JP3734905B2 - ω−3系高度不飽和脂肪酸の精製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ω−3系高度不飽和脂肪酸を高収率かつ高純度に精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度不飽和脂肪酸の有する生理活性作用が注目されている。特に、エイコサペンタエン酸(以下、EPAと称する。)やドコサヘキサエン酸(以下、DHAと称する。)は、動脈硬化症、血栓症などの成人病に対する予防効果や制癌作用、学習能の増強作用などの多くの生理活性作用を有していることが知られている。そして、その利用法について様々な検討がなされている。
【0003】
EPAやDHAを主体とした高度不飽和脂肪酸を精製する方法としては、例えば(1) クロマトグラフィーによる方法、(2) 液−液分配による方法、(3) 低温溶剤分別結晶化法、(4) 尿素付加による方法、(5) 二重結合への付加物による方法、(6) 蒸留による方法、およびこれらを組合せた方法が知られている。
【0004】
しかし、前記(2) 〜(5) の方法においては、溶剤を使用しなければならず、溶剤の除去工程が必要となるため、工程が煩雑である。また、(1) の方法では高純度の精製はできるが、溶剤及びカラムを使用する必要があり、製造コストが掛かり過ぎてしまうため、事業的に採算が合わない。さらに、(6) の方法においては、処理コストは比較的安価であるが、目的とする画分の回収率はあまり高いものではない。
したがって、コストの低い処理方法を用いて高収率で高純度にまで精製できる方法の開発が望まれている。
【0005】
高度不飽和脂肪酸を精製する方法としては、これまでに常温、常圧下で反応が進行するリパーゼを用いた方法が注目されている。リパーゼによる高度不飽和脂肪酸の精製法には、油脂をリパーゼで加水分解し未分解のグリセリド画分中に濃縮する方法(選択的加水分解反応)、あるいは高度不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸混合物とアルコールとからなる反応混液にリパーゼを作用させ、高度不飽和脂肪酸以外の脂肪酸をエステル化し、高度不飽和脂肪酸を遊離脂肪酸画分中に精製する方法(選択的エステル化反応)等が知られている。
【0006】
医薬品原料として高度不飽和脂肪酸を高純度に精製する場合には、後者の方が有効であり、これまでにω-6系脂肪酸のγ−リノレン酸を濃縮する方法として、ボラージオイル(γ−リノレン酸含量25%)の脂肪酸混合物からゲオトリカム属の糸状菌が生産するリパーゼを用いて、低級アルコールとn-ヘキサンを加えた反応混液中で遊離脂肪酸画分中にγ−リノレン酸を70%の濃度まで精製する方法が知られている(JAOCS,Vol.71,no.6,p563(1994)、JAOCS,Vol.72,no.4,p417(1995))。
【0007】
また、DHAを濃縮する方法としては、魚油(EPA11%、DHA含量8%)の脂肪酸混合物を尿素付加法によりDHA27%(EPA27%)に濃縮した脂肪酸混合物及びそのメチルエステル体と低級アルコールとからなる反応混液に、n-ヘキサンを加えた系でリゾムコール属の微生物が生産するリパーゼを用いてエステル化反応(この場合は、メチルエステルとアルコールとの間のアシドリシス反応も進行している。)することにより、遊離脂肪酸画分中にDHAを72%まで濃縮する方法も知られている(JAOCS,Vol.66,no.8,p1120(1989))。
【0008】
しかし、これらの方法はいずれも反応混液(重量)に対して10〜20倍量(容量)に相当する多量のヘキサンを使用するため、油脂が劣化するのみならず、実生産の際のタンク容量が莫大となり、更には有機溶媒の除去に多大なコストが掛かってしまう。よって、油脂の劣化を防止し、製造コストを下げるためにも有機溶媒を含まない簡便かつ温和な条件下での反応系の確立が望まれている。
高度不飽和脂肪酸を含有する油脂の加水分解法については、油脂を劣化させることなく分解できる適当な工業的方法は未だ見出されていない。
【0009】
飽和脂肪酸や1価不飽和脂肪酸の加水分解には、一般に無触媒の高圧加水分解(〜50atm)やアルカリ触媒を用いた中圧加水分解(〜10atm)による化学的な方法が採用されているが、高度不飽和脂肪酸の場合は、酸化安定性の問題からこのような過酷な条件下で分解することはできない。そのため、実験室で行われているケン化分解法を選択せざるを得ない。しかし、ケン化分解法では、油脂に対して多量なアルコール、苛性ソーダ、酸、水等が必要となり、アルカリ性下での加熱処理で油脂の劣化を招くとともに、工業スケールとなると反応タンクが大掛りになるという問題点があり、さらには使用したアルコールの回収や排水処理の問題が生じ、工程が煩雑になってしまうという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ω−3系高度不飽和脂肪酸の精製方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に基づいて鋭意研究を行ない、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂を穏和な条件下で加水分解し、効率的に遊離の高度不飽和脂肪酸を得る方法を検討した結果、高分解能を有するリパーゼを用いて加水分解反応を行なうと、有機溶媒や多量の水を使用することなく、簡便な工程で脂肪酸画分が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、ω−3系高度不飽和脂肪酸を含有する油脂をリパーゼを用いて加水分解し、得られる脂肪酸の混合物を、リパーゼを用いて有機溶媒を含まない反応系で直鎖高級アルコールと選択的エステル化反応させることを特徴とするω−3系高度不飽和脂肪酸の精製方法である。
【0013】
さらに、本発明は、ω−3系高度不飽和脂肪酸を含有する油脂をリパーゼを用いて加水分解し、得られる脂肪酸の混合物を、リパーゼを用いて有機溶媒を含まない反応系で直鎖高級アルコールと選択的エステル化反応させ、得られる反応産物から脂肪酸混合物を分画し、前記選択的エステル化反応に用いたリパーゼを用いて再度直鎖高級アルコールと選択的エステル化反応させることを特徴とするω−3系高度不飽和脂肪酸の精製方法である。
【0014】
ここで、加水分解に用いられるリパーゼとしては、シュードモナス属又はキャンディダ属に属する微生物、例えばシュードモナス・フルオレッセンス、キャンディダ・シリンドラシエ等が産生するリパーゼが挙げられ、選択的エステル化反応に用いられるリパーゼとしては、リゾプス属、リゾムコール属、フミコーラ属又はフザリウム属に属する微生物が産生するリパーゼが挙げられる。また、ω−3系高度不飽和脂肪酸(例えばドコサヘキサエン酸)を含有する油脂としては、例えば魚油が挙げられる。
【0015】
さらに、本発明は、前記精製方法により得られるω−3系高度不飽和脂肪酸をカラムクロマトグラフィーを用いて分取することを特徴とするω−3系高度不飽和脂肪酸の精製方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
リパーゼを用いて油脂を加水分解して得られた脂肪酸画分中の脂肪酸組成は、ケン化による加水分解で得られた脂肪酸画分とよく似た脂肪酸組成を有するが、本発明者は、リパーゼの性質をうまく選択すれば、ケン化分解で得られる脂肪酸組成に比べ、若干EPA含量の低い脂肪酸画分が得られることを見出した。選択的エステル化反応を用いてDHAを高純度に精製する場合、初発のEPAが少ない脂肪酸原料を使用することが好ましく、リパーゼによる加水分解で得られる脂肪酸画分を選択的エステル化反応の原料とすることは、DHAの高純度精製には非常に有効な方法である。
【0017】
本発明の高度不飽和脂肪酸の精製方法は、まず、リパーゼを用いて油脂を加水分解し、得られる脂肪酸混合物を、リパーゼを用いて選択的エステル化反応を行うことを特徴とする。なお、選択的エステル化反応は、有機溶媒の存在しない反応系で行われる。ここで、本発明における「有機溶媒」とは、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン等の有機溶媒(アルコールを除く)をいい、「有機溶媒を含まない反応系」とは、脂肪酸、直鎖高級アルコール、水、酵素等で構成される反応系をいう。
【0018】
本発明に用いられる高度不飽和脂肪酸を含有する油脂としては、魚油、例えば、マグロ若しくはカツオの頭部から抽出されるもの、イワシ、サバ、サンマ若しくはアジの全魚体から抽出されるもの、又はイカ若くはタラの肝臓から抽出される肝油等がEPA、DHAを多く含むために好ましい。魚油の抽出方法としては、マグロ若しくはカツオの頭部、イワシ、サバ、サンマ若しくはアジの全魚体、又はイカ若しくはタラの肝臓を採取し、これを煮取り抽出、溶剤抽出、圧搾抽出する方法等が挙げられる。
【0019】
高度不飽和脂肪酸としてはω−3系系高度不飽和脂肪酸が挙げられ、該脂肪酸は、少なくとも4〜6個の二重結合を有し、鎖式構造のメチル基末端から3番目の位置から二重結合が始まっているものをいい、例えばEPAやDHA等が挙げられる。
【0020】
前記抽出した魚油をリパーゼを用いて加水分解し、脂肪酸の混合物を得る。リパーゼとしては、例えば、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物、好ましくはシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescence)が生産するリパーゼ(天野製薬(株)製のリパーゼAK)又はシュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)が生産するリパーゼ(昭和電工(株)のLiposam)、あるいはキャンディダ(Candida)属に属する微生物、好ましくはキャンディダ・シリンドラシエ(Candida cylindracea) 等が生産するリパーゼ(名糖産業製のリパーゼOF)等が挙げられる。これらのリパーゼの使用形態はそのままでもよいが、固定化剤(例えば、アクリル樹脂、イオン交換樹脂、セライトやセラミックス担体等)に固定したリパーゼを使用してもよく、特に限定されるものではない。加水分解に使用するリパーゼの使用量は、反応条件によって適宜決定すればよく、特に制限されるものではないが、通常は、油脂1g当たり50〜5,000 ユニット、好ましくは、100〜1,500 ユニット程度が使用される。
【0021】
加水分解反応は、通常行われている油脂の条件で行なってよい。即ち、前記リパーゼを用いて、1〜500%(重量%、以下同じ))の水量の下、15〜60℃の温度条件(15℃未満ではリパーゼの反応速度が遅くなり、60℃を超えるとリパーゼの失活が著しい。)で30分〜72時間静置又は撹拌することにより加水分解を行なう。但し、本発明で使用するリパーゼの活性を十分に発現させるためには、以下の条件がより好ましい。
【0022】
すなわち、20〜200%の水分量であること、25〜50℃の温度条件であること、撹拌して反応させること(エステル化反応は静置したままでも進行するが、撹拌により反応効率が大幅に上昇する。)、脂肪酸の酸化的劣化を防止するため窒素気流下で1〜50時間程度の短時間で反応させること、である。
【0023】
本発明において、リパーゼによる油脂の加水分解率は、次式I:
加水分解率(%)=(酸価/ケン化価)× 100 〔I〕
によって算出することができる。
【0024】
式Iにおいて、酸価とは、サンプリングした水と油のエマルジョンを湯浴中で加温(30〜100℃)することによりエマルジョンが破壊された時の、上層に得られる加水分解油の測定値をいい、ケン化価とは、上記エマルジョンの分解前の油脂のケン化価をいう。
【0025】
このようにして行なった加水分解後の加水分解油中には、主成分の遊離脂肪酸と未分解グリセリドおよび若干のグリセリンが含まれているが、次に行なう選択的エステル化反応を円滑に進行させるためには、未分解グリセリドおよびグリセリンは除去しておく必要がある。遊離の脂肪酸画分を分取する方法としては、通常行なわれているアルカリによる抽出法(アルカリ反応させて脂肪酸塩とした後、水層側に分画する方法)、溶剤液−液分配による方法、クロマトグラフィーによる方法、低温結晶化分別による方法、分子蒸留による方法、精密真空蒸留による方法等が挙げられる。なお、クロマトグラフィーについてはカラムクロマトグラフィーがより好ましく、高速液体クロマトグラフィーが最も好ましい。
【0026】
前記加水分解反応において、1回のリパーゼ処理で所望の加水分解率は得られるが、更に収率よく遊離脂肪酸の分解を望む場合には、一回目の反応で未分解であったグリセリド画分を、上記と同様の条件で再度加水分解反応を繰り返すことにより、収率よく脂肪酸を回収することができる。
【0027】
次に、得られた脂肪酸の選択的エステル化反応を行う。
選択的エステル化反応に使用するリパーゼとしては、リゾプス(Rhizopus)属に属する微生物、好ましくはリゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、タリパーゼ原末120,000U/g)、リゾムコール属に属する微生物、好ましくはリゾムコール・ミーハイ(Rhizomucor miehei)が生産するリパーゼ(ノボノルディスク(株)製)、フミコーラ(Humicola)属に属する微生物、好ましくはフミコーラ・ラングノーサ(Humicola langunosa)が生産するリパーゼ(ノボノルディスク(株)製)、フザリウム(Fusarium)属に属する微生物、好ましくはフザリウム・ヘテロスポルム(Fusarium heterosporum)が生産するリパーゼ等が挙げられる。リパーゼの使用量はその活性や所望の高度不飽和脂肪酸の濃縮度によっても異なるが、脂肪酸とアルコールとの反応混液1g当たり30〜2,000 ユニット、好ましくは100〜1,000 ユニット程度が使用される。
【0028】
選択的エステル化反応を行なうための反応混液中の脂肪酸とアルコールとの原料比(モル比)は1:1〜1:10、好ましくは1:2〜1:8程度である。
エステル化反応は、通常行なわれているリパーゼの反応条件で行なってよい。即ち、前記選択的エステル反応に使用するリパーゼを用いて、0.5〜100%(重量%、以下同様)の水分量の下、15〜50℃の温度条件(15℃未満ではリパーゼの反応速度が遅くなり、50℃を超えるとリパーゼの失活が著しい。)で30分〜72時間静置又は攪拌することによりエステル化(エステル合成)を行なう。
【0029】
但し、本発明で使用する選択的エステル化用リパーゼの活性を十分に発現させるためには、以下の条件がより好ましい。
すなわち、5〜50%の水分量であること、25〜40℃の温度条件であること、撹拌して反応させること(エステル化反応は静置したままでも進行するが、撹拌により反応効率が大幅に上昇する。)、脂肪酸の酸化的劣化を防止するため、窒素気流下で1〜30時間程度の短時間で反応させること、である。
【0030】
本発明において、リパーゼによる脂肪酸のエステル合成率は、次式II:
エステル合成率(%)=
(反応開始時の反応混液の酸価−反応終了時の反応混液の酸価)÷反応開始時の反応混液の酸価 × 100 〔II〕
によって算出することができる。
【0031】
上記のエステル合成率を算出することによって、高度不飽和脂肪酸が濃縮した脂肪酸画分の収率を求めることができる。例えば、エステル合成率が60%の場合には、脂肪酸画分の収率は、100%から60%を差し引いた値(40%)となる。
前記エステル化反応において、1回のリパーゼ処理で所望の純度の高度不飽和脂肪酸を含む脂肪酸は得られるが、更に高純度の高度不飽和脂肪酸を望む場合には、一回目の反応によって得られた脂肪酸画分を同様の処理により、再度選択的エステル化反応を繰り返し脂肪酸画分を分取することで、更に高純度まで精製することができる。
【0032】
選択的エステル化反応後の反応混合物中には、高度不飽和脂肪酸が濃縮した遊離脂肪酸画分以外に、ワックスエステル及び未反応の高級アルコールが含まれている。したがって、繰り返しエステル化反応を行うときは、遊離脂肪酸画分を得るために、ワックスエステル及びアルコールを除去し精製しておく必要がある。
【0033】
遊離の脂肪酸画分を分取する方法としては、通常行なわれているアルカリによる抽出法(アルカリ反応させて脂肪酸塩とした後、水層側に分画する方法)、溶剤液−液分配による方法、クロマトグラフィーによる方法、低温結晶化分別による方法、分子蒸留による方法、精密真空蒸留による方法等が挙げられる。クロマトグラフィー等を行うことによって、高度不飽和脂肪酸を95%以上の高純度に精製することができる。なお、クロマトグラフィーについてはカラムクロマトグラフィーがより好ましく、高速液体クロマトグラフィーが最も好ましい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これら実施例にその技術的範囲を限定するものではない。
【0035】
〔実施例1〕
マグロ油(ケン化価;184、DHA22.9%,EPA6.5%)100gに、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescence)が生産するリパーゼ(天野製薬(株)製、リパーゼAK)を油1gに対して600 ユニットになるように溶解した蒸留水100gを加えて、撹拌しながら40℃で16時間加水分解反応を行った。加水分解反応後の反応液は、十分平衡に達していた。次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して加水分解油を得た(加水分解の酸価は114.6であった)。
【0036】
更に、該加水分解油にn-ヘキサン1Lを溶解してから、1Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。分離したヘキサン層(上層)に、再度500mlの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水−エタノール層を合わせ、これに500mlのn-ヘキサンを加えてから4N-塩酸で中和し、ヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターを用いてn-ヘキサンを留去し脂肪酸画分を濃縮精製したところ、56.2gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化し、キャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸酸19.4%、ステアリン酸4.5%、オレイン酸21.2%、リノール酸1.2%、EPA4.3%、DHA24.2%であった。
【0037】
〔実施例2〕
実施例1で得られたマグロ油由来の脂肪酸画分(DHA24.2%、EPA4.3%)50g及びラウリルアルコール70g を含む反応混液(モル比1:2)に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、タリパーゼ原末120,000 U/g)30,000ユニットを溶解した蒸留水30mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は72.1%であった。)。次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して反応混合物を得た。更に、該反応混合物をn-ヘキサン1.2Lに溶解してから1.2Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加え、脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。
【0038】
分離したヘキサン層(上層)に再度0.6Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水−エタノール層を合わせ、これに0.6Lのn-ヘキサンを加えて、4N-塩酸で中和することによりヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターによりn-ヘキサンを留去して脂肪酸を濃縮したところ、12.9gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸5.2%、ステアリン酸1.2%、オレイン酸5.7%、EPA4.0%、DHA71.6%であった。
【0039】
〔実施例3〕
実施例2で得られたω−3系高度不飽和脂肪酸を濃縮した脂肪酸画分10g及びラウリルアルコール14g を含む反応混液(モル比1:2)に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、タリパーゼ原末120,000 U/g)4,800 ユニットを溶解した蒸留水6mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間で再度選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は28.4%であった。)。
【0040】
実施例2と同様にスケールダウンした方法で脂肪酸画分を抽出し、7.3gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸0.8%、ステアリン酸0.9%、オレイン酸0.9%、EPA1.7%、DHA90.6%であった。
【0041】
〔実施例4〕
マグロ油(ケン化価;184、DHA22.9%,EPA6.5%)100gに、シュードモナス(Pseudomonas sp.)属の微生物が生産するリパーゼ(昭和電工(株)、Liposam)を油1gに対して2,000 ユニットになるように溶解した蒸留水を100g加えて、撹拌しながら40℃で16時間加水分解反応を行った。加水分解反応後の反応液は、十分平衡に達していた。次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して加水分解油を得た(加水分解の酸価は139.5 であった)。
【0042】
更に、該加水分解油をn-ヘキサン1Lに溶解してから、1Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。分離したヘキサン層(上層)に再度500mlの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水−エタノールを合わせ、これに500mlのn-ヘキサンを加えてから4N-塩酸で中和してヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターを用いてn-ヘキサンを留去し脂肪酸画分を濃縮精製したところ、68.2gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸19.8%、ステアリン酸4.7%、オレイン酸24.0%、リノール酸1.2%、EPA5.0%、DHA18.8%であった。
【0043】
〔実施例5〕
実施例4で得られたマグロ油由来の脂肪酸画分(DHA18.8%、EPA5.0%)50g及びラウリルアルコール70g を含む反応混液(モル比1:2)に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、タリパーゼ原末120,000 U/g)30,000ユニットを溶解した蒸留水30mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間で選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は71.6%であった)。実施例3と同様にスケールダウンした方法で脂肪酸画分を抽出し、11.4gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸8.0%、ステアリン酸1.8%、オレイン酸9.4%、リノール酸0.5%、EPA5.1%、DHA65.0%であった。
【0044】
〔実施例6〕
実施例5で得られたω−3系高度不飽和脂肪酸を濃縮した脂肪酸画分10g及びラウリルアルコール14g を含む反応混液(モル比1:2)に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、リパーゼ原末120,000 U/g)12,000ユニットを溶解した蒸留水6mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間で再度選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は22.8%であった。)。実施例5と同様にスケールダウンした方法で脂肪酸画分を抽出し、6.3gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸1.7%、ステアリン酸0.4%、オレイン酸2.1%、EPA2.8%、DHA85.4%であった。
【0045】
〔実施例7〕
マグロ油(ケン化価;184、DHA22.9%,EPA6.5%)100gにキャンディダ・シリンドラシエ(Candida cylindracea )が生産するリパーゼ(名糖産業製、リパーゼOF)を油1gに対して、1,000 ユニットになるように溶解した蒸留水100gを加えて、撹拌しながら40℃で16時間加水分解反応を行った。加水分解反応後の反応液は、十分平衡に達していた。次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して加水分解油を得た(加水分解の酸価は119.4 であった)。
【0046】
更に、該加水分解油にn-ヘキサン1L を溶解してから、1L の2N- 水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。分離したヘキサン層(上層)には再度500ml の2N- 水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水- エタノール層を合わせ、これに500ml のn-ヘキサンを加えてから4N- 塩酸で中和してヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターを用いてn-ヘキサンを留去し脂肪酸画分を濃縮精製したところ、58.4g が得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸20.6% 、ステアリン酸4.7%、オレイン酸24.4% 、リノール酸1.4%、EPA6.4% 、DHA13.1%であった。
【0047】
〔実施例8〕
実施例7で得られたマグロ油由来の脂肪酸画分(DHA13.1%、EPA6.4% )50g とラウリルアルコール 70gからなる反応混液(モル比1:2 )に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬製、タリパーゼ原末120,000 U/g ))30,000ユニットを溶解した蒸留水30mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は81.7% であった)。
【0048】
次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して反応混合物を得た。更に、該反応混合物をn-ヘキサン1.2Lに溶解してから1.2Lの2N- 水酸化カリウム/エタノール溶液を加え、脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。分離したヘキサン層(上層)に再度0.6Lの2N- 水酸化カリウム/エタノール 溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水−エタノール層を合わせ、これに0.6Lのn-ヘキサンを加えて、4N- 塩酸で中和することによりヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターによりn-ヘキサンを留去して脂肪酸を濃縮したところ、8.2gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸8.0%、ステアリン酸1.8%、オレイン酸9.4%、リノール酸0.5%、EPA6.4% 、DHA58.3%であった。
【0049】
〔実施例9〕
実施例8で得られた高度不飽和脂肪酸を濃縮した脂肪酸画分5gとラウリルアルコール 7g からなる反応混液(モル比1:2 )に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬製、タリパーゼ原末120,000 U/g ))3,000 ユニットを溶解した蒸留水3ml を加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間で再度選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は32.5% であった)。
【0050】
次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して反応混合物を得た。更に、該反応混合物をn-ヘキサン2.4Lに溶解してから2.4Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加え、脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。分離したヘキサン層(上層)に再度1.2Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水−エタノール層を合わせ、これに1.2Lのn-ヘキサンを加えて、4N-塩酸で中和することによりヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターによりn-ヘキサンを留去して脂肪酸を濃縮したところ、3.0gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸1.9%、ステアリン酸0.5 % 、オレイン酸2.0%、EPA5.1% 、DHA81.0%であった。
【0051】
〔比較例1〕
マグロ油(ケン化価;184、DHA22.9%, EPA6.5% )を常法に従いケン化分解して得られた遊離脂肪酸画分(DHA23.0%、EPA6.8%)100g及びラウリルアルコール140gを含む反応混液(モル比1:2)に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、リパーゼ原末120,000 U/g)60,000ユニットを溶解した蒸留水60mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は68.9%であった。)。次いで、該反応液からリパーゼを含む水層を除去して反応混合物を得た。更に、該反応混合物をn-ヘキサン2.4Lに溶解してから2.4Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加え、脂肪酸をカリウム塩にすることにより、脂肪酸画分を水−エタノール層(下層)に移行させた。分離したヘキサン層(上層)に再度1.2Lの2N-水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて脂肪酸の再抽出を行った。脂肪酸を抽出した水−エタノール層を合わせ、これに1.2Lのn-ヘキサンを加えて、4N-塩酸で中和することによりヘキサン層中に脂肪酸画分を抽出した。ロータリーエバポレーターによりn-ヘキサンを留去して脂肪酸を濃縮したところ、27.8gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸4.3%、ステアリン酸1.1%、オレイン酸5.0%、EPA6.9%、DHA68.8%であった。
【0052】
ここで、常法(60〜80℃で1〜2時間の還流下)を用いたケン化分解で得られる脂肪酸は色調が濃く、リパーゼで分解した脂肪酸は淡いものであった。淡い色調の脂肪酸は反応工程のダメージが少ないことが予想され、リパーゼで分解した脂肪酸は、ケン化分解により得られた脂肪酸よりも酸化分解物の含有量が少ない点で品質に優れている。
【0053】
〔比較例2〕
比較例1で得られたω−3系高度不飽和脂肪酸を濃縮した脂肪酸画分25g及びラウリルアルコール35g を含む反応混液(モル比1:2)に、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemer)が生産するリパーゼ(田辺製薬(株)製、タリパーゼ原末120,000 U/g)12,000ユニットを溶解した蒸留水15mlを加え(反応混液1g当たり酵素量200 ユニットとした。)、窒素気流下で撹拌しながら30℃で20時間で再度選択的エステル化反応を行った。エステル化反応後の反応液は、十分平衡に達していた(エステル合成率は28.3%であった。)。
【0054】
比較例1と同様にスケールダウンした方法で脂肪酸画分を抽出し、18.2gが得られた。得られた脂肪酸を三フッ化ホウ素−メタノール法によりメチルエステル化してキャピラリーガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した結果、パルミチン酸0.7%、オレイン酸0.9%、EPA4.6%、DHA85.1%であった。
【0055】
〔実施例10〕
実施例2で得られたDHA高純度濃縮脂肪酸混合物を医薬品原体用に更に濃縮するため、通常行なわれている塩酸−エタノール法により該脂肪酸混合物をエチルエステル体に変換した。得られた脂肪酸エチルエステルを全自動分取型高速液体クロマトグラフィー(三菱化工機(株)製)に装着したDevelosil ODS-10/20 を充填したカラム(直径50mm×長さ500mm,野村化学(株)製)に1バッチ当たり4,000μlを自動注入した。溶離液は100%メタノールで行ない、カラム恒温槽を30℃に設定しながら、流速40ml/minで流し、分取時間を50min/バッチでDHAエチルエステルの分取を行なった。
【0056】
ピークの検出は紫外部吸収検出器でUV214nmでモニターしながら行ない、DHAエチルエステル画分を3.25g分取した。得られたDHAエチルエステルをキャピラリーガスクロマトグラフィーで分析したところ、99.9%の純度であった。
【0057】
以上の結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1から明らかなように、ケン化分解で得られた脂肪酸、リパーゼによる加水分解によって得られた脂肪酸ともに、選択的エステル化を行うことによりかなりEPA含量を下げることは可能である。しかし、本発明により、リパーゼ処理で得られた脂肪酸原料を用いエステル化反応した方が、脂肪酸画分中のEPA含量をより低くできた。すなわち、本発明の方法のように、選択的エステル化反応に供する初発脂肪酸原料をリパーゼを用いて加水分解することにより、できるだけEPA含量を下げてDHAを高純度に精製することができるため、本発明の方法は極めて有効な方法である。このことは、実施例と比較例とを比較した結果から明らかである。
【0060】
また、本発明の方法は、ケン化分解により得られた脂肪酸よりも高品質の脂肪酸を得ることができる点で優れている。
さらに、簡便な工程で脂肪酸画分が得られるリパーゼを用いた加水分解は、DHAの高純度精製において効果的に行える極めて有望な方法である。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、高度不飽和脂肪酸の精製方法が提供される。種々の生理活性作用を有するω−3系高度不飽和脂肪酸を、本発明の方法によって収率よく高純度に精製できることは、医薬品、生化学試薬等に十分に利用できることから、本発明は産業上極めて有用である。
Claims (3)
- ドコサヘキサエン酸を含有する油脂をシュードモナス・フルオレッセンス由来のリパーゼを用いて加水分解し、得られる脂肪酸の混合物を、リパーゼを用いて有機溶媒を含まない反応系で直鎖高級アルコールと選択的エステル化反応させることを特徴とする、ドコサヘキサエン酸の精製方法。
- 選択的エステル化反応に用いられるリパーゼが、リゾプス属、リゾムコール属、フミコーラ属又はフザリウム属に属する微生物が産生するものである、請求項1記載のドコサヘキサエン酸の精製方法。
- 請求項1又は2に記載の精製方法により得られるドコサヘキサエン酸をカラムクロマトグラフィーを用いて分取することを特徴とする、ドコサヘキサエン酸の精製方法。
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