JP3799429B2 - ワキ防止剤組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワキ防止剤組成物に関する。さらに詳しくは熱硬化型水性塗料に対して優れたワキ防止性を発揮し、かつVOC低減に貢献するワキ防止剤組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、水性塗料はその作業安全性および無公害化、省資源問題の観点から急速にその需要が増加している。特に、工業用塗装ラインにおける熱硬化型塗料の水性化への動きにはめざましいものがあり、近い将来自動車のベースコート、中塗り塗料もそのすべてが水性化される勢いとなっている。
【0003】
しかし熱硬化型水性塗料はその溶媒の主成分が水であり、この水の沸点が100℃とそれほど高くない割に蒸発潜熱が大きいことに起因する、加熱硬化中の発泡によってワキが発生し易いという問題があった。また水性塗料といえども揮発性成分を含む水溶性溶剤がかなりの量使用されていて、VOC問題は依然内蔵しており、これらの諸問題点を解決できるワキ防止剤の開発が望まれていた。
【0004】
従来、ワキ防止剤としては、ベンゾインの炭素数1〜4のアルキルエーテル化物、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインiso−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインiso−ブチルエーテル(特公平2−390号、特開平4ー93374)あるいは多価アルコールと高級脂肪酸のエステル化物などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれら従来のワキ防止剤を熱硬化型水性塗料に用いると、相溶性が不足するため該塗料の塗膜の平滑性や鮮映性が不十分となったり、仕上がり外観を損なうという欠点があり、また水溶性溶剤の使用量低減も困難であり、依然としてVOC問題を抱えていた。
【0006】
よって本発明の目的は熱硬化型水性塗料との相溶性が良く、ワキを防止することにより平滑性や鮮映性に優れ、塗膜の仕上がり外観を向上させることができ、かつ水溶性溶剤の使用量低減を図ることのできるワキ防止剤組成物およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。すなわち本発明は、非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させた化合物[A]と、炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを重合させた化合物[B]からなるワキ防止剤組成物(カチオン電着塗料用消泡剤組成物を含まない)および[A]をアルキルアミド類の共存下にて得る製造方法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における非還元性の二、三糖類とは、二つまたは三つの単糖がともにヘミアセタール水酸基によって結合している糖類のことで蔗糖、トレハロース、ラフィノース、ゲンチアノースなどが挙げられる。このうち特に好ましいのは蔗糖であり、微粉末化した精製ザラメ糖もしくはグラニュー糖が挙げられる。また、該糖類に付加重合させる炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)およびブチレンオキシドが挙げられる。これらのアルキレンオキシドのうち好ましいのはPO、1,2−ブチレンオキシド(以下、BOと略記)である。
【0009】
本発明において該糖類へのアルキレンオキシドの重合モル数は10〜100であり、好ましくは15〜90である。10モルより低い場合、または100モルを越える場合はワキを低減させる能力が低下する。アルキレンオキシドの付加重合の順序は特に限定されず、また重合形式もブロック、ランダム何れでもよい。
【0010】
本発明において該糖類へのアルキレンオキシドの重合反応は、窒素原子が活性水素を持たないタイプのアルキルアミド類、特にN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドの存在下にて実施するのが好ましい。このとき、該糖類/アルキルアミド類の質量比は好ましくは2/1〜1/10、さらに好ましくは1/2〜1/6である。なお、該糖類へアルキレンオキシドを5〜10モル程度重合させた後は、引き続きアルキルアミド類の存在下にて重合させてもよく、また、一旦アルキルアミド類を留去させ、その後は通常の方法にてアルキレンオキシドを目的とするモル数まで重合させてもよい。なお、前者の場合には重合後にアルキルアミド類を留去させ、必要があれば吸着剤等による公知の方法による処理をして精製する。なお精製工程を経た場合でも、アルキルアミド類はごく少量は残存し、通常10〜1ppmは検出される。よって残存物の同定を実施することで製造方法の確定ができる。
【0011】
本発明において、該糖類へアルキレンオキシドを5〜10モル程度重合させた後アルキルアミド類を留去させた場合は、アルカリあるいはアルカリ土類の水酸化物または炭酸塩等を触媒として用いて重合を継続させる。これらのうち好ましくは、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム等である。触媒の使用量は重合反応に関与する劾糖類と劾アルキレンオキシドの合計質量に対して0.05〜2.0%の範囲であり、好ましくは0.1〜1.0%である。
【0012】
本発明において曇点とは非イオン系界面活性剤の親水性の尺度となるもので、曇点の高い化合物ほど親水性が大きいことを表わしている。本発明での測定法はISO1065−1975(E)、「エチレンオキシド系非イオン界面活性剤−曇り点測定法」の中の「測定法B」に準じた。すなわち、まず25質量%のブチルジグリコール(ブタノール/EO2モル付加物)水溶液に、試料を10質量%濃度になるように溶解する。次いでこの試料溶液約5ccを試験管に採り、試験管中に温度計を入れて攪拌しながら徐々に加熱するとついには試料溶液が白濁する。試料溶液が完全に白濁する温度を読みとり、これを曇点とする。本発明の組成物の曇点は30〜60℃、好ましくは35〜55℃である。曇点が60℃を越えても、また30℃を下廻っても親水性/疎水性のバランスが崩れて十分なワキ防止効果が得られない。
【0013】
本発明において[A]に含有されるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドの定量には一般的に内部標準/検量線方式によるガスクロマトグラフィーを用いるが、これに限定されるものではない。同法によれば0.01ppm程度までの測定が可能である。
【0014】
本発明において[B]の炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールとは、いわゆるY字型構造を持つアルコールのことで、主にオキソ法、チーグラー法などによる合成アルコールである。例えば2−エチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルルアルコール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルオクタノールおよびノルマルパラフィン酸化法による炭素数12〜14の直鎖のアルキル基を持つソフタノール[株式会社日本触媒製]等、およびこれらの混合物等が挙げられる。水酸基はできるだけアルコール分子の中央部にあることが好ましい。炭素数の平均値が8未満または15を越えると、[A]のワキ防止効果の発現を助長することができない。
【0015】
本発明において[B]の製造に用いる炭素数2〜3のアルキレンオキシドとしては、EO、POが挙げられる。付加モル数は2〜6、好ましくは3〜5である。アルキレンオキシドの付加モル数が2〜6モルの範囲を超えると[A]のワキ防止性効果の発現を助長することができない。アルキレンオキシドの付加重合の順序は特に限定されず、その重合形式もブロック、ランダム何れでもよい。
【0016】
本発明において表面張力とは、ジュヌーイ型表面張力計で測定する静的表面張力のことである。本発明の[B]の表面張力は、25℃、0.1%水溶液での測定で40mN/m以下、好ましくは38mN/m以下の値であることが望ましい。40mN/mを超える場合は[A]のワキ防止効果の発現を助長することができない。
【0017】
本発明において[A]/[B]の比は質量に基づいて100/0〜90/10であり、好ましくは98/2〜92/8である。[B]が10を超えると[A]のワキ防止効果の発現を妨げる。
【0018】
本発明において、付加重合反応は通常の条件下で実施されてよく、例えば温度は80〜130℃、好ましくは90〜110℃である。また、重合中の圧力(ゲージ圧)は0.8MPa以下、好ましくは0.5MPa以下である。
【0019】
本発明において、重合により得られる該重合体からの触媒除去の方法としては、例えば特公昭47−3745号公報に記載のように、酸性成分によりアルカリ性触媒を中和し、生じた塩を濾過除去する方法、特開昭53−123499号公報のアルカリ吸着剤を用いる方法、特公昭49−14359号公報の溶媒に溶かして水洗する方法、特開昭51−23211号公報のイオン交換樹脂を用いる方法、特公昭52−33000号公報のアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して、生じた炭酸塩を濾過する方法および各種有機酸、無機酸により中和する方法などがあるが、そのいずれを用いても差し支えない。
【0020】
本発明により得られたワキ防止剤組成物は、熱硬化型水性塗料においてその効果を発揮する。熱硬化型水性塗料に使用される水性樹脂としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、油変成アルキド樹脂、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられる。また、この様な水性樹脂の架橋剤として用いられる水溶性アミノ樹脂としては、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミンおよびそれらのメチルエーテル化物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、尿素ーメラミン共縮合物などを挙げることができる。
【0021】
本発明のワキ防止剤組成物は水や有機溶媒で予め適当な濃度に希釈した溶液の状態で添加しても、またそのままで添加してもよい。その添加量は通常、熱硬化型水性塗料に対し0.5〜15.0質量%であり、好ましくは1.0〜10.0質量%である。
【0022】
本発明のワキ防止剤組成物の熱硬化性水性塗料への添加方法としては、1,水性樹脂の合成時に添加する。2,顔料分散時に添加する。3,塗料作成後に後添加する、等の方法がありいずれの添加法を用いてもワキ防止効果の発現には影響はない。
【0023】
本発明のワキ防止剤組成物はそのままクリヤー塗料に添加して、または顔料配合塗料に添加する等いずれの形態でも使用することができる。
【0024】
本発明のワキ防止剤は、溶剤を使用することも可能であり、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトールなどのグリコールエーテル系溶剤、メチルセロソルブアセテート、セロソルブアセテートなどのグリコールエステル系溶剤、アセトンなどのケトン系溶剤など、水と自由に混和し得る溶剤を使用することができるが、従来のワキ防止剤に比べてその添加量を大幅に削減または添加を省略することができる。
【0025】
水性塗料は一般的に塗装に適する粘度に水または溶剤で希釈して使用する。また該塗料には、必要に応じて通常使用されている紫外線吸収剤、消泡剤、ハジキ防止剤、増粘剤などの塗料用添加剤を適量含有させることもできる。塗装方法は、常法に従って、エアースプレー塗装、エアレス塗装、静電エアースプレー塗装、静電エアレス塗装、コイルコーター塗装等の手段により行うことができる。焼き付けは常法に従い、例えば電気式熱風乾燥機、間接熱風炉、直接熱風炉、遠赤外炉等を用い、塗膜を約120℃〜約290℃間の温度で約数十秒〜約45分間保持することにより行うことができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。ワキ限界膜厚値、平滑性および鮮映性試験の結果は表1に記載した。尚、実施例や試験方法などにおける部は質量部を意味する。
【0027】
[ワキ限界膜厚値の測定]
傾斜塗装して膜厚差のある塗膜を形成し、次いで焼き付け乾燥を行うと、膜厚の厚い部分から薄い部分にかけてワキを発生するが、このワキによる塗膜異常の無くなった部分の膜厚を電磁微膜厚計にて測定した。評価数値の高いほどワキ防止能が高いことを意味する。
【0028】
[平滑性の測定]
上記の試験により得た塗装板を用いて、ワキ限界膜厚値より薄い部分の塗膜表面の平滑性を肉眼にて評価した。評価は◎(塗膜表面にハジキ、クレーターが無い)、△(塗膜表面にハジキ、クレーターが少しある)、×(塗膜表面にハジキ、クレーターが多い)とした。
【0029】
[鮮映性の測定]
上記の試験により得た塗膜を用いてワキ限界膜厚部分の20°グロスをグロス計にてそれぞれ6個所測定し、平均値をもって評価した。グロス値の高いほど鮮映性に優れる。
【0030】
【0031】
【0032】
この様にして得られた熱硬化型水性塗料を脱イオン水でフォードカップNo.4(20℃)で20秒になるように希釈し、下記の塗装条件で塗装してワキ限界膜厚値、平滑性および鮮映性の測定を行った。
[塗装条件]
被塗物:脱脂したブリキ板
スプレーガン:ワイダーW−88カップガン[岩田塗装(株)製]
塗装方法:膜厚傾斜塗装
焼付条件:塗装後10分間ブース内でセッテイングした後、160℃、20分
間焼き付け
【0033】
製造例1
加熱、冷却、EO、PO等の滴下、攪拌可能な耐圧反応容器にグラニュー糖の1モル342部、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)1000部を仕込み、乾燥窒素にて置換する。次いで100℃にて攪拌しながら、POの8モル464部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。10時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで減圧下同温度にてDMFを留去させ、ベース−1(蔗糖/PO8モル)を合成した。
【0034】
製造例2
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム(試薬特級、以下同じ)3.0部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてBOの4モル288部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。5時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで90℃にてイオン交換水27部(以下、得られた重合物の2.5質量%とする)を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]68部(以下、得られた重合物の5.0質量%とする)を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いでヌッチェ/吸引瓶を用いて同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]越しに濾過して触媒を吸着除去する。さらにろ過物を減圧下120℃にて脱水処理して、蔗糖/PO8モル/BO4モル重合物、曇点59℃、DMF含有量1.5ppmのサンプル[A−1]を得て試験に供した。
【0035】
製造例3
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム6.5部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの32モル1856部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。11時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO40モル重合物、曇点44℃、DMF含有量0.7ppmのサンプル[A−2]を得て試験に供した。
【0036】
製造例4
製造例1と同様な耐圧反応容器にラフィノース(試薬特級)の1モル504部、DMF1000部を仕込み、乾燥窒素にて置換させる。次いで100℃にて攪拌しながら、POの30モル1740部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させ、さらにBOの3モル216部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。15時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで減圧下同温度にてDMFを留去させ、ラフィノース/PO30モル/BO3モル重合物、曇点38℃、DMF含有量1.0ppmのサンプル[A−3]を得て試験に供した。
【0037】
製造例5
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム14.5部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの87モル5046部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。14時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO95モル重合物、曇点32℃、DMF含有量0.4ppmのサンプル[A−4]を得て試験に供した。
【0038】
製造例6
製造例1と同様な耐圧反応容器にグラニュー糖の1モル342部、トリメチルアミン(有効成分70%の水溶液)5部を仕込み、乾燥窒素にて置換する。次いで100℃にて攪拌しながら、POの10モル580部を0.5MPa以下に保ちつつ滴下させる。15時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで水酸化カリウム8.0部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施後100℃にてPOの45モル2610部を0.5MPa以下に保ちつつ滴下させる。12時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO55モル重合物、曇点41℃のサンプル[A−5]を得て試験に供した。
【0039】
製造例7
ベース−1を製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO8モル重合物、曇点83℃、DMF含有量2.5ppmのサンプル[a−1]を得て試験に供した。
【0040】
製造例8
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、922部および水酸化カリウム17部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの102モル5916部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。25時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO110モル重合物、曇点26℃、DMF含有量0.3ppmのサンプル[a−2]を得て試験に供した。
【0041】
製造例9
製造例1と同様な反応容器にイソデシルアルコール[エクソン化学(株)製、EXXAL10]1モル153部に水酸化カリウム0.3部を加え、常温にて減圧下脱気の後POの2モル116部を110℃にて約4時間で、次いでEOの2モル88部を120〜130℃にて約2時間で反応させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、イソデシルアルコール/PO2モル/EO2モル付加物のサンプル[B−1]を得た。表面張力は36mN/mであった。
【0042】
製造例10
製造例1と同様な反応容器にソフタノール30[(株)日本触媒製、ソフタノール/EO3モル品]1モル335部に水酸化カリウム0.2部を加え、80℃にて減圧下脱気の後、POの2モル116部を100℃にて約4時間で反応させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、ソフタノール/EO3モル/PO2モル付加物のサンプル[B−2]を得た。表面張力は33mN/mであった。
【0043】
製造例11
製造例1と同様な反応容器にn−ドデカノール1モル186部に水酸化カリウム0.4部を加え、100℃にて減圧下脱水の後、EOの3.5モル154部を130℃にて約3時間で付加重合させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、n−ドデカノール/EO3.5モル付加物のサンプル[b−1]を得た。表面張力は47mN/mであった。
【0044】
製造例12
製造例1と同様な反応容器に2−ブチルオクタノール1モル186部に水酸化カリウム0.8部を加え、常温にて減圧下脱気の後、POの3モル174部を100〜110℃にて約4時間で反応させた。次いでEOの7モル308部を120〜130℃にて約4時間で反応させた。次いで製造例1と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、2−ブチルオクタノール/PO3モル/EO7モル付加物のサンプル[b−2]を得た。表面張力は44mN/mであった。
【0045】
実施例1
評価用熱硬化型水性塗料にワキ防止剤組成物として製造例−2作成のサンプル[A−1]を配合した塗料を作成、これを用いて塗装、焼付けを実施、ワキ限界膜厚、平滑性、鮮映性を測定した。(以下、実施例4、5を除いて評価用熱硬化型水性塗料に添加するワキ防止剤組成物のサンプル名のみを記載する)
【0046】
実施例2
[A−2]/[B−1]=97/3の配合品を用いた。
【0047】
実施例3
[A−3]を用いた。
【0048】
実施例4
[A−5]/[B−2]=93/7の配合品を、評価用熱硬化型水性塗料にワキ防止剤組成物として60部(合計が1030部となる)用いた。
【0049】
実施例5
[A−1]/[A−4]/[B−2]=40/55/5の配合品を、評価用熱硬化型水性塗料にワキ防止剤組成物として10部(合計が980部となる)用いた。
【0050】
参考例1
標準用熱硬化型水性塗料を用いた。
【0051】
比較例1
[a−1]/[b−1]=90/10を用いた。
【0052】
比較例2
[a−2]/[b−2]=95/5を用いた。
【0053】
比較例3
[A−1]/[B−1]=85/15の配合品を用いた。
【0054】
比較例4
ベンゾインn−プロピルエーテルを用いた。
【0055】
比較例5
SNデフォーマー1070/SNデフォーマー381[いずれもサンノプコ(株)製、水系塗料用添加剤]=50/50の配合品を用いた。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】
本発明によるワキ防止剤組成物は熱硬化型水性塗料を扱う分野にてワキを防止するので、仕上がり塗膜の平滑性、鮮映性を損なうことが少なく、また、塗装、焼付けを実施する際の低VOC化が図れるので有用である。また、本発明の製造方法はワキ防止剤組成物を得るのに最適である。
Claims (10)
- 非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させた化合物[A]と、炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを重合させた化合物[B]からなるワキ防止剤組成物(カチオン電着塗料用消泡剤組成物を含まない)。
- [A]が非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを10〜100モル重合させ、ブチルジグリコール25%水溶液法での曇点が30〜60℃である、請求項1 記載のワキ防止剤組成物。
- [A]をなす非還元性の二、三糖類が蔗糖である、請求項1又は2記載のワキ防止剤組成物。
- [A]をなすアルキレンオキシドがプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドである、請求項1〜3のいずれか記載のワキ防止剤組成物。
- [B]が炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシド2〜6モルを重合させた化合物で、0.1質量%水溶液、25℃での表面張力が40mN/m以下である、請求項1〜4のいずれか記載のワキ防止剤組成物。
- [A]/[B]が質量比で98/2〜92/8である、請求項1〜5のいずれか記載のワキ防止剤組成物。
- 熱硬化型水性塗料用である、請求項1〜6のいずれか記載のワキ防止剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか記載のワキ防止剤組成物を得る方法において、アルキルアミド類の共存下で非還元性の二、三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させることを特徴とするワキ防止剤組成物の製造方法。
- アルキルアミド類がN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドである、請求項8記載のワキ防止剤組成物の製造方法。
- N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドを0.1ppm以上含有する、請求項1〜7のいずれか記載のワキ防止剤組成物。
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