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JP3723105B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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JP3723105B2
JP3723105B2 JP2001272998A JP2001272998A JP3723105B2 JP 3723105 B2 JP3723105 B2 JP 3723105B2 JP 2001272998 A JP2001272998 A JP 2001272998A JP 2001272998 A JP2001272998 A JP 2001272998A JP 3723105 B2 JP3723105 B2 JP 3723105B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等に搭載される水冷式エンジンの冷却装置は、同エンジンの冷却水循環経路中に設けられて冷却水を冷却するラジエータと、このラジエータを通過する冷却水の量を調整する流量制御弁とを備えている。そして、内燃機関を冷却する冷却水の温度は、ラジエータを通過する冷却水の量(以下、ラジエータ流量という)を流量制御弁の開度制御を通じて変更することにより行われる。
【0003】
こうした流量制御弁の開度制御としては、例えば特開平10−317965号公報に示されるものが知られている。同公報に示される制御では流量制御弁を冷却水低温時には全閉としてラジエータ流量を最少にし、冷却水高温時には全開としてラジエータ流量を最大とするようにしている。また、これら以外のときには冷却水温が予め設定された目標値へと近づくよう、同冷却水温に応じて流量制御弁の開度(ラジエータ流量)を調整するフィードバック制御が行われる。
【0004】
従って、機関始動直後など冷却水温が低いときには流量制御弁が全閉状態とされ、内燃機関の速やかな暖機が図られるようになる。そして、冷却水温がある程度高くなるとフィードバック制御が開始され、これにより冷却水温が予め定められた目標値へと収束するため、冷却水温を目標値へと制御することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィードバック制御中に、流量制御弁の開度が何らかの理由によって全閉付近まで閉じ側に変化すると、その開度領域にて冷却水温を目標値に近づけるための流量制御弁の開度調整が行われる。しかし、こうした開度領域では、流量制御弁の開度変化に対して冷却水の温度が過度に大きく変化するために冷却水の温度にハンチングが生じ、流量制御弁のフィードバック制御によって冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下する。
【0006】
また、流量制御弁の流量特性によっては、その低開度領域における開度変化に対してラジエータ流量がほとんど変化しない。こうした開度領域では、流量制御弁のフィードバック制御によって、例えば冷却水温を目標値に向けて上昇側へと制御する場合には流量制御弁の開度が閉じ側へと補正されるが、冷却水の温度がなかなか変化せず、流量制御弁の開度が更に閉じ側へと過補正される。このように流量制御弁の開度が過補正されると、その後、運転状態が変化してラジエータ流量を多く必要とし流量制御弁の開度を開き側に補正するときに、開き側への補正が遅れるために冷却水温がオーバーシュートし、流量制御弁のフィードバック制御によって冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下する。逆に冷却水温を目標値に向けて低下側へと制御する場合には流量制御弁の開度が開き側へと補正されるが、この場合にも冷却水の温度がなかなか変化せず、流量制御弁の開度が更に開き側へと過補正される。このように流量制御弁の開度が過補正されると、その後、運転状態が変化してラジエータ流量を多く必要とせず流量制御弁の開度を閉じ側に補正するときに、閉じ側への補正が遅れるために冷却水温がアンダーシュートし、流量制御弁のフィードバック制御によって冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下する。
【0007】
更に、流量制御弁のフィードバック制御においては、冷却水温を目標値に近づけるべく流量制御弁の開度を調整してから、ラジエータ流量が変化して実際に冷却水温が目標値へと近づくのに応答遅れがある。こうした応答遅れがあるために、上記フィードバック制御中における冷却水温の目標値への収束性が低下し、同冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下することとなる。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、流量制御弁のフィードバック制御中において、冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを抑制することのできる内燃機関の冷却装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の冷却水循環経路中に設けられたラジエータを通過する冷却水の流量を調整する流量制御弁を備え、冷却水温が目標値へと近づくように当該冷却水温に基づき前記流量制御弁をフィードバック制御する内燃機関の冷却装置において、前記流量制御弁の開度変化に対する冷却水温の変化が過度に大きくなって前記フィードバック制御においてハンチングの生じる低開度領域が存在し、前記フィードバック制御によって変化する前記流量制御弁の開度が、前記ハンチングの生じる低開度領域内に入らないように下限ガードする制御手段を備えた。
【0010】
流量制御弁の低開度領域においては、流量制御弁の開度変化に対して冷却水の温度変化が適切なものとならず、フィードバック制御中において冷却水を目標値へと制御する際の制御性が低下する。しかし、上記構成によれば、こうした低開度領域での流量制御弁の開度調整が行われることはなくなる。このため、上記低開度領域で冷却水温を目標値へと近づけるための流量制御弁の開度調整が行われることに伴い、同冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを抑制することができる。
【0012】
上記構成によれば、フィードバック制御中に流量制御弁の開度が上述した開度領域に入ることが的確に回避されるため、その開度領域に流量制御弁の開度が入り、冷却水の温度がハンチングすることに伴い、フィードバック制御により冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを的確に抑制することができる。
【0013】
請求項記載の発明では、内燃機関の冷却水循環経路中に設けられたラジエータを通過する冷却水の流量を調整する流量制御弁を備え、冷却水温が目標値へと近づくように当該冷却水温に基づき前記流量制御弁をフィードバック制御する内燃機関の冷却装置において、前記流量制御弁の開度変化に対する冷却水温の変化がほぼ0になって前記フィードバック制御において過補正の行われる低開度領域が存在し、前記フィードバック制御によって変化する前記流量制御弁の開度が、前記過補正の行われる低開度領域内に入らないように下限ガードする制御手段を備えた。
【0014】
上記構成によれば、フィードバック制御中に流量制御弁の開度が開度領域に入ることが的確に回避されるため、その開度領域に流量制御弁の開度が入り、流量制御弁の開度が過補正されることに伴い、フィードバック制御により冷却水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを的確に抑制することができる。
【0015】
なお、上記開度領域としては、流量制御弁の開度変化に対する冷却水の流量変化がほぼ0になる開度領域をあげることができる
【0023】
請求項記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記制御手段は、フィードバック制御中に冷却水温が目標値から所定量以上離れると、その時点から所定時間が経過した時点までの冷却水温の変化量を測定し、その測定結果から冷却水温の目標値側への変化量が所定値以上でない旨判断したときには、冷却水温を目標値に近づける方向に前記流量制御弁の開度を補正するものとした。
【0024】
上記構成によれば、フィードバック制御中において、冷却水温を目標値へと近づけることが緩やかにしか行われないときや、冷却水温を目標値へと近づけられないとき、冷却水温を目標値に近づける方向への流量制御弁の開度補正が実行され、これにより冷却水温が速やかに目標値に近づけられるようになる。
【0025】
請求項記載の発明では、請求項記載の発明において、前記流量制御弁の開度補正は、冷却水温の目標値に対するずれ量に応じて可変とされる補正値を用いて行われるものとした。
【0026】
上記構成によれば、冷却水温を目標値に近づける方向への流量制御弁の開度補正を適切に実行し、この開度補正により冷却水温を一層速やかに目標値へと近づけることができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を自動車用エンジンに適用した第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
【0028】
図1に示されるように、エンジン1の冷却装置は、冷却水を循環させてエンジン1の内部を通過させる循環経路2を備えている。この循環経路2には、エンジン1によって駆動されるウォータポンプ3が設けられている。そして、ウォータポンプ3の駆動により循環経路2内の冷却水が図中右回転方向に流れると、同冷却水がエンジン1のシリンダブロックやシリンダヘッド(共に図示せず)を通過し、そこでエンジン1と冷却水との間の熱交換が行われるようになる。こうした熱交換によりエンジン1が冷却される。
【0029】
循環経路2は、エンジン1の下流側で二つに分岐した後、ウォータポンプ3の上流側で一つに合流している。分岐した循環経路2のうち、一方は冷却水をラジエータ4に流すとともに同ラジエータ4にて冷却された後の冷却水をエンジン1側に流すラジエータ通路5となっている。また、分岐した循環経路2のうち、他方はラジエータ4を迂回して冷却水をエンジン1側に流すバイパス通路6となっている。ラジエータ通路5とバイパス通路6との合流部分には、それら通路5,6の冷却水流量を調整する流量制御弁7が設けられている。なお、流量制御弁7においては、その開度が大となるほどラジエータ通路5の冷却水流量が多くなるよう構成されている。
【0030】
そして、この流量制御弁7でラジエータ通路5の冷却水流量を調整することにより、エンジン1を冷却する冷却水の温度が制御されるようになる。即ち、ラジエータ通路5の冷却水流量を多くすれば、循環経路2内をエンジン1側に流れる冷却水のうち、ラジエータ4にて冷却された冷却水の割合が大となることから、エンジン1を冷却する冷却水の温度が低くなる。また、ラジエータ通路5の冷却水流量を少なくすれば、循環経路2内をエンジン1側に流れる冷却水のうち、ラジエータ4にて冷却された冷却水の割合が小となることから、エンジン1を冷却する冷却水の温度が高くなる。
【0031】
流量制御弁7は、自動車に搭載された電子制御装置8によって駆動制御される。この電子制御装置8には、以下に示す各種センサからの検出信号が入力される。
【0032】
・ラジエータ通路5内においてラジエータ4の下流側部分の冷却水温を検出するラジエータ水温センサ9
・循環経路2内においてエンジン1からの出口部分の冷却水温を検出するエンジン水温センサ10
・自動車の運転者によって踏込操作されるアクセルペダル11の踏込量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ12
・エンジン1の吸気通路13に設けられたスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ15
・吸気通路13内におけるスロットルポジションセンサ15よりも下流側の圧力(吸気圧)を検出するバキュームセンサ16
・エンジン1の出力軸であるクランクシャフト1aの回転に対応した信号を出力するクランクポジションセンサ17
電子制御装置8は、例えばエンジン始動時であってエンジン1の暖機が完了していないときには、流量制御弁7を全閉状態としてエンジン1の暖機を促進させる。また、エンジン1の暖機が完了したとき、例えば循環経路2におけるエンジン1からの出口部分の冷却水温(エンジン出口水温)が80℃以上になったときには、エンジン出口水温が予め定められた目標値へと近づくよう同水温に基づき流量制御弁7のフィードバック制御が行われる。なお、上記エンジン出口水温は、エンジン水温センサ10からの検出信号に基づき求められる。
【0033】
こうしたフィードバック制御は、エンジン出口水温等に基づき算出される指令開度Afin に基づき流量制御弁の開度を調整することによって行われる。ここで、フィードバック制御に用いられる上記指令開度Afin の算出手順について、指令開度算出ルーチンを示す図2のフローチャートを併せ参照して説明する。この指令開度算出ルーチンは、電子制御装置8を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
【0034】
エンジン出口水温が80℃以上であってフィードバック条件が成立しているときには(S101:YES)、指令開度Afin の算出に用いられる基本指令開度Abse 、フィードバック補正値h1、及び収束速度補正値h2が順次算出される(S102〜S104)。そして、これら基本指令開度Abse 、フィードバック補正値h1、及び収束速度補正値h2に基づき、以下の式(1)から指令開度Afin が算出されるようになる(S105)。
【0035】
Afin =Abse +h1+h2 …(1)
Afin :指令開度
Abse :基本指令開度
h1 :フィードバック補正値
h2 :収束速度補正値
上記基本指令開度Abse は、循環経路2におけるラジエータ4からの出口部分の冷却水温(ラジエータ出口水温)、エンジン回転速度、及びエンジン負荷に基づき求められ、そのエンジン運転状態にあってエンジン1を冷却するのに必要な理論上の流量制御弁7の開度を表す値となる。
【0036】
なお、ラジエータ出口水温はラジエータ水温センサ9からの検出信号に基づき求められ、エンジン回転速度はクランクポジションセンサ17からの検出信号に基づき求められる。また、エンジン負荷は、エンジン回転速度とエンジン1の吸入空気量に関係するパラメータとに基づき求められる。こうしたパラメータとしては、アクセルポジションセンサ12からの検出信号に基づき求められるアクセル踏込量、スロットルポジションセンサ15からの検出信号に基づき求められるスロットル開度、及び、バキュームセンサ16からの検出信号に基づき求められる吸気圧などがあげられる。
【0037】
また、フィードバック補正値h1は、エンジン出口水温とその目標値との差に基づき当該差がなくなるよう「0」を基準として増減する値である。即ち、フィードバック補正値h1については、エンジン出口水温が目標値よりも低いときには指令開度Afin を閉じ側の値とすべく所定周期毎に所定量xづつ小さい値となってゆき、エンジン出口水温が目標値よりも高いときには指令開度Afin を開き側の値とすべく所定周期毎に所定量xづつ大きい値となってゆくのである。
【0038】
更に、収束速度補正値h2は、エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるための補正値であって、後述する収束速度補正値算出ルーチン(図5及び図6)によって算出される。
【0039】
このように算出される指令開度Afin に基づき流量制御弁7の開度を制御することにより、エンジン出口水温を目標値へと近づけることができるようになる。ただし、こうしたフィードバック制御中に、例えばラジエータ出口水温が低い、或いはエンジン1の運転状態がエンジン発熱量の小さな運転状態であるといった何らかの理由により、流量制御弁7の開度が全閉付近まで閉じ側に変化し、その低開度領域で流量制御弁7の開度調整が行われると、流量制御弁7の開度変化に対するエンジン出口水温の変化が適切なものとならなくなる。
【0040】
こうした不都合が生じることには、流量制御弁7の流量特性、即ち同弁7の開度変化に対するラジエータ通路5の冷却水流量の変化特性、及び同弁7の開度変化に対するエンジン出口水温の変化特性が関係している。ここで、上記のような不都合の発生原因について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4は、エンジン運転状態が一定という条件下での流量制御弁7の開度変化に対するラジエータ通路5の冷却水流量の変化特性、及びエンジン出口水温の変化特性を示すものである。
【0041】
本実施形態の流量制御弁7においては、図3に示されるように、その開度が大きくなるにつれてラジエータ通路5の冷却水流量が一定の割合で多くなるという流量特性を有している。こうした流量特性を有する流量制御弁7の開度が変化すると、エンジン出口水温は図4に示されるように推移することとなる。即ち、流量制御弁7の開度変化に対するエンジン出口水温の推移が、流量制御弁7の全閉付近の開度領域(図4の領域A)で過度に急なものになるのである。このように、流量制御弁7の低開度領域では、流量制御弁7の開度変化に対してエンジン出口水温の変化が過度に大きくなり、これが上記のような不都合の発生原因の一つとなっている。
【0042】
なお、これ以外の原因としては、流量制御弁7の開度が低開度領域にあるときには、ラジエータ通路5の冷却水流量が「0」又は微少量となることから、エンジン1の排気管等の熱源によってラジエータ水温センサやエンジン水温センサ10の周りに存在する冷却水だけが部分的に温度上昇することが考えられる。即ち、この場合には、水温センサ9,10からの検出信号が不適切なものとなることから、同検出信号に基づき行われるフィードバック制御も不適切になり、上記のような不都合が生じるのである。
【0043】
本実施形態では、こうした実情に鑑みて、指令開度算出ルーチン(図2)のステップS105で指令開度Afin が算出された後、その指令開度Afin が領域A(低開度領域)内の値とならないよう当該指令開度Afin について下限ガードを行う(S106)。そして、この下限ガードを行った後の指令開度Afin に基づき流量制御弁7を制御することで、全閉付近の領域A内でエンジン出口水温を目標値へと近づけるための流量制御弁7の開度調整が行われることは抑制されるようになる。
【0044】
次に、収束速度補正値h2を算出するためのステップS104の処理について、時間経過に伴うエンジン出口水温の推移を示す図7のグラフ、並びに、収束速度補正値算出ルーチンを示す図5及び図6のフローチャートを参照して詳しく説明する。この収束速度補正値算出ルーチンは、指令開度算出ルーチン(図2)のステップ104に進む毎に電子制御装置8を通じて実行される。
【0045】
収束速度補正値算出ルーチンにおいては、エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるべき状況であるか否かの判定が行われるが、この判定の実行中であるか否かについてはフラグF1の値に基づき判断される。そして、フラグF1が「0(否判定中)」であって(S201:YES)、エンジン出口水温が目標値から所定値a以上離れていないとき(S202:NO)には、収束速度補正値h2が「0」に設定され(S211)、処理が指令開度算出ルーチン(図2)に戻される。従って、この場合にはエンジン出口水温の目標値への収束性の向上が図られることはない。
【0046】
一方、ステップS202でエンジン出口水温が所定値a以上離れた旨判断された場合には(図7のタイミングT1)、そのときのエンジン出口水温が水温THW1として記憶されるとともに(S203)、フラグF1が「1(判定中)」に設定される(S204)。その後、フラグF1が「1」になってから所定時間tが経過したとき(図7のタイミングT2)、S205で肯定判定がなされてそのときのエンジン出口水温が水温THW2として記憶される(S206)。
【0047】
エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるべき状況であるか否かの判定は、ステップS208,S209(図6)にて上記水温THW1,THW2に基づき行われる。こうした判定を行うに先立ちフラグF1が「0(否判定中)」に設定される(S207)。上記ステップS208,S209では、以下の判断に基づき、エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるべき状況であるか否かの判定が行われる。
【0048】
・水温THW2が水温THW1よりも目標値寄りの値ではないという状況が生じているか否か(S208)、即ちエンジン出口水温を目標値へと近づけられないという状況が生じているか否か
・水温THW1と水温THW2との差(エンジン出口水温の所定時間tが経過する間の変化量)が所定値ΔT未満であるか否か(S209)、即ちエンジン出口水温を目標値へと近づけることが緩やかにしか行われてないという状況が生じているか否か
そして、ステップS208とステップS209との両方で否定判定がなされた場合には、エンジン出口水温の目標値への収束性が低下しておらず、エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるべき状況でない旨判断される。この場合には、収束速度補正値h2が「0」に保持された状態で、処理が指令開度算出ルーチン(図2)に戻されることとなる。
【0049】
一方、ステップS208,S209のいずれか一方で肯定判定がなされた場合には、エンジン出口水温の目標値への収束性が低下した状態であって、エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるべき状況である旨判定される。この場合には、そのときのエンジン出口水温の目標値からのずれ量に基づき収束速度補正値h2が算出される。
【0050】
即ち、エンジン出口水温が目標値に対して高温側にずれているときには、出口水温の目標値に対するずれ量が大となるほど、収束速度補正値h2が「0」に対してより大きな値(指令開度Afin を開き側にする値)となるように算出される。また、エンジン出口水温が目標値に対して低温側にずれているときには、出口水温の目標値に対するずれ量が大となるほど、収束速度補正値h2が「0」に対してより小さい値(指令開度Afin を閉じ側にする値)となるように算出される。
【0051】
こうして収束速度補正値h2の算出が行われた後、処理が指令開度算出ルーチン(図2)に戻される。そして、この収束速度補正値h2等から算出される指令開度Afin に基づき流量制御弁7の開度を制御することにより、エンジン出口水温の目標値への収束性が向上する。その結果、エンジン出口水温が、例えば図7においてタイミングT2以後の実線で示されるように、速やかに目標値へと近づくようになる。
【0052】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)流量制御弁7の制御に用いられる指令開度Afin について、その値が全閉付近の開度領域(低開度領域)であって流量制御弁7の開度変化に対しエンジン出口水温が過度に大きく変化する開度領域(図4の領域A)内に入らないよう、下限ガードが行われる。従って、フィードバック制御中に領域A内で流量制御弁7の開度調整が行われ、エンジン出口水温がハンチングすることに伴い、フィードバック制御によりエンジン出口水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを的確に抑制することができる。
【0053】
(2)フィードバック制御中において、エンジン出口水温を目標値へと近づけることが緩やかにしか行われないときや、エンジン出口水温を目標値へと近づけられないとき、収束速度補正値h2が「0」よりも大きい値又は小さい値とされる。これにより、流量制御弁7の開度(指令開度Afin )がエンジン出口水温を目標値へと近づける方向へと補正され、エンジン出口水温が速やかに目標値へと近づけられるようになる。
【0054】
(3)エンジン出口水温の目標値への収束性を向上させるのに用いられる上記収束速度補正値h2は、エンジン出口水温の目標値に対するずれに応じた可変値として算出される。従って、エンジン出口水温を目標値へと近づける方向への収束速度補正値h2による流量制御弁7の開度補正を適切に実行し、この開度補正によりエンジン出口水温を一層速やかに目標値へと近づけることができるようになる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8及び図9を参照して説明する。
本実施形態は、第1実施形態の流量制御弁とは異なる流量特性を有する流量制御弁を採用し、それに応じて指令開度Afin に対する下限ガードの態様を変更したものである。
【0056】
図8及び図9は、エンジン運転状態が一定という条件下における本実施形態の流量制御弁7の開度変化に対するラジエータ通路5の冷却水流量の変化特性、及びエンジン出口水温の変化特性を示すものである。
【0057】
本実施形態の流量制御弁7においては、図8に示されるように、その開度が大きくなるにつれてラジエータ通路5の冷却水流量が徐々に多くなるのではあるが、低開度領域(図8の領域B)の一部では開度変化に対する冷却水流量の変化がほぼ「0」となる流量特性を有している。こうした流量特性を有する流量制御弁7の開度が変化すると、エンジン出口水温は図9に示されるように推移することとなる。即ち、流量制御弁7の開度変化に対するエンジン出口水温の変化が、流量制御弁7の低開度領域(図9の領域B)の一部で過度に緩やかなもの(ほぼ「0」)になるのである。
【0058】
このように、上記流量制御弁7の低開度領域の一部では流量制御弁7の開度変化に対してエンジン出口水温の変化が過度に小さくなり、当該開度領域でフィードバック制御によってエンジン出口水温を目標値へと近づけようとすると、同水温がなかなか変化しないことから流量制御弁7の開度が過補正される。こうして流量制御弁7の開度が過補正されると、その後、エンジン1の運転状態が変化して流量制御弁7の開度を補正するとき、補正が遅れることに伴いエンジン出口水温にオーバーシュートやアンダーシュートが生じ、フィードバック制御によってエンジン出口水温を目標値へと制御する際の制御性が低下する。
【0059】
本実施形態では、こうした実情に鑑みて、指令開度Afin が領域B内の値とならないよう当該指令開度Afin について下限ガードが行われる。そして、この下限ガードを行った後の指令開度Afin に基づき流量制御弁7を制御することで、領域B内でエンジン出口水温を目標値へと近づけるための流量制御弁7の開度調整が行われることは抑制されるようになる。
【0060】
この実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)流量制御弁7の制御に用いられる指令開度Afin について、その値が全閉付近の開度領域(低開度領域)であって流量制御弁7の開度変化に対しエンジン出口水温が過度に小さく変化する開度領域(図9の領域B)内に入らないよう、下限ガードが行われる。従って、フィードバック制御中に領域B内で流量制御弁7の開度調整が行われ、流量制御弁7の開度が過補正されることに伴い、フィードバック制御によりエンジン出口水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを的確に抑制することができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図10〜図14を参照して説明する。
上述したフィードバック制御においては、流量制御弁7の開度を指令開度Afin に基づき調整してから、実際にエンジン出口水温が目標値へと近づくのに応答遅れがあり、この応答遅れによりエンジン出口水温の目標値への収束性が低下することとなる。本実施形態は、こうした収束性の低下を抑制する目的のもとに、フィードバック制御中にエンジン出口水温の推移が上昇傾向と下降傾向との間で反転したとき、エンジン出口水温が目標値へと近づくように流量制御弁7の開度を後述するスキップ量Sの分だけ変更するようにしたものである。
【0062】
流量制御弁7の開度は指令開度Afin に基づき調整されることから、本実施形態においては指令開度Afin が、基本指令開度Abse 、フィードバック補正値h1、収束速度補正値h2の他に、上記スキップ量Sを加味して算出されることとなる。以下に上記指令開度Afin を算出するための式(2)を示す。
【0063】
Afin =Abse +h1+h2+S …(2)
Afin :指令開度
Abse :基本指令開度
h1 :フィードバック補正値
h2 :収束速度補正値
S :スキップ量
上記スキップ量Sは、初期値が例えば「0」であって、フィードバック制御中にエンジン出口水温の推移が上昇傾向から下降傾向へと反転したときに負の値として算出され、下降傾向から上昇傾向へと反転したときには正の値として算出される。従って、このように算出されるスキップ量Sを用いて指令開度Afin を算出することで、エンジン出口水温の推移傾向が反転したときには流量制御弁7がスキップ量Sの分だけ変更されることとなる。
【0064】
ここで、上記スキップ量Sを用いた流量制御弁7の開度変更の概要について、図10のタイムチャートを参照して説明する。図10において、(a)は時間経過に対する流量制御弁7の開度の推移を示し、(b)は時間経過に対するエンジン出口水温の推移を示している。
【0065】
フィードバック制御中にエンジン出口水温の推移が上昇傾向から下降傾向に反転したときには(タイミングT3)、エンジン出口水温が目標値よりも高い状態にあることから、流量制御弁7の開度がスキップ量Sの分だけ閉じ側に変更される。このときの流量制御弁7の開度は、エンジン出口水温が目標値に達して同目標値を通過する(タイミングT4)まで保持される。こうしてエンジン出口水温が目標値よりも高い値から速やかに同目標値へと低下するようになる。上記のようにエンジン出口水温が目標値を通過すると(T4)、上記流量制御弁7の開度保持が解除され、エンジン出口水温を目標値へと近づけるための流量制御弁7の開度調整が再開される。
【0066】
その後、エンジン出口水温が下降傾向から上昇傾向に反転すると(タイミングT5)、エンジン出口水温が目標値よりも低い状態にあることから、流量制御弁7の開度がスキップ量Sの分だけ開き側に変更される。このときの流量制御弁7の開度は、上記と同様にエンジン出口水温が目標値に達して同目標値を通過する(タイミングT6)まで保持される。こうしてエンジン出口水温が目標値よりも低い値から速やかに同目標値へと上昇するようになる。上記のようにエンジン出口水温が目標値を通過すると(T6)、上記流量制御弁7の開度保持が解除され、エンジン出口水温を目標値へと近づけるための流量制御弁7の開度調整が再開される。
【0067】
次に、上記指令開度Afin の算出手順について、本実施形態の指令開度算出ルーチンを示す図11及び図12のフローチャートを参照して詳細に説明する。この指令開度算出ルーチンにおいては、ステップS301,S303〜S305の処理が、第1実施形態の指令開度算出ルーチン(図2)におけるS101〜S104と同一のものとなっている。
【0068】
本実施形態の指令開度算出ルーチンにおいては、フィードバック条件が成立しているとき(S301:YES)、流量制御弁7がスキップ量Sの分だけ開度変更されたときの開度に保持された状態にあるか否かを判断するためのフラグF2が「0(保持解除)」であるか否かが判断される(S302)。
【0069】
ここで肯定判定であれば、基本指令開度Abse 、フィードバック補正値h1、及び収束速度補正値h2が順次算出される(S303〜S305)。その後、ステップS306〜S309(図12)でスキップ量Sの算出が行われる。
【0070】
即ち、エンジン出口水温の推移が上昇傾向から下降傾向へと反転したときには(S306:YES)には、エンジン回転速度に基づきスキップ量Sが負の値として算出される(S307)。このように算出されるスキップ量Sは、図13に示されるように、エンジン回転速度が高くなってウォータポンプ3の冷却水吐出量が大となり、循環経路2の冷却水流量が多くなるほど「0」に近い負の値になる。これは、循環経路2の冷却水流量が多くなるに従いスキップ量Sの分だけ流量制御弁7を閉じたときのエンジン出口水温の上昇が大となることから、エンジン出口水温を目標値に収束させる上ではスキップ量Sを上記のように可変とすることが好ましいためである。
【0071】
また、エンジン出口水温の推移が下降傾向から上昇傾向へと反転したときには(S308:YES)、エンジン回転速度に基づきスキップ量Sが正の値として算出される(S309)。このように算出されるスキップ量Sは、図14に示されるように、エンジン回転速度が高くなってウォータポンプ3の冷却水吐出量が大となり、循環経路2の冷却水流量が多くなるほど「0」に近い正の値になる。これは、循環経路2の冷却水流量が多くなるに従いスキップ量Sの分だけ流量制御弁7を開いたときのエンジン出口水温の下降が大となることから、エンジン出口水温を目標値に収束させる上ではスキップ量Sを上記のように可変とすることが好ましいためである。
【0072】
なお、エンジン出口水温の推移傾向が反転しないときには(S308,S309で共にNO)、スキップ量Sは前回の値に保持されることとなる。
ステップS307,S309のいずれかでスキップ量Sの算出が行われたときには、フラグF2が「1(保持中)」に設定される(S310)。フラグF2が「1」である間は、上記ステップS302(図11)で否定判定がなされ、ステップS303〜S310の処理がスキップされることから、基本指令開度Abse 、フィードバック補正値h1、収束速度補正値h2、及びスキップ量Sの算出が行われることはない。このため、フラグF2が「1」である間は、流量制御弁7の開度がスキップ量Sの分だけ変更されたときの状態に保持される。
【0073】
また、「1」に設定されたフラグF2は、流量制御弁7の開度がスキップ量Sの分だけ変更されてから最初にエンジン出口水温が目標値を通過したとき(S311:YES)、「0(保持解除)」にリセットされる(S312)。そして、こうしたフラグF2のリセットのための処理が行われた後、上記式(2)を用いて指令開度Afin の算出が行われる(S313)。
【0074】
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態に記載した(2)及び(3)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)フィードバック制御中にエンジン出口水温の推移傾向が反転したとき、エンジン出口水温が目標値へと近づくように流量制御弁7の開度をスキップ量Sの分だけ変更するようにしたため、エンジン出口水温が速やかに目標値へと収束するようになる。従って、流量制御弁7の開度変化に対してエンジン出口水温の変化に応答遅れが生じるとしても、この応答遅れに伴いエンジン出口水温を目標値へと制御する際の制御性が低下するのを抑制することができる。
【0075】
(6)エンジン出口水温の推移傾向が反転してスキップ量Sの分だけ流量制御弁7の開度が変更されると、エンジン出口水温が目標値に達するまでは、そのときの開度が保持されるため、エンジン出口水温を速やかに目標値へと近づけることができる。
【0076】
(7)スキップ量Sは、循環経路2の冷却水流量に関係するパラメータであるエンジン回転速度に応じて変化する可変値として算出される。従って、流量制御弁7の開度変化に対するエンジン出口水温の変化量が循環経路2の冷却水流量に応じて異なるとしても、スキップ量Sを用いた流量制御弁7の開度変更を当該冷却水流量の変化に関係なく適切に行い、エンジン出口水温を速やかに目標値へと近づけることができる。
【0077】
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第3実施形態において、循環経路2の冷却水流量に関係するパラメータとしてエンジン回転速度を例示したが、これに代えて流量センサ等により循環経路2の冷却水流量を直接検出し、この検出値に基づきスキップ量Sを可変値として算出するようにしてもよい。
【0078】
・また、スキップ量Sを必ずしも可変値とする必要はなく、これを固定値としてもよい。
・第3実施形態では、流量制御弁7の開度がスキップ量Sの分だけ変更された後、そのときの開度をエンジン出口水温が目標値に達するまで保持したが、これに代えて当該開度保持を一定の時間だけ行うようにしてもよい。また、開度を保持する時間を、エンジン出口水温の推移傾向が反転したときにおける同水温の目標値に対するずれ量に応じて可変としてもよい。
【0079】
・上記各実施形態において、収束速度補正値h2を必ずしもエンジン出口水温の目標値からのずれ量に応じた可変値として算出する必要はなく、これを固定値とすることも考えられる。
【0080】
・また、収束速度補正値h2による流量制御弁7の開度補正を必ずしも行う必要はない。
・第1実施形態では、流量制御弁7の開度について下限ガードを行うことにより、全閉付近の開度領域である領域A内でフィードバック制御による流量制御弁7の開度調整が行われないようにしたが、下限ガードにより開度調整が行われないようにする領域を適宜閉じ側に縮小したり開き側に拡大したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における冷却装置の全体構成を示す略図。
【図2】第1実施形態の指令開度算出手順を示すフローチャート。
【図3】第1実施形態の流量制御弁の開度変化に対するラジエータ通路の冷却水流量の推移傾向を示すグラフ。
【図4】第1実施形態の流量制御弁の開度変化に対するエンジン出口水温の推移傾向を示すグラフ。
【図5】収束速度補正値の算出手順を示すフローチャート。
【図6】収束速度補正値の算出手順を示すフローチャート。
【図7】時間経過に伴うエンジン出口水温の推移を示すタイムチャート。
【図8】第2実施形態の流量制御弁の開度変化に対するラジエータ通路の冷却水流量の推移傾向を示すグラフ。
【図9】第2実施形態の流量制御弁の開度変化に対するエンジン出口水温の推移傾向を示すグラフ。
【図10】時間経過に伴う流量制御弁の開度の推移、及びエンジン出口水温の推移を示すタイムチャート。
【図11】第3実施形態の指令開度算出手順を示すフローチャート。
【図12】第3実施形態の指令開度算出手順を示すフローチャート。
【図13】エンジン出口水温の推移が上昇傾向から下降傾向へと反転したときに算出されるスキップ量についてのエンジン回転速度の変化に対する推移傾向を示すグラフ。
【図14】エンジン出口水温の推移が下降傾向から上昇傾向へと反転したときに算出されるスキップ量についてのエンジン回転速度の変化に対する推移傾向を示すグラフ。
【符号の説明】
1…エンジン、2…循環経路、3…ウォータポンプ、4…ラジエータ、5…ラジエータ通路、6…バイパス通路、7…流量制御弁、8…電子制御装置、9…ラジエータ水温センサ、10…エンジン水温センサ、12…アクセルポジションセンサ、15…スロットルポジションセンサ、16…バキュームセンサ、17…クランクポジションセンサ。

Claims (4)

  1. 内燃機関の冷却水循環経路中に設けられたラジエータを通過する冷却水の流量を調整する流量制御弁を備え、冷却水温が目標値へと近づくように当該冷却水温に基づき前記流量制御弁をフィードバック制御する内燃機関の冷却装置において、
    前記流量制御弁の開度変化に対する冷却水温の変化が過度に大きくなって前記フィードバック制御においてハンチングの生じる低開度領域が存在し、
    前記フィードバック制御によって変化する前記流量制御弁の開度が、前記ハンチングの生じる低開度領域内に入らないように下限ガードする制御手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置
  2. 内燃機関の冷却水循環経路中に設けられたラジエータを通過する冷却水の流量を調整する流量制御弁を備え、冷却水温が目標値へと近づくように当該冷却水温に基づき前記流量制御弁をフィードバック制御する内燃機関の冷却装置において、
    前記流量制御弁の開度変化に対する冷却水温の変化がほぼ0になって前記フィードバック制御において過補正の行われる低開度領域が存在し、
    前記フィードバック制御によって変化する前記流量制御弁の開度が、前記過補正の行われる低開度領域内に入らないように下限ガードする制御手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. 前記制御手段は、フィードバック制御中に冷却水温が目標値から所定量以上離れると、その時点から所定時間が経過した時点までの冷却水温の変化量を測定し、その測定結果から冷却水温の目標値側への変化量が所定値以上でない旨判断したときには、冷却水温を目標値に近づける方向に前記流量制御弁の開度を補正する
    請求項1又は2記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記流量制御弁の開度補正は、冷却水温の目標値に対するずれ量に応じて可変とされる補正値を用いて行われる
    請求項3記載の内燃機関の冷却装置。
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