JP3720930B2 - 弾性表面波フィルタおよび通過周波数帯域の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波フィルタに関し、特に弾性表面波共振子を用いた弾性表面波共振子フィルタに関する。
また、本発明は複数の通過周波数帯域を有する弾性表面波フィルタまたは通過周波数帯域の広い弾性表面波フィルタに関する。
さらに本発明は、移動体通信用フィルタに関する。
【0002】
本発明は弾性表面波を用いた移動体通信用フィルタに関わり、特に複数の弾性表面波共振子を梯子状に接続した構成をとる弾性表面波フィルタに関するものである。
【0003】
【従来の技術】
自動車電話をはじめとして各種の移動体通信に用いられるマイクロ波帯フィルタとしては、例えば特開平5−183380に見られるような弾性表面波共振子を梯子状に接続したラダー型弾性表面波フィルタ、あるいは特開平4−207615に見られるような複数の櫛形電極を反射器で挟んだ形態の縦モード結合型弾性表面波共振子フィルタが主として用いられてきた。これらのフィルタは比較的低挿入損失のフィルタを実現することができるという特徴を有しており、主としてRF帯域におけるフィルタとして多用されてきた。
【0004】
移動体通信においては移動局と基地局との通信に用いるために、通常、所定の周波数帯域内に送信と受信と2つの周波数帯域がそれぞれの移動体通信システムにおいて設定される。この設定された送信と受信と2つの周波数帯域中に通信用の複数チャンネルを有するが、通信のトラフィック増に対応するためには確保できるチャンネル数を多く取れることが必要である。
【0005】
昨今の移動体通信加入者数の激増は急激な通信のトラフィックの増加をもたらしており、従来設定されていた周波数帯域のみで対応することは難しくなりつつある。
このような状況に対応するためには、従来は異なる通信システムで用いられていた周波数帯域を取り込むことにより周波数帯域の拡充を図る必要が生ずる。
【0006】
一方、地域により提供されている移動体通信サービスが限られている場合もあり、地域間を移動する場合など、1つの携帯端末で複数の通信システムに対応する必要も生ずる。このような必要に対応するために、複数の分離した通過周波数帯域を有するフィルタが要求される。またこの通過周波数帯域が近接した場合には、双方の通過周波数帯域を包含するような広い通過周波数帯域を有するフィルタが要求される。
【0007】
このような分離した複数の通過帯域帯域を有するフィルタを弾性表面波素子により形成しようとする場合、従来はそれぞれ1つの通過周波数帯域を有する複数のフィルタを組み合わせることにより分離した複数の通過帯域帯域を有するフィルタを形成していた。
この場合、並列に複数のフィルタを設けることになり、フィルタ間で位相を調節するための素子を備える必要などから、フィルタの構造が複雑になるという欠点があった。
【0008】
また、広帯域フィルタを弾性表面波素子を用いて構成しようとした場合、弾性表面波共振子フィルタの通過周波数帯域は使用する圧電性基板の電気機械結合係数や電極指の弾性表面波反射率等の自由度の小さいパラメータに大きく制限されるために、比帯域4%程度を得るのが限界であった。
【0009】
梯子型(ラダー型)あるいは格子型(ラティス型)に複数の弾性表面波共振子を結合させる場合、複数の共振周波数と反共振周波数とを有する弾性表面波共振子を並列椀、直列椀に採用することで広帯域化を図る試みもあるが、横モード結合あるいは縦モード結合により複数の共振周波数あるいは反共振周波数を1個の弾性表面波共振子の中で制御するのは困難であるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものである。
すなわち本発明は、分離した複数の通過周波数帯域を有するとともに構成が簡単な弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【0011】
また本発明は広い通過周波数帯域を有するとともに構成が簡単な弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は分離した複数の通過周波数帯域、あるいは広い通過周波数帯域を有するとともに周波数設計の自由度の高い弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明の弾性表面波フィルタは以下のような構成を採用している。
【0014】
本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板上に配設された複数の弾性表面波共振子を直列椀、並列椀に結合して構成した弾性表面波フィルタにおいて、前記並列椀を直列に接続された複数の弾性表面波共振子により構成したことを特徴とする。
【0015】
前記並列椀を構成する複数の弾性表面波共振子は、互いに異なった複数の共振周波数および反共振周波数を有するようにすればよい。
【0016】
本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、共振周波数fr1と反共振周波数far1 とを有する第1の弾性表面波共振子と、共振周波数fr2と反共振周波数far2 とを有する第2の弾性表面波共振子とを直列接続した第1の共振部と、前記圧電性基板上に第1の共振部と並列に接続して形成され、第1の弾性表面波共振子と第1の周波数帯域を形成するような共振周波数fr3と反共振周波数far3 とを有する第3の弾性表面波共振子と、第3の弾性表面波共振子と直列接続され第2の弾性表面波共振子と第2の通過周波数帯域を形成するような共振周波数fr4と反共振周波数far4 とを有する第4の弾性表面波共振子とを直列接続した第2の共振部とを具備したことを特徴とする。例えば第1の共振部を直列椀に、第2の共振部を並列椀に接続するようにしてもよいし、第2の共振部を直列椀に、第1の共振部を並列椀に接続するようにしてもよい。 また、第1の弾性表面波共振子、第2の弾性表面波共振子、第3の弾性表面波共振子および第4の弾性表面波共振子は、その共振周波数と反共振周波数とが
fr1<far1 <fr2<far2 、
fr3<far3 <fr4<far4 、
fr1<fr3、
far1 <far3 、
fr2<fr4、かつ
far2 <far4
を満たすように構成するようにすればよい。
【0017】
また、第1の弾性表面波共振子の反共振周波数far1 と第3の弾性表面波共振子の共振周波数fr3とが略一致させるとともに、第2の弾性表面波共振子の反共振周波数far2 と第4の弾性表面波共振子の共振周波数fr4とが略一致させるようにしてもよい。このような構成を採用することにより、far1 、fr3付近に第1の通過周波数帯域が形成され、far2 、fr4付近に第2の通過周波数帯域が形成される。
ここで、略一致させるとは、実質的に同一の周波数に一致させることだけでなく、通過周波数帯域を形成できる範囲であれば多少ずれていてもよい。
【0018】
また、本発明の弾性表面波フィルタは第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とを分離するようにしてもよい。すなわち、第1の弾性表面波共振子、第2の弾性表面波共振子、第3の弾性表面波共振子および第4の弾性表面波共振子の共振周波数と反共振周波数とを第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とが分離するように設定すればよい。このような構成により本発明の弾性表面波フィルタでは、周波数帯域の異なる複数の通信システムに対応することができる。
【0019】
また、本発明の弾性表面波フィルタは第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とが実質的に連続した周波数帯域を形成するようにしてもよい。すなわち、第1の弾性表面波共振子、第2の弾性表面波共振子、第3の弾性表面波共振子および第4の弾性表面波共振子の共振周波数と反共振周波数とを、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とが実質的に連続した周波数帯域を形成するように設定すればよい。このような構成により、本発明の弾性表面波フィルタでは、複数の通信システムの複数の周波数帯域を包含するような広い通過周波数帯域を得ることができる。
【0020】
また本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、fr1<far1 であるような共振周波数fr1、反共振周波数far1 を有する第1の弾性表面波共振子と、far1 <fr2<far2 であるような共振周波数fr2、反共振周波数far2 を有する第2の弾性表面波共振子とを直列接続した第1の共振部と、前記圧電性基板上に第1の共振部と並列に接続して形成され、fr3<far3 かつfar1 <far3 <fr2であるような共振周波数fr3、反共振周波数far3 を有する第3の弾性表面波共振子と、第3の弾性表面波共振子と直列接続されfar3 <fr4<far4 かつfar2 <far4 であるような共振周波数fr4、反共振周波数far4 を有する第4の弾性表面波共振子とを直列接続した第2の共振部とを具備したことを特徴とする。第1の共振部を直列椀に接続して直列椀共振部とし、第2の共振部を並列椀に接続して並列椀共振部とするようにしてもよいし、第2の共振部を直列椀に接続して直列椀共振部とし、第1の共振部を並列椀に接続して並列椀共振部とするようにしてもよい。
【0021】
本発明の周波数帯域の形成方法は、圧電性基板上に第1の弾性表面波共振子と第2の弾性表面波共振子とを直列接続して形成した第1の共振部と、前記圧電性基板上に第3の弾性表面波共振子と第4の弾性表面波共振子とを直列接続した第2の共振部とを接続し、第1の共振部の第1の弾性表面波共振子と第2の共振部の第3の弾性表面波共振子とにより第1の通過周波数帯域を形成するとともに、第1の共振部の第2の弾性表面波共振子と第2の共振部の第4の弾性表面波共振子とにより第2の通過周波数帯域を形成することを特徴とする。第1の共振部と第2の共振部との接続は、例えば第1の共振部を直列椀に、第2の共振部を並列椀に接続するようにしてもよいし、第2の共振部を直列椀に、第1の共振部を並列椀に接続するようにしてもよい。
【0022】
すなわち本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板上に設けられた複数の弾性表面波共振子を直列椀、並列椀に結合して構成した弾性表面波フィルタであって、その並列椀には直列に接続された複数の弾性表面波共振子を有する第1の共振部を備えたことを特徴とするものである。直列椀も同様に複数の弾性表面波共振子を有する第2の共振部により構成するよにしてもよい。
【0023】
このような構成を採用することにより、本発明の弾性表面波フィルタは並列椀においても複数の共振周波数、反共振周波数を有する弾性表面波素子を容易に得ることができ、さらに共振周波数、反共振周波数の設定の自由度が向上する。したがって、この並列椀と、並列椀と結合したに直列椀の弾性表面波共振子とにより、複数の分離した通過周波数帯域、あるいは広い通過周波数帯域を有する弾性表面波フィルタを得ることができる。
【0024】
第1の共振部、第2の共振部に設定する共振周波数、反共振周波数は、弾性表面波共振子を構成するIDT(Inter Digital Transduser)の膜厚、対数、開口長、IDT間距離、IDTのピッチ、反射器のピッチなどを変化させて調節するようにすればよく、あわせて外部回路とのインピーダンスとのマッチングをとるようにすればよい。
【0025】
ここでは共振部を弾性表面波共振子のみを使用した例について説明しているが、弾性表面波共振子とともに抵抗R、インダクタンスL、キャパシタンスCなどを組み合わせて本発明の弾性表面波フィルタを構成するようにしてもよい。また例えば圧電性基板上での配線の引き回しなどにより、抵抗R、インダクタンスL、キャパシタンスCなどが実装上必然的に付随する場合であっても、各共振部において、前述したような複数の共振周波数(共振点)と反共振周波数(反共振点)とが存在すれば、弾性表面波共振子の共振周波数、反共振周波数を調節することにより本発明の弾性表面波フィルタを構成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態ついてさらに詳細に説明する。
【0027】
(実施形態1)
図1は本発明の弾性表面波フィルタの構成の1例を模式的に示す図である。 この弾性表面波フィルタ10は、複数の弾性表面波共振子を直列椀と並列椀とに結合したラダー型の弾性表面波フィルタであり、第1の弾性表面波共振子1、第2の弾性表面波共振子2、第3の弾性表面波共振子3、第4の弾性表面波共振子とからなり、直列接続された第1の弾性表面波共振子1と第2の弾性表面波共振子とにより第1の共振部5が形成され、直列接続された第3の弾性表面波共振子3と第4の弾性表面波共振子4とにより第2の共振部6が形成されている。そして第1の共振部を並列椀として、第2の共振部を直列椀として結合しており、この例では、第1の共振部と第2の共振部とからなる区間を、帯域外減衰特性を向上させるために2段に接続したものである。
【0028】
図2は本発明の弾性表面波フィルタ10の電極パターンの1例を概略的に示す図である。図2に例示した電極構成では、図示しない圧電性基板上で入力パッド7と出力パッド8との間に直列椀として第2の共振部を2段に接続し、また、直列椀と接地パッド9との間に第1の共振部を接続した構成になっている。第1の共振部と第2の共振部との結合はインピーダンスが対称的に形成されるようT型あるいはπ型などに結合するようにしてもよい。この場合には、単区間の入出力側でのインピーダンスが等しくなり、入出力インピーダンスが等しいフィルタや、この区間を多段に接続したフィルタを構成しやすくなる。
この例では第1の共振部は第2の共振部の接続段間と、出力パッド側とで直列椀と結合したが、本発明の弾性表面波フィルタの構成はこれに限定されることはない。図3は本発明の弾性表面波フィルタ10の電極パターンの別の1例を概略的に示す図である。
【0029】
図4は第1の弾性表面波共振子のリアクタンスと周波数との関係の1例を模式的に示す図である。ここでfr i は共振周波数を、fari は反共振周波数を示している。
また図5は第2の弾性表面波共振子のリアクタンスと周波数との関係の別の1例を模式的に示す図である。
図6は、図4に例示したような特性を有する第1の弾性表面波共振子と図5に例示したような特性を有する第2の弾性表面波共振子を直列に接続したときのリアクタンスと周波数との関係を模式的に示す図である。図6からもわかるように、第1の弾性表面波共振子と第2の弾性表面波共振子とを直列接続した第1の共振部は、それぞれの弾性表面波共振子の共振周波数、反共振周波数に対応して、複数の共振周波数と複数の反共振周波数を有することになる。したがって、弾性表面波フィルタ10の並列椀は第1の弾性表面波共振子1、第2の弾性表面波共振子2に対応した複数の共振周波数(合成の前後では少しではあるがシフトする)、反共振周波数を有することになる。
いま、第1の弾性表面波共振子の共振周波数をfr1、反共振周波数をfar1 、第2の弾性表面波共振子の共振周波数をfr2、反共振周波数をfar2 とすると、
fr1<far1 <fr2<far2
のように共振周波数と反共振周波数とが交互に現れるようになっている。
【0030】
ここでは第1の弾性表面波共振子と第2の弾性表面波共振子とを直列接続した第1の共振部を例にとって説明したが、第3の弾性表面波共振子と第4の弾性表面波共振子とを直列椀に直列接続した第2の共振部についても全く同様である。すなわち、第2の共振部も、第3の弾性表面波共振子と第4の弾性表面波共振子とに対応した複数の共振周波数、反共振周波数に対応した複数の反共振周波数、反共振周波数を有し、第3の弾性表面波共振子の共振周波数をfr3、反共振周波数をfar3 、第4の弾性表面波共振子の共振周波数をfr4、反共振周波数をfar4 とすると、
fr3<far3 <fr4<far4
のように共振周波数と反共振周波数とが交互に現れるようになっている。
【0031】
このように第1の共振部と第2の共振部を複数の弾性表面波共振子を組み合わせることにより、複数の共振周波数および反共振周波数を有するように構成することができ、周波数設定の自由度を大きく向上することができる。
【0032】
図7は第1の共振部の周波数とリアクタンスとの関係の1例を示す図であり、図8は第2の共振部の周波数とリアクタンスとの関係の1例を示す図である。ここでは、第1の共振部を並列椀に、第2の共振部を直列椀に、接続したときの周波数とリアクタンスとの関係を示した。
ここでは、第1の弾性表面波共振子と第3の弾性表面波共振子とにより第1の周波数帯域を形成し、第2の弾性表面波共振子と第4の弾性表面波共振子とにより第2の通過周波数帯域を形成するように、それぞれの弾性表面波共振子の共振周波数fr i と反共振周波数fari とを設定している。
【0033】
例えば、並列椀の第1の共振部の低い方の反共振周波数far1 と直列椀の第2の共振部の低い方の共振周波数fr3とを略一致させることでfar1 (=fr3)付近に第1の通過周波数帯を形成し、また、並列椀の第1の共振部の高い方の反共振周波数far2 と直列椀の第2の共振部の高い方の共振周波数fr4を略一致させることでfar2 (=fr4)付近に第2の通過周波数帯を構成するようにすればよい。
【0034】
このように第1の弾性表面波共振子の反共振周波数far1 と第3の弾性表面波共振子の共振周波数fr3とを略一致させることにより、この周波数付近に第1の通過周波数帯域を形成することができ、また第2の弾性表面波共振子の反共振周波数far2 と第4の弾性表面波共振子の共振周波数fr4とを略一致させることにより、この周波数付近に第2通過周波数帯域を形成することができる。
【0035】
図9は本発明の弾性表面波フィルタの周波数特性示す図であり、図7に例示したような特性を有する第1の共振部と、図8に例示したような第2の共振部とがそれぞれ並列椀、直列椀として結合させてフィルタを構成している。この弾性表面波フィルタの電極パターンは図2に例示した電極パターンと同様に構成した。ここでは、fr1を790MHz付近に、far1 を820MHz付近に、またfr3を830MHz付近fr3を840MHz付近に設定することによりfar1 、fr3の周辺を通過域とし、fr1、far3 付近に急峻な減衰域を有する第1の通過周波数帯域を形成しており、同様にfr2を860MHz付近に、far2 を868MHz付近に、またfr4を877MHz付近far4 を910MHz付近に設定することによりfar2 、fr4の周辺を通過域とし、fr2、far4 付近に急峻な減衰域を有する第2の通過周波数帯域を形成している。
【0036】
図9に示したA領域は800ΜHz帯のPersonal Digital Cellular systemの基地局送信用帯域(810〜830MHz)に対応しており、B領域はA領域とは別の通信システムの基地局送信用帯域(870〜885ΜHz)に対応している。ここではA領域は第1の通過周波数帯域に十分包含されており、B領域も第2の通過周波数帯域に十分包含されていることがわかる。このように本発明の弾性表面波フィルタによれば、1個の弾性表面波フィルタに、2つの分離した周波数帯に通過周波数帯域を形成することができる。したがって並列に複数のフィルタを設ける必要がなくなり、フィルタ間で位相を調節するための素子を備える必要もなく、フィルタの構造を簡単にすることができる。
【0037】
また、例えば異なる通信システムで用いられていた複数の周波数帯域を1個の弾性表面波フィルタで取り込むことができる。したがって、周波数帯域を拡充し、より多くのチャンネルを確保することにより通信のトラフィックの増加に対応することができる。
さらに並列椀、直列椀に形成する共振部を複数の弾性表面波共振子により構成することにより、共振部内の複数の共振周波数あるいは反共振周波数の設定の自由度が大きく向上する。
【0038】
以上の説明では、2つの分離した通過周波数帯域を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の通過周波数帯域と第2の通過周波数帯域とをより近接させることにより、帯域内リップルは増加するものの、1つの広い通過周波数帯域を形成することができる。この場合にも本発明の弾性表面波フィルタの構成はそのまま適用することができ、また弾性表面波フィルタの周波数設計の自由度が大きくすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の弾性表面波フィルタによれば、直列に接続された複数の弾性表面波共振子により共振部を構成しているので、この共振部に所望の複数の共振周波数及び反共振周波数を設けることができる。そして複数の共振周波数及び反共振周波数を有する第1の共振部と第2の共振部とを結合することにより、1個の弾性表面波フィルタ内に複数の通過周波数帯を有する弾性表面波フィルタを提供することができる。また、1個の弾性表面波フィルタ内に広い通過周波数帯を有する弾性表面波フィルタを提供することができる。
【0040】
また本発明の弾性表面波フィルタによれば、従来はそれぞれ1つの通過周波数帯域を有する複数のフィルタを組み合わせることにより得られていた周波数特性を1個の弾性表面波フィルタで実現しているため、並列に設けたフィルタ間で位相を調節するための素子を備える必要などがなく、弾性表面波フィルタの構造が簡単であり、弾性表面波フィルタをより小型にすることができる。また生産性、製造コストも大きく向上することができる。
【0041】
また、本発明の弾性表面波フィルタによれば、例えば従来異なる通信システムで用いられていた複数の周波数帯域を1個の弾性表面波フィルタで取り込むことができる。したがって、周波数帯域の拡充し、より多くのチャンネルを確保することにより通信のトラフィックの増加に対応することができる。
【0042】
さらに、1個の弾性表面波フィルタで対応できる周波数帯域が増大するから、弾性表面波フィルタの汎用性が大きく向上することができる。
【0043】
また、本発明の周波数帯域の形成方法によれば簡単な構成で1個の弾性表面波フィルタ内に複数の通過周波数帯を形成することができる。また、1個の弾性表面波フィルタ内に広い通過周波数帯を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波フィルタの構成の1例を模式的に示す図。
【図2】本発明の弾性表面波フィルタの電極パターンの1例を概略的に示す図。
【図3】本発明の弾性表面波フィルタの電極パターンの別の1例を概略的に示す図。
【図4】第1の弾性表面波共振子のリアクタンスと周波数との関係の1例を模式的に示す図。
【図5】第2の弾性表面波共振子のリアクタンスと周波数との関係の別の1例を模式的に示す図。
【図6】第1の共振部のリアクタンスと周波数との関係の1例を模式的に示す図。
【図7】第1の共振部の周波数とリアクタンスとの関係の1例を示す図。
【図8】第2の共振部の周波数とリアクタンスとの関係の1例を示す図。
【図9】本発明の弾性表面波フィルタの周波数特性示す図。
【符号の説明】
1……第1の弾性表面波共振子、 2……第2の弾性表面波共振子
3……第3の弾性表面波共振子、 4……第4の弾性表面波共振子
5……第1の共振部 6……第2の共振部
7……入力パッド、 8……出力パッド
9……接地パッド 10……弾性表面波フィルタ
Claims (6)
- 圧電性基板と、
この圧電性基板上に形成され、共振周波数fr1と反共振周波数far1 とを有する第1の弾性表面波共振子と、
共振周波数fr2と反共振周波数far2 とを有する第2の弾性表面波共振子とを直列接続した並列椀共振部と、
前記圧電性基板上に並列椀共振部と接続して形成され、第1の弾性表面波共振子と第1の周波数帯域を形成するような共振周波数fr3と反共振周波数far3 とを有する第3の弾性表面波共振子と、
第3の弾性表面波共振子と直列接続され第2の弾性表面波共振子と第2の通過周波数帯域を形成するような共振周波数fr4と反共振周波数far4 とを有する第4の弾性表面波共振子とを直列接続した直列椀共振部と
を具備したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 第1の弾性表面波共振子、第2の弾性表面波共振子、第3の弾性表面波共振子および第4の弾性表面波共振子の共振周波数と反共振周波数は、
fr1<far1 <fr2<far2 、
fr3<far3 <fr4<far4 、
fr1<fr3、
far1 <far3 、
fr2 <fr4、かつ
far2 <far4
であることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。 - 第1の弾性表面波共振子の反共振周波数far1 と第3の弾性表面波共振子の共振周波数fr3とが略一致するとともに第2の弾性表面波共振子の反共振周波数far2 と第4の弾性表面波共振子の共振周波数fr4とが略一致したことを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
- 第1の周波数帯域と第2の周波数帯域は分離していることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
- 第1の周波数帯域と第2の周波数帯域は実質的に連続した周波数帯域を形成することを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
- 圧電性基板上に第1の弾性表面波共振子と第2の弾性表面波共振子とを直列接続して形成した第1の共振部と、前記圧電性基板上に第3の弾性表面波共振子と第4の弾性表面波共振子とを直列接続した第2の共振部とを並列接続し、第1の共振部の第1の弾性表面波共振子と第2の共振部の第3の弾性表面波共振子とにより第1の通過周波数帯域を形成するとともに、第1の共振部の第2の弾性表面波共振子と第2の共振部の第4の弾性表面波共振子とにより第2の通過周波数帯域を形成することを特徴とする通過周波数帯域の形成方法。
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