JP2000226787A - トランスファーファブリック及びこれを使用する製紙機械 - Google Patents
トランスファーファブリック及びこれを使用する製紙機械Info
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Abstract
るトランスファーファブリックとこれを使用する製紙機
械を提供する。 【解決手段】 抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から
受け取り、次の脱水部に送り込むトランスファーファブ
リックにおいて、緯糸を、走行面側はモノフィラメント
と小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸と
し、湿紙受け取り面側は小径の素糸を纏めて素糸間に吸
水間隙を形成した糸とし、経糸を、モノフィラメントま
たはモノフィラメント撚糸とし、緯糸を複数層配置し、
経糸を単層配置して織成した織網であることを特徴とす
るトランスファーファブリックとこれを使用する製紙機
械である。
Description
に湿紙を移送するトランスファーファブリックと該ファ
ブリックを用いた製紙機械に関する。
受け取り、次の脱水部へ送り込むものとしては、モノフ
ィラメント又はマルチフィラメントを織り合わせた基布
の表面と裏面に合成繊維のバットをニードリングによっ
て交絡させたいわゆるニードルフェルトやモノフィラメ
ントを用いて構成した単層織物や緯糸2重織物であるワ
イヤーが知られている。
紙の受け渡し場所は多数あり、一般的にトランスファー
サクションボックスとかトランスファーサクションロー
ルと呼ばれる強制吸引装置によって受け渡しを行ってい
る。吸引力を利用する理由は、この方法が湿紙を最も安
定してトランスファーさせることができるからである
が、デメリットとして、吸引圧が適正以上にかかると湿
紙中から微細繊維や填料が水と一緒に抜かれて、紙の表
裏差,カール性,強度などの紙品質に影響を及ぼし、ま
た抄紙用織物やフェルトの早期摩耗・異常摩耗などを引
き起こす危険がある。また、設備費,維持管理費等のコ
スト面でも高くなる。ニードルフェルトは、z軸方向全
体にバットが密集しているため、抄紙原料内の繊維,填
料,薬品等がフェルト内部に蓄積され易い。又、汚れを
除去するために高圧洗浄シャワーを使用するとバット繊
維が切れて穴明きが発生し易く洗浄性も悪い。従って、
抄造部で抄造した湿紙をニップ圧で抄紙用織物から受け
取り、次の脱水部へ送り込むタイプの製紙機械において
は、このニードルフェルトの性能限界のために、抄紙速
度が上げられず、紙の生産性向上の妨げになっている。
又、ニードルフェルトの洗浄性改善を目的として、経
糸,緯糸共にモノフィラメントを用い、バットをニード
リングしない織物が試用されたこともあるが、抄造部と
ニップ部に於いて、湿紙からこの織物への水分の移動が
不十分のため、湿紙のこの織物へのトランスファー性が
不安定で断紙が多発し、使用に耐えなかった。本発明は
上記の欠点を解決し、良好な湿紙トランスファー性と洗
浄性を有するトランスファーファブリックを提供し、こ
のトランスファーファブリックの使用による紙の生産性
向上を目的とするものである。
り、次の脱水部に送り込むトランスファーファブリック
において、緯糸を、走行面側はモノフィラメントと小径
の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、湿
紙受け取り面側は小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙
を形成した糸とし、経糸を、モノフィラメントまたはモ
ノフィラメント撚糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を
単層配置して織成した織網であることを特徴とするトラ
ンスファーファブリック。 2. 1項に記載されたトランスファーファブリックの
経糸を、走行面側はモノフィラメントとし、湿紙受け取
り面側はモノフィラメント及び/または小径の素糸を纏
めた素糸間に吸水間隙を形成した糸とし、緯糸を複数層
配置し、経糸を複数層配置して織成した、トランスファ
ーファブリック。 3. 小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した
糸が、スパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメン
ト撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラ
メントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメ
ントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,また
はこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選
ばれた糸である、1項又は2項に記載されたトランスフ
ァーファブリック。 4. 複数の抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から受
け取り、順次抄き合わせた複数層の湿紙を次の脱水部に
送り込む、1項ないし3項のいずれか1項に記載された
トランスファーファブリック。 5. 走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸層との間
にモノフィラメントから成る中間緯糸層を配置した、1
項ないし4項のいずれか1項に記載されたトランスファ
ーファブリック。 6. 1項ないし4項のいずれか1項に記載されたトラ
ンスファーファブリックの、走行面側緯糸層と湿紙受け
取り面側緯糸層との間にスパン糸,マルチフィラメン
ト,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント
加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付け
た糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを
巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上
を共撚した糸、から選ばれた中間緯糸層を配置した、ト
ランスファーファブリック。 7. 1項ないし4項のいずれか1項に記載されたトラ
ンスファーファブリックの、走行面側緯糸層と湿紙受け
取り面側緯糸層との間に、モノフィラメントとスパン
糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モ
ール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントへの芯
線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線
にマルチフィラメントを巻き付けた糸,これらのうち少
なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸から成る
中間緯糸層を配置した、トランスファーファブリック。 8. 中間緯糸層を上側中間層緯糸と下側中間層緯糸と
からなる上下二層構造とした、5項ないし7項のいずれ
か1項に記載されたトランスファーファブリック。 9. 中間緯糸層と走行面側緯糸層の上下の重なりをず
らして配置した、5項乃至8項のいずれか1項に記載さ
れたトランスファーファブリック。 10. 中間緯糸層の緯糸の本数が走行面側緯糸層と湿
紙受け取り面緯糸層の緯糸の本数より少ない本数であ
る、5項ないし8項のいずれか1項に記載されたトラン
スファーファブリック。 11. 走行面側緯糸層の緯糸の本数が中間緯糸層の緯
糸の本数より多い本数である、5項ないし10項のいず
れか1項に記載されたトランスファーファブリック。 12. 複数の抄造部で抄造した湿紙を順次ニップ圧ま
たは接触面圧で抄紙用織物から1項ないし11項のいず
れか1項に記載されたトランスファーファブリックに受
け取って抄き合わせた複数層の湿紙を、該トランスファ
ーファブリックから次の脱水部に送り込むことを特徴と
する製紙機械。」 に関する。
ックが湿紙の受け渡しを安定して行うためには、受ける
測のトランスファーファブリックの特性を利用する必要
がある。湿紙のトランスファー性を決めるファクターと
しては、トランスファーファブリックの表面密度、湿紙
との接触面積、湿紙からの脱水能力等があり、特に脱水
能力が重要となる。2本のロール間のニップ圧によって
湿紙の受け渡しを行う場合、ニップ圧で水分率85%前
後の湿紙と受け取り側のトランスファーファブリックが
圧縮され、圧が緩む際に湿紙から水を吸い取る力となる
毛細管引力の弱い抄紙用織物側から毛細管引力の強い受
け取り側のトランスファーファブリックへと湿紙がトラ
ンスファーされると考えられる。従って、この目的だけ
から見れば、表面から裏面まで微細な合成繊維バットで
満たされ、圧縮性の大きなニードルフェルトは最適な受
け取り側ファブリックと言える。しかしながら、前述の
ように湿紙から水を吸い取ることは、同時に湿紙中の微
細繊維,填料,薬品等がこのフェルト内に入り込むこと
となり、洗浄する必要が出てくる。ところが、微細な合
成繊維バットで満たされている構造ゆえに、入り込んだ
汚れが除去し難〈、脱水斑やマークの発生原因となる。
又、高圧洗浄シャワーを使用すると、その水圧の衝撃に
よってバット繊維が切れて穴明きが発生する。一方、洗
浄性を重視して、経糸,緯糸共に耐高圧洗浄シャワー性
の高いモノフィラメントを使って構成した単層織物や緯
糸2重織物を受け取り側ファブリックとすると、抄紙用
織物より細かいメッシュの場合でさえ、湿紙の受け渡し
が不安定で断紙が発生して抄速ダウンとなった。これ
は、抄紙の際、紙の繊維が抄紙用織物の経糸,緯糸の交
差部等に刺さり込むため、湿紙が抄紙用織物から剥がれ
難くなっており、湿紙受け取り側の織物の表面密度と接
触面積が大きくても、容易にトランスファーすることが
出来なくなり、強制吸引装置によって安定を図っている
が紙質の低下や、抄紙用織物の摩耗、設備費、維持管理
費などのコストが高くなる。
9−238798号の発明では、これ等の問題を解決す
るため、バットを用いない織網構造とし、湿紙受け取り
面側に吸水・脱水性能を有する糸、例えばスパン糸,マ
ルチフィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール
糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にス
パン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマル
チフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少
なくとも2種以上を共撚した糸等を用いて、これ等の糸
を織り込むことによりファブリックの毛細管間隙を多数
形成して毛細管引力による湿紙からの吸水性を向上し、
湿紙の吸引用を高めて、湿紙受け取りの安定化を計り、
走行面側は洗浄性を良くするためにモノフィラメント主
体の網目構造にして、洗浄シャワーの通り易い立体空間
を確保した多機能織物を形成したのである。このように
本発明者等が発明し先に出願された特願平9−2387
98号の発明は従来の技術とは異なり非常に優れた効果
を奏し、好評を受けて使用されている。しかしながら、
抄紙速度をさらに高速にすると次の脱水部であるプレス
パートへ移送する場所で湿紙水分率がやや高くなり、そ
のためリリース不良や断紙が発生する傾向が見られた。
また、プレスパートで水分率が高いと水の逃げ場がない
ので紙砕けが発生する問題もある。本発明者等は先に出
願した発明のトランスファーファブリックはその明細書
に説明されているようにプレスニップ圧によってトラン
スファーファブリックの毛細管引力を利用して水分をト
ランスファーファブリックに移動させ湿紙を受けとる脱
水能力はニードルフェルトと同様に良好であったことか
らトランスファー後の脱水装置に置ける脱水効率が悪い
ものと考えた。すなわち、湿紙を受け取る面側の保水力
が高いため走行面側に水分を移動させることができず、
湿紙が形成された状態でもサクションがリークしてしま
い湿紙水分が抜けず、湿紙水分を十分に低下させること
が出来なかったのである。特に抄紙用織物から湿紙を受
けとった後は走行面側に開口した網目ろ水性空間よりも
毛細管状空間が脱水に有効となる。したがって、湿紙水
分を低下させるためには湿紙受け取り面側に保水されて
いる水分を走行面側に移動させることが必要である。そ
こで、本発明では走行面側緯糸にも小径の素糸を纏めて
素糸間に吸水間隙を形成した糸を配置したのである。そ
して耐摩耗性、剛性を損なわないようにモノフィラメン
トを配置して交織するのである。モノフィラメントと小
径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸の本数
比や配置順は使用条件により適宜決定する。走行面側緯
糸にも小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した
糸を配置したことにより毛細管状空間が湿紙受け取り面
側から走行面側まで途切れることなく連続的に形成され
るので水分の走行面側への移動が良好に行われる。水分
が走行面側に移動されれば脱水装置が走行面側に配置さ
れているのでサクションがリークすることなく作用し、
脱水が効率的に進行し湿紙水分を低下させることができ
る。モノフィラメントの割合を大きくすると耐摩耗性、
剛性が良好となり、小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間
隙を形成した糸の割合を大きくすると水分の走行面側へ
の移動が良好になる。なお、本明細書において、スパン
糸とは短繊維を収束させて糸状としたものの意味であっ
て、紡績糸等である。また、マルチフィラメントとは細
かい単繊維を収束させて糸状としたもの、フィラメント
加工糸とはフィラメント糸に伸縮加工やかさ高加工、巻
縮加工等をほどこした糸状体であり、一般にテクスチャ
ードヤーン,バルキーヤーン,ストレッチヤーン、コン
ジュケイトヤーンと称される糸を含む意味であり、タス
ラン糸、ウーリーナイロン等もこれに含まれる。モール
糸とはマルチフィラメント等の芯糸を中心に短繊維を放
射状に配置させて糸状としたものである。放射状に配置
した短繊維に巻縮加工等を施したものも含まれる。又、
本発明は走行面がモノフィラメントを配置した網目構造
を有することにより、ニードルフェルトに比べて、織物
としての剛性が高くなり、使用時の寸法変化(長さ方向
の伸び,巾方向の縮み)が極めて小さくなるので、過大
なストレッチャーや巾出しロール等の装置が不要となる
副次的効果も得られる。また、使用時の厚さの減少も極
めて小さい。
用するにつれ、次第に圧縮されて厚さが減少し、それに
応じて脱水能力が低下するが、本発明のトランスファー
ファブリックは織網としての剛性が高いため、厚さの減
少が少なく、使用末期まで良好な脱水能力を維持でき
る。耐高圧洗浄シャワー性については、ニードルフェル
トのバットはニードリングによって、部分的に基布に交
絡されてはいるものの、基本的には繊維一本一本は、た
だ互いに緩やかに絡んでいる程度の状態にあるため、シ
ャワー水の衝撃によって簡単に切断し脱落してしまい、
穴明きが発生してしまう。
ブリックの表面を構成している糸は、ニードルフェルト
のバットと同じ様な細い繊維の集合体でありながら、全
体が織網構造を有しているために、緯糸ならば経糸に、
経糸ならば緯糸に短い周期で互いに織り込まれて、強く
拘束されているので、シャワー水の衝撃で切断されたり
脱落することはない。この耐高圧シャワー性も湿紙受け
取り面を織網構造にしたことによって得られた効果であ
る。
ントまたはモノフィラメント撚糸の層を有し、緯糸が湿
紙受け取り面側に小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙
を形成した糸であり、走行面側にモノフィラメントと、
小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸とを
配置した多層に形成されていれば特に限定されず、経糸
一重緯糸二重、経糸一重緯糸三重、経糸二重緯糸三重、
経糸二重緯糸二重の二層構造等、色々な構造が採用でき
る。小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸
としては、スパン糸,マルチフィラメント,モノフィラ
メント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフ
ィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィ
ラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,
またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸か
ら選ばれた糸等が使用される。
メント撚糸の層は剛性と寸法安定性の向上、走行面側の
モノフィラメントは剛性と耐摩耗性の向上の役割を果た
し、小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸
は湿紙の水分を吸収する役割を果たす。走行面緯糸のモ
ノフィラメントの材質をポリアミドとした場合、耐ニッ
プ性、耐摩耗性に優れている。剛性重視の場合には、ポ
リエステルを用いる。また、両特性のバランスを考えれ
ば、ポリアミドとポリエステルとを交互に配置すること
もできる。経糸を二層にすると、走行面側はモノフィラ
メントとし、湿紙受け取り面側を小径の素糸を纏めた素
糸間に吸水間隙を形成した糸とすることができる。走行
面のモノフィラメントで主に剛性、寸法安定性向上を図
り、湿紙受け取り面側を小径の素糸を纏めた素糸間に吸
水間隙を形成した糸で脱水能力向上を図るのである。
はモノフィラメントや湿紙受け取り面と同じ中間緯糸層
を配置することができ、織物のクッション性、脱水能力
を向上させることができる。要求される条件に応じて、
より剛性を向上したい場合はモノフィラメントを配置す
ることにより剛性を大きくすることができ、より脱水能
力を向上したい場合は湿紙受け取り面と同様な小径の素
糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸を配置するの
である。またモノフィラメントと小径素糸を纏めた素糸
間に吸水間隙を形成した糸を交互に配置して上記の中間
的な性能とすることもできる。また、中間緯糸層を多層
とすることもでき、クッション性、耐ニップ性をさらに
向上させることができる。中間緯糸層に配置する糸は、
やはり要求される条件に応じて適宜決定することができ
特に限定されないが、剛性面を考慮すると上下層どちら
かにモノフィラメントを配置することが好ましい。例え
ば上側中間層緯糸をモノフィラメントと小径の素糸を纏
めた素糸間に吸水間隙を形成した糸との交互配置とし、
下側中間層緯糸を小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙
を形成した糸とするのである。各緯糸の重なりや本数密
度についても特に限定されることはなく、自由に選択す
ることができる。中間緯糸層と走行面側緯糸層の上下の
重なりをずらして配置すると走行面側緯糸が中間緯糸に
多少入り込むため織物の厚みが薄くなって湿紙受け取り
面側緯糸から走行面への水分の移動が良好となる。また
中間緯糸にも小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形
成した糸を配置すると毛細管状空間が斜めに連結される
ので水分は斜め方向に移動するのでサクションが走行面
側緯糸に妨げられることなく中間緯糸層に作用するので
脱水効率が良好となる。また中間緯糸層の緯糸本数を湿
紙受け取り面側緯糸層と走行面側緯糸層の緯糸本数より
少なくすると湿紙受け取り面側緯糸層から走行面側緯糸
層への水分の移動が良好となる。また走行面側緯糸層の
緯糸本数を中間緯糸層の緯糸本数より多くすると走行面
が密に形成されるため毛細管引力が向上し走行面側緯糸
層への水分の移動が良好となり、脱水効率が良好とな
る。またモノフィラメントの本数が増加すると耐摩耗性
と剛性が向上する。
照して説明する。図1及び図2は本発明のトランスファ
ーファブリック1を使用した製紙機械の概要図である。
れるパルプスラリーを抄紙用織物2,2′で脱水し、抄
造した湿紙をトランスファーファブリック1が湿紙受け
取り部Aでニップ圧によって受け取り、順次抄き合わ
せ、脱水部(プレスパート)Bへ送り込んでいる。A部
で湿紙がトランスファーファブリックに受け渡されるが
A部のニップ圧は3.5〜7Kg/cmで、強制吸引装
置は付いていない。図2は別の実施例であって、左端側
の抄紙機の抄紙用織物2′に代わってトランスファーフ
ァブリックが脱水と地合形成を行う例であり、それ以外
は図1と同様である。
抄紙用織物2からトランスファーファブリック1に受け
渡す実施例である。強制吸引装置やロールニップは設置
されていない。
ダー5で抄造した湿紙をトランスファーファブリック1
が湿紙受取部Aでニップ圧によって受け取り、順次抄き
合わせ、脱水部Bへ送り込む実施例である。
ックの一実施例を示す平面図であり、図6は、図5のI
−I′線で切断した経糸に沿った断面図である。経糸6
に直径0.35mmのポリアミドモノフィラメントを1
インチ当たり90本配置し、湿紙受け取り面側緯糸7に
540デニールの2本のポリアミドタスラン加工糸と8
00デニールのポリアミドマルチフィラメントの巻縮加
工糸とを共撚した糸を1インチ当たり22本配置し、中
間層緯糸には直径0.45mmのポリエステルモノフィ
ラメント8と見掛け直径1.0mmのポリエステルモー
ル糸9とを交互に1インチ当たり22本配置し、走行面
側緯糸には直径0.35mmのポリアミドモノフノラメ
ント10と540デニールの2本のポリアミドタスラン
加工糸と800デニールのポリアミドマルチフィラメン
トの巻縮加工糸とを共撚した糸11を1インチ当たり2
2本ずつ配置した8シャフトの経糸一重緯糸三重織の織
物からなるものである。
ックの他の実施例を示す平面図であり、図8は、図7を
II−II′線で切断した経糸に沿った断面図である。
経糸6にポリエステルモノフィラメントを配置し、湿紙
受け取り面側緯糸7にポリアミドスパン糸を配置し、中
間層緯糸8にはポリアミドモノフィラメントを配置し、
走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、
2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフ
ィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11を配置した
8シャフトの経糸一重緯糸三重織の織物からなるもので
ある。
ックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経
糸6にポリエステルモノフィラメントの撚り糸を配置
し、湿紙受け取り面側緯糸7にポリアミドスパン糸を配
置し、中間層緯糸にはポリアミドモノフィラメントの撚
り糸8と、ポリアミドモノフィラメント9とを交互に配
置し、走行面側緯糸にポリアミドモノフィラメント10
と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマル
チフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11を配置
した、8シャフトの緯糸三重織の織物からなるものであ
る。
リックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
湿紙受け取り面側経糸12にポリアミドマルチフィラメ
ントを配置し、走行面側経糸13にポリエステルモノフ
ィラメントを配置し、湿紙受け取り面側緯糸7にポリア
ミドマルチフィラメントを配置し、中間層緯糸8にポリ
アミドモノフィラメントの撚り糸を配置し、走行面側緯
糸にポリアミドモノフィラメント10とポリアミドモー
ル糸11を配置した、8シャフトの経糸二重緯糸三重織
の織物からなるものである。
リックの他の実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
湿紙受け取り面測経糸12にポリエステルモノフィラメ
ントの芯糸にポリアミドスパン糸を巻き付けた糸を配置
し、走行面側経糸13にポリエステルモノフィラメント
を配置し、湿紙受け取り面側緯糸7にウーリーナイロン
糸を配置し、走行面側緯糸にポリアミドモノフィラメン
ト10とポエステルスパーン糸(図示せず)を配置し、
接結糸18としてポリアミドモノフィラメントを配置し
た、8シャフトの経糸二重緯糸二重織の二層織物の織物
からなるものである。
ックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経
糸6にポリアミドマルチフィラメントを配置し、湿紙受
け取り面側緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポ
リアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した
糸7を配置し、中間緯糸層にはポリエステルモノフィラ
メント8とポリエステルモール糸9とを交互に配置し、
走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、
2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフ
ィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11とを交互に
中間層緯糸との重なりをずらして配置した8シャフトの
緯糸三重織の織物からなるものである。
ックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経
糸6にポリアミドマルチフィラメントを配置し、湿紙受
け取り面側緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポ
リアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した
糸7を配置し、中間緯糸層にはポリエステルモール糸8
を、湿紙受け取り面側緯糸及び走行面側緯糸の半分の密
度で配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメ
ント10と、2本のポリアミドタスラン加工糸とポリア
ミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸1
1とを交互に湿紙受け取り面側緯糸と中間層緯糸との重
なりをずらして配置した8シャフトの緯糸三重織の織物
からなるものである。
ックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経
糸6にポリアミドマルチフィラメントを配置し、湿紙受
け取り面側緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポ
リアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した
糸7を配置し、中間緯糸層にはポリエステルモノフィラ
メント8と、ポリエステルモール糸9を交互に配置し、
走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメント10と、
2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミドマルチフ
ィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸11とを交互に
中間層緯糸の2倍の密度でかつ中間層緯糸との重なりを
ずらして配置した、8シャフトの緯糸三重織の織物から
なるものである。
ックの他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。経
糸6にポリアミドモノフィラメントを配置し、湿紙受け
取り面測緯糸に2本のポリアミドタスラン加工糸とポリ
アミドマルチフィラメントの捲縮加工糸とを共撚りした
糸7を配置し、上側中間層緯糸にはポリエステルモノフ
ィラメント14と、ポリアミドマルチフィラメントの捲
縮加工糸を3本撚りした糸9とを交互配置し、下側中間
層緯糸にはポリアミドマルチフィラメントの捲縮加工糸
を3本撚りした糸16と、ポリアミドモール糸17とを
交互配置し、走行面側緯糸にはポリアミドモノフィラメ
ント10と2本のポリアミドタスラン加工糸とポリアミ
ドマルチフィラメントの捲縮加工糸とを共撚りした糸1
1を交互配置した、8シャフトの緯糸四重織の織物から
なるものである。本実施例では中間緯糸層の糸の配置
を、モノフィラメントの走行面側緯糸の上側に小径の素
糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸の下側中間層
緯糸とモノフィラメントの上側中間層緯糸を配置し、小
径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸の走行
面側緯糸の上側に小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙
を形成した糸の下側中間層緯糸と小径の素糸を纏めた素
糸間に吸水間隙を形成した糸の上側中間層緯糸を配置す
ることにより、小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を
形成した糸のみからなる緯糸の列とモノフィラメントが
配置された緯糸の列とを形成させた。このように構成す
ることにより、小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を
形成した糸のみからなる緯糸の列に毛細管引力による水
分の走行面側へのスムーズな移動を受け持たせ、モノフ
ィラメントが配置された緯糸の列にクッション性、耐ニ
ップ性、剛性の向上を受け持たせることができ、それぞ
れの列に主な役割を分担させることにより、効率よく各
性能を向上させることができる。次に本発明の実施例で
あるトランスファーファブリックと従来例であるニード
ルフェルト、織網との比較試験を示して本発明の効果を
説明する。
し、比較例は下記に示す従来ニードルフェルトと、かっ
てテストしたモノフィラメントの織網とした。
ミドモノフィラメントを用いた基布に1m2当たり1K
gのポリアミド製バットをニードリングによって交絡さ
せたニードルフェルト。
トを1インチ当たり180本配置し、湿紙受け取り面側
緯糸に直径0.13mmのナイロンモノフィラメントと
直径0.17mmのポリエステルモノフィラメントとを
交互に1インチ当たり合計で96本配置し、走行面側緯
糸には直径0.22mmのポリエステルモノフィラメン
トとポリアミドモノフィラメントとを交互に1インチ当
たり合計で48本配置した7シャフトの経糸一重緯糸二
重織物。
を1インチ当り90本配置し、湿紙受け取り面側緯糸に
540デニールのポリアミドタスラン加工糸と800デ
ニールのポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸と
を共撚した糸を1インチ当り28本配置し、中間層緯糸
には線径0.45mmのポリエステルモノフィラメント
を1インチ当り28本配置し、走行面側緯糸には直径
0.40mmのポリエステルモノフィラメントとポリア
ミドモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合計で
28本配置した8シャフトの経糸一重緯糸二重織の特願
平9−238798発明のトランスファーファブリック
である。
を下記に示す抄紙用織物で抄紙し、実施例と比較例を湿
紙受け取り面上に反転してのせ、ロールプレス(φ80
mm,約0.75Kg/cm)後、抄紙網を剥がす際に
湿紙がどちら側に付着するか判定した。トランスファー
性は実施例、比較例3、比較例1の順に良好であった。
比較例2は安定してトランスファーすることができなか
った。使用した抄紙用織物は、経糸に直径0.17mm
のポリエステルモノフィラメントを1インチ当たり15
5本配置し、湿紙受け取り面側緯糸に直径0.13mm
のナイロンモノフィラメントと直径0.20mmのポリ
エステルモノフィラメントとを交互に1インチ当たり合
計で86本配置し、走行面側緯糸には直径0.22mm
のポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィ
ラメントとを交互に1インチ当たり合計で43本配置し
た7シャフトの経糸一重緯糸二重織物である。
条件で当てて、シャワーに対する耐久性を見た。 シャワー圧 : 20,30Kg/cm2 ノズル径 : 1mm 距 離 : 100mm 摺動距離 : 経糸方向50mm,緯糸方向50mm 摺動速度 : 経糸方向50mm/30sec,緯糸
方向50mm/7sec シャワー圧20Kg/cm2では、比較例1は20分で
かなり穴明きが見られ、比較例2は1時間でも全く問題
なく、実施例1は30分で多少毛羽立ちが発生したが穴
明きや糸の切断は見られない。シャワー圧30Kg/c
m2では、比較例1は1サイクルする前に穴明きが発生
し、比較例2は1時間でも全く問題なく、実施例1及び
比較例3は10分で多少毛羽立ちが発生したが穴明きや
糸の切断は見られない。 3.耐ニップ性 下記の条件で2本のロール間にサンプルを挟んでニップ
を加えながら摺動させ、糸のフィブリル化やつぶれ具合
を判定した。 張 力 : 2.5Kg/cm ニップロール: φ40mm×2本(クロムメッキ・ス
チール製) ニップ条件 : 乾式15Kg/cm ストローク : 100mm 摺動速度 : 50回/min 摺動回数 : 15,000往復 比較例1は外観上さほど変化は見られないが、厚さが3
6.25%も減少した。比較例2は経糸と上下のポリエ
ステルモノフィラメントにフィブリル化が発生した。厚
さの減少は4.3%であった。実施例1及び比較例3は
フィブリル化の発生は全くなく、湿紙受け取り面側緯糸
のポリアミドマルチフィラメントのタスラン加工糸とポ
リアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した
糸が多少つぶれて平らになる程度であった。厚さの減少
は実施例1が10.1%であり比較例3が8.4%であ
った。また、図2に示したタイプの製紙機械にて抄速4
00m/分で実施例のトランスファーファブリックを試
用したところ地合形成部での脱水及びプレスパート移送
部前に配置したサクションボックスでの脱水も良好であ
り、抄紙用織物からトランスファーファブリックーの湿
紙の受け渡しも全く問題がなく良好であった。プレスパ
ートへの移送時点の湿紙水分は比較例1のニードルフェ
ルトの場合は約85%、比較例3の特願平9−2387
98号の発明のトランスファーファブリックーは約91
%であったのに対し本発明の実施例は約87%であっ
た。この結果から発明のトランスファーファブリックー
の脱水性はニードルフェルトとほぼ同レベルであり、シ
ートトランスファー性はニードルフェルトと同様良好で
あり、耐シャワー性はニードルフェルトと比較すると断
然有利であり、耐ニップ性については最も優れているこ
とがわかる。
は、抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から安定して良
好に受け取って次の脱水部へ送り込むことができる。ま
た、脱水性も良好であるため、次の脱水部へ繰り込む時
点での湿紙の水分率を低下させることができるので抄紙
速度を上げることができ、さらに、プレス部での紙砕け
の発生はない利点を有する。また、耐シャワー性に優れ
ており、高圧シャワー洗浄が可能で汚れを簡単に除去す
ることができるため、抄紙速度を上げることが可能とな
る。さらに、耐ニップ性が優れており、厚さの減少も少
ないため、長期間使用されてもクッション性、脱水性能
が低下することなく、使用末期まで良好なシートトラン
スファー性を維持できる。このような良好な湿紙トラン
スファー性と洗浄性を有するトランスファーファブリッ
クを使用することにより、本発明の最終的な目的である
紙の生産性向上を達成することができる。
た製紙機械の実施例を示す概要図である。
た製紙機械の他の実施例を示す概要図である。
た製紙機械の他の実施例を示す概要図である。
た製紙機械の他の実施例を示す概要図である。
例を示す平面図である。
図である。
例を示す平面図である。
断面図である。
施例を示す経糸に沿った断面図である。
実施例を示す経糸に沿った断面図である。
実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
実施例を示す経糸に沿った断面図である。
実施例を示す経糸に沿った断面図である。
実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
実施例を示す経糸に沿った断面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織物から
受け取り、次の脱水部に送り込むトランスファーファブ
リックにおいて、緯糸を、走行面側はモノフィラメント
と小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を形成した糸と
し、湿紙受け取り面側は小径の素糸を纏めて素糸間に吸
水間隙を形成した糸とし、経糸を、モノフィラメントま
たはモノフィラメント撚糸とし、緯糸を複数層配置し、
経糸を単層配置して織成した織網であることを特徴とす
るトランスファーファブリック。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたトランスファーフ
ァブリックの経糸を、走行面側はモノフィラメントと
し、湿紙受け取り面側はモノフィラメント及び/または
小径の素糸を纏めた素糸間に吸水間隙を形成した糸と
し、緯糸を複数層配置し、経糸を複数層配置して織成し
た、トランスファーファブリック。 - 【請求項3】 小径の素糸を纏めて素糸間に吸水間隙を
形成した糸が、スパン糸,マルチフィラメント,,モノ
フィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,
モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モ
ノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付け
た糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚し
た糸から選ばれた糸である、請求項1又は2に記載され
たトランスファーファブリック。 - 【請求項4】 複数の抄造部で抄造した湿紙を抄紙用織
物から受け取り、順次抄き合わせた複数層の湿紙を次の
脱水部に送り込む、請求項1ないし3のいずれが1項に
記載されたトランスファーファブリック。 - 【請求項5】 走行面側緯糸層と湿紙受け取り面側緯糸
層との間にモノフィラメントから成る中間緯糸層を配置
した、請求項1ないし4のいずれか1項に記載されたト
ランスファーファブリック。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
されたトランスファーファブリックの、走行面側緯糸層
と湿紙受け取り面側緯糸層との間にスパン糸,マルチフ
ィラメント,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィ
ラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を
巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラ
メントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも
2種以上を共撚した糸、から選ばれた中間緯糸層を配置
した、トランスファーファブリック。 - 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
されたトランスファーファブリックの、走行面側緯糸層
と湿紙受け取り面側緯糸層との間に、モノフィラメント
とスパン糸,マルチフィラメント,モノフィラメント撚
り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメン
トの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメント
の芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,これらの
うち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸か
ら成る中間緯糸層を配置した、トランスファーファブリ
ック。 - 【請求項8】 中間緯糸層を上側中間層緯糸と下側中間
層緯糸とからなる上下二層構造とした、請求項5ないし
7のいずれか1項に記載されたトランスファーファブリ
ック。 - 【請求項9】 中間緯糸層と走行面側緯糸層の上下の重
なりをずらして配置した、請求項5乃至8のいずれか1
項に記載されたトランスファーファブリック。 - 【請求項10】 中間緯糸層の緯糸の本数が走行面側緯
糸層と湿紙受け取り面緯糸層の緯糸の本数より少ない本
数である、請求項5ないし8のいずれか1項に記載され
たトランスファーファブリック。 - 【請求項11】 走行面側緯糸層の緯糸の本数が中間緯
糸層の緯糸の本数より多い本数である、請求項5ないし
10のいずれか1項に記載されたトランスファーファブ
リック。 - 【請求項12】 複数の抄造部で抄造した湿紙を順次ニ
ップ圧または接触面圧で抄紙用織物から請求項1ないし
11のいずれか1項に記載されたトランスファーファブ
リックに受け取って抄き合わせた複数層の湿紙を、該ト
ランスファーファブリックから次の脱水部に送り込むこ
とを特徴とする製紙機械。
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