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JP3755233B2 - 回転駆動機構 - Google Patents

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JP3755233B2
JP3755233B2 JP11242697A JP11242697A JP3755233B2 JP 3755233 B2 JP3755233 B2 JP 3755233B2 JP 11242697 A JP11242697 A JP 11242697A JP 11242697 A JP11242697 A JP 11242697A JP 3755233 B2 JP3755233 B2 JP 3755233B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転駆動機構の技術分野に属し、詳しくは、重量的にアンバランスな合成回転体を回転させたときに生じる振動を抑制すると共に、振動を抑制した状態での使用回転数域を拡大する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業用機械、家庭用電化製品或いはコンピュータ等には、モータ等によって回転される回転部材を備えるものが多く見うけられる。例えば、コンピュータに使用されるディスクドライブ装置(回転駆動装置)は、信号記録媒体である光ディスクや光磁気ディスク等をディスク回転駆動機構によって回転させながら光学ピックアップ装置や磁気ヘッド装置により情報信号の再生及び/又は記録を行う。かかるディスクドライブ装置にあっては、ディスク回転駆動機構によって回転される光ディスクも合成回転体の一部に含まれる。
【0003】
ディスクドライブ装置は、上記ディスク回転駆動機構により回転される光ディスクにレーザ光を照射する光学ピックアップ装置を備えている。そして、上記ディスク回転駆動機構は、光ディスクが装着されるディスクテーブルとこのディスクテーブルを回転させるためのスピンドルモータとを備えている。
【0004】
上記光学ピックアップ装置は、光ディスクにレーザ光を照射するための光源と、光ディスクの信号記録面上で反射されたレーザ光の反射光を受光する光検出器とを備えている。そして、光学ピックアップ装置とディスク回転駆動機構とは、例えば、サブシャーシに搭載されている。サブシャーシは、これに固定支持したディスク回転駆動機構に対して接離する方向に移動可能に光学ピックアップ装置を支持している。
【0005】
このように構成されるディスクドライブ装置は、スピンドルモータにより回転される光ディスクに光学ピックアップ装置から出射されるレーザ光を照射して、情報信号の記録及び/又は再生を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光ディスクの如き記録ディスクは、製造時等に重量的なアンバランスが生じることがある。そして、重量的なアンバランスがある記録ディスクを回転させると、回転中心と重心とが一致していないため、この記録ディスクは、ディスクテーブルと共に振動する。このような振動が生じると、光学ピックアップ装置による記録ディスクの信号記録面に対するフォーカシング及びトラッキングや、磁気ヘッド装置による記録ディスクへの追従が良好に行われなくなる。
【0007】
また、通常、記録ディスクに生じるアンバランスの量は記録ディスクによって差がある。即ち、記録ディスクの基板厚さが不均一であったり或いは密度が不均一であったりして、記録ディスクの中心に該記録ディスクの重心が位置せず、記録ディスクそれぞれについて、重量的なアンバランスが生ずる。
【0008】
さらに、近時、記録ディスクへのデータの記録又は再生を高速回転で行うことが可能になっており、回転速度の増加と共に記録ディスクの振動は大きくなってしまうという問題もある。
【0009】
従って、記録ディスクごとにこれらの重量的なアンバランスの量或いは回転速度に応じて随時対応可能な振動抑制手段がなければ、記録ディスクの振動を抑えることができない。
【0010】
そこで、本発明回転駆動機構は、上記した問題点を克服し、回転駆動手段によって行われる回転が回転中心の偏心を生じない状態で為されるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明回転駆動機構は、上記した課題を解決するために、回転駆動手段により支軸を介して回転され、軸方向に直交する方向の断面形状が円環状を為す移動空間を有するケース体と、該ケース体の移動空間内に移動可能に配設されたバランス部材とを有し、該バランス部材を回転駆動手段の回転に伴い合成回転体の他の部分に対して相対的に移動させて、合成回転体の合成重心を回転軸上に位置させることにより調芯する自動調芯機構を備え、回転加速時において、所定の回転数になるまでバランス部材をケース体の中心部に保持するバランス部材保持手段と、上記所定回転数以上になって外周部に移動されたバランス部材を、その回転減速時においては上記所定回転数よりも低い回転数になるまでケース体の中心部に戻って来ないようにするバランス部材戻り抑制手段を設けたものである。
【0012】
従って、本発明回転駆動機構にあっては、自動調芯機構を備えたので、合成回転体に偏重心があったとしても、合成回転体を調芯した状態で回転させることができ、しかも、バランス部材保持手段を設けたので、回転加速時において、高速回転になってからバランス部材を開放するため、バランス部材の回転とケース体の回転との相対的な速度が「0」となるまでが早く、調芯作用が迅速に為されるとともに、バランス部材戻り抑制手段を設けたので、回転減速時において、上記調芯状態を低速回転まで維持することができるため、回転駆動機構の使用回転数域を拡大することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明回転駆動機構の詳細を添付図面に示した実施の形態に従って説明する。
【0014】
先ず、本発明回転駆動機構における自動調芯機構の原理について説明する。
【0015】
かかる自動調芯機構ついては、Thearlの自動平衡装置により説明されている。Thearlの自動平衡装置についての詳細は、理工学社出版「機械力学」(昭和57年3月)P146、147を参照されたい。
【0016】
本明細書において、Thearlの自動平衡装置1を簡単に、図1により説明する。Thearlの自動平衡装置1とは、回転円板2と該回転円板2の溝3の中に自在に動くことができるように配された2個の鋼球(バランス部材)4、4と回転軸5とから構成されており、回転円板2の回転数が、回転軸5の固有円振動数(危険速度)を超えたときに、Me=2mr・cosα(M:回転円板2と回転軸5のロータ部質量、e:ロータ部偏心量、m:鋼球4の質量、r:鋼球起動半径、α:偏心方向と鋼球4のなす角度)を満足する位置に鋼球4、4が自動的に位置され、回転円板2の偏心を無くし、ロータ部の振動を軽減する装置である。
【0017】
ここで、Thearlの自動平衝装置1が、回転軸5の固有円振動数を超えたときに作動する理由を簡単に述べれば、回転円板2の重心Gの運動と鋼球4、4の運動が逆位相となり、偏心方向とは逆方向に鋼球4、4が移動して位置されるためである。
【0018】
そして、本発明回転駆動機構6はこのようなThearlの自動平衡装置1の原理に基づく自動調芯機構7を有する。尚、上記Thearlの自動平衡装置1において、バランス部材として2つの鋼球4、4を用いて説明されているが、本発明の回転駆動機構6の自動調芯機構7におけるバランス部材は、これに限らず、本出願人が既に平成9年3月7日に出願した平成9年特許願第53704号の明細書に記載したすべてのバランス部材を含むものである。
【0019】
回転駆動機構6は、回転駆動手段8と、該回転駆動手段8の支軸9に固定された自動調芯機構7とを備え、回転駆動機構6は装置本体に固定されたベースシャーシ10に弾性部材11を介して支持されたサブシャーシ12に固定されている(図2参照)。これにより、サブシャーシ12がベースシャーシ10に対してフローティング支持されて、サブシャーシ12、これに搭載されるもの(回転駆動機構6など)及び弾性部材11により振動系13が構成される。尚、かかる振動系13は後述するように、本発明回転駆動機構6の自動調芯機構7において重要な役割をする。
【0020】
自動調芯機構7は、円環状の移動空間14を有したケース体15と、該ケース体15の移動空間14内に移動自在に配置された複数のバランス部材16、16、・・・とを備える(図3参照)。このケース体15は上記Thearlの自動平衡装置1における回転円板2に、また、バランス部材16、16、・・・はその鋼球4、4にそれぞれ相当する。
【0021】
尚、このような自動調芯機構7は、回転駆動手段8の支軸9に固定されていれば良く、その位置は例えば、回転駆動手段8の機構内部であっても良く、また、後述する実施例で説明するディスクテーブルの内部、或いは、チャッキング部材の内部に内蔵するようにしてもよい。
【0022】
上記ケース体15の中心部には、バランス部材16、16、・・・を所定の回転数(以下、「離脱回転数」という。)になるまでその中心部に保持しておくバランス部材保持手段17が設けられ、バランス部材16、16、・・・を、回転加速時において、回転駆動手段8が離脱回転数になるまで、バランス部材保持手段17とともに回転させる。これにより、離脱回転数を超えて遠心力により外周部に移動されたバランス部材16、16、・・・は、早期にケース体15との相対的な速度がほぼ「0」となる。
【0023】
これは、若し、回転駆動手段8の回転開始時からバランス部材16、16、・・・を移動空間14内で移動自在にしておくと、その慣性により、ケース体15が回転してもバランス部材16、16、・・・が停止した状態又はケース体15の回転に対して遅延した状態が生じてしまい、ケース体15とバランス部材16、16、・・・との相対的な速度が「0」となるまで時間がかかり、後述するように、調芯が遅延するからである。従って、上記離脱回転数は、できるだけ高回転数でかつ上記振動系13の共振周波数よりもやや低く設定することが望ましい。
【0024】
また、ケース体15には、該ケース体15の外周部に移動されたバランス部材16、16、・・・が、上記離脱回転数よりも低い回転数になるまでケース体15の中心部に戻って来ないようにするバランス部材戻り抑制手段18が設けられ、回転減速時において、上記離脱回転数よりも低い回転数(以下、「戻り回転数」という。)になるまで、バランス部材16、16、・・・をケース体15の外周部に位置させる。これにより、上記離脱回転数よりも低くなっても戻り回転数になるまで調芯状態が維持される。戻り回転数とは、当該バランス部材戻り抑制手段18を有しない場合において、例えば、後述する実施例において説明するバランス部材保持手段17がマグネットである場合、該マグネットのバランス部材16、16、・・・に対する吸引力がバランス部材16、16、・・・にかかる遠心力よりも大きくなる回転数よりも低い回転数を意味する。
【0025】
従って、バランス部材16、16、・・・は、回転加速時においては、高速回転(上記離脱回転数)にならなければ外周部へ移動せず、かつ、回転減速時においては、低速回転(戻り回転数)にならなければ中心部に戻って来ないようになり、広い回転数域においてバランス部材16、16、・・・を外周部に位置させ、調芯状態を維持することができる。
【0026】
弾性部材11の弾性係数は弾性部材11とサブシャーシ12の質量(サブシャーシ12に搭載するものの質量も含める。)とにより決定され、これらにより構成される振動系13の共振周波数を回転駆動機構6の使用回転数よりも低く設定する。尚、弾性部材11には、あらゆる弾性部材を用いることができ、天然ゴム、合成ゴム、軟質合成樹脂のほかバネ等でも良い。
【0027】
回転駆動手段8には、スピンドルモータ等の駆動源の他、モータドライバー等の制御系等、回転制御に係る一切の構成物が含まれる。
【0028】
合成回転体19には、回転駆動手段8により回転されるすべての部材、例えば、後述する実施例において説明するディスクドライブ装置におけるディスクテーブル、チャッキング部材や自動調芯機構7のほか、回転駆動手段8に含まれる回転する部材であるロータ20及び支軸9やディスクテーブルに装着される記録ディスクが含まれる。
【0029】
上記振動系13は、本発明回転駆動機構6の自動調芯機構7において以下のような機能を有する。
【0030】
即ち、自動調芯機構7においては、本来、回転駆動手段8の回転数がいわゆる危険速度(軸ブレが増大する速度)を超えたときに、バランス部材16、16、・・・が合成回転体19の有する重量的アンバランスを打ち消すような位置に移動する(以下、「引込み現象」という。)ため、調芯作用が為されるが、このような回転駆動手段8において軸ブレが生ずる回転数(危険速度)とは、数10Hzぐらいであり、通常の使用回転数(約1000〜6000rpm)では、上記危険速度には遙かに及ばない。そのため、上記振動系13を構成することにより、本来の危険速度に達しなくても、振動系13の共振により、バランス部材16、16、・・・の引込み現象を生じさせることができる。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明回転駆動機構の各実施例を添付図面に従って説明する。尚、以下に示した各実施例は、本発明を光ディスクや光磁気ディスクの如き記録ディスクに対する再生や記録を行う12倍速のディスクドライブ装置の回転駆動機構に適用したものである。
【0032】
図4乃至図9は第1の実施例に係る回転駆動機構を用いたディスクドライブ装置21を示す。
【0033】
記録ディスク22は、例えば、ポリカーボネートの如き合成樹脂材料によって直径120mmの円盤状に形成された透明基板に信号記録面が形成されて構成されている。そして、記録ディスク22には、その中心部に円形開口部(チャッキング孔)22aが設けられている。記録ディスク22は円形開口部22aに後述するディスクテーブルの位置決め突起が嵌合されることにより位置決めされる。
【0034】
ディスクドライブ装置21は回転駆動手段となるスピンドルモータ23及び光学ピックアップ装置24が載置されるメカシャーシ25と、ベースシャーシ26に対してメカシャーシ25をフローティング支持する複数のダンパ27、27、・・・とを備えて構成されている(図4参照)。尚、メカシャーシ25は上記サブシャーシ12に相当し、また、ダンパ27は上記弾性部材11に相当する。
【0035】
光学ピックアップ装置24は上記メカシャーシ25にガイドシャフト28、28を介してディスクテーブルに装着された記録ディスク22の半径方向に移動自在に支持されている。そして、光学ピックアップ装置24は、レーザダイオードの如き図示しない光源及び光検出器を有し、光源より発せられるレーザ光を対物レンズ29を介して記録ディスク22に照射し、また、レーザ光の記録ディスク22よりの反射光を光検出器によって検出するように構成されている。
【0036】
回転駆動機構30は、上記スピンドルモータ23と該スピンドルモータ23によって回転される支軸(スピンドル軸)31の上端寄りの位置に固定されたケース体32と同じくスピンドル軸31の上端部に固定されたディスクテーブル(ターンテーブル)33とを備えている(図5参照)。
【0037】
スピンドル軸31はメカシャーシ25上に固定されたモータ基板34に対して、回転軸受け35、35を介して軸回りに回転可能に支持されている。スピンドル軸31にはスピンドルモータ23を構成するモータロータ36が取り付けられ、該モータロータ36は略円筒状に形成され内面部に駆動マグネット37が固定されている。即ち、スピンドル軸31はスピンドルモータ23の支軸(駆動軸)となっている。また、駆動マグネット37は、モータ基板34上に固定されたステータコイル38に対向している(図5参照)。
【0038】
ディスクテーブル33は略円板状に形成され、中央部に形成された支軸圧入孔にスピンドル軸31の先端部が圧入されることにより、該スピンドル軸31に固定されている。そして、ディスクテーブル33はその中央部に記録ディスク22の位置決めを行うための位置決め突起33aが設けられている。位置決め突起33aは略円錐台形状に突出して設けられ、記録ディスク22の円形開口部22aに嵌合して記録ディスク22を位置決めする。
【0039】
また、位置決め突起33a内には磁石が内蔵されており、磁性材料を有する図示しないチャッキング部材(クランパ)が吸着されるようになっている。即ち、記録ディスク22は位置決め突起33aがチャッキング部材を吸着することでディスクテーブル33とチャッキング部材との間に挟まれて確実に保持される。そして、スピンドルモータ23のステータコイル38に駆動電流が供給されてモータロータ36が回転すると、該モータロータ36と共にスピンドル軸31、ケース体32、ディスクテーブル33、チャッキング部材及びディスクテーブル33に装着された記録ディスク22が一体的に回転され、また、各バランス球43、43、・・・も移動空間32a内でスピンドル軸31の回転軸回りに回転される。即ち、スピンドルモータ23に含まれる回転する部材(モータロータ36、スピンドル軸31)、スピンドルモータ23により回転する回転部材(ディスクテーブル33、チャッキング部材、記録ディスク22、自動調芯機構7)が合成回転体39を構成する(以下、これらの各部材の全体の重心、即ち、合成回転体39の重心を「合成重心」という。)。
【0040】
そして、上記ダンパ27、27、・・・及びメカシャーシ25(スピンドルモータ23、光学ピックアップ装置24などメカシャーシ25に搭載されるすべてのもの(ディスクテーブル33とチャッキング部材等)も含む。)により、振動系40が構成される。かかる振動系40は上記実施の形態で説明した振動系13に相当する。
【0041】
かかる振動系40の共振周波数は、当該ディスクドライブ装置21が12倍速のものである場合には、例えば、75Hz(4500rpm)になるように上記ダンパ27、27、・・・の弾性係数が設定される。これは、12倍速ディスクドライブ装置21の使用回転数域が約3000〜6000rpmであり、現在多くあるディスクドライブ装置にあっては、回転駆動開始直後、最内周側の情報信号を読みに行くのが一般的で、その最内周の情報信号を読みに行った時が最大回転数(6000rpm)となるため、この最大回転数になるまでに調芯作用が為されていれば良いことによる。
【0042】
尚、上記振動系40の共振周波数をもっと最大回転数6000rpmに近づけても良い。このようにすると、振動系40の共振周波数よりやや低い回転数に設定する離脱回転数を高く設定することでき、ケース体32とバランス球43、43、・・・との相対的な速度が早期に「0」となり、その分、引込み現象を早期に実現することが可能となる。
【0043】
ケース体32は、例えば、合成樹脂材料により形成され、モータロータ36とディスクテーブル33との間にスピンドル軸31に固定された状態で位置されている。そして、ケース体32は収容部41と該収容部41を覆う天板部42とから成り、収容部41の中心部分がスピンドル軸31に該スピンドル軸31と同軸状に固定されている。
【0044】
そして、ケース体32の内部空間(以下、「移動空間」という。)32aは円環状になっており、その移動空間32a内には、バランス部材となる、例えば、6個のバランス球43、43、・・・が収納されて上記自動調芯機構7を構成している。
【0045】
バランス球43、43、・・・は、鉄やニッケルの如き磁性材料により球状に形成され、それぞれ移動空間32a内において、その半径方向にも、周方向にも移動自在になっている。
【0046】
移動空間32a内の中央部には、磁界発生手段となるマグネット(永久磁石)44が配設されている。マグネット44は、円環状を為し、その厚さ方向(回転軸方向と平行な方向)に2極着磁されていて、上記収容部41の内周壁に外嵌状に設けられて、スピンドル軸31に対して同軸状に配設されている。そして、スピンドルモータ23が回転していないとき又は低回転のときは、バランス球43、43、・・・はマグネット44に吸着されて、移動空間32a内の内周部側に位置されている。これにより、マグネット44は、所定回転数(離脱回転数)になるまでバランス球43、43、・・・を吸着し、上記バランス部材保持手段17として機能する。
【0047】
また、上記バランス球43、43、・・・はマグネット44に吸着された状態で、その隣り合うもの同士が同じ方向に磁化され、互いに反発し合うため、6つのバランス球43、43、・・・は周方向に等間隔に位置されている。このため、バランス球43、43、・・・があることによる偏重心はなく、回転開始から離脱されるまでの間の回転にバランス球43、43、・・・に起因するにブレが生ずるようなことはない。
【0048】
マグネット44の上面及び下面には該マグネット44よりもやや大きな直径の円環状をしたヨーク45、45が吸着されており、これにより、マグネット44の磁界は一方のヨーク45と他方のヨーク45とのそれぞれの外周縁間に主に形成され、磁束が集中するため吸引力が増加するとともに、磁力がケース体32の外周部まで及びにくくなっている。
【0049】
これにより、ヨーク45、45は、上記マグネット44のバランス部材保持手段としての機能を増強するとともに、ケース体32の外周部に移動されたバランス球43、43、・・・にマグネット44の磁力をあまり及ばせず、バランス球43、43・・・にかかる遠心力が小さくなるまで、即ち、回転数が低く(戻り回転数)なるまで、バランス球43、43・・・がマグネット44の磁力により戻って来るのを抑制するバランス部材戻り抑制手段として機能する。
【0050】
尚、この実施例においてはヨーク45、45を円環状のマグネット44の上面及び下面に設けたが、本発明はこれに限らず、上面のみ又は下面のみに設けるようにしても良い。また、この実施例において、ヨーク45、45はマグネット44よりもやや大きな直径をしたものを用いたが、このようにすると、ヨーク45と45とのそれぞれの外周縁間に磁束を集中させることができ、マグネット44の吸着力を高めるとともにケース体32の外周部に及ぼす磁力の影響を少なくすることができる。また、ヨーク45、45の直径をマグネット44と同一にするようにしても良く、かかる場合、マグネット44のバランス球43、43、・・・に対する吸着力が弱まりケース体32の外周部に及ぼす磁力を大きくすることができる。
【0051】
このように、ヨーク45、45の大きさを適宜に選択することにより、マグネット44のバランス球43、43・・・に対する吸着力を設定することができ、これにより、バランス球43、43、・・・をマグネット44から離脱させる離脱回転数及び戻って来る戻り回転数を適宜設計することができる。また、マグネット44の吸着力は、ヨーク45、45の形状(直径、厚さなど)のほか、マグネット44そのものの磁力、バランス球43、43・・・の大きさ、材質などによっても、適宜変更することができる。従って、マグネット44及び/又はヨーク45、45による吸着力を適宜選定することにより、ディスクドライブ装置21において、回転加速時におけるバランス球43、43、・・・の離脱回転数、或いは、回転減速時におけるバランス球43、43、・・・の戻り回転数を適宜設計することができる。
【0052】
次に、上記ディスクドライブ装置21の回転駆動機構30における自動調芯機構7のバランス球43、43、・・・の動きについて、図10及び図11に従って説明する。図10及び図11は(偏重心)アンバランス量が1g・cmの記録ディスク22をディスクドライブ装置21に装着したときのメカシャーシ25のラジアル方向における加速度(G)とスピンドルモータ23の回転数(rpm)との関係を表わしたグラフ図である。
【0053】
尚、図12及び図13は、ヨーク45、45を有しない回転駆動機構におけるメカシャーシの加速度とスピンドルモータの回転数との関係を表わしたグラフ図であり、本実施例と比較する意味で併せて説明する。
【0054】
また、ヨーク45、45を備えたこの回転駆動機構30は、その自動調芯機構7のバランス球43、43・・・の離脱回転数が4000rpmに、戻り回転数が1500rpmに、振動系40の共振周波数が75Hz(4500rpm)に、それぞれ設定されている。尚、ヨークを有しない回転駆動機構は、ヨークを有しない分、バランス球43、43、・・・の離脱回転数が3000rpmと低く、また、ケース体の外周部まで磁界が強く及ぶため、バランス球43、43、・・・の戻り回転数が2000rpmとなっている。
【0055】
しかして、回転駆動機構30のスピンドルモータ23が回転し始めると(回転加速時)、約1500rpmまではほとんど振動がなく、1500rpmを超えると振動が徐々に増加する(図10参照)。
【0056】
回転駆動機構30はそのスピンドルモータ23が4000rpmになったときに、バランス球43、43、・・・がマグネット44から離脱する。この離脱された瞬間ではバランス球43、43、・・・の回転数はマグネット44とほゞ同じとなっているが、離脱された瞬間にバランス球43、43、・・・の慣性によりその回転数はケース体32の回転数に対して遅延する。即ち、バランス球43、43、・・・はその離脱した瞬間では、ケース体32の加速度について行けず、一瞬、相対的な速度が「負」になる。
【0057】
その後、移動空間32a内でバランス球43、43、・・・はその半径方向及び周方向にも移動して暴れるが、ケース体32の内底面及び外周壁内面との摩擦抵抗などにより、スピンドルモータ23の回転力がバランス球43、43、・・・に伝達されるため、約4500rpm直前で、ケース体32との間の相対的な速度がほぼ「0」となる。この状態では、バランス球43、43・・・はケース体32の外周部に位置され、遠心力によりその外周壁内面に押し付けられた状態となる。
【0058】
回転数が4500rpm付近においては振動系40の共振が生じ、バランス球43、43、・・・の引込み現象が生ずる。尚、4500rpm付近において、図10にはその振動が特に大きくなったことが現れていないが、これは、それまでの状態がバランス球43、43、・・・が暴れているため、共振がグラフ上現われないものと考えられるが、ケース体32の運動とバランス球43、43、・・・の運動とは逆位相となって、バランス球43、43、・・・が合成回転体39のアンバランスの方向とは逆方向に移動して引込み現象が生じる(図7参照)。
【0059】
そして、ほゞ4500rpmで引込み現象が生ずると、調芯作用が為され、これにより、メカシャーシ25の振動が減少し、その加速度はほゞ0.5Gぐらいとなる。
【0060】
このように、各バランス球43、43、・・・はアンバランスを有する記録ディスク22が回転された場合、いわゆる自動調芯作用により自己が適宜に移動し、これにより、合成重心の位置が回転軸上に位置する。従って、合成回転体39は振動することなく回転し、従って、アンバランスを有する記録ディスク22を装着してもこれらの合成重心を回転軸上に位置させた状態で回転させることができる。
【0061】
その後、スピンドルモータ23の回転数が増加しても、振動は若干増加するものの、大きく増加することはなく、使用回転数域のうち最大使用回転数である6000rpmでもその加速度は0.7〜0.8G以内となっている。
【0062】
尚、重量的なアンバランス(偏重心)がない記録ディスク22をディスクドライブ装置21に装着した場合には、もともと振動系40の振動が小さいため、バランス球43、43、・・・の離脱回転数を超えたところで、バランス球43、43、・・・が移動空間32a内でやや暴れるが、もともとアンバランスがないため、早期に調芯作用が為され、バランス球43、43、・・・は移動空間32a内において、図8及び図9に示すように、スピンドル軸31の回転軸回りにほゞ等角度間隔となるように位置する。
【0063】
これに対して、ヨーク45、45を有しない回転駆動機構にあっては、3000rpmまで、上記回転駆動機構30とほゞ同じグラフ(図12)を描くが、3000rpmでバランス球がマグネットから離脱してケース体内でバランス球が暴れる。そして、回転数が低い段階でバランス球が離脱されると、ケース体との相対的な速度がほぼ「0」になるまで、やや時間を要す。このグラフ図には現れていないが、実際には、回転の加速度を小さく(グラフ図の傾きを緩やかにする。)しなければならない。
【0064】
そして、かかる回転駆動機構においても4500rpm直前でケース体とバランス球との相対的な速度がほぼ「0」となり、4500rpm付近においては振動系40の共振が生じ、バランス球43、43、・・・の引込み現象を生じ、調芯が為される。また、6000rpmは上記回転駆動機構30と同様に回転数の増加と共に、やや振動が増加する。
【0065】
次に、本実施例に係る回転駆動機構30における回転減速時の作用について説明する。
【0066】
6000rpmからスピンドルモータ23の回転を減速して行くと、その振動は大きく変化することなく、徐々に減少して、3000rpm付近でほゞ振動がなくなる。この回転減速時に振動が少ないのは、一旦、調芯作用が実行されると、バランス球43、43、・・・がマグネット44に吸着されるまで、即ち、その自動調芯機構7における戻り回転数になるまでその調芯状態が維持されるためである(図11参照)。
【0067】
そして、回転数が1500rpmになったときに、マグネット44のバランス球43、43、・・・に対する吸引力が遠心力に優り、バランス球43、43、・・・はマグネット44に引き寄せられて吸着される。このような低回転域においては、多少の偏重心があってもこれによる振動は小さく、仮りに、この範囲の回転数域においても記録ディスク22の信号情報の読み書きをする場合であっても影響はない。
【0068】
このように、ヨーク45、45を設けた自動調芯機構7を備えたディスクドライブ装置21にあって、その使用回転数域(3000〜6000rpm)において、重量的なアンバランスを有する記録ディスク22を回転させても自動調芯作用により合成回転体39に振動を生ずることがなく、このような記録ディスク22であってもその信号記録面に対して良好に情報信号の書き込み又は読み出しができる。
【0069】
尚、上記した使用回転数域は12倍速のディスクドライブ装置21の通常の使用回転数域であるが、このように高速型のディスクドライブ装置にあっては、高速モードと低速モードとを設定できるようになっているものがある。例えば、12倍速の高速モードと、4倍速の低速モードとを有するディスクドライブ装置があり、その使用回転数域は高速モードのときが3000〜6000rpmで、低速モードのときが1000〜2000rpmとなっている。更にこの種のディスクドライブ装置は、1倍速でも使用できるようになっており、この場合、その使用回転数域は約200〜500rpmとなっている。
【0070】
そして、上記したディスクドライブ装置21にあっては、1500rpmまで調芯状態を維持することができ、しかも、このように低速回転域においては調芯状態を解消しても振動は少ないため、上記した4倍速や1倍速における使用回転数域は勿論、すべての回転数域0〜6000rpmにおいて、記録ディスクの読み書きに障害をもたらす振動が発生することはない。
【0071】
これに対して、ヨークを有しない上記回転駆動機構にあっては、6000rpmから減速して行くと、約2000rpmでバランス球がマグネットに引き付けられてしまい、これにより、調芯状態が解消されて合成回転体のアンバランスがそのまま振動系を振動させてしまうことになり、ほゞ2000rpmでメカシャーシの加速度値がやや上昇しているのが解る(図13参照)。
【0072】
このように、ヨークを有しない回転駆動機構にあっては、回転減速時において、調芯状態が早くに解消されてしまい予期せぬ振動が発生する。
【0073】
要するに、マグネットの磁力のみによりバランス球の離脱及び戻りを行う場合、マグネットの磁力を大きくすると、離脱回転数を高くすることができるが、戻り回転数も高くなってしまい、また、マグネットの磁力を小さくすると、戻り回転数を低くすることができるが、離脱回転数も低くなってしまうことになる。
【0074】
そこで、本発明の上記実施例のように、ヨーク45、45を設けると、マグネット44の磁力の大きさを大きくすることなく吸引力を増すことができ、同じ磁力のマグネット44を使用した場合、離脱回転数を高くすることができ、しかも、磁束が集中するため、周囲への磁力の影響を小さくすることができ、戻り回転数を低くすることができる。
【0075】
尚、上記実施例において、離脱回転数を振動系40の共振周波数4500rpmに比較的近い4000rpmとしたので、上述のようにケース体32の回転数とバランス球43、43、・・・との相対的な速度を早く「0」にすることができる。
【0076】
また、上記実施例においては、振動系40の共振周波数をディスクドライブ装置21の使用回転数域(3000〜6000rpm)内に設定することにより、この共振周波数より高次の共振周波数が使用回転数域内に存在することなく、回転駆動機構30の回転数が振動系40の高次の共振周波数と一致したならば生ずるであろう振幅の大きな振動が生ぜず、更に安定した回転を得ることができる。
【0077】
このように、回転駆動機構の使用回転数域内に振動系の高次の共振周波数を含めないようにするためには、最大使用回転数をRとし、振動系の1次共振周波数をfrとすると、
R/2<fr<R
の関係を有するようにすれば良い。
【0078】
例えば、上記本実施例にかかる12倍速のディスクドライブ装置21の場合には、振動系40の1次共振周波数を50Hz(3000rpm)乃至100Hz(6000rpm)の範囲内に設定する。このようにすることにより、振動系40の2次共振周波数は100Hz乃至200Hzの範囲内となって、使用回転数域に2次共振周波数が含まれず、使用回転数域内において2次共振による振幅の大きな振動が生じることがない。
【0079】
更に、上記実施例にかかる回転駆動機構30における振動系40の共振周波数を最大使用回転数よりも大きく設定し、一旦、上記共振周波数を超える回転数まで、スピンドルいモータ23の回転を上げて、自動調芯作用を生じさせた後、回転数を減じて使用回転数域で回転駆動機構30を使用することもできる。
【0080】
即ち、上記回転駆動機構30において、振動系40の共振周波数を116Hz(7000rpm)に設定し、スピンドルモータ23の回転数を7000rpm以上にして調芯作用を生じさせ、その後、回転を減じて使用回転数域である3000〜6000rpmで使用する。
【0081】
このように一旦、自動調芯作用を生じさせた後に、減速することにより合成回転体39の回転を安定させることができ、しかも、上記実施例にかかる回転駆動機構30のようにバランス部材保持手段17及びバランス部材戻り抑制手段18を備えたディスクドライブ装置21にあっては、広い回転数域において調芯状態を維持することができるため、更に、安定した合成回転体39の回転を使用回転数域で実現することができる。
【0082】
図14は本発明回転駆動機構の第2の実施例を示すものである。
【0083】
この第2の実施例が前記第1の実施例と比較して相違する点は、バランス部材戻り抑制手段がヨークでなく、マグネットの着磁方法であるので、図面には要部のみを示し、また、その説明は上記相違点についてのみ行い、他の部分については図面の各部に前記第1の実施例に係る回転駆動機構における同様の部分に付した符号と同じ符号を付することによりその説明を省略する。
【0084】
図14は、第2の実施例にかかる回転駆動機構30Aの自動調芯機構7Aの水平断面を示すものであり、ケース体32内の中心部には周方向に多極着磁されたマグネット46が配置されている。
【0085】
このように周方向に多極着磁されたマグネット46は、周方向に12極に着磁されており、それぞれの各極間に発生する磁界は周方向に隣り合う極間において生ずる。このため、ここに発生する磁界は、マグネットの厚さ方向に2極着磁されたものと比較して狭く、これにより、ケース体32の外周部に及ぶ磁力が少なくなる。
【0086】
従って、マグネット46そのものが、バランス部材保持手段17及びバランス部材戻り抑制手段18として機能する。
【0087】
また、マグネット46のケース体32の外周部に及ぼす影響は、その多極着磁された各極の外周面の周方向における長さによるため、マグネット46の周方向の着磁数を多くして各極の外周面の周方向の長さを短くすることにより、外周部への磁力の影響を少なくすることができ、従って、バランス部材戻り抑制手段18としての機能を増大させることができる。
【0088】
尚、上記した各実施例において、バランス部材戻り制御手段として、ヨーク45、45を用いたり、バランス部材保持手段としてのマグネットの着磁方法を工夫したりしたものを示したが、本発明回転駆動機構はこれに限らず、例えば、ケース体の外周部にリング状のマグネットを設けても良い。かかる場合、バランス部材制御手段としてのマグネットの磁力を弱くしておけばよい。
【0089】
また、上記した各実施例においては、アンバランスを有する記録ディスク22をディスクテーブルに装着したときに、合成回転体39に対して自動調芯作用を実行させる例を示したが、合成回転体39のうちの記録ディスク22以外の部材がアンバランスを有する場合においても、回転駆動機構30によって自動調芯作用を実行させて回転時の振動を抑制することができる。
【0090】
更に、、上記した各実施例においては、本発明に係る回転駆動機構をディスクドライブ装置21の回転駆動機構30に適用したものを説明したが、本発明に係る回転駆動機構は、産業用機械や他の電化製品に備えられるものに適用することもできる。
【0091】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、自動調芯機構を備える回転駆動機構において、回転加速時において、所定の回転数になるまでバランス部材をケース体の中心部に保持するバランス部材保持手段と、上記所定回転数以上になって外周部に移動されたバランス部材を、その回転減速時においては上記所定回転数よりも低い回転数になるまでケース体の中心部に戻って来ないようにするバランス部材戻り抑制手段を設けたので、合成回転体に偏重心があったとしても、合成回転体を調芯した状態で回転させることができ、しかも、バランス部材保持手段を設けたので、高速回転になってからバランス部材を開放するため、バランス部材の回転とケース体の回転との相対的な速度が早期にほぼ「0」となり、調芯作用が迅速に為されるとともに、バランス部材戻り抑制手段を設けたので、上記調芯状態を低速回転まで維持することができ、回転駆動機構の使用回転数域を拡大することができる。
【0092】
請求項2に係る発明によれば、バランス部材を磁性材料により形成し、ケース体の中心部には軸方向に着磁された円環状のマグネットを配設して、バランス部材保持手段を構成するとともに、該マグネットの軸方向の少なくとも一方の端面に円環状のヨークを設けて、外周部に移動されたバランス部材に上記バランス部材保持手段の磁力が及びにくくし、低速回転になるまでバランス部材が中心部に戻って来ないようにしてバランス部材戻り抑制手段を構成したので、簡単な構造で、バランス部材保持手段及びバランス部材戻り抑制手段を構成することができ、しかも、バランス部材保持手段の機能を増強することができる。
【0093】
請求項3に係る発明によれば、バランス部材を磁性材料により形成し、ケース体の中心部には周方向に多極着磁された円環状のマグネットを配設して、バランス部材保持手段を構成するとともに、上記バランス部材保持手段としてのマグネットを周方向に多極着磁したことが、外周部に移動されたバランス部材に上記バランス部材保持手段の磁力を及びにくくして、低速回転時においてもバランス部材が中心部に戻って来ないようにしたバランス部材戻り抑制手段として機能するようにしたので、簡単な構造で、バランス部材保持手段及びバランス部材戻り抑制手段を構成することができる。
【0094】
尚、上記した各実施例において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転駆動機構に用いられる自動調芯機構の原理を説明するための概念図である。
【図2】図3と共に、本発明に係る回転駆動機構の基本構成を概念的に示すもので、本図は全体の概略側面図である。
【図3】自動調芯機構の基本構成を概念的に示す概略縦断面図である。
【図4】図5乃至図9と共に、本発明回転駆動機構の第1の実施例を示すものであり、本図は本発明に係る回転駆動機構を使用したディスクドライブ装置を概略的に示す斜視図である。
【図5】合成回転体を示す拡大縦断面図である。
【図6】バランス球がマグネットに吸着されている状態を示す拡大水平断面図である。
【図7】自動調芯作用が実行された状態を示すケース体の拡大水平断面図である。
【図8】バランス球がケース体の外周部に移動された状態を示す拡大水平断面図である。
【図9】ケース体が回転された状態を示す拡大縦断面図である。
【図10】図11と共に、本発明回転駆動機構におけるメカシャーシの加速度と回転数との関係を表わすもので、本図は回転加速時のグラフ図である。
【図11】回転減速時のグラフ図である。
【図12】図13と共に、ヨークがない場合の回転駆動機構におけるメカシャーシの加速度と回転数との関係を表わすもので、本図は回転加速時のグラフ図である。
【図13】回転減速時のグラフ図である。
【図14】本発明回転駆動機構の第2の実施例を示す要部の拡大水平断面図である。
【符号の説明】
6…回転駆動機構、7…自動調芯機構、8…回転駆動手段、9…支軸、14…移動空間、15…ケース体、16…バランス部材、17…バランス部材保持手段、18…バランス部材戻り抑制手段、19…合成回転体、23…スピンドルモータ、30…回転駆動機構、31…スピンドル軸、32…ケース体、32a…移動空間、39…合成回転体、43…バランス球、44…マグネット、45…ヨーク、7A…自動調芯機構、30A…回転駆動機構、46…マグネット

Claims (3)

  1. 回転駆動手段により回転される回転部材及び回転駆動手段に含まれる回転する部材(以下、これらの回転する部材を総称して「合成回転体」という。)の重心(以下、「合成重心」という。)を回転中に自動的に回転軸上に位置させる自動調芯機構を備えた回転駆動機構であって、
    自動調芯機構は、回転駆動手段により支軸を介して回転され、軸方向に直交する方向の断面形状が円環状を為す移動空間を有するケース体と、該ケース体の移動空間内に移動可能に配設されたバランス部材とを有し、該バランス部材を回転駆動手段の回転に伴い合成回転体の他の部分に対して相対的に移動させて、合成回転体の合成重心を回転軸上に位置させるものであるとともに、
    回転加速時において、所定の回転数になるまでバランス部材をケース体の中心部に保持するバランス部材保持手段と、上記所定回転数以上になって外周部に移動されたバランス部材を、回転減速時において上記所定回転数よりも低い回転数になるまでケース体の中心部に戻って来ないようにするバランス部材戻り抑制手段とを設けた
    ことを特徴とする回転駆動機構。
  2. 請求項1に記載した回転駆動機構において、
    バランス部材を磁性材料により形成し、
    ケース体の中心部には軸方向に着磁された円環状のマグネットを配設して、バランス部材保持手段を構成するとともに、
    該マグネットの軸方向の少なくとも一方の端面に円環状のヨークを設けて、外周部に移動されたバランス部材に上記バランス部材保持手段の磁力が及びにくいようにし、低速回転時になるまでバランス部材が中心部に戻って来ないようにしてバランス部材戻り抑制手段を構成するようにした
    ことを特徴とする回転駆動機構。
  3. 請求項1に記載した回転駆動機構において、
    バランス部材を磁性材料により形成し、
    ケース体の中心部には周方向に多極着磁された円環状のマグネットを配設して、バランス部材保持手段を構成するとともに、
    上記バランス部材保持手段としてのマグネットを周方向に多極着磁したことが、外周部に移動されたバランス部材に上記バランス部材保持手段の磁力が及ばないようにして低速回転時においてもバランス部材が中心部に戻って来ないようにしたバランス部材戻り抑制手段として機能するようにした
    ことを特徴とする回転駆動機構。
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