冷媒ガス吸入側と、揺動スクロール30の背面と支持フレーム27の間を連通させてあるので、この間の圧力は中間圧となり、密閉容器21内の圧力より低くなっている。この差圧により、潤滑油bは前記給油部38の油導入管39から吸い上げられて、回転軸26の中に設けた油通路44を経て高圧下で供給される。
【0036】
供給された高圧の潤滑油の一部は前記小孔45を通過し、圧縮要素23の方向に向かって溝46を流れて摺動面を潤滑する。
【0037】
このとき、回転軸26とシール部材54のクリアランスは前述の如く非常に小さいので、このシール部材54と回転軸26及びスラストプレート52間は良くガスシールされる。
【0038】
一方、回転軸26の一端部から出た高圧の潤滑油はボス穴部31とピン部29の摺動面を良くガスシールする。これらの潤滑油は揺動スクロール30と支持フレーム27の間を流れ、オルダムリング48溝部の潤滑を行った後、揺動スクロール30の鏡板の周縁部を経てスクロール圧縮要素23内の冷媒ガス吸入側に供給されて摺動面の潤滑を行い、その後圧縮ガスと共に吐出ポート37から密閉容器21内へ吐出され、圧縮ガスと分離されて密閉容器21の底部に流れる。
【0039】
尚、オルダムリング48は、支持フレーム27と揺動スクロール30との間に介装されており、電動要素22の駆動により固定スクロール33に対して揺動スクロール30が自転しないように円軌道上を公転させるように構成されている。
【0040】
前記給油部38の副支持フレーム41と回転軸26の間にはベアリング42が介在させてあり、このベアリング42の受け部43を前記副軸受部40に設けたので、回転軸26の回転が安定し、スムーズになって圧縮効率が向上すると共に、振動や騒音が少なくなる効果がある。
【0041】
回転軸26と前記副軸受部40の摺動部の間隙49を調整することにより、冷媒ガスが潤滑油中に入らないようにすることができる。間隙40をあまり大きくするとガスが潤滑油中に入る恐れがあり、逆に間隙49をあまり小さくすると回転軸26への抵抗が大きくなる恐れがあるので、間隙49を適切に調整することが必要である。
【0042】
ここで、図3はもう一つの発明のスクロール型圧縮機20の構成を示している。この場合、揺動スクロール30のボス穴部31内面の支持フレーム27側の縁部は、ピン部29から離間する方向に拡張されており、この拡張部分の支持フレーム27側には環状のスラストプレート62がボス穴部31に固定され、これらボス穴部31とスラストプレート62によって外側に拡開された収納部63が形成されている。
【0043】
また、この収納部63のピン部29の先端側には、ボス穴部31とピン部29との間に前述同様のブッシュ66が介設されている。そして、前記収納部63内には環状のシール部材64が移動自在に収納され、ピン部29の周囲に位置している。尚、前記ブッシュ66とピン部29間のクリアランスは20μm〜40μm程度に設定されているが、シール部材64とピン部29間のクリアランスは10μm〜20μmに設定されている。
【0044】
このように、ピン部29とシール部材64のクリアランスは非常に小さいので、このシール部材64とピン部29及びスラストプレート62間は、回転軸26の端面から出た潤滑油によって良くガスシールされることになる。
【0045】
尚、本発明で使用する冷媒としては、オゾン層を破壊する危険性の無い若しくは少ない冷媒、具体的には、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)単体、又は、R134aとジフルオロメタン(R−32)とペンタフルオロエタン(R−125)との混合冷媒(R407C)、R−32とR−125との混合冷媒(R410A)などのHFC系冷媒、ハイドロクロロジフルオロメタン(R22)単体、又は、混合冷媒などのHCFC系冷媒などを挙げることができる。
【0046】
また、本発明で使用する潤滑油としては、具体的には、例えば、これらの冷媒と相溶性のあるエステル系オイル、エーテル系オイル、或いは、これらの冷媒と相溶性のないアルキルベンゼン系オイル、或いは、これらの混合物などを挙げることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1の発明によれば、回転軸内に形成された油通路と、この油通路に潤滑油を送るための給油手段と、支持フレームの軸受部に形成された収納部と、この収納部内に移動自在に収納され、回転軸との間をシールする環状のシール部材とを備えるため、シール部材は回転軸の回転により自動調芯され、荷重を受けない位置に安定する。即ち、本発明によれば、シール部材の寸法管理を適切に行うだけで、軸受部のガスシールを行うことが可能となる。
【0048】
これにより、回転軸と軸受部間のクリアランスの管理を厳密に行う必要がなくなり、加工コストを削減できると共に、軸受部の耐磨耗性が向上し、結果としてガスシール性も改善されるものである。特に、密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を揺動スクロールの背面と支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によってシール部材を収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、給油手段から潤滑油を油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたので、密閉型ポンプなどが不要となり、部品点数を削減できるものである。また、シール部材と回転軸間には所定のクリアランスが構成されるので、シール部材の耐摩耗性の低下や摺動ロスの発生も回避できる。
【0049】
また、請求項2の発明によれば、回転軸内に形成された油通路と、この油通路に潤滑油を送るための給油手段と、揺動スクロールの背面の中央部に突設されたボス穴部と、回転軸の先端にその中心が当該回転軸の軸心と偏心して設けられ、ボス穴部に挿入されたピン部と、ボス穴部内面に形成された収納部と、この収納部内に移動自在に収納され、回転軸のピン部との間をシールする環状のシール部材とを備えているので、シール部材は回転軸の回転により自動調芯され、荷重を受けない位置に安定する。即ち、本発明によれば、シール部材の寸法管理を適切に行うだけで、ボス穴部のガスシールを行うことが可能となる。
【0050】
これにより、回転軸のピン部と揺動スクロールのボス穴部間のクリアランスの管理を厳密に行う必要がなくなり、加工コストを削減できると共に、ボス穴部の耐磨耗性が向上し、結果としてガスシール性も改善されるものである。特に、密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を揺動スクロールの背面と支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によってシール部材を収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、給油手段から潤滑油を油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたので、密閉型ポンプなどが不要となり、部品点数を削減できるものである。また、シール部材と回転軸間には所定のクリアランスが構成されるので、シール部材の耐摩耗性の低下や摺動ロスの発生も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスクロール型圧縮機の一実施例の全体構成を示す断面図である。
【図2】 図1のスクロール型圧縮機の軸受部の拡大断面図である。
【図3】 もう一つの本発明のスクロール型圧縮機のボス穴部の拡大断面図である。
【図4】 従来の横置き型のスクロール型圧縮機の一実施例の全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
b 潤滑油
20 スクロール型圧縮機
21 密閉容器
22 電動要素
23 スクロール圧縮要素
26 回転軸
27 支持フレーム
28 軸受部
29 ピン部
30 揺動スクロール
31 ボス穴部
32、35 ラップ
33 固定スクロール
34 圧縮室
36 吸入管
37 吐出ポート
44 油通路
47 吐出管
51、66 ブッシュ
52、62 スラストプレート
53、63 収納部
54、64 シール部材
Claims (2)
- 密閉容器内に設けられた電動要素と、この電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、前記密閉容器内に装着されて前記スクロール圧縮要素を支持すると共に、中央に前記電動要素の回転軸の一端部側を軸支するための軸受部を設けた支持フレームと、前記密閉容器内に収容された潤滑油とを備え、前記スクロール圧縮要素は中央部に圧縮ガスの吐出ポートを設けると共に一方の面に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールに対して前記電動要素の駆動により公転し、一方の面に渦巻き状のラップを有する揺動スクロールとから構成され、前記両ラップを互いに噛み合わせて複数の圧縮室を形成し、前記密閉容器外から吸入した冷媒ガスをこの圧縮室にて圧縮して前記吐出ポートから前記密閉容器内に吐出した後、前記密閉容器外に吐出するようにしたスクロール型圧縮機において、
前記回転軸内に形成された油通路と、この油通路に前記潤滑油を送るための給油手段と、前記支持フレームの軸受部に形成された収納部と、前記回転軸との間に所定のクリアランスを存して前記収納部内に移動自在に収納され、前記回転軸との間をシールする環状のシール部材とを備え、前記密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を前記揺動スクロールの背面と前記支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を前記密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によって前記シール部材を前記収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、前記給油手段から潤滑油を前記油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたことを特徴とするスクロール型圧縮機。 - 密閉容器内に設けられた電動要素と、この電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、前記密閉容器内に装着されて前記スクロール圧縮要素を支持すると共に、中央に前記電動要素の回転軸の一端部側を軸支するための軸受部を設けた支持フレームと、前記密閉容器内に収容された潤滑油とを備え、前記スクロール圧縮要素は中央部に圧縮ガスの吐出ポートを設けると共に一方の面に渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールに対して前記電動要素の駆動により公転し、一方の面に渦巻き状のラップを有する揺動スクロールとから構成され、前記両ラップを互いに噛み合わせて複数の圧縮室を形成し、前記密閉容器外から吸入した冷媒ガスをこの圧縮室にて圧縮して前記吐出ポートから前記密閉容器内に吐出した後、前記密閉容器外に吐出するようにしたスクロール型圧縮機において、
前記回転軸内に形成された油通路と、この油通路に前記潤滑油を送るための給油手段と、前記揺動スクロールの他方の面の中央部に突設されたボス穴部と、前記回転軸の先端にその中心が当該回転軸の軸心と偏心して設けられ、前記ボス穴部に挿入されたピン部と、前記ボス穴部内面に形成された収納部と、前記回転軸との間に所定のクリアランスを存して前記収納部内に移動自在に収納され、前記回転軸のピン部との間をシールする環状のシール部材とを備え、前記密閉容器外から吸入した冷媒ガスの吸入側を前記揺動スクロールの背面と前記支持フレームの間に連通させてこの間の圧力を前記密閉容器内の圧力より低くし、この差圧によって前記シール部材を前記収納部内面に押し付けてガスシールすると共に、前記給油手段から潤滑油を前記油通路を経て各摺動部に送り、循環して使用するようにしたことを特徴とするスクロール型圧縮機。
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JP09105598A JP3806507B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | スクロール型圧縮機 |
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Family Applications (1)
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