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JP3723284B2 - 高周波フィルタ - Google Patents

高周波フィルタ Download PDF

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JP3723284B2
JP3723284B2 JP16727196A JP16727196A JP3723284B2 JP 3723284 B2 JP3723284 B2 JP 3723284B2 JP 16727196 A JP16727196 A JP 16727196A JP 16727196 A JP16727196 A JP 16727196A JP 3723284 B2 JP3723284 B2 JP 3723284B2
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英征 大橋
尚史 米田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は高周波フィルタに関し、主としてマイクロ波帯で、またその他の周波数帯としては、VHF帯、UHF帯、ミリ波帯等で使用される高周波フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先ず、この発明において対象となるコプレーナ線路について説明する。図21は、コプレーナ線路の形状を示す斜視図であり、図中、1は誘電体基板、2は地導体であり、2a、2bはその部分、3は中心導体であり、誘電体基板1の同一面に中心導体3と地導体2を備える。そして、地導体2a,2bは中心導体3の両側に中心導体3から定められた間隔(w)をもって配置される。このコプレーナ線路の特性インピーダンスは、地導体2a,2bの間隔が、伝搬する高周波の波長に対して十分小さい場合には、図22に示すように、中心導体幅(s)と地導体間隔(s+2w)の比で決まる。図22は、誘電体基板1の比誘電率εrをパラメータとしてコプレーナ線路の特性インピーダンスを示した図である。このように、上記のコプレーナ線路では、中心導体幅(s)および地導体間隔(s+2w)は特性インピーダンスにより一意に決定されず、その設定は自由度をもつ。
【0003】
上記のようなコプレーナ線路を用いた高周波フィルタの従来例について説明する。図23および図24は、Dylan F. Williams and S.E. Schwarz, "Design and Performance of Coplanar Waveguide Bandpass Filters", IEEE Trans. Vol.MTT-31. No.7, 1983 に掲載されている従来の一高周波フィルタの回路基板を表すもので、図23はその上面図、図24は図23中の中心線XVIII−XVIII図である。図に示すように、この高周波フィルタはシリーズに接続された3個の共振器30とその両端に結合された入出力線路40からなっている。図において、1は誘電体基板、2は地導体であり、2a,2はその部分である。そして3は共振器30の中心導体、4は入出力線路40の中心導体である。さらに5は共振器30の間の結合部、6は共振器30と入出力線路40との間の入出力結合部である。ここで、共振器30の中心導体3の長さは、高周波フィルタの中心周波数における約1/2波長となっている。
【0004】
次に動作について説明する。前述の3つの1/2波長共振器30および入出力線路40は、隣接するもの相互が結合部5または入出力結合部6において電界結合されている。その結合量は、基本的に、結合部5または入出力結合部6における中心導体3、4の端部の間隔で調整される。
【0005】
今、前述の3つの1/2波長共振器30が、ほぼ同一の周波数、すなわち、フィルタの中心周波数にて共振しているとすれば、中心周波数においては共振器は相互に強く結合し、入出力線路40から入射した高周波は共振器30を伝わり、もう一方の入出力線路40へと出力される。しかし、中心周波数から離れた周波数においては、共振器相互の結合は非常に弱く、入出力線路40から入射する高周波はそのほとんどが反射される。このように、本フィルタは、帯域通過形の通過特性を有する高周波フィルタとして機能する。
【0006】
翻って、上記の従来の高周波フィルタの結合部5および入出力結合部6には、図25に示すような静電容量が各部に存在する。ここで、図中のCgは中心導体30の間、または中心導体30と40の間の結合容量であり、Csは中心導体30、40と地導体2との間のフリンジング容量である。一般に、帯域通過形の高周波フィルタでは、共振器間結合部5における結合は疎になり、入出力結合部6での結合は密となる。
【0007】
このため、図23の高周波フィルタでは、結合部5、6において向かい合った中心導体3、4の端部の間隔が、結合部5では広く、入出力結合部6では狭くなっている。すなわち静電容量については、結合部5では結合容量Cgは小であり、フリンジング容量Csは大、入出力結合部6では結合容量Cgが大、フリンジング容量Csは小となる関係がある。図26に中心導体端部の間隔と結合容量Cgまたはフリンジング容量Csの関係を示す。なお、図中の容量値は、中心導体3、4の端部の間隔と中心導体幅(s)が等しい時の容量値で規格化した値としている。図26から分かるように、結合容量Cgは中心導体3、4の端部の間隔の大きさに反比例し、結合容量Cgは基本的に、中心導体3または4の断面を向かい合わせた平行平板がもつ静電容量として近似的に考えることができる。また、フリンジング容量Csは、中心導体端部3、4の間隔が大きくなるに従って増加する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の高周波フィルタにおいては、入出力結合部6においては中心導体3、4の端部の間隔が狭くなる。図26からわかるように、中心導体3、4の端部の間隔が小さい場合には、間隔の変化量に対する結合容量Cgの変化量が大きいので、中心導体3、4の端部の間隔がパターニング誤差などの加工上の誤差により設計寸法から変化した場合、フィルタの通過特性が大きく劣化するという問題がある。また、帯域幅の広いフィルタは、より大きな結合量が必要となるため、実現が困難になる。
【0009】
また、結合部5はフィルタの長さ方向に大きいので、フィルタ寸法が大きくなるとともにフリンジング容量Csが大きくなるという問題がある。フリンジング容量Csは結合部5において回路に並列に入る容量なので、共振器30の共振周波数に影響を与える。しかし、フリンジング容量Csの値を正確に求めるのは容易ではなく、設計においてはCsを近似的に求めてその効果を考慮し、共振器30の物理長を決定する。この近似値は値が大きくなるほど誤差が大きくなるので、フリンジング容量Csの値が大きくなるに従って共振器30の共振周波数の誤差が増加し、この結果、通過特性が劣化することになる。この問題は、特に、設計するフィルタが狭帯域である場合に顕著である。
【0010】
上記の問題点の解決策としては、コプレーナ線路の中心導体幅および地導体間隔を拡大または縮小することが考えられる。しかし、中心導体幅および地導体間隔を拡大した場合、入出力結合部6での中心導体端部の間隔を確保できるが、結合部5での中心導体端部の間隔は増大する。また、逆に、コプレーナ線路の幅を縮小した場合には、結合部5での問題点は軽減されるが入出力結合部6では中心導体端部が接近してしまう。さらに、中心導体上の電流の集中により線路の損失が増加するので、共振器の無負荷Q値が低下し、フィルタの通過損失が増大する。
【0011】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、良好な特性を有する高周波フィルタを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の高周波フィルタは、誘電体基板の一方の面に配設された中心導体とこの中心導体の両側に配置された地導体とを有する1個または複数個の共振器および1対の入出力線路と、上記共振器間を相互に結合させる共振器結合部と、上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合部とを備え、上記共振器および入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、上記共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記共振器結合部とその近傍において狭くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに縮小させるとともに上記中心導体端部の間隔を小さくしたことを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明の高周波フィルタは、誘電体基板の一方の面に配設された中心導体とこの中心導体の両側に配置された地導体とを有する1個または複数個の共振器および1対の入出力線路と、上記共振器間を相互に結合させる共振器結合部と、上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合部とを備え、上記共振器および入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、上記共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記入出力結合部とその近傍において広くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに拡大させるとともに上記中心導体端部の接近を抑制したことを特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の高周波フィルタは、誘電体基板の一方の面に配設された中心導体とこの中心導体の両側に配置された地導体とを有する1個または複数個の共振器および1対の入出力線路と、上記共振器間を相互に結合させる共振器結合部と、上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合部とを備え、上記共振器および入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、上記共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら、
上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記共振器結合部とその近傍において狭くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに縮小させるとともに上記中心導体端部の間隔を小さくし、上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記入出力結合部とその近傍において広くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに拡大させるとともに上記中心導体端部の接近を抑制したことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1および図2は、この発明の実施の形態1による高周波フィルタの構造を示す図である。図1は、誘電体基板の一方の面に導体薄膜で形成した中心導体及び地導体を備えたコプレーナ線路を用いて構成した3極の高周波フィルタ基板の上面図、図2は図1の基板の中心線 II−II における断面図を示す。図に示すようにこの実施の形態1の高周波フィルタは、縦続結合された複数の共振器30とその両端に結合された一対の入出力線路40を備えている。図1および図2において、1は誘電体基板、2は地導体であり2a,2bはその部分、3は共振器の中心導体、4は入出力線路の中心導体、5は共振器30間の共振器結合部、6は共振器30と入出力線路40との間の入出力結合部である。
【0026】
上記の実施の形態1においては、図に示しているように、中心導体3、4の幅および地導体2a,2bの間隔は、回路全体に亙って線路の特性インピーダンスを一定に保ちながら、入出力結合部6近傍においては広く、共振器結合部5近傍においては狭くなるよう、緩やかに変化させている。このため、密な結合が必要になる入出力結合部6では、中心導体3、4が必要以上に接近することを避けることができ、パターン誤差など、加工上の問題による寸法誤差が通過特性に与える影響を抑えることができる。さらに、疎な結合が必要になる共振器結合部5では、中心導体3の端部の間隔を小さくできるのでフィルタが小形化され、また、フリンジング容量が小さくなるので、共振器の共振周波数の誤差による通過特性劣化を抑制できる。
【0027】
また、中心導体3の幅の縮小および地導体2a,2bの間隔の縮小は、疎な結合が必要となる共振器結合部5の近傍でのみ行っているので、共振器の無負荷Q値の低下が少ない。このため、通過損失の増加が少なく、良好な特性が維持される。
その他、上記のフィルタでは、このような中心導体幅および地導体間隔の変更を行っているが、特性インピーダンスが一定に保たれているので、特別な設計手段を必要とせず、また、中心導体幅および地導体間隔の変化を緩やかにしているので、この変化が共振器の共振周波数に与える影響もほとんど無い。従って、この実施の形態のフィルタでは良好な通過特性が得られる。
【0028】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、コプレーナ線路で成る1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、個々の結合部に於ける所要の結合量に応じ、結合部近傍から結合部に亙って中心導体幅および地導体間隔を線路の特性インピーダンスを一定に維持しながら変化させている。このため、結合容量の大きな結合部においては、中心導体幅および地導体間隔が拡大されるので中心導体端部の接近を抑制でき、パターニング誤差などの加工上の寸法誤差による通過特性の劣化を少なくすることができるという効果がある。また、結合容量の小さな結合部においては、中心導体幅および地導体間隔が縮小されるので、中心導体端部の間隔を小さくでき、フィルタが小形になるとともに、フリンジング容量を小さくできるので、共振器の共振周波数の誤差を小さくできるという効果がある。また、中心導体幅および地導体間隔の縮小は、疎な結合が必要となる共振器結合部5の近傍でのみ行っているので、共振器の無負荷Q値の低下が少なく、良好な通過特性が維持される。
【0029】
実施の形態2.
図3および図4は、この発明の実施の形態2による高周波フィルタの構造を示す図である。図3は、誘電体基板の一方の面に導体薄膜で形成した中心導体及び地導体を備えたコプレーナ線路を用いて構成した3極の高周波フィルタ基板の上面図、図4は図3の基板の中心線 IV−IV における断面図を示す。図に示すようにこの実施の形態2の高周波フィルタは、縦続結合された複数の共振器30とその両端に結合された一対の入出力線路40を備えている。図3および図4において、1は誘電体基板、2は地導体であり2a,2bはその部分、3は共振器の中心導体、4は入出力線路の中心導体、5は共振器30間の共振器結合部、6は共振器30と入出力線路40の間の入出力結合部である。また、7は結合部5の中心に設けた、地導体2aと2bを接続する導体ストリップを示す。
【0030】
上記の実施の形態2においては、共振器間の共振器結合部5に地導体2aと2bを接続する導体ストリップ7を設けている。この導体ストリップ7により、2つの中心導体3の間の結合が妨げられて結合容量Cgが減少するので、中心導体3の端部の間隔を導体ストリップ7が無い場合に比べ短くでき、フィルタが小形化できる。
【0031】
また、導体ストリップ7が地導体2a,2bを接続して短絡するので、地導体2aと2bの間で電位差を持つような不要モードの発生および伝搬を抑制できる。この結果、不要モード抑制のための地導体接続用ワイヤの数を減らすことができるなど、不要モード抑制のための手段が簡素化される。
【0032】
なお、図3の共振器30の地導体2a,2bの間隔を、図1と同様に、共振器の結合部近傍から結合部に亙って中心導体幅および地導体間隔を線路の特性インピーダンスを一定に維持しながら変化させることもできる。このようにすると、実施の形態1と2の両方の効果を有する高周波フィルタが得られる。
【0033】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、コプレーナ線路で成る、少なくとも1つの開放端部を有する1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、上記結合部のうち開放端部が向かい合った結合部に、中心導体の両側の地導体を接続する導体ストリップを備えている。このため、導体ストリップが2つの中心導体端部間の結合を妨げて結合容量が減少するので、中心導体端部の間隔を導体ストリップが無い場合に比べ短くできるという効果がある。また、導体ストリップが地導体を接続して短絡するので、中心導体を挟んで地導体の間で電位差を持つような不要モードの発生および伝搬を抑制するとともに、これらの不要モード抑制のための金ワイヤの数を減らすことができるという効果がある。
【0034】
実施の形態3.
図5および図6は、この発明の実施の形態3による高周波フィルタの構造を示す図である。図5は、誘電体基板の一方の面に導体薄膜で形成した中心導体及び地導体を備えたコプレーナ線路を用いて構成した3極の高周波フィルタ基板の上面図、図6は図1の基板の中心線 VI−VI における断面図を示す。図に示すようにこの実施の形態1の高周波フィルタは、縦続結合された複数の共振器30とその両端に結合された一対の入出力線路40を備えている。図5および図6において、1は誘電体基板、2は地導体であり2a,2bはその部分、3は共振器の中心導体、4は入出力線路の中心導体、5は共振器30間の共振器結合部、6は共振器30と入出力線路40の間の入出力結合部である。以上は、実施の形態1と同様である。また、8は、結合部5または入出力結合部6における地導体2aおよび2bに設けた切り欠き部を示す。
【0035】
上記の実施の形態3においては、実施の形態1と同様に、中心導体3、4の幅および地導体2a,2bの間隔は、回路全体に亙って線路の特性インピーダンスを一定に保ちながら、入出力結合部6近傍においては広く、共振器結合部5近傍においては狭くなるよう、緩やかにを変化させている。このため、まず実施の形態1と同様な作用および効果を有する。さらに、この実施の形態3では、共振器30間の共振器結合部5および共振器30と入出力線路40との間の入出力線路結合部6において、地導体2a,2bに切り欠き8を備えたものとなっている。このため、結合部5、6における地導体2a,2bの間隔は、結合部近傍での間隔よりも拡大しており、結合部5、6における中心導体3、4の端部と地導体2a,2bとの距離が大きくなっている。この結果、結合部5または6に於けるフリンジング容量Csが、切り欠き8を設けない場合に比べ小さくなり、フリンジング容量Csによる共振器の共振周波数の誤差を抑制することができる。
【0036】
なお、図5の高周波フィルタでは、共振器結合部5の近傍から結合部5に亙って中心導体幅および地導体間隔を線路の特性インピーダンスを一定に維持しながら変化させているが、図3のように共振器5の近傍での中心導体幅および地導体間隔を変化させないで、共振器結合部5での地導体に切り欠きを備え地導体間隔を大きくすることもできる。さらにまた、図5の高周波フィルタに、図3に示すように、共振器結合部5に、中心導体の両側の地導体を接続する導体ストリップを備えることもできる。このようにすると、それぞれ両者のもつ効果を合わせもつことができる。
【0037】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、コプレーナ線路で成り少なくとも1つの開放端部を有する1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、結合部での地導体間隔を隣接する線路部の地導体間隔に対して拡大して地導体に切り欠きを備えたものとなっている。このため、結合部においては中心導体と地導体の距離が大きくなっているので、結合部に於けるフリンジング容量が切り欠きを設けない場合に比べ小さくなり、フリンジング容量による共振器の共振周波数の誤差を抑制できるという効果がある。
【0038】
また、この発明の実施の形態3によれば、コプレーナ線路で成り少なくとも1つの開放端部を有する1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、個々の結合部に於ける所要の結合量に応じ、結合部近傍から結合部に亙って中心導体幅および地導体間隔を線路の特性インピーダンスを一定に維持しながら変化させている。さらに、結合部での地導体間隔を隣接する線路部の地導体間隔に対して拡大した切り欠きを備えたものとなっている。このため、実施の形態1および実施の形態3で得られる効果の双方が得られ、より良好な通過特性を有する高周波フィルタが得られるという効果がある。また、中心導体幅および地導体間隔の縮小は、疎な結合が必要となる結合部5の近傍でのみ行っているので、共振器の無負荷Q値の低下が少なく、良好な通過特性が維持される。
【0039】
実施の形態4.
図7、図8および図9は、この発明の実施の形態4による高周波フィルタの構造を示す図である。図7は、誘電体小基板を2枚用い、これらの一方の面に導体薄膜で形成した中心導体及び地導体を備えたコプレーナ線路を用いて構成した4極の高周波フィルタ基板の上面図、図8は図7の中心線 VIII−VIII における断面図を示す。また、図9は図7における2枚の誘電体小基板の密着部の拡大上面図である。
【0040】
これらの図に示すように、この実施の形態4の高周波フィルタは、縦続結合された複数の共振器30とその両端に結合された一対の入出力線路40を備えている。これらの図において、1A,1Bは誘電体小基板、2は地導体であり2a,2b,2c,2dはその部分、3は共振器30の中心導体、4は入出力線路40の中心導体、5は共振器30間の共振器結合部、6は共振器30と入出力線路40との間の入出力結合部、8は、結合部5または入出力結合部6における地導体2a,2b,2c,2dに設けた切り欠き部である。また、図8に示すように、9は誘電体小基板1Aと1Bの密着部である。
【0041】
さらに図7および図9に示すように、10A,10Bは誘電体小基板1A,1Bの端部を示し、11は誘電体小基板1Aの端部10Aに設けた地導体除去部、12は上記の地導体除去部11から延在する約1/4波長の先端短絡スロット線路である。
【0042】
図9に示すように、地導体除去部11と先端短絡線路12および基板端部10Bの地導体2cまたは2dとは、スロット線路先端短絡スタブを構成しており、図9中の地導体切り欠き部8からスロット線路12の先端まで約1/2波長の長さとなっている。
【0043】
このように構成した実施の形態4においては、実施の形態1と同様に、中心導体3、4の幅および地導体2a,2bの間隔は、回路全体に亙って線路の特性インピーダンスを一定に保ちながら、入出力結合部6近傍においては広く、共振器結合部5近傍においては狭くなるよう、緩やかにを変化させている。このため、まず実施の形態1と同様な作用および効果を有する。また、実施の形態3と同様に、共振器30間の共振器結合部5および共振器30と入出力線路40との間の入出力線路結合部6において、地導体2a,2bに切り欠き8を備えたものとなっている。このため、実施の形態3と同様の作用および効果をも有する。さらに、この実施の形態4では、誘電体小基板1Aの端部10Aに、誘電体小基板1Bの端部10Bに対応してスロット線路先端短絡スタブを設けている。このスタブは先端にて短絡されているとともに長さが約1/2波長なので、フィルタの中心周波数の近傍では、スロット線路のもう一方の端部となる地導体切り欠き部8の位置で電流が最大となる。従って、切り欠き部8の位置では、基板1A上の地導体2a,2bと基板1B上の地導体2c,2dとは電気的に短絡された状態となる。これにより、2枚の誘電体小基板1A,1Bに亙った地導体の電気的な接続の手段が簡素化できる。このスタブの効果はフィルタが狭帯域である場合に特に有効である。
【0044】
なお、図7の高周波フィルタは、中心導体3、4および地導体2a,2bが図5のような形状をしているが、この実施の形態4の特徴、すなわち基板を誘電体小基板を結合して構成し、その結合部にスロット線路先端短絡スタブを設ける構成は、中心導体3、4および地導体2a,2bが図5のような形状でなくても有効なものである。
【0045】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、コプレーナ線路で成り少なくとも1つの開放端部を有する1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成されるとともに、複数枚の誘電体小基板に亙って構成したコプレーナ線路形高周波フィルタにおいて、上記小基板の密着部に於ける対向する上記誘電体小基板端部の少なくとも一方に、上記中心導体側から上記端部に沿って地導体除去部と、上記除去部から延在して先端短絡スロット線路とを設け、上記除去部と上記先端短絡スロット線路と上記対向する他の基板端部の地導体とで略1/2波長の線路長を有するスロット線路先端短絡スタブを形成している。このため、中心周波数近傍の周波数において、対向する誘電体小基板上の地導体が中心導体の近傍で相互に電気的に短絡された状態となる。これにより、地導体の電気的な接続の手段が簡素化できるという効果がある。
【0046】
実施の形態5.
図10、図11および図12は、この発明の実施の形態5による高周波フィルタの構造を示す図である。図10は、誘電体小基板を2枚用い、これらの一方の面に導体薄膜で形成した中心導体及び地導体を備えたコプレーナ線路を用いて構成した4極の高周波フィルタ基板の上面図、図11は図10の中心線 XI−XI における断面図を示す。また、図12は図10における2枚の誘電体小基板の密着部の拡大上面図である。また、図9は図7における2枚の誘電体小基板の密着部の拡大上面図である。
【0047】
これらの図に示すように、この実施の形態5の高周波フィルタは、縦続結合された複数の共振器30とその両端に結合された一対の入出力線路40を備えている。これらの図において、1A,1Bは誘電体小基板、2は地導体であり2a,2b,2c,2dはその部分、3は共振器30の中心導体、4は入出力線路40の中心導体、5は共振器30間の共振器結合部、6は共振器30と入出力線路40との間の入出力結合部、8は、共振器結合部5または入出力結合部6における地導体2a,2b,2c,2dに設けた切り欠き部である。また、図11示すように、9は誘電体小基板1Aと1Bの密着部である。
【0048】
さらに図10および図12に示すように、10A,10Bは誘電体小基板1A,1Bの端部を示し、11は誘電体小基板1Aの端部10Aに設けた地導体除去部、12a,12b,12cは上記の地導体除去部11から延在する約1/4波長の先端短絡スロット線路で、この実施の形態5では3つの先端短絡スロット線路を有する。図12に示すように、上記先端短絡線路12a、12b、12cと地導体除去部11、および基板端部10Bの地導体2cまたは2dとでスロット線路先端短絡スタブを構成している。このスタブの長さは、図12中の地導体切り欠き部8から、スロット線路12aの先端までが中心周波数の約1/2波長、スロット線路12bの先端までが低域側カットオフ周波数と中心周波数の中間の周波数における約1/2波長、そして、スロット線路12cの先端までが高域側カットオフ周波数と中心周波数の中間の周波数における約1/2波長となっている。
【0049】
このように構成した実施の形態5においては、先ず実施の形態1と同様に、中心導体3、4の幅および地導体2a,2bの間隔は、回路全体に亙って線路の特性インピーダンスを一定に保ちながら、入出力結合部6近傍においては広く、共振器結合部5近傍においては狭くなるよう、緩やかにを変化させている。このため、まず実施の形態1と同様な作用および効果を有する。また、実施の形態3と同様に、共振器30間の共振器結合部5および共振器30と入出力線路40との間の入出力線路結合部6において、地導体2a,2bに切り欠き8を備えたものとなっている。このため、実施の形態3と同様の作用および効果をも有する。さらに、この実施の形態5では、誘電体小基板1Aの端部10Aに、誘電体小基板1Bの端部10Bに対応してスロット線路先端短絡スタブを複数(3つ)設けている。こららのスタブは、3つのスロット12の先端にて短絡されているので、スタブの全長に対応する3つの周波数の近傍では、切り欠き部8の位置で電流が最大となる。従って、スタブが1本のみの場合に比べ、より広い周数帯域に亙ってスロットの両側の地導体2a,2bと2c,2dはそれぞれ電気的にほぼ短絡された状態となる。これにより、2枚の誘電体基板1A,1Bに亙った地導体の電気的な接続の手段が不要、または簡素化される。
【0050】
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、コプレーナ線路で成り少なくとも1つの開放端部を有する1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成されるとともに、複数枚の誘電体小基板に亙って構成したコプレーナ線路形高周波フィルタにおいて、上記小基板の密着部に於ける対向する上記誘電体小基板端部の少なくとも一方に、上記中心導体側から上記端部に沿って地導体除去部と、上記除去部から延在して先端短絡スロット線路とを設け、上記除去部と上記先端短絡スロット線路と上記対向する他の基板端部の地導体とで略1/2波長の線路長を有するスロット線路先端短絡スタブを2つ以上形成している。ここで、個々のスタブの線路長が異なるようにしている。これにより、この実施の形態5は実施の形態4と同様な効果をより広い周波数帯域に亙って得られるという効果がある。
【0051】
実施の形態6.
図13および図14は、この発明の実施の形態6による高周波フィルタの構造を示す図である。図13は、誘電体基板の一方の面に超伝導薄膜で形成した中心導体及び地導体を備えたコプレーナ線路を用いて構成した3極の高周波フィルタ基板の上面図、図14は図13の基板の中心線 XIV−XIV における断面図を示す。図に示すようにこの実施の形態6の高周波フィルタは、縦続結合された複数の共振器30とその両端に結合された一対の入出力線路40を備えている。
【0052】
図13および図14において、1は誘電体基板、2は超伝導体薄膜で成る地導体であり2a,2bはその部分、3は超伝導体薄膜で成る共振器30の中心導体、4は超伝導体薄膜で成る入出力線路40の中心導体、5は共振器間30間の共振器結合部、6は共振器30と入出力線路40との間の入出力結合部である。また、13は誘電体基板1の周辺部において超伝導薄膜の地導体2a,2bの上に配置した金(Au)電極、14は中心導体3,4を挟んで超伝導薄膜の地導体2a,2b上に配置され(地導体2a,2bを接続するワイヤを配置するための)金(Au)膜で成るランドである。金電極13は、外部回路やケース(パッケージ)との電気的接続のために用いられる。金ランド14は、中心導体3,4を挟んで対向する二つのランド間を金ワイヤなどを用いて接続するために用いられる。これは、地導体2a,2bの電位を同電位にして不要なモードが線路を伝播するのを抑えるためである。
【0053】
この実施の形態6では、実施の形態1と同様に、中心導体3、4の幅および地導体2a,2bの間隔は、回路全体に亙って線路の特性インピーダンスを一定に保ちながら、入出力結合部6近傍においては広く、共振器結合部5近傍においては狭くなるよう、緩やかにを変化させている。このため、まず実施の形態1と同様な作用および効果を有する。さらにこの実施の形態6では、共振器30ならびに入出力線路40の導体膜を超伝導薄膜を用いて形成したので、超伝導体の低損失性により、共振器の無負荷Q値が増大する。従って、通過損失の少ない高周波フィルタが得られる。
【0054】
また、超伝導薄膜、特に酸化物超伝導薄膜のような臨界温度の高い高温超伝導薄膜では、一般に、膜を広い面積の基板上に均質に形成するのが難しい。このため、図13、図14のような構造のほか、実施の形態4および5で示したような、誘電体小基板を用いて分割構成したフィルタに超伝導薄膜を適用することもできる。そのようにした場合、形成すべき超伝導薄膜の面積が小さくできるので均質な膜が得られ易く、分割しない場合に比べ良好な特性の超伝導フィルタを得易い効果がある。
【0055】
以上のように、この発明の実施の形態6によれば、上記の実施の形態1から実施の形態6で得られるコプレーナ線路形高周波フィルタの中心導体および地導体の導体膜を超伝導体膜で構成している。このため、通常の導体膜で得られる効果に加え、超伝導体の低損失性により通過損失の少ない高周波フィルタが得られるという効果がある。
【0056】
実施の形態7.
図16、図17、および図18は、この発明の実施の形態7による高周波フィルタの構造を示す図である。図16は、実施の形態6で示した高周波フィルタ基板1を導体ケース(シャーシ)に実装した高周波フィルタのー部分の上面図、図17は図16の高周波フィルタの中心線 XVII−XVII における断面図、また、図18は、図16の高周波フィルタの XVIII−XVIII 線における断面図を示す。
【0057】
これらの図において、15は高周波フィルタ基板を実装する導体ケース(シャーシ)、16は、導体ケース15に設けた溝であり、17は導体ケース15に実装した外部回路基板である。さらに、18は、高周波フィルタ基板の各部を電気的に接続する金(Au)ワイヤを示す。その他の符号で、実施の形態6の図13および図14で示したものと同一のものは、それぞれ同一または相当部分を示し、同様の機能を有する。これらについては、重複をさけるため説明を省略する。
【0058】
この実施の形態7では、先ず実施の形態6と同様な作用および効果を有する。さらに、この実施の形態7では、基板1に超伝導体薄膜で形成された中心導体3、4および地導体2a,2bを備え、この基板1を実装する導体ケース15に地導体2a,2bの間隔よりも大きな幅を有する溝を設けている。このため、高周波フィルタ基板1を溝のない導体ケース上に実装した場合にくらべてコプレーナ線路から線路以外の導体が距離的に離れているので、コプレーナ線路の電磁界が導体ケースの影響を受けにくくなっている。すなわち、導体ケース15上を流れる電流が非常に少なくなるとともに、ほとんどの電流はコプレーナ線路を構成している超伝導体の部分を流れることになり、導体ケース15への実装による共振器の無負荷Q値の低下が抑制される。このため、高周波フィルタ基板が本来有している特性の劣化が少なく、良好な特性の高周波フィルタが得られる。この現象は、コプレーナ線路の地導体間隔が基板厚さに比べて大きくなる場合に顕著である。
【0059】
また、実施の形態6のところでも述べたように、地導体2a,2bと導体ケース15を金ワイヤ18あるいは金リボン18で接続しているので、両者の電位差により発生する不要モードは抑制されるが、一方で、この接続により地導体2a,2bと導体ケース15の間の空間がキャビティとなる場合がある。このキャピティは誘電体が内部に詰まった空胴共振器として機能するため、最低次の共振モードの共振周波数が低くフィルタの通過帯城に接近する場合には、フィルタの特性に悪影響を与える。この問題に対し、導体ケース15に設けられた溝16は空胴内部の実効的な誘電率を下げる作用を為し、これによりキャピティの共振周波数をより高い周波数へシフトすることとなり、不要なモードによるフィルタ特性の劣化が防止されるという効果がある。
【0060】
なお、以上の説明においては、実施の形態6の高周波フィルタ基板を、地導体間隔よりも大きな幅を有する溝を設けた導体上に、中心導体が溝の中心線に略平行にかつ溝の略中心に位置するように配置した例について述べた。しかし、コプレーナ線路形高周波フィルタの中心導体および地導体の導体膜を超伝導体膜で構成する形態は、実施の形態6の構造に限られず、既に述べた各実施の形態の構造のものにも適用できるものであり、本実施の形態のような導体ケースを適用する構造についても同様である。
【0061】
実施の形態8.
図18、図19、および図20は、この発明の実施の形態8による高周波フィルタの構造を示す図である。図18は、実施の形態6で示した高周波フィルタ基板1を導体ケース(シャーシ)に実装した高周波フィルタのー部分の上面図(上部のフタを除いた図)、図19は図18の高周波フィルタの中心線 XIX−XIX における断面図を示す。また、図20は、図18の XX−XX 線における断面図を示す。
【0062】
これらの図において、15は高周波フィルタ基板1を実装する導体ケース(シャーシ)、16は導体ケース15に設けた下部の溝であり、16Bは導体ケース5に設けた上部の溝である。また、17は導体ケース15に実装した外部回路基板、18は高周波フィルタ基板の各部を電気的に接続する金(Au)ワイヤを示す。さらに19は、導体ケース15の上部の溝16Bを塞ぐ導体フタである。その他の符号で、実施の形態6の図13および図14で示したものと同一のものは、それぞれ同一または相当部分を示し、同様の機能を有する。これらについては、重複をさけるため説明を省略する。以上のように、本実施の形態の高周波フィルタは、実施の形態6で示した高周波フィルタを導体ケースおよび導体フタによりパッケージした構造となっている。また、実施の形態7の高周波フィルタと比較すれば、本実施の形態では、高周波フィルタ基板1が上部の溝16Bの中に収納され導体フタ19で遮蔽されていることが異なる。なお、図18は導体フタ19を省略した図となっている。
【0063】
上記の実施の形態8の高周波フィルタでは、先ず実施の形態6および7と同様な作用および効果を有する。次に、本実施の形態では、導体ケース15と導体フタ19により、コプレーナ線路地導体2a,2bおよび中心導体3、4の上側に導体で囲まれたキャビティが構成され、このキャビティが空胴共振器として機能する場合がある。この点を考慮し、ここでは、想定される空胴共振器のもっとも低い共振周波数がフィルタ回路の周波数帯城よりも十分高くなり、且つ、コプレーナ線路の電磁界にほとんど影響を与えない大きさの空胴となるよう、導体ケース15および導体フタ19の寸法が設定されている。これにより、フタ19を装着したことによるフィルタ特性の劣化を生じることなく、フィルタからの電磁波の放射が抑えられるとともに、フィルタ特性を環境の影響から遮蔽することができる。
なお、以上述べた導体ケースと導体フタの適用は、実施の形態6の構造の高周波フィルタに限られず、他の各実施の形態のものについても適用できるものである。
【0064】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、コプレーナ線路で成る1個または複数個の共振器と入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら中心導体の幅および地導体の間隔を共振器結合部および/または入出力結合部とその近傍において変化させているので、結合容量の大きな結合部においては、中心導体幅および地導体間隔が拡大されて中心導体端部の接近が抑制され、パターニング誤差などの加工上の寸法誤差による通過特性の劣化を少なくすることができるという効果がある。また、結合容量の小さな結合部においては、中心導体幅および地導体間隔が縮小されて、中心導体端部の間隔を小さくでき、フィルタが小形になるとともに、フリンジング容量を小さくできるので、共振器の共振周波数の誤差を小さくできるという効果がある。また、中心導体幅および地導体間隔の縮小は、疎な結合が必要となる共振器結合部の近傍でのみ行っているので、共振器の無負荷Q値の低下が少なく、良好な通過特性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による高周波フィルタの回路基板の断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による高周波フィルタの回路基板の断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による高周波フィルタの回路基板の断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による高周波フィルタの回路基板の断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による高周波フィルタの誘電体小基板密着部の拡大上面図である。
【図10】 この発明の実施の形態5による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図11】 この発明の実施の形態5による高周波フィルタの回路基板の断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5による高周波フィルタの誘電体小基板密着部の拡大上面図である。
【図13】 この発明の実施の形態6による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図14】 この発明の実施の形態6による高周波フィルタの回路基板の断面図である。
【図15】この発明の実施の形態7による高周波フィルタの回路基板の上面図である。
【図16】この発明の実施の形態7による高周波フィルタの回路基板の長さ方向の断面図である。
【図17】この発明の実施の形態7による高周波フィルタの回路基板の幅方向の断面図である。
【図18】この発明の実施の形態8による高周波フィルタのフィルタの回路基板の上面図である。
【図19】この発明の実施の形態8による高周波フィルタの回路基板の長さ方向の断面図である。
【図20】この発明の実施の形態8による高周波フィルタの回路基板の幅方向の断面図である。
【図21】 この発明で扱うコプレーナ線路を表す図である。
【図22】 コプレーナ線路の特性インピーダンスと、線路の断面寸法の関係を表すグラフである。
【図23】 従来の高周波フィルタ基板の上面図である。
【図24】 従来の高周波フィルタ基板の断面図である。
【図25】 従来の高周波フィルタの結合部に於ける静電容量を示す図である。
【図26】 高周波フィルタの結合部に於ける静電容量と中心導体端部間隔の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 誘電体基板、 2 地導体、 3 共振器の中心導体、 4 入出力線路の中心導体、 5 共振器結合部、 6 入出力結合部、 7 導体ストリップ、 8 切り欠き部、 9 基板密着部、 10 誘電体小基板の端部、 11地導体除去部、 12 スロット線路先端短絡スタブ、 15 導体ケース(シャーシ)、 16、16B 溝、 18 金ワイヤ、 19導体フタ。

Claims (3)

  1. 誘電体基板の一方の面に配設された中心導体とこの中心導体の両側に配置された地導体とを有する1個または複数個の共振器および1対の入出力線路と、上記共振器間を相互に結合させる共振器結合部と、上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合部とを備え、上記共振器および入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、
    上記共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記共振器結合部とその近傍において狭くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに縮小させるとともに上記中心導体端部の間隔を小さくしたことを特徴とする高周波フィルタ。
  2. 誘電体基板の一方の面に配設された中心導体とこの中心導体の両側に配置された地導体とを有する1個または複数個の共振器および1対の入出力線路と、上記共振器間を相互に結合させる共振器結合部と、上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合部とを備え、上記共振器および入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、
    上記共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記入出力結合部とその近傍において広くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに拡大させるとともに上記中心導体端部の接近を抑制したことを特徴とする高周波フィルタ。
  3. 誘電体基板の一方の面に配設された中心導体とこの中心導体の両側に配置された地導体とを有する1個または複数個の共振器および1対の入出力線路と、上記共振器間を相互に結合させる共振器結合部と、上記共振器と入出力線路とを相互に結合させる入出力結合部とを備え、上記共振器および入出力線路を縦続接続して構成される高周波フィルタにおいて、
    上記共振器および/または入出力線路の特性インピーダンスを実質的に一定に維持しながら、
    上記中心導体の幅および上記地導体の間隔が上記共振器結合部とその近傍において狭くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに縮小させるとともに上記中心導体端部の間隔を小さくし、
    上記中心導体の幅および上記地導体の間隔上記入出力結合部とその近傍において広くなるように上記中心導体の幅および上記地導体の間隔を穏やかに拡大させるとともに上記中心導体端部の接近を抑制したことを特徴とする高周波フィルタ。
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