JP3727425B2 - 鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非晶質磁性合金薄帯を用いて巻鉄心を製造する過程で、非晶質磁性合金薄帯の短冊状シートを複数枚積層したものからなる単位積層体を複数個段積みして端部に段部を有する積層体ブロックを形成するために用いる鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法及び該方法を実施するために用いる段積み装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器等の静止誘導電気機器に用いる鉄心として、1ターンカット形の巻鉄心が用いられている。非晶質磁性合金薄帯を用いた1ターンカット形の巻鉄心は、非晶質磁性合金薄帯を所定枚数積層して構成した単位積層体を複数個積層して構成した積層体ブロックを更に複数個積層して、各積層体ブロックの各単位積層体の両端を所定のラップ代(重ね代)La をもってラップさせるか、またはラップ代が零の状態で両端を突き合わせて接合した構造を有している。
【0003】
図13は円形に形成された1ターンカット形巻鉄心の構造の一例を示したもので、この巻鉄心では、3つの鉄心ブロックB1 〜B3 が設けられ、3つの鉄心ブロックは、それぞれを構成する複数の単位積層体の両端の接合部(重ね合わせた部分または突き合わせた部分)JをO1 −O1 線とO2 −O2 線との間のほぼ同じ範囲に階段状に分布させた状態で形成されている。
【0004】
巻鉄心の形状を矩形にする場合には、図13に示した円形の巻鉄心を矩形状に成形した後焼鈍し、図14に示すように、継鉄部Y1 及びY2 と、脚部C1 及びC2 とを有する矩形状の鉄心を形成する。
【0005】
巻鉄心の巻回構造としては種々のものが提案されているが、その接合部附近の構造の一例を示すと図15の通りである。図15はラップ巻回として知られている巻回構造を示したもので、この例では、各単位積層体を巻枠の外周に右回りに巻回するものとしている。この巻回構造では、先ず最内周の1つ目の単位積層体(複数枚の非晶質磁性合金薄帯を重ねたものからなる)U1 の長さL1 を巻枠の外周面の周長R1 に等しい長さとして、1枚目の単位鋼板U1 を巻枠に巻き付けてその両端を突き合わせ接合する。
【0006】
次に最内周から2枚目の単位積層体U2 の長さをL2 =R1 +La +2πt[tは単位積層体の厚さ、La (≦Lo )はラップ代]とし、2枚目の単位積層体U2 の先端位置を1枚目の単位積層体U1 の後端位置からLo だけずらした状態で1枚目の単位積層体の上に巻回して、両端を所定のラップ代La だけラップさせる。以下同様に、巻鉄心の最内周からn枚目の位置で積層体ブロックを構成する単位積層体の長さLn をLn =Rn-1 +La +2πtとし、各積層体ブロックを構成する単位積層体の両端をラップ代La だけラップさせた状態で接合する。ここでRn-1 は、Rn-1 =R1 +(n−2)・2πt[但しn≧2]で与えられる。そして、1つの積層体ブロックの巻回が終了した後、次に巻回する単位積層体の先端位置を既に巻回された積層体ブロックの先頭位置に一致させ、上記と同様にして次の積層体ブロックを巻回する。
【0007】
なお図15においては、各単位積層体の接合部に隙間が図示されているが、実際にはこの隙間は零とするのが望ましい。
【0008】
珪素鋼板を用いて1ターンカット形の巻鉄心を製造する装置としては、図16に示した段積み装置と、図17に示した巻込み装置とが知られている。珪素鋼板を用いて図15に示したラップ巻回構造の巻鉄心を製造する場合には、単位積層体U1 ,U2 ,…がそれぞれ、珪素鋼板のストリップを所定の長さに切断して形成した単位鋼板で置き換えられる。以下の説明では、便宜上、一連の単位鋼板を示す符号として単位積層体を示す符号と同じ符号U1 ,U2 ,…を用いるものとする。
【0009】
図16に示した段積み装置は、特公平5−67046号公報に示されたもので、珪素鋼板SSをフィードローラ1Aと押えローラ1Bとの間に挟んで送給するフィーダ1と、送給された珪素鋼板SSを所定の長さに切断して単位鋼板U1 ,U2 ,…を形成するシヤー2と、シヤー2の前方に配置された固定テーブル4と、固定テーブル4とシヤー2との間に配置された移動テーブル5と、シリンダ6により駆動されて切断された単位鋼板を移動テーブル5に対してクランプするステップ送り用クランプ7と、移動テーブル5をステップ送り用クランプ7とともに所定の距離移動させてステップ作りをするステップ送り装置8と、シリンダ9により駆動されて単位鋼板の積層体をその先端側で固定テーブル4に対してクランプする先端クランプ10と、電動機11aにより駆動されるネジ棒11bと、該ネジ棒に螺合されたナットとを有して先端クランプ10を鋼板の送給方向に移動させる先端クランプ移動機構11とを備えている。ステップ送り装置8は、シヤー2を駆動する電動機を駆動源として移動テーブルを往復移動させるカム機構を備えていて、シヤーが鋼板SSの切断を完了した後に(シヤーの可動切断刃が退避した後に)移動テーブル5をラップ代La に鋼板の板厚による周長の増加分2πtを加えた分だけ固定テーブル4側に前進させ、ステップ送り用クランプ7がアンクランプ状態になった後に移動テーブル5を原位置に復帰させる。
【0010】
また図17に示した巻込み装置は、回転自在に支持された巻枠(マンドレル)mと、ループ状に形成されてプーリPにより巻枠mに沿って走行するようにガイドされたエンドレスの巻込みベルトVと、巻込みベルトVを駆動する図示しない駆動機構とを備えている。
【0011】
図16に示した段積み装置により図15に示したラップ巻回構造で、図13の巻鉄心を製造する場合には、先ずフィーダ1により鋼板SSを巻枠mの周長R1 に等しい長さL1 だけ送ったところで該フィーダを停止させ、シヤー2により鋼板SSを切断して第1の積層体ブロックB1 の1枚目の単位鋼板U1 を形成する。この単位鋼板U1 をステップ送り用クランプ7により移動テーブル5に対してクランプし、ステップ送り装置8により単位鋼板U1 を移動テーブル5とともに図16の左方向にステップ送り量La +2πtだけ前進させる(ステップ送りを行なわせる)。次いでステップ送り用クランプ7をアンクランプ状態(クランプを解除した状態)にした後、移動テーブル5を原位置まで後退させ、先端クランプ10により単位鋼板U1 の先端を固定テーブル4に対してクランプする。
【0012】
次にフィーダ1を再起動させて鋼板SSを単位鋼板U1 の上に送給し、フィーダによる鋼板の送り量が単位鋼板U1 の長さL1 にL a +2πt(tは鋼板の厚み)を加えた値に等しくなったことが検出されたときに鋼板SSをシヤー2により切断する。これにより2枚目の単位鋼板U2 を形成し、この単位鋼板U2 を単位鋼板U1 の上に重ねる。その後単位鋼板U1 ,U2 の積層体をステップ送り用クランプ7により移動テーブル5に対してクランプし、先端クランプ10をアンクランプ状態にした後、ステップ送り装置8により移動テーブル5を単位鋼板U1 ,U2 及びクランプ7とともにステップ送り量La +2πtだけ前進させる。次いでステップ送り用クランプ7をアンクランプ状態にし、移動テーブル5を原位置に復帰させた後、先端クランプ10を単位鋼板U2 の先端に当接する位置まで移動させて該先端クランプ10により単位鋼板U1 ,U2 の積層体の先端をクランプする。
【0013】
以下、La +2πtだけ鋼板積層体をステップ送りする操作と、ステップ送りされた鋼板積層体の上に、板厚による周長の増加分2πtだけ前よりも長さを増大させた単位鋼板を重ね合わせる操作とを所定回数繰り返すことにより積層体ブロックB1 ´を形成する。この積層体ブロックB1 ´は図13に示した積層体ブロックB1 を平面上に展開したものに相当し、その先端部にはラップ代La に等しいずれ代を有するステップ(段部)が形成され、後端部には先端部側のずれ代La と2πtとの和に等しいずれ代La +2πtを有するステップ(段)が形成されている。
【0014】
同様にして展開された形の他の積層体ブロックB2 ´及びB3 ´を形成する。上記のようにして構成した、展開された形の積層体ブロックB1 ´〜B3 ´を図17に示した巻込み装置の巻枠mと巻込みベルトVとの間に順次巻込んで図13に示したようなラップ巻回構造の巻鉄心を形成する。
【0015】
図16に示した鋼板段積み装置では、n枚目の単位鋼板Un の上に該単位鋼板Un よりも2πtだけ長さが長いn+1枚目の単位鋼板Un+1 を重ねる際に、既に積層されているn枚目以下の単位鋼板Un ,Un-1 ,…U1 をラップ代La に2πtを加えた分だけ予めステップ送りしておく必要があり、しかもn+1枚目の単位鋼板Un+1 をn枚目の単位鋼板Un の上に重ねる際には、両鋼板Un ,Un+1 間に生じる摩擦力により既に積層されているn枚目以下の鋼板の位置がずれることがないようにする必要がある。鋼板の積層体を形成する過程で単位鋼板の位置がずれると、鉄心の品質を低下させ、その特性を劣化させることになる。
【0016】
そのため、図16に示した従来の段積み装置では、既に積層されている単位鋼板のステップ送りをするために、移動テーブル5とシリンダ6とステップ送り用クランプ7とステップ送り装置8とを設け、既に積層された単位鋼板の位置ずれを防止するために、シリンダ9と先端クランプ10と先端クランプ移動機構11とを設けている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来、珪素鋼板を用いて巻鉄心を製造する場合には、上記のような製造装置を用いることにより、鋼板の段積みを自動的に行うことができたが、非晶質磁性合板薄帯を用いる場合には、以下の理由で図16に示した段積み装置を用いることができなかった。
【0018】
非晶質磁性合板薄帯を用いて巻鉄心を製造する場合に、図16に示した段積み装置を用いて積層体ブロックを形成する場合には、図16において、鋼板SSを非晶質磁性合金薄帯を複数枚積層したものからなる複合ストリップで置き換えて、該複合ストリップをフィーダ1により固定テーブル4側に送給し、該複合ストリップをシヤー2により切断することによって形成した短冊状の複合シートの単体または該複合シートを更に積層したものにより単位積層体U1 ,U2 ,…を順次形成することになる。
【0019】
しかしながら、周知のように、非晶質磁性合金薄帯は非常に薄く、脆弱であるため、非晶質磁性合金薄帯の複合ストリップをフィードローラ1Aと押えローラ1Bとからなるフィーダ1により固定テーブル4上の所定の位置まで送給しようとすると、その送給の途中で各薄帯が波打ったり反り返ったりし、各単位積層体を適正に形成することができない。
【0020】
また非晶質磁性合板薄帯は硬質であるため、複合ストリップの厚さを単位積層体に相当する厚さに設定すると、その切断が困難になるだけでなく、ストリップを切断するシヤーの寿命が短くなるのを避けられない。
【0021】
上記の理由により、非晶質磁性合金薄帯を用いて巻鉄心を形成する場合には、図16に示したような段積み装置を用いることができないため、単位積層体U1 ,U2 ,…を形成する作業や、該単位積層体を段積みして展開された形の積層体ブロックB1 ´,B2 ´,…を形成する作業を手作業を借りて行う必要があり、鉄心の製造能率を向上させることができないという問題があった。
【0022】
本発明の目的は、非晶質磁性合金薄帯を用いて巻鉄心を製造する際に、単位積層体を段積みして積層体ブロックを形成する工程を機械的に行うことができるようにした鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法及び段積み装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法は、長尺の非晶質磁性合金薄帯のストリップを複数枚積層したものからなる複合ストリップを長手方向に送給してシヤーによって所定の長さに切断することにより形成した短冊状の複合シートを更に複数個積層したものを単位積層体として、長さが異なる複数の単位積層体をそれぞれの位置を長手方向に所定のずらし寸法だけずらした状態で固定テーブル上に積層することにより長手方向の端部に段部を有する積層体ブロックを形成する方法である。
【0024】
本発明においては、複合ストリップの先端をシヤーの近傍に設定したクランプ位置でクランプして該複合ストリップの送給方向に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して複合シートを形成する過程を所定回数行って固定テーブル上に単位積層体を形成する単位積層体形成工程と、固定テーブル上に存在する単位積層体を一括してクランプして前記送給方向に前記ずらし寸法だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を前記積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせる。
【0025】
即ち、本発明の方法では、複合ストリップの送給を主としてクランプによる牽引動作により行なう。
【0026】
本発明の方法を実施する際には、例えば、前端部と後端部との間の領域を互いに平行に延びる第1及び第2のスリットを有し、上面を水平方向に沿わせた状態で配置された固定テーブルと、固定テーブルの後端部側に配置されて複合ストリップを第1及び第2のスリットの長手方向に沿って固定テーブル側に送給するフィーダと、フィーダと固定テーブルとの間に配置されたシヤーと、互いに干渉しない位置に配置されて複合ストリップの送給方向に往復移動し得るように支持された第1及び第2のスライダと、第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されて両スライダの移動に伴って固定テーブルの上方を送給方向に往復移動するように設けられた第1及び第2の可動板と、第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されてフィーダにより送給された複合ストリップの先端部を第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のストリップフィード用クランプと、第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されて固定テーブルの下側から第1及び第2のスリットを通して該固定テーブル上の複合シートを第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のステップ送り用クランプと、固定テーブル上の複合ストリップをシヤー寄りの位置で前記固定テーブルに対してクランプするテールクランプとを設けておくのが好ましい。
【0027】
この場合、フィーダにより複合ストリップを送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該ストリップの先端を第1のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第1のストリップフィード用クランプを送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する第1の複合シート形成過程と、フィーダにより複合ストリップを送給して該複合ストリップの先端がクランプ位置に達したところで該ストリップの先端を第2のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第2のストリップフィード用クランプを送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して他の複合シートを形成する第2の複合シート形成過程とを交互に行って固定テーブル上に単位積層体を形成する単位積層体形成工程と、固定テーブル上に存在する単位積層体を第1及び第2のステップ送り用クランプの少なくとも一方により一括してクランプして送給方向の前方側にずらし寸法だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせる。そして、単位積層体形成工程では、第1または第2のストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する過程で既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部をテールクランプにより固定テーブルに対してクランプしておき、第1及び第2のストリップフィード用クランプの一方が複合ストリップをクランプして移動する過程で他方をクランプ位置に復帰させる。
【0028】
本発明の方法を実施する段積み装置は、例えば、前端部と後端部との間の領域を延びるスリットを有し、上面を水平方向に沿わせた状態で配置された固定テーブルと、該固定テーブルの後端部側に配置されて複合ストリップをスリットの長手方向に沿って固定テーブル側に送給するフィーダと、該フィーダと固定テーブルとの間に配置されたシヤーと、複合ストリップの送給方向に往復移動し得るように支持されたスライダと、スライダに支持されて該スライダの移動に伴って固定テーブルの上方を前記送給方向に往復移動するように設けられた可動板と、スライダに支持されてフィーダにより送給された複合ストリップの先端部を可動板に対してクランプするストリップフィード用クランプと、スライダに支持されて固定テーブルの下側から前記スリットを通して該固定テーブル上の複合シートを可動板に対してクランプするステップ送り用クランプと、固定テーブル上の複合ストリップをシヤー寄りの位置で固定テーブルに対してクランプするテールクランプと、フィーダとシヤーとストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する制御装置とにより構成できる。
【0029】
この場合、制御装置は、複合ストリップをフィーダにより送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端をストリップフィード用クランプによりクランプし、該ストリップフィード用クランプを送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する複合シート形成過程を行なわせて固定テーブル上に単位積層体を形成する動作と、固定テーブル上に存在する単位積層体をステップ送り用クランプにより一括してクランプして送給方向の前方側に前記ずらし寸法だけ移動させるステップ送り動作との2つの動作を積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、ストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する際には既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部を前記テールクランプにより固定テーブルに対してクランプするように、フィーダとシヤーとストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する。
【0030】
段積み作業を能率よく行なわせるためには、ストリップフィード用クランプ及びステップ送り用クランプをそれぞれ2つずつ設けるのが好ましい。この場合、固定テーブルには、該固定テーブルの前端部と後端部との間を互いに平行に延びる第1及び第2のスリットを設けておき、複合ストリップの送給方向に往復移動する第1及び第2のスライダを互いに干渉しない位置に設けておく。これら第1及び第2のスライダにそれぞれ第1及び第2の可動板を支持して、該第1及び第2の可動板が、両スライダの移動に伴って固定テーブルの上方を前記送給方向と平行な方向に往復移動するようにしておく。第1及び第2のスライダにはまた、フィーダにより送給された複合ストリップの先端部を第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のストリップフィード用クランプと、固定テーブルの下側から第1及び第2のスリットを通して該固定テーブル上の複合シートを第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のステップ送り用クランプとを支持しておく。また固定テーブル上の複合ストリップをシヤー寄りの位置で固定テーブルに対してクランプするテールクランプと、フィーダとシヤーと第1及び第2のストリップフィード用クランプと第1及び第2のステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する制御装置とを設けておく。
【0031】
この場合に用いる制御装置は、複合ストリップをフィーダにより送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端を第1のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第1のストリップフィード用クランプを前記送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する第1の複合シート形成過程と、複合ストリップをフィータにより送給して該複合ストリップの先端がクランプ位置に達したところで該ストリップの先端を第2のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第2のストリップフィード用クランプを送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して他の複合シートを形成する第2の複合シート形成過程とを交互に行なわせて固定テーブル上に複数の複合シートを積層することにより単位積層体を形成する動作と、固定テーブル上に存在する単位積層体をステップ送り用クランプにより一括してクランプして前記送給方向の前方側にずらし寸法だけ移動させるステップ送り動作との2つの動作を積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、第1または第2のストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する際には既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部をテールクランプにより固定テーブルに対してクランプし、第1及び第2のストリップフィード用クランプの内の一方のクランプが複合ストリップをクランプして移動する過程で他方のクランプをクランプ位置に復帰させるように、フィーダとシヤーと第1及び第2のストリップフィード用クランプと第1及び第2のステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する。
【0032】
上記のように、本発明の方法では、複合ストリップの先端をシヤーの近傍に設定したクランプ位置でクランプにより保持して該クランプを前方に移動させることにより、複合ストリップを所定の長さだけ送給する。複合ストリップを所定の長さ送給したところで、シヤーにより該複合ストリップを切断して複合シートを形成する。このようにして形成した複合シートを所定数積層することにより単位積層体を形成し、該単位積層体をステップ送りする。これらの工程を繰り返すことにより、所定数の単位積層体が積層された積層体ブロックを形成する。
【0033】
このような方法によると、複合ストリップの送給は主としてクランプによる牽引動作により行われるため、複合シートを構成する薄帯が送給の途中で波打ったり反り返ったりするのを防いで、各単位積層体の品質を向上させることができる。
【0034】
本明細書では、ストリップフィード用クランプが複合ストリップを牽引して送給する動作を「プルフィード」と呼ぶことにする。
【0035】
上記のように、複合ストリップの先端をクランプして、該複合ストリップをプルフィードするようにすると、複合シートをフィードローラを用いたフィーダにより送給する場合に比べて送給速度を高くすることができるため、単位積層体の形成を能率良く行うことができ、鉄心の製造能率を向上させることができる。
【0036】
また上記のように、複合ストリップをプルフィードする際に既に固定テーブル上に積層されている複合シートのシヤー側の端部をテールクランプによりクランプしておくと、固定テーブル上に積層されている複合シートの上を滑らしつつ複合ストリップをプルフィードする際に、既に切断された複合シートの位置がずれることがないため、複合シートの位置ずれがない適正な単位積層体を得ることができ、巻鉄心の品質を向上させることができる。
【0037】
上記のように、複数枚の非晶質磁性合金薄帯の積層体からなる複合ストリップを所定の長さに切断して形成した複合シートを更に複数枚積層することにより単位積層体を構成するようにすると、複合ストリップを構成する非晶質磁性合金薄帯の枚数を、該ストリップの切断を無理なく行なうことができる範囲に設定できるため、ストリップの切断を容易に行なうことができ、シヤーの寿命を長くすることができる。
【0038】
本発明において、ストリップフィード用クランプと、ステップ送り用クランプとを2つずつ設けるとともに、一方のストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプしてプルフィードを行っている過程で、他方のストリップフィード用クランプをクランプ位置に復帰させるように制御して、2つのストリップフィード用クランプにより交互にプルフィードを行わせて一連の複合シートを形成するようにした場合には、1つの複合シートを形成した後、次の複合シートを形成するためのプルフィードを開始するまでに要する時間を短縮することができるため、薄帯の段積み作業を能率よく進めることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に示す本発明の実施の形態では、非晶質磁性合金薄帯を用いて図15に示す構造の巻鉄心を製造するために、単位積層体Un (n=1,2,…)を順次形成して、これらの単位積層体を順次ずらし寸法(ラップ代)La ずつ位置をずらして段積みすることにより積層体ブロックBn (n=1,2,…)を形成するものとする。単位積層体U1 ,U2 ,…は、巻鉄心内でそれぞれが占める位置における周長の増加分(2πt、tは単位積層体の厚さ)だけ順次長くなっている。
【0040】
本発明に係わる鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法では、長尺の非晶質磁性合金薄帯のストリップを複数枚積層したものからなる複合ストリップを長手方向に送給してシヤーにより所定の長さに切断することによって短冊状の複合シートを形成し、該複合シート単体または該複合シートを更に複数個積層したものを単位積層体とする。そして、周長の増加分2πt(tは単位積層体の厚さ)だけ長さが異なる複数の単位積層体をそれぞれの位置を長手方向に所定のずらし寸法La だけずらした状態で固定テーブル上に積層することにより長手方向の端部に段部を有する積層体ブロックを形成する。
【0041】
本発明においては、複合ストリップをフィーダによりシヤーの切断刃の間を通して固定テーブル側に送給して該ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該ストリップの先端をクランプにより保持し、フィーダによる複合ストリップの拘束を解いた状態で該クランプを複合ストリップの送給方向に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して複合シートを形成する過程を所定回数行って固定テーブル上に単位積層体を形成する単位積層体形成工程と、固定テーブル上に存在する単位積層体を一括してクランプして送給方向にずらし寸法La だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせる。
【0042】
図1ないし図7は本発明の方法を実施するために用いる装置の構成例を示したもので、図1は本発明の段積み方法を実施して巻鉄心を製造する場合の製造装置の全体的な構成を概略的に示した構成図、図2は本発明に係わる段積み装置の要部の構成を示す側面図、図3は図2のA−A線矢視図、図4は同段積み装置で用いるストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプの構造を示す斜視図、図5は同段積み装置において複合ストリップをプルフィードする際の状態を示した要部の斜視図、図6は同段積み装置において複合ストリップをテールクランプによりクランプした状態を示した斜視図、図7は切断された複合シートの上に重ねて次の複合ストリップをプルフィードしている状態を示した斜視図である。また図8は本発明の方法の一連の工程を概略的に示した動作説明図である。
【0043】
なお、本実施形態は、段積み装置を構成するストリップフィード用クランプ及びステップ送り用クランプをそれぞれ2つ用いた例を示している。
【0044】
図1は本発明の方法により非晶質磁性合金薄帯を段積みして巻鉄心を製造する場合に用いる製造装置の全体的な構成を示したもので、同図において20は、上面を水平方向に沿わせた状態で図示しないフレームに支持された固定テーブルである。固定テーブル20の後端部20aの後方にはフィーダ21が配置され、固定テーブル20とフィーダ21との間には、固定刃(下刃)22Aと、可動刃(上刃)22Bとを備えたシヤー22が配置されている。
【0045】
フィーダ21の後方には、アンコイラ23が配置されていて、アンコイラ23のドラム24には、複数枚の非晶質磁性合金薄帯のストリップを重ね合わせたものからなる複合ストリップASが巻回されている。
【0046】
フィーダ21は、図示しない駆動機構により回転駆動されるフィードローラ21Aと、押えローラ21Bとを備えた周知のもので、押えローラ21Bは、フィードローラ21Aに当接する作動位置と該フィードローラから離れる退避位置との間を変位し得るように設けられている。このフィーダ21は、アンコイラ23によりドラム24から巻き戻された複合ストリップASをフィードローラ21Aと押えローラ21Bとの間に挟んで固定テーブル20側に送給する。
【0047】
固定テーブル20の上方には、互いに干渉しない位置に配置されて該固定テーブルの長手方向(複合ストリップの送給方向)に往復移動し得るように支持された第1及び第2のスライダSL1及びSL2が設けられ、これらのスライダは、第1及び第2のボールネジBS1及びBS2を備えた駆動機構により固定フレームの長手方向に往復駆動される。第1及び第2のスライダSL1及びSL2にはそれぞれ第1及び第2の可動板M1及びM2が支持され、これらの可動板M1及びM2にはそれぞれ、複合ストリップASの先端を第1及び第2の可動板M1及びM2に対してクランプする第1及び第2のストリップフィード用クランプSF1及びSF2が取り付けられている。また固定テーブル20の下方には、第1及び第2のステップ送り用クランプSC1及びSC2が設けられている。これらのステップ送り用クランプは、第1及び第2のスライダSL1及びSL2にそれぞれ支持されていて、固定テーブル20の下側から固定テーブルのスリットを通して該固定テーブル上の複合シートを第1及び第2の可動板M1及びM2に対してクランプする。また固定テーブルの後端部20a側には、固定テーブル上の複合シートをシヤー22寄りの位置で固定テーブルに対してクランプする第1及び第2のテールクランプTC1及びTC2が設けられている。
【0048】
上記固定テーブル20と、フィーダ21と、シヤー22と、スライダSL1,SL2と、可動板M1,M2と、ストリップフィード用クランプSF1,SF2と、ステップ送り用クランプSC1,SC2と、テールクランプTC1,TC2と、フィーダ、シヤー、クランプ等を制御する図示しない制御装置とにより本発明に係わる段積み装置31が構成されている。
【0049】
固定テーブル20の前端部20bの前方には、巻込み装置32が配置され、段積み装置31により形成された積層体ブロックBn (n=1,2,3,…)が巻込み装置32に供給される。図示の巻込み装置32は、回転自在に支持された巻枠(マンドレル)Mと、ループ状に形成されて多数のプーリPにより巻枠mに沿って走行するようにガイドされたエンドレスの巻込みベルトVと、巻込みベルトVを駆動する図示しない駆動機構とからなり、巻込みベルトVと巻枠mとの間に積層体ブロックB1 ,B2 ,…を順次巻き込んで、図13に示すような巻鉄心を製造する。
【0050】
なお図1に示した例では、巻枠mとして円形のものが用いられているが、巻枠Mとして矩形状のものを用いて、該矩形状の巻枠の外周に積層体ブロックB1 ,B2 ,B3 ,…を順次巻き付けてそれぞれの両端を接合することにより、図14に示すような矩形状の巻鉄心を直接製造する場合もある。
【0051】
次に図2ないし図7を参照して本発明に係わる段積み装置の要部の構成を説明する。
【0052】
図2及び図3において、40は設置ベース、41は設置ベース40に支持された固定フレームで、この固定フレームは、設置ベース40に下端が固定された支柱42(図3参照)と、該支柱42の上端に固定された上部フレーム43とを備えており、上部フレーム43の下方に固定テーブル20が配置されている。固定テーブル20は、複合ストリップの送給方向に細長い矩形状を呈していて、その幅方向の中央部の下面に長手方向に延びる支持脚部44が固定され、該支持脚部44の下端が設置ベース40に固定されている。固定テーブル20には、支持脚部44の両側に位置させて、該固定テーブルの長手方向に互いに平行に延びる第1及び第2のスリット45A及び45B(図3及び図5参照)が設けられている。
【0053】
上部フレーム43の下面には、固定テーブル20の長手方向に互いに平行に延びる第1及び第2のガイドレール46Aび46Bが固定されている。第1及び第2のガイドレール46A及び46Bは鳩尾状の断面形状を有していて、これらのガイドレールはそれぞれ第1及び第2のスライダSL1及びSL2に設けられた断面が鳩尾状のガイド溝に摺動自在に嵌合されている。第1及び第2のガイドレール46A及び46Bにより、第1及び第2のスライダSL1及びSL2が固定テーブルの長手方向(スリット45A及び45Bの長手方向)に移動自在に支持されている。
【0054】
第1及び第2のスライダSL1及びSL2にはそれぞれ複合ストリップの送給方向に伸びるネジ孔が設けられ、両スライダSL1及びSL2のネジ孔にそれぞれ第1及び第2のボールネジBS1及びBS2が螺合されている。これらのボールネジBS1及びBS2はそれぞれに対して個別に設けられた図示しないサーボモータの出力軸に連結され、該サーボモータにより、第1及び第2のスライダが往復駆動されるようになっている。
【0055】
第1及び第2のスライダSL1及びSL2の下面にはそれぞれ第1及び第2のクランプ昇降シリンダ(図示の例ではエアシリンダ)47A及び47Bが取り付けられている。昇降シリンダ47A及び47Bはそれぞれ下方に突出したピストンロッド47a及び47bを有していて、これらのピストンロッド47a及び47bの下端にそれぞれ第1及び第2の可動板M1及びM2が固定され、これらの可動板M1及びM2にそれぞれ第1及び第2のストリップフィード用クランプSF1及びSF2が取り付けられている。
【0056】
また第1及び第2のスライダSL1及びSL2の側面にそれぞれ第1及び第2のサイドフレーム50A及び50Bの上端が接続され、これらのサイドフレームの下端にそれぞれ第1の台車51A及び第2の台車51Bが連結されている。第1の台車51A及び第2の台車51Bの下部には車輪52A及び52Bが取り付けられ、これらの車輪は、固定テーブル20のスリット45A及び45Bの下方を両スリットに沿って延びるように位置決めされて設置ベース40上に固定された第1及び第2のガイドレール53A及び53Bの上を転動するようになっている。第1及び第2の台車51A及び51Bの上に、第1及び第2のステップ送り用クランプSC1及びSC2が取り付けられている。
【0057】
この例では、第1のスライダSL1が駆動されたときに該第1のスライダSL1とともに第1の可動板M1及び台車51Aが移動し、これに伴って第1のストリップフィード用クランプSF1及び第1のステップ送り用クランプSC1がストリップの送給方向に移動する。同様に、第2のスライダSL2が駆動されたときに該第2のスライダSL2とともに第2の可動板M2及び台車51Bが移動し、これに伴って第2のストリップフィード用クランプSF2及び第2のステップ送り用クランプSC2がストリップの送給方向に移動する。
【0058】
図4を参照すると、第1のスライダSL1と共にストリップの送給方向に移動する部分の構成が概略的に示されている。この例では、第1の可動板M1が上から見た場合にL字形を呈するように形成されていて、その短辺部がシリンダ47Aのピストンロッド47aに連結されている。第1の可動板M1の長辺部はストリップの送給方向に沿って延びるように設けられていて、該長辺部の先端部M1aがフィーダ21に指向されている。第1の可動板の先端部には、フィーダ21により送給された複合ストリップASの先端を案内するためのテーパ面M1tが形成されている。
【0059】
第1の可動板M1の長辺部の後端部側にはエアシリンダ54が、そのピストンロッド54aを該長辺部の先端部M1a側に向けた状態で取り付けられている。ピストンロッド54aの先端には駆動部材55が取り付けられ、該駆動部材55の先端部には、第1のストリップフィード用クランプSF1を駆動するためのカム面55aが設けられている。
【0060】
第1の可動板M1の長辺部には、駆動部材55の前方に位置させて、1対のブラケット56,56が固定されている。ブラケット56,56の間にはへの字形のクランプ板57が配置され、該クランプ板57はブラケット56,56にピンを介して揺動自在に支持されている。クランプ板57の後端部にはローラ58が取り付けられ、該ローラは駆動部材55のカム面55aに当接させられている。図示してないが、クランプ板57の後端部を駆動部材55側に付勢するバネが設けられ、該バネの付勢力により、ローラ58が駆動部材のカム面55aに押圧されている。この例では、エアシリンダ54と、駆動部材55と、クランプ板57と、ローラ58とにより、第1のストリップフィード用クランプSF1が構成されている。このストリップフィード用クランプにおいては、エアシリンダ54が駆動されてそのピストンロッド54aが伸長させられたときにカム面55aがローラ58を押し上げてクランプ板57を一方向に回動させる。この回動によりクランプ板57の先端部57aを可動板M1側に変位させて、該クランプ板の先端部57aと可動板M1との間に複合シートの積層体をクランプする。またエアシリンダ54のピストンロッド54aが後退させられたときにカム面55aがローラ58と可動板M1との間から退避して、クランプ板57をクランプ時と反対方向に回動させる。この回動により、クランプ板57の先端部57aを可動板M1から離反する方向に変位させて複合シートの積層体のクランプを解除する。
【0061】
第1の台車51Aの上には、エアシリンダ60が、そのピストンロッド60aを上方に向けた状態で取り付けられている。エアシリンダ60は、そのピストンロッド60aが固定テーブル20の第1のスリット45A内を通して上下するように位置決めされ、ピストンロッド60aが伸長させられたときに、該ピストンロッドの上端が第1のスリット45A内を通して固定テーブル20上の複合シートの積層体の下面に当接して、該積層体を可動板M1に対してクランプするようになっている。図示の例では、エアシリンダ60により、第1のステップ送り用クランプSC1が構成されている。
【0062】
図4には、第1のスライダSL1とともにストリップの送給方向に移動する部分の構成を示したが、第2のスライダSL2とともに送給方向に移動する部分の構成は、第2の可動板M2及び第2の台車51Bがそれぞれ第1の可動板M1及び第1の台車51Aと対称に配置されている点を除き上記と同様である。
【0063】
即ち、第2の可動板M2に取り付けられた第2のストリップフィード用クランプSF2は、図7に示すように、第1のストリップフィード用クランプSF1と同様に、エアシリンダ54と駆動部材55とクランプ板57とローラ58とにより構成されていて、該クランプ板57と第2の可動板M2との間に複合シートASの先端をクランプする。
【0064】
また第2の台車51Bに取り付けれた第2のステップ送り用クランプSC2は、第1のステップ送り用クランプSC1と同様にエアシリンダ60により構成され、該エアシリンダ60のピストンロッド60aが第2のスリット45B内を通して固定テーブル20上の複合シートの積層体を可動板M2に対してクランプする。
【0065】
図5に示したように、固定テーブル20の後端部寄りの位置に、第1のストリップフィード用クランプSF1及び第2のストリップフィード用クランプSF2 (図5には図示せず。)とそれぞれ同じ側に位置させて、第1のテールクランプTC1及び第2のテールクランプTC2が設けられている。各テールクランプは、固定テーブル20の下側に固定された取付け板61の端部にピストンロッド62aを上方に向けて取り付けられたエアシリンダ62と、鉤形に曲げられた先端部63aを有してエアシリンダ62のピストンの上端に取り付けられたクランプアーム63と、固定テーブル20の上面に固定されたストッパピン64と、クランプアーム63を回動する適宜の回動手段(特に図示せず。)とにより構成されている。この回動手段は例えば、ピストンロッド62aにスプラインを介して(ピストンロッドの直線運動を許容する状態で)結合された回動部材と、該回動部材を回動させる駆動機構とにより構成できる。ストッパピン64,64の間の間隔は、複合ストリップの幅寸法にほぼ等しく設定されていて、これらのストッパピンの間に複合ストリップASを落し込んで該複合ストリップの位置決めを図るようになっている。
【0066】
第1及び第2のテールクランプTC1及びTC2は、複合ストリップASをプルフィードする際に既に切断されて固定テーブル20上に積層されている複合シートのシヤー側の端部(テール)をクランプして該複合シートの位置がずれるのを防止するために用いられる。
【0067】
固定テーブル20上に複合シート(複合ストリップを所定の長さに切断したもの)が存在しない状態で、複合ストリップASをプルフィードする際には、図5に示すように、クランプアーム63が複合ストリップASから退避した位置に配置される。
【0068】
第1のテールクランプTC1または第2のテールクランプTC2により複合シートS(複合ストリップASを所定の長さに切断したもの)をクランプする際には、シリンダ62のピストンロッド62aを伸長させてクランプアーム63を固定テーブル20との間に所定の隙間を形成する高さまで上昇させた状態で、クランプアーム63をストッパピン64に当接する位置まで回動させる。クランプアーム63をストッパピン64に当接する位置まで回動させた後、シリンダ61のピストンロッドを下降させることにより、図6に示すようにクランプアーム63をクランプ位置まで下降させて、クランプアーム63と固定テーブル20との間に複合シートSをクランプする。
【0069】
図2において、フィーダ21は、複合ストリップASに下側から当接するフィードローラ21Aと、エアシリンダ70のピストンロッド70aの下端に取り付けられた押えローラ21Bとを備えている。押えローラ21Bは、シリンダ70により駆動されて、複合ストリップASに上側から当接して該複合ストリップをフィードローラ21Aに押圧するピンチ位置と、複合ストリップASから離れて該複合ストリップの拘束を解除する退避位置との間を変位させられる。
【0070】
フィーダ21とシヤー22との間にはフィーダにより送給される複合ストリップを支える受け渡しテーブル78(図2参照)が設けられている。
【0071】
更に、図示の例では、フィーダ21と第1及び第2のストリップフィード用クランプSF1及びSF2と第1及び第2のステップ送り用クランプSC1及びSC2と第1及び第2のテールクランプTC1及びTC2とシヤー22とを所定の順序で動作させる制御装置が設けられている。
【0072】
またフィーダ21により送給される複合ストリップASの厚さを計測するセンサが設けられていて、このセンサにより検出された複合ストリップの厚さが上記制御装置に与えられている。上記制御装置をマイクロコンピュータを用いて構成する場合の制御アルゴリズムの一例を示すフローチャートを図9ないし図12に示した。
【0073】
次に上記の装置を用いて行なう本発明の段積み方法を、図8に示す動作説明図と図9ないし図12に示したフローチャートとを用いて説明する。
【0074】
図1に示したアンコイラ23には、複数枚(例えば8枚)の非晶質磁性合金薄帯を重ね合わせて形成した複合ストリップをドラム24にコイル状に巻回したものがセットされている。
【0075】
本実施形態においては、スタート指令が与えられた時に、先ず各部の初期化(図9のステップ0)を行なう。その際に第1及び第2のスライダSL1及びSL2を制御する制御部に原点復帰指令を与えて、両スライダをシヤー22から離れる方向に移動させ、第1及び第2のストリップフィード用クランプSF1及びSF2を原点位置に移動させて停止させる。この原点位置は、ストリップフィード用クランプによる複合ストリップのプルフィードを妨げない程度に、シヤー22から十分に離れた位置に設定されている。
【0076】
次いで、初期切断長(1枚目の単位積層体U1 の長さ)L1 とずらし寸法La と、1つの単位積層体を構成する複合シートの枚数の設定値NSと、1積層体ブロックを構成する単位積層体数の設定値NBと、巻鉄心を構成する積層体ブロック数の設定値Ts とを読み込む(図9のステップ1)。1単位積層体を構成する複合シート数NSは例えば4に設定され、合計32(=8×4)枚の非晶質磁性合金薄帯により1つの単位積層体が構成される。
【0077】
各種の設定値を読み込んだ後、第1のスライダSL1をシヤー22側に移動させて、第1のストリップフィード用クランプSF1をシヤー22の近傍のクランプ位置まで移動させる(ステップ2)。このとき同時にフィーダ21を駆動し、複合ストリップASをシヤー22の切断刃22A及び22Bの間を通して固定テーブル20側に供給する(ステップ3)。複合ストリップASの先端が第1のストリップフィード用クランプのクランプ位置に達したときにフィーダ21を停止させる。次いで図8(A)に示すように第1のストリップフィード用クランプSF1を僅かにシヤー側に移動させて該クランプSF1のクランプ板57と可動板M1との間に複合ストリップASの先端を挿入し、第1のストリップフィード用クランプSF1のシリンダ54を駆動して、該クランプSF1により複合ストリップASの先端をクランプする(ステップ4)。次いでフィーダ21の押えローラ21Bを退避位置に変位させて、該フィーダ21による複合ストリップASの拘束を解除(ピンチ開放)し(ステップ5)、第1のスライダSL1を固定テーブル20の先端側に移動させて、図8(B)に示すように第1のストリップフィード用クランプSF1を送給方向(固定テーブルの前端部20b側)に前進させる。これにより、シヤー22の切断刃から固定テーブル上の複合ストリップの先端部までの長さが単位積層体の長さに等しくなるまで、複合ストリップASをプルフィードする(ステップ6)。またこの間に、可動板M2を上昇させた状態で第2のスライダSL2をシヤー22側に移動させて、第2のストリップフィード用クランプSF2をクランプ位置に移動させる(ステップ7)。
【0078】
ステップ6において、複合ストリップをプルフィードする際の送給長は、ボールネジBS1を駆動するサーボモータの回転数を計測することにより検出することができる。また適宜のセンサ、例えば、送給される複合ストリップに接して該ストリップの移動に伴って回転するローラを備えて、該ローラの回転数からストリップの送給長を検出するセンサを用いて複合ストリップの送給長を検出することもできる。複合ストリップのプルフィードを開始した後、シヤー22の切断刃から固定テーブル20上の複合ストリップの先端までの長さが所定の単位積層体の長さに等しくなったことが検出されたときに第1のスライダSL1を停止させる。
【0079】
次いで図8(C)に示すようにシヤー22の可動刃22Bを下降させて複合ストリップASを切断し(ステップ8)、シートカウンタの計数値ns を1だけ増加させる(ステップ9)。
【0080】
その後シートカウンタの計数値ns が設定値NSに等しくなったか否かを判定する(図10のステップ10)。その結果シートカウンタの計数値ns が設定値NSに等しくないと判定された場合には、第1及び第2のテールクランプTC1及びTC2を動作させて、図8(C)に示すように切断した複合シートSの後端部を固定テーブル20に対してクランプする(図10のステップ11)。
【0081】
その後図11のステップ23に移行して、第1のストリップフィード用クランプSF1をアンクランプ状態にし、図8(D)に示すように第1のストリップフィード用クランプSF1を送給方向に前進させて、該クランプSF1を複合シートSから外す。この間にフィーダ21による複合ストリップASの送給を開始させる(ステップ24)とともに、第2のストリップフィード用クランプSF2を次のプルフィードに備えてクランプ位置に移動させる(図11のステップ25)。
【0082】
複合ストリップASの先端が第2のストリップフィード用クランプSF2のクランプ位置に達したときにフィーダ21を停止させる。その後可動板M2を下降させた状態で第2のストリップフィード用クランプSF2を僅かにシヤー側に移動させて、図7に示すように、該クランプSF2のクランプ板57と可動板M2との間に複合ストリップASの先端を挿入した後、該クランプSF2のシリンダ54を駆動して複合ストリップASの先端をクランプし(ステップ26)、フィーダ21による複合ストリップASの拘束を解除する(ステップ27)。
【0083】
その後、図8(E)に示すように、可動板M1を上昇させた状態で第1のストリップフィード用クランプSF1をクランプ位置に向けて移動させる(図11のステップ28)とともに、第2のストリップフィード用クランプSF2を送給方向の前方側に移動させて、複合ストリップASをプルフィードする(ステップ29)。このプルフィードの動作は第1のストリップフィード用クランプSF1によるプルフィードのそれと同様である。
【0084】
第2のストリップフィード用クランプSF2によるプルフィードが終了した後、シヤー22の可動刃22Bを下降させて複合ストリップASを切断し(図11のステップ30)、シートカウンタの計数値ns を1だけ増加させる(図11のステップ31)。
【0085】
次いで、シートカウンタの計数値ns が設定値NSに等しいか否かを判定し(図12のステップ32)、その結果計数値ns が設定値NSに等しくない(ns <Ns )と判定されたときには、テールクランプTC1及びTC2を動作させて、固定テーブル20上の複合シートSのシヤー側の端部を一括してクランプする(図12のステップ33)。
【0086】
次いで第2のストリップフィード用クランプSF2をアンクランプ状態にし、送給方向に前進させて該クランプSF2を複合シートSから外す(図12のステップ34)。また同時に第1のストリップフィード用クランプSF1をクランプ位置に移動させ(図9のステップ2)、可動板M1を下降させた後、フィーダ21による複合ストリップASの送給を開始させる(図9のステップ3)。
【0087】
上記の過程を繰り返すことにより、図8(F)に示すように、固定テーブル上に複合シートSを積層していく。図10のステップ10において、シートカウンタの計数値ns が設定値NSに等しいと判定されたとき(1つの単位積層体が完成したとき)には、段カウンタの計数値nb を1増加させ(ステップ13)、切断長(複合シートの長さ=プルフィード時の送給長)を2πt(tは単位積層体の厚さ)だけ増加させる(ステップ14)。なお単位積層体の厚さtは、特定の位置(例えばシヤー22とフィーダ21との間)で送給される複合ストリップの厚さの平均値を検出して、検出されたストリップの厚さの平均値に1単位積層体を構成する複合シートの枚数の設定値NSを乗じることにより計算する。
【0088】
次いで段カウンタの計数値nb が1積層体ブロック当たりの単位積層体数の設定値NBに等しいか否かを判定し(ステップ15)、その結果計数値nb が設定値NBに等しくない(nb <NB)と判定された場合には、ステップずらし工程(ステップ16)を行う。このステップずらし工程では、図8(G)に示すように、単位積層体が完成したときの最終の複合シートを第1のストリップフィード用クランプSF1によりクランプした状態で、ステップ送り用クランプSC1を構成するエアシリンダ60を駆動して、そのピストンロッドを上昇させることにより、固定テーブル20上の単位積層体(複合シートの積層体)を可動板M1に一括してクランプする。この状態で、第1のスライダSL1を送給方向にずらし寸法La だけ移動させることにより、単位積層体をLa だけ前進させる。その後テールクランプTC1及びTC2をクランプ状態にするステップ11に移行する。ステップ15において段カウンタの計数値nb が設定値NBに等しいと判定されたとき[図8(H)に示すように、単位積層体U1〜U3からなる1つの積層体ブロックが完成したとき]には、段カウンタの計数値nb を零に戻した後(ステップ17)、次工程に移行する(ステップ18)とともに、積層体ブロック数の計数値ts を1増加させ(ステップ19)、該計数値ts が設定値Ts に等しくなったか否かを判定する(ステップ20)。その結果積層体ブロックBn の数が設定値Ts に等しくないと判定された時には、図11のステップ23〜25に移行する。また積層体ブロック数の計数値ts が設定値Ts に等しくなったと判定されたとき(1つの鉄心を構成する全ての積層体ブロックの形成が完了したとき)には、該計数値ts を零に戻した後(ステップ21)、装置を停止させる(ステップ22)。
【0089】
同様に、図12のステップ32において、シートカウンタの計数値ns が設定値NSに等しいと判定されたときには、段カウンタの計数値nb を1増加させ(ステップ36)、切断長を2πt(tは単位積層体の厚さ)だけ増加させる(ステップ37)。
【0090】
次いで段カウンタの計数値nb が1積層体ブロック当たりの単位積層体数の設定値NBに等しいか否かを判定し(ステップ38)、その結果計数値nb が設定値NBに等しくない(nb <NB)と判定された場合には、ステップずらし工程(ステップ39)を行う。このステップずらし工程では、単位積層体が完成したときの最終の複合シートを第2のストリップフィード用クランプSF2によりクランプした状態で、ステップ送り用クランプSC2を構成するエアシリンダ60を駆動して、そのピストンロッドを上昇させることにより、固定テーブル20上の単位積層体(複合シートの積層体)を可動板M2に一括してクランプする。この状態で、第2のスライダSL2を送給方向にずらし寸法La だけ移動させることにより、単位積層体をLa だけ前進させる。その後テールクランプTC1及びTC2をクランプ状態にするステップ33に移行する。ステップ38において段カウンタの計数値nb が設定値NBに等しいと判定されたときには、段カウンタの計数値nb を零に戻した後(ステップ40)、次工程に移行する(ステップ42)とともに、積層体ブロック数の計数値ts を1増加させ(ステップ41)、該計数値ts が設定値Ts に等しくなったか否かを判定する(ステップ43)。その結果積層体ブロックBn の数が設定値Ts に等しくないと判定された時には、図9のステップ2〜3に移行する。また積層体ブロック数の計数値ts が設定値Ts に等しくなったと判定されたときには、該計数値ts を零に戻した後(ステップ44)、装置を停止させる(ステップ45)。
【0091】
なおステップ18及び42の次工程は、巻込み装置32(図1参照)による巻き込み工程であり、この工程では完成した積層体ブロックBn を無端ベルトVと巻枠mとの間に巻き込むことにより、各積層体ブロックの両端を接合する。
【0092】
本実施形態では、図示しないマイクロコンピュータに、図9ないし図12に示したアルゴリズムに従って作成されたプログラムを実行させることにより、複合ストリップASをフィーダ21によりシヤー22の切断刃の間を通して送給して該ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該ストリップの先端を第1のストリップフィード用クランプSF1によりクランプし、フィーダ21による複合ストリップの拘束を解いた状態で該第1のストリップフィード用クランプSF1を送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤー22により複合ストリップを切断して1つの複合シートSを形成する第1の複合シート形成過程と、フィーダ21により複合ストリップASをシヤー22の切断刃の間を通して送給して該複合ストリップの先端がクランプ位置に達したところで該ストリップの先端を第2のストリップフィード用クランプSF2によりクランプし、フィーダ21による複合ストリップASの拘束を解いた状態で該第2のストリップフィード用クランプSF2を送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤー22により複合ストリップを切断して他の複合シートを形成する第2の複合シート形成過程とを交互に行なわせて固定テーブル上に複数の複合シートSを積層することにより単位積層体Un を形成する単位積層体形成工程と、固定テーブル上に存在する単位積層体をステップ送り用クランプSC1またはSC2により一括してクランプして送給方向の前方側にずらし寸法La だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を前記積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、単位積層体形成工程では、第1または第2のストリップフィード用クランプSF1及びSF2が複合ストリップをクランプして移動する過程で既に固定テーブル上に形成されている複合シートSのシヤー側の端部をテールクランプTC1,TC2により固定テーブル20に対してクランプし、第1及び第2のストリップフィード用クランプSF1及びSF2の一方が複合ストリップをクランプして移動する過程で他方をクランプ位置に移動させるように、フィーダとシヤーと第1及び第2のストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する制御装置が構成されている。
【0093】
上記の説明では、フィードローラと押えローラとの間にストリップを挟んで送給する構造のフィーダにより複合ストリップを送給して、該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該ストリップの先端をクランプにより保持するようにしたが、本発明の方法において、複合ストリップの先端をクランプ位置に位置させるための手段は任意である。
【0094】
例えば、フィードローラと押えローラとの間にストリップを挟んで送給する構造のフィーダ21の代りに、複合ストリップASを上下から挟んでシヤー側に直線的にスライドすることにより複合ストリップをシヤー側に送給するフィーダを用いることもできる。
【0095】
また上記の説明では、シヤー22よりも僅かに固定テーブル20側に寄った位置にクランプ位置を設定したが、クランプ位置はシヤー22の近傍の位置であればよく、上記の例に限定されない。例えばアンコイラ23側でシヤー22に隣接する位置で、かつシヤー22の下刃と上刃との間の隙間に臨む位置にクランプ位置を設定することができる。シヤー22の下刃と上刃との間の隙間に臨む位置にクランプ位置を設定するには、例えば、シヤー22に隣接する位置にシリンダにより上下方向に駆動される持ち上げ手段を配置しておいて、先に切断されて下刃22Aの上に乗っている複合ストリップASの先端を、該持ち上げ手段によりシヤーの下刃22Aと上刃22Bとの間の隙間に臨む位置(クランプ位置)まで持ち上げるようにすればよい。
【0096】
上記のようにアンコイラ23側でシヤー22に隣接する位置にクランプ位置を設定する場合には、ストリップフィード用クランプSF1,SF2をシヤーの下刃と上刃との間の隙間を通して複合ストリップ側に移動させることにより、複合ストリップの先端をクランプするようにすればよい。
【0097】
上記のように、アンコイラ側でシヤー22に隣接する位置にクランプ位置を設定する場合には、図1の例においてシヤー22とアンコイラ23との間に設けられていたフィーダ21を省略することができる。
【0098】
上記の例では、複合ストリップの先端をストリップフィード用クランプによりクランプしてプルフィードを行う際に、フィーダ21によるストリップの拘束を解除するようにしたが、プルフィードを行う際にフィーダによるストリップの拘束を必ずしも解除する必要はない。例えば、プルフィードを行う際に、フィーダ21により複合ストリップASを拘束したままの状態にして、該フィーダ21による複合ストリップの送給をストリップフィード用クランプによるプルフィードに同期させるようにしてもよい。またストリップフィード用クランプにより複合ストリップの先端をクランプした後、フィーダ21による複合ストリップの拘束を緩めて、該フィーダにより複合ストリップにブレーキをかけつつプルフィードを行わせるようにしてもよい。
【0099】
上記の実施形態のように、ストリップフィード用クランプを2つ設けておくと、単位積層体の形成を能率よく行わせることができる。しかしながら、本発明は、複合ストリップの先端をシヤーの近傍に設定したクランプ位置でクランプして該複合ストリップの送給方向に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して複合シートを形成する過程を所定回数行って固定テーブル上に単位積層体を形成する単位積層体形成工程と、固定テーブル上に存在する単位積層体を一括してクランプして前記送給方向にずらし寸法だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせることを特徴とするので、本発明を実施するに際して、ストリップフィード用クランプの数は任意であり、該クランプは少なくとも1つずつ設けられていればよい。同様に、テールクランプ及びステップ送り用クランプも少なくとも1つ設ければよく、本発明は、上記の実施形態に示したようにテールクランプ及びステップ送り用クランプを2つずつ設ける場合に限定されない。
【0100】
例えば、ストリップフィード用クランプ、テールクランプ及びステップ送り用クランプを1つずつ設ける場合には、上面を水平方向に沿わせて配置した固定テーブルにスリットを1つだけ設け、該スリットの長手方向に沿って複合ストリップを送給するフィーダを固定テーブルの後端部側に配置するとともに、フィーダと固定テーブルとの間にシヤーを配置する。また複合ストリップの送給方向に往復移動し得るように支持された1つのスライダを設け、このスライダの移動に伴って固定テーブルの上方を送給方向に往復移動する1つの可動板を該スライダに支持する。更に、フィーダにより送給された複合ストリップの先端部を可動板に対してクランプする1つのストリップフィード用クランプと、固定テーブルの下側から上記スリットを通して該固定テーブル上の複合シートを可動板に対してクランプする1つのステップ送り用クランプとを上記スライダに支持しておく。また固定テーブル上の複合ストリップを前記シヤー寄りの位置で固定テーブルに対してクランプする1つのテールクランプを設けておく。
【0101】
この場合、フィーダとシヤーとストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する制御装置は、複合ストリップをフィーダにより送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端をストリップフィード用クランプによりクランプし、該ストリップフィード用クランプを送給方向の前方側に所定距離移動させた後、シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する複合シート形成過程を行なわせて固定テーブル上に単位積層体を形成する動作と、固定テーブル上に存在する単位積層体をステップ送り用クランプにより一括してクランプして前記送給方向の前方側にずらし寸法だけ移動させるステップ送り動作との2つの動作を積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、ストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する際には既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部をテールクランプにより固定テーブルに対してクランプするように、フィーダとシヤーとストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する。
【0102】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複合ストリップの送給を主としてストリップフィード用クランプによる牽引動作により行なうようにしたため、複合シートを構成する薄帯が送給の途中で波打ったり反り返ったりするのを防いで、各単位積層体の品質を向上させることができる利点がある。
【0103】
また本発明によれば、複合ストリップの先端をクランプして、該複合ストリップをプルフィードするようにしたので、複合シートをフィードローラを用いたフィーダにより送給する場合に比べて送給速度を高くすることができる。従って、単位積層体の形成を能率良く行うことができ、鉄心の製造能率を向上させることができる。
【0104】
また本発明において、複合ストリップをプルフィードする際に既に固定テーブル上に積層されている複合シートのシヤー側の端部をテールクランプによりクランプしておくようにした場合には、固定テーブル上に積層されている複合シートの上を滑らしつつ複合ストリップをプルフィードする際に、既に切断された複合シートの位置がずれるのを防いで、複合シートの位置ずれがない適正な単位積層体を得ることができ、巻鉄心の品質を向上させることができる。
【0105】
更に、本発明において、ストリップフィード用クランプと、ステップ送り用クランプとを2つずつ設けるとともに、一方のストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプしてプルフィードを行っている過程で、他方のストリップフィード用クランプをクランプ位置に復帰させるように制御して、2つのストリップフィード用クランプにより交互にプルフィードを行わせて一連の複合シートを形成するようにした場合には、1つの複合シートを形成した後、次の複合シートを形成するためのプルフィードを開始するまでに要する時間を短縮することができるため、薄帯の段積み作業を能率よく進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いる装置の全体的な構成を概略的に示した構成図である。
【図2】本発明の実施形態で用いる段積み装置の要部の構成例を一部断面して示した側面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】本発明の実施形態で用いる第1のストリップフィード用クランプ及び第1のステップ送り用クランプ付近の構成例を概略的に示した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態で用いるテールクランプがアンクランプ状態にあるときの要部の構成例を概略的に示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態で用いるテールクランプがクランプ状態にあるときの要部の構成例を概略的に示した斜視図である。
【図7】本発明の実施形態において、複合ストリップのプルフィードを行っている状態を示した斜視図である。
【図8】(A)ないし(H)は本発明の実施形態における段積み装置の動作を順を追って示した動作説明図である。
【図9】本発明を実施する際に用いる制御装置を実現するためにマイクロコンピュータにより実行されるプログラムのアルゴリズムの一部を示したフローチャートである。
【図10】本発明を実施する際に用いる制御装置を実現するためにマイクロコンピュータにより実行されるプログラムのアルゴリズムの他の部分を示したフローチャートである。
【図11】同プログラムのアルゴリズムの更に他の部分を示したフローチャートである。
【図12】同プログラムのアルゴリズムの更に他の部分を示したフローチャートである。
【図13】円形の巻鉄心の構造の一例を示した正面図である。
【図14】矩形巻鉄心の構造の一例を示した正面図である。
【図15】巻鉄心の接合部の構造の一例を示した説明図である。
【図16】従来の段積み装置の構成を示した構成図である。
【図17】鋼板積層体を巻回して巻鉄心を製造する装置の構成を概略的に示した構成図である。
【符号の説明】
20 固定テーブル
21 フィーダ
22 シヤー
SL1 第1のスライダ
SL2 第2のスライダ
M1 第1の可動板
M2 第2の可動板
SF1 第1のストリップフィード用クランプ
SF2 第2のストリップフィード用クランプ
SC1 第1のステップ送り用クランプ
SC2 第2のステップ送り用クランプ
TC1 第1のテールクランプ
TC2 第2のテールクランプ
Claims (4)
- 長尺の非晶質磁性合金薄帯のストリップを複数枚積層したものからなる複合ストリップを長手方向に送給してシヤーによって所定の長さに切断することにより形成した短冊状の複合シートを更に複数個積層したものを単位積層体とし、長さが異なる複数の単位積層体をそれぞれの位置を長手方向に所定のずらし寸法だけずらした状態で固定テーブル上に積層することにより長手方向の端部に段部を有する積層体ブロックを形成する鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法において、
前記複合ストリップの先端を前記シヤーの近傍に設定したクランプ位置でクランプして該複合ストリップの送給方向に所定距離移動させた後、前記シヤーにより前記複合ストリップを切断して前記複合シートを形成する過程を所定回数行って前記固定テーブル上に単位積層体を形成する単位積層体形成工程と、前記固定テーブル上に存在する単位積層体を一括してクランプして前記送給方向に前記ずらし寸法だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を前記積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせることを特徴とする鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法。 - 長尺の非晶質磁性合金薄帯のストリップを複数枚積層したものからなる複合ストリップを長手方向に送給してシヤーによって所定の長さに切断することにより形成した短冊状の複合シートの単体または該複合シートを更に複数個積層したものを単位積層体とし、長さが異なる複数の単位積層体をそれぞれの位置を長手方向にずらした状態で積層することにより長手方向の端部に段部を有する積層体ブロックを形成する鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法において、
前端部と後端部との間の領域を互いに平行に延びる第1及び第2のスリットを有し、上面を水平方向に沿わせた状態で配置された固定テーブルと、前記固定テーブルの後端部側に配置されて前記複合ストリップを前記第1及び第2のスリットの長手方向に沿って固定テーブル側に送給するフィーダと、前記フィーダと固定テーブルとの間に配置されたシヤーと、互いに干渉しない位置に配置されて前記複合ストリップの送給方向に往復移動し得るように支持された第1及び第2のスライダと、前記第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されて両スライダの移動に伴って前記固定テーブルの上方を前記送給方向に往復移動するように設けられた第1及び第2の可動板と、前記第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されて前記フィーダにより送給された複合ストリップの先端部を第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のストリップフィード用クランプと、前記第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されて前記固定テーブルの下側から前記第1及び第2のスリットを通して該固定テーブル上の複合シートを前記第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のステップ送り用クランプと、前記固定テーブル上の複合ストリップを前記シヤー寄りの位置で前記固定テーブルに対してクランプするテールクランプとを設けておき、
前記複合ストリップを前記フィーダにより送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端を前記第1のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第1のストリップフィード用クランプを前記送給方向の前方側に所定距離移動させた後、前記シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する第1の複合シート形成過程と、前記複合ストリップを前記フィーダにより送給して該複合ストリップの先端が前記クランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端を前記第2のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第2のストリップフィード用クランプを前記送給方向の前方側に所定距離移動させた後、前記シヤーにより複合ストリップを切断して他の複合シートを形成する第2の複合シート形成過程とを交互に行って前記固定テーブル上に単位積層体を形成する単位積層体形成工程と、前記固定テーブル上に存在する単位積層体を前記第1及び第2のステップ送り用クランプの少なくとも一方により一括してクランプして前記送給方向の前方側に前記ずらし寸法だけ移動させるステップ送り工程との2つの工程を前記積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、
前記単位積層体形成工程では、前記第1または第2のストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する過程で既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部を前記テールクランプにより固定テーブルに対してクランプしておき、第1及び第2のストリップフィード用クランプの一方が複合ストリップをクランプして移動する過程で他方を前記クランプ位置に復帰させることを特徴とする鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法。 - 長尺の非晶質磁性合金薄帯のストリップを複数枚積層したものからなる複合ストリップを長手方向に送給してシヤーによって所定の長さに切断することにより形成した短冊状の複合シートの単体または該複合シートを更に複数個積層したものを単位積層体とし、長さが異なる複数の単位積層体をそれぞれの位置を長手方向にずらした状態で積層することにより長手方向の端部に段部を有する積層体ブロックを形成する鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み装置において、
前端部と後端部との間の領域を延びるスリットを有し、上面を水平方向に沿わせた状態で配置された固定テーブルと、
前記固定テーブルの後端部側に配置されて前記複合ストリップを前記スリットの長手方向に沿って固定テーブル側に送給するフィーダと、
前記フィーダと固定テーブルとの間に配置されたシヤーと、
前記複合ストリップの送給方向に往復移動し得るように支持されたスライダと、
前記スライダに支持されて該スライダの移動に伴って前記固定テーブルの上方を前記送給方向に往復移動するように設けられた可動板と、
前記スライダに支持されて前記フィーダにより送給された複合ストリップの先端部を前記可動板に対してクランプするストリップフィード用クランプと、
前記スライダに支持されて前記固定テーブルの下側から前記スリットを通して該固定テーブル上の複合シートを前記可動板に対してクランプするステップ送り用クランプと、
前記固定テーブル上の複合ストリップを前記シヤー寄りの位置で前記固定テーブルに対してクランプするテールクランプと、
前記複合ストリップを前記フィーダにより送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端をストリップフィード用クランプによりクランプし、該ストリップフィード用クランプを前記送給方向の前方側に所定距離移動させた後、前記シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する複合シート形成過程を行なわせて前記固定テーブル上に単位積層体を形成する動作と、前記固定テーブル上に存在する単位積層体を前記ステップ送り用クランプにより一括してクランプして前記送給方向の前方側に前記ずらし寸法だけ移動させるステップ送り動作との2つの動作を前記積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、前記ストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する際には既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部を前記テールクランプにより固定テーブルに対してクランプするように、前記フィーダとシヤーとストリップフィード用クランプとステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する制御装置とを具備した鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み装置。 - 長尺の非晶質磁性合金薄帯のストリップを複数枚積層したものからなる複合ストリップを長手方向に送給してシヤーによって所定の長さに切断することにより形成した短冊状の複合シートの単体または該複合シートを更に複数個積層したものを単位積層体とし、長さが異なる複数の単位積層体をそれぞれの位置を長手方向にずらした状態で積層することにより長手方向の端部に段部を有する積層体ブロックを形成する鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み装置において、
前端部と後端部との間の領域を互いに平行に延びる第1及び第2のスリットを有し、上面を水平方向に沿わせた状態で配置された固定テーブルと、
前記固定テーブルの後端部側に配置されて前記複合ストリップを前記第1及び第2のスリットの長手方向に沿って固定テーブル側に送給するフィーダと、
前記フィーダと固定テーブルとの間に配置されたシヤーと、
互いに干渉しない位置に配置されて前記複合ストリップの送給方向に往復移動し得るように支持された第1及び第2のスライダと、
前記第1及び第2のスライダにそれぞれ支持されて両スライダの移動に伴って前記固定テーブルの上方を前記送給方向と平行な方向に往復移動するように設けられた第1及び第2の可動板と、
前記第1及び第2のスライダに対してそれぞれ支持されて前記フィーダにより送給された複合ストリップの先端部を前記第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のストリップフィード用クランプと、
前記第1及び第2のスライダに対してそれぞれ支持されて前記固定テーブルの下側から前記第1及び第2のスリットを通して該固定テーブル上の複合シートを前記第1及び第2の可動板に対してそれぞれクランプする第1及び第2のステップ送り用クランプと、
前記固定テーブル上の複合ストリップを前記シヤー寄りの位置で前記固定テーブルに対してクランプするテールクランプと、
前記複合ストリップを前記フィーダにより送給して該複合ストリップの先端がシヤーの近傍に設定されたクランプ位置に達したところで該複合ストリップの先端を第1のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第1のストリップフィード用クランプを前記送給方向の前方側に所定距離移動させた後、前記シヤーにより複合ストリップを切断して1つの複合シートを形成する第1の複合シート形成過程と、前記複合ストリップを前記フィータにより送給して該複合ストリップの先端が前記クランプ位置に達したところで該ストリップの先端を第2のストリップフィード用クランプによりクランプし、該第2のストリップフィード用クランプを前記送給方向の前方側に所定距離移動させた後、前記シヤーにより前記複合ストリップを切断して他の複合シートを形成する第2の複合シート形成過程とを交互に行なわせて前記固定テーブル上に複数の複合シートを積層することにより単位積層体を形成する動作と、前記固定テーブル上に存在する単位積層体を前記ステップ送り用クランプにより一括してクランプして前記送給方向の前方側に前記ずらし寸法だけ移動させるステップ送り動作との2つの動作を前記積層体ブロックが形成されるまで交互に行わせ、前記第1または第2のストリップフィード用クランプが複合ストリップをクランプして移動する際には既に固定テーブル上に形成されている複合シートのシヤー側の端部を前記テールクランプにより固定テーブルに対してクランプし、第1及び第2のストリップフィード用クランプの内の一方のクランプが複合ストリップをクランプして移動する過程で他方のクランプを前記クランプ位置に復帰させるように、前記フィーダとシヤーと第1及び第2のストリップフィード用クランプと第1及び第2のステップ送り用クランプとテールクランプとを制御する制御装置とを具備した鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み装置。
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