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JP3709628B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池 Download PDF

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JP3709628B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ一体型VTR、携帯電話、ラップトップコンピューター等のポータブル電子機器の電源に適用して好適な非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR、携帯電話、ラップトップコンピューター等の新しいポータブル電子機器が次々に出現し、ますますその小型軽量化が図られ、それに伴って、携帯可能なポータブル電源として二次電池が脚光を浴び、さらに高いエネルギー密度を得るため活発な研究開発がなされている。
【0003】
そのような中、鉛電池、ニッケルカドミウム電池等の水系電解液二次電池よりも高いエネルギー密度を有する二次電池として非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池が提案され、実用化が始まった。
【0004】
リチウムイオン二次電池の電池形態としては、スパイラル状に巻回した電極を円筒形ケースに挿入した筒形電池と、折り込んだ電極や矩形状積層電極、また楕円状に巻回した電極を角形のケースに挿入した角形電池がある。後者の角形電池は、筒形電池よりもスペース効率が高く、近年の機器薄形化に伴い要求が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の小型二次電池は通常の使用はもちろんのこと、真夏の車中においても使用され、高い信頼性が要求される。特に角形の電池ケースは円筒形と比べ強度が弱いため電池内圧の上昇にともない変形しやすい。そのため、機器内部に収納するようなタイプの電池の場合、高温に曝すと電池の膨張によって取り出せなくなったり、機器を破損してしまうことがあった。予め寸法に余裕を持たせようとすればエネルギー密度が低下し十分な作動時間が得られなかった。
【0006】
また、リチウムイオン二次電池の正極及び負極材料はそれぞれの結晶中にリチウムイオンを出し入れすることで充放電を行うが、その際に結晶の膨張収縮を伴う。前記のごとく円筒形ケースは強度が高く、正負極の膨張によってもケースが変形しない。そのため電極間が十分密着されイオンの移動反応がスムーズとなり優れた電池特性を示す。一方、角形電池では電極間が十分密着されるまえにケースの変形が起こり良好な電池特性が得られなかった。
【0007】
そこで本発明は、このような従来の実情を鑑みて提案されたものであって、電極間が十分密着され、さらに高温に曝された場合でも電池ケースの膨張を抑えることで、高い信頼性と高エネルギー密度の非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、発明者らが鋭意検討したところ、特定の形状を有する電池ケースを用いることで電池反応が円滑に進み、さらに高温に曝されても電池ケースの膨張を抑制できることを見い出した。
【0009】
本発明の電池ケースは、角形電池などの扁平な形状において、最も面積の大きい面(以後広幅面と略す)に電池内部に突き出た変形部分を一つ以上の有することを特徴とするものである。
【0010】
その一例を図1に示す。寸法(F)に狭められたケースの中に一定厚み寸法(G)の電極素子を挿入する。充電によって電極素子は膨張するが、変形部分のスプリングバック等により、電池厚みとしては当初の寸法である(E)に収まる(図2)。
【0011】
一方、図3には変形部分を有しない場合を示した。充電によって電極素子は膨張するが、電池厚みは当初の寸法である(E)を越えて膨張し、電池特性も低下する。
【0012】
さらに、変形部分を有するケースを用いた場合は電池を高温に曝してもスプリングバック等により、厚み増加が抑制される。
【0013】
本発明の非水電解液二次電池において、正負極材料の種類によって電極素子の膨張する程度も異なり、それに合わせて材質、寸法、変形部分の形状、その個数が適宜選択可能である。
【0014】
また、本発明に用いる電池ケースの材質は強度や、その加工性を考慮し適宜選択可能である。利用可能なものとしては、鉄、ニッケル、ステンレス、アルミ等であり、非水電解液などで腐食が起こる場合はメッキ等を施すことにより使用可能となる。
【0015】
本発明の扁平形状を有する電池ケースは、いかなる方法によっても製造可能である。例えば、前記種々の材質からなる鋼板等を少なくとも一組以上の雄雌からなる金型を用いて、何段階かにわけてしぼり成形加工をすることによって作製することができる。そして、さらにしぼり成形前あるいは成形後に別な金型によって型押し成形することにより本発明の凹み変形された缶とすることができる。
【0016】
また、変形部分の寸法はケース材質、電極素子の膨張の程度と密接な関係があり、最適組み合わせが存在する。膨張が小さい電極素子を用いた場合には、変形の程度を大きくしすぎると、充電しても変形部分が戻らず、その体積が無駄となり体積当りのエネルギー密度のロスとなる。
【0017】
さらに、本発明の二次電池について詳細な説明を行う。
本発明の二次電池は正極と負極とが樹脂製多孔質セパレータで絶縁された電極素子を有し、非水電解液を注入してなるが、内部方向に凸部を一つ以上有する電池ケースを使用したことを特徴とする。
【0018】
また、凸部を有する面に垂直な方向における素子挿入前のケース内厚みは、電極素子厚みに対して1.09倍未満が好ましく、1.05倍以下がさらに好ましい。
さらに、凸部を有する面に垂直な方向における素子挿入前のケース内厚みは、電極素子厚みに対して0.3以上が好ましく、0.5以上がさらに好ましい。
【0019】
また、本発明において十分その効果を得るためには、変形部分(C)の面積を広幅面の0.5%〜20%の比とするのが好ましい。
さらに変形部分(C)の形状は円形が好ましく、四角形がさらに好ましい。
【0020】
本発明の二次電池には、平板な正負極の組み合わせを複数積み重ねてなる積層式電極素子や、短冊状の正負極を楕円形に巻き回してなる楕円式電極素子を使用することができる。
【0021】
積層式電極素子の場合は、積層面に垂直で且つ内部の方向に凸部を有する電池ケースを使用することがことが好ましい。また、楕円式電極素子の場合は、素子の長径に垂直で且つ内部の方向に凸部を有する電池ケースを使用することが好ましい。
【0022】
本発明の負極材料について説明する。
負極として利用可能な材料は、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン等の比較的電位が卑な酸化物やその他酸化物や炭素材料などが上げられる。
【0023】
負極に用いる炭素材料は、この種の二次電池に用いられるものはいずれも使用可能であるが、特に以下に列挙される炭素材料が好適である。
【0024】
まず第一に、有機材料を焼成等の手法により炭素化して得られる炭素材料である。
出発原料となる有機材料としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)等の共役系樹脂、セルロースおよびその誘導体、任意の有機高分子系化合物を使用することが出来る。
【0025】
その他、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、その他誘導体(例えばこれらのカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミド等)、前記各化合物の混合物を主成分とする各種ピッチ、アセナフチレン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合複素環化合物、その誘導体も使用可能である。
【0026】
また、特にフルフリルアルコールあるいはフルフラールのホモポリマー、コポリマーよりなるフラン樹脂も好適である。このフラン樹脂を炭素化した炭素質材料は、(002)面の面間隔が0.370nm以上、真密度1.7g/cc以下かつDTAで700℃以上に酸化発熱ピークを持たず、電池の負極材料として非常に良好な特性を示す。
【0027】
これら有機材料を焼成する温度としては、出発原料によっても異なり、通常は500〜2000℃とされる。
【0028】
あるいは、特定のH/C原子比を有する石油ピッチに酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)したものも前記フラン樹脂と同様、炭素化したときに優れた特性を発揮することから、前記有機材料として使用することが可能である。
【0029】
前記石油ピッチは、コールタール、エチレンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によって得られる。
【0030】
このとき、石油ピッチのH/C原子比が重要で、難黒鉛化炭素とするためにはこのH/C原始比を0.6〜0.8とする必要がある。
【0031】
これらの石油ピッチに酸素を含む官能基を導入する具体的な手段は限定されないが、例えば硝酸、混酸、硫酸、次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、あるいは酸化性ガス(空気、酸素)による乾式法、さらに硫黄、硝酸アンモニア、過硫酸アンモニア、塩化第二鉄等の固体試薬による反応などが用いられる。
【0032】
例えば、上記の手法により石油ピッチに酸素を導入した場合、炭素化の過程(400℃以上)で溶融することなく固相状態で最終の炭素質材料が得られ、それは難黒鉛化炭素の生成過程に類似する。
【0033】
前述の手法により酸素を含む官能基を導入した石油ピッチを炭素化して負極材とするが、炭素化の際の条件は問わず、(002)面の面間隔が0.370nm以上、真密度1.7g/cc以下かつDTAで700℃以上に酸化発熱ピークを持たないという特性を満足する炭素質材料が得られるように設定すれば、単位重量あたりのリチウムドープ量の大きなものが得られる。これは、例えば石油ピッチを酸素架橋した前駆体の酸素含有量を10重量%以上とすることで、(002)面の面間隔を0.370nm以上とすることが出来る。したがって、前記前駆体の酸素含有量は10重量%以上にすることが好ましく、実用的には10〜20重量%の範囲である。
【0034】
以上の原料有機材料を用いて炭素質材料を得る場合、例えば、窒素気流中、300〜700℃で炭化した後、窒素気流中、昇温速度毎分1〜20℃、到達温度900〜1300℃、到達温度での保持時間0〜5時間程度の条件で焼成すれば良い。勿論、場合によっては炭化操作を省略しても良い。
【0035】
さらには、前記フラン樹脂や石油ピッチ等を炭素化する際にリン化合物、或いはホウ素化合物を添加することで、リチウムドープ量の大きな特殊な負極化合物も使用可能である。
【0036】
リン化合物としては、五酸化リンなどのリンの酸化物や、オルトリン酸等のオキソ酸やその塩等が挙げられるが、取扱やすさ等の点からリン酸化物及びリン酸が好適である。
【0037】
添加するリン化合物の量は、有機材料もしくは炭素質材料に対してリン換算で0.2〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%、また負極材料中に残存するリンの割合は0.2〜9.0重量%、好ましくは0.3〜5重量%とする。
【0038】
ホウ素化合物としては、ホウ素の酸化物或いはホウ酸を水溶液の形で添加することができる。添加するホウ素化合物の量は、有機材料もしくは炭素質材料に対してホウ素換算で0.2〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%、また負極材料中に残存するホウ素の割合は0.2〜9.0重量%、好ましくは0.3〜5重量%とする。
【0039】
また、黒鉛類はコークスやガラス状炭素等の低温処理炭素材料と比較して真密度が高いので、活物質としての電極充填性が高く、それ故設計上においては高エネルギー密度の二次電池が可能となる。
【0040】
高い電極充填性を与える真密度の大きい材料としては、黒鉛類の炭素材料が好適である。そのなかでも、より高い電極充填性を得るには、真密度が2.1g/cm3 以上が好ましく、2.18g/cm3 以上がさらに好ましい。そのような真密度を得るには、X線回折法で得られる(002)面間隔が好ましくは0.339nm未満、さらに好ましくは0.335nm以上、0.337nm以下を満足し002面のC軸結晶子厚みが16.0nm以上、さらに好ましくは300nm以上であることが必要である。
【0041】
前記物性を示す炭素材料の代表としては、天然黒鉛があげられる。また、有機材料を炭素化し、さらに高温処理された人造黒鉛も前記結晶構造パラメータを示す。
【0042】
上記人造黒鉛を生成するに際して出発原料となる有機材料としては、石炭やピッチが代表的である。
【0043】
ピッチとしては、コールタール、エチレンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によって得られるものや、その他木材乾留時に生成するピッチ等もある。
【0044】
さらにピッチとなる出発原料としてはポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート、3、5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
【0045】
これら石炭、ピッチは、炭素化の途中最高400℃程度で液状で存在し、その温度で保持することで芳香環同士が縮合、多環化して積層配向した状態となり、その後500℃程度以上の温度になると固体の炭素前駆体則ちセミコークスを形成する。このような過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛化炭素の典型的な生成過程である。
【0046】
その他、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、その他誘導体(例えばこれらのカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミド等)、あるいは混合物、アセナフチレン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合複素環化合物、さらにはその誘導体も原料として使用可能である。
【0047】
以上の有機材料を出発原料として所望の人造黒鉛を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等の不活性ガス気流中、300〜700℃で炭化した後、不活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度の条件でか焼し、さらに2000℃以上、好ましくは2500℃以上で熱処理されることによって得られる。勿論、場合によっては炭化やか焼操作を省略しても良い。
【0048】
高温で熱処理された炭素材料あるいは黒鉛材料は粉砕・分級して負極材料に供されるが、この粉砕は炭化、か焼、高温熱処理の前後あるいは昇温過程の間いずれで行っても良い。
【0049】
さらに、より実用的な性能を有する黒鉛材料を得るには以下の物性値を満足する材料を用いることが好ましい。
【0050】
黒鉛材料として真密度2.1g/cm3 以上であり、且つ嵩比重が0.4g/cm3 以上の黒鉛材料を用いることが好ましい。黒鉛材料は真密度が高いので、これで負極を構成すると、電極充填性が高められ、電池のエネルギー密度が向上する。また、黒鉛材料のうち特に嵩比重が0.4g/cm3 以上の黒鉛材料を用いると、このように嵩比重が大きな黒鉛材料は負極合剤層中に比較的均一に分散されることができる等の理由により、電極構造が良好なものとなって、サイクル特性が改善される。
【0051】
さらに、嵩比重が0.4g/cm3 以上であって且つ平均形状パラメータXaveが125以下である扁平度の低い材料を用いると、さらに電極構造が良好なものとなり、さらにサイクル特性が改善される。
【0052】
上記の黒鉛材料を得るには、炭素が成型体とされた状態で黒鉛化のための熱処理を行う方法が好ましく、この黒鉛化成型体を粉砕することによって、より嵩比重が高く、平均形状パラメータXaveの小さい黒鉛材料が可能となる。
【0053】
また、黒鉛材料として嵩比重、平均形状パラメータXaveが前記の範囲であって、比表面積が9m2 /g以下の黒鉛粉末を用いた場合、黒鉛粒子に付着したサブミクロンの微粒子が少なく、嵩比重が高くなり、電極構造が良好なものとなっ て、さらにサイクル特性が改善される。
【0054】
また、レーザ回折法により求められる粒度分布において、累積10%粒径が3μm以上であり、且つ累積50%粒径が10μm以上であり、且つ累積90%粒径が70μm以下である黒鉛粉末を用いることにより安全性、信頼性の高い非水電解液二次電池が得られる。粒度の小さい粒子は比表面積が大きくなるが、この含有率を制限することにより、比表面積の大きい粒子による過充電時などの異常発熱を抑制するとともに、粒度の大きい粒子の含有率を制限することにより、初充電時における粒子の膨張に伴う内部ショートを抑制することができ、高い安全性、信頼性を有する実用的な非水電解液二次電池が可能となる。
【0055】
また、粒子の破壊強度の平均値が6.0kgf/mm2 以上である黒鉛粉末を用いることにより、電極中に電解液を含有させるための空孔を多く存在させることができ、負荷特性の良好な非水電解液二次電池が可能となる。
【0056】
本発明の非水電解液二次電池に用いる負極材料としては、リチウムイオンのドープ・脱ドープ可能な金属酸化物が使用可能である。
前記金属酸化物としては、遷移金属を含む酸化物が好適であり、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ、酸化珪素等を主体とする結晶化合物あるいは非晶質化合物が負極として可能であり、特に充放電電位が比較的金属Liに近い化合物が望ましい。
【0057】
一方、前記の負極材料からなる負極と組み合わせて用いられる正極材料は特に限定されないが、十分な量のLiを含んでいることが好ましく、例えば一般式LiMO2 (ただしMはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Tiの少なくとも1種を表す。)で表されるリチウムと遷移金属からなる複合金属酸化物やLiを含んだ層間化合物等が好適である。
【0058】
本発明の非水電解液二次電池に用いる非水電解液において、電解液としては電解質が非水溶媒に溶解されてなる非水電解液が用いられる。
【0059】
電解質を溶解する非水溶媒としては、EC(エチレンカーボネート)等の比較的誘電率の高いものを主溶媒に用いることが前提となるが、本発明を完成させるにはさらに複数成分の低粘度溶媒を添加する必要がある。
【0060】
高誘電率溶媒としては、PC(プロピレンカーボネート)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、スルホラン類、ブチロラクトン類、バレロラクトン類等が好適である。低粘度溶媒としては、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の対称あるいは非対称の鎖状炭酸エステルが好適であり、さらに2種以上低粘度溶媒を混合して用いても良好な結果が得られる。
【0061】
特に負極に黒鉛材料を用いる場合、非水溶媒の主溶媒として好適なのはECがまず挙げられるが、ECの水素原子をハロゲン元素で置換した構造の化合物も好適である。
【0062】
また、PCのように黒鉛材料と反応性があるものの、主溶媒としてのECやECの水素原子をハロゲン元素で置換した構造の化合物等に対して、その一部を極く少量第2成分溶媒で置換することにより、良好な特性が得られる。その第2成分溶媒としては、PC、ブチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン、等が使用可能であり、その添加量としては10Vol%未満が好ましい。
【0063】
さらに本発明を完成させるには主溶媒に対して、あるいは主溶媒と第2成分溶媒の混合溶媒に対して、第3の溶媒を添加し導電率の向上、ECの分解抑制、低温特性の改善を図るとともにリチウム金属との反応性を低め、安全性を改善するようにしても良い。
【0064】
第3成分の溶媒としては、まずDEC(ジエチルカーボネート)やDMC(ジメチルカーボネート)等の鎖状炭酸エステルが好適である。また、MEC(メチルエチルカーボネート)やMPC(メチルプロピルカーボネート)等の非対称鎖状炭酸エステルが好適である。主溶媒あるいは主溶媒と第2成分溶媒の混合溶媒に対する第3成分となる鎖状炭酸エステルの混合比(主溶媒または、主溶媒と第2成分溶媒の混合溶媒:第3成分溶媒)は、容量比で15:85から40:60が好ましく、18:82から35:65がさらに好ましい。
【0065】
さらに、第3成分の溶媒としてはMECとDMCとの混合溶媒であってもよい。MEC−DMC混合比率は、MEC容量をm、DMC容量をdとしたときに、1/9≦d/m≦8/2で示される範囲とすることが好ましい。また、主溶媒あるいは主溶媒と第2成分溶媒の混合溶媒と第3成分の溶媒となるMEC−DMCの混合比率は、MEC容量をm、DMC容量をd、溶媒全量をTとしたときに、3/10≦(m+d)/T≦9/10で示される範囲とすることが好ましく、5/10≦(m+d)/T≦8/10で示される範囲とすることがさらに好ましい。
【0066】
このような非水溶媒に溶解する電解質としては、この主の電池に用いられるものであればいずれも1種以上混合し使用可能である。例えばLiPF6 が好適であるが、その他LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiB(C6 5 4 、CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiCl、LiBr等も使用可能である。
【0067】
本発明は角形などの扁平な形状の電池において、最も面積の大きい面に電池の内部方向に凸部を一つ以上有する特定形状の電池ケースに電極素子を挿入してなるものである。すなわち、通常充電によって電極素子は膨張するが、凸部のスプリングバック等により、凸部がない場合よりも電池厚みは増加せず、そのためを電極間が十分密着されイオンの移動反応がスムーズとなり優れた電池特性を示すとともに、電池を高温に曝しても凸部のスプリングバック等により厚み増加が抑制可能となり、高い信頼性と高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池を提供することが可能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、本発明非水電解液二次電池の一実施例について図1〜図7を参照しながら説明する。
【0069】
実施例1
本実施例で作製した非水電解液二次電池の構成は図4に示すとおりである。
まず、負極1を次のようにして作製した。
H/C原子比が0.6〜0.8の範囲から適当に選んだ石油ピッチを粉砕し、空気気流中で酸化処理して炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のキノリン不溶分(JIS遠心法:K2425−1983)は80%であり、また酸素含有率(有機元素分析法による)は15.4重量%であった。
【0070】
この炭素前駆体を窒素気流中で1000℃に昇温して熱処理し後、粉砕し、平均粒径10μmの炭素材料粉末とした。なおこのとき得られた難黒鉛化炭素材料についてX線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は0.381nmであり真比重は1.54であった。
【0071】
この炭素材料粉末90重量部を、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10重量部と混合して負極混合物を調製し、この負極混合物を溶剤N−メチルー2−ピロリドンに分散させてスラリー状にし、負極スラリーを調製した。
【0072】
そして、このようにして得られた負極スラリーを負極集電体となる厚さ10μmの帯状銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形し、帯状電極を作製した。この帯状電極を図5(A)に示される矩形状に切断し負極1を得た。
【0073】
次に、正極2を以下のようにして作製した。
炭酸リチウムと炭酸コバルトを0.5モル:1.0モルなる比率で混合し、900℃、5hr空気中で焼成してLiCoO2 を得た。
【0074】
このようにして得られたLiCoO2 、91重量部を、導電材であるグラファイト6重量部及びバインダーであるポリフッ化ビニリデン3重量部と混合して正極混合物を調製し、この正極混合物を溶剤N−メチルー2−ピロリドンに分散させてスラリー状にし、正極スラリーを調製した。
【0075】
そして、このようにして得られた正極スラリーを正極集電体となる厚さ20μmの帯状アルミ箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形し、帯状電極を作製した。この帯状電極を図5(B)に点線で示される矩形状に切断し正極2を得た。
【0076】
そして、微孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ3で負極1および正極2を挟み、接着テープ10で固定して積層式電極素子を得た。
【0077】
次いで、図4に示すように厚み450μmのニッケルメッキを施した鉄製扁平角形電池ケース12の底に絶縁シート11を敷き、その中へ前記積層式電極素子を挿入した。この時、図6で示される電池ケースの寸法は幅=34mm、A=48mm、B=40mm、C=15mm、D=4mm、E=8.3mm、F=6.6mm、電極素子の厚みはG=6.6mmであった。なお、Fは図6に示すように、凸部12aの頂上部の外寸である。
【0078】
次いで、サブリード6を予めガスケット7を介して電池フタ9に取付けられた正極端子8に熔接した。ここで、前記積層式電極素子の正極リード5を束ね、サブリード6に熔接した。また、負極リード4も束ね、電池ケース12に熔接した。
【0079】
PC50容量%とDMC50容量%の混合溶媒にLiPF6 を1モル/lなる割合で溶解させて調製した電解液を電池ケース12の中に注入し、レーザ熔接で電池フタ9を電池ケース12に固定して、扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0080】
実施例2
負極材料として本実施例で用いる黒鉛化成型体から得られる黒鉛試料粉末の作製方法を示す。
【0081】
まず、フィラーとなる石炭系コークス100重量部に対し、バインダーとなるコールタール系ピッチを30重量部を加え、約100℃で混合した後、プレスにて圧縮成型し、炭素成型体の前駆体を得た。この前駆体を1000℃以下で熱処理して得た炭素材料成型体に、さらに200℃以下で溶融させたバインダーピッチを含浸し、1000℃以下で熱処理するという、ピッチ含浸/焼成工程を数回繰り返した。その後、この炭素成型体を不活性雰囲気で2600℃にて熱処理し、黒鉛化成型体を得た後、粉砕分級し試料の黒鉛材料粉末を作製した。
【0082】
なおこのとき得られた黒鉛材料粉末は、真密度=2.23g/cm3 、嵩比重=0.83g/cm3 、平均形状パラメータXave.=10、比表面積=4.4m2 /g、平均粒径=31.2μm、累積10%粒径=12.3μm、累積50%粒径=29.5μm、累積90%粒径=53.7μmであった。
【0083】
この黒鉛材料粉末を負極材料として使用する以外は、実施例1と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0084】
実施例3
寸法が幅=34mm、A=48mm、B=40mm、C=15mm、D=4mm、E=8.3mm、F=7.2mmの扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0085】
実施例4
寸法が幅=34mm、A=48mm、B=40mm、C=15mm、D=4mm、E=8.3mm、F=7.8mmの扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0086】
実施例5
寸法が幅=34mm、A=48mm、B=30mm、C=10mm、D=9mm、E=8.3mm、F=7.2mmの扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0087】
実施例6
寸法が幅=34mm、A=48mm、B=12mm、C=6mm、E=8.3mm、F=6.8mmの凸部がD1=9mmおよびD2=25mmの2箇所有する扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
ここで、2つの凸部は電池の縦方向に並んでおり、D1およびD2はそれぞれの凸部の電池底辺側の端部と電池底辺との距離を表す。
【0088】
実施例7
電極素子の厚みがG=6.8mmである以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0089】
実施例8
C=8mm(変形部分(C)の面積が広幅面の3%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0090】
実施例9
C=3.2mm(変形部分(C)の面積が広範面の0.5%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0091】
実施例10
C=20.4mm(変形部分(C)の面積が広幅面の20%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0092】
実施例11
変形部分(C)が四角形状7mm×7mm(変形部分(C)の面積が広幅面の3%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0093】
実施例12
変形部分(C)の四角形状2.9mm×2.9mm(変形部分(C)の面積が広幅面の0.5%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0094】
実施例13
変形部分(C)の四角形状18mm×18mm(変形部分(C)の面積が広幅面の20%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0095】
比較例1
凸部を持たない扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例1と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0096】
比較例2
凸部を持たない扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0097】
比較例3
寸法が幅=34mm、A=48mm、B=30mm、C=10mm、D=9mm、E=8.3mm、F=8.1mmの扁平角形電池ケースを使用する以外は、実施例2と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0098】
比較例4
C=2.4mm(変形部分(C)の面積が広幅面の0.3%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0099】
比較例5
C=25mm(変形部分(C)の面積が広幅面の30%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0100】
比較例6
変形部分(C)が四角形状2.2mm×2.2mm(変形部分(C)の面積が広幅面の0.3%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0101】
比較例7
変形部分(C)が四角形状22mm×22mm(変形部分(C)の面積が広幅面の30%)である以外は、実施例7と同様に扁平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0102】
以上のように作製された実施例1〜13、比較例1〜7のそれぞれのについて、定電流400mA、定電圧4.2V、5hr充電後、400mAの定電流で2.75Vまで放電し、電池初期容量、この時のクーロン効率、電池ケース厚みを測定した。また、4.2V充電後、90℃に保存し、電池ケース厚みを測定した。その結果を表1に示した。なお、クーロン効率とは放電容量/充電容量の値である。また、電池ケース厚みは図6においてFで示すように、凸部12aの頂上部の外寸である。
【0103】
【表1】
Figure 0003709628
【0104】
本発明の電池ケースを用いた扁平角形非水電解液二次電池は電池初期容量及びクーロン効率が高く、また90℃に保存した場合にも、電池ケースの厚み増加が小さく、高温保存時において高い信頼性が得られることがわかった。
【0105】
すなわち、初充電後電池厚みをみてみると、凸部を持たない扁平角形電池(比較例1および2)では初充電後電池厚みが8.5mmおよび8.9mmと厚いのに対して、凸部を持った扁平角形電池ケース(実施例1〜13)では初充電後電池厚みが8.2〜8.4mmの範囲にあり、電池厚みがほとんど変化しないことがわかる。
このことから、凸部を持った扁平角形電池ケースを用いることにより、凸部を持たない扁平角形電池ケースよりも電池ケース厚みの増加を小さくすることができることが確認できた。
【0106】
また、90℃1日保存後電池厚みをみてみると、凸部を持たない扁平角形電池(比較例1および2)では90℃1日保存後電池厚みが9.0mmおよび9.4mmと厚いのに対して、凸部を持った扁平角形電池ケース(実施例1〜13)では90℃1日保存後電池厚みが8.4〜8.9mmの範囲にあり、電池厚みの変化が小さいことがわかる。
このことから、凸部を持った扁平角形電池ケースを用いることにより、凸部を持たない扁平角形電池ケースよりも電池ケース厚みの増加を小さくすることができることが確認できた。
【0107】
一方、凸部を持った扁平角形電池ケース(実施例1〜7、および比較例3)について、ケース内厚み/電極素子厚みと電池厚みの関係を表したのが図7である。なお、ケース内厚みは、図6に示すFの値から肉厚(0.45mm+0.45mm=0.9mm)を引いた値であり、電極素子挿入前の値である。
【0108】
ここで、初充電後電池厚みについてみてみると、ケース内厚み/電極素子厚みが0.84〜1.05の範囲(実施例1〜7)では初充電後電池厚みが8.2〜8.4mmと小さいのに対して、ケース内厚み/電極素子厚みが1.09(比較例3)になると電池厚みは8.7mmと非常に厚くなっている。
このことから、凸部を持った扁平角形電池ケースでも、ケース内厚み/電極素子厚みが1.09になると電池厚みの増加が大きくなることがわかる。
【0109】
また、90℃1日保存後電池厚みについてみてみると、ケース内厚み/電極素子厚みが0.84〜1.05の範囲(実施例1〜7)では90℃1日保存後電池厚みが8.5〜8.8mmと比較的小さいのに対して、ケース内厚み/電極素子厚みが1.09(比較例3)になると電池厚みは9.2mmと非常に厚くなっている。
このことから、凸部を持った扁平角形電池ケースでも、ケース内厚み/電極素子厚みが1.09になると電池厚みの増加が大きくなることがわかる。
【0110】
上述のように、凸部を有する面に垂直な方向における素子挿入前のケース内厚みは、電極素子厚みに対して1.09倍未満が好ましく、1.05倍以下がさらに好ましい。
【0111】
さらに、ケース内厚み/電極素子厚みは0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがさらに好ましい。
ケース内厚み/電極素子厚みが0.3より小さくなると、電極素子を電池ケースに入れた場合に電極素子が破壊されるおそれがあるほか、電池ケース内に納めることができる電極素子の容量が減少してしまいエネルギー体積密度が小さくなってしまうからである。
【0112】
また、本発明において十分その効果を得るためには、変形部分(C)の面積を広幅面の0.5%〜20%の比とするのが好ましい。
【0113】
ここで、初充電後電池厚みについて見てみると変形部分(C)の面積を広幅面の0.5%未満または20%より大きくすると(比較例4〜7)、実施例7の8.4mmに比べて8.6〜8.7mmと厚くなっている。また、90℃1日保存後厚みも実施例7の8.8mmに比べて9.1〜9.4mmと増加してしまうことがわかる。
【0114】
さらに変形部分の形状は円形が好ましく、四角形がさらに好ましい。
変形部分の形状については四角形より円形の方が初充電後電池厚み、90℃1日保存電池厚みとも厚くなってしまうので四角形がさらに好ましいことがわかる。(実施例8〜13)
【0115】
なお、本発明は上述の実施例に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0116】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は角形などの扁平な形状の電池において、最も面積の大きい面(広幅面)に電池の内部方向に凸部を一つ以上有する特定形状の電池ケースに電極素子を挿入してなるもので、充電によって膨張する電極素子を凸部のスプリングバック等によって抑え、電極間を十分密着させることでイオンの移動反応がスムーズとなり優れた電池特性を示すとともに、電池を高温に曝しても凸部のスプリングバック等の力により厚み増加が抑制可能となり、高い信頼性と高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明非水電解液二次電池の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明非水電解液二次電池の実施例の説明に供する概念図である。
【図3】従来例の非水電解液二次電池の説明に供する概念図である。
【図4】本発明非水電解液二次電池の一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明非水電解液二次電池に用いる正極、負極、およびセパレータを示す図である。
【図6】本発明非水電解液二次電池の作製工程をを示す概念図である。
【図7】ケース内厚み/電極素子厚みと電池厚みの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 負極、2 正極、3 セパレータ、4 負極リード、5 正極リード、6サブリード、7 ガスケット、8 正極端子、9 電池フタ、10 接着テープ、11 絶縁シート、12 電池ケース、12a 凸部、13 電極素子

Claims (5)

  1. 多孔質セパレータで正極と負極とが絶縁され、平板な正負極の組み合わせを複数積み重ねてなる積層式電極素子、または、短冊状の正負極を楕円形に巻き回してなる楕円式電極素子と、非水電解液を少なくとも収納してなる扁平角形の電池ケースからなる非水電解液二次電池において、
    上記電池ケースの広幅面に設けられ、かつ内部方向に突き出た凸部を1または複数有し、
    上記凸部の内部側面の形状が円形または四角形である電池ケースを使用する
    ことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 凸部を有する面に垂直な方向における素子挿入前のケース内厚みは、電極素子厚みに対して0.84倍以上かつ1.05倍以下の範囲内にある電池ケースを使用し、
    上記電極素子厚みは、上記電池ケースの広幅面と平行に積層される積層式電極素子の、積層面に垂直な方向の厚みであり、または、
    長径が上記広幅面と平行である楕円式電極素子の、短径方向の厚みである
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料よりなる負極と、LiMO(但し、MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Tiの少なくとも1種を表す。)よりなる正極と、電解液から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な黒鉛材料よりなる負極と、LiMO(但し、MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Tiの少なくとも1種を表す。)よりなる正極と、電解液から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  5. リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な結晶質または非晶質金属酸化物よりなる負極と、LiMO(但し、MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Tiの少なくとも1種を表す。)よりなる正極と、電解液から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
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