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JP3721383B2 - マスカット様芳香産生酵母並びにマスカット様芳香をもつ飲食品及びその製造法 - Google Patents

マスカット様芳香産生酵母並びにマスカット様芳香をもつ飲食品及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なマスカット様芳香産生酵母及びそれを用いて発酵を行いマスカット様芳香をもつ飲食品、例えばアルコール含有飲料などを提供することに関する。
【0002】
【従来技術及び解決すべき課題】
酵母を使用して得られる飲食品、特には発酵飲食品、例えば、ワイン、ビール、清酒などのアルコール含有飲料、味噌、醤油、酢などの発酵調味料、パンなどは、その使用される酵母の産生する香気成分、例えば、エステル類やアルコール類により、それらが有する香りの特性が決定され、それにより発酵生産物の品質に大きな影響を与えていると考えられている。したがって、それら香気成分、例えば、エステル類やアルコール類を如何なる割合で含むようにさせるかにより、得られた製品の香気特性が大きく異なることとなり、得られた製品品質に大きく影響することとなり、酵母を利用する産業にとってそれらの成分を制御することは重要な課題となっている。
【0003】
例えば、日本酒の香りには、日本酒らしい香り「基調香」と、「上立香」及び「含み香」とがある。「上立香」は盃に鼻を近づけるとふわっと香る果実のような、そして花のような香を言い、吟醸香が代表的なものである。「含み香」は、口の中に入れたとき口中に広がる落ちついた香で、揮発性の弱い成分で構成されている。日本酒の香りの成分は300種類近くが報告されており、主な香り成分は上記したように高級アルコール類、エステル類などの系統に分けられている。なかにはアルデヒド類や揮発酸類のように個々には歓迎されない香りもあるが、総合的には日本酒様の風味に大切な役割を果たしている。
【0004】
吟醸香としては、イソアミルアルコールなどの高級アルコール類、その酢酸エステルなどが、デリシャスリンゴのような軽くて芳しい香りとして重要である。最近では、洋梨のようなやや重い香りのカプロン酸などのエチルエステルや、バラ様の香りのβ−フェネチルアルコールや酢酸β−フェネチルが注目されている(「日本酒」、26〜27頁、岩波新書、1994年)。特に、それらイソアミルアルコール、その酢酸エステルなどは、酵母を利用して得られる飲食品の芳香を大きく特徴付ける重要な成分であることが知られている。
こうして最近では、吟醸酒の主要香気成分である高級アルコール類、その酢酸エステルなど、例えば、イソアミルアルコール、β−フェネチルアルコール、酢酸イソアミル、カプロン酸エチルエステル、酢酸β−フェネチルなどを高度に生産する酵母の育種が試みられている(「清酒酵母の研究」、79〜94頁、清酒酵母研究会、1992年)。
【0005】
酵母によるこれら高級アルコールの生成には、二つの経路が提唱されている。第1のものは、エールリッヒ(Ehrlich)経路と呼ばれているもので、その経路では菌体外アミノ酸を酵母が取込み、脱アミノ化及び脱炭酸後、炭素数の1つ少ないアルコールに還元されて、高級アルコールが生成されるもので、他のものは酵母のアミノ酸生合成経路の中間体であるオキソ酸が脱炭酸後アルコールに還元され、高級アルコールが生成されるものものである(「ザ・イースト」〔The Yeasts〕、Vol.3、pp.179−195、アカデミック・プレス(Academic Press)、1970年)。
所望アルコールの生成量の増加を上記第1の経路、すなわちEhrlich経路を利用し、アミノ酸を添加して得ようとする試みが既に報告されている。またアルコール飲料においは、アミノ酸のロイシンあるいはバリンなどを添加する方法が知られている(「ジャーナル・オブ・ザ・インスティチュート・オブ・ブリューイング」〔Journal of Institute of Brewing〕、Vol.59、pp.421−429、1981年)。ところが、酵母はその生育にあたり窒素源利用に階層性が認められ、例えば他にアンモニアなどの窒素源があると、培地などにアミノ酸が存在するとそれにより生育阻害を受けることが知られており、単に所望の風味を求めて特定のアミノ酸を添加するだけでは所期の目的を達成できない。
【0006】
これを解決するため、上記第2の経路を活性化した酵母を探索することが試みられている。こうして所望アルコールの生成量の増加を上記第2の経路を利用し酵母のアミノ酸生合成系の活性化により図る試みもされている。ロイシンアナローグである5’,5’,5’−トリフルオロ−D,L−ロイシン耐性株酵母による、イソアミルアルコール及び酢酸イソアミルの高生産方法(特開昭62−5669号公報)、アルギニンアナローグであるカナバニン耐性株酵母による、イソアミルアルコール及びその他の高級アルコールの高生産方法(「発酵工学」、Vol.67、pp.7、1989年)、フェニルアラニンアナローグであるp−フルオロフェニルアラニン耐性株酵母による、β−フェネチルアルコール及び酢酸β−フェネチルの高生産方法(「ジェイ・ファーメント・バイオエンジ」〔J.Ferment.Bioeng.〕、Vol.169、pp.125、1990年)、セレルニン耐性株酵母による、カプロン酸及びカプロン酸エチルエステルの高生産方法(「アグリ・バイオル・ケム」〔Agri.Biol.Chem.〕、Vol.55、pp.2153、1991年)、アラニンアナローグである3−クロロアラニン耐性株酵母による、イソアミルアルコール及びイソブチルアルコールの高生産方法(特開平3−7579号公報)などが知られている。
【0007】
最近では、食生活の変化などに伴い、フルーティな香りを持った飲食物、特にはワイン、ビール、清酒などのアルコール含有飲料、味噌、醤油、酢、漬物などの発酵調味料、パン、菓子などが好まれている。特に、清酒などにおいて、マスカットのような高貴で好ましい香りをもつアルコール含有飲料、さらには食品材料などは、強く求められている。しかしながら、これらの香りはほんの僅かな香気成分組成の違いにより大きく異なるので、このような目的のためにはそれに見合った新しい酵母を得る必要がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、これら香気特性に優れた飲食物を酵母を用いて簡単かつ効率よく得るための道を見いだすべく鋭意研究した結果、新規なマスカット様芳香産生酵母を作出することに成功し、その酵母を使用すればマスカット様芳香をもつアルコール含有飲料等の飲食品が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
かくして、本発明はマスカット様芳香産生酵母、該マスカット様芳香産生酵母を用いて発酵することを特徴とするマスカット様芳香をもつ飲食品、特にはアルコール含有飲料、その他の発酵製品の製造方法、並びにマスカット様芳香産生酵母を用いて発酵して得られたマスカット様芳香をもつ飲食品、特にはアルコール含有飲料などを提供する。
本発明の酵母により得られるマスカット様芳香は高貴で好ましい香りであり、非常に上品なものである。
【0009】
本発明のマスカット様芳香産生酵母は、サッカロマイセス属(Saccharomyces)に属し、アラニン含有媒質中で発酵させるとマスカット様芳香を生成し、4,4,4−トリフルオロ−DL−バリン含有媒質中で生育し、3−クロロ−L−アラニン耐性を有するものであればいずれも用いられる。
具体例としては、酵母サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)HD−1(「醸協」、第83巻、第11号、723〜728頁、1988年及び「清酒酵母の研究(−80年代の研究−)」、111〜112頁、清酒酵母研究会、平成4年6月19日)から選抜して得られ、アラニン含有媒質中で発酵させるとマスカット様芳香を生成する酵母HD−1(K−6)(以下、単に「HD−1(K−6)」と称す)を育種して選抜されたもの、例えば、酵母サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)CA−50(FERM P−14360)あるいはそれから誘導されたもの、その変異株などが挙げられる。
こうして酵母HD−1(K−6)から育種され、マスカット様芳香を生成し、4,4,4−トリフルオロ−DL−バリン含有媒質中で生育し、3−クロロ−L−アラニン耐性を有するものであれば、本発明のマスカット様芳香をもつという目的に合致する限りいずれも用いられる。
しかし、本発明においては、100mg%以下では生育し、200mg%以上では生育しない菌株のものが好ましい。
【0010】
本発明のマスカット様芳香産生酵母は、例えばビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、ウイスキー酵母、焼酎酵母、パン酵母などの市販の酵母から、当該分野で公知の変異誘発法、例えば、紫外線、X線、γ線などの放射線等の照射、化学的変異誘発剤、例えば、亜硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、アクリジン色素誘導体などを接触させる方法を適宜適用し、次に選択培地で生育させ選択して得ることができる。一旦得られたマスカット様芳香産生酵母は、プロトプラストを利用した細胞融合等の手法、遺伝子組換えの手法を用いても育種、改良でき、こうして得られたマスカット様芳香産生酵母は、すべて本発明に含めることができる。好ましくは、アラニン含有媒質中で発酵させるとマスカット様芳香を生成する酵母を選択し、こうして得られたマスカット様芳香産生酵母、例えば、HD−1(K−6)を上記した変異誘発法を適用して選択することにより得ることができる。
【0011】
酵母プロトプラストは、酵母を酵母細胞壁溶解酵素、例えばザイモリアーゼ、ヘリカーゼ、グルスラーゼなどで処理することにより得られる。この処理は、好ましくは2−メルカプトエタノール存在下行われることができ、好ましくは菌体はソルビトール液などで洗浄処理される。酵母細胞壁溶解酵素としては、好ましくはザイモリアーゼ60,000が使用され、その使用濃度は約0.02〜0.1mg/ml、好ましくは約0.04〜0.05mg/ml程度であり、該酵素の処理時間は、約20〜80分間である。酵素処理後、直ちに約0.4〜1.2Mのソルビトール液あるいは約0.4〜1.2Mの塩化カリウムなどで菌体は洗浄処理される。
例えば、酵母を一夜培地(10ml、酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2%、pH5.3)中で前培養した菌体液2.0mlを、100mlの同じ組成の栄養培地に加え対数増殖中期まで30℃で振とう培養し、得られた菌体約1gに30μlの2−メルカプトエタノール及び6.0mlの高張液(0.02MのNa2 HPO4 、0.02Mのクエン酸、1mMのEDTA、1Mのソルビトール)を加えて均一に懸濁し、次に1mg/mlのザイモリアーゼ60,000を0.5ml添加し、30℃で約30〜60分間インキュベーション処理する。
【0012】
こうしてプロトプラスト化した酵母は、5mlの1Mのソルビトールで3回洗浄した後、1Mのソルビトール及び10mMのCaCl2 を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を加えて、プロトプラスト液とされる。酵母の融合は、ポリエチレングリコールを用いて行うことができる。例えば、約0.4〜1.2Mのソルビトール液及び約8〜50mMのCaCl2 を含む約30〜35%ポリエチレングリコール中に上記したような洗浄プロトプラスト化した酵母をいれ、30℃で約20〜60分間処理することにより、プロトプラスト融合したものが得られる。
融合プロトプラストの再生は、約0.4〜1.2Mのソルビトール液を含む高張液(例えば、約0.4〜1.2Mのソルビトール、酵母エキス1%、ポリペプトン1%、グルコース2%、寒天2%)で上記融合プロトプラストを25〜30℃で2〜5日間培養することによりなされる。
プロトプラスト融合による育種で、キラー性因子、抗細菌性因子を付与することができ、こうした酵母もマスカット様芳香を生成する酵母であるものは本発明の範囲内のものである。
【0013】
本発明の酵母は、専門家パネラーによる官能試験において、マスカット様香気検定培地(YNB w/o A.A(Difco社製)0.67 %、グルコース10%、アラニン0.5%)に接種し、30℃で3週間培養した後、パネラーによる官能試験にかけた結果、すべてマスカット様のさわやかな香りが感じられると評価される。
【0014】
本発明の酵母は、次のような菌学的性質を有する。すなわち、この酵母は、
(1)マスカット様香気体検定培地(YNB w/o A.A(Difco社製)0.67 %、グルコース10%)での30℃で3週間液体培養で、マスカット様の香りを示す。
(2)麹エキス・α−麹培地(ファルコンチューブ入り麹エキス(Be 6.0)20ml及びα−麹8g)での30℃、10日間培養で、マスカット様の香りを示す。
(3)胞子形成能を有する。
【0015】
本発明の酵母は、さらに次のような菌学的性質を有する。
栄養細胞が球形ないし卵形で、多極出芽によって増殖する。
平滑子嚢胞子を形成する。
乳糖及び硝酸塩を資化しない。
真菌糸を欠くかまたは僅かしか形成しない。
成熟子嚢は容易に開裂しない。
胞子の形状は球形ないし卵形である。
グルコースをよく発酵する。
麦芽汁培地に皮膜を形成しない。
パラフィンを資化しない。
【0016】
本発明の酵母の培地としては、炭素源、窒素源、無機イオン、さらに必要に応じ有機微量栄養素を含有する通常の培地が使用できる。炭素源としては、資化可能な炭素化合物またはこれを含有するものであればよく、例えば、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マンノース、シュクロース、デンプン加水分解物、果汁、セルロース分解物などの炭水化物が良好に用いられる。窒素源としては、資化可能な窒素化合物またはこれを含有するものであればよく、例えば、硫安、カザミノ酸、ペプトンなどが使用される。また、リン酸、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅、カルシウムなどの無機塩類を適宜使用することができる。さらに必要に応じ菌の生育に必要なアミノ酸、ビオチン、リボフラビン、ピリドキシン、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、チアミンなどのビタミン類などを培地に添加して用いることができる。例えば、麦芽汁培地、麦芽汁寒天培地、YM寒天培地(酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、グルコース、寒天、蒸留水、PH5〜6)、PGY培地(酵母エキス、ペプトン、グルコース、蒸留水、PH5〜6)、V−8ジュース培地V−8ジュース、圧搾パン酵母、KOH、寒天、蒸留水)、ゴロドワ(Gorodkowa)寒天培地(グルコース、ペプトン、NaCl、寒天、蒸留水)などが挙げられる。
【0017】
特に好適な培地は、酵母エキス、ポリペプトン、グルコースなどよりなる培地が挙げられる。また、培地中に、アラニンを添加して、マスカット様芳香を生成する酵母を優先的に保持しておくことも好ましい。この場合アラニンは、培地中に、例えば1μg/ml〜250mg/ml、好ましくは200μg/ml〜50mg/ml添加しておくことができる。
培養は、温度25〜40℃、好ましくは30〜37℃で、pH3.0〜7.0、好ましくは3.5〜6.0で行われる。
酵母の培養は、震盪培養、通気培養、攪拌培養、静置培養などの好気的、嫌気的培養など適宜好ましい方法を選択して行うことができる。
【0018】
以下に、マスカット様芳香を生成する酵母の選抜法を一つの代表的な工程を示して説明する。
HD−1(K−6)株の選別
栄養培地、例えばDifco−Yeast Nitrogen−Base w/o Amino acid(YNB w/o A.A.、Difco社製)0.67 %及びグルコース2.0%に、吟醸清酒用に分譲されている酵母HD−1(「醸協」、第83巻、第11号、723〜728頁、1988年及び「清酒酵母の研究(−80年代の研究−)」、111〜112頁、清酒酵母研究会、平成4年6月19日)を白金耳接種し、約30℃で約12〜72時間培養する。こうして得られた前培養酵母をさらに栄養培地、例えばグルコース10%、YNBw/o A.A.(NH4SO4(Difco社製)+硫酸アンモニウム0.17%及びアミノ酸0.5%となるように調製した培地に接種し、約15℃で約1〜3週間培養をする。培養終了後、培養液を約30℃に保温し生成した香りを官能評価した。アラニンの代謝により得られたマスカット様の香りを産生するものを選抜する。こうしてHD−1(K−6)株が選抜された。
アラニン代謝による香気生成
こうして得られたHD−1(K−6)株をアラニン培地(YNB w/o A.A、(NH4SO4(Difco社製)0.67 %、グルコース10%、アラニン0.5%)に接種し、30℃で3週間培養した。再度専門家パネラーによる官能試験にかけた結果、マスカット様のさわやかな香りが感じられると評価された。
このHD−1(K−6)株は、基本培地(YNB w/o A.A(Difco社製)0.67 %,グルコース2%、寒天2%)に、アラニンアナローグである4,4,4−トリフルオロ−DL−バリンを100mg%の濃度となるように加えた寒天プレート培地に塗抹し、30℃で1週間培養した。プレート全面にコロニーが出現し、生育阻止は認められなかった。一方、3−クロロ−L−アラニンを上記基本培地に0〜100mg%の濃度となるように加えた寒天プレート培地に塗抹し、同様に培養した結果、1.0mg%のプレートではコロニーが出現したが、2.5mg%以上ではまったくコロニーは出現しなかった。
【0019】
HD−1(K−6)株からの変異株の選択
栄養培地、例えばYEPD培地に、酵母HD−1(K−6)を接種し、約30℃で約12〜48時間振とう培養する。こうして得られた前培養酵母液をさらに同じ組成の培地に接種し、約30℃で5〜30時間の往復振とう培養をする。遠心し、滅菌水などで2回程度洗浄した。得られた酵母菌体を、緩衝液、例えば、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、エチルメタンスルホネート(EMS)液を添加する。次に約30℃で約30〜60分間緩やかに振とうする。
遠心し、菌体を集め、次に約5%チオ硫酸ソーダ中に静置して中和した後、遠心分離した。菌体は更に滅菌水などで2回程度洗浄し、次に滅菌水などに懸濁する。こうして変異処理された酵母菌体液を、選抜培地、例えば、基本培地(YNBw/o A.A.、(Difco社製)0.67 %,グルコース2%、寒天2%)に、3−クロロ−L−アラニンを加えた平板プレート培地を耐性株選抜培地としてこれにに塗抹し、約30℃で約3日間〜3週間培養する。こうしてアラニンアナログ耐性株が選別される。
【0020】
本発明の酵母を用いてマスカット様芳香アルコール含有飲料を製造する場合、酵母は予め前培養しておくことが好ましい。例えば、寒天斜面培地などに保持されている酵母は、適当な液体栄養培地で静置培養され、それを酵母源とされることができる。清酒製造などでは、例えばもろみの約7%にあたる米と麹を用い酒母の製造がなされる。
発酵の原料としては、糖質を含有するもの、セルロース質あるいはデンプン質のもの、例えば、サトウキビやこれから採った糖蜜、サツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシ、キャサバ、テンサイなど、果物あるいは野菜の汁、例えば、麦芽汁、ブドウ、リンゴ、マルメロ、グレープフルーツ、オレンジ、ミカンなどの柑橘類、カリン、ナシ、西洋ナシ、ビワ、アンズ、ウメ、カキ、サクランボ、スモモ、ナツメ、モモ、ネクタリン、イチジク、キイチゴ、グミ、ザクロ、キウイフルーツ、マンゴー、バナナ、パインアップル、パパイア、グアバ、ヤシなどの果汁、穀物、例えば、米、小麦などから調整されたもろみなど、小麦粉を主として含むもの、例えば、パン生地、菓子パン生地、饅頭生地などが挙げられる。穀物、例えば、米、小麦など、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類などに含まれるセルロース質あるいはデンプン質のものを利用する場合、それらセルロース質あるいはデンプン質のものを予め発酵可能な糖類に変換しておくことが好ましい。清酒用のもろみは特に好ましく用いられる。
【0021】
アルコール含有飲料を製造する場合などでは目的とする飲料の種類に応じ、酒税法及び酒税法施行令や規則などの法令に定められた原料を用いることがこのましい。例えば、清酒では、米、麦、ヒエ、アワ、トウモロコシ、コウリャン、キビ、及びこれらから得られる糖質を用いることができる。
糖質は酵母によりそのまま発酵しうるが、デンプン質、セルロース質などのものはまず液化酵素、糖化酵素などにより発酵可能な糖質に転化された後、本酵母の作用を受け発酵せしめられる。このような酵素源としては当該分野で公知のもののうちから選択して用いることができ、例えば、麦芽、麹などに含まれるもの、乳酸菌、糸状菌、例えば、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)などの麹生産菌などが生産するもの、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ジアスターゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼなどの酵素などを挙げることができる。
醸造は、所望製品により異なるが、例えば、清酒では温度5〜20℃、好ましくは10〜17℃で行われる。
【0022】
例えば、清酒では、まずもろみの約7%にあたる蒸米と麹を用い酵母の培養物たる酒母の製造がなされる。次に炭素源とする原料、水及び無機塩類を温度管理のできるタンクに仕込み、酒母を添加して発酵を開始する。一般に清酒、焼酎などの製造では、発酵の始めに炭素源の一部を仕込み、発酵に伴い残りの炭素源を追加していく段仕込みが行われる。もろみの製造は、清酒では、おおよそ約15℃を中心に約10℃から約18℃で管理されるが、より低温で処理し香りを重視した方法を採ることもできる。もろみの発酵は、約15日から45日程度で終了されるのが一般的である。焼酎製造では、清酒よりやや高い温度で処理され、かつもろみの期間も短縮できる。
もろみは発酵が順調に進むように攪拌することもできるし、その温度も各段階に応じて変化調整することができる。
清酒では、こうして得られたもろみは圧搾濾過などにより酒粕と分離されて原酒となる。
本発明の酵母を用いて得られるマスカット様芳香アルコール含有飲料としては、ビール、ワイン、サイダー、清酒、老酒、紹興酒など、また発酵製品をさらに蒸留して得られるウイスキー、ブランデー、焼酎、ジン、テキーラ、ウオッカ、その他の酒類などが挙げられる。特に好ましいものとしては清酒が挙げられる。果実から得られる果汁、例えば、ブドウ果汁、ミカン果汁を利用すれば、ワインが得られる。
パンの製造には、酵母が用いられ、得られる製品の風味は使用する酵母の産生する香気成分に大きな影響を受けている。パン生地は、小麦粉を主な原料とし、食塩、油脂、水に、酵母を加えて形成される。必要に応じ、砂糖、脱脂粉乳、製パン用改良剤(フード)、卵、その他調味剤などが配合されてよい。代表的な製パン法としては、直捏法と中種法が挙げられる。パン生地の配合例としては、例えば、2kgの全小麦粉使用の場合の70%中種製パン法では、小麦粉70重量%、酵母2.2重量%、フード0.1重量%及び水43重量%を中種とし、約24℃で捏ね、次に小麦粉30重量%、砂糖5重量%、食塩2重量%、油脂5重量%、脱脂粉乳3重量%及び水28重量%の本捏とするなどが挙げられる。この他、中華饅頭、酒饅頭などの和菓子、中華料理材料の製造に利用できる。
また調味料、発酵飲料などの製品の風味はその使用する酵母の産生する香気成分に大きな影響を受けている。焼肉のタレは、例えば、薄口醤油20重量%、砂糖10重量%、味噌5重量%、白ゴマ0.5重量%、水63.5重量%、そして酵母1重量%を含むといった組成を有する。また、漬物、食酢、例えば、米酢、リンゴ酢、ワインビネガーなど、ミリン製造などにも応用できる。
本発明の酵母を利用する際、酵母は固定化して用いることもできる。酵母の固定化は、通常当該分野で一般的に用いられている方法によることができるが、例えば、アルギン酸カルシウムゲル法(「バイオリアクターの応用技術、−固定化生体触媒の製法と利用−」、19頁、シーエムシー発行、1986年)などが挙げられる。
【0023】
【実施例】
次に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの具体例により限定されるものでなく、その思想に従うかぎり各種の形態で実施できることは理解されるべきである。
【0024】
実施例1:
HD−1(K−6)株の選別
Difco−Yeast Nitrogen−Base w/o Aminoacid(YNB w/o A.A.(NH4SO4、(Difco社製))0.67%及びグルコース2.0%を含む培地10mlに、吟醸清酒用に分譲されている酵母HD−1(「醸協」、第83巻、第11号、723〜728頁、1988年及び「清酒酵母の研究(−80年代の研究−)」、111〜112頁、清酒酵母研究会、平成4年6月19日)を白金耳接種し、約30℃で約2日間培養する。こうして得られた前培養酵母液をさらにグルコース10%、YNB w/o A.A.(Difco社製)+硫酸アンモニウム0.17%及び各アミノ酸0.5%となるように調製した培地に接種し、約15℃で約2週間培養をする。培養終了後、培養液を約30℃に保温し生成した香りを官能評価した。アラニンの代謝により得られたマスカット様の香りを産生するものを選抜する。こうしてHD−1(K−6)株が選抜された。
【0025】
アラニン代謝による香気生成
こうして得られたHD−1(K−6)株をアラニン培地(YNB w/o A.A.(NH4SO4(Difco社製)0.67%、グルコース10%、アラニン0.5%)に接種し、30℃で3週間培養した。再度専門家パネラーによる官能試験にかけた結果、マスカット様のさわやかな香りが感じられると評価された。
【0026】
アラニンアナローグ耐性
このHD−1(K−6)株は、基本培地(YNB w/o A.A(Difco社製)0.67%,グルコース2%、寒天2%)に、アラニンアナローグである4,4,4−トリフルオロ−DL−バリンを100mg%の濃度となるように加えた寒天プレート培地に塗抹し、30℃で1週間培養した。プレート全面にコロニーが出現し、生育阻止は認められなかった。一方、3−クロロ−L−アラニンを上記基本培地に0〜100mg%の濃度となるように加えた寒天プレート培地に塗抹し、同様に培養した結果、1.0mg%のプレートではコロニーが出現したが、2.5mg%以上ではまったくコロニーは出現しなかった。
【0027】
実施例2:
HD−1(K−6)株からの耐性株の選択
YEPD培地(酵母エキス0.5%、ペプトン0.5%、グルコース2.0%)10mlに、酵母HD−1(K−6)を接種し、30℃で24時間振とう培養した。こうして得られた前培養酵母液1.2μlをさらに同じ組成の培地に接種し、30℃で15時間120rpm/min.の往復振とう培養した。得られた酵母HD−1(K−6)の生菌数は、4.0×106 /mlであった。3,500×gで10分間遠心し、滅菌水10mlで2回洗浄した。
こうして得られた酵母菌体を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mlに懸濁し、エチルメタンスルホネート(EMS)液0.3mlを添加して、EMSの最終濃度が30μg/mlとなるようにし、30℃で45分間緩やかに振とうする。次に10,000rpmで5分間遠心し、菌体を集め、次に5%チオ硫酸ソーダ10mlで10分間静置して中和した後、10,000rpmで5分間遠心分離した。菌体は更に滅菌水10mlで2回洗浄し、次に滅菌水10mlに懸濁した。
【0028】
こうして変異処理された酵母菌体液を、基本培地(YNB w/o A.A,(Difco社製)0.67 %,グルコース2%、寒天2%)に、3−クロロ−L−アラニンを2.5mg%となるように加えた寒天プレート培地を耐性株選抜培地としてこれにに塗抹し、30℃で1週間培養した。こうして耐性株を選別した。
寒天プレート培地に出現した3−クロロ−L−アラニン耐性株360株を耐性株選抜培地にレプリカした。レプリカ後、基本培地に3−クロロ−L−アラニンを100mg%含有せしめた寒天プレート培地と、200mg%含有せしめた寒天プレート培地を用意した。そして前記360株をレプリカしたところ、100mg%では生育し、200mg%では生育しない菌株が72株確認された。
この72株を合成斜面培地(酵母エキス0.5%、ペプトン0.5%、グルコース2.0%、KH2 PO4 0.1%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、CaCO3 1.0%、寒天2.0%)に移し、保存菌株とした。
【0029】
3−クロロ−L−アラニン耐性株72株の性状を調べた。
検定培地による香気生成
3−クロロ−L−アラニン耐性株酵母をマスカット様香気体検定培地(YNBw/o A.A(Difco社製)0.67 %、グルコース10%)に接種し、30℃で3週間培養した。専門家パネラーによる官能試験にかけた結果、すべてマスカット様のさわやかな香りが感じられると評価された。
【0030】
アラニンアナログに対する生育阻止性状
3−クロロ−L−アラニン耐性株酵母を基本培地(YNB w/o A.A(Difco社製)0.67 %,グルコース2%、寒天2%)に、4,4,4−トリフルオロ−DL−バリンを100mg%の濃度となるように加えた寒天プレート培地に塗抹し、30℃で1週間培養した。プレート全面にコロニーが出現し、生育阻止は認められなかった。
【0031】
実施例3:
発酵試験
実施例2で得られた3−クロロ−L−アラニン耐性株酵母72株について発酵試験を行い、発酵力及び産生香気成分の官能評価をした。
先ずYEPD培地に、実施例2で得られた3−クロロ−L−アラニン耐性株酵母を接種し、30℃で24時間振とう培養した。こうして得られた前培養酵母液3mlを麹エキス・α−麹培地(ファルコンチューブ入り麹エキス(Be 6.0)20ml及びα−麹8g)に接種し、30℃で10日間培養した。重量減少から発酵力の強いものを14株選抜した。発酵生成物を専門家パネラーによる官能試験にかけた。官能試験の結果すべてマスカット様香気が認められたが、マスカット様香気の評価の優れたものを9株選抜した。CA−3、CA−4、CA−11、CA−16、CA−32、CA−37、CA−44、CA−50、及びCA−64と名付けた。
【0032】
実施例4:
小仕込醸造試験
実施例3で得られた3−クロロ−L−アラニン耐性株酵母9株について総米200gを用いての小仕込試験を行い、発酵力及び産生する香気成分などの専門家パネラーによる官能評価をした。
この試験に用いた仕込配合を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003721383
【0034】
酒母には、ボーメ6の麹エキスに各酵母を植菌し、30℃で2日間培養した培養液30mlとした。この分、汲水をつめる。この仕込配合のもと、10℃一定として20日間醸造した。なお、ここでHD−1株とは、HD−1(K−6)株である。
得られた結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0003721383
【0036】
重量の減少、アルコール、総酸度、アミノ酸度と専門家パネラーによる官能評価を総合し、CA−4、A−44、及びCA−50の3株を選抜した。
【0037】
実施例5:
仕込醸造試験
実施例4で選抜した酵母3株について総米200kgを用いての仕込試験を行った。この試験に用いた仕込配合を表3に示す。
【0038】
【表3】
Figure 0003721383
【0039】
酒母歩合7%、麹歩合20%、汲水歩合135%で、乳酸は汲水100リットル当たり300ml添加する。醸造工程の概略を図1に示す。
米は静岡県森町産の五百万石の新米で精白は50%としたものを用いた。洗米は吟醸用洗米機を用いて行った。洗米の手順は、先ずステンレスのザルに米5キログラムを計量して入れ、水を張った半切れ中に浸漬し、手で軽く攪拌する。90秒後水から上げて、洗米機にかけ、20秒運転する。停止後続いて200リットル/分の水で掛け水し、再び20秒洗米機にかけ運転する。停止後続いてさらに200リットル/分の水で60秒掛け水した後、目的の吸水率になるまで浸漬する。蒸しの工程は、ホリケン社製の吟醸こしきG−100型を用いて40分間蒸しを行った。製麹は、麹室で箱麹法により行った。はぜ回り3から4割程度のつきはぜタイプのものとした。酒母は、それぞれのタンクで温度制御のできる酒母タンクで普通速醸、12日目使用とした。仕込みは300リットル容の温度制御醪タンクで、初添え15℃、仲添え8℃、留添え6℃を目標に仕込みを行った。後半は切れが鈍り、最終的に40日から43日の長期醪になった。上槽は、320リットル容の油圧の自動絞り機を用い、念入りに洗浄した酒袋を用い、1本の醪を数回に分けて搾った。
得られた清酒原酒について香気成分などの分析を行った。
ガスクロマトグラフィーは島津製GC−14A、カラムはDB−WAX 0.32mm×30Mを用い、カラム温度85℃、注入温度250℃、検出器はFID、検出温度250℃、キャリアガスHeで、30ml/min.、スプリット比10:1の条件で行った。
試料の調製は、10ml容ガラスバイアルに、試料の清酒を0.8mlずつサンプリングし、内部標準液を0.1ml加えた後、セプタムを穴あきアルミキャップで密栓し、50℃で30分間加温後、予め70℃に保温しておいた5ml容シリンジで1ml注入した。
内部標準液は、n−アミルアルコール2000ppm、カプロン酸メチル50ppmとし、標準試料は17.5%アルコール溶液中、イソアミルアルコール150ppm、酢酸イソアミル7.5ppm、カプロン酸エチル4.5ppmとした。得られた結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
Figure 0003721383
【0041】
いずれも官能試験でマスカット様の香りが優れ、すっきりしたタイプの酒に仕上がっていると評価された。酵母CA−50は、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託番号FERM P−14360として寄託されている。
なお、ここでHD−1株とは、HD−1(K−6)株である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の新規な酵母を用いれば、高貴で好ましい香りであり、非常に上品なものであるマスカット様芳香の製品、特には清酒などのアルコール含有飲料を与えることのできるマスカット様芳香産生酵母を、特には3−クロロ−L−アラニン耐性の有無で選抜して得られ、この酵母を用いてフルーティな香りを持った飲食物、特にはワイン、ビール、清酒などのアルコール含有飲料、味噌、醤油、酢、漬物などの発酵調味料、パン、菓子など、特に、清酒などにおいて、マスカットのような高貴で好ましい香りをもつ飲食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕込醸造工程の概説図を示す。

Claims (10)

  1. アラニン含有媒質中で発酵させるとマスカット様芳香を生成し、4,4,4−トリフルオロ−DL−バリン含有媒質中で生育し、3−クロロ−L−アラニン耐性であるマスカット様芳香産生する酵母サッカロマイセス・セレビシエ( Saccharomyces cerevisiae )CA−50(FERM P−14360)。
  2. 3−クロロ−L−アラニン100mg%以下で生育し、200mg以上では生育しない、請求項1記載の酵母サッカロマイセス・セレビシエ( Saccharomyces cerevisiae )CA−50(FERM P−14360)。
  3. 請求項1又は2記載の酵母サッカロマイセス・セレビシエ( Saccharomyces cerevisiae )CA−50(FERM P−14360)を用いて発酵して得られたマスカット様芳香をもつ飲食品。
  4. 飲食品が、アルコール含有飲料、発酵調味料又は菓子製品である、請求項3記載のマスカット様芳香をもつ飲食品。
  5. アルコール含有飲料が、ビール、ワイン、サイダー、清酒、果実酒、雑種発酵酒、老酒、ウイスキー、ブランデー又は焼酎である、請求項4記載のマスカット様芳香をもつ飲食品。
  6. 発酵調味料が、味噌、醤油又は酢である、請求項4記載のマスカット様芳香をもつ飲食品。
  7. 菓子製品が、パン、酒饅頭又は中華饅頭である、請求項4記載のマスカット様芳香をもつ飲食品。
  8. 酵母サッカロマイセス・セレビシエ( Saccharomyces cerevisiae )CA−50(FERM P−14360)を用いて発酵させることを特徴とする、マスカット様芳香をもつ飲食品の製造方法。
  9. 酵母サッカロマイセス・セレビシエ( Saccharomyces cerevisiae )CA−50(FERM P−14360)が、3−クロロ−L−アラニン100mg%以下で生育し、200mg以上では生育しない酵母サッカロマイセス・セレビシエ( Saccharomyces cerevisiae )CA−50(FERM P−14360)である、請求項8記載の製造方法。
  10. マスカット様芳香をもつ飲食品が、アルコール含有飲料である、請求項8又は9記載の製造方法。
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