JP3739689B2 - エンジン用つり合い装置のハウジング - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン用つり合い装置のハウジングに関し、特にバランサシャフトを回転自在に受容するためのハウジングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのシリンダブロックの下方に配設されたハウジング内にバランサシャフトを回転自在に受容したつり合い装置が、実公昭64−3847号公報に開示されている。
【0003】
上記公報に開示されたものは、バランサシャフトのジャーナル部に潤滑油を供給するための油路が、鋳造成型されたハウジングの肉厚内にドリル加工などの二次加工によって形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構造によると、油路を形成するために独立した工程を要する上、また油路の引き回しの都合によってはドリル孔の開口端末を塞ぐプラグを省略できないなど、製造工数の削減が困難であった。
【0005】
また油路を形成するためには、ハウジングの肉厚を削らねばならないが、これはハウジングの剛性の低下を招く。
【0006】
さらに加えて、ドリル孔は、曲線状の油路を形成することはできないので、両ハウジング同士を締結する、或いはエンジンブロックにつり合い装置を締結するためのボルトとの干渉を避けて油路を通す都合上、ハウジングの大型化を余儀なくされる。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その第1の目的は、製造工数の増大を招かずに油路を形成し得るように改良されたエンジン用つり合い装置のハウジングを提供することにある。
【0008】
また本発明の第2の目的は、剛性の低下を招かずに油路を形成し得るように改良されたエンジン用つり合い装置のハウジングを提供することにある。
【0009】
さらに本発明の第3の目的は、大型化を招かずに油路を形成し得るように改良されたエンジン用つり合い装置のハウジングを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本出願の請求項1の発明は、上下に分割されたアッパハウジング(14U)及びロワハウジング(14L)からなると共に、これら両ハウジング同士の接合面にバランサシャフト(13L・13R)の軸方向についての複数箇所を個々に支持すべく軸方向に列設された複数の軸受孔(22b〜22d)を形成してなるエンジン用つり合い装置(4)のハウジングにおけるアッパ、ロワ両ハウジングとの一側壁(31U・31L)同士の接合面に、複数の軸受孔に潤滑油を分配供給するための油路(軸方向油路32)の少なくとも一部を当該ハウジングの内方へ偏倚させて形成すると共に、前記偏倚した部分の外側に孔(H1・H4・T4・42a)を設けることを特徴とするものとした。
【0011】
このようにすれば、比較的複雑な油路を鋳造成型時に容易に形成することできる上、油路の端末をハウジングの外面に開口させずに済むのでプラグも不要となるため、製造工数の削減が可能となる。しかも油路の分だけ接合面の面積が減少するので、接合面を切削する工具の負担を低減できる。また、油路と孔との干渉を避けることができるので、ハウジングの大型化を招かずに済む。
【0012】
また請求項2の発明は、上記構成に加えて、ロワハウジングにオイルストレーナ取付部(28)およびオイルポンプ取付部を設け、ロワハウジングの一側壁に、オイルストレーナ取付部からオイルポンプ取付部に至る管状通路(26)を前記油路と平行に延設することを特徴とするものとした。
【0013】
これにより、油路を形成したことによる剛性の低下が管状通路を設けることで補われるので、ハウジングの剛性の低下を招かずに済む。
【0014】
さらに請求項3の発明は、アッパ・ロワ両ハウジングの接合面にオイルリターン通路(42b・42c)を凹設し、該通路の終端に隣接した位置にボルト締結部を設けたことを特徴とするものとした。
【0015】
このようにすれば、オイルリターン通路回りの締結剛性を高めることに寄与し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明によるつり合い装置のハウジングが適用されたエンジンを示している。このエンジンEは、クランクシャフト1を水平方向に延在させた直列4気筒エンジンであり、シリンダブロック2、ロワブロック3、つり合い装置4、及びオイルパン5を備えており、クランクシャフト1の軸回りについてシリンダ軸線を傾斜させて車体に搭載される。
【0018】
つり合い装置4は、ピストンの往復運動に起因して発生するエンジンEの二次振動を低減するためのものであり、その左右両側端部に下方から挿通される通しボルトB1により、オイルパン5に内包された状態でロワブロック3の下面(クランクシャフト1の下方)に締結される。このつり合い装置4は、クランクシャフト1の前端部(以下、クランクプーリ側を前側とする)のクランクプーリ6の背面側に固定された大スプロケット7と、左側(以下、左右方向はクランクプーリに向かってのこととする)のバランサシャフト(後に詳述する)の前端に固定された小スプロケット8と、大・小両スプロケット6・7間に掛け渡されたリンクチェーン9とを介して伝達されるクランクシャフト1の回転力により、回転駆動されるようになっている。
【0019】
つり合い装置4は、実質的に同一形状をなす左右一対のバランサシャフト13L・13Rと、これら2本のバランサシャフト13L・13Rを互いに平行に支持し且つ収容すべく、両バランサシャフト13L・13Rの中心を通る平面に沿って上下に2分割されたアッパハウジング14U及びロワハウジング14Lとを備えている。
【0020】
両バランサシャフト13L・13Rは、各バランサシャフト13L・13Rに一体結合されたヘリカルギヤ15(一方のみを図示する)によって互いに連動連結されている。ここで左バランサシャフト13Lには、上記の通り、大スプロケット7、小スプロケット8、及びリンクチェーン9を介してクランクシャフト1の駆動力が伝達され、これにより、クランクシャフト1の2倍の回転速度でクランクシャフト1と同一方向へ左バランサシャフト13Lが回転駆動される。そしてヘリカルギヤ15同士の噛合により、右バランサシャフト13Rがそれとは逆向きに回転駆動される。
【0021】
両バランサシャフト13L・13Rには、比較的小径の第1、第2ジャーナル部16a・16bがヘリカルギヤ15の前方に、その後方に比較的大径の第3、第4ジャーナル部16c・16dが、それぞれ一体形成されている。また、各バランサシャフト13L・13Rの後側部分には、回転中心から径方向外側に重心位置を偏倚させ、且つ第3ジャーナル部16cを挟んで前後に2分割されたカウンタウェート部17が一体形成されている。
【0022】
前後カウンタウェート部17の第3ジャーナル部16cを挟む対向端部には、拡径されたフランジ部18がそれぞれ形成されている。これらフランジ部18の互いの対向端面には、スラスト受面19が形成されている。
【0023】
カウンタウェート部17をできるだけ小さくした上で所期の等価回転質量を得るために、カウンタウェート部17の軸部20は比較的細径とされている。そして径を細くしたことによる剛性低下を補うために、ヘリカルギヤ15の取付部と第3ジャーナル部16cの前側に設けられたフランジ部18との間、並びに第3ジャーナル部16cの後側に設けられたフランジ部18と第4ジャーナル部16dとの間を軸線方向について接続するリブ21が、両軸部20の反ウェート側の全長に渡る部分に設けられている。これらのリブ21は、リブ21を設けたことによる重量増大を最小限に抑え、かつ応力分布を最適化するために、各カウンタウェート部17の軸線方向中央へ行くに従って高さ寸法が小さくなるテーパ形状とされている。
【0024】
他方、両バランサシャフト13L・13Rの各ジャーナル部16a〜16dは、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを互いに接合させることによって形成される2つ割の第1〜第4軸受孔22a〜22dに支持される。
【0025】
各軸受孔22a〜22dにおけるロワハウジング14L側の半割部分に両バランサシャフト13L・13Rの各ジャーナル部16a〜16dをそれぞれ載置し、更にこの状態で各軸受孔22a〜22dにおけるアッパハウジング14U側の半割部分を両バランサシャフト13L・13Rの各ジャーナル部16a〜16dに整合させた上でアッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを互いに接合させることにより、両バランサシャフト13L・13Rが両ハウジング14U・14L内に回転自在に収容されることとなる。そして前記したスラスト受面19は、第3軸受孔22cを形成した軸受壁23cの前後両端面に当接してスラスト力を受け止めるようになっている。
【0026】
図3に併せて示すように、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lは、適宜な位置に上方から挿通された複数のボルトB2と、第3、第4軸受孔22c・22dが設けられた各軸受壁23c・23dを貫通して下方から挿通された各3本のボルトB3とで締結されており、特にカウンタウェート部17の回転による径方向の加速度が作用する軸受壁23c・23dの部分に緩みが生じ難くなるように配慮されている。
【0027】
ロワハウジング14Lの前端面には、エンジン各部へ潤滑油を圧送するためのトロコイド式の潤滑油ポンプ(図示せず)を内設したポンプハウジング24がボルト止めされている。この図示されていない潤滑油ポンプは、右バランサシャフト13Rの軸端に設けられており、右バランサシャフト13Rが回転すると、ロワハウジング14Lの底壁に取り付けられたオイルストレーナ25からロワハウジング14Lの一側壁に内設された管状通路26を経てオイルパン5内の潤滑油を吸引し、エンジン各部へと圧送するようになっている。
【0028】
オイルストレーナ25を保持するストレーナカバー27の取付部28は、ロワハウジング14Lにおける2つのバランサシャフトのうちの低い側、つまり左バランサシャフト13Lの下方位置に一体形成されている。このストレーナカバー取付部28は、概ね円筒状をなし、アッパハウジング14Uとロワハウジング14Lとを相互に締結するためのボルトB3のうちの2つのバランサシャフト13L・13R同士間に設けられたボルトと低い側の左バランサシャフト13Lの外側方に設けられたボルトとの間にその中心を配すると共に、ロワハウジング14Lの前後方向中間部における第3軸受孔22cの半割部が設けられた軸受壁23cにその外周部が連結されている。これにより、アッパハウジング14Uとロワハウジング14Lとを締結する軸受壁23cの剛性の増強を図っている。また、ロワハウジング14Lの一側壁に一体形成された管状通路26は、ポンプハウジング24の接合面へとその終端が至っている。
【0029】
このようにして、ストレーナカバー取付部28と中空な管状通路26とを、ロワハウジング14Lの底壁における左側バランサシャフト13Lの下方に隣接する位置に一体形成することにより、ロワハウジング14Lの特にバランサシャフト13Lの第3ジャーナル部16cより前側を支持する各軸受壁23a・23b同士間をストレーナ取付部28と管状通路26とで連結することになるので、これらの軸受壁23a・23bの剛性を増強する上に大きく寄与している。しかも軸受壁23cを締結するボルトB3の頭部とストレーナカバー取付部28との間隔を十分に開けられるので、ボルト締結時の作業性を低下させずに済む。
【0030】
管状通路26の終端部の側方に隣接する位置には、ロワブロック3に対する締結ボルトB1を挿通する締結ボス30が設けられており、ロワブロック3に対するつり合い装置4の締結剛性を高めるのに寄与している。
【0031】
上記の如く、オイルストレーナ25は、ロワハウジング14Lの底壁における2つのバランサシャフトのうちの低い側の左バランサシャフト13Lの下方に直接取り付けられており、クランクシャフト1の中心を通る垂直面に近接する位置、即ちエンジンEの重心位置の概ね直下にその中心部を配している。このようにして、ストレーナカバー取付部28を下方へ大きく延出せずに、オイルパン5の最下底部における最も液面変動が少ない位置にストレーナカバー27の吸入口29を位置させている。従って、走行中の前後加速度や遠心力で潤滑油の液面が変動しても、オイルの吸い込みが悪化せずに済む。またこれにより、ロワハウジング14Lの徒な大型化が回避され、ひいてはエンジンEのコンパクト化にも寄与している。
【0032】
アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lの左側壁31U・31Lにおける互いの接合面のそれぞれには、図4及び図6に示したように、バランサシャフトの軸線に概ね平行に延在する軸方向油路32が凹設されている。そしてこの軸方向油路32からバランサシャフトの径方向に沿って分岐して第2〜第4軸受孔22b〜22dへと至る径方向油路33b〜33dが、各軸受孔に対応する第2〜第4軸受壁23b〜23dの接合面に凹設されている。
【0033】
アッパハウジング14Uの第2軸受壁23bには、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを締結するボルトB2の挿通孔H2同士間を左右の軸受孔22bの内周面を経て連結するように、前側径方向油路33bが凹設されている。そして第3軸受壁23cには、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを締結するボルトB3が螺合する雌ねじ孔T3同士間を左右の軸受孔22cの内周面を経て連結するように、中央径方向油路の上側半分33c/Uが凹設されている。
【0034】
ロワハウジング14Lの第3軸受壁23cには、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを締結するボルトB3の挿通孔H3同士間を、左右両軸受孔22cの内周面を経て連結するように、中央径方向油路の下側半分33c/Lが凹設されている。そして第4軸受壁23dには、左側の軸受孔22dの内周面と中央のボルト挿通孔H3とを経て右側の軸受孔22dの内周面の一部にかけて後側径方向油路33dが凹設されている。
【0035】
これらの油路は、それぞれの断面形状が例えば半円形をなすように、各ハウジング14U・14Lの鋳造工程で形成されており、特に軸方向油路32の全ての部分並びに径方向油路33b〜33dの一部分は、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lを接合すると概ね真円輪郭の孔となるようにされている。なお、これらの油路の断面形状は、鋳造工程で形成可能でありさえすれば、円形に限らないことは言うまでもない。
【0036】
アッパハウジング14Uの第3軸受壁23cに設けられた中央径方向油路33cの右側の端末には、ロワブロック3の下面にアッパハウジング14Uを接合した際にロワブロック3に設けられた潤滑油路(図示せず)に連通するように、シリンダ軸線に沿う貫通孔34が穿設されており、ロワブロック3から中央径方向油路33cに流入したオイルは、図6に示したように、第3軸受孔22cに装着されたメタル軸受け35に開けられた油孔36から第3ジャーナル部16cとの摺接面にその一部が供給され、残りが軸方向油路32に流入し、そこから前後の第2軸受壁23b並びに第4軸受壁23dの径方向油路33b・33dへと分流する。
【0037】
前側径方向油路33bへと流れたオイルは、上記と同様の要領にて、アッパハウジング14U側の第2軸受孔22bに装着されたメタル軸受けに開けられた油孔から第2ジャーナル部16bとの摺接面にその一部が供給された後、第2軸受壁23bにおける左側の軸受孔22b/Lからドリル孔で形成された連結路37を経て、第1軸受孔22aにも供給される。またその残りは、前側径方向油路33bの端末Enに連通するようにロワハウジング14Lにおけるポンプハウジング24との接合面から穿設されたドリル孔38から流出し、この先に設けられた図示されていないチェーンテンショナ装置などへと供給される。
【0038】
後側径方向油路33dへと流れたオイルは、上記と同様の要領にて、ロワハウジング14L側の第4軸受孔22dに装着されたメタル軸受けに開けられた油孔から第4ジャーナル部16dとの摺接面に供給される。
【0039】
このようにして、2つ割のハウジング14U・14Lの接合面に油路を凹設するものとすれば、各ハウジング14U・14Lの鋳造工程で油路を形成することができる上、通路の端末をハウジングの外面に開口させずに済むのでプラグも不要となることから、各ジャーナル部へのオイル供給油路を設けるために製造工数を増大せずに済む。また接合面は所定の平面精度を得るために切削加工を施すが、油路を凹設するによって切削面積が減少するので、切削工具の負担が軽減され、工具寿命が延びる。
【0040】
また軸方向油路32は、ロワハウジング14Lの左側壁31Lに内設されたオイルストレーナ25とポンプとの間を繋ぐための管状通路26と平行に延設されており、管状通路26による左側壁31の剛性増強により、軸方向油路32を凹設したことによる剛性低下が補われる。
【0041】
軸方向油路32の一部は、アッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lの内方、つまりバランサシャフト13Lに近い側に偏倚している。そしてその外側に、両ハウジング14U・14L同士を締結する一部のボルトの挿通孔H4及び雌ねじ孔T4や、つり合い装置4をロワブロック3の下面に締結するボルトB1を挿通する孔H1や、シリンダヘッドからのオイルリターン通路41(図2)に接続される排油孔42aなどが設けられている。これにより、ハウジング14U・14Lの側方への突出寸法が増大することを防いでいる。なお、軸方向油路32の一部を内方へ偏倚させた所に設ける孔は、上記の機能や用途に限らないことは言うまでもない。
【0042】
ボルト挿通孔H4及び雌ねじ孔T4は、アッパ・ロワ両ハウジング14U・14Lの互いの接合面における第2軸受孔22bと第3軸受孔22cとの間に凹設されたオイルリターン通路42b・42cの終端に隣接しており、この位置でボルトを締めることにより、オイルリターン通路42b・42c回りの締結剛性を高めることに寄与している。
【0043】
上記実施の形態においては、軸方向油路32の全ての部分並びに径方向油路33b〜33dの一部分をアッパ、ロワ両ハウジング14U・14Lの双方に凹設するものとしたが、これはいずれか一方の側に凹設すれば良く、特に管状通路26が形成されたロワハウジング14L側のみに軸方向油路32を設けるものとすれば、アッパハウジング14Uの剛性低下を招かずに済む。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本願請求項1の発明によれば、アッパ、ロワ両ハウジング同士の接合面に軸受孔への潤滑油供給油路を形成するものとしたので、比較的複雑な油路を鋳造成型時に容易に形成することできる上、通路の端末をハウジングの外面に開口させずに済むのでプラグも不要となる。また、アッパ、ロワ両ハウジングの一側壁同士の接合面に形成された油路の少なくとも一部を当該ハウジングの内方へ偏倚させ、且つその外側に孔を設けるものとしたので、油路と孔との干渉を避けることができ、ハウジングのコンパクト化の推進に大きな効果が得られる。しかもこの構成によれば、通路の分だけ接合面の面積が減少するので、接合面を切削する工具の負担を低減することもできる。従って本発明により、製造工数を削減すると共にハウジングをコンパクト化する上に大きな効果を奏することができる。
【0045】
また請求項2の発明によれば、ロワハウジングの一側壁にストレーナからオイルポンプに至る管状通路を油路と平行に延設することにより、油路を形成したことによる剛性の低下が管状通路を設けることで補われるので、ハウジンンの剛性低下を抑制し、アッパ・ロワ両ハウジングの接合面のシール性を向上する上に効果的である。
【0046】
さらに請求項3の発明によれば、アッパ・ロワ両ハウジングの接合面にオイルリターン通路を凹設し、該通路の終端に隣接した位置にボルト締結部を設けることにより、オイルリターン通路回りの締結剛性を高めることに寄与し得るので、オイルリターン通路回りの剛性低下を抑制し且つシール性を向上する上に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたエンジンの要部を一部切除して表した正断面図
【図2】本発明が適用されたエンジンの要部を一部切除して表した側断面図
【図3】つり合い装置のロワハウジングの底面図
【図4】つり合い装置のアッパハウジングの下面図
【図5】つり合い装置のロワハウジングの上面図
【図6】第3軸受壁の部分的な断面図
【符号の説明】
4 つり合い装置
14U アッパハウジング
14L ロワハウジング
13L・13R バランサシャフト
22a〜22d 軸受孔
26 管状通路
31U・31L 左側壁
32 軸方向油路
Claims (3)
- 上下に分割されたアッパハウジング及びロワハウジングからなると共に、これら両ハウジング同士の接合面にバランサシャフトの軸方向についての複数箇所を個々に支持すべく軸方向に列設された複数の軸受孔を形成してなるエンジン用つり合い装置のハウジングであって、
前記アッパハウジングと前記ロワハウジングとの一側壁同士の接合面に前記複数の軸受孔に潤滑油を分配供給するための油路の少なくとも一部を当該ハウジングの内方へ偏倚させて形成すると共に、
前記偏倚した部分の外側に孔を設けることを特徴とするエンジン用つり合い装置のハウジング。 - 前記ロワハウジングにオイルストレーナ取付部およびオイルポンプ取付部を設け、
前記ロワハウジングの前記一側壁に、前記オイルストレーナ取付部から前記オイルポンプ取付部に至る管状通路を前記油路と平行に延設することを特徴とする請求項1に記載のエンジン用つり合い装置のハウジング。 - 前記両ハウジングの接合面にオイルリターン通路を凹設し、該通路の終端に隣接した位置にボルト締結部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン用つり合い装置のハウジング。
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