JP3674888B2 - 樹脂組成物、レジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にプリント配線板用レジスト樹脂組成物として有用な樹脂組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、フレキブシルプリント配線板製造の際のソルダーレジストやメッキレジスト等に使用する希アルカリ水溶液で現像が可能でその硬化物は、耐屈曲性、屈折性、密着性、耐薬品性、耐熱性等に優れたレジストインキに適した樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源、省エネルギー、作業性向上、生産性向上などの理由により各種分野において紫外線硬化型組成物が多用されてきている。プリント配線板加工分野においても同様の理由によりソルダーレジストインキ、マーキングインキなどの種々のインキが従来の熱硬化型組成物から紫外線硬化型組成物へと移行した。たとえば、特公昭56−40329号公報には、エポキシ樹脂−光重合性α、β−不飽和カルボン酸付加生成物と二塩基性カルボン酸無水物との反応生成物、光重合性単量体および光重合開始剤を含有する硬化性感光材料が記載されている。これまで、フレキシブルプリント配線板と言われるポリイミド基板に用いるソルダーレジストはカバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィルムをパターンに合わせた金型をつくり打ち抜いたのち接着剤を用いて張り付けるタイプや、可撓性を持たせた紫外線硬化型または熱硬化型のソルダーレジストインキをスクリーン印刷法により塗布するタイプのものであった。リジット(硬質)基板と呼ばれる一般のプリント配線板は、エレクトロニクスの進歩に伴う高密度化実現のため、ソルダーレジストに対しても高精度、高解像性の要求が高まった。従来のスクリーン印刷法ではパターン精度が得られない為、液状フォトレジスト法が提案され、現在、大部分の基板の製造に導入されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
フレキシブルプリント配線板の分野でも高密度化が近年要求されてきているが、従来の液状フォトソルダーレジストでは、パターン精度は得られるものの塗膜が硬くポリイミドとの密着性が悪いため、十分な可撓性や耐折性が得られず、また、可撓性はある程度得られるものの作業性が悪く耐薬品性、耐熱性が不十分であり、問題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、特定のエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂を使用することによって、希アルカリ水溶液での現像が可能であり、その硬化皮膜も可撓性、耐折性、密着性、耐薬品性、耐熱性等に優れたものである、フレキシブルプリント配線板用レジスト樹脂組成物に適した樹脂組成物及びその硬化物を見出した。
【0005】
即ち、本発明は、
式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、Xは−CH2 −又は−C(CH3)2 を示し、Mは水素原子又は、
【0008】
【化4】
【0009】
を示し、nは1〜10の数である。但しnが1の場合、Mは水素原子を示し、nが2以上の場合、Mの少なくとも1個は水素原子を示す。)で表されるエポキシ樹脂(a)と多塩基酸無水物(b)との反応物であるエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光カチオン重合開始剤(B)及び希釈剤(C)、を含有することを特徴とする樹脂組成物、レジスト樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0010】
本発明に用いられるエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A)は、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)の水酸基に多塩基酸無水物(b)を反応させることにより得ることができる。
【0011】
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)の具体例としては、例えば、式(2)
【0012】
【化5】
【0013】
(式中、X及びnは式(1)中のX及びnと同一である。)で表されるエポキシ樹脂、あるいは、式(2)で表されるエポキシ樹脂のアルコール性水酸基と、エピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンを好ましくはジメチルスルホキシドの存在下に反応させることにより得ることができる。エピハロヒドリンの使用量は、式(2)におけるアルコール性水酸基1当量に対して1当量以上使用すれば良い。しかしながらアルコール性水酸基1当量に対して15当量を超えると増量した効果はほとんどなくなる、一方容積効率も悪くなる。
【0014】
ジメチルスルホキシドを用いる場合その使用量は、式(2)で表されるエポキシ樹脂に対して5重量%〜300重量%が好ましい。式(2)で表されるエポキシ樹脂に対して5重量%以下であると式(2)におけるアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応が遅くなるため長時間の反応が必要となり、一方、式(2)で表されるエポキシ樹脂に対して300重量%を超える増量した効果はほとんどなくなり、容積効率も悪くなる。
【0015】
反応を行う際、アルカリ金属水酸化物を使用するのが好ましい。アルカリ金属水酸化物としては、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどが使用できるが苛性ソーダが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、式(2)のアルコール性水酸基1当量に対してほぼ1当量使用すれば良い。
【0016】
アルカリ金属水酸化物は固形でも水溶液の状態で用いても構わない。また水溶液の状態で使用する場合は、反応中、反応系内の水は常圧下、減圧下において反応系外に留去しながら反応を行うこともできる。反応温度が30〜100℃が好ましい。
【0017】
反応終了後、過剰のエピハロヒドリン及びジメチルスルホキシドを減圧下留去した後、有機溶剤に生成樹脂を溶解させアルカリ金属酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行うこともできる。一方、反応終了後、水洗分離を行い副生塩及びジメチルフルホキシドを分離し、油層より過剰エピハロヒドリンを減圧下留去した後、有機溶剤に樹脂を溶解させてアルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行っても良い。有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が使用できるが、メチルイソブチルケトンの使用が好ましい。尚、これらの有機溶剤は単独若しくは混合系で使用できる。
【0018】
次に、多塩基酸無水物(b)の具体例としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、等の飽和および不飽和多塩基酸無水物等を挙げることができる。
【0019】
式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)と多塩基酸無水物の反応は、式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)中の水酸基、1当量あたり、前記、多塩基酸無水物(b)の無水物基0.3〜1.0当量反応させるのが好ましい。反応時に希釈剤として、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテートなどのエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類を使用するのが好ましい。反応温度は60〜150℃が好ましい。反応時間は、1〜10時間が好ましい。
【0020】
このようにして得られたエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の酸価(mgKOH/g)は40〜110が好ましく、特に好ましくは50〜100である。
【0021】
本発明の組成物に含まれるエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の量は、組成物中10〜80重量%が好ましく、特に15〜60重量%が好ましい。
【0022】
次に光カチオン重合開始剤(B)の具体例としては、例えば、
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
等のスルホニウム塩、ヨードニウム塩あるいは、ピリジニウム塩等を挙げることができる。これら光カチオン重合開始剤(B)は、単独あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
【0034】
光カチオン重合開始剤(B)の使用割合は、本発明の組成物中、0.5〜20重量%が好ましく、特に好ましくは、1〜10重量%である。
【0035】
次に希釈剤(C)の具体例としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
【0036】
前記の希釈剤(C)は、単独または2種以上の混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれる希釈剤(C)の量は、組成物中、5〜80重量%が好ましく10〜70重量%である。
【0037】
本発明の組成物は、更に、密着性、硬度などの特性を向上する目的で必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の公知慣用の無機充填剤が使用できる。その使用量は、本発明の組成物中の0〜60重量%が好ましく、特に好ましくは5〜40重量%である。
【0038】
更に、必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の公知慣用の重合禁止剤、アスベスト、ベントン、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/または、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような公知慣用の添加剤類を用いることができる。
【0039】
又、アクリル酸エステル類などのエチレン性不飽和化合物の共重合体類や、多価アルコール類と多塩基酸化合物から合成されるポリエステル樹脂類等の公知慣用のバインダー樹脂および、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートの多塩基酸無水物の反応物、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等の光重合性オリゴマー類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート等の光重合性モノマー類、エポキシ樹脂類もレジストとしての諸特性に影響を及ぼさない範囲で用いることができる。
【0040】
本発明の組成物は、配合成分を好ましくは前記の割合で配合し、ロールミル等で均一に混合することにより得られる。
【0041】
本発明の組成物は、フレキシブルプリント配線板用レジストインキに有用である他、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。本発明の組成物は、例えば、次のようにして硬化し、硬化物を得る。即ち、フレキシブルプリント配線板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により例えば10〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させた後、ネガフィルムを塗膜に接触させ(又は、接触しない状態で塗膜の上に置く。)、次いで紫外線を照射し、次いで必要に応じて、80〜150℃に加熱し、未露光部分を希アルカリ水溶液(例えば、0.5〜2%炭酸ソーダ水溶液等)で溶解除去(現像)した後、更に諸物性の向上のため、紫外線の照射および/または加熱(例えば、100〜200℃で0.5〜1.0時間)によって十分な硬化を行ない硬化皮膜を得る。本発明の紫外線照射により容易に硬化する。本発明の紫外線照射による硬化は常法により行うことができる。例えば低圧又は高圧水銀灯、キセノン灯、メタルハライドランプ等を用い紫外線を照射すればよい。本発明はこのような硬化物にも関する。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例により更に具体的に説明する。
なお実施例中の部は、重量部である。
合成例1
式(2)におけるnの平均値が3.3、エポキシ当量650、軟化点81.1℃、溶融粘度(150℃)12.5ポイズのビスフェノールA型エポキシ樹脂371部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH13.3部を100分かけて添加した。
【0043】
添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン、750部に溶解させ、さらに30%NaOH10部を加え70℃で1時間反応させた。
【0044】
反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量444、加水分解性塩素含有量0.054%、軟化点79.5℃、溶融粘度(150℃)11.5ポイズのエポキシ樹脂(a−1)350部を得た。得られたエポキシ樹脂(a−1)はエポキシ当量から計算すると一般式(2)におけるアルコール性水酸基3.3個の内約1.0個がエポキシ化されている。
【0045】
合成例2
式(2)におけるnの平均値が5.8、エポキシ当量800、軟化点79℃のビスフェノールF型固型エポキシ樹脂400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH20.3部を100分かけて添加した。
【0046】
添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルフルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH10部を加え70℃で1時間反応させた。
【0047】
反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量566.5、軟化点78℃のエポキシ樹脂(a−2)365部を得た。得られたエポキシ樹脂(a−2)はエポキシ当量から計算すると一般式(2)におけるアルコール性水酸基5.8個の内約1.3個がエポキシ化されている。
【0048】
エポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の合成例
合成例3
式(2)におけるnの平均値が3.3、エポキシ当量650、軟化点81.1℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂650部、ヘキサヒドロ無水フタル酸254部、カルビトールアセテート271部及びソルベントナフサ116部を仕込み、95℃に加熱攪拌し、10時間反応を行ないエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A−1)を得た。生成物(固形分)のエポキシ当量は904で酸価(mgKOH/g)は102.4であった。
【0049】
合成例4
合成例1で得たエポキシ樹脂(a−1)1332部、無水コハク酸230部、カルビトールアセテート468部及びソルベントナフサ201部を仕込み、95℃に加熱攪拌し、10時間反応を行ないエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A−2)を得た。生成物(固形分)のエポキシ当量は520で酸価(mgKOH/g)は82.6であった。
【0050】
合成例5
合成例2で得たエポキシ樹脂(a−2)1869.5部、テトラヒドロ無水フタル酸684部、カルビトールアセテート765.8部及びソルベントナフサ328.2部を仕込み、95℃に加熱攪拌し、10時間反応を行ないエポキシ基含有ポリカルボン酸樹脂(A−3)を得た。生成物(固形分)のエポキシ当量は774で酸価(mgKOH/g)は98.8であった。
【0051】
実施例1〜3
表1に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って組成物を配合し、3本ロールミルで混練し調製した。これをスクリーン印刷法により、100メッシュのポリエステルスクリーンを用いて20〜30μmの厚さになるようにパターン形成されている銅張ポリイミドフィルム基板(銅厚/12μm・ポリイミドフィルム厚/25μm)に全面塗布し塗膜を80℃の熱風乾燥器で30分乾燥させる。次いで、レジストパターンを有するネガフィルムを塗膜に密着させ紫外線露光装置(株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用いて、紫外線を照射した(露光量500mJ/cm2 )。次に100℃で2分間、加熱硬化した後、1%炭酸ソーダ水溶液で60秒間、2.0kg/cm2 のスプレー圧で現像し、未露光部分を溶解除去した。得られたものについて、後述のとおり現像性の評価を行った。その後、紫外線を2J/cm2 照射し完全硬化を行ない、得られた硬化膜を有する試験片について、後述のとおり密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐屈性、耐折性の試験を行なった。それらの結果を表1に示す。なお、試験方法及び評価方法は次のとおりである。
【0052】
(現像性)
○・・・・現像時、完全にインキが除去され、現像できた。
△・・・・現像時、わずかに残渣のあるもの。
×・・・・現像時、現像されない部分がある。
【0053】
(密着性)
JIS K 5400に準じて、試験片に1mmのごばん目を100ケ作りセロテープによりピーリング試験を行った。
○・・・・100/100で剥れないもの。
△・・・・ 50/100〜90/100。
×・・・・ 0/100〜50/100。
【0054】
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に準じて評価を行った。
【0055】
(耐溶剤性)
試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験片を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの。
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの。
【0056】
(耐酸性)
試験片を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬する。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの。
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの。
【0057】
(耐熱性)
試験片にロジン系フラックスを塗布し260℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの。
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの。
【0058】
(耐屈曲性)
JIS K5400に準じて評価を行なった。試験片を用いて、心棒の直径は2mmとし、クラック発生の有無を観察した。
【0059】
(耐折性)
JIS C 5016に準じて行った。折り曲げ面の曲率半径は0.38mmとし、クラックが入るまでの折り曲げ回数を測定した。
【0060】
【表1】
【0061】
【0062】
注) *1 SP−170 :旭電化工業(株)製、光カチオン重合開始剤、プロピレンカーボネート40%希釈品
*2 UVI−6990:ユニオンカーバイト(株)製、光カチオン重合開始剤、プロピレンカーボネート50%希釈品。
*3 PCI−061:日本化薬(株)製、光カチオン重合開始剤、黄色粉末。構造式は、
【0063】
【化16】
【0064】
*4 R−1415−1:エー・シー・アール(株)製、ゴム変性エポキシ樹脂。
*5 EXA−4800:大日本インキ工業(株)製、ビスフェーノルS型エポキシ樹脂。
*6 KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートの混合物。
*7 U−200AX:新中村化学工業(株)製、ウレタンアクリレート。
*8 M−325:東亜合成化学工業(株)製、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート。
*9 ルシリンTPO:BASF(株)製、光ラジカル重合開始剤
*10 アエロジル#200:日本アエロジル(株)製、無水シリカ
*11 モダフロー:モンサント(株)製、レベリング剤。
【0065】
表1の評価結果から明らかなように、本発明の組成物及びその硬化物は、光カチオン重合性、現像性に優れ、その硬化物は、耐屈曲性、耐折性、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性等に優れている。
【0066】
【発明の効果】
本発明の組成物は、光カチオン重合性、希アルカリ水溶液での現像性に優れ、得られた化物が耐屈曲性、耐折性に優れ、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性等も十分に満足するものであり、特に、フレキシブルプリント配線板用レジスト組成物に適している。
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