JP3710060B2 - 木材保存剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材保存剤に関し、より詳細には木材が使用された建築物や家具等を浸食するシロアリやヒラタキクイムシ等の木材害虫、褐色腐朽菌であるオオウズラタケ、白色腐朽菌であるカワラタケなどの木材腐朽菌による木材腐朽、アスペルギルス・ニガー、オウレオバシディウム・プルランスなどの木材汚染菌による木材汚染の防止に有効な木材加害、腐朽、汚染防止剤を含む木材保存剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
シロアリやヒラタキクイムシ等の木材害虫の防除、およびオオウズラタケやイドタケ等の木材腐朽菌による腐朽、アスペルギルス・ニガー、オウレオバシディウム・プルランスなどの木材汚染菌による汚染を防止するため、種々の木材保存剤が知られている。その有効成分としては、防虫作用、木材防腐作用、殺菌作用、防カビ作用等を有する種々の化合物が知られている。しかし、これら従来より知られている木材保存剤は、人畜に対する安全性および環境に及ぼす影響が大きく、自然の生態系を破壊するおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、害虫に対して高い防虫効果、木材腐朽菌に対する高い防腐性を有し、さらに木材に発生して木材を汚染するカビに対しても高い防カビ性を有する木材保存剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、人畜に対して安全性が高く、環境に対して悪影響を及ぼすことのない木材保存剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、木材の害虫、木材腐朽菌および木材汚染菌を確実かつ効率良く防除できる木材保存剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意研究した結果、有効成分として
式(I)
【化6】
(式中R1、R2、R3、R4およびR16は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシまたはC1−4アルコキシであり、R1とR2は互いに連結して−O−(CH2)n−O−(nは1〜3の整数)で表される基であってもよく、R5はC1−4アルコキシであり、Xは−CH=CH−,−CH2−CH2− またはエポキシエチレンであり、結合手
【化7】
は単結合または二重結合であることを示す。)
で表される化合物が、前記課題を解決することを突き止め、さらに研究を重ねて本発明を完成した。
すなわち本発明は
(1)
有効成分として、式(I)
【化8】
(式中R1、R2、R3、R4およびR16は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシまたはC1−4アルコキシであり、R1とR2は互いに連結して−O−(CH2)n−O−(nは1〜3の整数)で表される基であってもよく、R5はC1−4アルコキシであり、Xは−CH=CH−、−CH2−CH2−またはエポキシエチレンであり、結合手
【化9】
は単結合または二重結合であることを示す。)で表される化合物を含有してなる木材保存剤、
(2)木材害虫の防除剤である(1)記載の木材保存剤、
(3)防腐剤である(1)記載の木材保存剤、
(4)防黴剤である(1)記載の木材保存剤、
(5)シロアリ防除剤である(1)記載の木材保存剤、
(6)
式(II)
【化10】
(式中R6はヒドロキシまたはC1−4アルコキシであり、R7は水素原子、ヒドロキシ、C1−4アルコキシであって、R6とR7が連結して−O−(CH2)n−O−(ただしnは1または2)で表される基であってもよく、R8は水素原子またはC1−4アルコキシ、R9はC1−4アルコキシ、R17は水素原子、ヒドロキシ又はC1−4アルコキシ、Xは前記と同義である。)で表される化合物、または
式(III)
【化11】
(式中R10は水素原子、ヒドロキシC1−4アルコキシであり、R11は水素原子、ヒドロキシであり、R10とR11は互いに連結して−O−(CH2)n−O−(ただしnは1または2)で表される基であってもよく、R12は水素原子またはヒドロキシ、R13はC1−4アルコキシであり、R18は水素原子、ヒドロキシ又はC1−4アルコキシ、Xは前記と同義である。)で表される化合物を有効成分として含有してなる木材保存剤、
(7)式(I)で表される化合物が、
(1) カワイン、又はカバイン
(2) 7,8−ジヒドロカワイン、又は7,8−ジヒドロカバイン
(3) ヤンゴニン、
(4) 5,6,7,8−テトラヒドロヤンゴニン、
(5) メチスチシン、
(6) 7,8−ジヒドロメチスチシン、
(7) シス−5−ヒドロキシカワイン、又はシス−5−ヒドロキシカバイン
(8) 11−メトキシ−12−ヒドロキシ−5,6−デビドロカワイン、又は11−メトキシ−12−ヒドロキシ−5,6−デビドロカバイン
(9) 7,8−ジヒドロヤンゴニン、
(10) 5,6−ジヒドロヤンゴニン、
(11) 11−メトキシヤンゴニン、
(12) 10−メトキシヤンゴニン、
(13) 11−ヒドロキシヤンゴニンまたは、
(14) 5,6−デヒドロメチスチシン、
である(1)記載の木材保存剤、および
(8)
式(IV)
【化12】
(式中、R14およびR15は水素原子または互いに連結してメチレシジオキシであり、Xは前記と同義である。)で表される化合物を有効成分として含有してなる木材保存剤、
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記式(I)で表される化合物を有効成分として含有してなる木材保存剤、より具体的には木材加害、腐朽、汚染防止剤である。
ここに木材加害とは、シロアリ、ヒラタキクイムシなどの木材害虫による木材の加害を意味し、木材腐朽とはオオウズラタケやイドタケなどの腐朽菌による木材の腐朽を意味し、木材汚染とは、アスペルギルス・ニガー、オウレオバシディウム・プルランスなどによる木材の汚染を意味する。本発明の木材保存剤はこれを木材に塗布、浸漬、加圧注入することにより、人畜に対する安全性が高く、自然の生態系を破壊することなく前述の木材加害、腐朽、汚染を防止することができる。
【0006】
本発明においては、上記式(I)で表される化合物の一種または二種以上を組み合わせて用いる。前記式(I)〜(III)において、R1〜R18で表されるC1−4アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシなどが挙げられる。R1とR2,R6とR7,R11とR12が連結して形成する−O−(CH2)n−O−(nは1〜3の整数)で表される基としては、−O−CH2−O−および−O−(CH2)2−O−等が挙げられる。
式(I)において、Xで示されるエポキシエチレンは、式
【化13】
で示される基である。
なお、式(III)において、R10,R11,12およびR18がともに水素原子,Xが−CH=CH−,R13がメトキンの化合物が一般名カワイン(Kawain)またはカバインと称される化合物である。
式(II)において、R6がメトキシ、R7,R8およびR17が水素原子H、R9がメトキシ、Xが−CH=CH−の化合物が一般名ヤンゴニン(Yangonin)と称される化合物である。
式(III)において、R10−R11が−O−CH2−O−,R12およびR18が水素原子、R13がメトキシ,Xが−CH=CH−の化合物が一般名メチスチシン(Methysticin)と称される化合物である。
式(I)で表される化合物は、木材害虫の木材摂食を防止し、木材腐朽菌や木材汚染菌の発生、繁殖を防止する作用を有し、しかも人畜に対する安全性が高く、環境に対して悪影響を及ぼさない。
式(I)に含まれる化合物の中でも、式(II)および式(III)で表される化合物が効果において優れており、式(IV)で表される化合物が特に優れている。
【0007】
式(I)で表される化合物は、公知の化合物であり、たとえば、F. Kellerら、LLOYDIA Vol. 26, No.1, 1-15(1963)、 Georg Boonenら、Planta Media Vol. 64, 504-506(1998)、 特開2001−316260号、特開平8−133941号およびTorsten Reffstrupら、Acta Chemica Scandinavica B30 613-618(1976)に化合物の入手方法が記載されている。
なお、式(I)で示される化合物の中には、置換基の組み合わせにより文献未載の化合物も含まれているが、それらの化合物も前記文献に記載の合成法に準じ、化合物合成の常法に従って合成することができる。
また本発明に使用される化合物は、それらの配糖体であってもよい。配糖体を形成する糖としては、たとえば、グルコース、ガラクトース、ラムノースなどが挙げられる。
【0008】
本発明の木材保存剤は、上記有効成分原料を含んでいる限り、その製剤の形態は特に制限されない。また、本発明の木材保存剤は、製剤化されていてもよい。前記製剤形態として、例えば、溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤、ローションなどの液剤;粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤、発泡剤などの固形剤;ペースト剤、クリームなどの半固形剤噴霧剤、エアゾール剤;などが挙げられ、これらは使用目的や適用場所、部位に応じて適宜選択できる。これらの製剤は、慣用の方法で製造できる。
前記液剤は、例えば化合物を適当な溶媒や希釈剤または担体を用いて希釈することにより製造できる。なお、水和剤の場合には、さらに固体希釈剤または担体を用いてもよい。
【0009】
前記液体希釈剤または担体としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−オクタノール、2−ブチル−オクタノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノールなど一価アルコールのみならず例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどのアルコール類;エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、環状エーテル(例えば、ジオキサン、テロラヒドロフランなど)、モノ又はジアルキレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルなど)などのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソオブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ラウリン酸n−ブチルなどのエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン炭化水素類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル類;ギ酸、酢酸、オレイン酸などのカルボン酢酸;N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。可塑剤(例えば、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどのエステル系可塑剤など);ケロセンなどの石油系溶剤;エチルナフタリン、フェニルキシリルエタンなどの芳香族炭化水素;2−エチルヘキシルフェニルホスフェートなどのリン酸エステルなども使用できる。これらの液体希釈剤や担体は、一種または二種以上混合して使用できる。前記固体希釈剤または担体としては、例えば、ケイソウ土、雲母、粘土、カオリン、タルク、石英粉末、ベントナイトなどが挙げられる。これらの固体希釈剤または担体も、単独または二種以上の混合物として用いることができる。
【0010】
前記固形剤は、例えば、前記化合物を適当な固体希釈剤または担体で希釈したり造粒することにより製造できる。固体希釈剤または担体としては、前記例示の固体希釈剤以外に、滑石粉、ロウ粉などのタルク類、微粉末クレイなどのクレイ類や炭酸カルシウムなどの鉱物性粉末;木粉、活性炭、澱粉などの植物性粉末;農薬、園芸用製剤などに繁用される各種担体が挙げられる。これらの固形希釈剤や担体は、増量剤として使用される場合も多い。固形希釈剤や担体も、一種または二種以上混合して使用できる。
【0011】
前記エアゾール剤は、例えば、前記化合物を必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射剤と共に容器に充填することにより製造できる。溶剤としては、例えば、前記例示の溶媒などが挙げられる。噴射剤としてはアルコール(例えばプロパノール)、液化天然ガスなどが挙げられる。
【0012】
なお、本発明の木材保存剤は、製剤の種類に応じて、必要により種々の添加剤、例えば、防腐・防カビ剤;酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤;結合剤;皮膜形成能を有する樹脂;乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤;増粘剤;流動助剤;固結防止剤;凝集剤;紫外線散乱剤;水分除去剤;着色剤などを含んでいてもよい。
【0013】
前記防腐・防カビ剤としては、例えば、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマールなどの有機ヨード系化合物;2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾールなどのベンズイミダゾールおよびベンゾチアゾール系化合物;1−(2(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、1−(2(2’,4’−ジクロロフェニル)−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、α−(2−(4−クロロフェニル)エチル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールなどのトリアゾール系化合物;ジンクービス−(2−ピリジン−チオール−1−オキシド)フタル酸亜鉛などの有機亜鉛等、4−イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸n−ブチルなどの安息香酸類、ホウ砂などの天然化合物、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0014】
防腐・防カビ剤としては、(1)上記したものでもよく、(2)次の式(V)で表される化合物でもよく、(3)上記したものと次の式(V)で表される化合物とを同時に用いる場合でもよい。
該(3)の場合が、優れた防腐・妨カビ効果を発揮することがある。
【0015】
前記防腐・防カビ剤として、一般式
【化14】
(式中、R21およびR22は、同一または異なって、炭素数1〜18のアルキル又は炭素数2〜18のアルケニルを示し、R23およびR24は、同一又は異なって水素原子、ヒドロキシ、アミノ、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数1〜6のアルコキシを示し、R25は炭素数2〜18のアルキレン、炭素数3〜18のアルケニレン、フェニレン、又はキシリレンを示し、これらは炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル又はハロゲンで置換されていてもよく、Y1は、−NHCO−、−CONH−、−NHCS−、−COO−、−COS−、−O−または−S−を、Y2は、−CONH−、−NHCO−、−CSNH−、−OOC−、−SOC−、−O−または−S−を示し、Z−はアニオンを示す。)を用いると、優れた防腐・妨カビ効果を奏するので、好ましい。
【0016】
上記式(V)中、R21およびR22で示される炭素数1〜18のアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec.−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどが挙げられる。
上記式中、R21およびR22で示される、炭素数2〜18のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプチニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニルなどが挙げられる。
上記式中、R23およびR24で示される炭素数1〜6のアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec.−ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0017】
上記式中、R23およびR24で示される炭素数1〜6アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ、tert.−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、が挙げられる。
上記式中、R25で示される炭素数2〜18アルキレンとしては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec.−ブチレン、ペンチレン、イソペンチレン、sec.−ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、2−エチルヘキシレン、ノニレン、デシレン、イソデシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレン、オクタデシレンなどが挙げられる。
【0018】
上記式中、R25で示される炭素数3〜18アルケニレンとしては、例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、オクテニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、テトラデセニレン、ヘキサデセニレン、オクタデセニレンなどが挙げられる。
R25で示される基の置換基としては、たとえば、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数2〜6のアルコキシカルボニルなどが挙げられる。
【0019】
該炭素数1〜6のアルキルとしては、上記したR23およびR24で示されるそれと同様のものが挙げられる。
該炭素数1〜6のアルコキシとしては、上記したR23およびR24で示されるそれと同様のものが挙げられる。
【0020】
該炭素数1〜6のアルコキシカルボニルとしては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec.−ブトキシカルボニル、tert.−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
該ハロゲンとしては、たとえば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
一般式(I)の式中、Zで示されるアニオンとしては、たとえば、ハロゲンイオン(例えば、Cl−、Br−、I−など)、硝酸イオン(NO3−)などの無機アニオンや、例えば、酢酸イオン(CH3COO−)、プロピオン酸イオン(C2H5COO−)などの有機酸アニオンが挙げられる。これらの中で好ましいものとしては、無機アニオンが挙げられる。
【0021】
このようなビス四級アンモニウム塩化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー38A、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー136、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムアセテート )(ダイマー136A、イヌイ社製)、1,4−テトラメチレンビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウムブロマイド)、1,6−ヘキサメチレンビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウムブロマイド)、1,6−オクタメチレンビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウムブロマイド)、3,3’−(1,3−トリメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウムブロマイド)、4,4’(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウムアイオダイド)、3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウムブロマイド)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウムブロマイド)、N,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウムブロマイド)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクチルピリジニウムブロマイド)、3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウムドデシルピリジニウムブロマイド)、4,4’−(1,8−オクタメチレンジオキシ)ビス(1−ドデシルピリジニウムブロマイド)、3,3’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシ)ビス(1−ヘキサドデシルピリジニウムブロマイド)、4,4’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−オクチルピリジニウムブロマイド)、3,3’−(1,6−テトラメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−ドデシルピリジニウムブロマイド)、4,4’−(1,4−テトラメチレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−オクチルピリジニウムブロマイド)、3,3’−(p−フタロイルジオキシ)ビス(1−デシルピリジニウムクロライド)、4,4’−(1,8−オクタメチレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−オクタデシルピリジニウムブロマイド)、3,3’−(m−フタロイルジチオキシ)ビス(1−デシルピリジニウムアイオダイド)などが挙げられる。これらのうち、N、N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー38A、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー136、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー136A、イヌイ社製)を用いるのが特に好ましい。
【0022】
前記式(V)の化合物は、特開平9−110692号公報、特開平10−95773号公報、特開平10−287566号公報、特開2000−136185号公報に記載の方法またはそれらに準ずる方法により製造することができる。
これらビス四級アンモニウム塩化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0023】
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオビス−6−t−ブチル−3−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール(2−t−ブチル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノールの混合物)、P−オクチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)−(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ペンタエリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)〕プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤;2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノリンなどのヒドロキノリン系酸化防止剤;ジラウリルチオジウロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイトなどのリン酸系酸化防止剤などが例示できる。
【0024】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸フェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系化合物;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エトキシ−2’−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
【0025】
皮膜形成能を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレフィン、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示できる。
【0026】
乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤、としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの慣用の界面活性剤が使用できる。アニオン系界面活性剤には、例えば、金属石鹸類、硫酸アルキルナトリウムなどの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、〔例えば、竹本油脂(株)製、商品名ニューカルゲンBX−C〕などのアルキルナフタレンスルホン酸、2−スルホコハク酸ジアルキルナトリウム〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ネオコールSW−C〕などの2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリカルボン酸型界面活性剤〔例えば、三洋化成(株)製、商品名トキサノンGR−30〕、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ディクスゾール60A〕、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。ノニオン系界面活性剤には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名イノゲン・イーエー−142(EA−142)〕ポリオキシエチレンアリールエーテル、樹脂酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコーポリオキシエチレン、ショ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体〔例えば、三洋化成(株)製、商品名ニューポールPE−64〕などが例示できる。
【0027】
増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、ジュランガム、ポリアクリル酸とその塩などが例示でき、流動助剤として、PAP助剤(例えば、イソプロピルリン酸)、ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属塩、パラフィン、シリコーンオイルなどの有機滑剤、タルクなどの無機滑剤が例示できる。固結防止剤として、例えば、ホワイトカーボン、珪藻土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンなどが挙げられる。凝集剤としては、例えば、流動パラフィンエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソブチレン重合体〔例えば、出光石油化学(株)製、商品名IPソルベント−2835〕などが挙げられる。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンなどが例示できる。水分除去剤としては、無水石膏、シリカゲル粉末などの乾燥剤が挙げられる。着色剤には、例えば、有機または無機顔料や染料が含まれる。
【0028】
本発明の木材保存剤は、他の防虫剤や害虫忌避剤、効力増強剤を含んでいてもよい。前記他の防虫剤としては、例えば、ホキシム、クロルピリホス、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、イソフェンホスなどの有機リン系化合物;バッサ、プロポキサーなどのカルバメート系化合物;シフルトリン、ペルメトリン、トラロメトリン、フェンバレレート、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、ビフェントリンなどのピレスロイド系化合物、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフランなどのネオニコチノイド系化合物、フィプロニールなどのフェニルピラゾール系化合物、ベンスルタップなどのネライストキシン系化合物、クロロフェナピル、ヒバ油、ヒバ中性油、デカン酸、オクタン酸等の脂肪酸(日本特許第2925081号)、オクタノール、ラウリルアルコール、デカノール、イソデカノール、カプリン酸メチル、カプリン酸メチル(日本特許第2919280号)やホウ酸などの他、ニーム(特開平3−41011号公報)、モリンガ属、マラー属をはじめとした植物(特開平6−329514号公報)などが挙げられる。また、昆虫成長制御剤(IGR)として知られているルフェヌロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロンなどのキチン合成阻害剤やメトプレン、ハイドロプレンなどの幼若ホルモン様化合物を含んでいてもよい。さらにMGK264、イソボルニルチオシアノエチルエーテルのなどの共力剤を含んでいてもよい。
【0029】
前記有効成分の含有量は、木材保存剤の剤型や適用方法に応じて適宜選択することができる。液剤、半固形剤または固形剤の場合、前記成分の濃度は木材保存剤中、前記化合物として、例えば、0.01〜80重量%、好ましくは、0.1〜30重量%程度である。前記木材保存剤がエアゾール剤の場合、容器に充填される充填物中の前記成分の濃度は、化合物として、例えば、0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10%程度である。
【0030】
本発明の木材保存剤は、木材害虫、木材腐朽菌および木材汚染菌、特に木材害虫であるシロアリに適用できる。本発明に係る木材保存剤の対象となる木材害虫としては例えばシロアリ目、コウチュウ目、ハチ目に属する昆虫が挙げられる。前記シロアリ目に属する昆虫の具体例としては、例えば、ヤマトシロアリ、イエシロアリ等のミゾガシラシロアリ科に属するもの、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリ等のレイビシロアリ科に属するものが挙げられる。前記コウチュウ目に属する昆虫の具体例としては、ヒラタキクイムシ、ナラヒラタキクイムシ、ケヤキヒラタキクイムシ、アラゲヒラタキクイムシ等のヒラタキクイムシ科に属するもの、ケブカシバンムシ、マツザイシバンムシ、クシヒゲシバンムシ、クロノコヒゲシバンムシ、チビキノコシバンムシ等のシバンムシ科に属するもの、チビタケナガシンクイムシ、ニホンタケナガシンクイムシ、コナナガシンクイムシ、オオナガシンクイムシ等のナガシンクイムシ科に属するもの、イエカミキリ等のカミキリムシ科に属するもの、オサゾウムシ等のオサゾウムシ科に属するもの、サクセスキクイムシ等のキクイムシ科に属するものが挙げられ、その他にタマムシ科やゾウムシ科に属するものが挙げられる。前記ハチ目に属する昆虫の具体例としては、例えばクマバチ等のコシブトハナバチ科に属するもの、ムネアカオオアリ等のアリ科に属するものが挙げられる。本発明に係る木材保存剤の対象となる木材腐朽菌としては種々の菌類、例えば、褐色腐食菌(例えば、オオウズラタケ、イドタケ、キカイガラタケ、キチリメンタケ、ナミダタケ)や白色腐朽菌(たとえばカワラタケ)などが挙げられる。本発明の木材保存剤の対象となる木材汚染菌としては、例えばアスペルギルス・ニガー、オウレオバディウム・プルランスなどが挙げられる。本発明の木材保存剤を、害虫、特にシロアリなどの家屋害虫の防除および、木材腐朽菌、木材汚染菌に使用すると、少量の使用量で高い効率で防除できる。
【0031】
本発明の木材保存剤を用いた保存法としては、害虫や木材腐朽菌の侵入源や発生源、例えば、台所、浴室、居間、床のコーナー部、床下、天井、土台、柱、壁、家具などの木製製品、土壌などに前記木材保存剤を適用すればよい。木材保存剤の適用方法には、木材摂食害虫、木材腐朽菌、木材汚染菌の侵入源や発生源に応じた種々の態様、例えば、塗布、散布、浸漬、注入、混和、噴霧、などの方法が含まれる。これらは、木材を守ることができれば、処理方法は特に限定されず、例えば、直接木材を処理する以外に、基礎断熱剤処理や、土中に埋め込むなどの方法を行ってもよい。また、接着剤に混入するなどして合板用、集成材用、木質ボード用などに適用してもよい。なお、土壌に適用する場合、土壌表面への散布、土壌に形成した溝への散布、土壌との混和などにより保存剤を適用できる。また、木材保存剤は、合成樹脂シート、紙、布などのシート状基剤に、塗布、含浸、混練などにより保持させてシート剤を調整し、これを前記害虫の侵入個所や発生個所などに載置したり貼りつけたりすることによっても、有効に作用させることができる。
【0032】
【実施例】
以下、試験例及び実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、%は重量基準である。
【0033】
【0034】
【0035】
以上の実施例1から3における7,8−ジヒドロカワインはアセトン溶液を調製し、所定濃度となるまでヒノキ木粉に対して混合、風乾を繰り返して調整した。また、実施例1から3の処方例は、水で5倍〜10倍希釈すれば水和剤として散布できるし、そのまま粉剤としてあるいは水で希釈して木部被害部に詰めることもできる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
実施例4〜8の木部処理油剤はいずれも木部浸透性が良好で、優れた木材防腐・防カビ効果が奏される。
【0041】
【0042】
【0043】
試験例1
(1)摂食阻害試験
表1に示す各化合物の1w/w%アセトン溶液(ただしヒスピジンの場合は1w/w%メタノール溶液)を調製した。
この液に、1X1cmのNo.2濾紙を浸漬し、引き上げて風乾した。これを予めイエシロアリ職蟻100頭を飼育しておいた11Kビンに入れ摂食の様子を観察した。ヒスピジンはCalbiochem社製の試薬を用いた。その結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
試験例2
(1)木材腐朽防止試験
表2に示す化合物の5w/w%アセトン溶液を調製した。この液に1X1cmのNo.2濾紙を浸漬し、引き上げて風乾した。この試験片を予めシャーレにPDA培地を敷いた培地上に培養しておいたオオウズラダケ(Fomitopsis palustris)の上に置き、抗菌試験を行った。8週間後の状態を表2にまとめた。
【0046】
【表2】
【0047】
試験例3
(1)木材汚染菌発育阻止試験
表3に示す化合物の5w/w%アセトン溶液を調製した。この液に1X1cmのNo.2濾紙を浸漬し、引き上げて風乾した。得られた濾紙に、木材汚染菌4種の胞子を混合した懸濁液を約2ml散布し、2%寒天培地を敷いたシャーレ上での菌の発育を3日間視察した。その結果を表3に示す。
使用汚染菌
アルペルギス・ニガー
ペニシリウム・フニクロスム
オウレオバシディウム・プルランス
グリオクラディウム・ビレンス
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】
本発明の木材保存剤は、木材害虫による木材摂食を防止し、木材腐朽菌や木材汚染菌の発生、繁殖を防止する作用を有し、しかも人畜に対する安全性が高く、自然環境に対する悪影響のない優れた木材保存剤である。
Claims (7)
- 式(II)
式(III)
- 木材害虫の防除剤である請求項1記載の木材保存剤。
- 防腐剤である請求項1記載の木材保存剤。
- 防黴剤である請求項1記載の木材保存剤。
- シロアリ防除剤である請求項1記載の木材保存剤。
- 式( II )または( III )で表される化合物が、 (1) カワイン、又はカバイン、 (2) 7,8−ジヒドロカワイン、又は7,8−ジヒドロカバイン、 (3) ヤンゴニン、 (4) 5,6,7,8−テトラヒドロヤンゴニン、 (5) メチスチシン、 (6) 7,8−ジヒドロメチスチシン、 (7) シス−5−ヒドロキシカワイン、又はシス−5−ヒドロキシカバイン、 (8) 11−メトキシ−12−ヒドロキシ−5,6−デヒドロカワイン、又は11−メトキシ−12−ヒドロキシ−5,6−デヒドロカバイン、 (9) 7,8−ジヒドロヤンゴニン、 (10) 5,6−ジヒドロヤンゴニン、 (11) 11−メトキシヤンゴニン、 (12) 10−メトキシヤンゴニン、 (13) 11−ヒドロキシヤンゴニンまたは (14) 5,6−デヒドロメチスチシン、である請求項1記載の木材保存剤。
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