JP3700290B2 - 直交周波数分割多重信号伝送方法及びそれに用いる受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は直交周波数分割多重信号伝送方法及びそれに用いる受信装置に係り、特に多値変調されたディジタル情報を、限られた周波数帯域の直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)信号に変換して送受信する直交周波数分割多重信号伝送方法及びそれに用いる受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
符号化されたディジタル映像信号などのディジタル情報を限られた周波数帯域で伝送する方式の一つとして、多値直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)や多値位相変調(PSK:Phase Shift Keying)などによりそれぞれ多値変調された多数の搬送波を周波数分割多重したOFDM信号によりディジタル情報を伝送するOFDM方式が知られている。このOFDM方式は、多数の搬送波を直交して配置し、各々の搬送波で独立したディジタル情報を伝送する方式で、マルチパスに強い、妨害を受けにくい、周波数利用効率が比較的良いなどの特長があり、通信分野のみならずディジタル放送分野においても研究、開発が進められている。なお、「搬送波が直交している」とは、隣接する搬送波のスペクトラムが当該搬送波の周波数位置で零になることを意味する。
【0003】
このOFDM方式により伝送されるOFDM信号は多数の搬送波が送信すべき情報に応じて変調されて周波数分割多重されているから、そのベースバンド時間軸波形は図10に示す如きものであり、また、その情報伝送はシンボル期間を単位として行われる。各シンボル期間は、図11にtaで示すように、伝送しようとする情報を逆高速フーリエ変換(IFFT)演算して得られたデータが伝送される有効シンボル期間tsの直前に、ガードインターバルgiを付加した期間である。このガードインターバルgiはマルチパスを軽減するための期間で、その期間の信号波形は有効シンボル期間tsの信号波形を巡回して繰り返したものである。
【0004】
OFDM信号の各搬送波の周波数間隔は、有効シンボル期間tsの逆数に等しい。有効シンボル期間tsをN分割した周期でサンプリングした値を得るために、周波数軸上でN個の複素数データを各シンボル期間ta毎に1回、NポイントIDFT演算を行うことにより、上記のベースバンド信号波形が得られる。
【0005】
受信側では、OFDM信号を周期ts/Nでサンプリングし、各シンボル期間ta毎に1回、Nポイント離散的フーリエ変換(DFT)を行い、各搬送波周波数成分の位相と振幅を計算することにより、受信データを得る。その際、各シンボル期間毎に時間窓(一般にDFTウィンドウと呼ぶ)を設定し、そのDFTウィンドウのデータ列に対してDFT演算するが、そのDFTウィンドウを指定するのがシンボル同期信号である。
【0006】
このシンボル同期信号の生成方法としては、例えば所定周期のシンボルをヌルシンボル(無信号期間)とし、それを利用する方法などがある。このシンボル同期信号はシンボルの区切りを正確に検出する必要はなく、ある範囲(±数サンプル)で検出することが許容されている。このことについて説明するに、受信装置が図12(A)に模式的に示す希望波と共に、同図(B)に模式的に示すような遅延したゴースト波を受信した場合、通常は信号成分の大きな希望波の有効シンボル期間の開始時点aで同図(C)に示すシンボル同期信号saを生成し、これによりDFTウィンドウを指定して有効シンボル開始時点aからデータ列を取り出してDFT演算する。この場合、図12(A)及び(B)から解るように、開始時点a以前のゴースト波のシンボル期間の開始時点bまでのデータ列は隣のシンボルの干渉を受けていないため、シンボル同期信号は時点bで図12(D)にsbで示すように生成してもよく、更には時点bから時点aまでの間であればどこでも生成して構わない。
【0007】
すなわち、ガードインターバル期間をゴースト波の遅延時間より大きくとることにより、この余裕が生じる。そのため、従来は、ガードインターバル期間を想定されるゴースト波の遅延時間より大きくとることにより、シンボル同期信号の生成を容易(簡易的)にしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者が先に特願平8−43854号にて提案したOFDM信号伝送システムでは、既知の基準データとして参照信号をOFDM信号中に挿入して送信し、受信側でこの参照信号に基づいて同相信号(I信号)と直交信号(Q信号)の誤差を示す伝送路特性を検出し、補正式を求めて検出した伝送路特性を補正することにより、情報信号をほぼ正確に復元することができる。
【0009】
しかしながら、受信した参照信号はノイズ成分を含んでおり、正確な伝送路特性の把握は困難である。そこで、上記の本発明者の提案では、近傍の搬送波で伝送路特性の係数について平均をとり(フィルタ処理)、ノイズの影響の無い伝送路特性を検出するようにしている。近傍搬送波の係数の単純な加算平均をとることでもノイズの除去効果は大きい。
【0010】
しかしながら、これらの係数の関係は直線的な関係ではなく、数次曲線であるため、多くの加算平均をとると実際の値よりずれてくる。しきい値の小さい、例えば256QAM以上の変調方式などでは、このずれが無視できなくなってくる。この搬送波間の各係数の違いの一因として、シンボル同期位置のずれが挙げられる。
【0011】
例えば、nポイントFFT演算を行うOFDM信号送信装置では、シンボル同期信号にmサンプルの位置ずれがあると、隣のシンボル同士の係数の関係は、(2π/n)×m[rad.]の位相の違いとなって現れる。加算平均を行う場合には、この要因によるずれが発生してしまう。一例として512ポイントFFT演算を行うOFDM信号送信装置では、シンボル同期信号の1サンプルの位置ずれにより、隣のシンボル同士の係数の関係は、2π/512=π/256[rad.]の位相の違いとなって現れる。
【0012】
この関係を更に説明すると、例えば第nキャリアは有効シンボル期間においてn周期分の波形となる。すなわち、(2π×n)[rad.]の位相変化をする。これを1サンプルでみると、(2π×n)/512[rad.]の位相差となる。よって、1サンプルのずれで(2π×n)/512[rad.]の補正をすることになる。一方、第n+1キャリアでは有効シンボル期間において(2π×(n+1))[rad.]の位相変化をする。これを1サンプルでみると、(2π×(n+1))/512[rad.]の位相差となる。よって、1サンプルのずれで(2π×(n+1))/512[rad.]の補正をすることになる。
【0013】
従って、第nキャリアと第n+1キャリアの補正値の違いは、
{(2π×(n+1))/512}−{(2π×n)/512}=2π/512=2π/256[rad.]
となる。Xサンプルのずれでは、上記の位相ずれがX倍になるため、第nキャリアと第n+1キャリアの補正値の違いもX倍のX・2π/256[rad.]となり、サンプルずれが大きいほど隣同士の補正値の違いが大きくなる。
【0014】
前記したように、DFTウィンドウが隣のシンボルにまたがっていなければ、シンボル同期信号は数サンプルのずれを許容し、装置性能には何ら違いはない。しかし、隣接搬送波の係数を加算平均してノイズを除去する場合には、このシンボル同期ずれを極力少なくし、隣接搬送波間の係数の違いを少なくすることが装置性能を向上させる上で重要である。
【0015】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、シンボル同期ずれを極力少なくし、隣接搬送波間の係数加算平均により生じる誤差を少なくし得る直交周波数分割多重信号伝送方法及びそれに用いる受信装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の直交周波数分割多重信号伝送方法は、送信側では、伝送すべき情報信号とシンボル周期毎に値が順次変化し1フレーム期間で一巡するシンボル番号の値に応じた既知の参照信号とパイロット信号用基準データとをサンプルクロックに同期して逆離散フーリエ変換した後、直交変調することにより、互いに周波数の異なる複数の搬送波のそれぞれを、各搬送波に割り当てられた伝送すべき情報信号で別々に変調し、複数の搬送波のうちシンボル番号の値に応じて変化する所定の搬送波に既知の参照信号を挿入すると共に、予め定めた搬送波にサンプルクロックの周波数に対して所定の整数比に設定されたパイロット信号を挿入して、周波数分割多重した直交周波数分割多重信号を生成してガードインターバルと有効シンボル期間からなるシンボル単位で送信し、
受信側では、受信した直交周波数分割多重信号を直交復調した後、その直交復調された信号中のパイロット信号に基づいて、サンプルクロック及びシンボル単位のシンボル同期信号を生成し、このサンプルクロック及びシンボル同期信号に基づいて設定した時間窓に含まれる、直交復調信号をサンプルクロックに基づいて離散フーリエ変換して伝送すべき情報信号及び参照信号を復号する直交周波数分割多重信号伝送方法であって、
受信側は、搬送波の伝送路特性を表す係数を用いて、複数の搬送波のうち近傍の一対の搬送波間の位相差の近似値を算出することを、設定した数の搬送波のそれぞれについて行ってそれらの近似値の積算値を求め、前回の積算値と今回の積算値とを比較して、その比較結果に応じて、得られる積算値が極小となるように時間窓の位相をサンプルクロックの1周期単位で離散的に調整し、離散フーリエ変換された所定の搬送波に挿入されている参照信号の値を用いて搬送波の伝送路特性を検出し、検出した伝送路特性から伝送路特性と逆特性である補正特性を算出して記憶し、補正特性を用いて離散的に位相調整された時間窓に含まれる、直交復調信号をサンプルクロックに基づいて離散フーリエ変換して得られた復調信号の補正しきれない誤差成分の補正を行って情報信号を得ることを特徴とする。
【0017】
また、本発明方法は、送信側では、伝送すべき情報信号をサンプルクロックに同期して逆離散フーリエ変換した後、直交変調することにより、互いに周波数の異なる複数の搬送波で伝送すべきディジタル情報信号を伝送すると共に、複数の搬送波のうち中心搬送波に対して対称な高域側の正の搬送波と低域側の負の搬送波の組に既知の参照信号が挿入され、かつ、予め定めた搬送波にサンプルクロックの周波数に対して所定の整数比に設定されたパイロット信号が挿入され、参照信号を送信する正負の搬送波の組の挿入位置を、特定の搬送波で伝送するシンボル番号で指定し、かつ、一定期間毎に順次巡回的に変更して、周波数分割多重した直交周波数分割多重信号を生成してガードインターバルと有効シンボル期間からなるシンボル単位で送信し、
受信側では、受信した周波数分割多重信号を直交復調した後、その直交復調された信号中のパイロット信号に基づいて、サンプルクロック及びシンボル同期信号を生成し、このサンプルクロック及びシンボル同期信号に基づいて設定した時間窓に含まれる、直交復調信号をサンプルクロックに基づいて離散フーリエ変換して伝送すべき情報信号及びシンボル番号を復号し、復号したシンボル番号に基づいて参照信号を復号し、この参照信号から正の搬送波の実数部を伝送しているときに負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分、あるいは正の搬送波の虚数部を伝送しているときに負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分をもとに伝送路特性を検出し、検出した伝送路特性を用いて復号した情報信号を補正する直交周波数分割多重信号伝送方法であって、
受信側は、伝送路特性の漏れ出る信号成分を用いて、複数の搬送波のうち近傍の一対の搬送波間の位相差の近似値を算出することを、設定した数の搬送波のそれぞれについて行ってそれらの近似値の積算値を所定期間毎に求め、前回の積算値と今回の積算値とを比較して、その比較結果に応じて、得られる積算値が極小となるように時間窓の位相をサンプルクロックの1周期単位で離散的に調整し、検出した伝送路特性の逆特性である補正特性を算出して記憶し、補正特性を用いて離散的に位相調整された時間窓に含まれる直交復調信号をサンプルクロックに基づいて離散フーリエ変換して得られた復調信号の補正しきれない誤差成分の補正を行って情報信号を得ることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の受信装置は、伝送すべき情報信号をサンプルクロックに同期して逆離散フーリエ変換した後、直交変調することにより、互いに周波数の異なる複数の搬送波で伝送すべきディジタル情報信号を伝送すると共に、複数の搬送波のうち中心搬送波に対して対称な高域側の正の搬送波と低域側の負の搬送波の組に既知の参照信号が挿入され、かつ、予め定めた搬送波にサンプルクロックの周波数に対して所定の整数比に設定されたパイロット信号が挿入され、参照信号を送信する正負の搬送波の組の挿入位置を、特定の搬送波で伝送するシンボル番号で指定し、かつ、一定期間毎に順次巡回的に変更した直交周波数分割多重信号で、かつ、ガードインターバルと有効シンボル期間からなるシンボル単位で送信された直交周波数分割多重信号を受信する受信手段と、受信手段からの受信直交周波数分割多重信号を直交復調して、複素数で表される情報信号とシンボル番号と参照信号とパイロット信号とを得る復調手段と、復調手段からのパイロット信号に基づいて、サンプルクロック及びシンボル単位周期のシンボル同期信号を生成する同期信号発生手段と、シンボル同期信号及びサンプルクロックに基づいて時間窓を離散的に設定し、この時間窓内で復調手段からの情報信号とシンボル番号及び参照信号をそれぞれ通過させるガードインターバル期間処理手段と、
ガードインターバル期間処理手段からの信号をサンプルクロックに基づいて離散的フーリエ変換してディジタル情報信号を復号すると共に、シンボル番号及び参照信号を復号する復号手段と、復号手段よりのシンボル番号から参照信号を復号し、この参照信号から正の搬送波の実数部を伝送しているときに負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分、あるいは正の搬送波の虚数部を伝送しているときに負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分をもとに伝送路特性を検出し、この伝送路特性から伝送路特性の逆特性である補正特性を算出して記憶し、この記憶された補正特性を用いて復号手段からのディジタル情報信号の復号信号の補正しきれない誤差成分の補正を行って情報信号を得る補正手段と、伝送路特性を表す係数を用いて、複数の搬送波のうち近傍の一対の搬送波間の位相差の近似値を算出することを、設定した数の搬送波のそれぞれについて行ってそれらの近似値の積算値を求め、前回の積算値と今回の積算値とを比較して、その比較結果に応じて、得られる積算値が極小となるように、ガードインターバル期間処理手段における時間窓の位相をサンプルクロックの1周期単位で離散的に調整する調整手段と有することを特徴とする。
【0019】
本発明では、シンボル同期信号の生成は従来と同じ方法で生成し、近傍の搬送波間での位相差の近似値を算出し、更に設定した数の搬送波のそれぞれについて上記の位相差の近似値を算出してそれらを積算し、その積算値を前回入力時と今回入力時とで比較して、その比較結果に応じて積算値が極小となるように時間窓の位相を調整制御するようにしたため、有効シンボル期間の始まりを正確に検出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる直交周波数分割多重信号伝送方法の送信系の一実施の形態のブロック図、図2は本発明になる直交周波数分割多重信号伝送方法の受信系及び受信装置の一実施の形態のブロック図を示す。
【0021】
図1の送信系の構成は、本発明者が先に提案した前記特許出願における送信装置と同様である。同図において、入力端子1には伝送すべきディジタルデータが入力される。このディジタルデータとしては、例えばカラー動画像符号化方式であるMPEG方式などの符号化方式で圧縮されたディジタル映像信号や音声信号などである。この入力ディジタルデータは、入力回路2に供給されて必要に応じて誤り訂正符号の付与がクロック分周器3よりのクロックに基づいて行われる。クロック分周器3は中間周波数発振器10よりの10.7MHzの中間周波数を分周して、この中間周波数に同期したクロックを発生する。
【0022】
誤り訂正符号が付加されたディジタルデータは入力回路2から演算部4に供給される。この演算部4は、入力回路2よりのディジタルデータを逆離散フーリエ変換(IDFT)演算して同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)を生成すると共に、後述するようにシンボル番号計数回路5よりのシンボル番号及び参照信号挿入回路6よりの参照信号もそれぞれ所定の入力端子(入力部)に供給されてIDFT演算する。すなわち、特定の搬送波にシンボル番号を挿入すると共に、シンボル番号に対応した正負の他の搬送波に既知の参照信号(基準データ)を挿入する。
【0023】
具体的には、シンボル番号計数回路5は、シンボル番号を8ビットで表現し、0,1,2,3,...,255,0,1,2,..というように、シンボル周期毎に順次巡回的に変化するシンボル番号を計数出力する。
【0024】
ここで、シンボル番号の正確な復号は重要なので、専用の基準データ(参照信号)を用意する。シンボル番号計数回路5から出力された8ビットのうち、8、7、3、2ビット目の4ビットが演算部4に入力され、ここで特定の搬送波、例えば第1キャリアで伝送されるようにIDFT演算される。
【0025】
また、参照信号挿入回路6はシンボル番号計数回路5から出力された8ビットのシンボル番号を受け、そのうちの上位7ビットに基づいて得た所定の搬送波に参照信号を挿入すべく参照信号を演算部4に入力し、所定の搬送波で伝送されるようにIDFT演算させる。シンボル番号の下位の1ビットは無視されるため、2シンボルの間は同じ値の搬送波に参照信号が挿入される。
【0026】
また、8ビットのシンボル番号の最下位ビットに基づき、参照信号挿入回路6は奇数シンボルと偶数シンボルに分けて、次の2種類の参照信号を挿入する。
【0027】
【数1】
(1a)式で表される行列式の参照信号は偶数シンボルに、(1b)式で表される行列式の参照信号は奇数シンボルに挿入する。ここで、X、Yは既知の参照信号値、pは伝送する該当正キャリアの実数部、qは伝送する該当正キャリアの虚数部、rは伝送する該当負キャリアの実数部、uは伝送する該当負キャリアの虚数部である。上記の参照信号を挿入する搬送波は中心搬送波周波数F0に対して対称な正負の搬送波周波数を組として、ここでは上記のように2シンボル毎に切り換えるようにしているため、256シンボルですべての正負128組の搬送波で伝送される。つまり、任意の一搬送波は、256シンボル周期で参照信号を伝送する。
【0028】
演算部4は一例としてデータ系列が256本の搬送波で送信されるとき、2倍オーバーサンプリングのIDFT演算をして信号を発生させる、512ポイントIDFT演算する。このときの演算部4への入力割り当ては、入力周波数整列型で順番に番号をふると、次のようになる。
【0029】
n=0〜128 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0030】
n=129〜383 搬送波レベルを0とし、信号を発生させない。
【0031】
n=384〜511 搬送波を変調する情報信号が与えられる。
【0032】
演算部4は、1番目から127番目の入力端子と385番目から511番目の入力端子に4ビットのR信号及び4ビットのI信号とがそれぞれ入力されると共に、0番目、128番目及び384番目の入力端子に一定電圧が入力され、それ以外の129番目から383番目の入力端子には0が入力されて、2倍オーバーサンプリングIDFT演算を行い、その結果同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)を得た後、I信号とQ信号にそれぞれマルチパス歪みを軽減させるためのガードインターバルを挿入してから、出力バッファ7へ出力する。
【0033】
ここで、1番目から128番目までの計128個の入力端子の入力情報は、0番目の入力端子の入力情報を伝送する中心搬送波周波数F0に対し、上側(高域側)の情報伝送用搬送波(これを本明細書では正のキャリア又は搬送波というものとする)で伝送され、384番目から511番目までの計128個の入力端子の入力情報は、中心搬送波周波数F0に対し下側(低域側)の情報伝送用搬送波(これを本明細書では負のキャリア又は搬送波というものとする)で伝送され、特に128番目と384番目の入力端子の入力パイロット信号はIDFT演算の結果、ナイキスト周波数の1/2倍の周波数と等価である両端の周波数の搬送波で伝送され、残りの129番目から383番目の入力端子には0が入力され(グランド電位とされ)、その部分の搬送波が発生しないようにされる(データ伝送には用いない)。
【0034】
出力バッファ7は、演算部4の出力演算結果が1回のIDFT演算において256個の入力情報が512点の時間軸信号(I信号及びQ信号)として、バースト的に発生されるのに対し、出力バッファ7以降の回路としては、出力バッファ7の内容の読み取り速度一定で連続的に動作するため、両者の時間的違いを調整するために設けられている。
【0035】
図1のクロック分周器3からのクロックに基づいて、出力バッファ7より連続的に読み出されたIDFT演算結果であるI信号とQ信号は、D/A変換器・低域フィルタ(LPF)8に供給され、ここでクロック分周器3からのクロックをサンプリングクロックとしてアナログ信号に変換された後、LPFにより必要な周波数帯域の成分のI信号とQ信号とが通過されて直交変調器9へそれぞれ供給される。
【0036】
直交変調器9は中間周波数発振器10よりの10.7MHzの中間周波数を第1の変調波とし、かつ、この中間周波数の位相を90°シフタ11により90°シフトした10.7MHz中間周波数を第2の変調波として、それぞれD/A変換器・LPF8より入力されたディジタルデータのI信号とQ信号で直交振幅変調(QAM)して257波(正負128組の搬送波と中心搬送波一つ)の情報搬送波からなるOFDM信号を生成する。直交変調器9より出力されたOFDM信号は周波数変換器12により所定の送信周波数帯のRF信号に周波数変換された後、送信部13で電力増幅等の送信処理を受けて図示しないアンテナより放射される。
【0037】
次に、図2に示す周波数分割多重信号受信装置について説明する。この周波数分割多重信号受信装置は後述するように、ガードインターバル期間処理回路30とDFT,QAM復号回路31の構成に特徴がある。図2において、空間伝送路を介して入力されたOFDM信号は、受信部21により受信アンテナを介して受信された後高周波増幅され、更に周波数変換器22により中間周波数に周波数変換され、中間周波増幅器23により増幅された後、キャリア抽出及び直交復調器24に供給される。
【0038】
キャリア抽出及び直交復調器24のキャリア抽出回路部分は、入力OFDM信号の中心搬送波(キャリア)を位相誤差少なくできるだけ正確に抽出する回路である。ここでは、情報を伝送する各搬送波は、シンボル周波数である387Hz毎に隣接配置されてOFDM信号を構成しているため、中心搬送波に隣接する情報伝送用搬送波も中心周波数に対して387Hz離れており、中心搬送波を抽出するためには、387Hzしか離れていない隣接する情報伝送用搬送波の影響を受けないように、選択度の高い回路が必要となる。そこで、キャリア抽出回路部にPLL回路を用いて中心搬送波F0の抽出を行う。
【0039】
キャリア抽出及び直交復調器24により抽出された中心搬送波F0は、中間周波数発振器25に供給され、ここで中心搬送波F0に位相同期した10.7MHzの中間周波数を発生させる。中間周波数発振器25の出力中間周波数は第1の復調波として直交復調器24に直接に供給される一方、90°シフタ26により位相が90°シフトされてから第2の復調波としてキャリア抽出及び直交復調器24に供給される。
【0040】
これにより、キャリア抽出及び直交復調器24の直交復調器部からは送信装置の直交変調器9に入力されたアナログ信号と同等のアナログ信号(周波数分割多重信号)が復調されて取り出され、同期信号発生回路27に供給される一方、低域フィルタ(LPF)28によりOFDM信号情報として伝送された必要な周波数帯域の信号が通過されてA/D変換器29に供給されてディジタル信号に変換される。
【0041】
ここで重要なのはA/D変換器29の入力信号に対するサンプリングのタイミングで、これは同期信号発生回路27によりパイロット信号より生成された、ナイキスト周波数の2倍の周波数のサンプル同期信号に基づいて発生される。すなわち、パイロット信号はサンプルクロック周波数に対して所定の整数比に設定されており、周波数比に応じた周波数逓倍を行ってサンプルクロックのタイミングを得る。
【0042】
同期信号発生回路27は、復調アナログ信号が入力され、ガードインターバル期間を含む各シンボル期間で連続信号として伝送されるパイロット信号に位相同期するPLL回路によりサンプルクロックを発生するサンプルクロック発生回路部と、サンプルクロック発生回路部の一部より取り出した信号によりパイロット信号の位相状態を調べ、シンボル期間を検出してシンボル同期信号を発生するシンボル同期信号発生回路部などよりなる。
【0043】
なお、シンボル同期信号の発生に際しては、例えば本出願人が先に特願平8−219242号にて提案したように、ガードインターバルがシンボルの後のデータと同じデータが巡回して配置されているため、ガードインターバルの最後のデータと次のシンボルの開始データの所のみで殆どすべてのキャリアで不連続になっていることに着目し、高域フィルタにより入力復調信号(I、Qどちらの信号でもよい)からキャリアの情報成分を除去すると共に、シンボルの開始点の位置情報(シンボルデータ)を有する残留高周波数成分を抽出し、これをピークディテクタとコンパレータによりパルス列に変換してPLL(位相同期ループ)回路に入力して、ジッタのないシンボルタイミングクロックを発生させ、これをサンプルクロックを分周する分周回路の分周スタート信号とすることで、分周回路からシンボル同期信号を得る構成を使用してもよい。
【0044】
A/D変換器29より取り出されたディジタル信号は、ガードインターバル期間処理回路30に供給され、ここで同期信号発生回路27よりのサンプルクロックとシンボル同期信号に基づいて、DFTウィンドウの所定量のディジタルデータ列がDFT,QAM復号回路31に出力される。DFT,QAM復号回路31は、同期信号発生回路27よりのサンプルクロックに基づいて、入力ディジタルデータ列を取り込み、それを複素フーリエ演算して受信複素数の復調信号(復号ディジタル情報信号)を得る一方、シンボル番号を復号し、更にこのシンボル番号に対応した正負キャリアの受信参照信号を求め、これらに基づいて伝送路特性の補正式を検出し、この補正式に基づいて上記の受信複素数の復調信号が補正される。また、DFT,QAM復号回路31は、後述する前進信号と後退信号を生成する。
【0045】
DFT,QAM復号回路31から出力された復号ディジタル情報信号は、出力回路32により並直列変換などの出力処理が行われて出力端子33へ出力される。また、DFT,QAM復号回路31により生成された後述する前進信号と後退信号はそれぞれガードインターバル期間処理回路30に供給される。
【0046】
図3は上記のDFT,QAM復号回路31の一例のブロック図を示す。同図に示すように、DFT,QAM復号回路31はDFT演算回路311、補正回路312、制御回路313及び位相演算回路314から構成されている。このDFT,QAM復号回路31にガードインターバル期間処理回路30から入力されたディジタルデータ列はI信号I’とQ信号Q’からなり、それぞれはDFT演算回路311に供給され、ここでDFT演算されることにより、それぞれの変調信号である伝送情報R’とI’に復号された後、補正回路312に供給されて復号値が補正され、補正値である信号R’及びI’がそれぞれ出力され、図2の出力回路32へ出力される。
【0047】
次に、補正回路312の動作について説明する。補正回路312では、DFT演算により復号された伝送情報中のシンボル番号に基づいて、そのシンボル番号に対応した正負キャリアの受信値、すなわち受信参照信号値を求める。この受信参照信号値は、偶数シンボルでは、p0s’、q0s’、r0s’及びu0s’であり、奇数シンボルでは、p1s’、q1s’、r1s’及びu1s’であったものとする。
【0048】
ここで、前記特願平8−43854号にて提案しているように、次式で表される係数S0〜S7を上記の参照信号値から算出する。
【0049】
【数2】
ここで、
S0= (p0s'・X-p1s'・Y-q0s'・Y+q1s'・X)/2(X2-Y2)
S1= (p0s'・Y-p1s'・X+q0s'・X-q1s'・Y)/2(X2-Y2)
S2= (p0s'・X-p1s'・Y+q0s'・Y-q1s'・X)/2(X2-Y2)
S3=−(p0s'・Y-p1s'・X-q0s'・X+q1s'・Y)/2(X2-Y2)
S4= (r0s'・X-r1s'・Y+u0s'・Y-u1s'・X)/2(X2-Y2)
S5=−(r0s'・Y-r1s'・X-u0s'・X+u1s'・Y)/2(X2-Y2)
S6= (r0s'・X-r1s'・Y-u0s'・Y+u1s'・X)/2(X2-Y2)
S7= (r0s'・Y-r1s'・X+u0s'・X-u1s'・Y)/2(X2-Y2)
である。
【0050】
上記の各係数のうち、S0は、正キャリアの実数部が、正キャリアの実数部へ伝達する率を示しており、正キャリアの虚数部が、正キャリアの虚数部へ伝達する率を示している。S1は、正キャリアの実数部が、正キャリアの虚数部へ漏洩する率を示しており、正キャリアの虚数部が、正キャリアの実数部へ漏洩する率を示している。S2は、負キャリアの実数部が、正キャリアの実数部へ漏洩する率を示しており、負キャリアの虚数部が、正キャリアの虚数部へ漏洩する率を示している。
【0051】
S3は、負キャリアの実数部が、正キャリアの虚数部へ漏洩する率を示しており、負キャリアの虚数部が、正キャリアの実数部へ漏洩する率を示している。S4は、正キャリアの実数部が、負キャリアの実数部へ漏洩する率を示しており、正キャリアの虚数部が、負キャリアの虚数部へ漏洩する率を示している。
S5は、正キャリアの実数部が、負キャリアの虚数部へ漏洩する率を示しており、正キャリアの虚数部が、負キャリアの実数部へ漏洩する率を示している。S6は、負キャリアの実数部が、負キャリアの実数部へ伝達する率を示しており、負キャリアの虚数部が、負キャリアの虚数部へ伝達する率を示している。S7は、負キャリアの実数部が、負キャリアの虚数部へ漏洩する率を示しており、負キャリアの虚数部が、負キャリアの実数部へ漏洩する率を示している。ここで、率の−,+の説明は省略した。
【0052】
すなわち、上記の係数S0〜S7はI信号、Q信号の伝送路の特性を示しており、これらの係数S0〜S7を上式により受信参照信号値から算出することにより、伝送路の特性を検出できることになる。
【0053】
また、(2)式の逆行列を求めることにより、受信データを補正し送信データを推定することができる。ここで、(2)式の逆行列は次式で表される。
【0054】
【数3】
ただし、上式中H0〜H7及びdet Aは次式で表される。
【0055】
H0 = +S0(S6S6+S7S7)-S2(S4S6+S5S7)+S3(S4S7-S5S6)
H1 = +S1(S6S6+S7S7)-S3(S4S6+S5S7)-S2(S4S7-S5S6) H2 = +S4(S2S2+S3S3)-S6(S0S2+S1S3)+S7(S0S3-S1S2) H3 = +S5(S2S2+S3S3)-S7(S0S2+S1S3)-S6(S0S3-S1S2) H4 = +S2(S4S4+S5S5)-S0(S4S6+S5S7)-S1(S4S7-S5S6) H5 = +S3(S4S4+S5S5)-S1(S4S6+S5S7)+S0(S4S7-S5S6) H6 = +S6(S0S0+S1S1)-S4(S0S2+S1S3)-S5(S0S3-S1S2) H7 = +S7(S0S0+S1S1)-S5(S0S2+S1S3)+S4(S0S3-S1S2)det A=S0×H0+S1×H1+S4×H2+S5×H3
そこで、補正回路312は、入力された係数S0〜S7から上式に基づいてdet AとH0〜H7を算出して、更にこれらの算出値から(3)式中の逆行列のうち次式の補正式の値を算出して記憶保持する。
【0056】
【数4】
このようにして、該当正負搬送波での補正式が用意される。該当正負搬送波はシンボル番号によって決定される。当然、各搬送波毎に補正式があり、この実施の形態のように257本のキャリアを使用する場合は、約128個の補正式が順次算出保持される。また、係数S0〜S7は時々刻々と変化しているので、補正式も時々刻々と更新される。
【0057】
補正回路312はDFT演算回路311よりの受信情報を、受信参照信号値に基づいて計算されて保持されている上記の補正式を用いてそれぞれの正負キャリアの組で次式を演算して補正し、これにより補正された伝送情報R’及びI’を出力する。
【0058】
【数5】
ただし、(5)式中、a〜dは受信補正した、該当正キャリアに割り当てられた受信データ(補正後)の複素数を(a+jb)とし、受信補正した、該当負キャリアに割り当てられた受信データ(補正後)の複素数を(c+jd)としたときの値、a’〜d’は受信復号した、該当正キャリアに割り当てられた受信データ(補正前)の複素数を(a’+jb’)とし、受信復号した、該当負キャリアに割り当てられた受信データ(補正前)の複素数を(c’+jd’)としたときの値である。
【0059】
次に、本実施の形態の要部である制御回路313と位相演算回路314の動作について説明する。電源投入等の初期状態において、同期信号発生回路27から出力されるシンボル同期信号に基づいてDFTウィンドウが指定され、そのDFTウィンドウの部分のディジタルデータ列がDFT演算回路311に入力され、DFT演算された後補正回路312に入力されて上記の補正動作が行われる。
【0060】
このとき、制御回路313は、補正回路312より入力された復号シンボル番号に基づき、シンボル番号が一巡したかどうかを、すなわち、1フレーム期間経過したかを監視する。すべてのキャリアについて係数S0〜S7を求めるためである。シンボル番号が一巡したことを検出すると、制御回路313は位相演算回路314に対して演算指令を発する。
【0061】
位相演算回路314は、この演算指令に基づき補正回路312が保持している各キャリアの係数S0、S1、S6及びS7を取り込み、以下の演算を施し、演算結果(積算値)を制御回路313にわたす。ここで、係数S0とS1は正のキャリアの特性を顕著に表しており、係数S6とS7は負のキャリアの特性を顕著に表しており、これらの係数のみでの演算で、後述する比較に対する性能を確保できる。係数S2〜S5は、係数S0、S1、S6及びS7に比べて小さな値であり、演算量を少なくする効果も含め、無視して差し支えない。
【0062】
次に、位相演算回路314の演算動作について説明する。いま第+10キャリアの係数S0、S1をS0+10、S1+10、第−10キャリアの係数S6、S7をS6-10、S7-10、第+20キャリアの係数S0、S1をS0+20、S1+20、第−20キャリアの係数S6、S7をS6-20、S7-20とすると、これらの伝送路特性係数は図7で示される。
【0063】
従って、第+10キャリアと第+20キャリアとの位相差θは、次式で表せる。
【0064】
そこで、位相演算回路314は上記の第+10キャリアと第+20キャリアとの位相差θをtan(θ+20−θ+10)で近似し、
を演算する。同様に、位相演算回路314は第−10キャリアと第−20キャリアとの位相差θをtan(θ)で近似し、
を演算する。以下、同様に、第+Xキャリアと第+(X+10)キャリアとの位相差θを近似的に
I+X={S0+X・S1+X+10-S0+X+10・S1+X}/{S0+X・S0+X+10+S1+X・S1+X+10}
を演算し、第−Xキャリアと第−(X+10)キャリアとの位相差θを近似的に
I-X={S6-X・S7-X-10-S6-X-10・S7-X}/{S6-X・S6-X-10+S7-X・S7-X-10}
を演算する。
【0065】
ここで、Xは正の整数で、10キャリア毎の位相差を演算するため、10、20、30、40、50、...の値をとる。また、例としてキャリア数が±128本の場合は、X=...、100、110までである。
【0066】
なお、この実施の形態では、10キャリア毎の位相差を求めたが、例えば5キャリア毎でも、20キャリア毎でも得ようとする最終結果、すなわち判断結果に影響を及ぼさない。また、演算時間に制約がある場合は、片側である正キャリア方向のみの演算でもよく、また、端の方のキャリアを省略しても構わない。
【0067】
次に、位相演算回路314は、正方向、負方向それぞれの位相差を加算し、その絶対値を合計し積算値Iとし、これを演算結果として制御回路313へ出力する。ここで、
である。制御回路313は上記の演算結果(積算値I)を記憶した後、前回の積算値と今回の積算値を比較し、今回の積算値が前回の積算値以下の時は、ガードインターバル期間処理回路30に前進信号を出力し、今回の積算値が前回の積算値より大きいときにはガードインターバル期間処理回路30に後退信号を出力する。この積算値が最小のときに、DFTウィンドウと有効シンボル期間が一致する。
【0068】
次に、ガードインターバル期間処理回路30の構成及び動作について図4及び図5と共に説明する。ガードインターバル期間処理回路30は、図4に示すように、データ管理回路301と調整回路302からなる。データ管理回路301は、調整回路302が出力する開始信号に基づき、図2に示したA/D変換器29の出力ディジタルデータ列(I信号I’、Q信号Q’)から512個のディジタルデータをDFT,QAM復号回路31に伝達する。
【0069】
調整回路302は、動作開始に当り同期信号発生回路27から入力される図5(A)に示すシンボル同期信号でカウント値をクリアし、以降は同期信号発生回路27から入力される図5(B)に示すサンプルクロックをカウントし、524カウント毎に図5(C)に示すように開始信号をデータ管理回路301に出力する。
【0070】
ここでは、512ポイントDFT演算にて復号するため、512個のディジタルデータと、ガードインターバル用に12個のディジタルデータからなる、図5(E)に模式的に示すOFDM信号の1つのシンボルに対して、シンボル同期信号とサンプルクロックは図5(A)、(B)に示す関係にある。ここで、図5(D)に模式的に示すA/D変換器29の出力ディジタルデータ列は、1シンボルを構成する524個のディジタルデータのうち、開始信号から512個のデータのみDFTウィンドウ内のデータとしてDFT,QAM復号回路31に伝達され、残りの12個のデータは伝達されない。
【0071】
図12でも説明したように、図5(C)の開始信号は同図(E)に示すOFDM信号の正確な有効シンボル期間のデータを切り出す位相関係にはないが、開始信号は図5(E)に斜線を付して示す隣接シンボルの干渉域には存在しないため、データの復号は可能である。ただし、この状態では隣接キャリア間は、位相関係において係数が大きく異なっている。
【0072】
調整回路302は、DFT,QAM復号回路31から前進信号が入力されたときは、1サンプルクロック間引く動作をする。これにより、調整回路302から出力される開始信号は、図5(F)に示すように、1サンプルクロック周期分遅延された信号となる。この開始信号を受けて、データ管理回路301は、初期状態のディジタルデータ列と比べると、2個目から513個目までのディジタルデータ列を伝達し、最初の1個分と最後の残り11個分を伝達しないようなDFTウィンドウを設定して動作する。
【0073】
これ以降、次回の前進信号に対しても調整回路302は1サンプルクロック間引いて1サンプルクロック周期分遅延された開始信号を出力するため、データ管理回路301は、3個目から514個目までのディジタルデータ列を伝達し、最初の2個分と最後の残り10個分を伝達しないように動作する。以下、同様にして、開始信号は徐々にガードインターバルの最後の方に移動していき、データ管理回路301は徐々に後方のディジタルデータ列を伝達するように動作する。
【0074】
前記位相差の積算値は、開始信号がガードインターバルの最後の位置では最小になり、開始信号が有効シンボル期間内に入ると大きくなり、またガードインターバルの先頭に近い位置ほど位相差の積算値が大きくなる。従って、開始信号が有効シンボル期間にくると、今度はDFT,QAM復号回路31から後退信号が出力され、これにより調整回路302は1サンプルクロックを追加する動作をする。
【0075】
これにより、調整回路302から出力される開始信号は、1サンプルクロック周期分位相が進むようにされた信号となる。この開始信号を受けて、データ管理回路301は、初期状態のディジタルデータ列と比べると、1個分前方のデータ列を伝達するように動作する。以下、同様にして、開始信号は徐々に隣接シンボルとの干渉域の方に移動していき、データ管理回路301は徐々に前方のディジタルデータ列を伝達するように動作する。
【0076】
調整回路302は例えば、図6に示すように、512分周回路3021と、シフトレジスタ3022と、セレクタ3023とから構成される。この調整回路302は、512分周回路3021がシンボル同期信号によりクリアされ、サンプルクロックを512個カウントする毎に分周パルスを出力する。シフトレジスタ3022はこの分周パルスを受けて、サンプルクロックに同期してシフト動作を行い、例えば8ビット出力をセレクタ3023に入力する。
【0077】
セレクタ3023は前進信号がアップ端子に入力されたときは、シフトレジスタ3022の出力のうち前回よりも1サンプルクロック分位相が遅れた出力パルスを選択し、後退信号がダウン端子に入力されたときは前回よりも1サンプルクロック分位相が進んだパルスを選択し、それを開始信号として出力する。
【0078】
ガードインターバル期間処理回路30は、前進信号を受け前記の動作を行い、DFT,QAM復号回路31内の制御回路313は、前回と同様に補正回路312により伝達されるシンボル番号をもとにシンボルが一巡したかどうかを監視し、シンボルが一巡したと検出したときに、位相演算回路314に対し演算命令を発する。位相演算回路314は、前回と同様に、演算命令に基づき、補正回路312の保持する各キャリアの係数S0、S1、S6及びS7を取り込み、演算結果(積算値)を制御回路313にわたす。
【0079】
制御回路313は、前述したように前回の積算結果と今回の積算結果の大きさを比較し、今回の方が小さかった場合、更に前進信号を発し、前記の動作を繰り返す。積算結果の大きさが、今回の方が大きかった場合(位相の極小値は前回であったことを意味する)、後退信号を発生し、最適位置の決定を完了する。
【0080】
なお、ガードインターバル期間処理回路30とDFT,QAM復号回路31の他の実施の形態として、ガードインターバル期間処理回路30は、数シンボル分の記憶回路で構成し、同期信号発生回路27の出力シンボル同期信号とサンプルクロックに基づき、ディジタルデータ列をリング状に構成してもよく、また、DFT,QAM復号回路31は中央処理装置(CPU)プロセッサで構成してもよい。
【0081】
図8はDFT,QAM復号回路31を構成するCPUプロセッサの動作説明用フローチャートを示す。同図において、電源が投入されると(ステップ41)、補正回路312からのシンボル番号が一巡したかどうか監視し(ステップ42)、シンボルが一巡したときは、補正回路312の保持する各キャリアの係数S0、S1、S6及びS7を取り込み、前記した位相差積算演算を行い(ステップ43)、その演算が1回目であるときは再びステップ42に戻ってシンボル番号が一巡したかどうか監視し、2回目以降であるときは前回の積算結果と今回の積算結果の大きさを比較する(ステップ44、45)。
【0082】
ステップ45において、今回の積算結果が前回のそれより以下の場合、前進信号を発し、前記したようにデータ管理回路301が、1個分前方のデータ列を伝達するようにデータ取り込み位置のアドレスを1つ進ませ(ステップ46)、再びステップ42に戻りシンボル番号が一巡したかどうか監視する。
【0083】
ステップ45において、今回の積算結果が前回のそれよりも大きかった場合(位相の極小値は前回であったことを意味する)、後退信号を発生し、データ管理回路301が1個分後方のデータ列を伝達するように、データ取り込み位置のアドレスを1つ戻し(ステップ47)、最適位置の決定を完了する(ステップ48)。
【0084】
なお、シンボルの構成例として、ガードインターバルの他に、プリガードインターバルの挿入が考えられる。すなわち、512ポイントIFFT演算結果が、図9(A)に示す如く、512個のディジタルデータBのうち、先頭の2個のディジタルデータをA、最後の10個のディジタルデータをCとしたとき、同図(B)に示す如く、512個のディジタルデータBを有効シンボル期間に配置し、先頭のガードインターバルには10個のディジタルデータCを配置し、最後のプリガードインターバルには2個のディジタルデータAを配置して1シンボルを構成する。
【0085】
これは、希望波よりも先行して到来するゴースト波に対する干渉対策である。このような構成のOFDM信号に対しても本発明を適用することができる。
【0086】
また、本実施の形態においては、参照信号の挿入方法を正負の搬送波の組で送受した例を示したが、前記したように、係数S0、S1とS6、S7を使用し、係数S2〜S5を使用しなくても十分な精度は確保できる。すなわち、他の例として、正負の搬送波の組で参照信号を送受しないOFDM信号送受信システムでも本発明は十分に適用可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、近傍の搬送波間での位相差の近似値を算出し、更に設定した数の搬送波のそれぞれについて上記の位相差の近似値を算出してそれらを積算し、その積算値を前回入力時と今回入力時とで比較して、その比較結果に応じて積算値が極小となるように時間窓の位相を調整制御することにより、有効シンボル期間の始まりを正確に検出できるようにしたため、近傍搬送波間での係数加算平均によりノイズを除去する場合に、発生する平均化した係数のずれを極力少なくでき、よって装置性能を向上させることができる。
【0088】
また、本発明によれば、シンボル同期信号の生成に関する性能は従来と同じでよく、簡単な回路あるいはソフトウェアでシンボル同期信号の位置ずれを極力少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる直交周波数分割多重信号伝送方法の送信系の一実施の形態のブロック図である。
【図2】本発明になる直交周波数分割多重信号伝送方法の受信系及び受信装置の一実施の形態のブロック図である。
【図3】図2中のDFT,QAM復号回路の一例のブロック図である。
【図4】図2中のガードインターバル期間処理回路の一例のブロック図である。
【図5】図4の動作説明用タイミングチャートである。
【図6】図4のガードインターバル期間処理回路中の調整回路の一例のブロック図である。
【図7】図3の位相演算回路の動作を説明する図である。
【図8】DFT,QAM復号回路をCPUプロセッサで構成した場合の動作説明用フローチャートである。
【図9】本発明を適用し得る他のシンボル構成例を示す図である。
【図10】OFDM信号のベースバンド時間軸波形図である。
【図11】OFDM信号のシンボル構成の一例を示す図である。
【図12】希望波と遅延したゴースト波を受信した場合のシンボル同期信号位置を説明する図である。
【符号の説明】
2 入力回路
3 クロック分周器
4 演算部
5 シンボル番号計数回路
6 参照信号挿入回路
7 出力バッファ
8 D/A変換器・低域フィルタ(LPF)
9 直交変調器
10、25 中間周波数発振器
11、26 90°シフタ
12、22 周波数変換器
21 受信部(受信手段)
24 キャリア抽出及び直交復調器(復調手段)
27 同期信号発生回路(同期信号発生手段)
29 A/D変換器
30 ガードインターバル期間処理回路(ガードインターバル期間処理手段)
31 DFT,QAM復号回路
32 出力回路
301 データ管理回路
302 調整回路(調整制御手段)
311 DFT演算回路(復号手段)
312 補正回路(補正手段)
313 制御回路(調整制御手段)
314 位相演算回路(位相演算手段)
3021 512分周回路
3022 シフトレジスタ
3023 セレクタ
Claims (3)
- 送信側では、伝送すべき情報信号とシンボル周期毎に値が順次変化し1フレーム期間で一巡するシンボル番号の値に応じた既知の参照信号とパイロット信号用基準データとをサンプルクロックに同期して逆離散フーリエ変換した後、直交変調することにより、互いに周波数の異なる複数の搬送波のそれぞれを、各搬送波に割り当てられた前記伝送すべき情報信号で別々に変調し、前記複数の搬送波のうち前記シンボル番号の値に応じて変化する所定の搬送波に前記既知の参照信号を挿入すると共に、予め定めた搬送波に前記サンプルクロックの周波数に対して所定の整数比に設定されたパイロット信号を挿入して、周波数分割多重した直交周波数分割多重信号を生成してガードインターバルと有効シンボル期間からなるシンボル単位で送信し、
受信側では、受信した前記直交周波数分割多重信号を直交復調した後、その直交復調された信号中の前記パイロット信号に基づいて、前記サンプルクロック及び前記シンボル単位のシンボル同期信号を生成し、このサンプルクロック及びシンボル同期信号に基づいて設定した時間窓に含まれる、前記直交復調信号を前記サンプルクロックに基づいて離散フーリエ変換して前記伝送すべき情報信号及び前記参照信号を復号する直交周波数分割多重信号伝送方法であって、
前記受信側は、前記搬送波の伝送路特性を表す係数を用いて、前記複数の搬送波のうち近傍の一対の搬送波間の位相差の近似値を算出することを、設定した数の搬送波のそれぞれについて行ってそれらの近似値の積算値を求め、前回の積算値と今回の積算値とを比較して、その比較結果に応じて、得られる積算値が極小となるように前記時間窓の位相を前記サンプルクロックの1周期単位で離散的に調整し、
前記離散フーリエ変換された前記所定の搬送波に挿入されている前記参照信号の値を用いて前記搬送波の伝送路特性を検出し、検出した前記伝送路特性から該伝送路特性と逆特性である補正特性を算出して記憶し、前記補正特性を用いて前記離散的に位相調整された時間窓に含まれる、前記直交復調信号を前記サンプルクロックに基づいて前記離散フーリエ変換して得られた復調信号の補正しきれない誤差成分の補正を行って前記情報信号を得ることを特徴とする直交周波数分割多重信号伝送方法。 - 送信側では、伝送すべき情報信号をサンプルクロックに同期して逆離散フーリエ変換した後、直交変調することにより、互いに周波数の異なる複数の搬送波で伝送すべきディジタル情報信号を伝送すると共に、前記複数の搬送波のうち中心搬送波に対して対称な高域側の正の搬送波と低域側の負の搬送波の組に既知の参照信号が挿入され、かつ、予め定めた搬送波に前記サンプルクロックの周波数に対して所定の整数比に設定されたパイロット信号が挿入され、前記参照信号を送信する正負の搬送波の組の挿入位置を、特定の搬送波で伝送するシンボル番号で指定し、かつ、一定期間毎に順次巡回的に変更して、周波数分割多重した直交周波数分割多重信号を生成してガードインターバルと有効シンボル期間からなるシンボル単位で送信し、
受信側では、受信した前記周波数分割多重信号を直交復調した後、その直交復調された信号中の前記パイロット信号に基づいて、前記サンプルクロック及びシンボル同期信号を生成し、このサンプルクロック及びシンボル同期信号に基づいて設定した時間窓に含まれる、前記直交復調信号を前記サンプルクロックに基づいて離散フーリエ変換して前記伝送すべき情報信号及びシンボル番号を復号し、復号した前記シンボル番号に基づいて前記参照信号を復号し、この参照信号から前記正の搬送波の実数部を伝送しているときに前記負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分、あるいは前記正の搬送波の虚数部を伝送しているときに前記負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分をもとに伝送路特性を検出し、検出した前記伝送路特性を用いて復号した前記情報信号を補正する直交周波数分割多重信号伝送方法であって、
前記受信側は、前記伝送路特性の漏れ出る信号成分を用いて、前記複数の搬送波のうち近傍の一対の搬送波間の位相差の近似値を算出することを、設定した数の搬送波のそれぞれについて行ってそれらの近似値の積算値を所定期間毎に求め、前回の積算値と今回の積算値とを比較して、その比較結果に応じて、得られる積算値が極小となるように前記時間窓の位相を前記サンプルクロックの1周期単位で離散的に調整し、
検出した前記伝送路特性の逆特性である補正特性を算出して記憶し、前記補正特性を用いて前記離散的に位相調整された時間窓に含まれる前記直交復調信号を前記サンプルクロックに基づいて前記離散フーリエ変換して得られた復調信号の補正しきれない誤差成分の補正を行って前記情報信号を得ることを特徴とする直交周波数分割多重信号伝送方法。 - 伝送すべき情報信号をサンプルクロックに同期して逆離散フーリエ変換した後、直交変調することにより、互いに周波数の異なる複数の搬送波で伝送すべきディジタル情報信号を伝送すると共に、前記複数の搬送波のうち中心搬送波に対して対称な高域側の正の搬送波と低域側の負の搬送波の組に既知の参照信号が挿入され、かつ、予め定めた搬送波に前記サンプルクロックの周波数に対して所定の整数比に設定されたパイロット信号が挿入され、前記参照信号を送信する正負の搬送波の組の挿入位置を、特定の搬送波で伝送するシンボル番号で指定し、かつ、一定期間毎に順次巡回的に変更した直交周波数分割多重信号で、かつ、ガードインターバルと有効シンボル期間からなるシンボル単位で送信された直交周波数分割多重信号を受信する受信手段と、
前記受信手段からの受信直交周波数分割多重信号を直交復調して、複素数で表される情報信号と前記シンボル番号と前記参照信号と前記パイロット信号とを得る復調手段と、
前記復調手段からの前記前記パイロット信号に基づいて、前記サンプルクロック及び前記シンボル単位周期のシンボル同期信号を生成する同期信号発生手段と、
前記シンボル同期信号及び前記サンプルクロックに基づいて時間窓を離散的に設定し、この時間窓内で前記復調手段からの情報信号と前記シンボル番号及び参照信号をそれぞれ通過させるガードインターバル期間処理手段と、
前記ガードインターバル期間処理手段からの信号を前記サンプルクロックに基づいて離散的フーリエ変換してディジタル情報信号を復号すると共に、前記シンボル番号及び参照信号を復号する復号手段と、
前記復号手段よりの前記シンボル番号から前記参照信号を復号し、この参照信号から前記正の搬送波の実数部を伝送しているときに前記負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分、あるいは前記正の搬送波の虚数部を伝送しているときに前記負の搬送波の虚数部又は実数部へ漏れ出る信号成分をもとに伝送路特性を検出し、この伝送路特性から該伝送路特性の逆特性である補正特性を算出して記憶し、この記憶された補正特性を用いて前記復号手段からの前記ディジタル情報信号の復号信号の補正しきれない誤差成分の補正を行って前記情報信号を得る補正手段と、
前記伝送路特性を表す係数を用いて、前記複数の搬送波のうち近傍の一対の搬送波間の位相差の近似値を算出することを、設定した数の搬送波のそれぞれについて行ってそれらの近似値の積算値を求め、前回の積算値と今回の積算値とを比較して、その比較結果に応じて、得られる積算値が極小となるように、前記ガードインターバル期間処理手段における前記時間窓の位相を前記サンプルクロックの1周期単位で離散的に調整する調整手段と
を有することを特徴とする直交周波数分割多重信号受信装置。
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