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JP3678972B2 - 受信装置 - Google Patents

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JP3678972B2
JP3678972B2 JP2000086852A JP2000086852A JP3678972B2 JP 3678972 B2 JP3678972 B2 JP 3678972B2 JP 2000086852 A JP2000086852 A JP 2000086852A JP 2000086852 A JP2000086852 A JP 2000086852A JP 3678972 B2 JP3678972 B2 JP 3678972B2
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Panasonic Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置に関し、特にOFDM方式の移動体通信に用いられる受信装置およびその同期獲得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、OFDM方式の移動体通信における同期獲得方法においては、シンボル同期タイミングの誤差を低減させる方法として、複数フレームより検出したシンボル同期タイミングを平均化して使用する方法が提案されている。
【0003】
以下、図13から図17を用いて、従来のOFDM方式の移動体通信における受信装置およびその同期獲得方法について説明する。図13は、それぞれ、OFDM方式の移動体通信におけるフレームフォーマットの一例を示す模式図であり、図14は、従来提案されている受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【0004】
図13において、(a)、(b)はそれぞれフレームフォーマットの一例であり、図13(a)に示すフレームフォーマットは、AGC用シンボル11と、位相基準シンボル12と、ガード区間13と、有効シンボル14と、から構成される。ここで、位相基準シンボル12は、例えば、パイロットシンボルである。
【0005】
図13(b)に示すフレームフォーマットは、AGC用シンボル11と、同期用シンボル15と、位相基準シンボル12と、ガード区間13と、有効シンボル14と、から構成される。ここで、AGC用シンボル11の前半部分は同期用シンボル15の前半部分と同じ信号であり、AGC用シンボル11の後半部分は同期用シンボル15の後半部分を極性反転させた信号である。
【0006】
図14において、アンテナ21は、無線信号を受信し、A/D部22は、受信信号に対してA/D変換処理を行う。
【0007】
シンボル同期部23は、A)受信信号中の既知シンボルと予め保持する既知シンボルとの相関値を算出し、最大相関値を得るタイミングを検出する方法(以下、「第1の方式」という)、B)受信信号と受信信号を1シンボル遅延させた信号との相関値を算出し、最大相関値を得るタイミングを検出する方法(以下、「第2の方式」という)のいずれかを用いて、相関値の積算値が最大となるタイミング、すなわちシンボル同期タイミングを検出し、カウンタ部24へ出力する。
なお、シンボル同期部23については、後に詳述する。
【0008】
ここで、第1の方式は、受信信号と既知シンボルとの相関値を算出するため、回線品質が良いときは、第2の方式に比べ精度の高い同期引き込みを行うことができる。一方、第2の方式は、受信信号同士の相関値を算出するため、回線品質が悪いときは、第1の方式に比べ精度の高い同期引き込みを行うことができる。これに鑑み、シンボル同期部23は、回線品質が悪いときは、第2の方式を用いて相関値を算出し、回線品質が良いときは、第1の方式を用いて相関値を算出するというように、第1の方式と第2の方式とを切り替えて用いる構成としてもよい。なお、回線品質が悪いときとは、例えば、通信開始直後で周波数オフセットが充分に補償されておらず、受信信号に位相回転が生じているとき等であり、回線品質が良いときとは、例えば、通信開始からしばらくして周波数オフセットが充分に補償され、受信信号に位相回転が生じていないとき等である。
【0009】
カウンタ部24は、例えば受信信号のフレームの先頭を起点に周期を1フレーム長に相当する時間として任意の間隔でカウント値を循環させるカウンタであり、シンボル同期部23から出力される相関値の積算値が最大となるタイミングでカウント値をラッチし、そのカウント値をカウンタ平均部25へ出力する。
【0010】
カウンタ平均部25は、任意に設定された一定の時間間隔で、カウンタ部24がラッチしたカウント値の平均値を算出し、タイミング生成部26へ出力する。
【0011】
タイミング生成部26は、カウンタ平均部25から出力されたカウント値の平均値に基づいて、シンボル同期タイミングを示す制御信号を生成し、FFT部27へ出力する。
【0012】
FFT部27は、A/D変換処理後の受信信号に対して、タイミング生成部26から出力されるシンボル同期タイミングにより同期をとってFFT(高速フーリエ変換)処理を行う。その後、復調部28が復調処理を行い、判定部29が判定を行って、復調信号を得る。
【0013】
次いで、図15から図17を用いて、シンボル同期部23について詳述する。まず、従来提案されている第1の方式を用いたシンボル同期部23について説明する。図15は、従来提案されている第1の方式を用いたシンボル同期部23の概略構成を示す要部ブロック図である。図15において、IFFT(逆高速フーリエ変換)部31は、予め保持する既知シンボルに対してIFFT処理を行う。
【0014】
硬判定部32は、IFFT処理後の各信号に対して硬判定を行い、1ビットから成る判定結果を後述する乗算器34にそれぞれ出力する。
【0015】
なお、硬判定部32は、後述する乗算器34における演算量を減らすために設けられたものであり、IFFT部31の出力をそのまま後述する乗算器34に出力するようにしてもよい。
【0016】
遅延部33は、複数個設けられ、これらはカスケード接続され、入力されたA/D変換処理後の受信信号を一定時間遅延して次の段の遅延部33に出力すると共に、遅延部33に対応して設けられる乗算器34に出力する。
【0017】
乗算器34は、それぞれ、受信信号中の既知シンボル部分の信号のうち、遅延部33における遅延時間分の信号が入力され、硬判定部32の出力ビットを乗ずる。
【0018】
加算器35は、遅延部33および乗算器34に対応して設けられ、各乗算器34の出力である相関結果の総和を演算し、最大値検出部36に出力する。
【0019】
最大値検出部36は、算出された相関値の積算値が最大となるタイミング、すなわちシンボル同期タイミングを検出し、カウンタ部24へ出力する。なお、第1の方式によれば、受信信号中の既知シンボルと予め保持する既知シンボルとの相関値の積算値は、ガード区間の先頭において最大となる。
【0020】
次いで、従来提案されている第1の方式を用いた別のシンボル同期部23について説明する。図16は、従来提案されている第1の方式を用いたシンボル同期部23の別の概略構成を示す要部ブロック図である。但し、図15におけるシンボル同期部23と同一の構成となるものについては同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0021】
図16において、硬判定部32における硬判定結果は、各相関値算出部41に出力される。各相関値算出部41は、極性反転器42と、硬判定部32の出力を切替制御信号とするセレクタ部43と、から成る。
【0022】
各相関値算出部41は、受信信号中の既知シンボル部分の信号のうち、遅延部33における遅延時間分の信号が入力され、硬判定部32の出力ビットを乗じて相関値を算出した場合と同等の値を出力する。
【0023】
すなわち、セレクタ部43は、硬判定部32の出力である硬判定結果に基づき、硬判定結果が「1」のときは、相関値算出部41への入力信号をそのまま相関値として出力し、硬判定結果が「−1」のときは、極性反転器42の出力である相関値算出部41への入力信号を極性反転させた信号を相関値として出力する。
【0024】
このように、従来提案されている第1の方式においては、受信信号中の既知シンボルと予め保持する既知シンボルとの相関を取ることによって、FFT処理開始タイミングとして用いるシンボル同期タイミングを獲得する。
【0025】
また、予め保持する既知シンボルをIFFT処理後に硬判定してから乗算器に出力することにより、複数ビットから成るIFFT処理後の既知シンボルの代わりに、硬判定結果を表わす1ビットのみを乗算器における乗算処理に用いるため、演算量を減らすことができる。
【0026】
更に、図16に示したような構成を採ることによって、回路規模低減および処理速度向上を図ることができる。
【0027】
次いで、従来提案されている第2の方式を用いたシンボル同期部23について説明する。図17は、従来提案されている第2の方式を用いたシンボル同期部23の概略構成を示す要部ブロック図である。
【0028】
図17において、遅延部51は、A/D変換処理後の受信信号を1シンボル分遅延させ、乗算部52は、A/D部22の出力である受信信号と、遅延部51の出力である1シンボル遅延された受信信号と、を乗算処理し、相関値を算出する。
【0029】
積算部53は、乗算部52の出力を積算し、最大値検出部54は、算出された相関値の積算値が最大となるタイミング、すなわちシンボル同期タイミングを検出し、カウンタ部24へ出力する。なお、第2の方式によれば、受信信号と、受信信号を1シンボル遅延させた信号との相関値の積算結果は、ガード区間の先頭において最大となる。
【0030】
このように、従来提案されている第2の方式においては、受信信号と、受信信号を1シンボル遅延させた信号との相関を取ることによって、FFT処理開始タイミングとして用いるシンボル同期タイミングを獲得する。
【0031】
なお、上記二方式においては、既知シンボルとしてパイロットシンボルを用いることが可能であり、また、パイロットシンボルの前段に設けられた専用の同期用シンボルを用いることも可能である。
【0032】
このように、従来提案されている受信装置によれば、複数フレームより検出したシンボル同期タイミングを平均化して使用することによって、シンボル同期タイミングの誤差をある程度低減させることが可能である。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来提案されている受信装置においては、マルチパス環境下における遅延波の影響を考慮することなく、複数フレームより検出したすべてのシンボル同期タイミングを平均化して使用していたため、後方へのシンボル同期タイミング誤差が大きくなるという問題がある。すなわち、マルチパス環境化においては、遅延波のフレームより検出したシンボル同期タイミングについて後方への誤差が大きくなる場合があり、その後方へ大きくずれたシンボル同期タイミングまで含めて平均化を行うと、平均化された後のシンボル同期タイミングについても後方への誤差が大きくなってしまい、良好なシンボル同期引き込み特性(同期獲得精度)を得られないという問題がある。
【0033】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、シンボル同期引き込み特性を向上させた受信装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、マルチパス環境化において、平均化されたシンボル同期タイミングの後方への誤差が大きくなってしまう原因は、各フレームのシンボル同期タイミングの後方への誤差の大きさにかかわらず、複数フレームより検出したすべてのシンボル同期タイミングを使用して平均化を行っていることにあると着目して、後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングを除外して平均化を行うことによって、平均化されたシンボル同期タイミングの後方への誤差を小さくできることを見出し、本発明をするに至った。
【0035】
すなわち、本発明では、複数フレームより検出したシンボル同期タイミングのうち後方への誤差が大きいものを除外して、特定の時間的範囲内にあるシンボル同期タイミングのみを使用してシンボル同期タイミングを平均化する。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる受信装置は、任意のしきい値を超えるような後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングを除外してシンボル同期タイミングを平均化するものである。
【0060】
以下、図1を用いて、本発明の実施の形態1にかかる受信装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【0061】
図1において、アンテナ101は、無線信号を受信し、A/D部102は、受信信号に対してA/D変換処理を行う。
【0062】
シンボル同期部103は、受信信号中の既知シンボルと予め保持する既知シンボルとの相関値を算出し、最大相関値を得るタイミングを検出する方法、すなわち前述の第1の方式、または、受信信号と受信信号を1シンボル遅延させた信号との相関値を算出し、最大相関値を得るタイミングを検出する方法、すなわち前述の第2の方式を用いて、相関値の積算値が最大となるタイミングを検出し、カウンタ部104へ出力する。
【0063】
カウンタ部104は、例えば受信信号のフレームの先頭を起点に周期を1フレーム長に相当する時間として任意の間隔でカウント値を循環させるカウンタであり、シンボル同期部103から出力される相関値の積算値が最大となるタイミングでカウント値をラッチする。
【0064】
スイッチ105は、カウンタ部104がラッチしたカウント値のうち、特定のカウント値のみがカウンタ平均部107へ出力されるように接続制御される。
【0065】
比較部106は、カウンタ部104がラッチしたカウント値と、あらかじめ保持する任意のしきい値とを比較し、この比較結果に基づいてスイッチ105の接続制御をする。すなわち、比較部106は、カウント値がその任意のしきい値を超えた場合にスイッチ105を切断する。なお、比較部106は、カウント値がその任意のしきい値以下の場合にスイッチ105を接続するようにしてもよい。
これにより、後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングを除外することができる。すなわち、特定の時間的範囲内にあるシンボル同期タイミング(後方への誤差が小さいシンボル同期タイミング)のみが選択されることになる。
【0066】
カウンタ平均部107は、任意に設定された一定の時間間隔で、スイッチ105を通過した任意のしきい値以下のカウント値について平均値を算出し、タイミング生成部108へ出力する。すなわち、カウンタ平均部107は、特定の時間的範囲内にあるシンボル同期タイミング(後方への誤差が小さいシンボル同期タイミング)のみを使用して、シンボル同期タイミングの平均値を算出する。
【0067】
タイミング生成部108は、カウンタ平均部107から出力されたカウント値の平均値に基づいて、シンボル同期タイミングを示す制御信号を生成し、FFT部109へ出力する。
【0068】
FFT部109は、A/D変換処理後の受信信号に対して、タイミング生成部108から出力されるシンボル同期タイミングにより同期をとってFFT(高速フーリエ変換)処理を行う。その後、復調部110が復調処理を行い、判定部111が判定を行って、復調信号を得る。
【0069】
次いで、上記構成を有する受信装置の動作について説明する。
アンテナ101によって受信されたOFDM信号は、A/D部102によってディジタル信号に変換される。
【0070】
受信信号は、シンボル同期部103によって、第1の方式または第2の方式を用いて相関値が算出され、積算された相関値が最大値を採るタイミングを検出され、カウンタ部104へ出力され、その検出タイミングでカウンタ部104がカウント値をラッチする。
【0071】
ラッチされたカウント値のうち、任意のしきい値以下のカウント値のみがスイッチ105を通過し、これにより、後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングが除外される。そして、カウンタ平均部107によって、後方への誤差が小さいシンボル同期タイミングのみを使用して、シンボル同期タイミングの平均値が算出される。
【0072】
その後、タイミング生成部108によって、その平均値に基づきシンボル同期タイミングを示す制御信号が生成されFFT部109に出力され、受信信号に対するFFT処理開始タイミングとして用いられる。
【0073】
このように、本実施形態によれば、任意のしきい値を超えるような後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングを除外して、後方への誤差が小さいシンボル同期タイミングのみを使用してシンボル同期タイミングを平均化するため、平均化された後のシンボル同期タイミングについて後方への誤差が大きくなってしまうことを防止することができ、シンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0074】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2にかかる受信装置は、実施の形態1と略同一の構成を有し、回線品質に応じてしきい値を可変とする点において異なる。
【0075】
回線品質が悪くなると、任意のしきい値を超えるような後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングが多くなる。そこで、しきい値を固定とした場合、シンボル同期タイミングの平均化に用いるシンボル同期タイミングの数が少なくなってしまうために、平均化された後のシンボル同期タイミングについて後方への誤差が大きくなってしまうことがある。
【0076】
以下、図2を用いて、本発明の実施の形態2にかかる受信装置について説明する。図2は、本発明の実施の形態2にかかる受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。但し、実施の形態1と同一の構成となるものについては同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0077】
図2において、セレクタ部201は、図示しない検出部によって検出された回線品質情報を切替制御信号とし、回線品質が悪い場合にはしきい値Aを比較部106に出力し、回線品質が良い場合にはしきい値Bを比較部106に出力する。
【0078】
なお、ここでは、しきい値として、しきい値Aおよびしきい値B(しきい値A>しきい値B)の2値を設けるものとし、回線品質が悪い場合にはしきい値Aを用いてカウンタ平均部107に入力されるカウント値の数を多くし、回線品質が良い場合にはしきい値Bを用いてカウンタ平均部107に入力されるカウント値の数を少なくするものとする。
【0079】
回線品質情報を得る方法については、既に様々な方法が提案されているため、ここでは詳細な説明は省略するが、例えば、判定部111の入力信号と出力信号との差、すなわち判定誤差を用いてもよく、また、いわゆるCRCチェックの判定結果等を用いてもよい。
【0080】
このように、本実施の形態によれば、回線品質が悪い場合にはしきい値を大きくすることによって平均化処理に用いられるシンボル同期タイミングの数を増加させるため、回線品質が悪い場合にもシンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0081】
なお、ここでは、予め保持され選択的に用いられるしきい値として大小2値を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回線品質が悪いときほどカウンタ平均部107に入力されるカウント値の数を多くすることができるのであれば、しきい値の数および各値は任意に定めることができる。
【0082】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3にかかる受信装置は、実施の形態2と略同一の構成を有し、回線品質情報を複数フレーム分平均化してから用いる点において異なる。
【0083】
以下、図3を用いて、本発明の実施の形態3にかかる受信装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態3にかかる受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。但し、実施の形態2と同一の構成となるものについては同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0084】
図3において、品質情報平均部301は、図示しない検出部によってフレーム毎に検出された回線品質情報を、複数フレーム分平均化して、セレクタ部201に出力する。
【0085】
このように、本実施の形態によれば、複数フレームにおいて検出された回線品質情報を平均化してから用いるため、回線品質推定精度が向上し、しきい値設定がより適切に行われ、シンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0086】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4にかかる受信装置は、実施の形態1と略同一の構成を有し、カウンタ平均部107におけるカウント値の平均値の算出を、今回カウンタ部104から出力されたカウント値と、前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値との加重平均により行う点において異なる。
【0087】
以下、図4を用いて、本発明の実施の形態4にかかる受信装置について説明する。図4は、本発明の実施の形態4にかかる受信装置のカウンタ平均部107の概略構成を示す要部ブロック図である。
【0088】
平均化処理を行うカウント値の数を多くすれば、シンボル同期タイミングについての後方への誤差を小さくすることができるが、一方で必要なメモリ容量が増大する。そこで、本実施の形態においては、次式を用いてカウント値の平均化処理を行う。
ave{C(n)}=(l−α)×ave{C(n−l)}+α×C(n) …(1)
ここで、C(n)は今回カウンタ部104から出力されたカウント値を、ave{C(n)}は今回カウンタ平均部107から出力される平均カウント値を、ave{C(n−l)}は前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値を、αは加重平均化処理に用いる係数(例えば、0.1)を、それぞれ表わす。なお、nは0、1、2・・・の整数値を採る。
【0089】
上式(1)を実現するためのカウンタ平均部107の構成および動作を説明する。乗算器401は、今回カウンタ部104から出力されたカウント値C(n)にα(例えば、0.1)を乗ずる。これは、上式(1)におけるα×C(n)に相当する。
【0090】
メモリ402は、前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値ave{C(n−l)}を格納するメモリである。この前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値ave{C(n−l)}は、乗算器403によってl−α(例えば、0.9)が乗ぜられる。これは、上式(1)における(l−α)×ave{C(n−l)}に相当する。
【0091】
加算器404は、乗算器401の出力と乗算器403の出力とを加算し、平均カウント値ave{C(n)}を出力する。
【0092】
このように、本実施の形態によれば、今回カウンタ部104から出力されたカウント値C(n)と、前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値ave{C(n−l)}との加重平均を行う場合、メモリには前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値ave{C(n−l)}のみを格納しておけばよいため、複数のカウント値を用いて平均化処理を行う際に、メモリ容量を増大させずにシンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0093】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5にかかる受信装置は、実施の形態4と略同一の構成を有し、加重平均に用いる系数を可変とする点において異なる。
【0094】
以下、図5を用いて、本発明の実施の形態5にかかる受信装置について説明する。図5は、本発明の実施の形態5にかかる受信装置のカウンタ平均部107の概略構成を示す要部ブロック図である。但し、実施の形態4と同一の構成となるものについては同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0095】
加重平均化処理に用いる係数の値は、小さいほど平均化処理後のシンボル同期タイミングについて後方への誤差を小さくすることができるが、収束速度が遅くなってしまう。また、系数の値が大きいほど収束速度は速くなるが、誤差が大きくなる。そこで、本実施の形態では、系数の値を、最初の数個のカウント値については、大きい値α(例えば、0.5)とし、それ以降は小さい値β(例えば、0.1)とする。
【0096】
スイッチ501は、最初の数個のカウント値については大きい値α(例えば、0.5)を、それ以降は小さい値β(例えば、0.1)を乗算器401に出力するようにする。同様に、スイッチ502は、最初の数個のカウント値については1−α(例えば、0.5)を、それ以降は1−β(例えば、0.9)を、乗算器403に出力するようにする。
【0097】
このように、本実施の形態によれば、加重平均に用いる係数を可変とするため、実施の形態4に比べ、平均化処理後のシンボル同期タイミング誤差の減少と収束速度の上昇の両立を図ることができる。
【0098】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6にかかる受信装置は、実施の形態4と略同一の構成を有し、加重平均に用いる係数をビットシフトと加算器により実現可能な値とする点において異なる。
【0099】
以下、図6を用いて、本発明の実施の形態6にかかる受信装置について説明する。図6は、本発明の実施の形態6にかかる受信装置のカウンタ平均部107の概略構成を示す要部ブロック図である。但し、実施の形態4と同一の構成となるものについては同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0100】
ビットシフト演算を使用すれば、カウント値を1ビット右にシフトすることにより半分の値にすることができ、カウント値を2ビット右にシフトすることにより値を0.25倍、3ビット右にシフトすることにより値を0.125倍にすることができる。従って、これを利用し、上式(1)において加重平均化処理に用いる係数αの値を、ビットシフトと加算により実現できる値(例えば、0.25)とすることにより、カウンタ平均部107から乗算器を省くことができる。
【0101】
2ビットシフト器601は、今回カウンタ部104から出力されたカウント値を2ビット右にシフトさせ、そのカウント値を0.25倍する。2ビットシフト器602および1ビットシフト器603は、メモリ402の出力である前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値を、それぞれ2ビット右にシフト、1ビット右にシフトさせ、それぞれ0.25倍、0.5倍する。
【0102】
加算器604は、2ビットシフト器602および1ビットシフト器603の出力を加算し、前回カウンタ平均部107から出力された平均カウント値の0.75倍のカウント値を生成する。最後に加算器404が、2ビットシフト器601の出力と加算器604の出力とを加算することにより、α=0.25とする場合の上式(1)を回路上で実現することができる。
【0103】
このように、本実施の形態によれば、カウンタ平均部107において加重平均を行う場合に、乗算器を用いずに、ビットシフトと加算器のみによって加重平均を行うことができるため、実施の形態4および実施の形態5に比べ、回路規模を小さくすることができる。
【0104】
上記実施の形態1から6にかかる受信装置は、無線通信システムにおける移動局装置のような通信端末装置や基地局装置に適用することができる。この場合、通信端末装置や基地局装置はシンボル同期引き込み特性を向上させることができる受信装置を搭載するため、通信中の誤差を低減させ、通信品質を向上させることができる。
【0105】
なお、上記実施の形態1から6においては、既知シンボルとしてパイロットシンボルを用いることが可能であり、また、パイロットシンボルの前段に設けられた専用の同期用シンボルを用いることも可能である。
【0106】
また、上記実施の形態1から6においては、シンボル同期部103の構成は、第1の方式を用いた構成としてもよく、また、第2の方式を用いた構成としてもよい。さらに、上記実施の形態1から6においては、シンボル同期部103の構成は、回線品質が悪いときは、第2の方式を用いて相関値を算出し、回線品質が良いときは、第1の方式を用いて相関値を算出するというように、第1の方式と第2の方式とを切り替えて用いる構成としてもよい。
【0107】
(実施の形態7)
上述した実施の形態1〜6においては、ある上限値(しきい値)を超えるシンボル同期タイミング(カウント値)を、シンボル同期タイミングの平均化に用いていない。ところが、この場合には平均化の母数が少なくなる。例えば、16フレームを用いて平均化する際に、シンボル同期タイミングがしきい値を超えるフレーム数が6であるときには、平均化の母数が10となる。シンボル同期タイミングの精度(ひいてはシンボル同期引き込み特性の精度)を向上させるためには、平均化の母数が多い方が好ましい。
【0108】
そこで、本実施の形態においては、ある上限値を超えるシンボル同期タイミングについては、この上限値をシンボル同期タイミングとして用いるようにする。以下、本実施の形態にかかる受信装置について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態7にかかる受信装置の構成を示すブロック図である。なお、図7における実施の形態1(図1)と同様の構成については、図1におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0109】
なお、上述した実施の形態1〜6においては、後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングを除外する場合について説明したが、本実施の形態においては、後方への誤差が大きいシンボル同期タイミングを除外するだけでなく前方への誤差が大きいシンボル同期タイミングをも除外する場合について説明する。
図7を参照するに、カウンタ部104によりラッチされたカウント値は、比較部701および選択部702に送られる。比較部701および選択部702には、第1上限値が入力されている。
【0110】
比較部701は、まず第1に、カウンタ部104によりラッチされたカウント値から基準カウント値(基準値)を減ずる。以下、この結果の絶対値を「タイミング誤差」と称する。なお、基準カウント値は適宜変更が可能なものである。
【0111】
比較部702は、第2に、タイミング誤差と第1上限値との比較を行い、比較の結果に基づいて、選択部702によるカウンタ平均部107へのカウンタ値の出力動作を制御する。すなわち、比較部702は、タイミング誤差が第1上限値以下となるカウンタ値についてはそのままカウンタ平均部107に出力し、逆に、タイミング誤差が第1上限値を超えるカウンタ値については、このカウンタ値に代えて第1上限値をカウンタ平均部107に出力するように、選択部702を制御する。
【0112】
選択部702は、上記のような比較部702による制御に従って、カウンタ平均部702に対して、カウンタ部104によりラッチされたカウント値または第1上限値のいずれかを出力する。ただし、選択部702は、カウンタ平均部702に対して第1上限値を出力する際に、カウント値が基準カウント値より小さい場合には、第1上限値を負の値とする。
【0113】
選択部702がカウンタ平均部107に出力する値についての具体例は、次の通りである。ここでは一例として第1上限値を「3」とするが、第1上限値に限定はない。
▲1▼カウント値−基準カウント値≦−3の場合;−3
▲2▼カウント値−基準カウント値=−2の場合:−2
▲3▼カウント値−基準カウント値=−1の場合;−1
▲4▼カウント値−基準カウント値=0の場合;0
▲5▼カウント値−基準カウント値=1の場合;1
▲6▼カウント値−基準カウント値=2の場合;2
▲7▼カウント値−基準カウント値≧3の場合;3
ここで、▲1▼〜▲3▼は、シンボル同期タイミングが前方へずれた場合に相当し、▲5▼〜▲7▼は、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合に相当する。
【0114】
この後、カウンタ平均部107は、上述した実施の形態1〜6と同様に、任意に設定された一定の時間間隔で、選択部702からのカウント値または第1上限値を用いて平均値を算出し、算出した平均値をタイミング生成部108に出力する。
【0115】
このように、本実施の形態によれば、ある上限値を超えるシンボル同期タイミングが発生した場合、このシンボル同期タイミングを平均化に用いないようにするのではなく、このシンボル同期タイミングに代えて上記上限値を用いて平均化を行うことにより、平均化の母数が少なくなることを防止することができる。これにより、シンボル同期タイミングの精度、ひいてはシンボル同期引き込み特性の精度を向上させることができる。
【0116】
(実施の形態8)
本実施の形態では、実施の形態7において、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合と前方へずれた場合とにおいて、異なる上限値を用いる場合について説明する。
【0117】
マルチパス環境下においては、一般に、シンボル同期タイミングが後方へずれる確率が、シンボル同期タイミングが前方へずれる確率よりも高くなる。また、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合には、ずれる値も大きくなる。
【0118】
したがって、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合および前方へずれた場合のそれぞれに対して、相互に異なる上限値を用意すること(具体的には、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合における上限値を大きい値にしておくこと)により、平均化したシンボル同期タイミングの精度をさらに向上させることができる。
【0119】
以下、本実施の形態にかかる受信装置について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の実施の形態8にかかる受信装置の構成を示すブロック図である。なお、図8における実施の形態7(図7)と同様の構成については、図7におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0120】
図8を参照するに、カウンタ部104によりラッチされたカウント値は、第1比較部801、第2比較部802および選択部803に送られる。第1比較部801および選択部803には、第1上限値が入力されており、また、第2比較部802および選択部803には、第2上限値が入力されている。
【0121】
第1比較部801は、まず第1に、基準カウント値からカウンタ部104によりラッチされたカウント値を減ずる。以下、この結果を「前方タイミング誤差」と称する。
【0122】
第1比較部801は、第2に、前方タイミング誤差と第1上限値との比較を行い、比較結果に基づいて、選択部803によるカウンタ平均部107へのカウンタ値の出力動作を制御する。すなわち、第1比較部801は、前方タイミング誤差が第1上限値以下の正の数となるカウンタ値についてはそのままカウンタ平均部107に出力し、逆に、前方タイミング誤差が第1上限値を超えるカウンタ値については、このカウンタ値に代えて第1上限値をカウンタ平均部107に出力するように、選択部803を制御する。
【0123】
第2比較部802は、まず第1に、カウンタ部104によりラッチされたカウント値から基準カウント値を減ずる。以下、この結果を「後方タイミング誤差」と称する。
【0124】
第2比較部802は、第2に、後方タイミング誤差と第2上限値との比較を行い、比較結果に基づいて、選択部803によるカウンタ平均部107へのカウンタ値の出力動作を制御する。すなわち、第2比較部802は、後方タイミング誤差が第2上限値以下の正の数となるカウンタ値についてはそのままカウンタ平均部107に出力し、逆に、後方タイミング誤差が第2上限値を超えるカウンタ値については、このカウンタ値に代えて第2上限値をカウンタ平均部107に出力するように、選択部803を制御する。
【0125】
なお、上述したように、マルチパス環境下においては、シンボル同期タイミングが後方にずれる確率が高く、さらにずれる値も大きくなるため、第2上限値を大きく設定することが好ましい。
【0126】
選択部803は、上記のような第1比較部801および第2比較部802による制御に従って、カウンタ平均部107に対して、カウンタ部104によりラッチされたカウント値、第1上限値、または第2上限値のいずれかを出力する。
【0127】
選択部803がカウンタ平均部107に出力する値についての具体例は、次の通りである。ここでは、一例として、第1上限値および第2上限値をそれぞれ「3」および「5」とするが、第1上限値および第2上限値に限定はない。
▲1▼カウント値−基準カウント値≦−3の場合;−3
▲2▼カウント値−基準カウント値=−2の場合;−2
▲3▼カウント値−基準カウント値=−1の場合;−1
▲4▼カウント値−基準カウント値=0の場合;0
▲5▼カウント値−基準カウント値=1の場合;1
▲6▼カウント値−基準カウント値=2の場合;2
▲7▼カウント値−基準カウント値=3の場合;3
▲8▼カウント値−基準カウント値=4の場合;4
▲9▼カウント値−基準カウント値≧5の場合;5
ここで、▲1▼〜▲3▼は、シンボル同期タイミングが前方へずれた場合に相当し、▲5▼〜▲9▼は、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合に相当する。
【0128】
この後、カウンタ平均部107は、実施の形態7と同様に、任意に設定された一定の時間間隔で、選択部803からのカウント値、第1上限値、または第2上限値のいずれかを用いて平均値を算出し、算出した平均値をタイミング生成部108に出力する。
【0129】
このように、本実施の形態によれば、シンボル同期タイミングが後方へずれた場合および前方にずれた場合のそれぞれに対して、相互に異なる上限値を用意することにより、実施の形態7に比べて、平均化したシンボル同期タイミングの精度をさらに向上させることができる。
【0130】
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態7または実施の形態8において、回線品質に応じて上限値を変更する場合について説明する。
一般に、回線品質が悪くなるにつれて、シンボル同期誤差は大きくなる。そこで、本実施の形態では、回線品質が良い場合には上限値を小さい値に設定し、回線品質が悪い場合には上限値を大きい値に設定する。これにより、平均化したシンボル同期タイミングの精度を向上させることができる。
【0131】
以下、本実施の形態にかかる受信装置について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態9にかかる受信装置の構成を示すブロック図である。なお、図9における実施の形態8(図8)と同様の構成については、図8におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0132】
図9を参照するに、比較部901は、回線品質情報と第1しきい値とを比較することにより、回線品質が良好であるか否かを判断する。判断の結果は、選択部902および選択部903に送られる。なお、回線品質情報を得るためには、例えば、受信レベル情報を用いる方法や実施の形態2で説明した方法を用いることができる。
【0133】
選択部902には、例えば第1上限値および第1’上限値(ただし、第1上限値<第1’上限値)が入力され、また、選択部903には、例えば第2上限値および第2’上限値(ただし、第2上限値<第2’上限値)が入力されている。
選択部902は、比較部901による判断の結果が「回線品質が良い」旨を示す場合には、出力すべき上限値として第1上限値を設定し、逆に、上記判断の結果が「回線品質が悪い」旨を示す場合には、出力すべき上限値として第1’上限値を設定する。また、選択部902は、このように設定した上限値を第1比較部801および選択部803に出力する。
【0134】
選択部903は、比較部901による判断の結果が「回線品質が良い」旨を示す場合には、出力すべき上限値として第2上限値を設定し、逆に、上記判断の結果が「回線品質が悪い」旨を示す場合には、出力すべき上限値として第2’上限値を設定する。また、選択部903は、このように設定した上限値を第2比較部802および選択部803に出力する。
第1比較部801、第2比較部802および選択部803の動作は、実施の形態8で説明したものと同様である。
【0135】
このように、本実施の形態によれば、回線品質に応じて上限値を変更することにより、実施の形態7および実施の形態8に比べて、平均化したシンボル同期タイミングの精度をさらに向上させることができる。
【0136】
なお、本実施の形態においては、第1比較部801および第2比較部802のそれぞれに、相互に異なる2種類の上限値を用意した場合を例にとり説明したが、本発明は、これに限定されず、回線品質の程度に応じた3種類以上の上限値を用意した場合にも適用可能であることはいうまでもない。
【0137】
また、本実施の形態においては、回線品質の良好を判断するために、比較部901において1つのしきい値を用いた場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、比較部901において2以上のしきい値を用いて、回線品質をさらに細かく判断する場合にも適用可能である。
【0138】
さらに、本実施の形態においては、回線品質に応じて選択部902および選択部903の両方における上限値を変更する場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、回線品質に応じて選択部902または選択部903のいずれか一方における上限値を変更する場合についても適用可能である。
【0139】
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態9において、回線品質情報として、受信レベル情報に加えてさらに遅延波の遅延時間に関する情報を用いる場合について説明する。
【0140】
遅延波の遅延時間が大きい場合には、シンボル同期タイミングが後方へずれるとともに、ずれる値も大きくなる。逆に、遅延波の遅延時間が小さい場合には、シンボル同期タイミングの後方へのずれが小さくなる。すなわち、遅延波の遅延時間は、回線品質を示す指標として用いることができるものである。
【0141】
遅延波の遅延時間は、次のようにして推定することが可能である。図10は、OFDM方式の通信における受信レベルが変動する周期(遅延波の遅延時間が小さい場合)の一例を示す模式図である。図11は、OFDM方式の通信における受信レベルが変動する周期(遅延波の遅延時間が大きい場合)の一例を示す模式図である。
【0142】
マルチパスフェージングによる周波数軸方向における受信レベルの変動周期は、遅延波の遅延時間により決定されるものである。すなわち、遅延波の遅延時間が小さい場合には、図10に示すように、受信レベルの周波数方向における変動周期は長くなり、逆に、遅延波の遅延時間が大きい場合には、図11に示すように、受信レベルの周波数方向における変動周期は短くなる。
【0143】
したがって、隣接するサブキャリア間の受信レベルの差の絶対値を算出することにより、遅延波の遅延時間を推定することができる。すなわち、上記絶対値が小さい場合には、遅延波の遅延時間が小さいと推定でき、逆に上記絶対値が大きい場合には、遅延波の遅延時間が大きいと推定できる。
【0144】
以下、本実施の形態にかかる受信装置について、図12を参照して説明する。図12は、本発明の実施の形態10にかかる受信装置の構成を示すブロック図である。なお、図12における実施の形態9(図9)と同様の構成については、図9におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0145】
図12を参照するに、復調部110は、復調処理後の各サブキャリアにより伝送された信号を遅延部1201および減算部1202に送る。遅延部1201は、復調部110からの信号を、1サブキャリアに対応する時間だけ遅延させて減算部1202に送る。減算部1202は、復調部110からの信号と遅延部1202からの信号との減算を行うことにより、隣接するサブキャリア間の受信レベルの差を算出し、算出結果を絶対値検出部1203に出力する。
【0146】
絶対値検出部1203は、減算部1202からの算出結果の絶対値を算出することにより、隣接するサブキャリア間の受信レベルの差の絶対値を検出する。検出された絶対値は比較部1204に送られる。なお、検出された絶対値を平均化した後比較部1204に送るようにしてもよい。これにより、遅延波の遅延時間の推定精度をさらに向上させることができる。
【0147】
比較部1204は、絶対値検出部1203からの絶対値としきい値とを比較することにより、遅延波の遅延時間が大きいか小さいかを判断する。すなわち、比較部1204は、上記絶対値がしきい値より大きい場合には、「遅延波の遅延時間が大きい」と判断し、上記絶対値がしきい値より小さい場合には、「遅延波の遅延時間が小さい」と判断する。判断の結果は論理積部1205に送られる。
【0148】
論理積部1205には、比較部1204からの判断の結果と比較部901からの判断の結果とが入力されている。なお、比較部901からの判断の結果については、実施の形態9で説明した通りである。
【0149】
論理積部1205は、比較部901からの判断の結果が「回線品質が良い」旨を示し、かつ、比較部1204からの判断の結果が「遅延波の遅延時間が小さい」旨を示す場合には、最終的に「回線品質が良い」旨を示す判断の結果を上述した選択部902および選択部903に送る。また、論理積部1205は、上記以外の場合には、最終的に「回線品質が悪い」旨を示す判断の結果を上述した選択部902および選択部903に送る。
選択部902、選択部903、第1比較部801、第2比較部802および選択部803の動作は、実施の形態9で説明したものと同様である。
【0150】
なお、本実施の形態においては、遅延波の遅延時間の大きさを判断するために、比較部1204において1つのしきい値を用いた場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、比較部1204において2以上のしきい値を用いて、遅延波の遅延時間をさらに細かく判断する場合にも適用可能である。
【0151】
このように、本実施の形態によれば、回線品質情報として、受信レベル情報に加えてさらに遅延波の遅延時間に関する情報を用いることにより、実施の形態9に比べて、平均化したシンボル同期タイミングの精度をさらに向上させることができる。
【0152】
なお、本実施の形態においては、回線品質情報として受信レベル情報および遅延波の遅延時間の両方を用いた場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、回線品質情報として遅延波の遅延時間のみを用いた場合にも適用可能であることはいうまでもない。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図2】本発明の実施の形態2にかかる受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図3】本発明の実施の形態3にかかる受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図4】本発明の実施の形態4にかかる受信装置のカウンタ平均部の概略構成を示す要部ブロック図
【図5】本発明の実施の形態5にかかる受信装置のカウンタ平均部の概略構成を示す要部ブロック図
【図6】本発明の実施の形態6にかかる受信装置のカウンタ平均部の概略構成を示す要部ブロック図
【図7】本発明の実施の形態7にかかる受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態8にかかる受信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態9にかかる受信装置の構成を示すブロック図
【図10】OFDM方式の通信における受信レベルが変動する周期(遅延波の遅延時間が小さい場合)の一例を示す模式図
【図11】OFDM方式の通信における受信レベルが変動する周期(遅延波の遅延時間が大きい場合)の一例を示す模式図
【図12】本発明の実施の形態10にかかる受信装置の構成を示すブロック図
【図13】(a)OFDM方式の移動体通信におけるフレームフォーマットの一例を示す模式図
(b)OFDM方式の移動体通信におけるフレームフォーマットの別の一例を示す模式図
【図14】従来提案されている受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図15】従来提案されている受信装置のシンボル同期部の概略構成を示す要部ブロック図
【図16】従来提案されている受信装置のシンボル同期部の別の概略構成を示す要部ブロック図
【図17】従来提案されている受信装置のシンボル同期部のさらに別の概略構成を示す要部ブロック図
【符号の説明】
103 シンボル同期部
104 カウンタ部
105 スイッチ
106 比較部
107 カウンタ平均部
108 タイミング生成部
201 セレクタ部
301 品質情報平均部

Claims (13)

  1. OFDM信号を受信する受信手段と、
    複数フレームにおいてシンボル同期タイミングを検出する検出手段と、
    検出されたシンボル同期タイミングのうち、フレーム先頭からの時間がしきい値以内にあるシンボル同期タイミングを選択して出力する選択手段と、
    前記選択手段の出力の平均値を求める平均化手段と、
    前記平均値を処理開始タイミングとして前記OFDM信号に対するフーリエ変換処理を行うフーリエ変換手段と、
    具備する受信装置。
  2. 前記選択手段は、前記時間が前記しきい値を超えるシンボル同期タイミングについては、シンボル同期タイミングに代えて前記しきい値を出力する、
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記選択手段は、回線品質に応じて前記しきい値を変化させる
    請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記選択手段は、複数フレーム分平均した回線品質に応じて前記しきい値を変化させる、
    請求項1に記載の受信装置。
  5. 前記平均化手段は、前回の平均値と、前記選択手段により今回選択されたシンボル同期タイミングと、を用いた加重平均を行って今回の平均値を求める、
    請求項1に記載の受信装置。
  6. OFDM信号を受信する受信手段と、
    複数フレームにおいてシンボル同期タイミングを検出する検出手段と、
    検出されたシンボル同期タイミングのうち、基準値との誤差がしきい値以内にあるシンボル同期タイミングを選択して出力する選択手段と、
    前記選択手段の出力の平均値を求める平均化手段と、
    前記平均値を処理開始タイミングとして前記OFDM信号に対するフーリエ変換処理を行うフーリエ変換手段と、
    を具備する受信装置。
  7. 前記選択手段は、前記誤差が前記しきい値を超えるシンボル同期タイミングについては、シンボル同期タイミングに代えて前記しきい値を出力する、
    請求項6に記載の受信装置。
  8. 前記選択手段は、前記誤差が前記基準値の前方に生じる場合と後方に生じる場合とで互いに異なるしきい値を用いる、
    請求項6に記載の受信装置。
  9. 前記選択手段は、前記誤差が前記基準値の後方に生じる場合のしきい値を、前記誤差が前記基準値の前方に生じる場合のしきい値より大きい値とする、
    請求項8に記載の受信装置。
  10. 前記選択手段は、回線品質に応じて前記しきい値を変化させる
    請求項6に記載の受信装置。
  11. 前記選択手段は、遅延波の遅延時間に応じて前記しきい値を変化させる
    請求項6に記載の受信装置。
  12. 複数フレームにおいて検出されたシンボル同期タイミングの平均値を処理開始タイミングとしてOFDM信号に対するフーリエ変換処理を行う同期獲得方法であって、
    複数フレームにおいて検出されたシンボル同期タイミングのうち、フレーム先頭からの時間がしきい値以内にあるシンボル同期タイミングのみを用いて前記平均値を求める同期獲得方法。
  13. 複数フレームにおいて検出されたシンボル同期タイミングの平均値を処理開始タイミングとしてOFDM信号に対するフーリエ変換処理を行う同期獲得方法 であって、
    複数フレームにおいて検出されたシンボル同期タイミングのうち、基準値との誤差がしきい値以内にあるシンボル同期タイミングのみを用いて前記平均値を求める同期獲得方法。
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