JP3713542B2 - ポッドプロペラ船用針路安定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポッドプロペラ船の船尾部において船体中心線に沿いスケグ(センタースケグ)を備えた船舶に関し、特に、そのスケグに付加物を備えることにより針路安定性の向上を図れるようにした、ポッドプロペラ船用針路安定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポッドプロペラ船において船尾船底面が後方へ緩やかに上昇した船型では、針路の安定性を図るためスケグを備えたものが用いられる。
そして、針路の安定性を十分に向上させるためには、従来はスケグを大きくすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のようにスケグを大きくすると、船舶の保針性能が向上する半面、スケグの後方におけるポッドプロペラの配置に支障を生じたり、スケグの浸水面積の増大による船体抵抗の増大を招いたりするという不具合がある。
そこで本発明は、船尾におけるスケグの後端部に付加物を備えて、航行中に同スケグの後端部から渦を拡散しやすくすることにより、船体の針路安定性の向上を図れるようにしたポッドプロペラ船用針路安定装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明のポッドプロペラ船用針路安定装置は、船尾船底下において船体中心線に沿い突設されたスケグを備えるとともに、同スケグの後方には船体から垂下されたポッドプロペラが鉛直軸線を中心として旋回可能に設けられており、上記スケグの少なくとも後端部において、その下縁部から左右の水中へ対称的に且つ水平に張り出した板状部材が設けられていて、同板状部材が、その後縁部の左右に、それぞれ個別に作動しうる可動フラップを備えていることを特徴としている。
【0005】
また、本発明のポッドプロペラ船用針路安定装置は、上記板状部材が、上記スケグの後部下端に形成された切欠き部に嵌め込まれて、同スケグの下端縁よりも下方へ突出しないように固着されていることを特徴としている。
【0006】
さらに、本発明のポッドプロペラ船用針路安定装置は、上記板状部材が、流線形の断面を有することを特徴としている。
【0007】
上述の本発明のポッドプロペラ船用針路安定装置では、船尾のスケグの少なくとも後端部において、後縁部に可動フラップを有する板状部材が左右の水中へ対称的に且つ水平に張り出すように付設されるので、航行時には上記可動フラップの後縁から後方へ渦を拡散し、これに伴い船体の旋回抵抗が増加するので、その結果、船体の針路安定性が向上するようになる。
【0008】
そして、上記板状部材は上記スケグの下縁部から水平に張り出すように設けられているので、上記渦は比較的深い水深位置で発生するようになり、スケグ後方の推進器に悪影響を及ぼすことはない。
【0009】
さらに、上記板状部材が、その後縁部の左右に、それぞれ個別に作動しうる可動フラップを備えているので、例えば船体が波浪の影響を受けて右舷側へ回頭する傾向を生じた際には左舷側の可動フラップのみを作動させて流速を低下させるという左右非対称な流れの生起により、船首を正常な方向へ戻す安定力が得られるほか、船尾の上昇時に上記左右の可動フラップを一斉に上方へ回動させ、船尾の下降時には逆に可動フラップを下方へ回動させることにより、船体のピッチングを積極的に抑制することもできる。
【0010】
また、上記板状部材が、上記スケグの後部下端に形成された切欠き部に嵌め込まれて同スケグの下端縁よりも下方へ突出しないように設けられると、上記板状部材を左右別体とすることなく一体物として強度的に有利に構成しながら、船体の入渠時には上記板状部材が妨げにならない利点が得られる。
【0011】
さらに、上記板状部材が、流線形の断面を有していると、同板状部材の装着による上記スケグ後端部(特に上記板状部材の両端部)から後方への渦の拡散を助長しながら、同板状部材自体の存在による抵抗の増大は大幅に軽減できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施形態としてのポッドプロペラ船用針路安定装置について説明すると、図1は同装置を備えた船舶の船尾部側面図、図2は図1のA−A矢視図である。
【0013】
図1,2に示すように、本実施形態のポッドプロペラ船用針路安定装置では、船尾船底面1aが後方へ緩やかに上昇したバトック船型を有する船体1の船尾船底下において、船体中心線に沿い突出したスケグ2が設けられている。
【0014】
そして、スケグ2の後部下端から左右の水中へ対称的に且つ水平に張り出した板状部材3が設けられている。なお、板状部材3はスケグ2の前部下端から後部下端まで全面的に設けられるようにしてもよい。
【0015】
また、スケグ2の後方には、船体1から垂下されたポッドプロペラ4が、鉛直軸線5を中心として旋回可能に設けられており、同ポッドプロペラ4では、図示しない船内のガスタービン駆動またはディーゼルエンジン駆動の発電機から供給される電力により、ポッド4a内のモーターが作動して、同モーターによりプロペラ4bの回転駆動が行われるようになっている。
【0016】
図1に示すように、スケグ2の後部下端に形成された切欠き部2aに板状部材3が嵌め込まれており、このようにして板状部材3はスケグ2の下端縁よりも下方へ突出しないように固着されている。
【0017】
さらに、板状部材3は、その後縁部の左右に、それぞれ個別に作動しうる可動フラップ3aを備えており、図示のごとく全体として流線形の断面を有している。なお、各可動フラップ3aの回動制御は、フラップ3の固定部内に設けられた図示しないフラップ駆動手段を船体の回頭センサや縦揺れセンサからの検出信号に基づき制御するようにして行われる。
【0018】
上述の本実施形態のポッドプロペラ船用針路安定装置では、航行時に、船尾においてスケグ2に付設された板状部材3における可動フラップ3aの後縁部から後方へ渦を拡散し、これに伴い船体1の旋回抵抗が増加するので、その結果、船体1の針路安定性が向上するようになる。
【0019】
そして、板状部材3はスケグ2の後端部の下縁部から左右の水中へ張り出すように設けられているので、上記渦は比較的深い水深位置で発生するようになり、スケグ後方のポッドプロペラ4に悪影響を及ぼすことはない。
【0020】
また、板状部材3が、スケグ2の後部下端に形成された切欠き部に嵌め込まれて同スケグ2の下端縁よりも下方へ突出しないように設けられることにより、板状部材3を左右別体とすることなく一体物として強度的に有利に構成しながら、船体の入渠時には板状部材3が妨げにならない利点が得られる。
【0021】
また、板状部材3が流線形の断面を有していると、同板状部材3の装着によるスケグ2の後端部(特に板状部材3との結合部付近)や板状部材3の両端部などからの後方への渦の発生および流出を助長しながら、同板状部材3自体の存在による抵抗の増大は大幅に軽減できるようになる。
【0022】
さらに、板状部材3が、その後縁部の左右に、それぞれ個別に作動しうる可動フラップ3aを備えているので、例えば船体が波浪の影響を受けて右舷側へ回頭する傾向を生じた際には左舷側の可動フラップのみを作動させて流速を低下させるという左右非対称な流れの生起により、船首を正常な方向へ戻す安定力が得られるようになり、また船尾の上昇時に左右の可動フラップ3aを一斉に上方へ回動させ、船尾の下降時には逆に可動フラップ3aを下方へ回動させることにより、船体1のピッチングを積極的に抑制することもできる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のポッドプロペラ船用針路安定装置によれば次のような効果が得られる。
(1) 船尾において、船体中心線に沿うスケグの少なくとも後端部から左右の水中へ対称的に且つ水平に張り出した可動フラップ付き板状部材が設けられているので、航行時には、上記可動フラップ付き板状部材を付設されたスケグ後端部から後方へ渦を拡散し、これに伴い船体の旋回抵抗が増加するので、その結果、船体の針路安定性が向上するようになる。そして、上記可動フラップ付き板状部材は上記スケグの後端部の下縁部から左右の水中へ張り出すように設けられているので、上記渦は比較的深い水深位置で発生するようになり、スケグ後方のプロペラに悪影響を及ぼすことはない。
(2) 上記板状部材が、その後縁部の左右に、それぞれ個別に作動しうる可動フラップを備えているので、例えば船体が波浪の影響を受けて右舷側へ回頭する傾向を生じた際には左舷側の可動フラップのみを作動させて流速を低下させるという左右非対称な流れの生起により、船首を正常な方向へ戻す安定力が得られるようになる。
(3) 上記板状部材が、上記スケグの後部下端に形成された切欠き部に嵌め込まれて同スケグの下端縁よりも下方へ突出しないように設けられると、上記板状部材を左右別体とすることなく一体物として強度的に有利に構成しながら、船体の入渠時には上記板状部材が妨げにならない利点が得られる。
(4) 上記板状部材が、流線形の断面を有していると、同板状部材の装着による上記スケグ後端部(特に上記板状部材の両端部)から後方への渦の拡散を助長しながら、同板状部材自体の存在による抵抗の増大は大幅に軽減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態としてのポッドプロペラ船用針路安定装置を備えた船舶の船尾部側面図である。
【図2】 図1のA−A矢視図である。
【符号の説明】
1 船体
1a 船尾船底面
2 スケグ
3 板状部材
3a 可動フラップ
4 ポッドプロペラ
4a ポッド
4b プロペラ
5 鉛直軸線
Claims (3)
- 船尾船底下において船体中心線に沿い突設されたスケグを備えるとともに、同スケグの後方には船体から垂下されたポッドプロペラが鉛直軸線を中心として旋回可能に設けられており、上記スケグの少なくとも後端部において、その下縁部から左右の水中へ対称的に且つ水平に張り出した板状部材が設けられていて、同板状部材が、その後縁部の左右に、それぞれ個別に作動しうる可動フラップを備えていることを特徴とする、ポッドプロペラ船用針路安定装置。
- 上記板状部材が、上記スケグの後部下端に形成された切欠き部に嵌め込まれて、同スケグの下端縁よりも下方へ突出しないように固着されていることを特徴とする、請求項1に記載のポッドプロペラ船用針路安定装置。
- 上記板状部材が、流線形の断面を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポッドプロペラ船用針路安定装置。
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JP2002303251A JP3713542B2 (ja) | 2002-10-17 | 2002-10-17 | ポッドプロペラ船用針路安定装置 |
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2002
- 2002-10-17 JP JP2002303251A patent/JP3713542B2/ja not_active Expired - Lifetime
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