JP3765195B2 - トランスファーファブリック及びこれを使用する製紙機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄造部から脱水部に湿紙を移送するトランスファーファブリックと該ファブリックを用いた製紙機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から受け取り、次の脱水部へ送り込むものとしては、モノフィラメント又はマルチフィラメントを織り合わせた基布の表面と裏面に合成繊維のバットをニードリングによって交絡させたいわゆるニードルフェルトやモノフィラメントを用いて構成した単層織物や緯糸2重織物であるワイヤーが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
製紙機械に於いて、湿紙の受け渡し場所は多数あり、一般的にトランスファーサクションボックスとかトランスファーサクションロールと呼ばれる強制吸引装置によって受け渡しを行っている。吸引力を利用する理由は、この方法が湿紙を最も安定してトランスファーさせることができるからであるが、デメリットとして、吸引圧が適正以上にかかると湿紙中から微細繊維や填料が水と一緒に抜かれて、紙の表裏差,カール性,強度などの紙品質に影響を及ぼし、また抄紙用織物やフェルトの早期摩耗・異常摩耗などを引き起こす危険がある。また、設備費,維持管理費等のコスト面でも高くなる。
ニードルフェルトは、z軸方向全体にバットが密集しているため、抄紙原料内の繊維,填料,薬品等がフェルト内部に蓄積され易い。又、汚れを除去するために高圧洗浄シャワーを使用するとバット繊維が切れて穴明きが発生し易く洗浄性も悪い。従って、抄造部で抄造した湿紙をニップ圧で抄紙用織物から受け取り、次の脱水部へ送り込むタイプの製紙機械においては、このニードルフェルトの性能限界のために、抄紙速度が上げられず、紙の生産性向上の妨げになっている。又、ニードルフェルトの洗浄性改善を目的として、経糸,緯糸共にモノフィラメントを用い、バットをニードリングしない織物が試用されたこともあるが、抄造部とニップ部に於いて、湿紙からこの織物への水分の移動が不十分のため、湿紙のこの織物へのトランスファー性が不安定で断紙が多発し、使用に耐えなかった。
本発明は上記の欠点を解決し、良好な湿紙トランスファー性と洗浄性を有するトランスファーファブリックを提供し、このトランスファーファブリックの使用による紙の生産性向上を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. 抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から受け取り、次の脱水部に送り込むトランスファーファブリックにおいて、
緯糸を、走行面側はモノフィラメントと小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、湿紙受け取り面側は小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、
経糸を、モノフィラメントまたはモノフィラメント撚糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を単層配置して織成した織網であることを特徴とするトランスファーファブリック。
2. 1項に記載されたトランスファーファブリックの経糸を、走行面側はモノフィラメントとし、湿紙受け取り面側はモノフィラメント及び/または小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を複数層配置して織成した、トランスファーファブリック。
3. 小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸が、スパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸である、1項又は2項に記載されたトランスファーファブリック。
4. 複数の抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から受け取り、順次抄き合わせた複数層の湿紙を次の脱水部に送り込む、1項ないし3項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
5. 走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間にモノフィラメントから成る中間緯糸層を配置した、1項ないし4項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
6. 1項ないし4項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリックの、走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間にスパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸、から選ばれた中間緯糸層を配置した、トランスファーファブリック。
7. 1項ないし4項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリックの、走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間に、モノフィラメントとスパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントへの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,これらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸から成る中間緯糸層を配置した、トランスファーファブリック。
8. 中間緯糸層を上側中間層緯糸と下側中間層緯糸とからなる上下二層構造とした、5項ないし7項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
9. 中間緯糸層と走行面側緯糸層の上下の重なりをずらして配置した、5項乃至8項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
10. 中間緯糸層の緯糸の本数が走行面側緯糸層と湿紙受け取り面緯糸層の緯糸の本数より少ない本数である、5項ないし8項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
11. 走行面側緯糸層の緯糸の本数が中間緯糸層の緯糸の本数より多い本数である、5項ないし10項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
12. 複数の抄造部で抄造した湿紙を順次ニップ圧または接触面圧で抄紙用織物から1項ないし11項のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリックに受け取って抄き合わせた複数層の湿紙を、該トランスファーファブリックから次の脱水部に送り込むことを特徴とする製紙機械。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明でトランスファーファブリックが湿紙の受け渡しを安定して行うためには、受ける測のトランスファーファブリックの特性を利用する必要がある。湿紙のトランスファー性を決めるファクターとしては、トランスファーファブリックの表面密度、湿紙との接触面積、湿紙からの脱水能力等があり、特に脱水能力が重要となる。
2本のロール間のニップ圧によって湿紙の受け渡しを行う場合、ニップ圧で水分率85%前後の湿紙と受け取り側のトランスファーファブリックが圧縮され、圧が緩む際に湿紙から水を吸い取る力となる毛細管引力の弱い抄紙用織物側から毛細管引力の強い受け取り側のトランスファーファブリックへと湿紙がトランスファーされると考えられる。
従って、この目的だけから見れば、表面から裏面まで微細な合成繊維バットで満たされ、圧縮性の大きなニードルフェルトは最適な受け取り側ファブリックと言える。しかしながら、前述のように湿紙から水を吸い取ることは、同時に湿紙中の微細繊維,填料,薬品等がこのフェルト内に入り込むこととなり、洗浄する必要が出てくる。ところが、微細な合成繊維バットで満たされている構造ゆえに、入り込んだ汚れが除去し難〈、脱水斑やマークの発生原因となる。又、高圧洗浄シャワーを使用すると、その水圧の衝撃によってバット繊維が切れて穴明きが発生する。
一方、洗浄性を重視して、経糸,緯糸共に耐高圧洗浄シャワー性の高いモノフィラメントを使って構成した単層織物や緯糸2重織物を受け取り側ファブリックとすると、抄紙用織物より細かいメッシュの場合でさえ、湿紙の受け渡しが不安定で断紙が発生して抄速ダウンとなった。これは、抄紙の際、紙の繊維が抄紙用織物の経糸,緯糸の交差部等に刺さり込むため、湿紙が抄紙用織物から剥がれ難くなっており、湿紙受け取り側の織物の表面密度と接触面積が大きくても、容易にトランスファーすることが出来なくなり、強制吸引装置によって安定を図っているが紙質の低下や、抄紙用織物の摩耗、設備費、維持管理費などのコストが高くなる。
【0006】
本発明者等が発明し先に出願された特願平9−238798号の発明では、これ等の問題を解決するため、バットを用いない織網構造とし、湿紙受け取り面側に吸水・脱水性能を有する糸、例えばスパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸等を用いて、これ等の糸を織り込むことによりファブリックの毛細管間隙を多数形成して毛細管引力による湿紙からの吸水性を向上し、湿紙の吸引用を高めて、湿紙受け取りの安定化を計り、走行面側は洗浄性を良くするためにモノフィラメント主体の網目構造にして、洗浄シャワーの通り易い立体空間を確保した多機能織物を形成したのである。
このように本発明者等が発明し先に出願された特願平9−238798号の発明は従来の技術とは異なり非常に優れた効果を奏し、好評を受けて使用されている。
しかしながら、抄紙速度をさらに高速にすると次の脱水部であるプレスパートへ移送する場所で湿紙水分率がやや高くなり、そのためリリース不良や断紙が発生する傾向が見られた。
また、プレスパートで水分率が高いと水の逃げ場がないので紙砕けが発生する問題もある。
本発明者等は先に出願した発明のトランスファーファブリックはその明細書に説明されているようにプレスニップ圧によってトランスファーファブリックの毛細管引力を利用して水分をトランスファーファブリックに移動させ湿紙を受けとる脱水能力はニードルフェルトと同様に良好であったことからトランスファー後の脱水装置に置ける脱水効率が悪いものと考えた。
すなわち、湿紙を受け取る面側の保水力が高いため走行面側に水分を移動させることができず、湿紙が形成された状態でもサクションがリークしてしまい湿紙水分が抜けず、湿紙水分を十分に低下させることが出来なかったのである。
特に抄紙用織物から湿紙を受けとった後は走行面側に開口した網目ろ水性空間よりも毛細管状空間が脱水に有効となる。したがって、湿紙水分を低下させるためには湿紙受け取り面側に保水されている水分を走行面側に移動させることが必要である。
そこで、本発明では走行面側緯糸にも小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸を配置したのである。
そして耐摩耗性、剛性を損なわないようにモノフィラメントを配置して交織するのである。モノフィラメントと小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸の本数比や配置順は使用条件により適宜決定する。
走行面側緯糸にも小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸を配置したことにより毛細管状空間が湿紙受け取り面側から走行面側まで途切れることなく連続的に形成されるので水分の走行面側への移動が良好に行われる。
水分が走行面側に移動されれば脱水装置が走行面側に配置されているのでサクションがリークすることなく作用し、脱水が効率的に進行し湿紙水分を低下させることができる。
モノフィラメントの割合を大きくすると耐摩耗性、剛性が良好となり、小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸の割合を大きくすると水分の走行面側への移動が良好になる。
なお、本明細書において、スパン糸とは短繊維を収束させて糸状としたものの意味であって、紡績糸等である。また、マルチフィラメントとは細かい単繊維を収束させて糸状としたもの、フィラメント加工糸とはフィラメント糸に伸縮加工やかさ高加工、巻縮加工等をほどこした糸状体であり、一般にテクスチャードヤーン,バルキーヤーン,ストレッチヤーン、コンジュケイトヤーンと称される糸を含む意味であり、タスラン糸、ウーリーナイロン等もこれに含まれる。モール糸とはマルチフィラメント等の芯糸を中心に短繊維を放射状に配置させて糸状としたものである。放射状に配置した短繊維に巻縮加工等を施したものも含まれる。
又、本発明は走行面がモノフィラメントを配置した網目構造を有することにより、ニードルフェルトに比べて、織物としての剛性が高くなり、使用時の寸法変化(長さ方向の伸び,巾方向の縮み)が極めて小さくなるので、過大なストレッチャーや巾出しロール等の装置が不要となる副次的効果も得られる。
また、使用時の厚さの減少も極めて小さい。
【0007】
従来使用されているニードルフェルトは使用するにつれ、次第に圧縮されて厚さが減少し、それに応じて脱水能力が低下するが、本発明のトランスファーファブリックは織網としての剛性が高いため、厚さの減少が少なく、使用末期まで良好な脱水能力を維持できる。
耐高圧洗浄シャワー性については、ニードルフェルトのバットはニードリングによって、部分的に基布に交絡されてはいるものの、基本的には繊維一本一本は、ただ互いに緩やかに絡んでいる程度の状態にあるため、シャワー水の衝撃によって簡単に切断し脱落してしまい、穴明きが発生してしまう。
【0008】
これに対して本発明のトランスファーファブリックの表面を構成している糸は、ニードルフェルトのバットと同じ様な細い繊維の集合体でありながら、全体が織網構造を有しているために、緯糸ならば経糸に、経糸ならば緯糸に短い周期で互いに織り込まれて、強く拘束されているので、シャワー水の衝撃で切断されたり脱落することはない。この耐高圧シャワー性も湿紙受け取り面を織網構造にしたことによって得られた効果である。
【0009】
織り構造については、経糸がモノフィラメントまたはモノフィラメント撚糸の層を有し、緯糸が湿紙受け取り面側に小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸であり、走行面側にモノフィラメントと、小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とを配置した多層に形成されていれば特に限定されず、経糸一重緯糸二重、経糸一重緯糸三重、経糸二重緯糸三重、経糸二重緯糸二重の二層構造等、色々な構造が採用できる。
小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸としては、スパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸等が使用される。
【0010】
経糸のモノフィラメントまたはモノフィラメント撚糸の層は剛性と寸法安定性の向上、走行面側のモノフィラメントは剛性と耐摩耗性の向上の役割を果たし、小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸は湿紙の水分を吸収する役割を果たす。
走行面緯糸のモノフィラメントの材質をポリアミドとした場合、耐ニップ性、耐摩耗性に優れている。
剛性重視の場合には、ポリエステルを用いる。また、両特性のバランスを考えれば、ポリアミドとポリエステルとを交互に配置することもできる。
経糸を二層にすると、走行面側はモノフィラメントとし、湿紙受け取り面側を小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸とすることができる。走行面のモノフィラメントで主に剛性、寸法安定性向上を図り、湿紙受け取り面側を小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸で脱水能力向上を図るのである。
【0011】
緯糸の湿紙受け取り面側と走行面側の間にはモノフィラメントや湿紙受け取り面と同じ中間緯糸層を配置することができ、織物のクッション性、脱水能力を向上させることができる。
要求される条件に応じて、より剛性を向上したい場合はモノフィラメントを配置することにより剛性を大きくすることができ、より脱水能力を向上したい場合は湿紙受け取り面と同様な小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸を配置するのである。またモノフィラメントと小径素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸を交互に配置して上記の中間的な性能とすることもできる。
また、中間緯糸層を多層とすることもでき、クッション性、耐ニップ性をさらに向上させることができる。中間緯糸層に配置する糸は、やはり要求される条件に応じて適宜決定することができ特に限定されないが、剛性面を考慮すると上下層どちらかにモノフィラメントを配置することが好ましい。
例えば上側中間層緯糸をモノフィラメントと小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸との交互配置とし、下側中間層緯糸を小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸とするのである。
各緯糸の重なりや本数密度についても特に限定されることはなく、自由に選択することができる。
中間緯糸層と走行面側緯糸層の上下の重なりをずらして配置すると走行面側緯糸が中間緯糸に多少入り込むため織物の厚みが薄くなって湿紙受け取り面側緯糸から走行面への水分の移動が良好となる。
また中間緯糸にも小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸を配置すると毛細管状空間が斜めに連結されるので水分は斜め方向に移動するのでサクションが走行面側緯糸に妨げられることなく中間緯糸層に作用するので脱水効率が良好となる。
また中間緯糸層の緯糸本数を湿紙受け取り面側緯糸層と走行面側緯糸層の緯糸本数より少なくすると湿紙受け取り面側緯糸層から走行面側緯糸層への水分の移動が良好となる。
また走行面側緯糸層の緯糸本数を中間緯糸層の緯糸本数より多くすると走行面が密に形成されるため毛細管引力が向上し走行面側緯糸層への水分の移動が良好となり、脱水効率が良好となる。またモノフィラメントの本数が増加すると耐摩耗性と剛性が向上する。
【0012】
【実施例】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明のトランスファーファブリック1を使用した製紙機械の概要図である。
【0013】
図1においてヘッドボックス3から噴出されるパルプスラリーを抄紙用織物2,2′で脱水し、抄造した湿紙をトランスファーファブリック1が湿紙受け取り部Aでニップ圧によって受け取り、順次抄き合わせ、脱水部(プレスパート)Bへ送り込んでいる。A部で湿紙がトランスファーファブリックに受け渡されるがA部のニップ圧は3.5〜7Kg/cmで、強制吸引装置は付いていない。
図2は別の実施例であって、左端側の抄紙機の抄紙用織物2′に代わってトランスファーファブリックが脱水と地合形成を行う例であり、それ以外は図1と同様である。
【0014】
図3は別の実施例であって、接触面圧にて抄紙用織物2からトランスファーファブリック1に受け渡す実施例である。強制吸引装置やロールニップは設置されていない。
【0015】
図4は、別の実施例であって、円網シリンダー5で抄造した湿紙をトランスファーファブリック1が湿紙受取部Aでニップ圧によって受け取り、順次抄き合わせ、脱水部Bへ送り込む実施例である。
【0016】
図5は、本発明のトランスファーファブリックの一実施例を示す平面図であり、図6は、図5のI−I′線で切断した経糸に沿った断面図である。
経糸6に直径0.35mmのポリアミドモノフィラメントを1インチ当たり90本配置し、湿紙受け取り面側緯糸7に540デニールの2本のポリアミドタスラン加工糸と800デニールのポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸を1インチ当たり22本配置し、中間層緯糸には直径0.45mmのポリエステルモノフィラメント8と見掛け直径1.0mmのポリエステルモール糸9とを交互に1インチ当たり22本配置し、走行面側緯糸には直径0.35mmのポリアミドモノフノラメント10と540デニールの2本のポリアミドタスラン加工糸と800デニールのポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11を1インチ当たり22本ずつ配置した8シャフトの経糸一重緯糸三重織の織物からなるものである。
【0017】
図7は、本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す平面図であり、図8は、図7をII−II′線で切断した経糸に沿った断面図である。
経糸6にポリエステルモノフィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸7にポリアミドスパン糸を配置し、中間層緯糸8にはポリアミドモノフィラメントを配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11を配置した8シャフトの経糸一重緯糸三重織の織物からなるものである。
【0018】
図9は、本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
経糸6にポリエステルモノフィラメントの撚り糸を配置し、湿紙受け取り面側緯糸7にポリアミドスパン糸を配置し、中間層緯糸にはポリアミドモノフィラメントの撚り糸8と、ポリアミドモノフィラメント9とを交互に配置し、走行面側緯糸にポリアミドモノフィラメント10と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11を配置した、8シャフトの緯糸三重織の織物からなるものである。
【0019】
図10は、本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。湿紙受け取り面側経糸12にポリアミドマルチフィラメントを配置し、走行面側経糸13にポリエステルモノフィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸7にポリアミドマルチフィラメントを配置し、中間層緯糸8にポリアミドモノフィラメントの撚り糸を配置し、走行面側緯糸にポリアミドモノフィラメント10とポリアミドモール糸11を配置した、8シャフトの経糸二重緯糸三重織の織物からなるもの
である。
【0020】
図11は、本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
湿紙受け取り面測経糸12にポリエステルモノフィラメントの芯糸にポリアミドスパン糸を巻き付けた糸を配置し、走行面側経糸13にポリエステルモノフィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸7にウーリーナイロン糸を配置し、走行面側緯糸にポリアミドモノフィラメント10とポエステルスパーン糸(図示せず)を配置し、接結糸18としてポリアミドモノフィラメントを配置した、8シャフトの経糸二重緯糸二重織の二層織物の織物からなるものである。
【0021】
図12は本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経糸6にポリアミドマルチフィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸7を配置し、中間緯糸層にはポリエステルモノフィラメント8とポリエステルモール糸9とを交互に配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11とを交互に中間層緯糸との重なりをずらして配置した8シャフトの緯糸三重織の織物からなるものである。
【0022】
図13は本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経糸6にポリアミドマルチフィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸7を配置し、中間緯糸層にはポリエステルモール糸8を、湿紙受け取り面側緯糸及び走行面側緯糸の半分の密度で配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11とを交互に湿紙受け取り面側緯糸と中間層緯糸との重なりをずらして配置した8シャフトの緯糸三重織の織物からなるものである。
【0023】
図14は本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経糸6にポリアミドマルチフィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸7を配置し、中間緯糸層にはポリエステルモノフィラメント8と、ポリエステルモール糸9を交互に配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11とを交互に中間層緯糸の2倍の密度でかつ中間層緯糸との重なりをずらして配置した、8シャフトの緯糸三重織の織物からなるものである。
【0024】
図15は本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経糸6にポリアミドモノフィラメントを配置し、湿紙受け取り面測緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの捲縮加工糸とを共撚りした糸7を配置し、上側中間層緯糸にはポリエステルモノフィラメント14と、ポリアミドマルチフィラメントの捲縮加工糸を3本撚りした糸9とを交互配置し、下側中間層緯糸にはポリアミドマルチフィラメントの捲縮加工糸を3本撚りした糸16と、ポリアミドモール糸17とを交互配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの捲縮加工糸とを共撚りした糸11を交互配置した、8シャフトの緯糸四重織の織物からなるものである。
本実施例では中間緯糸層の糸の配置を、モノフィラメントの走行面側緯糸の上側に小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸の下側中間層緯糸とモノフィラメントの上側中間層緯糸を配置し、小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸の走行面側緯糸の上側に小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸の下側中間層緯糸と小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸の上側中間層緯糸を配置することにより、小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸のみからなる緯糸の列とモノフィラメントが配置された緯糸の列とを形成させた。
このように構成することにより、小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸のみからなる緯糸の列に毛細管引力による水分の走行面側へのスムーズな移動を受け持たせ、モノフィラメントが配置された緯糸の列にクッション性、耐ニップ性、剛性の向上を受け持たせることができ、それぞれの列に主な役割を分担させることにより、効率よく各性能を向上させることができる。
次に本発明の実施例であるトランスファーファブリックと従来例であるニードルフェルト、織網との比較試験を示して本発明の効果を説明する。
【0025】
実施例1
本発明の実施例1には図5,6に示した実施例を採用し、比較例は下記に示す従来ニードルフェルトと、かってテストしたモノフィラメントの織網とした。
【0026】
比較例1
経糸にポリアミドモノフィラメント撚糸、緯糸にポリアミドモノフィラメントを用いた基布に1m2当たり1Kgのポリアミド製バットをニードリングによって交絡させたニードルフェルト。
【0027】
比較例2
経糸に直径0.15mmのポリエステルモノフィラメントを1インチ当たり180本配置し、湿紙受け取り面側緯糸に直径0.13mmのナイロンモノフィラメントと直径0.17mmのポリエステルモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合計で96本配置し、走行面側緯糸には直径0.22mmのポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合計で48本配置した7シャフトの経糸一重緯糸二重織物。
【0028】
比較例3
経糸に線径0.35mmのポリアミドモノフィラメントを1インチ当り90本配置し、湿紙受け取り面側緯糸に540デニールのポリアミドタスラン加工糸と800デニールのポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸を1インチ当り28本配置し、中間層緯糸には線径0.45mmのポリエステルモノフィラメントを1インチ当り28本配置し、走行面側緯糸には直径0.40mmのポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合計で28本配置した8シャフトの経糸一重緯糸二重織の特願平9−238798発明のトランスファーファブリックである。
【0029】
比較試験
1.ジート・トランスファー
タッピスタンダードシートテスターで段ボール故紙原科を下記に示す抄紙用織物で抄紙し、実施例と比較例を湿紙受け取り面上に反転してのせ、ロールプレス(φ80mm,約0.75Kg/cm)後、抄紙網を剥がす際に湿紙がどちら側に付着するか判定した。
トランスファー性は実施例、比較例3、比較例1の順に良好であった。比較例2は安定してトランスファーすることができなかった。
使用した抄紙用織物は、経糸に直径0.17mmのポリエステルモノフィラメントを1インチ当たり155本配置し、湿紙受け取り面側緯糸に直径0.13mmのナイロンモノフィラメントと直径0.20mmのポリエステルモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合計で86本配置し、走行面側緯糸には直径0.22mmのポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合計で43本配置した7シャフトの経糸一重緯糸二重織物である。
【0030】
2.耐シャワー性
実施例1と比較例を枠に設置し、高圧シャワーを下記の条件で当てて、シャワーに対する耐久性を見た。
シャワー圧 : 20,30Kg/cm2
ノズル径 : 1mm
距 離 : 100mm
摺動距離 : 経糸方向50mm,緯糸方向50mm
摺動速度 : 経糸方向50mm/30sec,緯糸方向50mm/7sec
シャワー圧20Kg/cm2では、比較例1は20分でかなり穴明きが見られ、比較例2は1時間でも全く問題なく、実施例1は30分で多少毛羽立ちが発生したが穴明きや糸の切断は見られない。
シャワー圧30Kg/cm2では、比較例1は1サイクルする前に穴明きが発生し、比較例2は1時間でも全く問題なく、実施例1及び比較例3は10分で多少毛羽立ちが発生したが穴明きや糸の切断は見られない。
3.耐ニップ性
下記の条件で2本のロール間にサンプルを挟んでニップを加えながら摺動させ、糸のフィブリル化やつぶれ具合を判定した。
張 力 : 2.5Kg/cm
ニップロール: φ40mm×2本(クロムメッキ・スチール製)
ニップ条件 : 乾式15Kg/cm
ストローク : 100mm
摺動速度 : 50回/min
摺動回数 : 15,000往復
比較例1は外観上さほど変化は見られないが、厚さが36.25%も減少した。比較例2は経糸と上下のポリエステルモノフィラメントにフィブリル化が発生した。厚さの減少は4.3%であった。
実施例1及び比較例3はフィブリル化の発生は全くなく、湿紙受け取り面側緯糸のポリアミドマルチフィラメントのタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸が多少つぶれて平らになる程度であった。厚さの減少は実施例1が10.1%であり比較例3が8.4%であった。
また、図2に示したタイプの製紙機械にて抄速400m/分で実施例のトランスファーファブリックを試用したところ地合形成部での脱水及びプレスパート移送部前に配置したサクションボックスでの脱水も良好であり、抄紙用織物からトランスファーファブリックーの湿紙の受け渡しも全く問題がなく良好であった。
プレスパートへの移送時点の湿紙水分は比較例1のニードルフェルトの場合は約85%、比較例3の特願平9−238798号の発明のトランスファーファブリックーは約91%であったのに対し本発明の実施例は約87%であった。
この結果から発明のトランスファーファブリックーの脱水性はニードルフェルトとほぼ同レベルであり、シートトランスファー性はニードルフェルトと同様良好であり、耐シャワー性はニードルフェルトと比較すると断然有利であり、耐ニップ性については最も優れていることがわかる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のトランスファーファブリックは、抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から安定して良好に受け取って次の脱水部へ送り込むことができる。
また、脱水性も良好であるため、次の脱水部へ繰り込む時点での湿紙の水分率を低下させることができるので抄紙速度を上げることができ、さらに、プレス部での紙砕けの発生はない利点を有する。
また、耐シャワー性に優れており、高圧シャワー洗浄が可能で汚れを簡単に除去することができるため、抄紙速度を上げることが可能となる。
さらに、耐ニップ性が優れており、厚さの減少も少ないため、長期間使用されてもクッション性、脱水性能が低下することなく、使用末期まで良好なシートトランスファー性を維持できる。
このような良好な湿紙トランスファー性と洗浄性を有するトランスファーファブリックを使用することにより、本発明の最終的な目的である紙の生産性向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスファーファブリックを使用した製紙機械の実施例を示す概要図である。
【図2】本発明のトランスファーファブリックを使用した製紙機械の他の実施例を示す概要図である。
【図3】本発明のトランスファーファブリックを使用した製紙機械の他の実施例を示す概要図である。
【図4】本発明のトランスファーファブリックを使用した製紙機械の他の実施例を示す概要図である。
【図5】本発明のトランスファーファブリックの一実施例を示す平面図である。
【図6】図5のI−I′線で切断した経糸に沿った断面図である。
【図7】本発明のトランスファーファブリックの一実施例を示す平面図である。
【図8】図7のII−II′線で切断した経糸に沿った断面図である。
【図9】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【図10】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【図11】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
【図12】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【図13】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【図14】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
【図15】本発明のトランスファーファブリックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 トランスファーファブリック
2 抄紙用織物
2′抄紙用織物
3 ヘッドボックス
4 紙料バット
5 円網シリンダー
6 経糸
7 湿紙受け取り面側緯糸
8 中間層緯糸
9 他の中間層緯糸
10 走行面側緯糸
11 他の走行面側緯糸
12 湿紙受け取り面側経糸
13 走行面側経糸
14 上側中間層緯糸
15 他の上側中間層緯糸
16 下側中間層緯糸
17 他の下側中間層緯糸
18 接結糸
A 湿紙受け取り部
B 脱水部
Claims (12)
- 抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から受け取り、次の脱水部に送り込むトランスファーファブリックにおいて、
緯糸を、走行面側はモノフィラメントと小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、湿紙受け取り面側は小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、
経糸を、モノフィラメントまたはモノフィラメント撚糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を単層配置して織成した織網であることを特徴とするトランスファーファブリック。 - 請求項1に記載されたトランスファーファブリックの経糸を、走行面側はモノフィラメントとし、湿紙受け取り面側はモノフィラメント及び/または小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を複数層配置して織成した、トランスファーファブリック。
- 小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸が、スパン糸,マルチフィラメント,,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸である、請求項1又は2に記載されたトランスファーファブリック。
- 複数の抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から受け取り、順次抄き合わせた複数層の湿紙を次の脱水部に送り込む、請求項1ないし3のいずれが1項に記載されたトランスファーファブリック。
- 走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間にモノフィラメントから成る中間緯糸層を配置した、請求項1ないし4のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリックの、走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間にスパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸、から選ばれた中間緯糸層を配置した、トランスファーファブリック。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリックの、走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間に、モノフィラメントとスパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,これらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸から成る中間緯糸層を配置した、トランスファーファブリック。
- 中間緯糸層を上側中間層緯糸と下側中間層緯糸とからなる上下二層構造とした、請求項5ないし7のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
- 中間緯糸層と走行面側緯糸層の上下の重なりをずらして配置した、請求項5乃至8のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
- 中間緯糸層の緯糸の本数が走行面側緯糸層と湿紙受け取り面緯糸層の緯糸の本数より少ない本数である、請求項5ないし8のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
- 走行面側緯糸層の緯糸の本数が中間緯糸層の緯糸の本数より多い本数である、請求項5ないし10のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリック。
- 複数の抄造部で抄造した湿紙を順次ニップ圧または接触面圧で抄紙用織物から請求項1ないし11のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリックに受け取って抄き合わせた複数層の湿紙を、該トランスファーファブリックから次の脱水部に送り込むことを特徴とする製紙機械。
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