JP3721768B2 - 感光性ポリイミドシロキサン組成物および絶縁膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、有機溶媒に対する溶解性の優れた、高分子主鎖中に感光基を含有する新規な芳香族ポリイミドシロキサン、詳しくは、耐熱性、電気的および柔軟性等の機械的性質に優れ、フレキシブル配線板のオーバーコート材や層間絶縁材料、半導体工業における回路の保護膜や半導体素子の保護膜、パッシベーション膜の形成材料等として好適な有機溶媒可溶性の感光性ポリイミドシロキサン、その有機溶媒組成物、および絶縁膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル配線板のオーバーコート材や、多層基板の層間絶縁膜、また半導体工業における固体素子への絶縁膜やパッシベーション膜の形成材料、および半導体集積回路や多層プリント配線板などの層間絶縁材料は、耐熱性および絶縁性に富むことが要請され、また、高密度化、高集積化の要求から感光性のある耐熱材料が求められる。
【0003】
これらの絶縁膜に対しては絶縁性とともに、耐熱性の高いポリイミドで形成することが種々提案されている。
しかし、一般にこれらのポリイミドを用いたものは、溶媒不溶性で感光基を有していないか、感光基を含有するポリマーは、いずれもポリイミド前駆体であり光硬化後高温でポストベークしてポイミドとする必要がある。このことは、得られる基材の熱劣化をもたらす。
【0004】
また、有機溶媒可溶性のポリイミド(感光基を有しない)に、光硬化性基を有する単量体を混合して光硬化させるようにした耐熱性フォトレジスト組成物(特開昭54−109828号公報等)もあるが、このような組成物は、光硬化性が劣り、しかも光硬化後のポリイミドの耐熱性も充分ではない。
【0005】
また、テトラカルボン酸二無水物と光架橋性不飽和二重結合を含むジアミン化合物、例えばジアミノカルコンとを反応させて、感光性および耐熱性に優れたポリイミドを得ることが提案されている(特開昭57−131227号公報等)。しかし、このようにして得られるポリイミドは、感光性に優れているが、有機溶媒に対する溶解性が劣るため、溶解に長時間を要し、レリーフパターンを形成する上で実用上の問題がある。
【0006】
また、柔軟性のある感光性ポリイミドを得るために、ポリイミドシロキサンが提案されている(特開平2−50161号公報、特開平4−252227号公報)が、ポリマー成分としてポリアミック酸を用いているためイミド化するためにパターニング後、高温加熱が必要であり、基板に熱的ダメージを与えるので好ましくないなどの実用上の問題がある。
【0007】
このため、解決策の一つとして、有機溶媒可溶性ポリイミドとするために、テトラカルボン酸二無水物を用い、芳香族ジアミンとして、例えばエポキシ基のような反応基を有する(メタ)アクリレート化合物と付加反応をする官能基を持った1核の非対象構造のジアミンを用いることが行われている。しかし、ジアミン成分が1核のためにポリイミドの溶解性が充分でないことによりポリマー液の安定性が劣るという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、有機溶媒に対する溶解性が優れており、しかも光硬化して高い感度を有し、かつ光硬化物が高い耐熱性とフレキシブル性を有する感光性ポリイミドを提供することである。
また、この発明の他の目的は、実用上の問題点を実質的に有しない感光性溶液組成物を提供することである。
さらに、この発明の他の目的は、厚みを大きくでき、パターニング後イミド化するための高温加熱(250〜400℃)が不要の電気絶縁膜を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明は、下記一般式で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と、
【化4】
(ただし、式中、XはO、COまたは直接結合を示す。)
下記一般式で表される芳香族ジアミン、
【化5】
(ただし、式中、YはO、CH2、SO2またはO−Bz−C(CH3)2−Bz−Oまたは直接結合を示し、ZはOH、COOH又はSHを示し、m1およびm2は各々1である。)
および下記一般式で示されるジアミノポリシロキサン
【化6】
(ただし、式中、R1は2価の炭化水素残基を示し、R2は独立に炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示し、nは3〜50の整数を示す。)からなるジアミンとの実質的に等モル量を重合およびイミド化して得られるポリイミドシロキサンに、前記のOH、COOH又はSHと反応性の基であるグリシジル基を有する(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加または縮合反応させてなり、組成物の露光・後加熱膜が5−250kg/cm2の初期弾性率を有し、組成物の露光膜がアルカリ現像液で現像可能である有機溶媒可溶性の感光性ポリイミドシロキサンが有機溶媒に溶解してなる感光性ポリイミドシロキサン組成物に関するものである。
【0011】
また、この発明は、前記のいずれかの感光性ポリイミドシロキサン組成物を所定の厚さで基材に塗布し、乾燥、露光した後、後加熱し、場合により現像してなる絶縁膜に関する。
【0012】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンは、好適には前記一般式で示される多環の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、前記一般式で示されるアミノ基を有する2つのベンゼン環にOH、COOHまたはSHが最低1個ずつ結合した芳香族ジアミンとジアミノポリシロキサンとの二種類のジアミン成分との実質的等モル量を、有機溶媒中でランダムあるいはブロック重合させてポリアミック酸とした後、熱イミド化または化学イミド化させることにより得られるポリイミドシロキサンに、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加または縮合反応させることによって製造することができる。
【0013】
この発明における前記一般式で示される多環の芳香族テトラカルボン二無水物としては、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルポン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物などが挙げられ、好適には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)を挙げることができる。溶解性を損なわない範囲内で多環の芳香族テトラカルボン酸二無水物の一部を1環の芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいは芳香族ジカルボン酸で置き換えてもよい。
【0014】
また、この発明における前記一般式で示される芳香族ジアミンであるアミノ基を有する2つのベンゼン環に別々にOH、COOHまたはSHが1個ずつ結合した芳香族ジアミンとしては、例えば3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノビフェニル、5,5’−メチレンビス〔2−アミノ安息香酸〕、4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4、4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,1−ビス〔4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどを挙げることができ、この芳香族ジアミンは1種のみ使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記の芳香族ジアミンとして、入手し易さの観点から3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、5,5’−メチレンビス〔2−アミノ安息香酸〕が好適に使用される。
【0015】
この発明における前記一般式で示されるジアミノポリシロキサンとしては、一般式(3)中のR1が2価の炭化水素残基、好ましくは炭素数2〜6、特に炭素数3〜5の「複数のメチレン基」またはフェニレン基であり、R2が独立にメチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であることが好ましく、さらに、1が3〜50、好ましくは3〜30、特に5〜20であることが好ましい。また、前記のジアミノポリシロキサンは、1が前記の範囲内(3〜50)であれば単一の化合物であってもよく、1の異なる化合物の混合物であってもよい。混合物である場合は、アミノ当量から計算される平均値の1が3〜50、特に3〜30、その中でも特に5〜20の範囲内であることが好ましい。
【0016】
この発明において、ジアミン成分として前記一般式の芳香族ジアミンおよび前記ジアミノポリシロキサンを使用することが必要であり、その使用割合はジアミン成分中前記の芳香族ジアミンが5〜80モル%、特に20〜70モル%、前記のジアミノポリシロキサンが95〜20モル%、特に80〜30モル%であることが好ましい。
前記の芳香族ジアミンの割合が少ないと、得られる感光性ポリイミドシロキサンの光感度が低下し、光硬化後の解像度が低くなり、また感光性ポリイミドシロキサンの熱分解温度が低くなる傾向にある。前記の芳香族ジアミンの割合が多いと、得られるポリイミドシロキサンの有機溶媒溶解性が低下する傾向にある。
【0017】
前記の芳香族ジアミン、ジアミノポリシロキサンとともに、他の芳香族ジアミンを併用してもよい。その使用割合は、ジアミン成分の30モル%以下であることが好ましい。他の芳香族ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、o−トリジンなどのベンゼン環を2個有する芳香族ジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼンなどのベンゼン環を3個有する芳香族ジアミン、あるいはビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのベンゼン環を4個有する芳香族ジアミンを好適に挙げることができる。
前記のジアミン成分の割合は有機溶媒溶解性、感光性(露光しやすさ)から決定されるが、感光性のポリイミドシロキサン分子中に少なくとも2個の光重合性不飽和基含有化合物が結合している割合にすることが好ましい。
【0018】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンは、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と実質的に等モル量のジアミン成分とを、先ず、有機溶媒中で100℃以下の反応温度、好ましくは10〜80℃の反応温度で1〜48時間程度ランダムあるいはブロック重合反応、好ましくはランダム重合反応を行い、次いで、この重合反応によって得られたポリアミック酸溶液を有機溶媒で希釈した後、100℃以下の温度、好ましくは10〜50℃の反応温度で化学イミド化剤、例えば無水酢酸のような無水カルボン酸およびピリジンのような第3級アミンなどのイミド化剤を加えて0.1〜5時間程度イミド化反応を行ってポリイミドシロキサンとした後、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加反応させることによって好適に得ることができる。
【0019】
あるいは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と、ジアミノポリシロキサンと、(メタ)アクリロイル基を有する化合物と付加反応する芳香族ジアミンとを、実質的に等モルなるように先ずジアミノポリシロキサンを加えて160〜200℃で1〜5時間程度反応させた後、前記芳香族ジアミンを加え、前記反応温度で10〜40時間程度反応させてポリイミドシロキサンを合成した後、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加反応させることによってもこの発明の感光性ポリイミドシロキサンを好適に得ることができる。
【0020】
前記の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は反応終了後のポリイミドシロキサン溶液に直接(必要であれば冷却後)加えてもよく、あるいは一旦ポリイミドシロキサンを単離した後、反応に使用した有機溶媒と同じまたは異なった有機溶媒の溶液に加えてもよい(あるいはその逆であってもよい)。
【0021】
前記の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、グリシジル基、イソシアネート基などのOH、COOH、SHと付加あるいは縮合反応性の基とメタアクリロイルまたはアクリロイル基とを有する有機化合物、例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルポリシロキシメタアクリレート、ハーフエポキシアクリレート(例えば10個程度のエポキシ基のうち5個程度がアクリレート基で置換されている化合物である。例えば、商品名:昭和高分子製 ビニルエステル樹脂リポキシ630X−501)などを挙げることができる。
【0022】
前記の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の使用量は、アミノ基を有するベンゼン環に別々にOH、COOH又はSHが1個ずつ結合した芳香族ジアミンのOH、COOH又はSH基に対して当モル量以上、通常は1〜10モル倍であることが好ましい。
【0023】
上記の重合反応、イミド化反応および(メタ)アクリロイル基を有する化合物の付加反応における有機溶媒としては、例えばN,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチレンホスホアミドなどが用いられる。
【0024】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンは、反応終了後の溶液をそのまま(必要であれば他の添加剤を加えた後)使用してもよいが、用途によって、例えばパターン形成材料として使用する場合には、単離したものを有機溶媒に溶解した溶液として使用してもよい。
【0025】
前記の有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、メチルジグライム、メチルトリジグライムなどのグライム系溶媒、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、γ−ブチルラクトン、シクロヘキサノンなどを挙げることができる。
【0026】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンの溶液組成物は、ポリマーである固形分濃度が20〜50重量%であることが好ましい。
前記の感光性ポリイミドシロキサン溶液に、増感剤、光重合開始剤、接着性改良剤(例えばメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂)、酸素遮断剤(例えばワセリン、ワックス、界面活性剤)、酸素補足剤(例えばアスコルビン酸、ブチルフォスファイト)を添加することが好ましい。また、光硬化後の絶縁膜の物性を損なわない範囲でエチレン性不飽和基を有する光により重合可能な化合物を架橋剤として添加することが好ましい。
【0027】
前記の増感剤および光重合開始剤としては、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−t−ビチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、1,5−アセナフテン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−1,2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができ、その添加量は合計でポリイミドシロキサン100重量部に対して1〜50重量部、特に2〜30重量部が好ましい。
【0028】
前記の架橋剤としては、エチレングリコールジメタ(ア)クリレート、プロピレングリコールジメタ(ア)クリレート、トリメチロールプロパントリメタ(ア)クリレート、テトラメチロールメタンテトラメタ(ア)クリレート、N,N’−メチレンビスメタ(ア)クリレート、ジエチルアミノエチルメタ(ア)クロレート、トリス(ヒドロキシエチルアクリロイル)イソシアヌレート、リン酸メタ(ア)クリレート、ポリチオール(例えばトリメチロールプロパントリスチオプロピオネート)、チオール類(例えばチオグリール酸)などをあげることができる。その添加量は感光性ポリイミドシロキサン100重量部に対して、5〜100重量部、特に10〜60重量部添加することが好ましい。
【0029】
また、この発明の感光性ポリイミドシロキサンの溶液組成物は、アエロジル (使用量は、感光性ポリイミドシロキサン100重量部に対して10〜50重量部が好ましい)、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ワラストナイト、炭酸カルシウムなどの微細な無機充填剤(使用量は、感光性ポリイミドシロキサン100重量部に対して10〜100重量部が好ましい)、微細なポリマー充填剤、あるいは微細なあるいは可溶性の無機あるいは有機染料・顔料を含有させてもよい。そして溶液組成物は無色あるいはフタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーなどを含有させて着色してもよい。
【0030】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンを使用し、上記のようにして感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物によって、以下のようにしてパターンを形成することができる。
すなわち、先ず上記の感光性ポリイミドシロキサン溶液を基板に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去する。基板への塗布はスクリーン印刷、カーテンロール、リバースロール等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は90℃以下、好ましくは40〜80℃で行う。乾燥後、乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスクを置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線を照射する。次いで、現像処理、例えば、未露光部分をシャワーまたは超音波を用い、現像液で洗い出すことによりポリイミドシロキサン製のパターンを得ることができる。硬化膜は厚みが2〜50μm程度であることが好ましい。
前記の現像処理は、NaOH、KOH、Na2CO3、Na2B4O7などの水溶液ついで有機溶媒との組み合わせ、または有機アルカリ、例えばテトラエチルアンモニウムヒドロキシドと水または有機溶媒との混合溶液をアルカリ現像液として使用することができる。
【0031】
上記の現像液の有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホアミド、ジグライム、トリグライム、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メタノール、エタノールなどの有機溶媒またはこれらの混合液を使用することができる。
【0032】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンは、優れた溶解性を有しており、そのため未露光部分のポリイミドシロキサンを容易に除去でき、これによりパターンを容易に形成することができる。
【0033】
また、この発明の感光性ポリイミドシロキサンおよび溶液組成物は、高い感光性を有し、光透過性及び光架橋性に優れているため、従来の非感光ポリイミドのように画像形成用のレジストを別途必要とせず、また感光性ポリアミック酸のように画像形成後のイミド化のための高温加熱(250〜400℃)を必要とせず、150〜200℃の後加熱工程で充分なことから高信頼性・低コストをもたらすのみならず基板の熱的ダメージを与えることがないなど多くの優れた効果を奏する。このため、この発明の感光性ポリイミドシロキサン組成物を例えば、ネガパターンやポジパターンに好適に使用できる。
【0034】
さらに、この発明の感光性ポリイミドシロキサンあるいはその溶液組成物から形成した硬化膜からなるパターンは、耐熱性、電気的及び機械的性質に優れており、特に柔軟性に優れている。例えば、この発明の絶縁膜は、好適には厚さ2〜50μm程度の膜厚で種々の露光手段によって光硬化後少なくとも20μmまでの解像力、特に10〜50μm程度の解像力のものである。このためこの発明の絶縁膜は高密度フレキシブル基板、BGA、CSPなどの絶縁材料として特に適しているのである。
そして、このようにして得られるこの発明の露光・後加熱膜は、好適には5−250kg/cm2の初期弾性率、300−450℃の熱分解温度、5×1014−5×1015Ω・cmの体積抵抗値を有している絶縁膜である。
【0035】
【実施例】
以下、この発明の実施例を示す。
以下の各例において、評価は以下のようにして行った。
【0036】
(物性試験)
1.ポリイミドの粘度
感光性ポリイミドシロキサンを0.5g精秤し、100mlのメスフラスコにとりN−メチル−2−ピロリドンを加えて溶解し、キャノンフェンスケの粘度計を用い30℃にて液の落下時間を計る方法で対数粘度を測定した。
【0037】
2.感光性ポリイミドシロキサンの製膜性
感光性ポリイミドシロキサンの20gを100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をポリイミドシロキサンの膜が厚さ約20μmとなるようにテフロン板(1.0mm)上に塗布し60℃で60分間乾燥し、高圧水銀灯で1J/cm2の照射を行い、更に160℃で60分間熱処理し1mmφの丸棒に巻き、折り曲げ、クラッカの発生を観察した。クラックの発生の無い場合を〇、クラックのあるものを×とした。
【0038】
3.ポリイミドシロキサンのNMPに対する溶解性
ポリイミドシロキサン0.2gを0.8gのN−メチル−2−ピロリドンに加え、ポリイミドシロキサンの溶解状態を観察し、1時間以内に溶解した場合を◎、1日以内に溶解した場合を○、膨潤のみの場合を△、不溶の場合を×として評価した。
【0039】
4.熱分解温度
熱重量分析計を用いて測定した。
5.光硬化特性評価
ポリイミドフィルム(宇部興産製、ポリイミドフィルム ユーピレックスS)をスペーサーとするダムを設け、銅箔(35μm)上にインキをバーコーターを用いて均一に流延し、60℃で60分間乾燥して得た乾燥膜について、下記の光感度及び解像力の試験に供した。
【0040】
6.光感度
35μmの銅箔に、乾燥膜厚が約25μmになるように塗布し、60℃で60分間乾燥した。ミカサ(株)製のミカサマスクアライメント装置(MA−10型)を用いて、ガラスマスクを通して露光し、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイドの2%水溶液およびメタノール中で超音波浸漬し現像し、200μmピッチの100μmライン&スペースのパターンを得ることのできる露光量を持って光感度とした。
【0041】
7.機械的物性測定
感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物をテフロン塗布し、60℃で60分間乾燥後、1J/cm2紫外線露光、引き続き160℃で1時間加熱した後、膜を剥離し、ダンベル状にテストピースを切り出し、引張試験機を用いてASTM
D882に準じて測定し、引張強度、伸び率、初期弾性率を求めた。
【0042】
8.電気物性測定
0.3mm厚の銅板上に乾燥膜厚が80μmとなるように感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物を塗布し、60℃で60分間乾燥後、1J/cm2紫外線露光、引き続き160℃で1時間加熱して得たサンプルについてJIS−C 2103(電気絶縁用ワニス試験法)に基づき試験を行って、体積抵抗値を測定した。
9.耐寒性評価
−65℃で30分保持、125℃で30分保持、次いで−65℃で30分保持を1サイクルとして、200サイクルした後に絶縁膜にクラックが発生しないものを耐寒性が良好と評価し、クラックが発生するものを耐寒性が不良と評価した。
【0043】
実施例1
(ポリイミドシロキサン合成工程)
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)17.494g(0.059モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)54gに加えて溶解し、ジアミノポリシロキサン(R1=プロプル、R2=メチル、η=10、アミノ当量=450)36.540gを加え180℃で2時間反応した。引き続き3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル3.740g(0.017モル)を加え30時間反応した。次いで温度100℃にて、グリシジルメタクリレート9.893g(0.070モル)を加え0.5時間反応させて感光性ポリイミドシロキサンを得た(溶液として)。
【0044】
(インキ化工程)
上記の感光性ポリイミドシロキサンの溶液全量にNMP18gを加えて希釈し、アエロジル(平均粒径:約0.02μm)7.8g、タルク(平均粒径:1.5μm)13.4g、光開始剤としてジメチル安息香酸エチル4.7g、ジエチルチオキサント2.4g、トリメチロールプロパントリアクリレート9.7gを添加し、3本ロールにて混練りしてインキ:感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物を得た。
この感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物についての測定結果および評価結果をまとめて表1および表2に示す。
【0045】
また、露光・後加熱膜の機械的物性は、引張強度が2.6kg/cm2、伸びが8.2%、初期弾性率が102.9kg/cm2であった。
また、露光・後加熱膜の電気物性測定結果は体積抵抗値が2.2×1015Ω・cmであった。
この絶縁膜は耐寒性も良好であった。
【0046】
実施例2
(ポリイミドシロキサン合成工程)
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水(a−BPDA)17.139gをN−メチル−2−ピロリドン54.0gに溶解し、ジアミノポリシロキサン(前記と同じ)36.540gを加え180℃で2時間反応した。引き続き5,5’−メチレンビス〔2−アミノ安息香酸〕(MBAA)4.593gを加え2時間反応した。次いで温度100℃にて、グリシジルメタクリレート9.894gを0.5時間反応させて感光性ポリイミドシロキサン溶液を得た。
【0047】
(インキ化工程)
上記の感光性ポリイミドシロキサンから実施例1と同様にして感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物を調製し、評価を行った。
この感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物についての結果をまとめて表1および表2に示す。
【0048】
また、露光・後加熱膜の機械的物性は、引張強度が1.62kg/cm2、伸びが7.7%、初期弾性率が55.5kg/cm2であった。
また、露光・後加熱膜の電気物性測定結果は体積抵抗値が2.8×1015Ω・cmであった。
この絶縁膜は、耐寒性も良好であった。
【0049】
実施例3
(ポリイミドシロキサン合成工程)
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)18.876gをN−メチル−2−ピロリドン54.0gに溶解し、ジアミノポリシロキサン(前記と同じ)36.540gを加え180℃で2時間反応した。引き続き3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(HAB)3.765gを加え2時間反応した。次いで温度100℃にて、グリシジルメタクリレート9.894gを加え0.5時間反応させて感光性ポリイミドシロキサン溶液を得た。
【0050】
(インキ化工程)
上記の感光性ポリイミドシロキサンから実施例1と同様にして感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物を調製し、評価を行った。
この感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物についての結果をまとめて表1および表2に示す。
【0051】
また、露光・後加熱膜の機械的物性は、引張強度が1.12kg/cm2、伸びが6.5%、初期弾性率が75.5kg/cm2であった。
また、露光・後加熱膜の電気物性測定結果は体積抵抗値が1.8×1015Ω・cmであった。
この絶縁膜は耐寒性も良好であった。
【0052】
実施例4
実施例1において、タルクに代えてマイカを使用した他は同様の行って、感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物を得た。
結果は同じく良好であった。
【0053】
比較例1
ジアミノシロキサンを使用しなかった以外は実施例1と同様にして、感光性ポリイミドシロキサンを得ようとしたが、ポリマーはN−メチルピロリドンに不溶であり、光硬化特性は測定できなかった。
【0054】
比較例2
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に代えてピロメリット酸二無水物(PMDA)を使用した以外は実施例1と同様に実施して、感光性ポリイミドシロキサンを得た。
得られた感光性ポリイミドシロキサンはN−メチルピロリドンに膨潤するのみであり、インキ液は得られず光硬化特性は測定できなかった。
【0055】
比較例3
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルに代えて3,5−ジアミノ安息香酸を使用した他は実施例1と同様に実施した。
得られた感光性ポリイミドシロキサンはNMPに少ししか溶解せず、均一なインキ液は得られず光感度は測定できなかった。
【0056】
実施例5〜8
各実施例で得られた感光性ポリイミドシロキサン溶液組成物を使用し、以下の方法でコート材を形成し、膜を評価した。
厚さ75μmまたは50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックス−S)上に形成された銅回路パターン上にスクリーン印刷(200ミクロンメッシュ)により、インキを塗布した。次いで60℃で1時間乾燥し有機溶媒を除去した。ミカサ(株)製のミカサマスクアライメント装置(MA−10型9を用いて、ガラスマスクを通して露光した。
テトラエチルアンモニウムハイドロキサイドの2%水溶液中で超音波2分間浸漬後、更にメタノール中で2分間超音波浸漬し、パターンを形成した。
次いで、160℃で1時間後加熱し、絶縁膜を得た。
また、現像液として、1%のホウ酸ナトリウムとジエチレングリコールモノブチルエーテルの20%水溶液を用いて行った以外は同様にして正常なパターンを得た。
【0057】
屈曲性を、島津製作所の折り曲げ試験器を用いて屈曲性を調べたところ、いずれも1mmφでもクラックが発生しなかった。
半田耐熱性を、サンワ化学製フラックスSF−270を表面に塗り、260℃の半田に30秒間浸漬して調べたところ、いずれも異常は認められなかった。
耐無電解スズメッキ性を、シプレー製の無電解スズメッキ液(テンポジット FT−34)に70℃で2分間浸漬して調べたところ、スズメッキ液のモグリはいずれにも実質的に認められなかった。
反りを、ポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレックス75S)に乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、半田耐熱性と同様の条件で処理し、反りの発生を調べたところ、いずれにも実質的に反りは見られなかった。
【0058】
比較例4
市販の感光性ポリマーとして、太陽インキ製の液状現像型ソルダーレジストPSR−1000により、実施例5と同様にパターニングを行った。
その結果、1mmφの丸棒での屈曲テストでクラックが発生した。
また、電気絶縁性は、初期値で1.2×1013Ω・cmであった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
実施例9
(ポリイミドシロキサン合成工程)
a−BPDA34.94gをトリグライム100gに溶解し、ジアミノポリシロキン(R1=プロピル、R2=メチル、アミノ当量=467)65.006gを加え、180℃で1時間反応させた。引き続いて同温度でMBAA12.250g加え20時間反応し、次いで温度100℃にて所定量のグリシジルメタクリレート(酸成分:ジアミン成分=1.00:1.00)を加え0.5時間反応させて感光性ポリイミドシロキサンを得た(溶液として)。
【0062】
(インキ化工程)
上記感光性ポリイミドシロキサン溶液である重合液(固形分濃度53.7%)100部(重量部、以下同じ)に対して、フタロシアニングリーン0.268部を加え分散させ、その溶液にハーフエポキシアクリレート(昭和高分子社製、商品名:リポキシ630X−501)14.42部、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、NK9G)5.37部、ジメタクリロイルオキシフォスフェートとモノメタクリロイルオキシフォスフェートとの1:1の混合物であるリン酸メタクリレート(日本化薬社製、PM2)1.61部を加え、続いて消泡剤(ダウケミカル社製、DB100)2.74部、開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア184)14.67部、開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア369)7.33部、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル5.87部、ジエチルチオキサントン2.93部、ゲル化防止剤としてハイドロキノン0.27部、およびメトキシハイドロキノン0.27部、次に、硫酸バリウム(平均粒子径:0.3μm)16.1部とアエロジル(平均粒径:約0.02μm)5.37部を加え、3本ロールで混練してインキ:感光性ポリイミドシロキサン組成物を得た。
【0063】
このインキから常法通りにコート材を形成し、耐無電解錫メッキ性を無電解錫メッキ液(シプレー社製、テンポジットFT−34)に70℃で3分間浸漬して確認したところ、錫メッキ液のもぐりは実質的に認められなかった。
また、このインキを厚み35μmの銅箔に塗布し、60℃で60分間乾燥し、乾燥膜厚が23μmでミカサ社製のミカサマスクアライメント装置を使用して100mJ/cm2の光感度で露光した後、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドの2%水溶液およびメタノール中で超音波浸漬して現像し、100μmライン&スペースのパターンを得ることができた。
この露光・後加熱膜は実施例1と同等の良好な機械的・熱的(含耐寒性、以下同じ)・電気的物性を示した。
【0064】
実施例10
(インキ化工程)
実施例9と同様にして得られた感光性ポリイミドシロキサン溶液である重合液(固形分濃度53.7%)に、リン酸メタアクリレートに代えてメラミン樹脂 (サンワケミカル社製、ニカラックMW−100LM)16.1部を加えた他は実施例9と同様に実施して、インキ:感光性ポリイミドシロキサン組成物を得た。
【0065】
このインキから常法通りにコート材を形成し、耐無電解錫メッキ性を無電解錫メッキ液(シプレー社製、テンポジットFT−34)に70℃で3分間浸漬して確認したところ、錫メッキ液のもぐりは実質的に認められなかった。
また、このインキを厚み35μmの銅箔に塗布し、60℃で60分間乾燥し、乾燥膜厚が23μmでミカサ社製のミカサマスクアライメント装置を使用して100mJ/cm2の光感度で露光した後、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドの2%水溶液およびメタノール中で超音波浸漬して現像し、100μmライン&スペースのパターンを得ることができた。
この露光・後加熱膜は実施例1と同等の良好な機械的・熱的・電気的物性を示した。
【0066】
実施例11
(インキ化工程)
リン酸メタアクリレートを加えず、硫酸バリウム16.1部に代えて炭酸カルシウム(平均粒子径:1.2μm)16.1部を使用した他は実施例9と同様に実施して、インキ:感光性ポリイミドシロキサン組成物を得た。
【0067】
このインキを厚み35μmの銅箔に塗布し、60℃で60分間乾燥し、乾燥膜厚が23μmでミカサ社製のミカサマスクアライメント装置を使用して100mJ/cm2の光感度で露光した後、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドの2%水溶液およびメタノール中で超音波浸漬して現像し、100μmライン&スペースのパターンを得ることができた。
この露光・後加熱膜は実施例1と同等の良好な機械的・熱的・電気的物性を示した。
【0068】
実施例12
(インキ化工程)
リン酸メタアクリレートを加えず、消泡剤を加えた後さらに白色ワセリン(和光純薬社製)2.68部を加えた他は実施例9と同様に実施して、インキ:感光性ポリイミドシロキサン組成物を得た。
【0069】
また、別途このインキ塗膜を乾燥し、マスクと塗膜面とを150μm離して1J/cm2の光感度で露光し、常法通り現像を行い、200μmピッチの100μmライン&スペースのパターンを得ることができた。
この露光・後加熱膜は実施例1と同等の良好な機械的・熱的・電気的物性を示した。
【0070】
実施例13
(インキ化工程)
リン酸メタアクリレートを加えず、消泡剤を加えた後さらにアスコルビン酸 (和光純薬社製)2.68部を加えた他は実施例9と同様に実施して、インキ:感光性ポリイミドシロキサン組成物を得た。
【0071】
また、別途このインキ塗膜を乾燥し、マスクと塗膜面とを150μm離して1J/cm2の光感度で露光し、常法通り現像を行い、200μmピッチの100μmライン&スペースのパターンを得ることができた。
この露光・後加熱膜は実施例1と同等の良好な機械的・熱的・電気的物性を示した。
【0072】
【発明の効果】
この発明の感光性ポリイミドシロキサンは、優れた溶解性を有しており、そのため未露光部分のポリイミドシロキサンを現像液、例えばアルカリ現像液によって容易に除去できる。
【0073】
また、この発明の感光性ポリイミドシロキサンは、高い感光性を有している。
さらに、この発明の感光性ポリイミドシロキサン組成物は、感光特性を示す、光感度膜厚である解像力が20μm以上で、100μmL/S形成光照射量が100mJ/cm2以下であり光感度が良好である。
【0074】
さらに、この発明の感光性ポリイミドシロキサンの組成物から形成した硬化膜である絶縁膜は、熱分解温度によって評価した耐熱性が300℃以上(300−450℃)、特に350℃以上であり、耐熱性および耐寒性が良好である。
【0075】
さらに、この発明の感光性ポリイミドシロキサンの組成物から形成した硬化膜は、機械的特性に優れ、体積抵抗で評価した電気絶縁性がエポキシ樹脂より優れ、折り曲げクラックが発生せず、フレキシブル性がすぐれている。
Claims (5)
- 下記一般式で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と、
下記一般式で表される芳香族ジアミン、
および下記一般式で示されるジアミノポリシロキサン
- 感光性ポリイミドシロキサン100重量部に対してマイカ、タルク、硫酸バリウム、ワラストナイト、炭酸カルシウムなどの微細な無機充填剤10−100重量部を加えてなる請求項1に記載の感光性ポリイミドシロキサン組成物。
- 請求項1乃至2のいずれかの項に記載の感光性ポリイミドシロキサン組成物を所定の厚さで基材に塗布し、乾燥、露光した後、後加熱し、場合により現像してなる絶縁膜。
- 露光・後加熱膜が、300−450℃の熱分解温度、5x1014−5x1015Ω・cmの体積抵抗値を有する請求項3記載の絶縁膜。
- 現像して設けられた、回路または半導体素子の保護膜である請求項3記載の耐熱性、耐寒性、電気絶縁性の絶縁膜。
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