JP3677074B2 - ホブ盤のホブシフト装置及びホブシフト方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ホブ盤のホブシフト装置及びホブシフト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1台のホブ盤で加工するワークの種類が多く、ホブシフト範囲がワーク毎に異なる場合には、右進停止ドッグと左進停止ドッグの段取り替えが必要になり、さらに、このとき、併せてホブを交換する必要がある場合がある。
一方、図1に示すように、ホブ盤に取り付けられるホブ10は、ホブの刃がつる巻き線状に形成されているため、その左右両端は、不完全切刃12,14となっている。このため、ホブ10の有効切刃長16の範囲でホブシフトのスタート位置及びエンド位置を正確に決める必要がある。
【0003】
ホブ10をホブ盤にセットするときには、ワーク(歯車)18の条件から、図2に示すように、ボブ10をセットする必要がある。即ち、図2は、ホブとワークのみを正面から見た正面図であり、図2(A)は、右ねじれホブ10の左側が下となる右ねじれ歯車(ワーク18)の加工を示し、図2(B)は、右ねじれホブ15の右側が下となる左ねじれ歯車(ワーク18)の加工を示し、図2(C)は、左ねじれホブ15の右側が下となる左ねじれ歯車(ワーク18)の加工を示し、図2(D)は、左ねじれホブ15の左側が下のなる右ねじれ歯車(ワーク18)の加工を示しめしたものである。このように、ホブ10をホブ盤にセットするときには、ワーク(歯車)18は、水平にセットされ、ホブ10のホブ軸Tを、ワーク18の中心垂線に対して、「α−β」又は「α+β」の角度だけ傾けてセットする必要がある。ここで、αはワークの刃の傾斜角であり、βはホブの切刃のねじれ角である。
【0004】
次に、例えば、上記の図2(C)の場合には、上述したように、ホブ10をホブ盤にセットするときには、ホブ10のホブ軸Tを、ワーク18の中心垂線に対して、「α−β」角度だけ傾けてセットする必要がある。ここで、「α−β」が零のときには、図3(B)に示すように、不完全刃12は長さL2、有効切刃長16は長さL1、不完全刃14は長さL3をそれぞれ有する。一方、「α−β」が正の値を取る場合には、ホブ10を傾斜させてセットすることにより、図3(A)に示すように、不完全刃12は無効刃長L22、有効切刃長16は有効刃長L12、不完全刃14は無効刃長L32をそれぞれ有することになる。これらには、L2<L22、L1>L12、L3<L32の関係がある。即ち、図3(A)に示すように、ホブ15を傾けてセットした場合には、有効切刃長16の有効刃長L12は、傾けない場合より小さくなる。
【0005】
ホブ10をホブ盤にセットする場合には、従来は図4に示すようにホブシフト装置を使用していた。このホブシフト装置において、ホブ10は、先メタル部20を介してホブシフト台22に取り付けられている。このホブ10をホブシフト台22に装着されている先メタル部20を左方向に移動し、その後、ホブ10をホブアーバー(図示せず)から抜き取るようにして、ホブ10を外す。一方、次に使用するホブ10のホブシフト装置への取り付けは、取り外す場合と逆の作業により行う。ここで、図2で示すように、ホブ10をワーク18に対して傾けてセットできるように、この図4に示すホブシフト装置は、上下方向に摺動可能で且つ回動可能である。
【0006】
また、このホブシフト装置においては、ホブシフトヘッド24のホブシフト台22に対向する部分にスケール26が取り付けられている。このスケール26は、ホブ10の全長Lより10mm程度長い程度に設定されている。一方、ホブシフト台22には、このスケール26の中心に対応する基準刻線28が設けられている。この規準刻線28は、ホブ10をワークセンサーに係合させた際の位置を基準にして設けられている。また、ホブシフト台22には、右進端ドッグ30及び左進端ドッグ32が設けられ、ホブシフトヘッド24には、リミットスイッチ34が設けられている。さらに、ホブシフトヘッド24には、ホブシフト量設定軸36、ホブシフト量ダイヤル38、ホブシフト方向選択ノブ40が設けられている。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
図3(B)に示すように、ホブ10の「α−β」が零である場合には、ホブ10の有効刃長16(L1)におけるホブ中心位置O1から左側に位置するスタート位置S1と右側に位置するエンド位置E1を決めることになるが、これらのホブ中心位置O1から位置は、ほぼ目視で決めることができる。そのため、ホブ10にスケールを当て、ホブ中心位置O1、不完全刃12の長さL2、有効切刃長16の長さL1、不完全刃14の長さL3をそれぞれ測定し、ホブ中心位置O1からのスタート位置S1とエンド位置E1を決めていた。
このようにして、ホブ10のホブ中心位置O1からのスタート位置S1とエンド位置E1が決定された後、図4に示すホブシフト装置の右進端ドッグ30及び左進端ドッグ32を上記の位置S1,E1に対応させて段取り替えを行い、これにより、ホブ10をセットするようにしていた。
【0008】
しかしながら、このような目視により測定した値に基づいて右進端ドッグ30及び左進端ドッグ32の段取り替えを行う場合には、測定値があまり正確でない恐れがあるため、測定した有効切刃長より内側にドッグ30,32を調整するようにしていた。
また、図3(A)に示すように、ホブ10を傾斜させてセットする場合には、有効刃長16の長さL12は、スケール等で測定できず、このため、この場合には、ワーク毎に経験的な数値を記録しておき、スタート位置S2とエンド位置E2をこの数値以内に余裕を持たせた位置とし、さらに、ワークに当接する程度に試し削りを行い、この状態を見て不完全刃12,14の影響の有無を確認するようにしていた。
【0009】
このように、図3(A)に示すホブ10を傾斜させてセットする場合には、正確にスタート位置S2とエンド位置E2が決められないため、不完全刃12,14にワークが係合してしまうと、ホブ10が破損したり、また、ワークが破損する。また、余裕を持たせてホブ10をセットしなければならないため、有効刃が残存していても不使用となり、作業効率も悪いという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり、正確且つ簡易にホブシフトのホブスタート位置及びエンド位置を決めることができると共に多種類のワークに対応した段取り替えを容易にしたホブ盤のホブシフト装置及びシフト方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、ホブの不完全刃がワークに係合してホブやワークを損傷させることがないホブ盤のホブシフト装置及びシフト方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、不使用の有効切刃を残さないようにして作業効率を向上させたホブ盤のホブシフト装置及びシフト方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために本発明は、ホブ軸をワークに対して所定角度傾けた状態でホブを支持するホブシフト台をホブシフトヘッドに沿ってホブ軸方向に移動させてホブシフトを行うホブ盤のホブシフト装置において、ワークを支持するテーブルのホブ軸に直交する中心線であるテーブルセンターを検出するテーブルセンター検出手段と、ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、テーブルセンターに基づいてホブの中心位置を設定するホブ中心設定手段と、ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、ホブの中心位置を基準にしてホブシフトのスタート位置を設定するスタート位置設定手段と、ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、ホブの中心位置を基準にしてホブシフトのエンド位置を設定するエンド位置設定手段と、ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、ホブのエンド位置への移動を検出するエンド位置検出手段と、ホブをエンド位置で停止させるエンド位置停止手段と、を有し、テーブルセンター検出手段は、ホブシフト台にセットされるべきホブと同一の長さを有するゲージ筒と、このゲージ筒の長さ方向の中心位置に取り付けられワークと当接するダイヤルゲージとを有し、ゲージ筒がセットされたホブシフト台を上記ダイヤルゲージがワークに当接した状態でホブ軸方向に作動させることによりテーブルセンターを検出するようにしたものであり、ホブ中心設定手段は、スタート側ドッグの基準位置に刻印された基準刻線と、スケール貼付部材上のスケールの零位置と、このスケール貼付部材に設けられた溝内をスライド可能なエンド側ドッグの所定個所に刻印されたエンドドッグ刻線とが一致するように、ホブシフト台に固定可能なスタート側ドッグとホブシフトヘッドに固定可能なスケール貼付部材とを有することを特徴としている。
【0012】
このように構成された本発明においては、先ず、テーブルセンター検出手段により、ワークを支持するテーブルのホブ軸に直交する中心線であるテーブルセンターが検出され、次に、ホブ中心設定手段により、ホブの中心位置が設定される。さらに、スタート位置設定手段及びエンド位置設定手段により、ホブシフトのスタート位置及びホブシフトのエンド位置が設定される。さらに、ホブ切り加工終了時には、エンド位置設定手段により、エンド位置が検出され、エンド位置停止手段によりホブがエンド位置で停止される。
【0014】
また、本発明のホブ盤のホブシフト装置においては、スタート位置設定手段が、スケール貼付部材上のスケールの所定のスタート位置にその基準刻線を一致させるようにホブシフト台によりシフト可能なスタート側ドッグであることが好ましい。
また、本発明のホブ盤のホブシフト装置においては、エンド位置設定手段が、スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置とそのエンドドッグ刻線が一致するようにスケール貼付部材の溝内に固定可能なエンド側ドッグと、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置にその基準刻線を一致させるようにホブシフト台によりシフト可能なスタート側ドッグとを有することが好ましい。
【0015】
また、本発明のホブ盤のホブシフト装置においては、上記エンド位置検出手段が、上記エンド側ドッグの所定位置に設けられた近接スイッチと、上記エンド位置においてこの近接スイッチと対向するようにエンド刻線が刻印されたスタート側ドッグとを有することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明は、ホブを支持するホブシフト台をホブシフト範囲設定機構によりホブシフトヘッドに沿ってホブ軸方向に移動させてホブシフトを行うホブ盤のホブシフト方法において、ワークを支持するテーブルのホブ軸に直交する中心線であるテーブルセンターを検出する第1工程と、この検出されたテーブルセンターに基づいてホブの中心位置をホブシフト範囲設定機構に設定する第2工程と、ホブシフト範囲設定機構にホブシフトのスタート位置を設定する第3工程と、ホブシフト範囲設定機構にホブシフトのエンド位置を設定する第4工程と、ホブのエンド位置への移動を検出する第5工程と、ホブをエンド位置で停止させる第6工程と、を有することを特徴としている。
【0017】
また、本発明のホブ盤のホブシフト方法においては、上記第1工程が、ホブシフト台にホブと同一の長さを有するゲーシ筒をセットし、このゲージ筒の長さ方向の中心位置にダイヤルゲージを取り付けこのダイヤルゲージをワークに当接させ、この状態でホブシフト台をホブ軸方向に作動させることにより、テーブルセンターを検出するようにしたことが好ましい。
【0018】
また、本発明のホブ盤のホブシフト方法においては、ホブシフト範囲設定機構が、ホブシフト台に固定可能なスタート側ドッグと、ホブシフトヘッドに固定可能なスケール貼付部材と、このスケール貼付部材の溝内に固定可能なエンド側ドッグとを有し、第2工程は、スタート側ドッグの基準位置に刻印された基準刻線と、スケール貼付部材上のスケールの零位置と、このスケール貼付部材に設けられた溝内をスライド可能なエンド側ドッグの所定個所に刻印されたエンドドッグ刻線とが一致するように、スタート側ドッグをホブシフト台に固定すると共にスケール貼付部材をホブシフトヘッドに固定するようにしたことが好ましい。
また、本発明のホブ盤のホブシフト方法においては、上記第3工程が、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のスタート位置にスタート側ドッグの基準刻線を一致させるようにホブシフト台をシフトさせるようにしたことが好ましい。
【0019】
また、本発明のホブ盤のホブシフト方法においては、上記第4工程が、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置とそのエンドドッグ刻線が一致するようにエンド側ドッグをスケール貼付部材の溝内に固定し、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置にスタート側ドックの基準刻線を一致させるようにホブシフト台をシフトさせるようにしたことが好ましい。
また、本発明のホブ盤のホブシフト方法においては、上記第5工程が、上記エンド側ドッグの所定位置に設けられた近接スイッチが、上記スタート側ドッグの所定位置に刻印されたエンド刻線を検知することにより、ホブのエンド位置への移動を検出するようにしたことが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面により説明する。
先ず、図5乃至図8により、本発明のホブシフト装置の基本構成を説明する。図5は本発明のホブシフト装置を備えたホブ盤を示す側面図、図6は図5に示すホブ盤から本発明のホブシフト装置を取り出して示す正面図、図7は図6のA−A線に沿って見た断面図、図8は図7のB−B線に沿って見た断面図である。
【0021】
図5に示すように、ホブ盤は、ヘッド50を備え、このヘッド50上に、コラム52が設けられている。このコラム52は、コラム摺動部54を有し、このコラム摺動部54には、ホブサドル56を介してホブシフト装置58が取り付けられている。このホブシフト装置58は、コラム摺動部54上を上下方向に移動可能である共にホブサドル56により回動可能となっている。
【0022】
また、ヘッド50上には、2個のワーク18を下方から支持するテーブル60と、サポート62が配置されている。ワーク18は、このサポート62のサポートアーム64により、上方から固定支持される。ここで、66は、水平送り機構であり、この水平送り機構66により、テーブル60、サポート62、サポートアーム64及びワーク18の全体が図5中左右方向(ホブ軸に直交する方向)に移動可能となっている。即ち、ホブ切を行うときには、水平送り機構66により、ワーク18が左方向に移動してホブに当接し、加工が完了するとワーク18は右方向に後退する。また、テーブル60は、ホブに対して割り出し回転を行う。これにより、ホブシフト装置58にセットされているホブが回転しながらワーク18もテーブル60により回転して位相を合わせ、この状態で、水平送り機構66により、ワーク18が左方向に移動し、所定の切り込みがかけられる。
【0023】
次に、図6に示すように、ホブシフト装置58には、ホブシフトヘッド24とこのホブシフトヘッド24上をホブ軸方向にシフト可能なホブシフト台22が設けられている。このボフシフトヘッド24の右側端部には、モータ68が設けられている。このモーター68の出力軸には、ウオーム70が固定されており、このウオーム70にはウオームホイール72が噛み合っている。ウオームホイール72を固定する軸の他端にはウオーム74が固定され、このウオーム74にはウオームホイール76が噛み合っている。このウオームホイール76は、ホブ10を固定するホブ軸と平行に設けられた送りネジ78に連結されており、この送りネジ78には、送りナット80が進退自在に螺合している。この送りナット80には、ホブ10を支持するホブシフト台22が一体的に支持されている。これらのホブシフト機構により、モータ68からの出力が、ホブシフト台22に順次伝達され、所望のホブシフトが行われる。
【0024】
また、図8に示すように、ホブシフト台22には、ホブアーバー82が設けられており、このホブアーバー82にホブ10が挿入される。ホブ10は、先メタル20を介してホブアーバー固定ネジ84によりホブアーバー82に固定される。
さらに、図6に示すように、ホブシフト装置58には、さらに、ホブシフト範囲設定機構86が設けられている。このホブシフト範囲設定機構86は、図3に示すボフスタート位置S1,S2及びホブエンド位置E1,E2を正確に設定するためのものであり、その詳細を図9に示す。
【0025】
図9に示すように、このホブシフト範囲設定機構86には、ホブシフトヘッド24に最終的に取り付けられるスケール貼付部材88と、このスケール貼付部材88の軸方向に設けられた溝88a内をスライド可能に設けられたエンド側ドッグ90と、このエンド側ドック90に対向するようにホブシフト台22に最終的に取り付けられホブシフト台22と一体的に軸方向に移動可能であるスタート側ドッグ92が設けられている。スケール貼付部材88のスタート側ドッグ92に対向する側の表面には、スケール(基本目盛)94が貼り付けられている。このスケール94においては、図9において、右側が(+)であり、左側が(−)となっている。また、エンド側ドッグ90の右端部には、ランプ付近接スイッチ96が設けられ、また、左端近傍部の表面には、エンドドッグ刻線98が刻印されている。このエンド側ドッグ90は、クランプネジ100により、スケール貼付部材88の溝88a内の任意の位置でスケール貼付部材88に最終的に固定される。さらに、スタート側ドッグ92の左端近傍部の表面には、基準刻線102が刻印され、右端部の表面には、エンド刻線104が刻印されている。なお、106は、スケール貼付部材88をホブシフトヘッド24に取り付けるためのボルト用穴であり、108はスタート側ドッグ90をホブシフト台22に取り付けるためのボルト用穴である。
【0026】
次にこのように構成された本発明のホブシフト装置の動作を説明する。図10に示すように、先ず、ホブシフト台22のホブアーバー82に、セットされるべきホブ10の長さLと同一の長さLを有するケージ筒110をセットする。このケージ筒110には、センター位置であるL/2の位置のワーク18に対向する部分に挿着固定穴112が設けられ、この挿着固定穴112にダイヤルゲージ114を挿着する。このダイヤルゲージ114のワーク18と接触する部分には、測定子116が取り付けられている。このダイヤルゲージ114の測定子116をワーク18に当接させ、この状態で、ホブシフト台22をホブ軸方向に作動させる。このとき、ダイヤルゲージ114は、ワーク18の頂点に当接した際に最も小さな値を示すので、この点を含むワーク18を支持するテーブル60のホブ軸に直交する中心線が、テーブルセンター118として検出される。このテーブルセンター118が検出された位置で、ホブシフト台22を停止させる。
【0027】
次に、ホブシフト台22のこの位置で停止した状態で、スタート側ドッグ92の基準刻線(0位置)102と、スケール貼付部材88上のスケール94の0位置と、エンド側ドッグ90のエンドドッグ刻線98(0位置)とを正確に一致させ(図10に示す状態)、さらに、この状態で、スケール貼付部材88をホブシフトヘッド24にボルト122により固定すると共にスタート側ドッグ92をホブシフト台22にボルト120で固定する。このようにしてテーブルセンター118を基準として、ホブシフト範囲設定機構86がホブシフト装置58に取り付けられる。
【0028】
次に、ホブシフト装置58にホブ10をセットし、その後、スタート位置設定とエンド位置設定を行う。ここでは、図11に示すホブ10をセットする場合を例に取り説明する。このホブ10は、図3(A)に示されたように、「αーβ」の角度傾けてセットするタイプのものである。このホブ10においては、スタート位置S2がホブ中心(O2)から左へ6mm、エンド位置E2がホブ中心(O2)から右へ33mmである。これらの数値は、各ホブの種類に基づいて予め計算された値である。
【0029】
図12は、スタート位置設定を示すホブシフト範囲設定機構の正面図であり、図13は、エンド位置設定を示すホブシフト範囲設定機構の正面図である。スタート位置S2は、図12に示すように、ホブシフト台22を右方向に6mm移動させて、スタート側ドッグ92の基準刻線(0位置)102をスケール94の(+)6mmの位置に一致させることにより、設定される。一方、エンド位置E2は、図13に示すようにホブシフト台22を左に33mm移動させて、スタート側ドッグ52の基準刻線(0位置)102をスケール94の(−)33mmの位置に一致させるると共にエンド側ドッグ90をスケール貼付部材88の溝88a内でスライドさせてそのエンドドッグ刻線98をスケール94の(−)33mmの位置に一致させ、設定される。このとき、エンド側ドッグ90は、クランプネジ100によりその位置でスケール貼付部材88に固定される。このエンド位置E2において、図13に示すように、ランプ付近接スイッチ96とスタート側ドッグ92のエンド刻線104の位置が一致するため、ランプ付近接スイッチ96のランプの点灯により、容易にエンド位置を確認することができる。また、ホブ切加工がエンド位置で完了したとき、ランプ付近接スイッチ96のランプが点灯すると共にエンド検知信号によりホブシフト作動を停止し加工を完了する。
【0030】
このようにして、スタート位置とエンド位置が設定された後、図14に示すように、スタート位置からホブ切り加工が開始され、図15に示すように、エンド位置においてホブ切り加工が終了する。
一方、同種のワークの加工を続けるために同種のホブに交換する場合には、上述したように、エンド位置(図13参照)となっているスタート側ドッグ92の基準刻線102の位置を、ホブシフト台22を移動させて、図12に示すスタート位置即ち、スケール94の(+)6mmの位置に一致させる。このようにして、極めて簡単に、スタート位置をセットすることができる。
【0031】
また、異なる種類のワークの加工を異なるホブにより行う場合には、ワーク及びホブを所定の位置にセットした後、図12に示したように、予め計算されたスタート位置を設定し、次に、図13に示すように、予め計算されたエンド位置を設定する。このエンド位置設定の際には、クランプネジ100を緩めて、エンド側ドッグ92を所定の位置まで移動させ、その位置で、エンド側ドッグ92をスケール貼付部材88にクランプネジ100により固定するようにすればよい。このように、多種類のワークに対応した段取り替えを極めて容易に行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のホブ盤のホブシフト装置及びホブシフト方向によれば、正確且つ簡易にホブシフトのホブスタート位置及びエンド位置を決めることができると共に多種類のワークに対応した段取り替えが容易になる。また、ホブの不完全刃がワークに係合してホブやワークを損傷させることがない。さらに、不使用の有効切刃を残すことがないので作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ホブの形状を示す正面図
【図2】 ホブのワークに対するセット状態を示す正面図
【図3】 ホブの有効刃長と無効刃長を説明するためのホブの正面図
【図4】 従来のホブシフト装置を示す斜視図
【図5】 本発明のホブシフト装置を備えたホブシフト装置を示す側面図
【図6】 図5に示すホブ盤から本発明のホブシフト装置を取り出して示す正面図
【図7】 図6のA−A線に沿って見た断面図
【図8】 図7のB−B線に沿って見た断面図
【図9】 本発明のホブシフト装置のホブシフト量設定機構を示す斜視図
【図10】 本発明のホブシフト装置によりテーブルセンターを検出してホブをセットする際の動作を説明するための平面図
【図11】 本発明のホブシフト装置にセットされるホブの一例を示す正面図
【図12】 本発明のホブシフト装置のホブシフト量設定機構によるスタート位置設定を示す正面図
【図13】 本発明のホブシフト装置のホブシフト量設定機構によるエンド位置設定を示す正面図
【図14】 本発明のホブシフト装置を備えたホブ盤によりホブ切り加工がスタートした状態を示す平面図
【図15】 本発明のホブシフト装置を備えたホブ盤によりホブ切り加工が終了した状態を示す平面図
【符号の説明】
10 ホブ
18 ワーク
22 ホブシフト台
24 ホブシフトヘッド
50 ヘッド
52 コラム
54 コラム摺動部
56 ホブサドル
58 ホブシフト装置
60 テーブル
62 サポート
64 サポートアーム
66 水平送り機構
68 モータ
70 ウオーム
72 ウオームホイール
74 ウオーム
76 ウオームホイール
78 送りネジ
80 送りナット
82 ホブアーバー
84 ホブアーバー固定ネジ
86 ホブシフト範囲設定機構
88 スケール貼付部材
88a 溝
90 エンド側ドッグ
92 スタート側ドッグ
94 スケール
96 ランプ付近接スイッチ
98 エンドドッグ刻線
100 クランプネジ
102 基準刻線
74 エンド刻線
104 エンド刻線
106 ボルト用穴
108 ホルト用穴
110 ケージ筒
112 挿着固定穴
114 ダイヤルゲージ
116 測定子
118 テーブルセンター
120 ボルト
122 ボルト
Claims (8)
- ホブ軸をワークに対して所定角度傾けた状態でホブを支持するホブシフト台をホブシフトヘッドに沿ってホブ軸方向に移動させてホブシフトを行うホブ盤のホブシフト装置において、
ワークを支持するテーブルのホブ軸に直交する中心線であるテーブルセンターを検出するテーブルセンター検出手段と、
上記ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、上記テーブルセンターに基づいてホブの中心位置を設定するホブ中心設定手段と、
上記ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、上記ホブの中心位置を基準にしてホブシフトのスタート位置を設定するスタート位置設定手段と、
上記ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、上記ホブの中心位置を基準にしてホブシフトのエンド位置を設定するエンド位置設定手段と、
上記ホブシフト台及びボブシフトヘッドに設けられ、ホブのエンド位置への移動を検出するエンド位置検出手段と、
ホブをエンド位置で停止させるエンド位置停止手段と、を有し、
上記テーブルセンター検出手段は、ホブシフト台にセットされるべきホブと同一の長さを有するゲージ筒と、このゲージ筒の長さ方向の中心位置に取り付けられワークと当接するダイヤルゲージとを有し、上記ゲージ筒がセットされたホブシフト台を上記ダイヤルゲージがワークに当接した状態でホブ軸方向に作動させることにより上記テーブルセンターを検出するようにしたものであり、
上記ホブ中心設定手段は、スタート側ドッグの基準位置に刻印された基準刻線と、スケール貼付部材上のスケールの零位置と、このスケール貼付部材に設けられた溝内をスライド可能なエンド側ドッグの所定個所に刻印されたエンドドッグ刻線とが一致するように、ホブシフト台に固定可能なスタート側ドッグとホブシフトヘッドに固定可能なスケール貼付部材とを有することを特徴とするホブ盤のホブシフト装置。 - 上記スタート位置設定手段は、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のスタート位置にその基準刻線を一致させるようにホブシフト台によりシフト可能なスタート側ドッグであることを特徴とする請求項1記載のホブ盤のホブシフト装置。
- 上記エンド位置設定手段は、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置とそのエンドドッグ刻線が一致するようにスケール貼付部材の溝内に固定可能なエンド側ドッグと、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置にその基準刻線を一致させるようにホブシフト台によりシフト可能なスタート側ドッグとを有することを特徴とする請求項1記載のホブ盤のホブシフト装置。
- 上記エンド位置検出手段は、上記エンド側ドッグの所定位置に設けられた近接スイッチと、上記エンド位置においてこの近接スイッチと対向するようにエンド刻線が刻印されたスタート側ドッグとを有することを特徴とする請求項3記載のホブ盤のホブシフト装置。
- ホブ軸をワークに対して所定角度傾けた状態でホブを支持するホブシフト台をホブシフト範囲設定機構によりホブシフトヘッドに沿ってホブ軸方向に移動させてホブシフトを行うホブ盤のホブシフト方法において、
ワークを支持するテーブルのホブ軸に直交する中心線であるテーブルセンターを検出する第1工程と、
この検出されたテーブルセンターに基づいてホブの中心位置を上記ホブシフト範囲設定機構に設定する第2工程と、
上記ホブシフト範囲設定機構に上記ホブの中心位置を基準にしてホブシフトのスタート位置を設定する第3工程と、
上記ホブシフト範囲設定機構に上記ホブの中心位置を基準にしてホブシフトのエンド位置を設定する第4工程と、
ホブのエンド位置への移動を検出する第5工程と、
ホブをエンド位置で停止させる第6工程と、を有し、
上記第1工程は、ホブシフト台にホブと同一の長さを有するゲーシ筒をセットし、このゲージ筒の長さ方向の中心位置にダイヤルゲージを取り付けこのダイヤルゲージをワークに当接させ、この状態でホブシフト台をホブ軸方向に作動させることにより、上記テーブルセンターを検出し、
上記ホブシフト範囲設定機構は、ホブシフト台に固定可能なスタート側ドッグと、ホブシフトヘッドに固定可能なスケール貼付部材と、このスケール貼付部材の溝内に固定可能なエンド側ドッグとを有し、上記第2工程は、スタート側ドッグの基準位置に刻印された基準刻線と、スケール貼付部材上のスケールの零位置と、このスケール貼付部材に設けられた溝内をスライド可能なエンド側ドッグの所定個所に刻印されたエンドドッグ刻線とが一致するように、スタート側ドッグをホブシフト台に固定すると共にスケール貼付部材をホブシフトヘッドに固定するようにしたことを特徴とするホブ盤のホブシフト方法。 - 上記第3工程は、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のスタート位置にスタート側ドッグの基準刻線を一致させるようにホブシフト台をシフトさせるようにしたことを特徴とする請求項5記載のホブ盤のホブシフト方法。
- 上記第4工程は、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置とそのエンドドッグ刻線が一致するようにエンド側ドッグをスケール貼付部材の溝内に固定し、上記スケール貼付部材上のスケールの所定のエンド位置にスタート側ドックの基準刻線を一致させるようにホブシフト台をシフトさせるようにしたことを特徴とする請求項5記載のホブ盤のホブシフト方法。
- 上記第5工程は、上記エンド側ドッグの所定位置に設けられた近接スイッチが、上記スタート側ドッグの所定位置に刻印されたエンド刻線を検知することにより、ホブのエンド位置への移動を検出するようにしたことを特徴とする請求項6記載のホブ盤のホブシフト方法。
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