JP4166295B2 - 非水電解液電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム、リチウム合金、又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とをを備えた非水電解液電池に関し、特に電解質の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話、ラップトップコンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。そして、これら電子機器の電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の非水電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、期待度が大きくなっている。
【0003】
ところで、リチウムイオンを介在させてエネルギーを取り出す電池に使用する非水電解液としては、炭酸プロピレンや炭酸ジエチル等の炭酸エステル系非水溶媒に、電解質としてLiPF6溶解させたものが、比較的伝導率も高く、電位的にも安定である点から広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LiPF6は、熱的安定性が十分満足できるものではなく、電池のサイクル特性も保存特性も低くなるという問題があった。これは、電解液中でLiPF6の熱分解が僅かに生じた場合でも、電池のサイクル特性や保存特性を低下させる原因になるためと考えられる。これに対して電解液中のLiPF6の濃度を下げることが考えられるが、この場合には、導電率が下がるという問題が生じる。
【0005】
LiPF6以外の電解質としては、従来よりLiBF4、LiCF3SO3、LiClO4、LiAsF6等も知られている。しかし、LiBF4は、熱安定性や酸化安定性は高いが、導電率が低いという問題があった。また、LiCF3SO3は、熱的安定性は高いが、導電率が低く、酸化安定性も低いため4V以上の高い電圧で充電すると充分な放電特性が得られないという問題があった。また、LiClO4やLiAsF6は、導電率は高いが、熱安定性が低くサイクル特性の点で問題があった。
【0006】
また、近年、LiN(C2F5SO2)2や、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)が、電解液用溶媒に溶解させた場合に比較的高い導電率を示し、熱的安定性も高いことから、電池用電解質として期待されている。しかし、この電解質は、酸化安定性に劣るため、4V以上の高い電圧で充放電すると充分なサイクル特性が得られないという問題があった。したがって、この電解質を充電電圧が4V以上を越えるリチウムイオン非水電解液二次電池に使用した場合には、良好な伝導率と、良好なサイクル特性と保存特性を同時に満足することができないというのが実情である。
【0007】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、高い導電率を示すとともに酸化安定性、熱的安定性に優れた電解質を使用することにより、保存特性及びサイクル特性に優れた非水電解液電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を解決するため、リチウム、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とを備えてなり、上記電解質は、モル比10:90〜70:30のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiPF6と、モル比30:70〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiBF4と、モル比30:70〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiClO4と、モル比30:70〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiAsF6とから選択されるいずれか1組よりなることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る非水電解液電池は、上述したように、電解質として、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)と、LiPF6、LiBF4、LiClO4、又はLiAsF6とを併用してなることから、導電率、酸化安定性、熱安定性の低い方のレベルに制約されることなく、個々の電解質を単独で使用する場合に比べてサイクル特性や保存特性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解液電池について詳細に説明する。
【0011】
本発明に係る非水電解液電池は、リチウム、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とを備えてなる。
【0012】
そして、上記非水電解液は、電解質として、LiN(C2F5SO2)2、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)の少なくとも1つと、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6の少なくとも1つとを含有する。
【0013】
これら電解質の使用割合は、電池のサイクル特性や保存安定性の向上効果を考慮すると、以下に示す範囲が好ましい。
【0014】
LiN(C2F5SO2)2と、LiPF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは10:90〜70:30である。
【0015】
LiN(C2F5SO2)2と、LiBF4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10である。
【0016】
LiN(C2F5SO2)2と、LiClO4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10である。
【0017】
LiN(C2F5SO2)2と、LiAsF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10である。
【0018】
LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)と、LiPF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは10:90〜70:30である。
【0019】
LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)と、LiBF4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10である。
【0020】
LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)と、LiClO4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10である。
【0021】
LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)と、LiAsF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10である。
【0022】
電解液を調製するにあたり、このような電解質を溶解させる非水溶媒としては、従来より非水電解液に使用されている種々の非水溶媒を使用することができる。例示するならば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環状炭酸エステルや、炭酸ジエチル等の鎖状エステル、プロピオン酸メチルや酪酸メチル等のカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、複数種を混合して使用してもよい。特に、酸化安定性の点からは、炭酸エステルを含めることが好ましい。
【0023】
電解液における電解質濃度は、いずれの組み合わせの場合においても、通常0.5〜2.0mol/lとすることが好ましい。
【0024】
本発明に係る非水電解液電池は、上述のような電解質を含む電解液を使用する以外は、従来のリチウム或いはリチウムイオン電池と同様に構成することができ、一次電池としても二次電池としても構成することができる。
【0025】
すなわち、リチウム一次電池或いはリチウム二次電池を構成する場合の負極材料としては、リチウム、リチウム合金、又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を使用することができる。
【0026】
このうち、リチウムイオン二次電池とする場合には、リチウムをドープ・脱ドープ可能な材料として、例えば(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素系材料や、(002)面の面間隔が0.34nm以下のグラファイト系材料等の炭素質材料を用いることができる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成化し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素質材料が挙げられる。
【0027】
この他に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を用いることもできる。また、負極の材料であるリチウム合金としては、リチウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
【0028】
このような材料から負極を形成するに際しては、従来公知の結着剤等を添加することができる。
【0029】
正極は、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物、又は特定のポリマーを正極活物質として用いて構成することができる。例えば、リチウム一次電池を構成する場合には、正極活物質として、TiS2、MnO2、黒鉛、FeS2等を用いることができる。
【0030】
リチウム二次電池を構成する場合には、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V2O5等のリチウムを含有しない金属硫化物或いは酸化物を用いることができる。さらに、LixMO2(式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10である。)を主体とするリチウム複合酸化物も用いることができる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LixNiyCo1-yO2(式中、x、yは、電池の充電状態によって異なり、通常0<x<1、0.7<y<1.02である。)、LiMn2O4等が挙げられる。これらリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質となる。
【0031】
正極には、これらの正極活物質を複数種混合して使用してもよい。また、以上のような正極活物質を使用して正極を形成するに際しては、公知の導電剤や結着剤等を添加することができる。
【0032】
また、電池の形状については、特に限定されるものではなく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等の種々の形状をとることができる。
【0033】
以上、説明したように、本発明に係る非水電解液電池は、電解質として、LiN(C2F5SO2)2、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)の少なくとも1つと、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6の少なくとも1つとを含有してなる。したがって、本発明の非水電解液電池を二次電池として構成した場合には、これら電解質を単独で使用した場合に比べて、電池のサイクル特性や保存安定性を向上させることができる。また、本発明の非水電解液電池を一次電池として構成した場合には、電池の保存安定性を向上させることができる。
【0034】
なお、LiN(C2F5SO2)2、又はLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)に似た構造として、LiC(CF3SO2)3やLiN(CF3SO2)2が挙げられる。しかし、本発明に係る非水電解液電池は、電解質としてLiC(CF3SO2)3やLiN(CF3SO2)2を使用した場合に比べ、高温特性を向上させることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0036】
実施例A1
図1に示される円筒型非水電解液二次電池を以下のように作製した。
【0037】
先ず始めに、負極1を次のように作製した。
【0038】
出発原料に石油ピッチを用い、これに酸素を含む官能基を10〜20%導入することにより酸素架橋を行い、次いで不活性ガス気流中1000℃で焼成し、ガラス状炭素に近い性質の難黒鉛化炭素材料を得た。得られた材料についてX線回折測定を行ったところ、(002)面の面間隔は0.376nmであり、真比重は1.58g/cm3であった。そして、この難黒鉛化炭素材料を粉砕し、平均粒径10μmの炭素材料粉末とした。次に、この炭素質材料粉末90重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部とを混合して負極合剤を調製し、さらにこれをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。そして、このスラリーを負極集電体9である厚さ10μmの帯状の銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成型し、負極1を作製した。
【0039】
一方、正極2を次にように作製した。
【0040】
先ず始めに、正極活物質(LiCoO2)を得るために、炭酸リチウムと炭酸コバルトとを0.5モル:1モルの比率で混合し、空気中900℃で5時間焼成した。次に、得られたLiCoO291重量部と、導電剤としてグラファイト6重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3重量部とを混合して正極合剤を調製し、さらにこれをN−メチルピロリドンに分散させてスラリー状とした。そして、このスラリーを正極集電体10である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成型し、正極2を作製した。
【0041】
得られた負極1及び正極2を厚さ25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ3を介して順次積層し、渦巻型に多数回巻回することにより巻回体を作製した。
【0042】
次に、ニッケルメッキを施した鉄製の電池缶5の底部に絶縁板4を挿入し、上記巻回体を収納した。そして、負極1の集電をとるためにニッケル製の負極リード11の一端を負極1に圧着し、他端を電池缶5に溶接した。また、正極2の集電をとるために、アルミニウム製の正極リード12の一端を正極2に取り付け、他端を電池内圧に応じて電流を遮断する電流遮断用薄板8を介して電池蓋7と電気的に接続した。
【0043】
そして、この電池缶5の中に、炭酸プロピレン(PC)50容量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒中にLiN(C2F5SO2)20.5mol/lとLiPF60.5mol/lとを溶解させた非水電解液を注入した。そして、アスファルトを塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶5をかしめることにより電池蓋7を固定し、直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0044】
実施例A2〜実施例A5
非水電解液中の電解質の濃度を表1に示すように変更した以外は、実施例A1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0045】
比較例A1
炭酸プロピレン(PC)50容量%と、炭酸ジエチル50容量%の混合溶媒中にLiN(C2F5SO2)21.0mol/lを単独で溶解させた非水電解液を使用した以外は、実施例A1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0046】
比較例A2
炭酸プロピレン(PC)50容量%と、炭酸ジエチル50容量%の混合溶媒中にLiPF61.0mol/lを単独で溶解させた非水電解液を使用した以外は、実施例A1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0047】
(評価)
実施例A1〜A5及び比較例A1〜A2の電池について、保存特性及びサイクル特性を以下のようにして評価した。これらの結果を表1に合わせて示す。なお、以下、表1〜表4中、LiN(C2F5SO2)2を電解質Aと記す。
【0048】
(1)保存特性
各電池に対して、20℃・1Aの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで行い、次に500mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、この時の放電容量を保存前容量として求めた。
【0049】
次に、60℃で1週間保存した後、同一条件で再度充放電サイクルを数サイクル行い、そのうち最も高い容量の値を60℃保存後容量とした。同様に90℃で8時間保存した後、同一条件で再度充放電サイクルを数サイクル行い、そのうち最も高い容量の値を90℃保存後容量とした。そして放電容量維持率(%)を次式(1)により求めた。
【0050】
放電容量維持率(%)=(保存後容量/保存前容量)×100 ・・・(1)
(2)サイクル特性
上記(1)と同一の充放電条件で充放電サイクルを100サイクル行い、1サイクル目の放電容量を100とした場合の100サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。なお、初期容量は、各電池ともほぼ等しい容量であった。
【0051】
【表1】
【0052】
表1の結果から、電解質として、LiN(C2F5SO2)2とLiPF6とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。特に、90℃にて保存した場合においても、良好な高温特性を得ることができる。
【0053】
また、LiN(C2F5SO2)2とLiPF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは10:90〜70:30であることがわかる。
【0054】
実施例A6〜実施例A10、及び比較例A3
LiPF6に代えて表2に示される混合比のLiBF4を使用する以外は、実施例A1と同様にして円筒型非水電解液電池を作製した。そして、実施例A1と同様にして保存特性及びサイクル特性を評価した。これらの結果を表2に合わせて示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2の結果から、電解質として、LiN(C2F5SO2)2とLiBF4とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0057】
また、LiN(C2F5SO2)2とLiBF4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10であることがわかる。
【0058】
実施例A11〜実施例A15、及び比較例A4
LiPF6に代えて表3に示される混合比のLiClO4を使用する以外は、実施例A1と同様にして円筒型非水電解液電池を作製した。そして、実施例A1と同様にして保存特性及びサイクル特性を評価した。これらの結果を表3に合わせて示す。
【0059】
【表3】
【0060】
表3の結果から、電解質として、LiN(C2F5SO2)2とLiClO4とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0061】
また、LiN(C2F5SO2)2とLiClO4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10であることがわかる。
【0062】
実施例A16〜実施例A20、及び比較例A5
LiPF6に代えて表4に示される混合比のLiAsF6を使用する以外は、実施例A1と同様にして円筒型非水電解液電池を作製した。そして、実施例A1と同様にして保存特性及びサイクル特性を評価した。これらの結果を表4に合わせて示す。
【0063】
【表4】
【0064】
表4の結果から、電解質として、LiN(C2F5SO2)2とLiAsF6とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0065】
また、LiN(C2F5SO2)2とLiAsF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10であることがわかる。
【0066】
実施例B1
図2に示されるコイン型非水電解液二次電池を以下のように作製した。
【0067】
先ず始めに、負極活物質13として圧延リチウム金属シート(厚さ1.85mm、直径15mm)を上缶14に圧着した。そして、正極活物質15は、200℃90分で予備乾燥を行ったLiCoO2と、導電剤としてグラファイトと、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを90:7:3となるように秤量した後に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて湿式混合し、100℃で減圧乾燥することによって得た。そして、この正極活物質(LiCoO2)15を集電体のアルミニウムメッシュと共に直径16mmのペレット型に成型し、下缶16に収納した。
【0068】
これら負極活物質13が圧着した上缶14と、正極活物質15が収納された下缶16とを、多孔質ポリプロピレンフィルム製のセパレータ17を介して積層した。そして、炭酸プロピレンと炭酸ジメチルとを1:1なる体積比で混合した混合溶媒に、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)0.5mol/lとLiPF60.5mol/lとを溶解させた非水電解液を注入した。続いて、上缶14と下缶16の外周縁部を封口ガスケット18を介してかしめ密閉することでコイン型非水電解液二次電池(外径20mm、高さ2.5mm)を作製した。
【0069】
実施例B2〜実施例B5、比較例B1〜比較例2
非水電解液中の電解質の濃度を表5に示すように変更した以外は、実施例B1と同様にしてコイン型非水電解液二次電池を作製した。
【0070】
(評価)
実施例B1〜B5及び比較例B1〜B2の電池について、保存特性及びサイクル特性を以下のようにして評価した。
【0071】
(1)保存特性
実施例B1及び比較例B1〜B2の電池に対して、20℃、1Aの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで行い、次に500mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、この時の放電容量を保存前容量として求めた。次に、90℃で8時間保存した後、同一条件で再度充放電サイクルを数サイクル行い、そのうち最も高い容量の値を90℃での保存後容量とした。そして放電容量維持率(%)を求めた。これらの結果を表5に示す。なお、以下、表5〜表8中、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)を電解質Bと記す。
【0072】
(2)サイクル特性
各電池に対して、20℃・1Aの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで行い、次に1Aの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行う充放電サイクルを繰り返すことにより、サイクル特性の評価を行った。各サイクルにおける放電容量の推移を図3に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
表5及び図3の結果から、電解質として、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiPF6とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0075】
また、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiPF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは10:79〜70:30であることがわかる。
【0076】
実施例B6〜実施例B10、比較例B3
LiPF6に代えて表6に示される混合比のLiBF4を使用する以外は、実施例B1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作製した。そして、実施例B1と同様にして充放電サイクルを繰り返し、1サイクル目の放電容量を100とした場合の20サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。なお、初期容量は、各電池共にほぼ等しい容量であった。これらの結果を表6に合わせて示す。
【0077】
【表6】
【0078】
表6の結果から、電解質として、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiBF4とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0079】
また、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiBF4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10であることがわかる。
【0080】
実施例B11〜実施例B15、比較例B4
LiPF6に代えて表7に示される混合比のLiClO4を使用する以外は、実施例B1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作製した。そして、実施例B1と同様にして充放電サイクルを繰り返し、1サイクル目の放電容量を100とした場合の20サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。なお、初期容量は、各電池共にほぼ等しい容量であった。これらの結果を表7に合わせて示す。
【0081】
【表7】
【0082】
表7の結果から、電解質として、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiClO4とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0083】
また、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiClO4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10であることがわかる。
【0084】
実施例B16〜実施例B20、比較例B5
LiPF6に代えて表8に示される混合比のLiAsF6を使用する以外は、実施例B1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作製した。そして、実施例B1と同様にして充放電サイクルを繰り返し、1サイクル目の放電容量を100とした場合の20サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。なお、初期容量は、各電池共にほぼ等しい容量であった。これらの結果を表8に合わせて示す。
【0085】
【表8】
【0086】
表8の結果から、電解質として、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiAsF6とを併用することにより、いずれか一方の電解質のみを使用した場合に比べて保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0087】
また、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiAsF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10であることがわかる。
【0088】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る非水電解液電池は、電解質として、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)と、LiPF6、LiBF4、LiClO4、又はLiAsF6とを併用してなることから、電池のサイクル特性や保存安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した円筒型非水電解液二次電池の断面図である。
【図2】本発明を適用したコイン型非水電解液二次電池の断面図である。
【図3】実施例B1〜実施例B5及び比較例B1〜比較例B2のサイクル特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 負極、2 正極、3 セパレータ、4 絶縁板、5 電池缶、6 絶縁封口ガスケット、7 電池蓋、8 電流遮断用薄板、9 負極集電体、10 正極集電体、11 負極リード、12 正極リード、13 負極活物質、14 上缶、15 正極活物質、16 下缶、17 セパレータ、18 封口ガスケット
Claims (8)
- リチウム、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とを備えてなり、
上記電解質は、モル比10:90〜70:30のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiPF6とよりなることを特徴とする非水電解液電池。 - 上記電解質は、モル比10:90〜50:50のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiPF6とよりなることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
- リチウム、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とを備えてなり、
上記電解質は、モル比30:70〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiBF4とよりなることを特徴とする非水電解液電池。 - 上記電解質は、モル比50:50〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiBF4とよりなることを特徴とする請求項3記載の非水電解液電池。
- リチウム、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とを備えてなり、
上記電解質は、モル比30:70〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiClO4とよりなることを特徴とする非水電解液電池。 - 上記電解質は、モル比50:50〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiClO4とよりなることを特徴とする請求項5記載の非水電解液電池。
- リチウム、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解してなる非水電解液とを備えてなり、
上記電解質は、モル比30:70〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiAsF6とよりなることを特徴とする非水電解液電池。 - 上記電解質は、モル比50:50〜90:10のLiN(C4F9SO2)(CF3SO2)とLiAsF6とよりなることを特徴とする請求項7記載の非水電解液電池。
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