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JP3990481B2 - 巻鉄心製造装置 - Google Patents

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JP3990481B2
JP3990481B2 JP22973297A JP22973297A JP3990481B2 JP 3990481 B2 JP3990481 B2 JP 3990481B2 JP 22973297 A JP22973297 A JP 22973297A JP 22973297 A JP22973297 A JP 22973297A JP 3990481 B2 JP3990481 B2 JP 3990481B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非晶質磁性合金薄帯により巻鉄心を製造する巻鉄心製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、低損失の磁性材料として、非晶質(アモルファス)磁性合金が注目されている。この材料を用いて変圧器などの電気機器用の鉄心を構成すると、低損失の電気機器を得ることができる。非晶質磁性合金は、厚さが非常に薄い(25μ程度)薄帯(薄いストリップ)の形で提供され、その取り扱いが面倒であるため、非晶質磁性合金薄帯を用いて電気機器鉄心を構成する場合には、巻鉄心の構造を採用するのが有利である。
【0003】
ケイ素鋼帯を用いた巻鉄心としては、1ターンカット形の鉄心が多く用いられている。1ターンカット形の巻鉄心を製造する際には、1ターン分よりも僅かに長い長さを有するようにカットされた鋼帯を順次円形の巻枠に巻回して、各ターンの鋼帯の両端を階段状に重合わせ接合した円形の巻鉄心を製作し、次いでこの円形の巻鉄心を矩形状に整形して焼鈍する方法がとられる。
【0004】
ところが、前述のように、非晶質磁性合金は非常に薄く、その取り扱いが面倒であるため、非晶質磁性合金薄帯により巻鉄心を形成する場合に1ターンカット形の構造を採用したのでは、能率よく鉄心を製造することができない。
【0005】
そこで、非晶質磁性合金薄帯を数枚ないしは数十枚積層したものを単位積層体として、この単位積層体を用いて巻鉄心を形成する方法が採用されている。この方法では、2πt(tは単位積層体の厚さ)ずつ長さが順次長くなる多数の単位積層体を形成し、この単位積層体の単体、または該単位積層体をn個(nは2以上の整数)ずつ長さが短いものから順に、それぞれの位置を長手方向にずらして積層したものを積層体ブロックとする。このようにして得たm個(mは1以上の整数)の積層体ブロックを、長さが短いものから順に矩形状の巻枠に巻き付けて各積層体ブロックの両端を重ね合わせ接合することにより矩形状の巻鉄心を形成する。
【0006】
図23は、一例として、1積層体ブロックの単位積層体数nを3とした場合の1番目の積層体ブロックB1 の構成を、便宜上その長さを実際のものよりも短縮して示したもので、この例では、順次2πt(1ターン毎の周長の増加分)ずつ長さが長くなっている単位積層体U1 〜U3 をずらし寸法ΔXずつ長手方向に位置をずらして積層することにより積層体ブロックB1 を構成している。同様に、単位積層体U4 ,U5 ,…が順次3個ずつ積層されて2番目以降の積層体ブロックB2 ,B3 ,…が構成される。各積層体ブロックの長手方向の一端側の端部Ba 及び他端側の端部Bb はそれぞれ階段状に形成されている。なお積層体ブロックごとに単位積層体の数を異ならせる場合もあり、単位積層体の単体を積層体ブロックとする場合もある。
【0007】
図24は上記のようにして構成された積層体ブロックを巻枠Mに巻き付けることにより構成した巻鉄心の構造を示したもので、この例では、積層体ブロック数mを3としている。巻枠Mは、その横断面(中心軸線と直交する断面)の輪郭がほぼ矩形状を呈するように形成されている。巻枠Mには、単位積層体U1 〜U3 からなる積層体ブロックB1 と、単位積層体U4 〜U6 からなる積層体ブロックB2 と、単位積層体U7 〜U9 からなる積層体ブロックB3 とが順次巻回積層され、巻回された各単位積層体の一端側の端部と他端側の端部とが矩形状の巻枠Mの一方の短辺部上で重ね合わせ接合されて巻鉄心が構成されている。本明細書では、各単位積層体の一端側の端部と他端側の端部との互いに重ね合わせ接合された部分Lをラップ部と呼ぶ。
【0008】
巻鉄心の最外周にはステンレス鋼等からなる鋼帯Sが巻回されてその形が保持され、この状態で全体が焼鈍されて、継鉄部Y1 及びY2 と脚部C1 及びC2 とを有する矩形状の巻鉄心が完成される。
【0009】
この巻鉄心を用いて例えば配電用の変圧器を構成する場合には、鋼帯Sを外して継鉄部Y1 に形成された接合部を開き、巻枠Mを外した後、脚部C1 及びC2 にそれぞれ巻線を嵌装する。脚部C1 及びC2 に巻線を嵌装した後、継鉄部Y1 の接合部を閉じ、巻鉄心の最外周に鋼帯Sを巻き付けて該鋼帯の両端を溶接する。
【0010】
なお、焼鈍された非晶質磁性合金は非常に脆い状態にあり、巻線を取り扱う際に鉄心から破片が生じるおそれがあるため、鉄心に巻線を嵌装する際には、鉄心をカバーで覆う等の措置が講じられる。
【0011】
従来は、上記のように、単位積層体の単体、または所定個数の単位積層体を所定のずらし寸法ΔXずつずらして積層したものを積層体ブロックとして、該積層体ブロックを巻枠Mに巻き付けることにより、巻鉄心を製造する方法がとられていたが、積層体ブロックを巻鉄心に巻き付けてその両端を接合する工程では手作業を必要とするため、作業能率が悪く、鉄心のコストが高くなるのを避けられなかった。
【0012】
なお、円形の巻鉄心を製造する装置としては、図20に示すような製造装置(特公平6−9180号)が提案されている。この巻鉄心製造装置においては、フレーム1に設けられた長孔1aに沿って移動し得る駆動軸2が設けられ、該駆動軸2に巻枠M´が取り付けられている。駆動軸2にはガイドフランジ3が設けられ、巻枠M´の一端がガイドフランジ3に当接されている。フレーム1にはまた、長孔1aの一端側に互いに近接した状態で配置された1対のガイドローラ4及び5と、駆動軸2の周囲に分散配置された固定ローラ6ないし13と、シリンダ14により駆動されるテンションローラ15及び16を備えた張力付与装置17とが取り付けられている。駆動軸2は図示しない付勢手段により長孔1aの一端側(ガイドローラ4,5側)に付勢されている。巻枠M´とガイドローラ4,5と、固定ローラ6ないし13と、テンションローラ15及び16とを図示の順序で経由するように無端ベルト18が掛け渡されている。この無端ベルトは、張力付与装置17の働きにより常時緊張状態に保持されている。
【0013】
またガイドローラ4及び5の間に向けて積層体ブロックBを送給するコンベアベルト19が設けられ、該コンベアベルトにより送給された積層体ブロックBがガイドローラ4,5の間を通して無端ベルト18と巻枠M´との間に供給されるようになっている。
【0014】
図20の装置を用いて巻鉄心を製造する際には、巻枠M´を図示の矢印P方向に回転駆動して無端ベルト18を図示の矢印Q方向に走行させながら、コンベア19により無端ベルト18と巻枠M´との間に積層体ブロックBを供給する。無端ベルト18と巻枠M´との間に供給された積層体ブロックBは、無端ベルト18により拘束されつつ巻枠M´に巻き付けられて、その両端が重ね合わせ接合される。巻枠M´に積層体ブロックBを巻回していくにつれて、鉄心の外径が巻き太りしていくため、駆動軸2は長孔1aの他端側(図20の左端側)に移動していく。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示した巻鉄心製造装置では、巻鉄心が円形に形成されるため、図24に示したように横断面の輪郭が矩形状を呈する巻鉄心を製造する場合には、円形に形成された巻鉄心を焼鈍前に矩形状に成形する作業を行うことが必要になり、面倒であった。
【0016】
また巻鉄心においては、一連の積層体ブロックのラップ部Lを図25(A)に示すように、一定幅の領域W内に整然と分布させることが望ましい。
【0017】
ところが、図20に示した巻鉄心製造装置により、非晶質磁性合金薄帯の積層体ブロックBを円形の巻枠M´に巻回した場合には、巻枠に一連の積層体ブロックを巻回していく過程で、外側に位置する積層体ブロックのラップ部の位置が内側に位置する積層体ブロックのラップ部の位置に対してずれていくため、図25(B)に示したようにラップ部Lが存在する領域W´が斜めに展開した状態になる、いわゆる「ラップ流れ」の状態が生じることがあった。ラップ流れが生じた円形巻鉄心を矩形状に整形しても、図24に示したように1つの継鉄部Y1 の中央部付近にラップ部が正しく分布した巻鉄心を得ることはできない。
【0018】
なお、図20に示した巻鉄心製造装置において、円形の巻枠M´に代えて、図21に示すように、矩形状の巻枠Mを用いることも考えられる。この場合には、矩形状の巻枠Mの回転を可能にするために、ガイドローラ4,5の間の間隔を広げるとともに、矩形状の巻枠の短辺部及び長辺部がガイドローラ4,5の位置を通過する際に両ガイドローラを大きく逃がすことができる構造にする必要がある。ところがガイドローラ4,5を大きく逃がす構造にすると、単位積層体のラップ部が逃げたガイドローラ4,5の間を通過する際に、接合された単位積層体の端部が外側に開いてしまい、開いた(巻枠から離反した)単位積層体の端部がベルトを介してガイドローラ4に突き当って巻枠の回転が阻止されるというトラブルが生じる。
【0019】
従って、図20に示した巻鉄心製造装置において、矩形状の巻枠を用いた場合には、積層体ブロックの巻回動作の途中でラップ部が開くのを防ぐために手作業を加えることが必要になって、巻鉄心の製造を能率よく行うことができなかった。
【0020】
また図20に示した巻鉄心製造装置において、矩形状を呈する巻枠Mを用いた場合には、図21(A)ないし(C)に示したように、巻枠Mの回転に伴ってコンベアベルト19の送出端部と巻枠Mとの間の垂直方向距離(垂直方向に測った距離)が時々刻々変化し、図21(C)のように、巻枠Mの長辺部が水平方向を向いた状態になったときに、コンベアベルト19の送出端部と巻枠Mとの間の垂直方向距離が最大になる。このように、コンベアベルト19の送出端部と巻枠Mとの間の垂直方向距離が大きくなると、図21(C)に示すようにコンベアベルト19から巻枠M側に送出された積層体ブロックBが大きく弛む状態になって、図22(A)及び(B)に示したように積層体ブロックBが弛んだままの状態で無端ベルトの内側に巻き込まれるため、巻き込まれた積層体ブロックの弛み部分で非晶質磁性合金薄帯にしわが生じ、そのまま巻回を続けると、非晶質磁性合金薄帯のしわが生じた部分が圧縮されて破損するおそれがある。非晶質磁性合金薄帯が破損すると、鉄心から多数の破片が生じるため、巻回された巻鉄心を用いて変圧器などの電気機器を組立てた際に、電気機器の絶縁部分に破片が付着したり、絶縁油中に破片が混入したりして、電気機器の絶縁性能を低下させるおそれがある。
【0021】
本発明の目的は、ラップ流れの状態を生じさせることなく、巻鉄心の製造を能率よく行うことができるようにするとともに、積層体ブロックを大きな弛みを生じさせることなく矩形状に巻回することができるようにして、鉄心内部で非晶質磁性合金薄帯の破損が生じるおそれをなくした巻鉄心製造装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とする巻鉄心製造装置は、横断面の輪郭形状がほぼ矩形状を呈するように形成されて中心部が軸線を水平方向に向けた主軸により支持された巻枠と、該巻枠を回転駆動する巻枠駆動装置と、ループをなすように形成されていて該ループの外側に前記巻枠を位置させた状態で一部が巻枠の外周に沿う周回軌道に沿うようにガイドされて巻枠の回転により駆動される無端ベルトと、非晶質磁性合金薄帯を複数枚積層したものからなる単位積層体の単体または該単位積層体をn個(nは2以上の整数)ずつそれぞれの位置を長手方向にずらした状態で積層して長手方向の一端側及び他端側をそれぞれ階段状に形成したものからなる積層体ブロックを、その長手方向の一端を巻枠側に向けた状態でガイド板の上に乗せて、該ガイド板の上を滑らせながら該ガイド板の巻枠側に指向した送出端部から順次送り出して巻枠側に供給する積層体ブロック供給装置とを備えて、積層体ブロック供給装置により順次供給される積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込むことにより巻枠上に複数の積層体ブロックを順次巻回積層して、巻回された各積層体ブロックの一端と他端とが重ね合わされてラップ部が形成された構造を有する巻鉄心を製造する装置であり、上記の無端ベルトの周回軌道は、その始点と終点との間に積層体ブロック供給装置により供給される積層体ブロックの長手方向の一端側の端部を受け入れるための積層体ブロック導入部を形成するように設定されている。
【0023】
本発明においては、主軸と共に回転するように設けられるとともに、積層体ブロック供給装置により巻枠側に供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を巻枠に対してクランプするように構成されて、供給された積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込んで巻枠に巻回する間積層体ブロックの一端側の端部を巻枠に対してクランプした状態に保持するラップクランプ装置と、積層体ブロック供給装置により巻枠側に新たな積層体ブロックが供給される毎に、ラップクランプ装置が新たに供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を巻枠に対してクランプする動作を行う間、新たに供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を巻枠に対して押え付け、ラップクランプ装置が新たに供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を巻枠に対してクランプした後に、押え付けていた積層体ブロックの一端側の端部を解放して巻枠の回転を許容した状態にするラップ押え装置とを設ける。
【0024】
本発明においてはまた、巻枠に最初に巻回される積層体ブロックを供給する際には、巻枠の4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を設定値に保つようにガイド板の送出端部を巻枠の回転に追従して変位させ、既に巻枠に巻回されている積層体ブロックの外周に積層体ブロックを供給する際には、巻枠に巻回された最も外側の積層体ブロックの4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を設定値に保つようにガイド板の送出端部を巻枠の回転に追従させて変位させるガイド板変位機構を積層体ブロック供給装置に設けた。
【0025】
上記のように、主軸とともに回転するように設けられてラップ部を構成する積層体ブロックの端部を巻枠に対してクランプするラップクランプ装置を設けておくと、積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込んで巻回する際に積層体ブロックの端部が巻枠に対して動くことがないため、ラップ部の位置がずれるのを防ぐことができ、ラップ流れが生じるのを防ぐことができる。
【0026】
また上記のように積層体ブロックの端部を巻枠に対してクランプしておくと、積層体ブロックが無端ベルトから解放された状態になってもラップ部が開くことがないため、矩形状の巻枠の短辺部及び長辺部が積層体ブロック導入部の位置を通過する際にラップ部が開くのを防ぐことができる。
【0027】
更に上記のように、積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの一端側の端部を巻枠側に押え付けるラップ押え装置を設けておくと、既に巻回されている積層体ブロックのラップ部を開かせることなく、新たに積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの一端側の端部をクランプすることができる。
【0028】
従って、上記のように構成すると、巻回された積層体ブロックのラップ部を一度も開かせることなく、かつラップ部の位置ずれを生じさせることなく一連の積層体ブロックの巻回作業を進めることができ、ラップ流れがない高品質の巻鉄心を製造することができる。
【0029】
上記のように、積層体ブロックをガイド板の上に載せて、ガイド板の上を滑らせながら巻枠側に供給する場合、ガイド板の送出端部と巻枠との間の垂直方向距離(巻枠に既に先行した積層体ブロックが巻回されている場合には、供給ベース板の送出端部と巻枠に既に巻回された積層体ブロックとの間の垂直方向距離)が大きくなると、ガイド板の送出端部と巻枠(または巻枠に既に巻回されている積層体ブロック)との間で、積層体ブロックに大きな弛みが生じる。ガイド板の送出端部から巻枠側に供給される積層体ブロックの弛みが大きくなると、積層体ブロックが弛んだままの状態で無端ベルトの内側に巻き込まれるため、巻き込まれた積層体ブロックの弛み部分で非晶質磁性合金薄帯にしわが生じ、そのまま巻回を続けると、非晶質磁性合金薄帯のしわが生じた部分が圧縮されて破損するおそれがある。非晶質磁性合金薄帯が破損すると、鉄心から多数の破片が生じるため、巻回された巻鉄心を用いて変圧器などの電気機器を組立てた際に、電気機器の絶縁部分に破片が付着したり、絶縁油中に破片が混入したりして、電気機器の絶縁性能を低下させるおそれがある。
【0030】
また鉄心内に積層体ブロックの弛みが存在すると、鉄心内の占積率が不均一になって、電気機器の特性に悪影響を与えるおそれがある。
【0031】
このような問題を生じさせないようにするためには、ガイド板から巻枠側に積層体ブロックを供給する際に、該積層体ブロックに生じる弛みをできるだけ小さくすることが必要である。
【0032】
そのため、本発明においては、前述のように、積層体ブロック供給装置にガイド板変位機構を設けて、巻枠に最初に巻回される積層体ブロックを供給する際には、巻枠の4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を設定されたオフセット値に保つようにガイド板の送出端部を巻枠の回転に追従して変位させ、既に巻枠に巻回されている最も外側の積層体ブロックの外周に次の積層体ブロックを供給する際には、巻枠に巻回された最も外側の積層体ブロックの最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を設定されたオフセット値に保つようにガイド板の送出端部を巻枠の回転に追従させて変位させるようにした。
【0033】
なおコーナ部の頂部とは、コーナ部の頂上、即ち、コーナ部の各部のうち、最も外側に出っ張った部分(コーナ部の横断面の輪郭線と矩形の対角線との交点)を意味する。またコーナ部の頂部の高さとは、コナー部の垂直方向高さを意味する。同様に、ガイド板の送出端部の高さも、該送出端部の垂直方向高さを意味する。
【0034】
このように構成すると、ガイド板の送出端部と巻枠の外周との間の垂直方向距離(巻枠に既に巻回されている積層体ブロックの外周に次の積層体ブロックを供給する場合には、ガイド板の送出端部と巻枠に既に巻回されている積層体ブロックの外周との間の垂直方向距離)を常に必要最小限の大きさに保持しつつ、積層体ブロックを巻枠側に供給することができるため、積層体ブロックがガイド板から巻枠側に移行する際に積層体ブロックに生じる弛みを小さくして、大きな弛みが生じたままの状態で積層体ブロックが無端ベルトの内側に巻き込まれるのを防ぐことができ、巻回された鉄心内で非晶質磁性合金薄帯にしわが生じて、該薄帯が破損するのを防ぐことができる。
【0035】
上記のようにガイド板の送出端部を変位させるには、例えば、ガイド板を、積層体ブロックの供給方向の後方側に設定された1つの回動中心を中心にして回動し得るように設けておく。そして、巻枠に最初の積層体ブロックを供給する際には、巻枠の4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さを演算し、既に巻枠に巻回されている積層体ブロックの外周に積層体ブロックを供給する際には既に巻枠に巻回されている積層体ブロックの4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さを演算するコーナ部高さ演算手段と、コーナ部高さ演算手段により演算されたコーナ部の頂部の高さに設定されたオフセット値を加算して得た高さを目標高さとして、ガイド板の送出端部の高さを目標高さに保持するために必要な電動機の回転方向と回転角度とを演算する電動機回転量演算手段と、電動機回転量演算手段により演算された回転方向に演算された回転角度だけ電動機を回転させるように電動機を制御する電動機制御装置とを設ける。
【0036】
上記のように、巻枠の4つのコーナ部(巻枠に最初の積層体ブロックを巻回する場合)または巻枠に既に巻回されている積層体ブロックの4つのコーナ部(巻枠に既に巻回されている積層体ブロックの外周に次の積層体ブロックを巻回する場合)のうち、最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さを演算して、演算されたコーナ部の頂部の高さに一定のオフセット値を加算して得た高さを目標高さとして、ガイド板の送出端部の高さを目標高さに保持するように電動機を制御するようにすると、ガイド板の送出端部を巻枠の回転に追従して自動的に変位させて、巻枠または巻枠に巻回されている積層体ブロックの最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を必要最小限の大きさ(オフセット値)に保って、ガイド板から巻枠側に移行する積層体ブロックに大きな弛みが生じるのを防ぐことができる。
【0037】
本発明においてはまた、ガイド板の先端から主軸の上方付近まで伸びるように設けられてガイド板の送出端部と巻枠との間に存在する積層体ブロックを下から支える帯状の板バネを、ガイド板の送出端部に取り付けておくのが好ましい。この場合、板バネは積層体ブロックの幅寸法よりも小さい幅寸法を有するように形成して、積層体ブロックの幅方向の中央部に沿うように配置する。
【0038】
ガイド板の送出端部に上記のような板バネを取り付けておくと、積層体ブロックに生じる弛みを更に小さくすることができるため、積層体ブロックが弛んだままの状態で巻き込まれるのを確実に防ぐことができる。
【0039】
ラップ押え装置は、積層体ブロック導入部で主軸の軸線方向と直角な方向に変位し得るように設けられて、積層体ブロック導入部にある積層体ブロックの一端側の端部に当接して該一端側の端部を巻枠側に押え付ける押え位置と該一端側の端部から離れて巻枠の回転を許容する状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた押え部材と、該押え部材を押え位置と退避位置とに変位させる押え部材駆動機構とにより構成できる。
【0040】
またラップクランプ装置は、主軸の径方向に沿う第1の方向に沿って移動し得るように設けられるとともに、主軸の軸線方向に沿う第2の方向に移動し得るように設けられていて、第2の方向に沿って巻枠の外周面に対向する位置まで変位させられた状態で第1の方向に沿って巻枠側に変位させられたときに巻枠上の積層体ブロックの一端側の端部に当接して該端部を巻枠に対してクランプし、第2の方向に沿って巻枠から離れる側に移動したときに該積層体ブロックの一端側の端部のクランプを解除するように設けられたクランプ板と、該クランプ板を第1の方向に沿って変位させる第1のクランプ板駆動機構と、前記クランプ板を前記第2の方向に移動させる第2のクランプ板駆動機構とにより構成できる。
【0041】
この場合、無端ベルトは、積層体ブロックの幅寸法よりも小さい幅寸法を有するように形成されて、積層体ブロックの幅方向の中央部に沿うように配置され、ラップクランプ装置のクランプ板は、クランプ位置にあるときに無端ベルトと干渉しない積層体ブロックの端部の幅方向の端部寄りの部分に当接して該端部をクランプするように設けられる。
【0042】
上記のように、ラップクランプ装置のクランプ板を主軸の軸線方向(第2の方向)に変位させて積層体ブロックから離脱させることができるようにしておくと、積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込んで積層体ブロックの一端側の端部と他端側の端部とを重ね合わせてラップ部を構成した後、該ラップ部が無端ベルトにより拘束されている状態で、ラップ部を構成する積層体ブロックの端部間に挟み込まれた状態にあるクランプ板を積層体ブロックから一旦離脱させて、改めてラップ部をクランプすることができる。このようにラップ部をクランプしておくと、ラップ部が無端ベルトから解放された際に、該ラップ部が開くのを防ぐことができる。
【0043】
また上記のように、積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの一端側の端部を巻枠側に押え付けるラップ押え装置を設けるとともに、ラップクランプ装置のクランプ板を主軸の軸線方向(第2の方向)に変位させて積層体ブロックから離脱させることができるようにしておくと、積層体ブロック導入部に新たな積層体ブロックが供給されたときに、該積層体ブロックの端部を巻枠側に押え付けた状態でクランプ板を離脱させて新たな積層体ブロックの一端側の端部をクランプすることができるため、既に巻回された積層体ブロックのラップを開かせることなく、新たに供給された積層体ブロックの一端側の端部をラップクランプ装置によりクランプすることができる。
【0044】
上記巻枠の軸線方向の両端には、該巻枠とともに回転するように設けられて、該巻枠上の積層体ブロックの幅方向の位置を規制するする1対の面板を配置するのが好ましい。
【0045】
このように1対の面板を設けておくと、巻枠に巻回される積層体ブロックの幅方向の位置を揃えることができるため、一連の積層体ブロックを整然と巻回することができ、積層体ブロックの位置ずれがない高品質の巻鉄心を得ることができる。
【0046】
本発明においては、巻枠駆動装置と、積層体ブロック供給装置と、ラップ押え装置の押え部材駆動機構と、ラップクランプ装置の第1及び第2のクランプ板駆動機構とを制御する制御装置を更に設けるのが好ましい。
【0047】
この制御装置は、積層体ブロックの一端側の端部を積層体ブロック導入部を通して巻枠の外周に対向する位置に供給する積層体ブロック供給動作と、巻枠の一方の短辺部の位置に供給された積層体ブロックの一端側の端部をラップ押え装置の押え部材により巻枠に対して押え付ける押え動作と、押え部材により押え付けられた積層体ブロックの一端側の端部にラップクランプ装置のクランプ板を当接させて該一端側の端部をクランプする積層体端部クランプ動作と、押え部材を退避位置に変位させて巻枠の回転が許容される状態にするラップ押え退避動作と、巻枠を回転させて一端側の端部がクランプされた積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込んで該積層体ブロックの一端側の端部に他端側の端部を重ね合わせることによりラップ部を形成した後、該ラップ部を無端ベルトの内側に位置させた状態で巻枠を停止させる積層体ブロック巻回動作と、積層体ブロックのラップ部を構成する一端側の端部と他端側の端部との間に挟み込まれた状態にあるクランプ板を第2の方向に沿って巻枠から離れる側に変位させてラップ部から離脱させるクランプ板離脱動作と、ラップ部から離脱したクランプ板を該ラップ部の外周側に当接して該ラップ部を巻枠に対してクランプする位置まで変位させるラップ部クランプ動作と、ラップ部を前記積層体ブロック導入部に位置させるまで前記巻枠を回転させて停止させる巻枠復帰動作とを必要な数の積層体ブロックが巻回されるまで繰り返すように構成される。
【0048】
上記ラップクランプ装置は1対設けて、該1対のラップクランプ装置を巻枠の軸線方向の両側にそれぞれ配置するのが好ましい。この場合ラップ押えは、ラップクランプ装置のクランプ板と干渉しないように、積層体ブロック導入部にある積層体ブロックの積層端部の幅方向の中央部寄りの位置で該積層端部に当接するように設けるのが好ましい。
【0049】
1対のラップクランプ装置と、1対の面板とを設ける場合には、1対の面板のクランプ装置のクランプ板が配置される部分に互いに整合する切欠き部を設けて、1対のラップクランプ装置の各クランプ板を面板の切欠き部内を通して変位させるようにするのが好ましい。
【0050】
上記のように、ラップクランプ装置を1対設けておくと、積層体ブロックの端部をその幅方向の両端で安定にクランプすることができるため、無端ベルトの内側に積層体ブロックを巻き込んで巻回する過程で、クランプが外れるのを防いで、安定な動作を行わせることができる。
【0051】
本発明においてはまた、周回軌道の終点付近で無端ベルトに接触して該無端ベルトを巻枠側に押し付ける第1のしごきローラと、周回軌道の始点と終点との間の中間部付近で無端ベルトに接触して該無端ベルトを巻枠側に押し付ける第2のしごきローラとを設けるのが好ましい。
【0052】
この場合第1及び第2のしごきローラは、巻枠の回転に追従して変位し得るように支持するとともに、付勢手段により巻枠側に付勢しておく。
【0053】
上記第1及び第2のしごきローラは、第1のしごきローラが巻枠の対角位置にある2つの角部のうちの一方に対向したときに、第2のしごきローラが該2つの角部のうちの他方に対向した状態になるように設けるのが好ましい。
【0054】
上記のようにしごきローラを設けておくと、無端ベルトに弛みを生じさせることなく、該無端ベルトを巻枠または既に巻回された積層体ブロックに密接させることができるため、積層体ブロックを密に巻いて、積層体ブロック相互間に隙間がない高品質の巻鉄心を得ることができる。
【0055】
また本発明においては、無端ベルトの周回軌道の始点側で該無端ベルトの内側に巻き込まれる積層体ブロックに接触して、該積層体ブロックを前記巻枠側に押し付けるように付勢するバネを更に設けるのが好ましい。
【0056】
このようにバネを設けておくと、新たな積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込む際に、積層体ブロックが浮き上がるのを防ぐことができるため、積層体ブロックの巻き込みを容易に行わせることができる。
【0057】
本発明においてはまた、積層体ブロック導入部で積層体ブロックに摩擦接触して無端ベルトの内側に巻き込まれる積層体ブロックに張力を与える摩擦付与部材を設けるのが好ましい。
【0058】
【発明の実施の形態】
図1ないし図14は本発明に係わる巻鉄心製造装置の構成例を示したもので、図1はその全体的な構成を示す正面図、図2は図1の要部の拡大正面図、図3は図1の要部を示す斜視図、図4ないし図14は本発明に係わる巻鉄心製造装置の動作を順を追って示した斜視図である。
【0059】
図1において21は板状に形成されて垂直に起立された状態で配置された巻鉄心製造装置の主フレームで、主フレーム21はその下部に取り付けられた脚部21a,21aを介して図示しない設置ベース上に固定される。主フレーム21の先端部21A寄りの位置には主軸23がその中心軸線をフレーム21の板面と直交させた状態で、かつ水平方向に向けた状態で回転自在に支持され、主軸23に巻枠Mが取り付けられている。巻枠Mは、横断面の輪郭がほぼ矩形状(矩形の各角部に丸みをつけた形状)を呈するように形成されていて、その中心軸線を主軸23の中心軸線に一致させた状態で取り付けられている。図示してないが、主フレーム21の裏面には、電動機により減速機を介して主軸23を回転駆動する巻枠駆動装置が設けられ、この巻枠駆動装置により巻枠Mが回転駆動される。
【0060】
図4に見られるように、主軸23には、巻枠Mを軸線方向の両端側から挟むように配置された1対の面板25,25が取り付けられている。1対の面板25,25の内、主フレーム21と反対側に配置された面板25は、取り外すことができるようになっていて、この面板25を外した状態で巻枠Mの着脱を行うことができるようになっている。面板25,25には互いに整合するコの字形の切欠き部25a,25aが形成されている。図7に見られるように、各切欠き部25aは、面板25の半径方向と平行な方向に伸びる対辺25a1,25a1と、面板25の半径方向に対して直角な方向に伸びる底辺部25a2とを有していて、巻枠Mはその一方の短辺部を切欠き部25aの底辺部25a2に沿わせた状態で取り付けられる。切欠き部25aの底辺部25a2に沿う巻枠Mの一方の短辺部に巻鉄心を構成する積層体ブロックのラップ部が配置される。
【0061】
主フレーム21(図1参照)にはまた、積層体ブロック供給装置26が取り付けられている。積層体ブロック供給装置26は、主フレーム21の後端部21B側から巻枠M側に向って長く延びる可動フレーム27を備えている。可動フレーム27は、円弧の中心が同一である2つの円弧状の溝28a及び28bと該円弧状の溝により案内されて転動するローラ(図示せず。)とを備えたガイド機構により、積層体ブロックの送給方向の後方側に設定された一点を中心に回動し得るように支持されている。主フレーム21にはまた、可動フレーム27よりも下方に位置させた状態で電動機29aと該電動機の出力軸の回転を減速する歯車減速機29bとが取り付けられている。減速機29bの出力軸には第1のレバー29cの一端が連結され、該第1のレバー29cの他端に第2のレバー29dの一端がピンを介して連結されている。第2のレバー29dの他端は可動フレーム27にピンを介して連結され、電動機29aの出力軸の回転に伴って、可動フレーム27が回動させられるようになっている。
【0062】
可動フレーム27には、該可動フレームの長手方向に延びるガイド板30と、積層体ブロック送給機構31とが取り付けられている。ガイド板30は巻枠M側に送給される積層体ブロックBを載せて支えるために設けられたもので、その巻枠M側に向いた先端が積層体ブロックの送出端部30A(図4参照)となっており、該送出端部30Aが面板25,25の間を通して巻枠Mの近傍に至るように設けられている。図4ないし図14に見られるように、ガイド板30の幅方向の中央部には、その長手方向に延びるスリット30aが形成されている。
【0063】
積層体ブロック送給機構31は、ガイド板30の上方に配置されてガイド板30の長手方向に移動自在に支持された可動ブロック31aに取り付けられた上部クランプ31Aと、ガイド板30の下方に配置されて可動ブロック31aと同じ方向に変位し得るように支持された可動ブロック31bに取り付けられた下部クランプ31Bと、モータ31Cと、ガイド板の長手方向に延びるように設けられて可動ブロック31aに固定されたナットに螺合されたボールネジ31Dとを備えている。
【0064】
可動ブロック31a及び可動ブロック31bは、それぞれが支持した上部クランプ31A及び下部クランプ31Bを互いに連動して変位させるように、図示しない手段により連結されている。
【0065】
モータ31Cの出力軸はチェーンスプロケット機構等からなる動力伝達機構31Eを介してボールネジ31Dに結合され、モータ31Cによりボールネジ31Dが回転駆動されて、可動ブロック31a及び31bとともに上部クランプ31A及び下部クランプ31Bがガイド板30の長手方向に往復移動させられる。
【0066】
上部クランプ31A及び下部クランプ31Bは、ガイド板30のスリット30aを通して上下に相対するクランプ部材と、該クランプ部材を駆動する流体圧シリンダとを備えている。積層体ブロックBを送給する際には、上部クランプ31Aのクランプ部材をガイド板30の上に供給された積層体ブロックBの上面に当接させ、下部クランプ31Bのクランプ部材をスリット30aを通して積層体ブロックBの下面に当接させることによりガイド板31D上の積層体ブロックBをクランプする。この状態で、モータ31Cを駆動してボールネジ31Dを回転させることにより、上部クランプ31A及び下部クランプ31Bを変位させて、積層体ブロックBを、ガイド板30の送出端部(巻枠側の端部)30Aから順次巻枠M側に送り出して送給する。この例では、可動フレーム27と、ガイド板30と、積層体ブロック送給機構31とにより、積層体ブロック供給装置26が構成され、電動機29aと減速機29bとレバー29c及び29dとにより、ガイド板変位機構29が構成されている。
【0067】
可動フレーム27の先端部には、アーム32が回動自在に支持され、該アーム32の先端部には、巻枠Mに巻回される積層体ブロックBに摩擦接触して該積層体ブロックBに摩擦抵抗を与える摩擦付与部材33(図2参照)が回動可能に取り付けられている。摩擦付与部材33は,所定の質量を有する板(錘)からなっている。アーム32を駆動するためにシリンダ34が設けられ、該シリンダ34を駆動することにより、摩擦付与部材33を、面板25,25の間で巻枠上の積層体ブロックに当接する位置と、該積層体ブロックから離れた状態になる退避位置とに変位させることができるようになっている。
【0068】
主フレーム21にはまた、積層体ブロック供給装置26の先端部付近の下方に、上下に間隔をあけて配置された第1及び第2のガイドローラ40A及び40Bと、主軸23の中心軸線を含む垂直面に対して第2のガイドローラ40Bと対称に配置された第3のガイドローラ40Cと、第3のガイドローラ40Cの真上に並べて配置された第4及び第5のガイドローラ40D及び40Eと、第5のガイドローラ40Eの上方に位置させて、かつ面板25,25´よりも高い位置に配置された第6のガイドローラ40Fと、第6のガイドローラ40Fと同じ高さの位置に位置させた状態で巻枠Mの上方に配置された第7のガイドローラ40Gとが取り付けられている。第3ないし第5のガイドローラ40Cないし40Eは、狭い間隔をもって上下方向に並ぶように配置され、これらのガイドローラの中心軸線を含む垂直面と第1及び第2のガイドローラ40A及び40Bの中心軸線を含む垂直面との間に位置させた状態でスライダ41が配置されている。スライダ41は主フレーム21に固定された平行なガイド棒42,42に沿って水平方向にスライドし得るように支持されている。スライダ41には、第3及び第4のガイドローラ40C及び40Dの間の隙間に相応する位置に配置された第1のテンションローラ43Aと、第4のガイドローラ40Dと第5のガイドローラ40Eとの間の隙間に相応する位置に配置された第2のテンションローラ43Bとが支持されている。スライダ41には、主フレーム21に取り付けられたエアシリンダ44のピストンロッドが連結され、シリンダ44によりスライダ41が第3ないし第5のガイドローラ40Cないし40Eから離れる方向に付勢されるようになっている。
【0069】
第1及び第2のガイドローラ40A及び40Bと、第3のガイドローラ40Cと第1のテンションローラ43Aと、第4のガイドローラ40Dと、第2のテンションローラ43Bと、第5のガイドローラ40Eと、第6及び第7のガイドローラ40F及び40Gと、巻枠Mの外周とにループ状に形成された無端ベルト(エンドレスベルト)45が掛け渡されている。
【0070】
無端ベルト45は、巻枠Mをそのループの外側に位置させた状態でその一部が巻枠Mの外周の大部分に沿うように設けられている。図示の例では、第3ないし第5のガイドローラ40Cないし40Eとスライダ41と第1及び第2のテンションローラ43A及び43Bとシリンダ44とにより、張力付与装置(アキュムレータ)46が構成され、この張力付与装置により無端ベルト45に緊張力が与えられて、該無端ベルトが巻枠Mまたは該巻枠に巻回される積層体ブロックBの外周に密接した状態に保持されるようになっている。本明細書では、無端ベルト45の巻枠Mの外周に沿う部分の軌道R(図2参照)を無端ベルトの周回軌道と呼ぶ。
【0071】
図4ないし図14に見られるように、無端ベルト45は、巻枠Mに巻回される積層体ブロックBの幅寸法よりも小さい幅寸法を有するように形成されていて、巻枠M及び該巻枠Mに巻回される積層体ブロックの幅方向の中央部に沿うように配置されている。従って、無端ベルト45が巻枠Mの外周に巻回される積層体ブロックBの外周に接触した状態にあるときに、該積層体ブロックの幅方向の両端部には無端ベルトに接触しない部分が残される。
【0072】
主軸23の両側にはくの字形に形成された第1のしごきローラ支持アーム51A及び第2のしごきローラ支持アーム51Bが配置されている。第1のしごきローラ支持アーム51Aは、積層体ブロック供給装置26側に設けられて、ピン52Aを介して主フレーム21に回動自在に支持されている。また第2のしごきローラ支持アーム51Bは積層体ブロック供給装置と反対側に配置されて、ピン52Bを介して主フレーム21に回動自在に支持されている。
【0073】
第1のしごきローラ支持アーム51A及び第2のしごきローラ支持アーム51Bはそれぞれの先端が面板25,25の間を通して巻枠Mに接近したり該巻枠Mから離れたりするように設けられていて、それぞれの先端に取り付けられた第1及び第2のしごきローラ53A及び53Bが無端ベルト45に接触させられている。
【0074】
主フレーム21には、第1及び第2のしごきローラ支持アーム51A及び51Bを付勢する付勢手段としての第1及び第2のエアシリンダ54A及び54Bが回動自在に支持され、これらのエアシリンダ54A及び54Bのピストンロッドが第1のしごきローラ支持アーム51Aの中間部及び第2のしごきローラ支持アーム51Bの中間部にそれぞれピンを介して連結されている。第1及び第2のエアシリンダ54A及び54Bにより第1のしごきローラ53A及び第2のしごきローラ53Bが巻枠M側に付勢されるようになっている。
【0075】
図示の巻鉄心製造装置では、供給装置26から巻枠M上に積層体ブロックBを供給する際に、図1に示すように巻枠Mの長辺部を垂直方向に沿わせ、該巻枠Mの一方の短辺部を上方に向けた状態にして巻枠Mを停止させる。このときの巻枠Mの停止位置を巻枠の積層体ブロック受入れ位置と呼ぶことにする。
【0076】
図示の例では、巻枠Mが積層体ブロック受入れ位置に停止したときに、無端ベルト45の巻枠Mから第7のガイドローラ40Gに向けて立上る部分が垂直方向に沿うように、第7のガイドローラ40Gの位置が設定されている。また第1のしごきローラ53Aは、巻枠Mの長辺部が垂直方向に沿うように配置された状態にあるときに、該巻枠Mの積層体ブロック供給装置26側の長辺部の上端部付近で無端ベルト45に接触するように設けられる。更に第2のしごきローラ53Bは、巻枠Mの長辺部が垂直方向に沿うように配置されたときに、巻枠Mの積層体ブロック供給装置26と反対側の長辺部の下端部付近で無端ベルト45に接触するように設けられる。
【0077】
図示の例では、巻枠Mが回転する過程で、第1のしごきローラ53Aが巻枠Mの1つの角部に対向して無端ベルトに接触した際に、第2のしごきローラ53Bが、第1のしごきローラに対向する角部と対角位置にある他の角部に対向して無端ベルトに接触し、図1及び図2に示すように巻枠Mが積層体ブロック導入位置にあるときには、第1のしごきローラ53A及び第2のしごきローラ53Bが巻枠Mの異なる長辺部の端部寄りの位置で無端ベルトに接触するように、第1及び第2のしごきローラが設けられている。
【0078】
図示の例では、第7のガイドローラ40Gと第1のしごきローラ53Aと、第2のしごきローラ53Bとにより、無端ベルト45の巻枠Mの外周に沿う周回軌道Rが定められている。この周回軌道Rは、第7のガイドローラ40Gから巻枠M側に下降する無端ベルト45が巻枠Mまたは該巻枠に巻かれた積層体ブロックBに接する位置を始点P(図2参照)とし、無端ベルト45が第1のしごきローラ53Aと巻枠Mまたは巻枠Mに巻回された積層体ブロックBとの間から離脱する位置を終点Qとする軌道である。無端ベルト45は、シリンダ54Aにより付勢されて周回軌道Rの終点Q付近で該無端ベルトに接触する第1のしごきローラ53Aの働きと、シリンダ54Bにより付勢されて周回軌道Rの始点Pと終点Qとの間の中間部付近で該無端ベルトに接触する第2のしごきローラ53Bの働きとにより、常時巻枠M側に押し付けられた状態で走行する。
【0079】
巻枠Mが回転させられると、第1のしごきローラ53Aと無端ベルト45との接点と主軸23との間の距離、及び第2のしごきローラ53Bと無端ベルト45との接点と主軸23との間の距離が変化し、これらの距離の変化に追従して第1及び第2のしごきローラ53A及び53Bの位置が変化する。このように巻枠Mの回転に追従して第1及び第2のしごきローラの位置が変化することにより、巻枠Mの円滑な回転が許容される。
【0080】
無端ベルト45の巻枠Mに沿う周回軌道の始点Pと終点Qとの間に、積層体ブロック導入部(無端ベルトが開いた部分)Gが形成され、積層体ブロック供給装置26から導入部Gを通して巻枠M側に積層体ブロックBが供給される。
【0081】
巻枠Mの両側に設けられた面板25,25には、巻枠M上の積層体ブロックの一端側の端部(ラップ部を構成する端部)をクランプする1対のラップクランプ装置60,60が取り付けられている。図2及び図3に示したように、各ラップクランプ装置60は、面板25の切欠き部25aの底辺部25a2及び巻枠Mの一方の短辺部に長手方向を沿わせた状態で面板25の外側に配置された矩形状の可動板61を備えている。可動板61は、垂直方向に向くように配置されて面板25の外面に固定された1対のガイドレール62,62により主軸23の径方向に沿う第1の方向(図示の例では上下方向)に移動自在に支持されたスライダ63,63の上端に固定されている。
【0082】
可動板61の下面の中央部には、クランプ板64がガイド機構65を介して主軸23の軸線方向に沿う第2の方向に移動自在に支持されている。ガイド機構65は、ガイドレールと該ガイドレールにスライド自在に保持されたスライダとを備えた公知のものである。
【0083】
クランプ板64は、積層体ブロックの一端側の端部をクランプするために必要な機械的強度を確保するために必要最小限の厚さを有する板からなっていて、図4ないし図14に見られるように、クランプ板64には、巻枠M側に向かうに従って該クランプ板の厚みを薄くする向きのテーパがつけられている。
【0084】
クランプ板64は、その板面が巻枠Mの一方の短辺部に沿うように設けられていて、可動板61の変位に伴って主軸の径方向に沿う第1の方向に沿って移動し、ガイド機構65の働きにより主軸23の軸線方向に沿う第2の方向に変位する。このクランプ板64は、第2の方向(主軸の軸線方向)に沿って巻枠Mの一方の短辺部の外周面に対向する位置まで変位させられた状態で第1の方向(主軸の径方向)に沿って巻枠側に変位させられたときに巻枠M上の積層体ブロックBの一端側の端部に当接して該一端側の端部を巻枠Mに対してクランプし、第2の方向(主軸の軸線方向)に沿って巻枠から離れる側に移動させられたときに一端側の端部のクランプを解除する。
【0085】
クランプ板64を主軸の径方向に沿う第1の方向に沿って変位させるため、第1のラップクランプ駆動用エアシリンダ66(図2、図3参照)のピストンロッド66aが可動板61に連結されている。またクランプ板64を主軸の軸線方向に沿う第2の方向に沿って変位させるために、可動板61の下面に固定された第2のラップクランプ駆動用エアシリンダ67のピストンロッド67aが連結部材68を介してクランプ板64に連結されている(図3参照)。可動板61とガイドレール62,62とスライダ63,63と第1のラップクランプ駆動用エアシリンダ66とにより、クランプ板64を第1の方向に沿って移動させる第1のクランプ板駆動機構が構成されている。またガイド機構65と第2のラップクランプ駆動用エアシリンダ67とにより、クランプ板64を第2の方向に沿って移動させる第2のクランプ板駆動機構が構成され、クランプ板64と第1及び第2のクランプ板駆動機構とにより、ラップクランプ装置60が構成されている。各ラップクランプ装置60は面板25に取付けられているため、主軸23が回転駆動されたときに巻枠Mとともに回転して、巻枠M上の積層体ブロックをクランプしたりアンクランプしたりする。
【0086】
積層体ブロック導入部Gにはまた、積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの一端側の端部を巻枠側に押え付けるラップ押え装置70が設けられている。このラップ押え装置70は、積層体ブロック導入部Gに相応する位置で主フレーム21に固定されたシリンダ取付け板71にピストンロッド72aを下方に向けた状態で取り付けられたエアシリンダ72と、該エアシリンダ72のピストンロッド72aの下端に固定された押え部材73とからなっている。エアシリンダ72は、そのピストンロッド72aを主軸23の中心軸線を含む垂直面上で巻枠Mの外周面の幅方向の中央部に向けた状態で設けられ、押え部材73は、エアシリンダ72により駆動されて、積層体ブロック導入部Gにある積層体ブロックBのラップ部に当接して該ラップ部を巻枠M側に押え付ける押え位置と該ラップ部から離れて巻枠Mの回転を許容する状態になる退避位置との間を主軸23の軸線方向と直角な方向に沿って変位させられる。この例では、エアシリンダ71により、押え部材73を押え位置と退避位置とに変位させる押え部材駆動機構が構成されている。
【0087】
また図示の例では、第7のガイドローラ40Gを支持する軸に無端ベルト45の幅方向の両側で巻枠M上の積層体ブロックBに接触する1対の半月形のバネ80,80が設けられている。
【0088】
図示の例では、主軸23と、主軸に取り付けられた巻枠Mと、主軸を回転させて巻枠Mを駆動する巻枠駆動装置と、ガイドローラ40A〜40Gなどによりガイドされた無端ベルト45と、ラップクランプ装置60と、ラップ押え装置70とにより、巻鉄心巻回装置が構成されている。
【0089】
本実施形態ではまた、図4、図18及び図19に見られるように、ガイド板30の送出端部(先端)30Aから巻枠Mの主軸の上方付近まで伸びるように設けられてガイド板30の送出端部と巻枠Mとの間に存在する積層体ブロックを下から支える帯状の板バネ90が、ガイド板30の送出端部30Aに取り付けられている。この板バネ90はクランプ板64と干渉しないように、積層体ブロックの幅寸法よりも小さい幅寸法を有するように形成されていて、積層体ブロックの幅方向の中央部に沿うように配置されている。板バネ90は、巻枠Mが積層体ブロック受入れ位置(鉄心のラップ部が配置される巻枠の短辺部が水平方向に向いた状態になる位置)に停止しているときに、その先端部90aが巻枠Mの短辺部の中央部付近に接近した状態になるように設けられている。従って、ガイド板30の送出端部から積層体ブロックBの先端が巻枠Mの短辺部上に供給されると、板バネ90は、積層体ブロックの先端部と巻枠Mの短辺部との間に配置された状態になる。クランプ板64が積層体ブロックの先端部をクランプした後、巻枠Mが回転すると、図18(B)のように巻枠Mの短辺部が板バネ90から離れていくため、やがて板バネは積層体ブロックの先端部と巻枠との間から離脱する。
【0090】
板バネ90は、ガイド板30の送出端部と巻枠との間に存在する積層体ブロックBを支える際には大きく湾曲することがない程度のバネ力を有しているが、積層体ブロックと巻枠Mとの間に挟み込まれた状態で巻枠が回転を開始した際には、巻枠の回転に伴って無理なく湾曲して、巻枠の回転を妨げることがないように、そのバネ力が適当な強さに設定されている。
【0091】
巻枠Mに積層体ブロックBを巻回する際に、ガイド板30の送出端部30Aの位置を固定しておくと、巻枠Mの長辺部が水平方向を向いて、ガイド板の送出端部30Aと巻枠の外周との間の垂直方向距離が大きくなったときに積層体ブロックの弛みが大きくなるため、積層体ブロックが弛んだままの状態で無端ベルトの内側に巻き込まれ、積層体ブロックの弛んだ部分で非晶質磁性合金薄帯にしわが生じて、該薄帯が破損するおそれがある。
【0092】
そのため、本発明においては、積層体ブロック供給装置26に、ガイド板変位機構29を設けて、図17(A)ないし(D)に示したように、巻枠Mまたは巻枠に巻回された積層体ブロックの4つのコーナ部のうち、最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板30の送出端部30Aとの間の垂直方向距離を一定のオフセット値Δhに保つように、ガイド板30の送出端部の高さを巻枠の回転に追従させて変位させる。即ち、巻枠Mに最初に巻回される積層体ブロックを供給する際には、巻枠の4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板30の送出端部30Aとの間の垂直方向距離を設定されたオフセット値Δhに保つようにガイド板30の送出端部30Aを巻枠Mの回転に追従して変位させ、既に巻枠Mに巻回されている積層体ブロックの外周に積層体ブロックを供給する際には、巻枠に巻回された最も外側の積層体ブロックの4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離をオフセット値Δhに保つようにガイド板30の送出端部を巻枠の回転に追従させて変位させる。
【0093】
図16は、回転する巻枠の各コーナ部の頂部の高さの変化を示したもので、この例では、同図の左端に示したように、巻枠がコーナ部にアールを有しない完全な矩形状の断面形状を有するものとし、該巻枠を反時計方向(矢印UC方向)に回転させるものとする。図16の左端のM1 は巻枠の長辺部が垂直方向に向いた状態(積層体ブロックのし端部を巻枠に供給する際の状態)を示し、M2 はM1 の状態から巻枠が反時計方向に90度回転した状態を示している。図16の右側に示した正弦波形a,b,c及びdはそれぞれ巻枠の4つのコーナ部a,b,c及びdの高さ位置の変化を示している。図16に示したM1 の状態(巻枠が積層体ブロック受入れ位置にある状態)をスタート時の状態とし、巻枠のコーナ部aと主軸の中心Oとを結ぶ直線が水平線となす角をα、巻枠の回転角をθ(0≦θ≦90°)、巻枠の中心から各コーナ部までの距離をコーナ部半径Rとすると、主軸23の中心Oから図ったコーナ部aの高さhは、次式で与えられる。
【0094】
h=R sin(α+θ) …(1)
また図16に示したM2 の状態にある巻枠の中心Oとコーナ部bとを結ぶ直線が水平線となす角をβとすると、コーナ部bの高さhは次式で与えられる。
【0095】
h=R sin(β+θ) …(2)
図16に示したM1 の状態から巻枠の回転を開始した場合、巻枠が最初の90度の区間を回転する間は、コーナ部aが最も高い位置にあり、次の90度の区間を回転する間は、コーナ部bが最も高い位置にある。即ち、巻枠が90度回転する毎に最も高い位置にあるコーナ部がa→b→c→d→a…のように入れ替っていく。したがって、各瞬時において最も高い位置にあるコーナ部の軌跡は、図16の右側に実線で示したようになる。図16に示したP1 点からP2 までの区間では、最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さhが、h=R sin(α+θ)で与えられ、P2 点からP1 点までの区間では、最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さhが、h=R sin(β+θ)で与えられる。
【0096】
巻枠に巻回された先行の積層体ブロックの外周に次の積層体ブロックを巻回する際には、巻枠の中心からコーナ部の頂部までの距離に巻枠に既に巻回されている積層体ブロックのコーナ部の厚さを加えたものを、(1)式または(2)式のコーナ部半径Rとすればよい。
【0097】
本発明においては、最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さに一定のオフセット値Δhを加えることにより求めた高さh+Δhをガイド板30の送出端部30Aの目標高さとし、ガイド板30の送出端部30Aの高さを目標高さに一致させるように、電動機29aの回転を制御することにより、ガイド板の送出端部30Aと最も高い位置にあるコーナ部の頂部との間の垂直方向距離を一定のオフセット値Δhに保持する。そして、板バネ90の上に積層体ブロックが乗っていない状態で、ガイド板30の送出端部30Aと巻枠の最も高い位置にあるコーナ部との間の垂直方向距離をオフセット値Δhに等しくしたときに、板バネ90の先端と積層体ブロック受入れ位置にある巻枠Mの上側の短辺部との間の垂直方向距離を零または十分に小さい値にするように、上記オフセット値Δhの大きさを設定する。
【0098】
巻枠の回転に追従させてガイド板30の送出端部30Aを自動的に変位させるため、ガイド板変位機構29を制御する制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば、巻枠Mの4つのコーナ部(最初の積層体ブロックを巻回する際)または巻枠に巻回されている積層体ブロックの4つのコーナ部(2番目以降の積層体ブロックを巻回する際)のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さを前記(1)式または(2)式を用いて演算するコーナ部高さ演算手段と、該コーナ部高さ演算手段により演算されたコーナ部の頂部の高さに設定されたオフセット値を加算して得た高さを目標高さとして、ガイド板の送出端部の高さを目標高さに保持するために必要な電動機29aの回転方向と回転角度とを演算する電動機回転角演算手段と、電動機回転角演算手段により演算された回転方向に演算された回転角度だけ電動機を回転させるように電動機を制御する電動機制御装置とにより構成できる。
【0099】
巻鉄心の製造を自動的に行わせるため、巻枠駆動装置と積層体ブロック供給装置26とラップ押え装置70の押え部材駆動機構とラップクランプ装置60の第1及び第2のクランプ板駆動機構とを制御する制御装置を設けることが好ましい。
【0100】
この制御装置は、巻枠Mの回転角度を検出するセンサ、積層体ブロックの一端が巻枠Mの一方の短辺上の所定位置に到達したことを検出するセンサ、及び各部の動作位置を検出する位置センサ等の各種のセンサと、これらのセンサの検出出力を入力として各部をシーケンス制御するマイクロコンピュータとにより構成することができる。
【0101】
この制御装置は、巻枠Mの一方の短辺部を積層体ブロック導入部Gに位置させた状態で積層体ブロック導入部Gを通して巻枠Mの一方の短辺部の位置に積層体ブロックBの一端側の端部Ba を供給する積層体ブロック供給動作と、巻枠Mの一方の短辺部の位置に供給された積層体ブロックBの一端側の端部Ba をラップ押え装置70の押え部材73により巻枠に対して押え付けるラップ押え動作と、押え部材73により押え付けられた積層体ブロックの一端側の端部Ba にラップクランプ装置60のクランプ板64を当接させて該一端側の端部をクランプする積層体端部クランプ動作と、押え部材73を退避位置に変位させて巻枠Mの回転が許容される状態にするラップ押え退避動作と、巻枠を回転させて一端側の端部がクランプされた積層体ブロックBを無端ベルト45の内側に巻き込んでその一端側の端部Ba に他端側の端部Bb を重ね合わせることによりラップ部Lを形成した後、該ラップ部Lを無端ベルト45の内側に位置させた状態で停止させる積層体ブロック巻回動作と、積層体ブロックBのラップ部Lを構成する一端側の端部Ba と他端側の端部Bb との間に挟み込まれた状態にあるクランプ板64を第2の方向に沿って巻枠から離れる側に変位させてラップ部Lから離脱させるクランプ板離脱動作と、ラップ部Lから離脱したクランプ板64を該ラップ部の外周側に当接して該ラップ部を巻枠に対してクランプする位置まで変位させるラップ部クランプ動作と、ラップ部Lを積層体ブロック導入部Gに位置させるまで巻枠Mを回転させて停止させる巻枠復帰動作とを必要な数の積層体ブロックが巻回されるまで繰り返すように構成される。
【0102】
上記制御装置を実現するためにマイクロコンピュータにより実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を図15に示した。このアルゴリズムによる場合の巻鉄心巻回動作を説明すると下記の通りである。
【0103】
プログラムが開始されると、先ず所定枚数積層された非晶質磁性合金薄帯を図示しないシヤーにより所定の長さに切断して単位積層体を形成し、この単位積層体を段積みすることにより、図23に示したような構造の積層体ブロックBを形成する(図15のステップ1)。次いで積層体ブロック供給装置26側で新たな積層体ブロックを受け入れる条件が成立したことが検出されたときに、この積層体ブロックBを積層体ブロック供給装置26の受取り位置に搬送する(ステップ2)。ステップ1とステップ2とを繰り返すことにより、巻鉄心を構成するために必要な数の積層体ブロックを順次製作して、一連の積層体ブロックを積層体ブロック供給装置26の受取り位置に供給する。
【0104】
図15のステップ3では、図4に示すように、積層体ブロック供給装置26のガイド板30上の待機位置に積層体ブロックBを搬送する。次いでステップ4で上部クランプ31A及び下部クランプ31Bを待機している積層体ブロックの位置(受取り位置)まで移動させ、ステップ5で該積層体ブロックの先端部付近をクランプする。巻鉄心巻回装置側で新たな積層体ブロックを受入れる条件が成立したことが検出されたときにステップ6を行って、積層体ブロックBをクランプしたクランプ31A及び31Bを巻枠M側に移動させ、図5に示すように、積層体ブロックBの一端側の端部Ba を積層体ブロック導入部Gを通して積層体ブロック受入れ位置で停止している巻枠Mの一方の短辺上に挿入する。次いでステップ7でクランプ31A及び31Bによる積層体ブロックBのクランプを解除する。
【0105】
積層体ブロックBの一端を巻枠Mの一方の短辺上に供給した後、ステップ8を実行して、図6に示すようにラップ押え装置70の押え部材73を押え位置まで下降させて、積層体ブロックBの一端の端部Ba を巻枠Mの短辺に対して加圧する。次いでステップ9を行って、図7に示すようにラップクランプ装置60,60のクランプ板64,64を主軸23の軸線方向の外側に平行移動させることにより、巻枠Mの外側に離脱させる。次いでステップ10において、図8の矢印A1 に示すようにラップクランプのクランプ板64,64を主軸の径方向の外側に変位(上昇)させた後、ステップ11において図8の矢印A2 に示すようにクランプ板64,64を主軸の軸線方向の内側に平行移動させ、更にステップ12において図8の矢印A3 のようにクランプ板64,64を主軸の径方向の内側に変位(下降)させて、積層体ブロックBの一端側の端部Ba の積層端面に当接させることにより、該端部Ba をクランプする。
【0106】
クランプ板64,64により積層体ブロックBの一端側の積層端面をクランプした後、ステップ13において図9に示すようにラップ押え装置の押え部材73を上方の退避位置まで移動させてラップ押え装置を解放する。
【0107】
ステップ14では、ラップ押え装置を解放した後、図示しない巻枠駆動装置により主軸23を回転させて巻枠Mを図示の矢印Uの方向に回転させつつ、積層体ブロック供給装置16を往復回動させる。これにより無端ベルト45を矢印U方向に走行させ、図10に示すように巻枠Mに一端側の端部Ba が固定された積層体ブロックBを無端ベルト45の内側に巻き込んで巻枠Mの回りに巻回する。このとき積層体ブロックBに摩擦付与部材33が接触して、該積層体ブロックに適度の張力を与え、また無端ベルト45の幅方向の両側に配置されたバネ80,80が積層体ブロック導入部Gの始点P付近で積層体ブロックBに接触して、該積層体ブロックBを巻枠M側に押圧するため、無端ベルト45の内側への積層体ブロックBの巻き込みは円滑に行われる。
【0108】
図10は巻枠Mを図9の状態から180度回転(1/2回転)させた状態を示している。図11に示したように、図9の状態から巻枠Mを1+α(0<α<1)回転させたところで、巻枠Mを停止させる。図11はα=0.5として、図9の状態から巻枠を1.5回転(540度回転)させたところで停止させた状態を示している。図11の状態では、無端ベルト45の内側に巻き込まれた積層体ブロックBの一端側の端部Ba の上にクランプ板64を介して他端側の端部Bb が重ね合わされてラップ部Lが形成された状態にある。
【0109】
巻枠Mを1.5回転させて停止させた後、ステップ15を行い、図12に示すようにクランプ板64,64を主軸の軸線方向に沿って外側に平行移動させてラップ部Lから離脱させる。ステップ15においてクランプ板64,64を離脱させた後、ステップ16を行ってクランプ板64,64を図13に矢印A1 ´で示したように主軸の径方向の外側に移動させる。次いでステップ17を行ってクランプ板64,64を図13に矢印A2 ´で示したように主軸の軸線方向に沿って内側に平行移動させた後、ステップ18を行ってクランプ板64,64を図13に矢印A3 ´で示したように主軸の径方向の内側に移動させる。これによりクランプ板64,64を図13に示すように積層体ブロックBのラップ部Lに当接するクランプ位置に到達させてラップ部Lをクランプする。その後ステップ19で巻枠Mを1−α回転(図示の例では1−α=0.5回転)させつつ積層体ブロック供給装置16を往復回動させて、図14に示すように巻枠Mを積層体ブロック受入れ位置に戻し、巻枠Mの一方の短辺部を積層体ブロック導入部Gに位置させる。
【0110】
巻枠Mの回りに積層体ブロックを巻回していくと、巻回した積層体ブロックの数の増大に伴って巻枠の回りに形成される積層体ブロック巻回体の外径寸法が大きくなっていく。この外径寸法の増大に合わせて新たな積層体ブロックBを巻枠側に送り出す際のガイド板30の送出端部位置を変化させる必要がある。そのため、2番目以降の積層体ブロックを巻回するのに先だって、ステップ20において、(1)式及び(2)式の演算に用いるコーナ部半径Rを積層体ブロックのコーナ部の厚み分ΔRだけ増加させる。
【0111】
上記のように、ガイド板の送出端部の高さを巻枠の回転に伴って変化させて、巻枠の最も高い位置にあるコーナ部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を一定のオフセット値に保つように制御しつつ積層体ブロックを巻枠に巻回する際の一連の動作を図18(A)ないし(C)及び図19(A),(B)に示した。ガイド板の送出端部の高さを巻枠の回転に追従させて変化させた場合には、図18(C)に示すように、巻枠の長辺部が水平方向に向く状態にあるときにガイド板の送出端部と巻枠との間の垂直方向距離を短くして、積層体ブロックBに大きな弛みが生じるのを防ぐことができるため、積層体ブロックが弛んだままの状態で巻回されるのを防ぐことができ、図19(C)に示したように、積層体ブロックBを弛まない状態で巻回することができる。
【0112】
上記の例で示したように、巻枠Mの両側に面板25,25を配置して、巻枠Mに巻かれる積層体ブロックの幅方向の位置を規制するようにすると、積層体ブロックの位置を揃えて、積層面の凹凸が少ない巻鉄心を得ることができるが、これらの面板は省略してもよい。
【0113】
面板25,25を省略する場合には、適宜の支持手段を主軸23に取り付けて、該支持手段を介してラップクランプ装置を支持する。
【0114】
また上記の例のように積層体ブロックBに摩擦接触する摩擦付与部材(錘)33を設けておくと、積層体ブロックBに適当な張力を与えて、該積層体ブロックの巻き込みを円滑に行わせることかできるが、この摩擦付与部材は省略することもできる。
【0115】
更に、上記のようにバネ80,80を設けておくと、積層体ブロックBを巻枠Mに沿わせることができるため、積層体ブロックの巻き込みを容易にすることができるが、このバネも省略することができる。
【0116】
上記の例では、各積層体ブロックを複数の単位積層体により構成しているが、本発明において、「積層体ブロック」は、巻枠に一度に巻回される非晶質磁性合金薄帯の積層体を意味し、各積層体ブロックを構成する単位積層体の数は任意である。即ち、各積層体ブロックは少くとも1つの単位積層体からなっていればよく、1つの単位積層体を1つの積層体ブロックとして該積層体ブロックを順次巻枠に巻回して巻鉄心を形成する場合にも本発明を適用することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、主軸とともに回転するように設けられてラップ部を構成する積層体ブロックの端部を巻枠に対してクランプするラップクランプ装置を設けて、積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込んで巻回する際に積層体ブロックの端部が巻枠に対して動くことがないようにしたため、ラップ部の位置がずれるのを防ぐことができ、ラップ流れが生じるのを防ぐことができる。
【0118】
更に本発明によれば、積層体ブロックの端部を巻枠に対してクランプするようにしたので、積層体ブロックが無端ベルトから解放された状態になったときにラップ部が開くのを防ぐことができ、また積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの一端側の端部を巻枠側に押え付けるラップ押え装置を設けたので、既に巻回されている積層体ブロックのラップ部を開かせることなく、新たに積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの一端側の端部をクランプすることができる。従って、巻回された積層体ブロックのラップ部を開かせることなく全ての積層体ブロックの巻回作業を円滑に進めて、高品質の巻鉄心を得ることができる。
【0119】
特に本発明によれば、積層体ブロック供給装置にガイド板変位機構を設けて、巻枠または該巻枠に巻回された積層体ブロックの4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部とガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を設定されたオフセット値に保つようにガイド板の送出端部を巻枠の回転に追従して変位させるようにしたので、ガイド板の送出端部と巻枠の外周または巻枠に既に巻回されている積層体ブロックの外周との間の垂直方向距離を常に必要最小限の大きさに保持しつつ、積層体ブロックを巻枠側に供給することができる。そのため、積層体ブロックがガイド板から巻枠側に移行する際に積層体ブロックに生じる弛みを小さくして、大きな弛みが生じたままの状態で積層体ブロックが無端ベルトの内側に巻き込まれるのを防ぐことができ、巻回された鉄心内で非晶質磁性合金薄帯にしわが生じて、該薄帯が破損するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の全体的な構成を示す正面図である。
【図2】 図1の要部を示す拡大正面図である。
【図3】 図1の要部を示す斜視図である。
【図4】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において新たな積層体ブロックを積層体ブロック導入部に供給する際の状態を示した斜視図である。
【図5】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に積層体ブロックが供給された状態を示した斜視図である。
【図6】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックをラップ押え装置の押え部材により押え付けた状態を示した斜視図である。
【図7】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの端部をラップ押え装置の押え部材により押え付けた状態を示した斜視図である。
【図8】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの端部をラップクランプ装置によりクランプした状態を示した斜視図である。
【図9】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックの端部をラップクランプ装置によりクランプした後押え部材を退避させた状態を示した斜視図である。
【図10】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックをクランプした後巻枠を1/2度回転させて積層体ブロックを無端ベルトの内側に巻き込んだ状態を示した斜視図である。
【図11】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロック導入部に供給された積層体ブロックをクランプした後巻枠を1.5回転させることにより積層体ブロックを巻回してその両端を重ね合わせた状態を示した斜視図である。
【図12】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において巻回された積層体ブロックの両端のラップ部からラップクランプ装置のクランプ板を離脱させた状態を示した斜視図である。
【図13】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において巻回された積層体ブロックの両端のラップ部からクランプ板を離脱させた後、ラップ部をクランプした状態を示した斜視図である。
【図14】 本発明に係わる巻鉄心製造装置において積層体ブロックのラップ部をクランプした後巻枠を1/2回転させて停止させた状態を示した斜視図である。
【図15】 本発明に係わる巻鉄心製造装置に設ける制御装置の制御アルゴリズムを示したフローチャートである。
【図16】 巻枠の各コーナ部の高さの変化を示した線図である。
【図17】 (A)ないし(D)は巻枠の回転に追従したガイド板の送出端部の動きを順に示した説明図である。
【図18】 (A)ないし(C)は巻枠の回転に追従してガイド板の送出端部の高さを変化させた場合の動作を順を追って示した説明図である。
【図19】 (A)及び(B)は図18(C)の過程に続いて行われる過程を示した説明図、(C)は巻枠に積層体ブロックが巻回された状態を示した説明図である。
【図20】 従来の巻鉄心製造装置の正面図である。
【図21】 (A)ないし(C)は図20に示した巻鉄心製造装置において、円形の巻枠に代えて矩形状の巻枠を用いた場合の動作を順に追って示した説明図である。
【図22】 (A)及び(B)は図21(C)の過程に続いて行われる過程を示した説明図である。
【図23】 本発明で用いる積層体ブロックの1つを示した斜視図である。
【図24】 本発明の巻鉄心製造装置により製造される巻鉄心の正面図である。
【図25】 (A)はラップ部が正常に分布している巻鉄心を示した正面図、(B)はラップ流れが生じた巻鉄心を示した正面図である。
【符号の説明】
21 主フレーム
23 主軸
25 面板
25a 切欠き部
26 積層体ブロック供給装置
27 可動フレーム
29a 電動機
29b 減速機
29c,29d レバー
30 ガイド板
31A 上部クランプ
31B 下部クランプ
33 摩擦付与部材
40A〜40G ガイドローラ
43A,43B テンションローラ
45 無端ベルト
51A 第1のしごきローラ支持アーム
51B 第2のしごきローラ支持アーム
53A 第1のしごきローラ
53B 第2のしごきローラ
54A 第1のエアシリンダ
54B 第2のエアシリンダ
60 ラップクランプ装置
61 可動板
64 クランプ板
65 ガイド機構
66 第1のラップクランプ駆動用エアシリンダ
67 第2のラップクランプ駆動用エアシリンダ
70 ラップ押え装置
72 エアシリンダ
80 バネ
90 板バネ

Claims (7)

  1. 横断面の輪郭形状が矩形状を呈するように形成されて中心部が軸線を水平方向に向けた主軸により支持された巻枠と、前記巻枠を回転駆動する巻枠駆動装置と、ループをなすように形成されていて該ループの外側に前記巻枠を位置させた状態で一部が前記巻枠の外周に沿う周回軌道に沿うようにガイドされて前記巻枠の回転により駆動される無端ベルトと、非晶質磁性合金薄帯を複数枚積層したものからなる単位積層体の単体または該単位積層体をn個(nは2以上の整数)ずつそれぞれの位置を長手方向にずらした状態で積層して長手方向の一端側及び他端側をそれぞれ階段状に形成したものからなる積層体ブロックを、その長手方向の一端を前記巻枠側に向けた状態でガイド板の上に乗せて、該ガイド板の上を滑らせながら該ガイド板の前記巻枠側に指向した送出端部から順次送り出して前記巻枠側に供給する積層体ブロック供給装置とを備え、
    前記無端ベルトの周回軌道の始点と終点との間に前記積層体ブロック供給装置により供給される積層体ブロックの長手方向の一端側の端部を受け入れるための積層体ブロック導入部を形成するように前記周回軌道が設定され、
    前記積層体ブロック供給装置により順次供給される積層体ブロックを前記無端ベルトの内側に巻き込むことにより前記巻枠上に複数の積層体ブロックを順次巻回積層して、巻回された各積層体ブロックの一端と他端とが重ね合わされてラップ部が形成された構造を有する巻鉄心を製造する巻鉄心製造装置であって、
    前記主軸と共に回転するように設けられるとともに、前記積層体ブロック供給装置により前記巻枠側に供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を前記巻枠に対してクランプするように構成されて、供給された積層体ブロックを前記無端ベルトの内側に巻き込んで前記巻枠に巻回する間前記積層体ブロックの一端側の端部を前記巻枠に対してクランプした状態に保持するラップクランプ装置と、
    前記積層体ブロック供給装置により前記巻枠側に新たな積層体ブロックが供給される毎に、前記ラップクランプ装置が新たに供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を前記巻枠に対してクランプする動作を行う間、新たに供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を前記巻枠に対して押え付け、前記ラップクランプ装置が新たに供給された積層体ブロックの前記一端側の端部を巻枠に対してクランプした後に、押え付けていた積層体ブロックの一端側の端部を解放して前記巻枠の回転を許容した状態にするラップ押え装置とを具備し、
    前記積層体ブロック供給装置は、前記巻枠に最初に巻回される積層体ブロックを供給する際には、前記巻枠の4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部と前記ガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を設定されたオフセット値に保つように前記ガイド板の送出端部を前記巻枠の回転に追従して変位させ、既に巻枠に巻回されている積層体ブロックの外周に前記積層体ブロックを供給する際には、前記巻枠に巻回された最も外側の積層体ブロックの4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部と前記ガイド板の送出端部との間の垂直方向距離を前記オフセット値に保つように前記ガイド板の送出端部を前記巻枠の回転に追従させて変位させるガイド板変位機構を備えていることを特徴とする巻鉄心製造装置。
  2. 前記ガイド板は、前記積層体ブロックの供給方向の後方側に設定された1つの回動中心を中心にして回動し得るように設けられ、
    前記ガイド板変位機構は、電動機を駆動源として前記ガイド板を往復回動させるガイド板回動機構と、
    前記巻枠に最初の積層体ブロックを供給する際には、巻枠の4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さを演算し、既に巻枠に巻回されている積層体ブロックの外周に積層体ブロックを供給する際には既に巻枠に巻回された最も外側の積層体ブロックの4つのコーナ部のうち最も高い位置にあるコーナ部の頂部の高さを演算するコーナ部高さ演算手段と、
    前記コーナ部高さ演算手段により演算されたコーナ部の頂部の高さに設定されたオフセット値を加算して得た高さを目標高さとして、前記ガイド板の送出端部の高さを前記目標高さに保持するために必要な前記電動機の回転方向と回転角度とを演算する電動機回転量演算手段と、前記電動機回転量演算手段により演算された回転方向に演算された回転角度だけ前記電動機を回転させるように前記電動機を制御する電動機制御装置とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の巻鉄心製造装置。
  3. 前記ガイド板の先端から前記主軸の上方付近まで伸びるように設けられて前記ガイド板の送出端部と前記巻枠との間に存在する積層体ブロックを下から支える帯状の板バネが前記ガイド板の送出端部に取り付けられ、
    前記板バネは前記積層体ブロックの幅寸法よりも小さい幅寸法を有するように形成されて、前記積層体ブロックの幅方向の中央部に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の巻鉄心製造装置。
  4. 前記ラップ押え装置は、前記積層体ブロック導入部付近で前記主軸の軸線方向と直角な方向に変位し得るように設けられていて、前記積層体ブロック導入部にある積層体ブロックの前記一端側の端部に当接して該一端側の端部を前記巻枠側に押え付ける押え位置と該一端側の端部から離れて巻枠の回転を許容する状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた押え部材と、該押え部材を押え位置と退避位置とに変位させる押え部材駆動機構とを備えてなり、
    前記ラップクランプ装置は、前記主軸の径方向に沿う第1の方向に沿って移動し得るように設けられるとともに、前記主軸の軸線に沿う第2の方向に移動し得るように設けられて、前記第2の方向に沿って前記巻枠の外周面に対向する位置まで変位させられた状態で前記第1の方向に沿って前記巻枠側に変位させられたときに前記巻枠上の積層体ブロックの前記一端側の端部に当接して該端部を巻枠に対してクランプし、前記第2の方向に沿って巻枠から離れる側に移動したときに前記積層体ブロックの一端側の端部のクランプを解除するように設けられたクランプ板と、前記クランプ板を前記第1の方向に沿って変位させる第1のクランプ板駆動機構と、前記クランプ板を前記第2の方向に移動させる第2のクランプ板駆動機構とを備えていて、前記主軸とともに回転するように設けられ、
    前記無端ベルトは前記積層体ブロックの幅寸法よりも小さい幅寸法を有するように形成されて、前記積層体ブロックの幅方向の中央部に沿うように配置され、
    前記ラップクランプ装置のクランプ板は、前記無端ベルトと干渉しないように前記積層体ブロックの前記一端側の端部の幅方向の端部寄りの部分に当接して該一端側の端部をクランプするように設けられていることを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載の巻鉄心製造装置。
  5. 前記巻枠駆動装置と前記積層体ブロック供給装置と前記ラップ押え装置の押え部材駆動機構と前記ラップクランプ装置の第1及び第2のクランプ板駆動機構とを制御する制御装置を更に具備し、
    前記制御装置は、前記積層体ブロックの前記一端側の端部を前記積層体ブロック導入部を通して前記巻枠の外周に対向する位置に供給する積層体ブロック供給動作と、前記巻枠の一方の短辺部の位置に供給された積層体ブロックの一端側の端部を前記ラップ押え装置の押え部材により巻枠に対して押え付ける押え動作と、前記押え部材により押え付けられた積層体ブロックの一端側の端部に前記ラップクランプ装置のクランプ板を当接させて該一端側の端部をクランプする積層体端部クランプ動作と、前記積層体端部クランプ動作が行われた後に前記押え部材を退避位置に変位させて前記巻枠の回転が許容される状態にするラップ押え退避動作と、前記巻枠を回転させて一端側の端部がクランプされた積層体ブロックを前記無端ベルトの内側に巻き込んで該積層体ブロックの一端側の端部に他端側の端部を重ね合わせることによりラップ部を形成した後、該ラップ部を無端ベルトの内側に位置させた状態で巻枠を停止させる積層体ブロック巻回動作と、前記積層体ブロックのラップ部を構成する一端側の端部と他端側の端部との間に挟み込まれた状態にある前記クランプ板を前記第2の方向に沿って巻枠から離れる側に変位させて前記ラップ部から離脱させるクランプ板離脱動作と、前記ラップ部から離脱したクランプ板を該ラップ部の外周側に当接して該ラップ部を巻枠に対してクランプする位置まで変位させるラップ部クランプ動作と、前記ラップ部を前記積層体ブロック導入部に位置させるまで前記巻枠を回転させて停止させる巻枠復帰動作とを必要な数の積層体ブロックが巻回されるまで繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の巻鉄心製造装置。
  6. 前記ラップクランプ装置は1対設けられていて、該1対のラップクランプ装置が前記巻枠の軸線方向の両側にそれぞれ配置され、
    前記ラップ押え装置は、前記ラップクランプ装置のクランプ板と干渉しないように、前記積層体ブロック導入部にある積層体ブロックの端部の幅方向の中央部寄りの位置で該端部を押え付けるように設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の巻鉄心製造装置。
  7. 前記巻枠の軸線方向の両端には、該巻枠とともに回転するように設けられて該巻枠上の積層体ブロックの幅方向の位置を規制する1対の面板が配置され、
    前記ラップクランプ装置は1対設けられていて、該1対のラップクランプ装置が前記巻枠の軸線方向の両側にそれぞれ配置され、
    前記1対の面板は前記1対のラップクランプ装置のクランプ板が配置される部分に互いに整合する切欠き部を有し、
    前記1対のラップクランプ装置のクランプ板は、前記1対の面板の切欠き部内を通して変位するように設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の巻鉄心製造装置。
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