JP3742275B2 - ロック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のインストルメントパネルに取付けられるコインケース、カップホルダ、カードケースなど、ハウジングに収容された移動体を引出して使用する装置において、移動体がワンプッシュで収容位置から引き出し位置に移動し、更にワンプッシュで引き出し位置から収容位置に移動し、収容位置でロックされるようにするロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハウジングに収容された移動体を引出して使用する装置において、移動体がワンプッシュで収容位置から引き出し位置に移動し、更にワンプッシュで引き出し位置から収容位置に移動し、収容位置でロックされるようにするロック機構として、例えば、実開昭61−163870号公報に開示されたラッチが知られている。
【0003】
図15に示すように、実開昭61−163870号公報のラッチは、箱状のハウジング90と、ハウジング90に収容される移動体91とを備えている。ハウジング90と移動体91との間には付勢バネ92が介装され、また、ハウジング90の後部にはピン部材93が取付けられており、更にピン部材93には押さえバネ94が被せられるように取付けられている。ピン部材93は両端が同方向に鍵状に曲げられた棒部材からなり、ハウジング90の前方側に配置された端部は係合部93aをなし、他端はピン部材93が回動をするときの支軸93bをなしている。押さえバネ94は、両側が折り曲げられた板部材からなり、折り曲げられた両端部でハウジング90を上下方向から弾性的に挟みこむようにして取付けられ、押さえバネ94のハウジング90上面側に配置された端部は、前記ピン部材93をハウジング90の底面方向に付勢している。また、前記移動体91の上面には、ハートカム96が形成され、ハートカム96の周囲には、ピン部材93の係合部93aが係合するハート型のカム溝95が形成されている。更に、ハートカム96の窪んだ部分に位置するカム溝95の窪み部95bには、傾斜部97aを有するカム97が形成されている。
【0004】
上記ラッチによれば、移動体91を、付勢バネ92の付勢力に抗してハウジング90に押し込むと、ピン部材93の係合部93aが、押さえバネ94によりカム溝95の底面側に押されながら、移動経路95aに沿ってその突き当たりまで移動し、そこで移動体91の押し込みを解除すると、移動体91は付勢バネ92の付勢力によって戻り始めるが、ピン部材93の係合部93aが窪み部95bに係合することにより、押し込んだ状態にロックされる。そして、再び移動体91を、付勢バネ92の付勢力に抗してハウジング90に押し込むと、ピン部材93の係合部93aがカム97の傾斜部97aに沿って移動経路95cに移動し、移動経路95cを通って最初の位置に戻る。その結果、移動体91はロック状態を解除され、ハウジング90から再び引出される。このように、ピン部材93の係合部93aが、移動体91に形成されたハート型のカム溝95を、移動体91の移動に伴ってカム溝95を辿って一巡することで、移動体をワンプッシュで収容位置から引き出し位置に移動させ、更にワンプッシュで引き出し位置から収容位置に移動させ、収容位置でロックされるようにすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開昭61−163870号公報のラッチなどのロック機構では、自動車の振動によりピン部材がカム溝から脱落してロック状態が解除される虞れがある。そのため、コインケースなどが振動によって不用意に飛び出したりすることがあり、コインの収容性や乗員に対する安全性の点で問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ハウジングに収容された移動体を引出して使用する装置のロック機構であって、自動車の振動によりピン部材がカム溝から脱落してロック状態が解除される虞れのない、ロック機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1は、ハウジングと、移動体とを備え、前記移動体は前記ハウジングに対して離される方向にバネ付勢され、前記ハウジング又は前記移動体のどちらか一方にカム溝が形成され、他方に前記カム溝に着脱可能に係合するピン部材が設けられて構成されるロック機構において、前記カム溝は、前記ピン部材が係合してロックされる部分と、それに続いて底面が次第に高くなる傾斜面をなす部分とを有しており、前記ピン部材が前記カム溝から離れる方向に移動するのを規制するピン規制部が設けられていて、このピン規制部は、前記カム溝方向に向いた下縁部を上方に向けて切り込まれてなる溝部と、この溝部の一側方に設けられたピン押し部とを有し、前記ピン部材が前記カム溝に係合しロックされた状態においては、前記ピン部材の柄部が前記ピン押し部に位置して、前記カム溝から離れる方向に移動するのを規制され、前記ピン部材が前記傾斜面を移動する際には、前記ピン部材の柄部が前記溝部に入って高い位置に移動するのを可能とされることを特徴とするロック機構を提供するものである。
【0008】
上記第1の発明によれば、移動体がハウジングに収容され、ピン部材がカム溝に係合しロックされた状態において、ピン部材はピン規制部により、カム溝から離れる方向の動きが規制されているため、ピン部材が振動などによりカム溝から離れる方向へ移動してカム溝から脱落する虞れがない。
また、ピン規制部は、ピン部材が傾斜面を移動する際に、ピン部材が高い位置に移動するのを可能とする部分を有しているので、ピン部材がピン規制部と高くなったカム溝の傾斜面に挟まれて、折れ曲がる虞れがない。
【0009】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記ピン部材は、トーションバネの回巻部から延出された一端を鍵状に曲げて形成されたロック機構を提供するものである。
【0010】
上記第2の発明によれば、前記ピン部材が前記カム溝に係合しロックされた状態では、前記回巻部から延出された柄部が前記下縁部によって前記カム溝から離れる方向に移動するのを規制されるので、ロック状態でピン部材がカム溝から脱落する虞れがない。また、前記ピン部材が前記傾斜面を移動する際には、前記回巻部から延出された柄部が前記溝部に入って高い位置に移動するのを可能とされるので、ピン規制部と高くなったカム溝の傾斜面に挟まれて、折れ曲がる虞れがない。
【0011】
本発明の第3は、前記第1の発明において、前記カム溝の前記ピン部材が係合する部分の窪みの周囲が、前記カム溝の他の周囲部分より高く突出してピン係合部をなしているロック機構を提供するものである。
【0012】
上記第3の発明によれば、カム溝の窪みの周囲の壁を高くしてピン係合部を形成したことにより、移動体の振動などによりピン部材が上方へ移動してカム溝から脱落することをより確実に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜12には、本発明によるロック機構の一実施形態が示されている。図1は本発明のロック機構が適用されたコインケースの概観を示す分解斜視図である。 図2は同コインケースのハートカムとカム溝を示す斜視図である。図3は同コインケースのハウジングの要部を拡大して示す斜視図である。図4は、同コインケースにおいて、移動体がハウジングから引出された状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図5は、同コインケースにおいて、移動体をハウジングに押し込み始めた状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図6は、同コインケースにおいて、移動体をハウジングに更に押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図7は、同コインケースにおいて、移動体をハウジングに突き当たる寸前まで押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図8は、同コインケースにおいて、移動体を最後まで押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図9は、同コインケースにおいて、押し込みを解除し、移動体が戻り初めてロックされた状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図10は、同コインケースにおいて、ロック状態から移動体を再び押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図11は、同コインケースにおいて、移動体を再び押し込んだ後に押し込みを解除した状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。図12は、ピン規制部によりピン部材の動きが規制される状態を示す側断面図である。
【0014】
図1に示すように、本発明のロック機構が適用されるコインケース11は、箱状のハウジング12と、ハウジング12の内部に収容される箱状の移動体13とを備え、移動体13をハウジング12に収容して移動体13の内部に入れたコインをしまったり、移動体13をハウジング12から引出して前記コインを取りだしたりして使用するものである。
【0015】
移動体13の内面には、化粧用の敷物14が施され、ここにコインや小物などが収容されるようになっている。また、移動体13の側面外部には、引出し方向に伸びるスライドガイド32が設けられ、ハウジング12に対し、傾くことなく円滑にスライドするようになっている。更に、移動体13の背面外部には突出部15が設けられ、突出部15の上面にハートカム16が突設されている。
【0016】
図1〜2に示すように、ハートカム16は、窪み17を突出部15の基部側に向けて設けられている。また、ハートカム16の、突出部15の先端側に位置する頂部18は、ハートカム16の中心線から外れた位置にあり、頂部18と窪み17とを結ぶ一方の経路は、引出し方向に伸びる直線部19をなし、他方の経路は、引出し方向に対して傾斜した傾斜部20aと、引出し方向に伸びる直線部20bとからなる屈曲部20をなしている。更に、ハートカム16の周囲には、屈曲部20と窪み17との境界部分を始点として窪み17及び直線部19を通って頂部18を終点とするカム溝21が設けられている。また、カム溝21の直線部19の底面は、終点に向けて徐々に高くなる傾斜面をなし、終点は前記屈曲部20の延長線に沿って形成された段差22をなしている。更に、ハートカム16のの窪み17の周囲は、上方に突出した高い壁をなし、窪み17から連続した凹部81を有するピン係合部80をなしている。なお、図1において、ピン係合部80は、ハートカム16の形状を明示するため、その図示が省略されている。
【0017】
前記ハウジング12の両側外周には突起33が設けられ、自動車のインストルメントパネルなどに取付けて固定できるようになっている。また、ハウジング12の内部後方には、第一のトーションバネ23と、第二のトーションバネ24とが取付けられている。
【0018】
ハウジング12後方の、前記第一のトーションバネ23が取付けられる部分には、背面から延出されて底面と平行に伸びる板状のバネ受け34が形成され、バネ受け34の上面には支軸28が突設され、その上方にはピン規制部75が設けられ、更に、バネ受け34の上方であって、ハウジング12の背面の内側には係合突起36が突設されている。なお、図1において、ピン規制部75は、バネ受け34の形状を明示するため、その図示が省略されている。
【0019】
図3、12に示すように、ピン規制部75は、前面から見て矩形の板状部材からなり、その下縁部の中央部に上方に向けて切り込まれた溝部76を有し、溝部76の一側方の下辺部はピン押し部77をなし、他側方の内壁はバネ止め78をなしている。
【0020】
そして、ピン押し部77は、バネ受け34との間に隙間を有するように配設され、後述のピン部材26の柄部26bが、ピン押し部77とバネ受け34との間に入り込めるようになっている。また、バネ止め78は、バネ受け34に接合されている。
【0021】
第一のトーションバネ23は、その回巻部25をバネ受け34上に突設された支軸28に挿通され、回巻部25から伸びる延出部の一方の端部が鍵状に曲げられてピン部材26をなし、このピン部材26がハウジング12の底面に向けられ、他方の延出部27がハウジング12の背面に当接して係合突起36に係合している。更に、柄部26b(トーションバネ23のピン部材26を有する端部)は、バネ止め78に圧接されている。なお、バネ受け34は底面から所定高さの位置に形成され、前記移動体13をハウジング12に挿入したとき、移動体13の突出部15がバネ受け34の下側に入り込むようになっている。
【0022】
一方、前記第二のトーションバネ24が取付けられる部分には、バネ収容部37が設けられ、その内側に図示しない支軸が突設されている。第二のトーションバネ24の回巻部29は、上記支軸に挿通固定されている。また、第二のトーションバネ24の上記回巻部29から伸びる一方の延出部31は、ハウジング12の背面に係合し、他方の延出部30は、その先端がU字状に屈曲され、移動体13の背面に当接するように延出されている。
【0023】
ピン部材26は、第一のトーションバネ23の回巻部25が圧縮されていることによりハウジング12の底面に向けて付勢されているが、その付勢されている方向の位置は、直線部19の傾斜面以外の突出部15上面には圧接されないよう、バネ受け34で規制されている。また、第一のトーションバネ23の延出部27がハウジング12の背面に当接して係合突起36に固定されているため、柄部26bは、回巻部25の捩れによって一側方(図4〜11の左方向)に付勢され、バネ止め78に圧接されている。
【0024】
一方、第二のトーションバネ24の延出部30の先端は、移動体13がハウジング12内に押し込まれたとき、移動体13の背面に当接して移動体13を引出し方向に付勢するようになっている。
【0025】
次に、上記コインケース11のロック作用について説明する。なお、以降の説明において参照する図4〜11においては、ピン部材26の動作を明示するため、ピン規制部75、及びピン係合部80の図示が省略されている。
【0026】
図4に示すように、前記移動体13がハウジング12から引出された状態においては、ピン部材26は移動体13の突出部15から離れている。
【0027】
この状態で、図5に示すように、移動体13をハウジング12に向かって押し込み始めると、ピン部材26が移動体13の突出部15の上面上方を移動していく。そして、ピン部材26が突出部15上面の段差22に当接すると、ピン部材26は、段差22を乗り越えてカム溝21に侵入することなく、また、柄部26bがピン押し部材77の下方に入り込んだ状態で、傾斜部20aに沿って移動する。
【0028】
図6に示すように、更に移動体13を押し込むと、ピン部材26は、傾斜部20aから直線部20bに沿って移動し、やがて図7に示すように直線部20bの終点に達する。
【0029】
そして、移動体13を完全に押し込むと、図8に示すように、回巻部25の捩れ力により、ピン部材26は、図中左方向に移動してカム溝21に入る。
【0030】
その後、押し込み力を解除すると、図9に示すように、ピン部材26がハートカム16の窪み17及びピン係合部80の凹部81に係合して、第二のトーションバネ24の付勢力による、前記移動体13の引出し方向への移動が阻止され、移動体13がハウジング12に収容された状態でロックされる。このとき、図12に示すように、柄部26bは、ピン押し部材77の下方に入り込んで、上方への動きが規制された状態になっている。
【0031】
次に、図10に示すように、ハウジング12に収容されている移動体13を、再びハウジング12に向かって矢線Aの方向に押し込むと、ピン部材26は回巻部25の捩れ力によりカム溝21に沿って直線部19の方へ移動する。このとき、ピン部材26の柄部26bは、ピン受溝76の下方へ移動し、上方への動きが可能な状態となる。
【0032】
そして、図11に示すように、ピン部材26がカム溝21の直線部19に進入すると、ロック作用は解除されて、第二のトーションバネ24の付勢力によって、移動体13がハウジング12から引出され、ピン部材26が直線部19の傾斜面に乗り上げながら移動し、終点に至るとピン部材26は下方への付勢力を伴い段差22から降り、図4の状態に戻る。
【0033】
ここで、ピン部材26の柄部26bは、図12の想像線で示すようにピン受溝76に侵入することで上方へ移動するので、ピン部材26の柄部26bがピン規制部75と高くなったカム溝21の底面に挟まれて、折れ曲がる虞れがない。
【0034】
上記ロック機構によれば、移動体13がハウジング12に収容されたロック状態において、ピン部材26はピン規制部75のピン押し部77により、上方の動きが規制されているため、ピン部材26が振動などにより上方へ移動してカム溝21から脱落する虞れがない。更に、ハートカム16の窪み17の周囲を高くしてピン係合部80を形成したことにより、移動体13の振動などによりピン部材が上方へ移動してカム溝21から脱落することをより確実に防止できる。
【0035】
また、上記ロック構造によれば、第一のトーションバネ23の一端を鍵状に曲げてピン部材26としたので、ピン部材26は第一のトーションバネ23の回巻部25のバネ力によりハウジング12の底面に向けて付勢されると共に、回巻部25が捩れることにより一側方へ付勢される。そのため、ピン部材26をカム溝の底方向に押し付けたり、カム溝の一側壁に押し付けるための別の部品等が必要なくなり、構造を簡素化できると共に、ピン部材の安定した作動を得ることができる。
【0036】
なお、実開昭61−163870号公報のラッチは、回動するピン部材が、別体の押さえバネによってカム溝の底面に向けて押しつけられるようになっているので、部品点数が多くなり、構造が複雑になるという問題があった。また、押さえバネはピン部材からずれたり、又は曲がったりしやすく、ピン部材がカム溝上をスムーズに動かなくなる虞れがあった。
【0037】
図13には、本発明によるロック機構の他の実施形態が示されている。なお、以下の実施形態の説明においては、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略又は簡略化することにする。なお、以下の実施形態の説明において、ハートカム16の詳細な形状やピン規制部75は、図示を省略しているが、基本的に図1〜12の実施形態と同様である。
【0038】
図13に示すように、このコインケース51は、前記実施形態のコインケース11における第一のトーションバネ23と第二のトーションバネ24とを連結して、一つの複合バネ52で構成した点が相違している。
【0039】
複合バネ52は、ピン部材26を有するトーションバネ部53と線バネ部54とから構成されている。トーションバネ部53は前記第一のトーションバネ23と同様な形状をなし、第一の回巻部55から伸びる一方の延出部の端部が鍵状に曲げられてピン部材26をなしている。また、第一の回巻部55から伸びる他方の延出部59は線バネ部54との連結部をなし、その端部には第二の回巻部56が形成されている。線バネ部54は、第二の回巻部56と、第三の回巻部57との間に亘って形成されており、その中間が屈曲されて突部58をなしている。そして、この突部58が移動体13の背面に当接するようになっている。
【0040】
一方、ハウジング12後部の複合バネ52が取付けられる部分には、ハウジング12の底部から立設された壁部62で囲まれてなるバネ収容部61が設けられている。また、バネ収容部61の内部には底面から延出する第一の支軸63が設けられ、バネ収容部61の側部には、ハウジング12の底面から延出する第二の支軸64と第三の支軸65とが設けられている。
【0041】
そして、複合バネ52は、第一の回巻部55を第一の支軸63に支持され、第二の回巻部56を第二の支軸64に支持され、第三の回巻部57を第三の支軸65に支持されて、ハウジング12に装着されている。この状態で、第一の回巻部55から伸びる一方の延出部先端に形成されたピン部材26は、ハウジング12の底壁に向けて配置され、線バネ部54は、その突部58を移動体13の背面に向けて配置されている。
【0042】
ハウジング12の更に後方には、ヒンジ部67を介して蓋66が連結されている。蓋66は、ヒンジ部67とハウジング12の境界部及びヒンジ部67と蓋66の境界部で、ハウジング12の後部背面と平行に折り曲げながら矢線Cの方向へ移動させ、ハウジング12の後部背面の開口をヒンジ部67で塞ぎ、ハウジング12の上部に設けられた開口を蓋66で塞ぐと共に、複合バネ52の回動軸方向の動きを蓋66で規制するようになっている。なお、ヒンジ部67には係合爪70が突設され、ヒンジ部67がハウジング12の後部背面の開口を塞いだ際、係合爪70がハウジング12の後部背面に係合するようになっている。また、蓋66の両側壁にはスリット68が形成され、蓋66がハウジング12の上部に設けられた開口を塞いだ際、ハウジング12の両側外周の突起69と係合するようになっており、ヒンジ部67及び蓋66がハウジング12から容易に外れないようになっている。
【0043】
上記構造からなるコインケース51によれば、移動体13がハウジング12の内部に挿入されると、ピン部材26は、第一の回巻部55のバネ力によって、突出部15上面に向けて付勢されると共に、第一の回巻部55が捩れることにより一側方へ付勢されるようになっている。一方、線バネ部54の突部58は移動体13の背面に当接し、移動体13を引出し方向へ付勢するようになっている。このように、複合バネ52単体で、前記実施形態のコインケース11における第一のトーションバネ23と第二のトーションバネ24との作用を得ることができるので、部品点数を削減することができ、生産性を向上させることができる。
【0044】
また、複合バネ52の回動軸方向の動きを制限する蓋66を、ヒンジ部67を介してハウジング12に一体に設けたので、組立作業が容易となり、生産性を更に向上させることができる。
【0045】
なお、前記蓋66の形状には制限がなく、例えば、図14に示すように、ハウジングの側方に一体に設けてもよい。すなわち、このハウジング71では、その後部開口を塞ぐ蓋66が、薄肉のヒンジ部72を介して、その一側辺をハウジング71に連結されている。ヒンジ部72の内側にはリブ67が形成されており、リブ67は、蓋66を回動させたときに、その回動角を規制するストッパをなしている。蓋66の他方の側辺には、前記と同様に突起69に係合するスリット68が形成されている。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ピン部材のカム溝から離れる方向への動きを規制するピン規制部を設けたので、移動体がハウジングに収容され、ピン部材がカム溝に係合しロックされた状態において、ピン部材はピン規制部により、カム溝から離れる方向の動きが規制されているため、ピン部材が振動などによりカム溝から離れる方向へ移動してカム溝から脱落する虞れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるロック機構が適用されたコインケースの概観を示す分解斜視図である。
【図2】同コインケースのハートカムとカム溝を示す斜視図である。
【図3】同コインケースのハウジングの要部を拡大して示す斜視図である。
【図4】同コインケースにおいて、移動体がハウジングから引出された状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図5】同コインケースにおいて、移動体をハウジングに押し込み始めた状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図6】同コインケースにおいて、移動体をハウジングに更に押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図7】同コインケースにおいて、移動体をハウジングに突き当たる寸前まで押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図8】同コインケースにおいて、移動体を最後まで押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図9】同コインケースにおいて、押し込みを解除して、移動体が戻り初めてロックされた状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図10】同コインケースにおいて、ロック状態から移動体を再び押し込んだ状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図11】同コインケースにおいて、移動体を再び押し込んだ後に押し込みを解除した状態のピン部材とカム溝との位置関係を示す平面図である。
【図12】同コインケースにおいて、ピン規制部によりピン部材の動きが規制される状態を示す側断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態によるロック機構が適用されたコインケースの概観を示す分解斜視図である。
【図14】本発明の更に他の実施形態によるロック機構が適用されたコインケースの概観を示す斜視図である。
【図15】従来のラッチの概観を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
11、51 コインケース
12 ハウジング
13 移動体
15 突出部
16 ハートカム
21 カム溝
23 第一のトーションバネ
24 第二のトーションバネ
25、29 回巻部
26 ピン部材
27、31 延出部
52 複合バネ
53 トーションバネ部
54 線バネ部
Claims (3)
- ハウジングと、移動体とを備え、前記移動体は前記ハウジングに対して離される方向にバネ付勢され、前記ハウジング又は前記移動体のどちらか一方にカム溝が形成され、他方に前記カム溝に着脱可能に係合するピン部材が設けられて構成されるロック機構において、
前記カム溝は、前記ピン部材が係合してロックされる部分と、それに続いて底面が次第に高くなる傾斜面をなす部分とを有しており、
前記ピン部材が前記カム溝から離れる方向に移動するのを規制するピン規制部が設けられていて、
このピン規制部は、前記カム溝方向に向いた下縁部を上方に向けて切り込まれてなる溝部と、この溝部の一側方に設けられたピン押し部とを有し、
前記ピン部材が前記カム溝に係合しロックされた状態においては、前記ピン部材の柄部が前記ピン押し部に位置して、前記カム溝から離れる方向に移動するのを規制され、
前記ピン部材が前記傾斜面を移動する際には、前記ピン部材の柄部が前記溝部に入って高い位置に移動するのを可能とされることを特徴とするロック機構。 - 前記ピン部材は、トーションバネの回巻部から延出された一端を鍵状に曲げて形成された請求項1記載のロック機構。
- 前記カム溝の前記ピン部材が係合する部分の窪みの周囲が、前記カム溝の他の周囲部分より高く突出してピン係合部をなしている請求項1記載のロック機構。
Priority Applications (1)
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