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JP3791508B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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JP3791508B2
JP3791508B2 JP2003110592A JP2003110592A JP3791508B2 JP 3791508 B2 JP3791508 B2 JP 3791508B2 JP 2003110592 A JP2003110592 A JP 2003110592A JP 2003110592 A JP2003110592 A JP 2003110592A JP 3791508 B2 JP3791508 B2 JP 3791508B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、複数のワークコイルを備えた電磁誘導加熱式の電気炊飯器の構成に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来、この種の電気炊飯器において、上記複数のワークコイル、例えば飯器底部側第1のワークコイルと飯器蓋部側第2のワークコイルなどを駆動するに際しては、そのデューティー比を決めるn/T(秒)のT秒(周期T秒は任意)のカウント最初のタイミングで第1,第2のワークコイル共にONにし、メニューに応じて設定されたn秒の経過に対応してOFFにするON,OFF制御パターンが採用されていた。
【0004】
ところが、このような構成の場合、同時に第1,第2の2組のワークコイルに通電され、しかも第2のワークコイルは、その全ON期間nの全てが第1のワークコイルのON期間nと重複したものとなる。そのため、両ワークコイル相互の磁界が干渉してうなりが高くなる一方、上記第1,第2の各ワークコイルの出力の設定に当たっては、一般家庭における1つのコンセントからの許容最大消費電力1400(W)の範囲内で各ワークコイルの出力値を適切に分配して設定しなければならず、各ワークコイルそれぞれの出力を十分に大きくすることができなかった。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、例えば上記のような複数のワークコイルの少なくともONタイミングが重ならないように、常時ON,OFF状態を切換えて個別に動作させるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0006】
この構成の場合、例えばワークコイルが第1,第2の2組の場合は図9のようなON,OFFパターンになり、第1,第2,第3の3組の場合には図10のようなON,OFFパターンになる。
【0007】
このような構成にすると、第1,第2又は第1,第2,第3の各ワークコイル相互のON期間が重ならないために、各ワークコイル相互の磁界の干渉による騒音を確実に防止できるとともに、一応各ワークコイル個々の出力値を許容最大電力1400(W)まで大きくすることができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−196417号公報(第2頁〜第6頁、図1〜図6参照)
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、以上のように複数のワークコイル各々のONタイミングが相互に重複しないように動作タイミングを完全に切り換えてON,OFF制御する構成では、一定周期Tの中で何れかのワークコイルの加熱出力(上述のデューティー比:n/T)を大きくしようとすると、その分だけ他方のワークコイルの加熱出力(デューティー比:n/T)が小さくなり、各ワークコイル間の加熱出力のバランスを取ることが難しい。
【0010】
特に、各ワークコイルの加熱出力を相乗させたトータルの加熱出力を増大させようとしても、それができないために、十分な加熱性能のものを実現できない欠点がある。この問題は、上記ワークコイルが2組の場合(図9)よりも3組の場合(図10)と、ワークコイルの個数が増えるほど顕著になる。
【0011】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上述のように複数のワークコイルを設けた場合において、ワークコイル相互の磁界の干渉を可及的に防止しながら、可能な限り高出力を得られるようにした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0013】
すなわち、本願発明の課題解決手段は、3組以上の複数のワークコイルを備えてなる電磁誘導加熱式の電気炊飯器において、上記複数のワークコイルの各々を駆動制御するワークコイル駆動制御手段を設け、該ワークコイル駆動制御手段が、上記複数のワークコイルの内の同一の被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するワークコイルを同時には駆動させないが、異なる被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するワークコイルは同時に駆動するように構成されていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、少なくとも相互に被電磁誘導加熱物を異にするワークコイル同士は同時に駆動することができ、該同時に駆動される複数のワークコイルの合計の加熱出力が定格出力の範囲内になるように出力制御することにより、炊き上げ時の昇温工程等における高加熱出力要求にも対応することが可能となる。
【0015】
そして、その場合において、上記同時に駆動されるワークコイルが、それぞれ異なる被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するようになっている場合には、発生する磁界の振動対象物(振動特性)が異なり、干渉音が発生しにくい。
【発明の効果】
【0016】
以上の結果、本願発明の電気炊飯器によると、被加熱物を共通にするワークコイルを相互に重ならないように駆動することによって、可及的に磁界の干渉を低減する一方、被加熱物を異にするワークコイルを重ねて駆動することによって、各ワークコイルの合計出力をそれぞれ高加熱出力に対応させ、有効な高加熱出力を得るようにすることができるようになる。
【発明の実施の形態】
【0017】
(実施の形態1)
図1〜図7は、複数のワークコイルを備えた本願発明の実施の形態1に係る電磁誘導加熱式の電気炊飯器の構成を示している。
【0018】
(炊飯器本体および蓋ユニット部分の構成)
先ず図1〜図4は、同電気炊飯器の炊飯器本体および蓋ユニット部分の構成を示している。
【0019】
同電気炊飯器は、その基本的な構成として、飯器が収納された炊飯器本体と該炊飯器本体の上部を覆う蓋ユニットとからなり、該炊飯器本体内の飯器(内鍋)底部に同飯器の下部側を電磁誘導加熱する第1のワークコイル、飯器側部に同飯器の側部を電磁誘導加熱する第2のワークコイル、また蓋ユニットの内側に2次側被誘導加熱部材として、上記飯器(内鍋)内への放熱性能の高い磁性金属材料よりなる放熱板をそれぞれ備えているとともに、さらに上記炊飯器本体の肩部に、同放熱板を電磁誘導加熱する第3のワークコイルを備えた電磁誘導加熱式のものにより構成されている。
【0020】
すなわち、該電気炊飯器は、先ず図1〜図3に示すように、全体として、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能なステンレス鋼材等の磁性金属材料(鉄系金属材料)よりなる飯器(内鍋)1と、該飯器1を任意に収納セットし得るように有底筒状に形成された合成樹脂製の内ケース(保護枠)2と、該内ケース2を保持する外装筺体である筒状の外ケース3と、該外ケース3と上記内ケース2とを結合一体化して上部が開口した有底筒状体に形成された炊飯器本体4の上部に開口部を覆って開閉可能に設けられた蓋ユニット5とから構成されている。
【0021】
上記内ケース2の底壁部2aには、図3に示すように、例えば半径方向の内側と外側に位置を異にして同心状に分巻された飯器加熱用の第1のワークコイルL1が設けられており、該第1のワークコイルL1は上記内ケース2内に収納された飯器1の底部1bの中央面側と側面側を均一に加熱することによって全体を加熱し、効率良く炊飯を行うようになっている。また、同内ケース2の側壁部2aには第2のワークコイルL2が設けられるようになっており、該第2のワークコイルL2は、炊飯時および保温時において上記飯器1の側面部1aを加熱するようになっている。
【0022】
また上記外ケース3は、例えば合成樹脂板で形成された上下方向に筒状のカバー部材(側板)3aと、該カバー部材3aの上端部に設けられた合成樹脂製の肩部材3bと、上記カバー部材3aの底部に設けられた底部材3cとからなっている。そして、上記内ケース2の上端側にあって外周方向に鉤上に曲成された肩部材支持片2bの上部に対し、上記肩部材3bの内周側鉤状の肩片7を係合支持して一体化し、それらの上部に、2次側被電磁誘導加熱部材である放熱板10を電磁誘導加熱するための1次側電磁誘導加熱手段である第3のワークコイルL3が設けられている。
【0023】
該第3のワークコイルL3は、内周側に上方に起立した係合リブ8aを有した断面L字形のコイルホルダー8の水平方向内周側から外周側にリッツ線が複数回巻成されたフラットリング構造のものとなっており、その上部および両側部は、断面逆Jの字形状の合成樹脂製のコイルカバー9によってカバーされ、上記内ケース2の上端部および外ケース3の肩部材3bとともに一体化されて、上記炊飯器本体4の開口縁部を構成している。
【0024】
そして、このように第3のワークコイルL3を備えた炊飯器本体4の開口縁部に対し、上記開口部1bが縮径された飯器1の開口縁部が、その収納セット状態において、図示のような電磁誘導加熱可能な位置関係で対応するようになっている。
【0025】
一方、蓋ユニット5の非磁性部材である蓋ユニット本体部分は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー5Aと、該外カバー5A内側の周方向に凸条の内枠部に対して固定して設けられた合成樹脂製の内カバー5Bとから、内部空間5Cが中空の断熱構造体に形成されている。
【0026】
そして、該蓋ユニット本体の上記内カバー5Bの下方には、電磁誘導加熱可能な磁性金属材料よりなる放熱板10が着脱可能に設けられている。また、同蓋ユニット本体を構成する上記外カバー5Aおよび内カバー5Bの中央部には、上下両方向に貫通して調圧口11が形成され、該調圧口11に対して図示のようなキャップ構造の大径の調圧ユニット12が上方側から着脱可能に嵌合されている。また、上記調圧口11の下部には、上記放熱板10取付け用の筒部13が設けられていて、該筒部13内に上記放熱板10の中央に設けた相対的に小径の嵌合用筒部14を相互の間に設けた凸凹部を介して嵌合係止することにより、上記放熱板10自体が着脱可能な状態で取り付けられている。
【0027】
一方、上記外カバー5Aの内枠部と上記内カバー5Bとの外周側固定部には、第1のパッキン15aの基部が固定されており、上記放熱板10は、その外周側上面(シール部10b上面)を同第1のパッキン15aによってシールされるようになっている。
【0028】
該蓋ユニット5の構成において、上記放熱板10は、上記飯器1の縮径された開口部1cの口径に対応して若干下方側に突出した放熱部10aと、同放熱部10aの外周側にあって第2のパッキン15bを介して上記飯器1の開口部1aの上端を覆う断面逆U字状のシール部10bと、該シール部10bの外周側にあって上記炊飯器本体4開口縁部の第3のワークコイルL3と所定の隙間Gを介して対向対面する被電磁誘導加熱部10cとから形成されている。
【0029】
そして、例えば後述する図5の第3のワークコイル駆動回路により上記第3のワークコイルL3が駆動されると、それに対応して上記放熱板10外周の被電磁誘導加熱部10cが電磁誘導加熱されて発熱し、その熱を上記シール部10bを介して上記放熱部10aに伝え、上記放熱部10aの全面から飯器1内の飯米に放射する。
【0030】
他方、上記外カバー5Aは、その内枠部外周の外周縁部が外径を拡大しながら上記肩部材3bの外周面に連続するまで下方に深く延びており、上記第3のワークコイルL3部分の外周面を確実にカバーし、上記誘導加熱領域で生じる熱を外部に逃がさないようにしている。
【0031】
なお、上記炊飯器本体4の前面部上方には、例えば図1に示すような略半月形状の操作パネル部17が設けられている。該操作パネル部17には、十分に広く大きな表示面積をもつ液晶表示部19と、炊飯スイッチ17a、タイマー予約スイッチ17b、取消スイッチ17c、保温/再加熱スイッチ17d、おこげスイッチ17e、メニュー操作スイッチ17f、時スイッチ17g、分スイッチ17h等の各種操作スイッチ(タッチキースイッチのタッチキー部分)が設けられている。
【0032】
(炊飯器本体側制御回路部分の構成)
次に、図5は上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯および保温制御用のマイコン制御ユニットを中心とする電気的な制御回路部分の構成を示す。
【0033】
図中、符号32が炊飯加熱制御手段、保温加熱制御手段、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯・保温制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば飯器1の温度検知回路部、第1,第2,第3のワークコイル駆動制御回路部、飯器1の有無検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータ駆動制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。
【0034】
そして、先ず上記飯器(内鍋)1の底壁部1b側センタセンサ部の飯器温度検知センサSに対応して設けられた温度検知回路43には、例えば上記飯器温度検知センサSによる飯器1の底壁部3aの温度検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0035】
また、上記第1,第2,第3のワークコイル駆動制御回路部は、それぞれ例えば第1,第2,第3のパルス発振回路41A,41B,41C、第1,第2,第3の同期トリガー回路40A,40B,40C、第1,第2,第3のIGBT駆動回路42A,42B,42C、第1,第2,第3のIGBT37A,37B,37C、第1,第2,第3のフィードバック回路34A,34B,34C、第1,第2,第3の共振コンデンサ38A,38B,38C等によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32の第1,第2,第3のワークコイル駆動制御回路部により、上記第1,第2,第3のパルス発振回路41A,41B,41Cを制御することにより、例えば炊飯(または保温)工程に応じて上記第1,第2,第3のワークコイルL1,L2,L3のワット数および同ワット数でのONデューティー比(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯(または保温)工程の各工程における飯器1の加熱温度と加熱パターンを炊飯(保温)量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのない御飯の炊き上げ、保温を実現するための適切な加熱出力制御が行われるようになっている。
【0036】
そして、本実施の形態では、それらの場合において、上記第1,第2,第3のワークコイルL1,L2,L3相互のON,OFFパターンは、例えば図7のタイムチャートに示すように炊飯(保温)工程の各工程に対して、その要求加熱量に適した第1,第2,第3のワークコイルL1,L2,L3のON,OFFパターンを適切に設定対応させるようにしている。
【0037】
該第1,第2,第3のワークコイルL1,L2,L3のON,OFFパターンは、例えば後に述べる図6のフローチャートのようにして、設定制御されるようになっている。
【0038】
また、符号22a〜22hは上述した各種入力スイッチ部であり、同スイッチの必要なものが適切に操作されると、上記マイコン制御ユニット32側の認識手段によってユーザーの指示内容が認識され、その認識内容に応じて上述のような所望の炊飯又は保温加熱パターンを設定し、上記炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段を適切に作動させて、所望の炊飯又は保温を行う。
【0039】
したがって、ユーザーは、同入力スイッチ22a〜22hを使用して炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊き、おかゆ、かため又はやわらかめ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、蒸し、通常保温又は低温保温等の各種の炊飯又は蒸し、保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32の上述した認識手段を介して炊飯又は蒸し、保温加熱パターン設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は蒸し、保温加熱制御が適切になされる。
【0040】
さらに、符号17は炊飯の完了その他を知らせるブザー報知部、21は液晶表示部である。そして、この実施の形態の場合、上記液晶表示部21には、上記入力スイッチ22a〜22hのON操作に対応して所望のメニューや時刻等の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示(枠囲み等)がなされて行くようになっている。
【0041】
なお、図5中の31は電源回路、33はゼロクロス信号回路、35は整流回路、36は平滑コンデンサ、CLはチョークコイルである。
【0042】
(第1〜第3のワークコイルの出力制御方法)
次に図6は、この実施の形態における上記電気炊飯器の各ワークコイル出力の制御方法について示している。
【0043】
該制御では、先ず最初にステップS1で、第1〜第3の各ワークコイルL1〜L3の出力時間(図7に示す1周期T中のON時間:加熱時間)をそれぞれ設定する(L1>L2=L3)。
【0044】
そして、その後ステップS2で、先ず飯器底部側第1のワークコイルL1を駆動する。そして、それによって同第1のワークコイルL1の出力による加熱制御を実行する。
【0045】
次にステップS3で、第1のワークコイルL1とは隣接しない本体肩部側第3のワークコイルL3の設定加熱時間が経過しているか否かを判定し、NOの時はステップS4に進んで同第3のワークコイルL3を駆動する。
【0046】
この結果、図7のタイムチャートに示されるように、飯器1の下部と上部に離れ、相互に隣接しない第1のワークコイルL1と第3のワークコイルL3とが同時に駆動されることになる(少なくとも第3のワークコイルL3の加熱時間内)。
【0047】
他方、YESの上記第3のワークコイルL3の設定加熱時間が経過したYESの時は、ステップS5に進んで、上記第3のワークコイルL3をOFFにする。
【0048】
続いてステップS6に進み、上記第1のワークコイルL1の設定加熱時間が経過したか否かを判定し、NOの時は上記第1,第3のワークコイルL1,L3の同時駆動又は第3のワークコイルL3OFF後の第1のワークコイルL1のみの駆動をYESとなるまで続けるが、一方YESになると、第1のワークコイルL1の駆動を停止して、次にステップS8で第2のワークコイルL2のみを駆動する。該第2のワークコイルL2の駆動状態は、続くステップS9で当該第2のワークコイルL2の設定加熱時間が経過したと判定されるまで継続される。
【0049】
この結果、図7のタイムチャートからも明らかなように、第1,第2のワークコイルL1,L2の何れとも隣接する飯器側壁部中間位置の第2のワークコイルL2の場合には、常に第2のワークコイルL2のみが単独で駆動されることになる。
【0050】
次にステップS9で、上記第2のワークコイルL2の設定加熱時間が経過したことが判定されると、続くステップS10で同第2のワークコイルL2をOFFにする。
【0051】
そして、次の周期で、再び以上と同様の第1〜第3のワークコイルL1〜L3の駆動制御(ステップS1〜S10)が繰り返され(図7参照)、所定の時間(N×T・・・Nは制御回数)が経過すると、当該炊飯工程中の所定の工程における所定の目標飯器温度に到達する加熱制御が実現される。
【0052】
以上のように、この実施の形態では、上述のような、相互に隣合う3組以上の複数のワークコイルL1,L2,L3を備えてなる電磁誘導加熱式の電気炊飯器において、上記複数のワークコイルL1,L2,L3の各々を駆動制御するワークコイル駆動制御手段を設け、該ワークコイル駆動制御手段が、上記複数のワークコイルL1,L2,L3の内の相互に隣接するワークコイルL1とL2、L2とL3を同時には駆動させないように構成したことを特徴としている。
【0053】
このような構成によると、他方相互に隣接しないワークコイルL1とL3同士は同時に駆動することができ、該同時に駆動される複数のワークコイルL1,L3の合計の加熱出力が1つのコンセントの最大定格出力1400(W)の範囲内になるように出力制御することにより、炊き上げ時の昇温工程等における高加熱出力要求にも対応することが可能となる。
【0054】
一方、該同時に駆動される相互に隣接しない複数のワークコイル同士L1,L3は、それらの距離が飯器1の下部と上部に空間的に大きく離れているために、個々のワークコイルL1,L3で発生した磁界が相互に干渉しにくく、干渉音(うなり)が発生しにくい。
【0055】
なお、上記の構成において、複数のワークコイルL1,L2は、それぞれ同一の被電磁誘導加熱物である飯器1を、電磁誘導加熱するようになっている。
【0056】
一方、これに対し、同時に駆動される複数のワークコイルL1とL3の場合には、上記飯器1と放熱板5のように、それぞれ異なる被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するようになっている。したがって、該場合には、発生する磁界の振動対象物(振動特性)が異なり、干渉音が発生しにくい。
【0057】
したがって、騒音低減上で問題にすべきは、上記複数のワークコイルが、それぞれ同一の被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するようになっているL1,L2の場合であり、該場合においては、上記のように同時駆動しない構成が特に有効となる。
【0058】
このような観点から見て、上記の構成では上記同時に駆動されるワークコイルL1,L3は、飯器1と放熱板5という異なる被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するようになっている。
【0059】
したがって、同時に駆動されても、発生する磁界の振動対象物(振動特性)が異なり、干渉音が発生しにくい。
【0060】
したがって、この意味からもも、上記構成は、騒音の低減に有益に作用する。
【0061】
さらに以上の構成では、上記同時に駆動されるワークコイルL1とL3は、相互に出力の大きさが異なるものとなっている(L1>L3)。
【0062】
先にも述べたように、複数のワークコイルL1,L3を同時に駆動する場合、それら各ワークコイルL1,L3の合計の加熱出力は所定の定格出力1400(W)以内に設定しなければならない。
【0063】
一方、ワークコイルL1,L3の各々を加熱手段として採用した場合、それぞれ最低限所定の大きさの出力がないと電磁誘導加熱手段として有効に機能しない。
【0064】
したがって、上述のような合計の加熱出力の定格出力1400(W)以内への調整は、当該複数のワークコイルL1,L3の出力を大小異なるものとし(L1>L3)、出力の小さいワークコイルL3の方の出力を先ず所定の必要な大きさに設定し、その上で出力の大きいワークコイルL1の出力の方を小さくすることにより調整するようにする。
【0065】
以上の結果、この実施の形態の電気炊飯器によると、複数のワークコイルの中の相互に隣接するワークコイルを相互に重ならないように駆動することによって可及的に磁界の干渉を低減し、一方相互に隣接せず、また被電磁誘導加熱物を異にするワークコイル同士を重ねて駆動することによって、それらの合計出力を高加熱出力に対応させるようにしている。したがって、騒音を低減しながら、有効な高加熱出力を得ることができるようになる。
【0066】
(実施の形態2)
なお、上述のように同時に駆動されるワークコイルが、それぞれ異なる被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するようになっている場合には、発生する磁界の振動対象物(振動特性)が異なり、干渉音が発生しにくいとは言っても、全く干渉音が発生しないわけではない。
【0067】
したがって、そのような同場合においても、少なくとも、それらワークコイルが隣接する場合には、同時に駆動しないようにすることが好ましい。
【0068】
(実施の形態3)
次に、図8は、本願発明の実施の形態3に係る電磁誘導加熱式電気炊飯器の構成を示している。
【0069】
上記実施の形態1の構成では、上記第1,第2,第3のワークコイルL1,L2,L3の内の第3のワークコイルL3を本体肩部において、蓋ユニット5側放熱板10のの被電磁誘導加熱物10cに対応するものとしたが、この実施の形態では、同第3のワークコイルL3を飯器1の縮径した開口部1cに対応する縦型に配置した構造のものとし、しかも飯器1の開口部1cと当該第3のワークコイルL3との間に電磁誘導加熱可能な磁性金属材料よりなる断面コ字状の間接加熱部材6をリング状に設けた構成としている。
【0070】
このような構成を採用した場合、当該第3のワークコイルL3が、上記実施の形態1の場合とは異なり、上記間接加熱部材6と放熱板10の被電磁誘導加熱物10cとの両方を電磁誘導加熱することになる。
【0071】
したがって、この場合にも、当該第3のワークコイルL3は、やはり飯器1を電磁誘導加熱する第1,第2のワークコイルL1,L2とは被電磁誘導加熱物を異にすることになる。
【0072】
その結果、第1のワークコイルL1と第3のワークコイルL3とは、上記実施の形態2の場合と同様に同時駆動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器の炊飯器本体部分全体の構成を示す一部切欠正面図である。
【図2】 同電気炊飯器の炊飯器本体上部の第2,第3のワークコイル設置部分の拡大断面図である。
【図3】 同電気炊飯器の炊飯器本体下部の第1のワークコイル設置部分の拡大断面図である。
【図4】 同電気炊飯器の基本構成の概略を示すスケルトン図である。
【図5】 同電気炊飯器の要部である第1,第2,第3のワークコイル駆動制御回路部分の電気回路図である。
【図6】 同電気炊飯器の通常炊飯時における第1〜第3のワークコイルの基本的な制御動作を示すフローチャートである。
【図7】 同電気炊飯器の炊飯工程における第1,第2,第3のワークコイルのON,OFFパターンを示すタイムチャートである。
【図8】 本願発明の実施の形態2に係る電気炊飯器の炊飯器本体部分の基本構成の概略を示すスケルトン図である。
【図9】 従来の電気炊飯器の加熱工程における第1,第2のワークコイルのON,OFFパターンを示すタイムチャートである。
【図10】 従来の電気炊飯器の加熱工程における第1,第2,第3のワークコイルのON,OFFパターンを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1は飯器、2は内ケース、3は外ケース、3aはカバー部材、3bは肩部材、4は炊飯器本体、5は蓋ユニット、10は放熱板、32はマイコン制御ユニット、37Aは第1のIGBT、37Bは第2のIGBT、38Aは第1の共振コンデンサ、38Bは第2の共振コンデンサ、30はブザー、L1は第1のワークコイル、L2は第2のワークコイル。L3は第3のワークコイルである。

Claims (1)

  1. 3組以上の複数のワークコイルを備えてなる電磁誘導加熱式の電気炊飯器において、上記複数のワークコイルの各々を駆動制御するワークコイル駆動制御手段を設け、該ワークコイル駆動制御手段が、上記複数のワークコイルの内の同一の被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するワークコイルを同時には駆動させないが、異なる被電磁誘導加熱物を電磁誘導加熱するワークコイルは同時に駆動するように構成されていることを特徴とする電気炊飯器。
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