JP2004282613A - 等化装置およびこれを有する受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の増大を抑えながら適切なパイロット信号の補間を行うことができる等化装置と、このような等化装置を有する受信装置を提供する。
【解決手段】変動検出部81において、受信状態の変動が検出され、この検出結果に応じて、それぞれ異なる補間精度と電力消費性能を有する2つの補間部831および832の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間部が選択される。選択された補間部では、抽出部85において抽出されるパイロット信号に応じて、OFDMシンボルSMの所定の信号位置におけるパイロット信号が補間される。これにより、受信状態の変動に応じた、より適切な補間精度と電力消費性能を有する補間手段が、等化処理用のパイロット信号の補間を行うために用いられる。
【選択図】 図1
【解決手段】変動検出部81において、受信状態の変動が検出され、この検出結果に応じて、それぞれ異なる補間精度と電力消費性能を有する2つの補間部831および832の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間部が選択される。選択された補間部では、抽出部85において抽出されるパイロット信号に応じて、OFDMシンボルSMの所定の信号位置におけるパイロット信号が補間される。これにより、受信状態の変動に応じた、より適切な補間精度と電力消費性能を有する補間手段が、等化処理用のパイロット信号の補間を行うために用いられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は等化装置および受信装置に係り、たとえば、OFDM方式の変調信号に含まれるパイロット信号を用いる等化装置およびOFDM方式の受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえばISDB−T(integrated services digital broadcasting − terrestrial)など、日本や欧州で進められている地上波デジタル放送の規格では、変調方式としてOFDM(orthogonal frequency division multiplex)方式が採用されている。OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に多数のサブキャリアを多重化して伝送する方式であり、ゴースト現象や外来ノイズなどのさまざまな妨害に対して優れた耐性を有している。
【0003】
ODFM方式の受信装置に関する技術として、たとえば特許文献1に記載された技術が存在する。
【0004】
【特許文献1】
特許第3146196号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
OFDM方式の通信システムにおいては、一般に、振幅・位相が既知のパイロット信号をサブキャリアの中に含めた信号が伝送される。受信装置では、受信信号を復調して得られるこうしたパイロット信号の振幅・位相に応じて、各サブキャリア信号の伝送路応答が推定され、復調信号の等化が行われる。
【0006】
ISDB−T方式のパイロット信号には、コンティニュアス・パイロット信号(以降、CP信号と表記する)と、スキャッタード・パイロット信号(以降、SP信号と表記する)がある。CP信号は、各シンボルの特定のサブキャリアに挿入され、SP信号は、シンボル方向で4シンボルごとに1つ、キャリア方向で12キャリアごとに1つ挿入される。復調信号の等化処理では、一般に、SP信号が用いられる。
【0007】
パイロット信号を除く各サブキャリア信号の伝送路応答は、一般に、復調されたパイロット信号を用いて補間されたパイロット信号から推定される。
パイロット信号の補間方法としては、たとえば、フィルタ方式や線型方式、ステップ方式がある。
【0008】
フィルタ方式では、一連のパイロット信号に対してFIR型フィルタやIIR型フィルタなどのデジタルフィルタを用いた処理を施すことにより、パイロット信号の補間が行われる。
線型方式では、隣接した2点のパイロット信号に応じて決定される直線の補間関数に基づいて、パイロット信号の補間が行われる。
ステップ方式では、1点のパイロット信号をそのまま用いて、これに続くサブキャリアのパイロット信号が補間される。
【0009】
これらの補間方式のうち、フィルタ方式が最も補間精度が高く、線型方式、ステップ方式の順に精度が粗くなる。このため、受信性能を高めるためにはフィルタ方式を採用する方が好ましい。
しかしながら、フィルタ方式は、積和演算器におけるデータの演算や、バッファメモリからのデータの読み出しなど、比較的複雑な処理が実行されるため、これらの補間方式の中で最も消費電力が大きい。たとえば携帯型端末装置など、電池を主電源とする装置においては、受信性能の高さよりも、大きな消費電力の方が問題となる。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力の増大を抑えながら適切なパイロット信号の補間を行うことができる等化装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、消費電力の増大を抑えながら適切な受信性能が得られる受信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点の等化装置は、所定のパイロット信号を挿入されて送信された信号の受信信号を等化する等化装置であって、受信信号に含まれるパイロット信号を抽出する抽出手段と、抽出手段において抽出されたパイロット信号に応じて、受信信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する、異なる補間精度および電力消費性能を有した複数の補間手段と、受信状態の変動を検出する変動検出手段と、変動検出手段の検出結果に応じて、複数の補間手段の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段を選択する選択手段とを有する。
【0012】
本発明の第1の観点によれば、変動検出手段において、受信状態の変動が検出され、この検出結果に応じて、それぞれ異なる補間精度と電力消費性能を有する複数の補間手段の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段が選択される。選択された補間手段では、抽出手段において抽出されるパイロット信号に応じて、受信信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号が補間される。これにより、受信状態の変動に応じた適切な補間精度と電力消費性能を有する補間手段が、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間に用いられる。
【0013】
これら複数の補間手段は、たとえば、第1の補間手段、第2の補間手段、または、第3の補間手段のうちの少なくとも2つの補間手段を含んでも良い。
第1の補間手段では、抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に所定の重みを与えて合成される信号に応じて、パイロット信号の補間が行われる。
第2の補間手段では、抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に応じた係数を有する所定の補間関数に基づいて、パイロット信号の補間が行われる。
第3の補間手段では、抽出手段において抽出されるパイロット信号が、受信信号上の所定の信号位置における補間パイロット信号として出力される。
【0014】
また、変動検出手段は、抽出手段において抽出されるパイロット信号の変動に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
たとえば、変動検出手段は、第1のパイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入され、第2のパイロット信号が各シンボルに挿入されてマルチキャリア変調された信号の受信信号から抽出される、第1のパイロット信号および第2のパイットキャリア信号の変動量の比に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
あるいは、パイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入されてマルチキャリア変調された信号の受信信号から抽出される当該パイロット信号が、異なる2つのシンボル間隔を隔てて生じる2種類の変動量の比に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
【0015】
本発明の第2の観点の受信装置は、所定のパイロット信号を挿入されて変調された信号に対して、当該変調に応じた復調を行う復調手段と、復調手段において復調された信号に含まれるパイロット信号に応じて、当該復調信号を等化する等化手段とを有する。等化手段は、復調信号に含まれるパイロット信号を抽出する抽出手段と、抽出手段において抽出されるパイロット信号に応じて、復調信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する、異なる補間精度および電力消費性能を有した複数の補間手段と、受信状態の変動を検出する変動検出手段と、変動検出手段の検出結果に応じて、複数の補間手段の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段を選択する選択手段とを有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る、ISDB−T方式の受信装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示す受信装置は、アナログ−デジタル変換部1と、周波数変換部2と、リサンプラ3と、フーリエ変換部4と、サンプルタイミング同期部5と、シンボル同期部6と、位相変移/CPE除去部7と、等化部8と、誤り訂正部9とを有する。
【0017】
(アナログ−デジタル変換部1)
アナログ−デジタル変換部1は、図示しないRF信号処理部において高周波から中間周波数に変換された信号Sinを入力し、これを一定の周期でサンプリングして、デジタル信号に変換する。
【0018】
(周波数変換部2)
周波数変換部2は、アナログ−デジタル変換部1においてデジタル化された中間周波数信号に対して直交検波を行い、さらに中間周波数からベースバンド周波数への周波数変換を行って、複素ベースバンド信号を生成する。
【0019】
(リサンプラ3)
リサンプラ3は、受信装置の内部クロック信号でサンプルされた複素ベースバンド信号を、送信側のサンプルクロックのタイミングに合わせてサンプルし直す処理を行う。
【0020】
(フーリエ変換部4)
フーリエ変換部4は、リサンプラ3においてサンプリングタイミングが補正された複素ベースバンド信号に対してフーリエ変換を行い、時間領域の信号を周波数領域の信号へ変換する。
【0021】
(サンプルタイミング同期部5)
サンプルタイミング同期部5は、全てのサブキャリア信号から、位相の傾き傾向や平均位相オフセットを見積もり、これに応じて、周波数変換部2やリサンプラ3における複素ベースバンド信号のサンプリング周期やサンプリング開始時点を調節する。
【0022】
(シンボル同期部6)
シンボル同期部6は、フーリエ変換前のOFDMシンボルにおける先頭部分のガード・インターバルと終端部分の信号との相関性を利用して、フーリエ変換の対象となるOFDMシンボルの同期タイミングを検出する。また、フーリエ変換後のOFDMシンボル内におけるパイロット信号の位相の周波数変化に応じて、この同期タイミングを補正する。
【0023】
(位相変移/CPI除去部7)
位相変移/CPE除去部7は、フーリエ変換後のOFDMシンボルに対して、シンボル区間内の各キャリアの位相変移を補償する処理や、CPE(Common Phase Error:共通位相ノイズ)を除去する処理を行う。
【0024】
(等化部8)
等化部8は、位相変移/CPE除去部7において処理されたOFDMシンボルSMを入力し、これに含まれるSP信号やCP信号などのパイロット信号に応じて、OFDMシンボルの各サブキャリア信号を等化する。すなわち、パイロット信号の位相・振幅に応じて、伝送路の影響による各サブキャリア信号の位相・振幅の誤差を推定し、これを打ち消す処理を行う。
【0025】
ここで、等化部8について更に詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る、等化部8の構成例を示すブロック図である。
図2に示す等化部8は、変動検出部81と、選択部82と、パイロット信号補間部83と、補正部84と、抽出部85とを有する。また、補間部83は、フィルタ補間部831と、ステップ補間部832とを含む。
変動検出部81は、本発明の変動検出手段の一実施形態である。
選択部82は、本発明の選択手段の一実施形態である。
フィルタ補間部831は、本発明の第1の補間手段の一実施形態である。
ステップ補間部832は、本発明の第3の補間手段の一実施形態である。
抽出部85は、本発明の抽出手段の一実施形態である。
【0026】
変動検出部81は、受信装置の受信状態を検出する。たとえば、抽出部85においてOFDMシンボルSMから抽出されるパイロット信号の変動に応じて、受信状態の変動を検出する。
【0027】
図3は、フーリエ変換後のOFDMシンボルに含まれるパイロット信号の例を図解した図である。
図3の例において、SP信号は、シンボル方向で4シンボルごとに1つ、キャリア方向で12キャリアごとに1つ挿入されている。またCP信号は、各シンボルの特定のキャリアに挿入されている。
【0028】
たとえば受信装置の移動や、電波の伝播経路上に存在する物体の移動などによって、受信状態が時間とともに変化すると、これに応じて、OFDMシンボルSMに時間的な変動が生じる。この時間的な変動は、同一キャリア番号のパイロット信号の振幅・位相を、異なるシンボル間で比較することにより検出可能である。
【0029】
図4は、CP信号およびSP信号の時間的な変化の一例を示す図である。図4において、横軸は時間を示し、時間とともに順次伝送されるOFDMシンボルに対応している。また図4において縦軸は、CP信号およびSP信号の位相を示す。
通常、パイロット信号の値は伝送に際してランダム化されるが、その設定値は受信側において既知であるため、復調したパイロット信号の値をランダム化された状態から一定の値に正規化することができる。図4に示すグラフは、一定の値に正規化された後のCP信号およびSP信号の位相を示している。
【0030】
一定の値に正規化されたパイロット信号の位相・振幅は、変化の無い理想的な受信状態において一定になる。このため、この正規化されたパイロット信号の位相・振幅の変動に応じて、受信状態の変動を検出することができる。
【0031】
図5は、変動検出部81および選択部82の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示す変動検出部81は、減算部8101,8l08と、加算部8104,8111と、絶対値演算部8102,8109と、係数乗算部8103,8106,8110,8113と、ラッチ部8105,8107,8112,8114と、除算部8115とを有する。
また、図5に示す選択部82は、比較部8117と、定数出力部8116とを有する。
【0032】
減算部8101には、第L番目(Lは任意の自然数を示す)のシンボルのSP信号SP(L)と、これに対して同一キャリア番号で4シンボル前のSP信号SP(L−4)とが入力され、両者の差が演算される。この演算結果は、絶対値演算部8102において共役複素数を乗ぜられて、絶対値の2乗を演算した値に変換される。
絶対値演算部8102から出力される信号は、係数乗算部8103において1より小さい係数Bを乗ぜられ、加算部8104においてラッチ部8105の保持信号と加算された後、係数乗算部8106においてさらに係数(1−B)を乗ぜられて、ラッチ部8105および8107に保持される。
係数乗算部8103、8106、加算部8104、およびラッチ部8105は、IIR型のローパスフィルタを構成しており、絶対値演算部8102の出力信号を平均化する機能を有している。
したがって、ラッチ部8107には、4シンボル隔てた2つのSP信号の変動量を平均化した値ΔSPaが保持される。
【0033】
一方、減算部8108には、第L番目のシンボルのCP信号CP(L)と、これに対して1シンボル前のCP信号CP(L−1)とが入力され、両者の差が演算される。この演算結果は、絶対値演算部8109において共役複素数を乗ぜられて、絶対値の2乗を演算した値に変換される。
【0034】
絶対値演算部8109から出力される信号は、係数乗算部8110において1より小さい係数Cを乗ぜられ、加算部8111においてラッチ部8112の保持信号と加算された後、係数乗算部8113においてさらに係数(1−C)を乗ぜられて、ラッチ部8112および8114に保持される。
係数乗算部8110、8113、加算部8111、およびラッチ部8112は、IIR型のローパスフィルタを構成しており、絶対値演算部8109から出力信号を平均化する機能を有している。
したがって、ラッチ部8114には、1シンボル隔てた2つのCP信号の変動量を平均化した値ΔCPaが保持される。
【0035】
ラッチ部8107に保持されたSP信号の変動量の平均値ΔSPaは、除算部8115において、ラッチ部8114に保持されたCP信号の変動量の平均値ΔCPaによって除せられ、その商(ΔSPa/ΔCPa)が、キャリア情報Cinfとして出力される。
除算部8115における除算は、小数点以下を考慮した厳密な演算でも良いし、補間精度が許せば、簡易的な演算でも良い。たとえば、平均値ΔCPaおよびΔSPaを同じ桁ずつ下位桁に向かってビットシフトさせ、平均値ΔCPaが値‘1’になるときの平均値ΔSPaの値を、キャリア情報Cinfとして出力しても良い。
【0036】
このように、図5に示す変動検出部81は、SP信号の変動量の平均値ΔSPaと、CP信号の変動量の平均値ΔCPaとの比として、受信状態の変動を検出する。
たとえば受信装置の移動によって生じるフェーディングなど、受信状態の時間的な変動は、1シンボルごとに挿入されるCP信号に比べて、4シンボルごとに挿入されるSP信号により大きな影響を与える。このため、両者の変動量の比(ΔSPa/ΔCPa)に応じて、受信状態の変動を検出することができる。
【0037】
選択部82は、変動検出部81の検出結果に応じて、フィルタ補間部831およびステップ補間部832のうち、OFDMシンボルSMの等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間部を選択する。
すなわち、変動検出部81の検出結果において、受信状態が所定の判定基準と比較した結果良好と判定された場合には、補間精度が粗いステップ補間部832を選択し、受信状態が不良と判定された場合には、補間精度が高いフィルタ補間部831を選択する。
【0038】
図5の例に示す選択部82では、比較部8117において、除算部8115から出力されるキャリア情報Cinfが、定数出力部8116から出力されるしきい値と比較され、この比較結果が、選択信号S82としてとして出力される。キャリア情報Cinfが定数出力部8116から出力されるしきい値を下回る場合、受信状態が良好であると判定され、ステップ補間部832の選択を指示する選択信号S82が出力される。また、キャリア情報Cinfがしきい値を超える場合は、受信状態が不良であると判定され、フィルタ補間部831の選択を指示する選択信号S82が出力される。
【0039】
パイロット信号補間部83は、抽出部85において抽出されるSP信号に応じて、OFDMシンボルSMの所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する。
たとえば、4シンボルに1ずつSP信号が挿入された所定のキャリア番号のサブキャリア信号に対して、シンボル方向にパイロット信号の補間を行う。この結果、補間前はキャリア方向に対して12キャリアごとに1つだけ与えられていたパイロット信号が、4キャリアごとに1つ与えられることになる。この補間パイロット信号を用いて、さらにキャリア方向に対してパイロット信号の補間を行うことにより、それぞれのサブキャリア信号に対して補間パイロット信号を与えることができる。
【0040】
補間部83は、このようなパイロット信号の補間をおこなう補間部を複数有している。それぞれの補間部は、補間精度および電力消費性能が異なっており、選択部82において選択された補間部を、等化処理に用いるパイロット信号を補間するために用いる。
【0041】
たとえば図2に示すように、パイロット信号補間部83には、精度が高いく消費電力が大きいフィルタ補間部831と、精度は粗いが消費電力が小さいステップ補間部832が設けられる。
【0042】
フィルタ補間部831は、抽出部85において抽出される一連のパイロット信号に所定の重みを与えて合成される信号に応じて、パイロット信号の補間を行う。
【0043】
フィルタ補間部831は、たとえば図6に示すように、FIR型のデジタルフィルタを用いて構成することが可能である。図6に示すフィルタ補間部831は、4タップのFIR型フィルタとして構成されている。
すなわち、抽出部85において抽出される一連のパイロット信号は、直列接続された3段のラッチ回路8311〜8313に順次保持されるとともに、係数乗算部8314において重み係数C0を乗ぜられる。ラッチ回路8311〜8313に保持されるパイロット信号には、係数乗算部8315〜8317の重み係数C1〜C3が乗ぜられる。係数乗算部8314〜8317の乗算結果は、加算部8318において合成され、これにより補間パイロット信号が生成される。
【0044】
フィルタ補間部831に用いるフィルタの形式は、上述したFIR型フィルタ以外でも良く、たとえばIIR型のデジタルフィルタや、FIR型とIIR型とを組み合わせたデジタルフィルタなど、他の種々の形式のフィルタを用いても良い。
【0045】
ステップ補間部832は、抽出部85において抽出されるパイロット信号を、所定の信号位置における補間パイロット信号として出力する。たとえば図6に示すように、抽出部85において抽出されるパイロット信号を、そのまま補間パイロット信号として出力する。
【0046】
たとえば、4シンボルに1ずつ挿入されたSP信号をシンボル方向に補間する場合について説明すると、抽出部85においてSP信号が1つ抽出された場合、これに続く3つのサブキャリア信号に対しては、この抽出されたSP信号がそのまま補間パイロット信号として出力される。新たにSP信号が1つ抽出された場合には、新たなSP信号がこれに続く3つのサブキャリア信号の補間パイロット信号として出力される。したがって、補間パイロット信号の振幅・位相は、フィルタ補間部831で与えられる補間パイロット信号に比べて、不連続に変化する。
【0047】
補正部84は、抽出部85において抽出されたパイロット信号、および補間部83において補間されたパイロット信号を用いて、OFDMシンボルSMの各サブキャリア信号の振幅および位相を補正する。
すなわち、サブキャリア信号ごとに与えられたパイロット信号が既知信号に対して有する変化を打ち消すように、サブキャリア信号の振幅および位相を補正する。たとえば、与えられたパイロット信号と既知の信号との比が、変換前のサブキャリア信号と変換後のサブキャリア信号との比と同じになるように、サブキャリア信号の振幅および位相を補正する。
【0048】
抽出部85は、入力されるOFDMシンボルSMに含まれるパイロット信号を抽出する。
抽出部85には、たとえば図6に示すように、OFDMシンボルSMを一時的に蓄積するバッファメモリ102と、このバッファメモリ102に対するアクセスを制御するメモリ制御部101とが含まれる。
バッファメモリ102に蓄積されたOFDMシンボルSMの中から、SP信号やCP信号などのパイロット信号がメモリ制御部101によって読み出され、変動検出部81および補間部83に対して順次与えられる。
【0049】
また抽出部85には、たとえばランダム化されて送信されたパイロット信号の値を一定の値に正規化する図示しない処理部が含まれる。一般に、パイロット信号はBPSK(binary phase shift keying)方式で変調されており、この場合は、パイロット信号の実部および虚部の符号を既知のランダムパターンに応じて反転させることにより、パイロット信号の値を一定の値(たとえば値‘1’)に正規化することができる。
こうした正規化処理は、バッファメモリ102に書き込まれる前のパイロット信号、あるいはバッファメモリ102から読み出された後のパイロット信号に対して行われる。変動検出部81および補間部83には、正規化後のパイロット信号が与えられる。
以上が、図1に示す等化部8の説明である。
【0050】
(誤り訂正部9)
誤り訂正部9は、等化部8において等化されたOFDMシンボルSMeに対して、デ・インターリーブ処理、デ・マッピング処理を施した後、ビタビ復号器およびリードソロモン誤り訂正器において復号化と誤り訂正を行い、これらの処理の後、MPEG2のトランスポート・ストリーム信号Stspを生成する。
なお、図5に示す変動検出部81において生成されるキャリア情報Cinfは、誤り訂正部9のビタビ復号器において軟判定復号が行われる際に用いられる。
【0051】
ここで、上述した構成を有する図1に示す受信装置について、等化部8の動作を中心に説明する。
アナログ−デジタル変換部1においてデジタル化された中間周波数信号は、周波数変換部2において複素ベースバンド信号に変換され、次いでリサンプラ3においてサンプリングのタイミングが補正され、この補正後の複素ベースバンド信号が、フーリエ変換部4において周波数領域のOFDMシンボルへ変換される。OFDMシンボルは、位相変移/CPE除去部7において、各キャリアの位相変移を補償する処理やCPEの除去処理が施された後、等化部8において等化処理を施される。
【0052】
等化部8では、まず、抽出部85においてOFDMシンボルSMからパイロット信号が抽出され、抽出されたパイロット信号の変動に応じて、変動検出部81により受信状態の変動が検出される。たとえば、所定のシンボル間隔・キャリア間隔で挿入されるSP信号の変動量と、各シンボルの特定のキャリアに挿入されるCP信号の変動量との比に応じて、受信状態の変動が検出される。
【0053】
選択部82では、変動検出部81の検出結果に応じて、パイロット補間部83における補間方式の選択が行われる。たとえば、受信状態が良好な場合にはステップ補間部832が選択され、受信状態が不良な場合にはフィルタ補間部831が選択される。
【0054】
パイロット信号補間部83では、選択された補間方式によってパイロット信号が補間され、この補間パイロット信号が、抽出部85において抽出されたパイロット信号とともに補正部84へ入力される。補正部84では、これらのパイロット信号を用いて、各サブキャリア信号の振幅および位相が補正される。
【0055】
図7は、図6に示すパイロット信号補間部83を有した受信装置において、フィルタ補間部831が選択される場合におけるバッファメモリ102の入出力信号を示す。
図7(A)はバッファメモリ102に対する読み出しアドレスを、図7(B)はバッファメモリ102に対する読み出しイネーブル信号を、図7(C)はバッファメモリ102から読み出されるパイロット信号を、図7(D)はクロック信号CLKを示す。
図7に示すように、4タップのFIR型フィルタを有したフィルタ補間部831が選択される場合、バッファメモリ102の4つのアドレスに対してアクセスが行われる。また、このとき、フィルタ補間部831では、4つパイロット係数に対する積和演算が行われる。
【0056】
一方、図8は、図6に示すパイロット信号補間部83を有した受信装置において、ステップ補間部832が選択される場合におけるバッファメモリ102の入出力信号を示す。図7と図8の同一符号は同一の信号を示す。
図8に示すように、ステップ補間部832が選択される場合には、バッファメモリ102の1つのアドレスにだけアクセスが行われる。また、フィルタ補間部831における積和演算のような、論理演算は実行されない。
【0057】
すなわち、ステップ補間部832が選択された場合、バッファメモリ102へのアクセス回数が少なく、またステップ補間部832の処理による電力消費が生じないため、フィルタ補間部831と比べて、消費電力が大幅に削減される。
【0058】
以上説明したように、図2に示す等化部8を有した図1に示す受信装置によれば、受信状態が良好な場合は、高い補間精度が必要ないことから、補間精度が粗く消費電力が小さいステップ補間部832が選択されて、消費電力が抑えられる。また、受信状態が不良な場合は、高い補間精度が必要とされるため、補間精度が高く消費電力が大きいフィルタ補間部831が選択されて、受信性能の向上が図られる。このように、受信状態を検出して最適なパイロット信号の補間方式が選択されるため、消費電力の増大を抑えながら適切な受信性能を得ることができる。
【0059】
こうした等化装置を、たとえば携帯型端末の受信装置に設けることによって、移動中の不安定な受信状態においては、精度の高い補間方式を選択して受信性能の劣化を抑え、停止中の安定した受信状態においては、消費電力の小さい補間方式を選択してバッテリの消耗を抑えることができる。このように、消費電力の削減が要求される携帯型の装置において、受信性能と消費電力をバランス良く調整することができる。
【0060】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。
たとえば、上述した実施形態では、ISDB−T方式の受信装置が例として示されているが、本発明はこれに限定されず、種々の方式の受信装置にも適用可能である。
【0061】
また、上述した実施形態では、変調方式としてOFDM変調を用いた受信装置が例として示されているが、本発明はこれに限定されず、パイロット信号を挿入した信号が伝送される、マルチキャリア方式以外の種々の変調方式を用いた受信装置にも、本発明を適用することは可能である。
【0062】
図5に示す変動検出部81においては、SP信号の変動量とCP信号の変動量との比に応じて、受信状態の変動を検出する例が示されているが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、CP信号の4シンボルごとの変動量と1シンボルごとの変動量との比に応じて、受信状態の変動を検出してもよい。すなわち、抽出部85から抽出されるパイロット信号が、異なる2つのシンボル間隔を隔てて生じる2種類の変動量の比に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
また、パイロット信号の変動量が所定のしきい値を超えるか否かに応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
【0063】
また、図2および図6に示す構成例では、パイロット信号補間部83に、2種類の補間部を設けた例が示されているが、本発明はこれに限定されず、2以上の補間部から1つを選択する構成としても良い。
【0064】
フィルタ補間部831およびステップ補間部832以外にも、種々の補間方式の補間部を用いて良い。
たとえば、抽出部において抽出される一連のパイロット信号に応じた係数を有する所定の補間関数、たとえば直線の補間関数に基づいて、パイロット信号の補間を行う補間部を設けても良い。
【0065】
【発明の効果】
本発明の等化装置によれば、消費電力の増大を抑えながら適切なパイロット信号の補間を行うことができる。
また、本発明の受信装置によれば、消費電力の増大を抑えながら適切な受信性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る、ISDB−T方式の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、等化部の構成例を示すブロック図である。
【図3】フーリエ変換後のOFDMシンボルに含まれるパイロット信号の例を図解した図である。
【図4】コンティニュアス・パイロット信号およびスキャッタード・パイロット信号の時間的な変化の一例を示す図である。
【図5】変動検出部および選択部の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】パイロット信号補間部および信号抽出部の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図6に示すパイロット信号補間部を有した受信装置において、フィルタ補間部が選択される場合におけるバッファメモリの入出力信号を示す図である。
【図8】図6に示すパイロット信号補間部を有した受信装置において、ステップ補間部が選択される場合におけるバッファメモリの入出力信号を示す図である。
【符号の説明】
1…アナログ−デジタル変換部、2…周波数変換部、3…リサンプラ、4…フーリエ変換部、5…サンプルタイミング同期部、6…シンボル同期部、7…位相変移/CPE除去部、8…等化部、9…誤り訂正部、81…変動検出部、82…選択部、83…パイロット信号補間部、84…補正部、85…抽出部、831…フィルタ補間部、832…ステップ補間部
【発明の属する技術分野】
本発明は等化装置および受信装置に係り、たとえば、OFDM方式の変調信号に含まれるパイロット信号を用いる等化装置およびOFDM方式の受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえばISDB−T(integrated services digital broadcasting − terrestrial)など、日本や欧州で進められている地上波デジタル放送の規格では、変調方式としてOFDM(orthogonal frequency division multiplex)方式が採用されている。OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に多数のサブキャリアを多重化して伝送する方式であり、ゴースト現象や外来ノイズなどのさまざまな妨害に対して優れた耐性を有している。
【0003】
ODFM方式の受信装置に関する技術として、たとえば特許文献1に記載された技術が存在する。
【0004】
【特許文献1】
特許第3146196号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
OFDM方式の通信システムにおいては、一般に、振幅・位相が既知のパイロット信号をサブキャリアの中に含めた信号が伝送される。受信装置では、受信信号を復調して得られるこうしたパイロット信号の振幅・位相に応じて、各サブキャリア信号の伝送路応答が推定され、復調信号の等化が行われる。
【0006】
ISDB−T方式のパイロット信号には、コンティニュアス・パイロット信号(以降、CP信号と表記する)と、スキャッタード・パイロット信号(以降、SP信号と表記する)がある。CP信号は、各シンボルの特定のサブキャリアに挿入され、SP信号は、シンボル方向で4シンボルごとに1つ、キャリア方向で12キャリアごとに1つ挿入される。復調信号の等化処理では、一般に、SP信号が用いられる。
【0007】
パイロット信号を除く各サブキャリア信号の伝送路応答は、一般に、復調されたパイロット信号を用いて補間されたパイロット信号から推定される。
パイロット信号の補間方法としては、たとえば、フィルタ方式や線型方式、ステップ方式がある。
【0008】
フィルタ方式では、一連のパイロット信号に対してFIR型フィルタやIIR型フィルタなどのデジタルフィルタを用いた処理を施すことにより、パイロット信号の補間が行われる。
線型方式では、隣接した2点のパイロット信号に応じて決定される直線の補間関数に基づいて、パイロット信号の補間が行われる。
ステップ方式では、1点のパイロット信号をそのまま用いて、これに続くサブキャリアのパイロット信号が補間される。
【0009】
これらの補間方式のうち、フィルタ方式が最も補間精度が高く、線型方式、ステップ方式の順に精度が粗くなる。このため、受信性能を高めるためにはフィルタ方式を採用する方が好ましい。
しかしながら、フィルタ方式は、積和演算器におけるデータの演算や、バッファメモリからのデータの読み出しなど、比較的複雑な処理が実行されるため、これらの補間方式の中で最も消費電力が大きい。たとえば携帯型端末装置など、電池を主電源とする装置においては、受信性能の高さよりも、大きな消費電力の方が問題となる。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力の増大を抑えながら適切なパイロット信号の補間を行うことができる等化装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、消費電力の増大を抑えながら適切な受信性能が得られる受信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点の等化装置は、所定のパイロット信号を挿入されて送信された信号の受信信号を等化する等化装置であって、受信信号に含まれるパイロット信号を抽出する抽出手段と、抽出手段において抽出されたパイロット信号に応じて、受信信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する、異なる補間精度および電力消費性能を有した複数の補間手段と、受信状態の変動を検出する変動検出手段と、変動検出手段の検出結果に応じて、複数の補間手段の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段を選択する選択手段とを有する。
【0012】
本発明の第1の観点によれば、変動検出手段において、受信状態の変動が検出され、この検出結果に応じて、それぞれ異なる補間精度と電力消費性能を有する複数の補間手段の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段が選択される。選択された補間手段では、抽出手段において抽出されるパイロット信号に応じて、受信信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号が補間される。これにより、受信状態の変動に応じた適切な補間精度と電力消費性能を有する補間手段が、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間に用いられる。
【0013】
これら複数の補間手段は、たとえば、第1の補間手段、第2の補間手段、または、第3の補間手段のうちの少なくとも2つの補間手段を含んでも良い。
第1の補間手段では、抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に所定の重みを与えて合成される信号に応じて、パイロット信号の補間が行われる。
第2の補間手段では、抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に応じた係数を有する所定の補間関数に基づいて、パイロット信号の補間が行われる。
第3の補間手段では、抽出手段において抽出されるパイロット信号が、受信信号上の所定の信号位置における補間パイロット信号として出力される。
【0014】
また、変動検出手段は、抽出手段において抽出されるパイロット信号の変動に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
たとえば、変動検出手段は、第1のパイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入され、第2のパイロット信号が各シンボルに挿入されてマルチキャリア変調された信号の受信信号から抽出される、第1のパイロット信号および第2のパイットキャリア信号の変動量の比に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
あるいは、パイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入されてマルチキャリア変調された信号の受信信号から抽出される当該パイロット信号が、異なる2つのシンボル間隔を隔てて生じる2種類の変動量の比に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
【0015】
本発明の第2の観点の受信装置は、所定のパイロット信号を挿入されて変調された信号に対して、当該変調に応じた復調を行う復調手段と、復調手段において復調された信号に含まれるパイロット信号に応じて、当該復調信号を等化する等化手段とを有する。等化手段は、復調信号に含まれるパイロット信号を抽出する抽出手段と、抽出手段において抽出されるパイロット信号に応じて、復調信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する、異なる補間精度および電力消費性能を有した複数の補間手段と、受信状態の変動を検出する変動検出手段と、変動検出手段の検出結果に応じて、複数の補間手段の中から、受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段を選択する選択手段とを有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る、ISDB−T方式の受信装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示す受信装置は、アナログ−デジタル変換部1と、周波数変換部2と、リサンプラ3と、フーリエ変換部4と、サンプルタイミング同期部5と、シンボル同期部6と、位相変移/CPE除去部7と、等化部8と、誤り訂正部9とを有する。
【0017】
(アナログ−デジタル変換部1)
アナログ−デジタル変換部1は、図示しないRF信号処理部において高周波から中間周波数に変換された信号Sinを入力し、これを一定の周期でサンプリングして、デジタル信号に変換する。
【0018】
(周波数変換部2)
周波数変換部2は、アナログ−デジタル変換部1においてデジタル化された中間周波数信号に対して直交検波を行い、さらに中間周波数からベースバンド周波数への周波数変換を行って、複素ベースバンド信号を生成する。
【0019】
(リサンプラ3)
リサンプラ3は、受信装置の内部クロック信号でサンプルされた複素ベースバンド信号を、送信側のサンプルクロックのタイミングに合わせてサンプルし直す処理を行う。
【0020】
(フーリエ変換部4)
フーリエ変換部4は、リサンプラ3においてサンプリングタイミングが補正された複素ベースバンド信号に対してフーリエ変換を行い、時間領域の信号を周波数領域の信号へ変換する。
【0021】
(サンプルタイミング同期部5)
サンプルタイミング同期部5は、全てのサブキャリア信号から、位相の傾き傾向や平均位相オフセットを見積もり、これに応じて、周波数変換部2やリサンプラ3における複素ベースバンド信号のサンプリング周期やサンプリング開始時点を調節する。
【0022】
(シンボル同期部6)
シンボル同期部6は、フーリエ変換前のOFDMシンボルにおける先頭部分のガード・インターバルと終端部分の信号との相関性を利用して、フーリエ変換の対象となるOFDMシンボルの同期タイミングを検出する。また、フーリエ変換後のOFDMシンボル内におけるパイロット信号の位相の周波数変化に応じて、この同期タイミングを補正する。
【0023】
(位相変移/CPI除去部7)
位相変移/CPE除去部7は、フーリエ変換後のOFDMシンボルに対して、シンボル区間内の各キャリアの位相変移を補償する処理や、CPE(Common Phase Error:共通位相ノイズ)を除去する処理を行う。
【0024】
(等化部8)
等化部8は、位相変移/CPE除去部7において処理されたOFDMシンボルSMを入力し、これに含まれるSP信号やCP信号などのパイロット信号に応じて、OFDMシンボルの各サブキャリア信号を等化する。すなわち、パイロット信号の位相・振幅に応じて、伝送路の影響による各サブキャリア信号の位相・振幅の誤差を推定し、これを打ち消す処理を行う。
【0025】
ここで、等化部8について更に詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る、等化部8の構成例を示すブロック図である。
図2に示す等化部8は、変動検出部81と、選択部82と、パイロット信号補間部83と、補正部84と、抽出部85とを有する。また、補間部83は、フィルタ補間部831と、ステップ補間部832とを含む。
変動検出部81は、本発明の変動検出手段の一実施形態である。
選択部82は、本発明の選択手段の一実施形態である。
フィルタ補間部831は、本発明の第1の補間手段の一実施形態である。
ステップ補間部832は、本発明の第3の補間手段の一実施形態である。
抽出部85は、本発明の抽出手段の一実施形態である。
【0026】
変動検出部81は、受信装置の受信状態を検出する。たとえば、抽出部85においてOFDMシンボルSMから抽出されるパイロット信号の変動に応じて、受信状態の変動を検出する。
【0027】
図3は、フーリエ変換後のOFDMシンボルに含まれるパイロット信号の例を図解した図である。
図3の例において、SP信号は、シンボル方向で4シンボルごとに1つ、キャリア方向で12キャリアごとに1つ挿入されている。またCP信号は、各シンボルの特定のキャリアに挿入されている。
【0028】
たとえば受信装置の移動や、電波の伝播経路上に存在する物体の移動などによって、受信状態が時間とともに変化すると、これに応じて、OFDMシンボルSMに時間的な変動が生じる。この時間的な変動は、同一キャリア番号のパイロット信号の振幅・位相を、異なるシンボル間で比較することにより検出可能である。
【0029】
図4は、CP信号およびSP信号の時間的な変化の一例を示す図である。図4において、横軸は時間を示し、時間とともに順次伝送されるOFDMシンボルに対応している。また図4において縦軸は、CP信号およびSP信号の位相を示す。
通常、パイロット信号の値は伝送に際してランダム化されるが、その設定値は受信側において既知であるため、復調したパイロット信号の値をランダム化された状態から一定の値に正規化することができる。図4に示すグラフは、一定の値に正規化された後のCP信号およびSP信号の位相を示している。
【0030】
一定の値に正規化されたパイロット信号の位相・振幅は、変化の無い理想的な受信状態において一定になる。このため、この正規化されたパイロット信号の位相・振幅の変動に応じて、受信状態の変動を検出することができる。
【0031】
図5は、変動検出部81および選択部82の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示す変動検出部81は、減算部8101,8l08と、加算部8104,8111と、絶対値演算部8102,8109と、係数乗算部8103,8106,8110,8113と、ラッチ部8105,8107,8112,8114と、除算部8115とを有する。
また、図5に示す選択部82は、比較部8117と、定数出力部8116とを有する。
【0032】
減算部8101には、第L番目(Lは任意の自然数を示す)のシンボルのSP信号SP(L)と、これに対して同一キャリア番号で4シンボル前のSP信号SP(L−4)とが入力され、両者の差が演算される。この演算結果は、絶対値演算部8102において共役複素数を乗ぜられて、絶対値の2乗を演算した値に変換される。
絶対値演算部8102から出力される信号は、係数乗算部8103において1より小さい係数Bを乗ぜられ、加算部8104においてラッチ部8105の保持信号と加算された後、係数乗算部8106においてさらに係数(1−B)を乗ぜられて、ラッチ部8105および8107に保持される。
係数乗算部8103、8106、加算部8104、およびラッチ部8105は、IIR型のローパスフィルタを構成しており、絶対値演算部8102の出力信号を平均化する機能を有している。
したがって、ラッチ部8107には、4シンボル隔てた2つのSP信号の変動量を平均化した値ΔSPaが保持される。
【0033】
一方、減算部8108には、第L番目のシンボルのCP信号CP(L)と、これに対して1シンボル前のCP信号CP(L−1)とが入力され、両者の差が演算される。この演算結果は、絶対値演算部8109において共役複素数を乗ぜられて、絶対値の2乗を演算した値に変換される。
【0034】
絶対値演算部8109から出力される信号は、係数乗算部8110において1より小さい係数Cを乗ぜられ、加算部8111においてラッチ部8112の保持信号と加算された後、係数乗算部8113においてさらに係数(1−C)を乗ぜられて、ラッチ部8112および8114に保持される。
係数乗算部8110、8113、加算部8111、およびラッチ部8112は、IIR型のローパスフィルタを構成しており、絶対値演算部8109から出力信号を平均化する機能を有している。
したがって、ラッチ部8114には、1シンボル隔てた2つのCP信号の変動量を平均化した値ΔCPaが保持される。
【0035】
ラッチ部8107に保持されたSP信号の変動量の平均値ΔSPaは、除算部8115において、ラッチ部8114に保持されたCP信号の変動量の平均値ΔCPaによって除せられ、その商(ΔSPa/ΔCPa)が、キャリア情報Cinfとして出力される。
除算部8115における除算は、小数点以下を考慮した厳密な演算でも良いし、補間精度が許せば、簡易的な演算でも良い。たとえば、平均値ΔCPaおよびΔSPaを同じ桁ずつ下位桁に向かってビットシフトさせ、平均値ΔCPaが値‘1’になるときの平均値ΔSPaの値を、キャリア情報Cinfとして出力しても良い。
【0036】
このように、図5に示す変動検出部81は、SP信号の変動量の平均値ΔSPaと、CP信号の変動量の平均値ΔCPaとの比として、受信状態の変動を検出する。
たとえば受信装置の移動によって生じるフェーディングなど、受信状態の時間的な変動は、1シンボルごとに挿入されるCP信号に比べて、4シンボルごとに挿入されるSP信号により大きな影響を与える。このため、両者の変動量の比(ΔSPa/ΔCPa)に応じて、受信状態の変動を検出することができる。
【0037】
選択部82は、変動検出部81の検出結果に応じて、フィルタ補間部831およびステップ補間部832のうち、OFDMシンボルSMの等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間部を選択する。
すなわち、変動検出部81の検出結果において、受信状態が所定の判定基準と比較した結果良好と判定された場合には、補間精度が粗いステップ補間部832を選択し、受信状態が不良と判定された場合には、補間精度が高いフィルタ補間部831を選択する。
【0038】
図5の例に示す選択部82では、比較部8117において、除算部8115から出力されるキャリア情報Cinfが、定数出力部8116から出力されるしきい値と比較され、この比較結果が、選択信号S82としてとして出力される。キャリア情報Cinfが定数出力部8116から出力されるしきい値を下回る場合、受信状態が良好であると判定され、ステップ補間部832の選択を指示する選択信号S82が出力される。また、キャリア情報Cinfがしきい値を超える場合は、受信状態が不良であると判定され、フィルタ補間部831の選択を指示する選択信号S82が出力される。
【0039】
パイロット信号補間部83は、抽出部85において抽出されるSP信号に応じて、OFDMシンボルSMの所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する。
たとえば、4シンボルに1ずつSP信号が挿入された所定のキャリア番号のサブキャリア信号に対して、シンボル方向にパイロット信号の補間を行う。この結果、補間前はキャリア方向に対して12キャリアごとに1つだけ与えられていたパイロット信号が、4キャリアごとに1つ与えられることになる。この補間パイロット信号を用いて、さらにキャリア方向に対してパイロット信号の補間を行うことにより、それぞれのサブキャリア信号に対して補間パイロット信号を与えることができる。
【0040】
補間部83は、このようなパイロット信号の補間をおこなう補間部を複数有している。それぞれの補間部は、補間精度および電力消費性能が異なっており、選択部82において選択された補間部を、等化処理に用いるパイロット信号を補間するために用いる。
【0041】
たとえば図2に示すように、パイロット信号補間部83には、精度が高いく消費電力が大きいフィルタ補間部831と、精度は粗いが消費電力が小さいステップ補間部832が設けられる。
【0042】
フィルタ補間部831は、抽出部85において抽出される一連のパイロット信号に所定の重みを与えて合成される信号に応じて、パイロット信号の補間を行う。
【0043】
フィルタ補間部831は、たとえば図6に示すように、FIR型のデジタルフィルタを用いて構成することが可能である。図6に示すフィルタ補間部831は、4タップのFIR型フィルタとして構成されている。
すなわち、抽出部85において抽出される一連のパイロット信号は、直列接続された3段のラッチ回路8311〜8313に順次保持されるとともに、係数乗算部8314において重み係数C0を乗ぜられる。ラッチ回路8311〜8313に保持されるパイロット信号には、係数乗算部8315〜8317の重み係数C1〜C3が乗ぜられる。係数乗算部8314〜8317の乗算結果は、加算部8318において合成され、これにより補間パイロット信号が生成される。
【0044】
フィルタ補間部831に用いるフィルタの形式は、上述したFIR型フィルタ以外でも良く、たとえばIIR型のデジタルフィルタや、FIR型とIIR型とを組み合わせたデジタルフィルタなど、他の種々の形式のフィルタを用いても良い。
【0045】
ステップ補間部832は、抽出部85において抽出されるパイロット信号を、所定の信号位置における補間パイロット信号として出力する。たとえば図6に示すように、抽出部85において抽出されるパイロット信号を、そのまま補間パイロット信号として出力する。
【0046】
たとえば、4シンボルに1ずつ挿入されたSP信号をシンボル方向に補間する場合について説明すると、抽出部85においてSP信号が1つ抽出された場合、これに続く3つのサブキャリア信号に対しては、この抽出されたSP信号がそのまま補間パイロット信号として出力される。新たにSP信号が1つ抽出された場合には、新たなSP信号がこれに続く3つのサブキャリア信号の補間パイロット信号として出力される。したがって、補間パイロット信号の振幅・位相は、フィルタ補間部831で与えられる補間パイロット信号に比べて、不連続に変化する。
【0047】
補正部84は、抽出部85において抽出されたパイロット信号、および補間部83において補間されたパイロット信号を用いて、OFDMシンボルSMの各サブキャリア信号の振幅および位相を補正する。
すなわち、サブキャリア信号ごとに与えられたパイロット信号が既知信号に対して有する変化を打ち消すように、サブキャリア信号の振幅および位相を補正する。たとえば、与えられたパイロット信号と既知の信号との比が、変換前のサブキャリア信号と変換後のサブキャリア信号との比と同じになるように、サブキャリア信号の振幅および位相を補正する。
【0048】
抽出部85は、入力されるOFDMシンボルSMに含まれるパイロット信号を抽出する。
抽出部85には、たとえば図6に示すように、OFDMシンボルSMを一時的に蓄積するバッファメモリ102と、このバッファメモリ102に対するアクセスを制御するメモリ制御部101とが含まれる。
バッファメモリ102に蓄積されたOFDMシンボルSMの中から、SP信号やCP信号などのパイロット信号がメモリ制御部101によって読み出され、変動検出部81および補間部83に対して順次与えられる。
【0049】
また抽出部85には、たとえばランダム化されて送信されたパイロット信号の値を一定の値に正規化する図示しない処理部が含まれる。一般に、パイロット信号はBPSK(binary phase shift keying)方式で変調されており、この場合は、パイロット信号の実部および虚部の符号を既知のランダムパターンに応じて反転させることにより、パイロット信号の値を一定の値(たとえば値‘1’)に正規化することができる。
こうした正規化処理は、バッファメモリ102に書き込まれる前のパイロット信号、あるいはバッファメモリ102から読み出された後のパイロット信号に対して行われる。変動検出部81および補間部83には、正規化後のパイロット信号が与えられる。
以上が、図1に示す等化部8の説明である。
【0050】
(誤り訂正部9)
誤り訂正部9は、等化部8において等化されたOFDMシンボルSMeに対して、デ・インターリーブ処理、デ・マッピング処理を施した後、ビタビ復号器およびリードソロモン誤り訂正器において復号化と誤り訂正を行い、これらの処理の後、MPEG2のトランスポート・ストリーム信号Stspを生成する。
なお、図5に示す変動検出部81において生成されるキャリア情報Cinfは、誤り訂正部9のビタビ復号器において軟判定復号が行われる際に用いられる。
【0051】
ここで、上述した構成を有する図1に示す受信装置について、等化部8の動作を中心に説明する。
アナログ−デジタル変換部1においてデジタル化された中間周波数信号は、周波数変換部2において複素ベースバンド信号に変換され、次いでリサンプラ3においてサンプリングのタイミングが補正され、この補正後の複素ベースバンド信号が、フーリエ変換部4において周波数領域のOFDMシンボルへ変換される。OFDMシンボルは、位相変移/CPE除去部7において、各キャリアの位相変移を補償する処理やCPEの除去処理が施された後、等化部8において等化処理を施される。
【0052】
等化部8では、まず、抽出部85においてOFDMシンボルSMからパイロット信号が抽出され、抽出されたパイロット信号の変動に応じて、変動検出部81により受信状態の変動が検出される。たとえば、所定のシンボル間隔・キャリア間隔で挿入されるSP信号の変動量と、各シンボルの特定のキャリアに挿入されるCP信号の変動量との比に応じて、受信状態の変動が検出される。
【0053】
選択部82では、変動検出部81の検出結果に応じて、パイロット補間部83における補間方式の選択が行われる。たとえば、受信状態が良好な場合にはステップ補間部832が選択され、受信状態が不良な場合にはフィルタ補間部831が選択される。
【0054】
パイロット信号補間部83では、選択された補間方式によってパイロット信号が補間され、この補間パイロット信号が、抽出部85において抽出されたパイロット信号とともに補正部84へ入力される。補正部84では、これらのパイロット信号を用いて、各サブキャリア信号の振幅および位相が補正される。
【0055】
図7は、図6に示すパイロット信号補間部83を有した受信装置において、フィルタ補間部831が選択される場合におけるバッファメモリ102の入出力信号を示す。
図7(A)はバッファメモリ102に対する読み出しアドレスを、図7(B)はバッファメモリ102に対する読み出しイネーブル信号を、図7(C)はバッファメモリ102から読み出されるパイロット信号を、図7(D)はクロック信号CLKを示す。
図7に示すように、4タップのFIR型フィルタを有したフィルタ補間部831が選択される場合、バッファメモリ102の4つのアドレスに対してアクセスが行われる。また、このとき、フィルタ補間部831では、4つパイロット係数に対する積和演算が行われる。
【0056】
一方、図8は、図6に示すパイロット信号補間部83を有した受信装置において、ステップ補間部832が選択される場合におけるバッファメモリ102の入出力信号を示す。図7と図8の同一符号は同一の信号を示す。
図8に示すように、ステップ補間部832が選択される場合には、バッファメモリ102の1つのアドレスにだけアクセスが行われる。また、フィルタ補間部831における積和演算のような、論理演算は実行されない。
【0057】
すなわち、ステップ補間部832が選択された場合、バッファメモリ102へのアクセス回数が少なく、またステップ補間部832の処理による電力消費が生じないため、フィルタ補間部831と比べて、消費電力が大幅に削減される。
【0058】
以上説明したように、図2に示す等化部8を有した図1に示す受信装置によれば、受信状態が良好な場合は、高い補間精度が必要ないことから、補間精度が粗く消費電力が小さいステップ補間部832が選択されて、消費電力が抑えられる。また、受信状態が不良な場合は、高い補間精度が必要とされるため、補間精度が高く消費電力が大きいフィルタ補間部831が選択されて、受信性能の向上が図られる。このように、受信状態を検出して最適なパイロット信号の補間方式が選択されるため、消費電力の増大を抑えながら適切な受信性能を得ることができる。
【0059】
こうした等化装置を、たとえば携帯型端末の受信装置に設けることによって、移動中の不安定な受信状態においては、精度の高い補間方式を選択して受信性能の劣化を抑え、停止中の安定した受信状態においては、消費電力の小さい補間方式を選択してバッテリの消耗を抑えることができる。このように、消費電力の削減が要求される携帯型の装置において、受信性能と消費電力をバランス良く調整することができる。
【0060】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。
たとえば、上述した実施形態では、ISDB−T方式の受信装置が例として示されているが、本発明はこれに限定されず、種々の方式の受信装置にも適用可能である。
【0061】
また、上述した実施形態では、変調方式としてOFDM変調を用いた受信装置が例として示されているが、本発明はこれに限定されず、パイロット信号を挿入した信号が伝送される、マルチキャリア方式以外の種々の変調方式を用いた受信装置にも、本発明を適用することは可能である。
【0062】
図5に示す変動検出部81においては、SP信号の変動量とCP信号の変動量との比に応じて、受信状態の変動を検出する例が示されているが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、CP信号の4シンボルごとの変動量と1シンボルごとの変動量との比に応じて、受信状態の変動を検出してもよい。すなわち、抽出部85から抽出されるパイロット信号が、異なる2つのシンボル間隔を隔てて生じる2種類の変動量の比に応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
また、パイロット信号の変動量が所定のしきい値を超えるか否かに応じて、受信状態の変動を検出しても良い。
【0063】
また、図2および図6に示す構成例では、パイロット信号補間部83に、2種類の補間部を設けた例が示されているが、本発明はこれに限定されず、2以上の補間部から1つを選択する構成としても良い。
【0064】
フィルタ補間部831およびステップ補間部832以外にも、種々の補間方式の補間部を用いて良い。
たとえば、抽出部において抽出される一連のパイロット信号に応じた係数を有する所定の補間関数、たとえば直線の補間関数に基づいて、パイロット信号の補間を行う補間部を設けても良い。
【0065】
【発明の効果】
本発明の等化装置によれば、消費電力の増大を抑えながら適切なパイロット信号の補間を行うことができる。
また、本発明の受信装置によれば、消費電力の増大を抑えながら適切な受信性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る、ISDB−T方式の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、等化部の構成例を示すブロック図である。
【図3】フーリエ変換後のOFDMシンボルに含まれるパイロット信号の例を図解した図である。
【図4】コンティニュアス・パイロット信号およびスキャッタード・パイロット信号の時間的な変化の一例を示す図である。
【図5】変動検出部および選択部の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】パイロット信号補間部および信号抽出部の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図6に示すパイロット信号補間部を有した受信装置において、フィルタ補間部が選択される場合におけるバッファメモリの入出力信号を示す図である。
【図8】図6に示すパイロット信号補間部を有した受信装置において、ステップ補間部が選択される場合におけるバッファメモリの入出力信号を示す図である。
【符号の説明】
1…アナログ−デジタル変換部、2…周波数変換部、3…リサンプラ、4…フーリエ変換部、5…サンプルタイミング同期部、6…シンボル同期部、7…位相変移/CPE除去部、8…等化部、9…誤り訂正部、81…変動検出部、82…選択部、83…パイロット信号補間部、84…補正部、85…抽出部、831…フィルタ補間部、832…ステップ補間部
Claims (10)
- 所定のパイロット信号を挿入されて送信された信号の受信信号を等化する等化装置であって、
上記受信信号に含まれる上記パイロット信号を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段において抽出されるパイロット信号に応じて、上記受信信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する、異なる補間精度および電力消費性能を有した複数の補間手段と、
受信状態の変動を検出する変動検出手段と、
上記変動検出手段の検出結果に応じて、上記複数の補間手段の中から、上記受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段を選択する選択手段と
を有する等化装置。 - 上記複数の補間手段は、
上記抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に所定の重みを与えて合成される信号に応じて、上記パイロット信号の補間を行う第1の補間手段、
上記抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に応じた係数を有する所定の補間関数に基づいて、上記パイロット信号の補間を行う第2の補間手段、または、
上記抽出手段において抽出されるパイロット信号を、上記所定の信号位置における補間パイロット信号として出力する第3の補間手段
のうちの少なくとも2つの補間手段を含む、
請求項1に記載の等化装置。 - 上記変動検出手段は、上記抽出手段において抽出されるパイロット信号の変動に応じて、上記受信状態の変動を検出する、
請求項1に記載の等化装置。 - 上記変動検出手段は、第1のパイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入され、第2のパイロット信号が各シンボルに挿入されてマルチキャリア変調された信号の受信信号から抽出される、上記第1のパイロット信号および上記第2のパイットキャリア信号の変動量の比に応じて、上記受信状態の変動を検出する、
請求項3に記載の等化装置。 - 上記変動検出手段は、パイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入されてマルチキャリア変調された信号の受信信号から抽出される当該パイロット信号が、異なる2つのシンボル間隔を隔てて生じる2種類の変動量の比に応じて、上記受信状態の変動を検出する、
請求項3に記載の等化装置。 - 所定のパイロット信号を挿入されて変調された信号に対して、当該変調に応じた復調を行う復調手段と、
上記復調手段において復調された信号に含まれるパイロット信号に応じて、当該復調信号を等化する等化手段とを有し、
上記等化手段は、
上記復調信号に含まれる上記パイロット信号を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段において抽出される上記パイロット信号に応じて、上記復調信号上の所定の信号位置におけるパイロット信号を補間する、異なる補間精度および電力消費性能を有した複数の補間手段と、
受信状態の変動を検出する変動検出手段と、
上記変動検出手段の検出結果に応じて、上記複数の補間手段の中から、上記受信信号の等化に用いるパイロット信号の補間を行う補間手段を選択する選択手段と
を有する受信装置。 - 上記複数の補間手段は、
上記抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に所定の重みを与えて合成される信号に応じて、上記パイロット信号の補間を行う第1の補間手段、
上記抽出手段において抽出される一連のパイロット信号に応じた係数を有する所定の補間関数に基づいて、上記パイロット信号の補間を行う第2の補間手段、または、
上記抽出手段において抽出されるパイロット信号を、上記所定の信号位置における補間パイロット信号として出力する第3の補間手段
のうちの少なくとも2つの補間手段を含む、
請求項6に記載の受信装置。 - 上記変動検出手段は、上記抽出手段において抽出されるパイロット信号の変動に応じて、上記受信状態の変動を検出する、
請求項6に記載の受信装置。 - 上記復調手段は、第1のパイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入され、第2のパイロット信号が各シンボルに挿入されてマルチキャリア変調された信号を復調し、
上記変動検出手段は、上記抽出手段において抽出される上記第1のパイロット信号および上記第2のパイロット信号の変動量の比に応じて、上記受信状態の変動を検出する、
請求項8に記載の受信装置。 - 上記復調手段は、パイロット信号が所定のシンボル間隔で挿入されてマルチキャリア変調された信号を復調し、
上記変動検出手段は、上記抽出手段において抽出されるパイロット信号が、異なる2つのシンボル間隔を隔てて生じる2種類の変動量の比に応じて、上記受信状態の変動を検出する、
請求項8に記載の受信装置。
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