JP3659160B2 - 角速度センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基部に梁部を介して連結された重り部を備え、検出しようとする角速度軸に垂直な水平面内にて重り部を第1の方向へ駆動振動させつつ、角速度印加時における重り部の第1の方向と直交する第2の方向への振動に基づいて角速度を検出するようにした角速度センサに関し、例えば、車両制御システム、車両転倒検知システム、ナビゲーションシステム、光学機器の手ぶれ防止システム等の角速度をセンシングする必要のある角速度センサ装置に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型化、低コスト化を目的として、マイクロマシン技術を用いて半導体基板(SOI基板等)を加工することにより形成された振動型の角速度センサが報告されている。このようなものとして、例えば、特開平9−119942号公報、特開平6−123632号公報、特開平8−220125号公報、特開平11−248733号公報等に記載の角速度センサが提案されている。
【0003】
これら角速度センサは、第1の方向(駆動方向、x軸方向)へ振動を励起される重り部(振動体)を有している。そして、角速度軸(z軸)を中心として回転した場合に、重り部には、第1の方向と直交する第2の方向(検出方向、y軸方向)へコリオリ力が発生する。
【0004】
このコリオリ力は、振動ばねとしての梁部によって、可動電極及び固定電極を有する検出エレメントに伝達され、この検出エレメントにおいて可動電極の変位により、可動電極と固定電極との間の容量が変化し、角速度出力値が検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、角速度センサを構成する梁構造体において、全く加工誤差がなく、設計通りにこのセンサが作製できたと仮定すると、このセンサは正確に上に述べたように動作する。しかし、例えば、振動ばねとしての梁部や駆動電極等に加工誤差がある(例えば梁部の太さに誤差が発生する)と、駆動振動の際に、x軸方向のみへ振動させようとしても、例えば検出方向であるy軸方向へ振動がもれ、そのせいで角速度がゼロの場合でも、検出部の容量が変化してしまい、角速度出力値の誤差が発生する。
【0006】
従って、このような重り部の駆動振動の検出方向へのもれ(以下、不要振動という)を防ぐために、従来のセンサではできる限り、正確な加工を行うことが必要とされ、その加工精度がセンサの性能を決めてきた。しかし、もちろん半導体基板を加工することにより形成する角速度センサにおいて、加工誤差は必ず存在するものであり、上記不要振動も小さくすることはできるが、限界がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、梁部により変位可能に支持された重り部を有する振動型の角速度センサにおいて、加工誤差による重り部の駆動振動の検出方向へのもれ(不要振動)を無くすことにより、角速度出力値の誤差を低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜請求項16記載の発明は、基部と、この基部に梁部を介して連結された重り部とを備え、梁部は、検出しようとする角速度軸に垂直な水平面内にて互いに直交する第1の方向及び第2の方向へ重り部を変位可能なように支持しており、重り部を第1の方向へ駆動振動させつつ角速度軸回りに角速度が印加されたときに発生する重り部の前記第2の方向への振動に基づいて、角速度を検出するようにした角速度センサ、即ち、振動型の角速度センサに係るものである。
【0009】
まず、請求項1の発明では、振動型の角速度センサにおいて、第1の方向(x)以外の方向へ重り部(3)が駆動振動するのを抑制するために、重り部に対して第2の方向(y)へ外力を印加する不要振動抑制手段(7、8、7’、8’)を備え、この不要振動抑制手段は、重り部の第2の方向に沿う一辺側と重り部の第2の方向に沿う他辺側にそれぞれ2つずつ設けられており、重り部の一辺側と他辺側にそれぞれ設けられた2つの不要振動抑制手段は、一方が重り部に印加する外力として重り部を第2の方向の一方向に引きつける外力を発生し、他方が重り部に印加する外力として重り部を第2の方向の他方向に引きつける外力を発生するものであり、重り部の駆動振動の方向が第1の方向から斜めにずれた場合に、重り部の一辺側の一方の不要振動抑制手段と重り部の他辺側の他方の不要振動抑制手段とにより発生される外力と重り部の一辺側の他方の不要振動抑制手段と重り部の他辺側の一方の不要振動抑制手段とにより発生される外力のうち重り部の駆動振動の方向の斜めずれを無くす方向に作用する外力を用いて重り部の駆動振動の方向を補正することを特徴としている。なお、不要振動抑制手段は、後述する実施形態に示すように、重り部の一辺側と他辺側のそれぞれに、さらに2つずつ追加して設けられていてもよい。
【0010】
本発明によれば、不要振動抑制手段(7、8、7’、8’)によって、重り部(3)に対して検出方向である第2の方向(y)へ外力を印加し、駆動振動において不要振動成分となる第2の方向の振動成分をキャンセルすることができる。そのため、第1の方向(x)以外の方向への重り部の不要振動を抑制し、第1の方向のみへ良好に駆動振動させることができる。よって、梁部(4、4a、4b)等の加工誤差があっても、重り部の駆動振動の検出方向へのもれを無くすことにより、角速度出力値の誤差を低減することができる。また、本発明によれば、不要振動抑制手段を、重り部の一辺側と他辺側にそれぞれ2つずつ設け、重り部の一辺側と他辺側にそれぞれ設けられた2つの不要振動抑制手段は、一方が重り部に印加する外力として重り部を第2の方向の一方向に引きつける外力を発生し、他方が重り部に印加する外力として重り部を第2の方向の他方向に引きつける外力を発生するものとし、重り部の駆動振動の方向が第1の方向から斜めにずれた場合に、重り部の一辺側の一方の不要振動抑制手段と重り部の他辺側の他方の不要振動抑制手段とにより発生される外力と重り部の一辺側の他方の不要振動抑制手段と重り部の他辺側の一方の不要振動抑制手段とにより発生される外力のうち重り部の駆動振動の方向の斜めずれを無くす方向に作用する外力を用いて重り部の駆動振動の方向を補正しているから、梁部等の加工誤差により重り部の駆動振動の方向が第1の方向から斜めにずれた場合でも、重り部の駆動振動の方向を補正することができる。
【0011】
また、請求項2の発明では、互いに独立して変位可能な重り部(3)を複数個設けたことを特徴としており、請求項1で述べた効果に加えて、次のような効果がある。複数個の重り部を連結せずに独立させることにより、複数個の重り部の配置が自由になり、センサ全体の小型化が可能である。これは、単純には低コストになるし、歩留まりも向上する。また、複数個の重り部を連結しないことにより、例えば、各重り部をそれぞれ別のチップ上に配置することも可能であり、これも歩留まり向上に役立つ。
【0012】
さらに、複数個の重り部を連結しないということは、これら重り部を連結するための梁部を設けなくても良いということであるから、個々の重り部の周囲に駆動手段(駆動用電極等)を、簡単に複数個とりつけることができる。従って、駆動力を大きくすることができて非常に有利である。
【0013】
また、請求項3の発明では、重り部(3)を複数個設け、これら複数個の重り部のうち少なくとも2個を、少なくとも1個の連結用梁(20)にて連結したことを特徴としている。本発明では、請求項1で述べた効果に加えて、次のような効果がある。
【0014】
即ち、少なくとも2個の重り部同士が連結用梁で連結されているため振動系は連成振動系となり、駆動振幅が極大となる駆動力の周波数は、該連結用梁で連結された重り部において同じ値(固有振動数)となる。角速度センサでは、駆動振幅を大きくとるために固有振動数で振動させることが多いが、連成振動系を作ることにより、振幅を一致(または近い値に)させるのが容易になる。
【0015】
また、請求項4の発明では、請求項2または請求項3の角速度センサにおいて、複数個の重り部(3)のうち少なくとも1個を、他の重り部とは逆相に駆動振動させるようにしたことを特徴としている。
【0016】
通常、振動型の角速度センサは外乱加速度の影響を受け、検出方向への加速度が生じると、角速度がゼロであってもあたかも角速度が生じたかのようになる。その点、請求項4の角速度センサによれば、2個の重り部が逆相で駆動振動することにより、コリオリ力の方向も、それぞれの重り部で逆になる。一方、外部からの加速度による振動は、2個の重り部で同相となるので、2個の重り部からの信号の差をとれば、加速度の影響がキャンセルされた(ノイズの低減された)角速度による信号のみが得られ、外乱加速度の影響を除くことができる。また、信号の大きさも、重り部が1個の場合に比べて2倍になる。
【0017】
また、請求項4の角速度センサによれば、逆相に駆動振動する2個の重り部からの信号の和をとれば、コリオリ力による信号がキャンセルされ加速度が測定できるので、加速度センサとして用いることも可能である。つまり、信号処理の方法によっては、角速度、加速度の両方を測定できるセンサとして使用可能である。
【0018】
また、請求項5の発明では、不要振動抑制手段(7、8、7’、8’)を、重り部(3)に印加する外力として静電気力を発生するものとしたことを特徴としており、例えば、重り部と基部(2)とに電極を設け、両電極間にて静電引力を発生させるような構成とできるため、製造プロセスが簡単で部品点数が少なく、小型化が可能であるというメリットがある。
【0019】
ここで、請求項6の発明は、請求項5の角速度センサにおける静電気力の発生手段の具体的手段を提供するものであり、基部(2)から櫛歯状に突出する基部側櫛歯電極(8、8’)と、この基部側櫛歯電極の隙間に噛み合うように重り部(3)から櫛歯状に突出する重り部側櫛歯電極(7、7’)とを備え、これら両櫛歯電極間に静電気力を発生させるものを採用したことを特徴としている。請求項6の発明のような櫛歯構造では、センサを構成するチップの単位面積当たりにおいて、非常に大きな静電気力を発生させることができ、従って、電圧が小さくて済み、有利である。
【0020】
さらに、請求項7の発明は、請求項6の角速度センサにおいて、両櫛歯電極(7、8、7’、8’)のうち重り部側櫛歯電極(7、7’)が、その両側に隣接する基部側櫛歯電極(8、8’)の隙間の中心よりも、どちらか一方の隣接する基部側櫛歯電極に近くなるように位置していることを特徴としている。それによれば、可動電極である基部側櫛歯電極は静電気力によって、近い方の固定電極である基部側櫛歯電極に引っ張られるため、容易に重り部(3)の振動方向を正常な状態に変更できる。
【0021】
また、請求項8の発明では、不要振動抑制手段を、梁部(4、4a)に圧電素子を形成し、この圧電素子の歪みを利用して、重り部(3)に外力を印加するものとしたことを特徴としている。圧電素子は、電圧印加により発生する歪み、即ち重り部の不要振動を抑制するための外力が非常に大きいので、消費電圧が小さくて済むというメリットがある。
【0022】
また、請求項9の発明では、不要振動抑制手段を、重り部(3)に印加する外力としてローレンツ力を発生するものとしたことを特徴としている。具体的には、ローレンツ力の発生手段として、梁部(4、4b)上を経由して重り部(3、3b)上に配線を形成し、この配線を流れる電流と外部に設置された永久磁石または電磁石とを相互作用させるもの(請求項10または請求項11の発明)とすることができる。
【0023】
それによれば、不要振動抑制手段に用いる電圧が角速度の検出側にもれてノイズの原因となることが少なく、あったとしてもその値が小さいというメリットがある。また、配線を梁部を経由して重り部上に設けることにより、簡単なプロセスでローレンツ力を発生させることができる。また、該配線に流す電流の大きさを変更することで、ローレンツ力を制御できる。
【0024】
また、永久磁石を利用する場合は、電力の消費が少なくて済む。また、電磁石を利用する場合は、重り部上の配線を流れる電流を一定に保ち、電磁石を流れる電流を制御することでもローレンツ力を制御できる。また、この制御方法では、重り部上の配線を流れる電流を直流とすることで、不要振動抑制手段に用いる電圧の検出側へのもれが、角速度の検出に影響しにくくなる。
【0025】
また、請求項12の発明では、重り部(3)を駆動振動させる手段を、重り部と基部(2)との間に静電気力を発生させることにより、重り部の駆動振動を行わせるものとしたことを特徴としている。
【0026】
静電気力以外の重り部の駆動方法として、従来より電磁駆動や圧電駆動があるが、例えば電磁駆動では、永久磁石や電磁石等の余分な部品が必要となる。また、圧電駆動では、圧電体薄膜の形成が必要で、プロセスが複雑になる。従って、静電気力を用いた静電駆動では、プロセスが簡単で部品点数が少なく、小型化が可能であるというメリットがある。
【0027】
また、請求項13及び請求項14の発明では、重り部(3)における駆動振動の物理量をモニタする手段(5、6、12、13)を備えたことを特徴としており、駆動振動をモニタすることによって、駆動振幅が例えば温度変化等により変化した場合に、駆動振動を一定にしたり、回路で補正したりすることによって、感度を一定に保つことができる。
【0028】
そのため、感度の温度ドリフト(温度変化による角速度出力値のゼロ点の変化)を低減することができる。ちなみに、駆動振幅は、雰囲気気体の粘性係数に大きく依存し、該気体の粘性係数は、一般に温度に非常に敏感であるから、角速度センサの感度に対する温度の影響(感度の温度ドリフト)は非常に大きく、本発明の効果は大きい。
【0029】
また、請求項15の発明では、請求項1〜14における重り部(3)を、第1の方向(x)へ駆動振動可能な第1の重り部(3a)と、この第1の重り部に駆動梁(4a)によって結合され、かつ基部(2)に検出梁(4b)によって接続された第2の重り部(3b)とを備え、第1の重り部を第1の方向へ駆動振動させつつ角速度軸(z)回りに角速度が印加されたときに、検出梁によって、第1の重り部及び第2の重り部が共に、第2の方向(y)へ振動するようになっているものとしたことを特徴としている。
【0030】
それによれば、第2の重り部の第2の方向への振動に基づいて、角速度を検出することができる。また、駆動振動によって、検出部である第2の重り部が変位しないので、結果としてノイズが少なくなり、分解能の良いセンサとなりやすいというメリットがある。
【0031】
また、請求項16の発明では、請求項1〜14における重り部(3)を、基部(2)と駆動梁(4a)によって結合され且つ第1の方向(x)へ駆動振動可能な第1の重り部(3c)と、この第1の重り部に検出梁(4b)によって結合されることによって第1の方向だけでなく第2の方向(y)へも変位可能な第2の重り部(3d)とを備えたものとし、第1及び第2の重り部を第1の方向へ駆動振動させつつ角速度軸(z)回りに角速度が印加されたときに、検出梁によって、第2の重り部が第2の方向へ振動するようになっていることを特徴としている。
【0032】
それによれば、第2の重り部の第2の方向への振動に基づいて、角速度を検出することができる。また、第1の重り部(3c)が検出振動によって検出振動方向へ変位しない。このことは、第1の重り部に付随する駆動電極(5、6)や振動モニタ電極(12、13)等の静電気力によって、検出振動が影響を受けないことを意味しており、正確な検出を行う上で有利である。
【0033】
また、一般に、感度を大きくするために、検出梁(4b)は、駆動梁(4a)に比して、バネ定数が小さいことが多いが、本発明によれば、上記請求項15の発明に比べて、検出梁を、基部と結合された駆動梁よりも内側に持ってくることができるため、角速度軸(z)方向の共振周波数が大きくし易く、従って、角速度軸方向に重り部が共振するような不要振動を避けやすく、ノイズの少ないセンサを実現することができ、非常に有利である。
【0034】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本第1実施形態に係る角速度センサ100の平面構成図であり、図2は、図1中のA−A断面図である。なお、以下の各実施形態相互において、同一部分に付いては図中、同一符号を付してある。角速度センサ100は、周知の半導体製造技術を用いたマイクロマシン加工により製造されたチップである。
【0036】
角速度センサ100は、第1の半導体基板(シリコン基板等)101と第2の半導体基板(シリコン基板等)102とを絶縁膜層(シリコン酸化膜等)103を介して張り合わせた基板(SOI基板等)により、形成されている。第2の半導体基板102及び絶縁膜層103が異方性エッチング等により除去されて開口部104及び台座部105が形成されており、この開口部104に対応して第1の半導体基板101がダイアフラム形状となっている。
【0037】
この第1の半導体基板101にトレンチ溝1が形成され、可動部、固定部、及びこれらに付随した各電極が、互いに電気的に分離されて形成されている。角速度センサ100は、固定部としての基部2の内部に、トレンチ溝1にて区画された可動部としての矩形状の重り部3を備えている。重り部3は、その四隅に各々設けられた合計4本の梁部4を介して、基部3に連結されている。
【0038】
梁部4は、各々直角に曲がったL字形状をなし、ともに駆動方向x(x軸方向、第1の方向)と検出方向y(y軸方向、第2の方向)への自由度を持ったものである。従って、梁部4は、角速度軸zに垂直な水平面内にて互いに直交する駆動方向x及び検出方向yへ重り部3が変位可能なように、重り部3を支持しており、重り部3は、両方向x、yへ共に振動可能な構成となっている。
【0039】
重り部3の左右両辺、及び、これとトレンチ溝1を有して対向する基部2の各辺には、該各辺から櫛歯状に突出する各櫛歯電極5、6、7、8、7’、8’、9、10、9’、10’が形成されている。まず、重り部3の中央部には、重り部3を駆動方向xに駆動振動させるための駆動用電極(重り部を駆動振動させる手段)5、6が形成されている。
【0040】
駆動用電極5、6において、重り部3側の駆動用可動電極5と基部2側の駆動用固定電極6とは、各々の櫛歯が互いに等間隔となるように配置されている。そして、両駆動用電極5、6に所定の交流電圧を印加することにより、静電気力を発生させ、重り部3は、梁部4の弾性により駆動方向xへ駆動振動できるようになっている。
【0041】
重り部3の左右両辺において、駆動用電極5、6の両側(図1中の上下両側)には、不要振動抑制手段であって重り部3に印加する外力として静電気力を発生する静電気力の発生手段としての不要振動抑制用電極7、8、7’、8’が形成されている。
【0042】
これら不要振動抑制用電極は、重り部3側の不要振動抑制用可動電極(重り部側櫛歯電極)7、7’と基部2側の不要振動抑制用固定電極(基部側櫛歯電極)8、8’との間に、所定の直流若しくは交流電圧を印加して、静電気力を発生させることにより、不要振動抑制用可動電極7、7’と不要振動抑制用固定電極8、8’とが引き合う(近づく)ようにするものである。
【0043】
それにより、重り部3は、その駆動振動において、検出方向(y軸方向)への不要振動(変位)が抑制されるようになっている。ここで、不要振動抑制用可動電極7、7’が、その両側に隣接する不要振動抑制用固定電極8、8’の隙間の中心よりも、どちらか一方の隣接する不要振動抑制用固定電極8、8’に近くなるように偏って位置している。
【0044】
さらに、図1にて、重り部3の左辺側に位置する第1の不要振動抑制用電極7、8と第2の不要振動抑制用電極7’、8’とを比べた場合、両側に隣接する固定電極8、8’の隙間の中心における可動電極7、7’の偏り方向が、第1の不要振動抑制用電極7、8と第2の不要振動抑制用電極7’、8’とでは逆方向となっている。このことは、重り部3の右辺側においても同様である。それによって、第1の不要振動抑制用電極7、8と第2の不要振動抑制用電極7’、8’とでは、検出方向yにおける重り部3の変位の抑制方向が互いに逆となっている。
【0045】
例えば、重り部3の左辺側に位置する第1の不要振動抑制用電極7、8と第2の不要振動抑制用電極7’、8’の場合、静電気力を発生させたとき、第1の不要振動抑制用電極7、8では、可動電極7が検出方向yに沿って下方へ引きつけられるのに対し、第2の不要振動抑制用電極7’、8’では、可動電極7’が検出方向yに沿って上方へ引きつけられるようになっている。よって、重り部3の不要振動の検出方向yにおける向きに応じて、第1の不要振動抑制用電極7、8と第2の不要振動抑制用電極7’、8’とを使い分けるようになっている。
【0046】
また、重り部3の左右両辺において、駆動用電極5、6及び不要振動抑制用電極7、8、7’、8’の両側(図1中の上下両側)には、角速度検出用電極(角速度検出手段)9、10、9’、10’が形成されている。この角速度検出用電極は、重り部3側の角速度検出用可動電極9、9’と基部2側の角速度検出用固定電極10、10’との対向間隔の変位(重り部3の検出方向yへの変位)に伴う静電容量の変化により、角速度が検出可能となっている。
【0047】
また、上記駆動用、不要振動抑制用、及び角速度検出用の各櫛歯電極は、各々電気的に独立して、基部2上にアルミニウムを蒸着する等により形成された電極パッド11に接続されている。そして、各パッド11は図示しない外部回路にワイヤボンディング等にて電気的に接続され、上記各櫛歯電極の電位を独立に制御することが可能となっている。
【0048】
次に、上記角速度センサ100の構成に基づき、本実施形態の作動について説明する。本センサ100の角速度検出の基本動作は、重り部3を駆動方向xへ駆動振動させつつ角速度軸z回りに角速度が印加されたときに発生する重り部3の検出方向yへの振動に基づいて、角速度を検出するものである。
【0049】
上記した図示しない外部回路によって、駆動用可動電極5に、矩形波もしくは正弦波の電圧信号(駆動信号)を印加する。すると、重り部3は、梁部4の駆動方向xへの自由度により、駆動方向xへ沿って駆動振動する。角速度センサの感度は、駆動振動の振幅にほぼ比例するから、駆動振幅を大きくとれる共振駆動(駆動電圧の周波数を振動系の固有振動数と一致させた駆動方法)が良く用いられる。
【0050】
また、共振駆動した場合、振幅は駆動振動のQ値に比例する。このQ値は、気体中では主に気体の粘性係数によって決まり、一般に粘性係数が大きいほどQ値は小さくなる。また、粘性係数は、気体中では、気体の圧力が小さくなるほど小さくなるから、結局、共振駆動の場合、角速度センサの感度は、気体の圧力が低いほど良くなる。従って、真空パッケージ等の工夫によって、角速度センサの感度を上げることができる。
【0051】
ただし、本実施形態では、センサの感度を上げるよりも、製造にかかるコストが小さいことを優先して、あえて大気中で非共振駆動させるものとする。なお、本実施形態が共振駆動でも有効なのはもちろんのことである。ここで、駆動振幅は、温度依存性を持つ(これは主に気体の粘性係数の温度依存性による)ため、Auto Gain Control(AGCと略す)とよばれる制御を用いることが多い。ここで、このAGCについて説明しておく。
【0052】
上記角速度センサ100の場合、重り部3の左右両辺に設けられている駆動用電極5、6のうち、例えば、右辺側の駆動用電極5、6を、重り部3における駆動振動の物理量(駆動振幅、駆動速度等)をモニタするための振動モニタ電極として用いる。この場合、重り部3側の駆動用可動電極5が振動モニタ可動電極、基部2側の駆動用固定電極6が振動モニタ固定電極に相当する。従って、駆動信号が印加され駆動力を発生するのは、左辺側の駆動用電極5、6のみとなる。
【0053】
この重り部3の駆動振動において、重り部3が駆動方向xへ変位すると、振動モニタ電極5と6との重なり長さが変わる。従って、振動モニタ電極5と6との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を例えば、上記外部回路によって電圧変化に換算し、駆動振動の物理量(駆動振幅、駆動速度等)をモニタすることができる。
【0054】
ここで、例えば、上記モニタを行った結果、得られた駆動振動の振幅(駆動振幅)をもとに、駆動電圧にフィードバックをかけ(負帰還を行い)、駆動振幅を一定にする制御がAGCである。このAGCを用いれば、駆動振幅の温度依存性を取り除くことができ、感度の温度ドリフトを抑えることができるので、有利である。もちろん、感度の温度ドリフトを抑えることが、たいして必要でない場合には、必ずしもAGCを使用する必要はない。
【0055】
なお、振動モニタを行う手段としては、櫛歯電極である振動モニタ電極5、6以外にも、歪みゲージや、配線を貫く磁束の変化を検出する電磁検出等であっても良い。歪みゲージを用いる場合は、例えば、梁部4の上に圧電素子を設けて、梁部4の歪み度合から駆動振動をモニタする方法が挙げられる。また、電磁検出を用いる場合は、例えば、梁部4を経由して重り部3の上に配線を形成し、この配線の上方に磁石を設け、配線を貫く磁束の変化をモニタする方法が挙げられる。
【0056】
そして、駆動方向xに沿って直線的な駆動振動をしている重り部3に対して、基板面(第1の半導体基板101の基板面)に垂直な角速度軸z回りの角速度が加わると、検出方向yにコリオリ力Fc=2mvΩ(ここで、m:重り部3の質量、v:駆動振動の速度、Ω:角速度)が作用する。重り部3にコリオリ力Fcが働くと、梁部4の検出方向yへの自由度によって、重り部3は検出方向yへ振動する。
【0057】
ここで、検出方向yの固有振動数を駆動方向xの固有振動数と一致させておき、なおかつ、共振駆動すると、角速度センサの感度は非常に良くなる(双共振)。また、共振駆動させなくても、駆動電圧の周波数と検出方向yの固有振動数とを一致させれば、角速度センサの感度は、非常に良くなる。もちろん、必ずしもこのような工夫をする必要はない。
【0058】
このとき、例えば、検出電極9、10の静電容量がC0+ΔCになったとすると、検出電極9’,10’の静電容量は、C0−ΔCとなる(ここで、C0:初期容量、ΔC:コリオリ力による容量の変化分)。ここで、ΔC∝Fc∝Ωであり、ΔCは角速度Ωに比例するので、角速度検出用電極9、10と角速度検出用電極9’、10’との容量を差動で検出することにより、角速度Ωを検出することができる。
【0059】
ここで、図3及び図4は、本実施形態の不要振動抑制手段である不要振動抑制用電極7、8、7’、8’を用いた不要振動抑制の作用を示す説明図である。角速度センサ100において、加工誤差(特に梁部4の加工誤差)があると、駆動振動の方向は、図3(a)に示す様に、駆動方向xと平行ではなく、検出方向yの振動成分を持ち、駆動方向xから角度θ分、斜めにずれたものとなってしまう。この斜め振動はノイズの原因となるため、できれば避けて、図3(b)に示す様にしたい。
【0060】
この斜め振動をキャンセルするために、本実施形態では、次のような方法にて対策している。例えば、図3(a)のように、駆動振動が斜めになったとする(これを不要振動と呼ぶことにする)。この不要振動の駆動方向x(x軸方向)からのずれ角θを予め、センサの出荷前に実験等によって測定しておく。そして、第2の不要振動抑制用電極7’、8’間に直流電圧Vを与える。
【0061】
すると、重り部3は、図3(b)に示す様に、検出方向y(y軸方向)に(つまり、駆動振動の方向を補正する方向に)静電気力Fを受けることになり、上記直流電圧Vの値を適当な値とすることにより、駆動振動の方向を補正することができる。
【0062】
さらに、駆動振動方向の補正方法として、上記した直流電圧ではなく、図4に示す様に、駆動周波数と同周期の交流電圧をかけることも可能である。不要振動が図3(a)のように発生していると、重り部3(駆動用可動電極5)は、図4(a)に示す様に、検出方向y(y軸方向)へ周期的に変位し、不要振動する。この変位の周期に合わせて、第2の不要振動抑制用電極7’、8’間に交流電圧を印加する。この場合、不要振動の変位が最大のときに、静電気力も最大となるので、有利である。
【0063】
これにより、図4(b)に示す様に、不要振動は無くなる。また、不要振動(斜め振動)の方向が、図3(a)とは逆の方向にもれた場合(例えば、図3(a)において、ずれ角が−θの場合)には、今度は、第1の不要振動抑制用電極7、8を用いて、上記同様、直流または交流電圧を印加する措置をとればよい。第1、第2の不要振動抑制用電極のうち、使わない方における不要振動抑制用固定電極8、8’は、不要振動抑制用可動電極7、7’と同電位にしておく。
【0064】
本例では、第1の不要振動抑制用電極7、8及び第2の不要振動抑制用電極7’、8’はそれぞれ4個ずつ設けられているが、これらは4個で1セットであり、同じように制御する方法が最も簡便で有利であるが、別々に制御しても良い。また、不要振動抑制用電極は、駆動用電極を挟むように両側に設けているが、片側だけでも良い。ただし、対称性を考えれば、図に示す配置が好ましい。なお、図4(a)では正弦波としているが、矩形波でも良いのは、もちろんである。
【0065】
そして、これらの不要振動抑制に関わる調整は、センサ出荷前に済ませておくことが必要である。つまり、不要振動を抑制するための直流電圧もしくは交流電圧が第1の不要振動抑制用電極7、8または第2の不要振動抑制用電極7’、8’に対してセンサ使用時に印加されるように、図示しない外部回路を出荷前に調整しておく。
【0066】
この不要振動抑制用電極7、8、7’、8’による角速度出力値への効果を、図5を用いて説明する。図5(a)は、不要振動が存在し、不要振動抑制用電極7、8、7’、8’を用いず、かつ、角速度がゼロである場合の重り部3(駆動用可動電極5)の検出方向y(y軸方向)への変位を示すものである。該検出方向の変位は、角速度検出用電極9、10、9’10’の容量変化となってしまい、検出の妨げ(ノイズ)となる。
【0067】
実際、不要振動が存在し且つ不要振動抑制用電極7、8、7’、8’を用いない場合、角速度印加時には、図5(b)に示す様に、角速度による角速度信号S1と不要振動による信号S2が(互いに位相は約90°ずれているものの)混ざり合って出てきてしまう。
【0068】
逆に、図5(c)及び(d)は、不要振動抑制用電極7、8、7’、8’を用いた場合である。この場合、角速度がない場合(図5(c)参照)は、検出方向yへの変位が無くなり、一切出力が出ず、一方、角速度印加時(図5(d)参照)は、角速度信号S1のみが検出されるので、理想的な検出が出来ている。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、不要振動抑制手段7、8、7’、8’によって、重り部3に対して検出方向yへ外力を印加し、駆動方向xへの駆動振動において不要振動成分となる検出方向yの振動成分をキャンセルすることができるため、駆動方向x以外の方向への重り部3の不要振動を抑制し、駆動方向xのみへ良好に駆動振動させることができる。よって、梁部4等の加工誤差による重り部3の駆動振動の検出方向yへのもれを無くすことにより、角速度出力値の誤差を低減することができる。また、角速度出力値の誤差を低減するということは、角速度出力値のゼロ点の温度変化を小さくすることにもつながる。
【0070】
また、本実施形態によれば、不要振動抑制手段として、重り部3に印加する外力として静電気力を発生するものを用いたことを特徴としている。本例では、基部3から櫛歯状に突出する不要振動抑制用固定電極(基部側櫛歯電極)8、8’と、この固定電極8、8’の隙間に噛み合うように重り部3から櫛歯状に突出する不要振動抑制用可動電極(重り部側櫛歯電極)7、7’とを備え、これら両電極間に静電気力を発生させるものとしている。
【0071】
それにより、不要振動抑制用電極7等においては、上記角速度センサ100を製造するマイクロマシン加工技術を用いて容易に製造することができ、製造プロセスが簡単で部品点数が少なく、小型化が可能であるというメリットがある。また、本不要振動抑制用電極のような櫛歯構造では、センサを構成するチップの単位面積当たりにおいて、非常に大きな静電気力を発生させることができ、従って、電圧が小さくて済み、有利である。
【0072】
また、本実施形態の不要振動抑制用電極7等では、重り部側櫛歯電極7、7’が、その両側に隣接する基部側櫛歯電極8、8’の隙間の中心よりも、どちらか一方の隣接する基部側櫛歯電極8、8’に近くなるように位置している。そのため、可動電極である基部側櫛歯電極7、7’は静電気力によって、近い方の固定電極である基部側櫛歯電極8、8’に引っ張られるので、容易に重り部3の振動方向を正常な状態に変更できる。
【0073】
また、本実施形態では、重り部3を駆動振動させる手段(駆動手段)として、櫛歯電極である駆動用電極5、6を用い、重り部3と基部2との間に静電気力を発生させることにより、重り部3の駆動振動を行わせるものとしたことを特徴としている。そのため、従来より用いられている電磁駆動や圧電駆動に比べて、静電気力を用いた静電駆動では、プロセスが簡単で部品点数が少なく、小型化が可能である。
【0074】
ここで、本実施形態の角速度センサの他の例を図6に示す。図6に示す角速度センサ150は、上記図1に示す角速度センサ100と基本的に同様の構成であるが、重り部3における駆動振動の物理量をモニタするための振動モニタ電極12、13を別途形成してあるところが異なる。
【0075】
上記図1に示す角速度センサ100では、振動モニタ電極を特別に設けずに、重り部3の左右両辺に設けられている駆動用電極5、6のうちどちらか一方(例えば右辺側の駆動用電極5、6)を振動モニタ電極としていた。そのため、図1に示す角速度センサ100では、重り部3に対して、例えば、左辺側のみ駆動力が加わることになる。
【0076】
しかし、図6に示す角速度センサ150では、重り部3は、左右両側から駆動されることになり、対称性および、駆動振幅の大きさの面で、図6の方が有利と考えられる。例えば、同じ駆動電圧の場合、図6では、図1のものに比べて2倍程度の駆動振幅が得られるはずである。この角速度センサ150においても、その他の効果は、上記と同様である。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。主に、第1実施形態との相違点に着目して説明する。図7は、本実施形態に係る角速度センサ200の平面構成図であり、図8は本実施形態に係る角速度センサ250の他の例を示す平面構成図である。上記第1実施形態では、重り部3が1個であったが、本実施形態では、ほとんど同じ重り部3を複数個(本例では2個)形成している点が主に第1実施形態と異なる。
【0078】
図7の角速度センサ200は、上記図1に示した角速度センサ100に相当するB部が、y軸方向へ2個並んで設けられた形状に相当し、図8の角速度センサ250は、上記図6に示した角速度センサ150に相当するC部が、x軸方向へ2個並んで設けられた形状に相当するため、図7及び図8中の符号は一部省略して示してある。また、図8の角速度センサ250では、電極パッド11を外周部に配置するために、トレンチ溝1の形状が多少、図6のものから変更されている。
【0079】
次に、本実施形態のセンサ200、250の動作について、主に、上記第1実施形態との相違点に着目して説明する。それぞれの重り部3の動作は、もちろん第1実施形態と同様である。ただし、それぞれの重り部3の関係において、駆動振動の位相が逆相であるように駆動振動させると、特に、本実施形態の利点が発揮される。駆動振動の位相を逆相にすれば、外乱加速度をキャンセルできるからである。ここでは、そのことについてのみ詳しく説明する。
【0080】
まず、両方の重り部3を、互いに逆位相に駆動方向xに沿って駆動振動させる。重り部3が1個のセンサの場合は、外からコリオリ力と同方向に加速度(外乱加速度)が加わった場合、角速度検出用電極9、10、9’、10’の間隔が変化するので、該加速度がノイズの原因となる。つまり、角速度がゼロであっても、あたかも角速度が生じたかのようになる。
【0081】
しかし、本実施形態では、互いに逆相に駆動振動する2個の重り部3からの角速度信号は、互いに逆相であり、外乱加速度による信号は互いに同相であることから、2個の重り部3の出力の差をとることによって、外乱加速度の影響を除去することができる。また、上記第1実施形態に比べて、感度が2倍になるというメリットがある。逆に、2個の重り部3の出力の和をとることによって、加速度を測定することも可能である。従って、信号処理により、加速度、角速度を同時に測定するセンサを実現することも可能である。
【0082】
また、本実施形態によれば、重り部3を複数個設け、該複数個の重り部3を連結せずに独立させることにより、複数個の重り部3の配置が自由になり、センサ全体の小型化が可能である。これは、単純には低コストになるし、歩留まりも向上する。また、図示例では同一チップ上に2個の重り部3を形成しているが、例えば、各重り部3をそれぞれ別のチップ上に配置することも可能であり、これも歩留まり向上に役立つ。
【0083】
さらに、複数個の重り部3を連結しないということは、これら重り部3を連結するための梁部を設けなくても良いことであるから、個々の重り部3の周囲に、駆動手段としての駆動用電極5、6を、簡単に複数個とりつけることができる。実際、図示例では、個々の重り部3の上下両側に2個の櫛歯状駆動用電極5、6を形成し、駆動力を大きくしている。例えば、次に述べる第3実施形態では、2個の重り部3を梁20で連結しており、この梁20が邪魔になるので、駆動用電極5、6は、重り部3の片辺側にしかとりつけられない。
【0084】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は上記第2実施形態を変形したものであり、複数個の重り部のうち少なくとも2個を、少なくとも1個の連結用梁にて連結したことを特徴とするものである。主に、第2実施形態との相違点に着目して説明する。
【0085】
図9は、本実施形態に係る角速度センサ300の平面構成図である。この角速度センサ300は、上記図8に示した角速度センサ250と同様、2個の重り部3が存在するが、それぞれ、内側(左側重り部3の右辺側、右側重り部3の左辺側)の駆動用電極5、6が無いこと、及び、2個の重り部3を駆動方向x、検出方向yの両方に変位可能な連結用梁(連成梁)20で連結してあることが異なる。また、本センサ300は、2個の同形状のD部が左右に並んだ形状である。
【0086】
次に、本実施形態の動作について、主に、上記第2実施形態との違いを中心にして説明する。それぞれの重り部3を同相または逆相で振動させるのは、第2実施形態と同じである。また、次のことも第2実施形態と同様である。
【0087】
即ち、2個の重り部3からの出力信号の差をとることによって、加速度の影響を除去することができること。上記第1実施形態と比べて、感度が約2倍となること。2個の重り部3からの出力の和をとることによって、加速度を測定することができ、信号処理の方法によっては、角速度、加速度の両方を同時に測定するセンサを実現可能であること。
【0088】
ところで、この時、本実施形態では、2個の重り部3が連結用梁20で連結されているため、次のようなメリットがある。連結用梁20で連結されていることにより、2個の重り部3は連成振動系を構成する。従って、加工誤差等によって左右の重り部3およびそれに接続された梁部4等が対称な構造にできなかったとしても、両重り部3の振幅の周波数特性は同じ周波数(固有振動数)でピーク(極大値)を持つ。
【0089】
従って、共振を利用した場合、両重り部3の振幅は近い値になる。ちなみに、連結用梁20が無い場合には、加工誤差があれば両方の重り部3の固有振動数は一致しないので、左右の重り部3の振幅を一致させることは非常に難しい。また、一致できたとしても、周波数が共振点からずれるので、その振幅は小さい。従って感度が小さく不利である。
【0090】
(第4実施形態)
次に第4実施形態について説明する。本実施形態は上記第1実施形態を変形したものであり、主に第1実施形態のセンサ100との相違点について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る角速度センサ400の平面構成図であり、図11は本実施形態に係る角速度センサ450の他の例を示す平面構成図である。
【0091】
まず、図10に示す角速度センサ400について説明する。本実施形態では、重り部3を、駆動方向xへ駆動振動可能な第1の重り部(駆動用重り部)3aと、この第1の重り部3aに駆動梁4aによって結合され、かつ基部2に検出梁4bによって接続された2個の第2の重り部(検出用重り部)3bとを備えたものとしたことが、上記第1実施形態と異なる。
【0092】
つまり、第1の重り部3aは、駆動梁4aによって第2の重り部3bを介して、基部2に連結されており、本実施形態では、これら駆動梁4a及び検出梁4bを合わせて本発明でいう梁部が構成されている。
【0093】
第2の重り部3bに接続された4本の駆動梁4aは、駆動方向xにのみの自由度を持つように設計すると特に有利であり、本実施形態では、そのような構造としている。但し、もちろん必ずしもそのようになっている必要は無く、主として、駆動方向xに第1の重り部3aが変位するようになっていればよい。
【0094】
また、各々の第2の重り部3b及びこれと対向する基部2には、4個の不要振動抑制用電極7、8、7’、8’および2個の角速度検出用電極9、10、9’、10’が設けられている。各第2の重り部3bは、2本の検出梁4bによって基部2に連結固定されているが、これら検出梁4bは、主として検出方向yに自由度を持つように設計されている。
【0095】
それにより、第1の重り部3aは、この第1の重り部3aに形成された駆動用可動電極5及びこれと対向して基部2に形成された駆動用固定電極6との間に、電圧印加することにより、駆動方向xへ駆動振動可能となっている。そして、この駆動振動のもと、角速度軸z回りに角速度が印加されたときに、検出梁4bによって、両重り部3a、3bが共に、検出方向yへ振動するようになっている。
【0096】
また、本角速度センサ400においても、第1の重り部3aにおける一方の辺側の駆動用電極5、6は、振動モニタ電極として使用可能である。ここで、本実施形態の他の例である角速度センサ450(図11参照)のように、第1の重り部3aにおける駆動振動の物理量をモニタするための振動モニタ電極12、13を別途形成しても良い。
【0097】
要するに、図10と図11との相違は、上記第1実施形態における図1と図6との相違と同様である。つまり、AGCを用いる場合、図10に示す角速度センサ400では、第1の重り部3aが、左右どちらか一方の辺側から駆動されることになるが、図11に示す角速度センサ450では、第1の重り部3aが、左右両辺側から駆動されることになり、対称性および、駆動振幅の大きさの面で有利と考えられる。
【0098】
次に、本実施形態のセンサの動作について説明する。図示しない外部回路に周期的な電圧を与えると、第1の重り部3aは、駆動梁4aの駆動方向xへの自由度により、駆動方向xに沿って駆動振動する。ここで、第2の重り部3bは、駆動振動(変位)しないため、角速度検出用電極9、10、9’、10’間の容量は、単なる駆動振動によっては、ほとんど変化しない。これが、本実施形態の一つの特徴で、このことにより、本実施形態のセンサ400、450は、上記第1実施形態と比べて、ノイズが少なく分解能の良いものができる。
【0099】
また、本実施形態においても、上記した共振駆動または非共振駆動させても良いし、さらに、AGC制御を採用すれば、駆動振幅の温度依存性を取り除くことができ、感度の温度ドリフトを抑えることができるので、有利である。
【0100】
そして、第1の重り部3aが駆動振動しているとき、角速度軸z回りに角速度が印加されると、検出梁4bの検出方向yへの自由度によって、両重り部3a、3bが共に、検出方向yへ振動する。このとき、上記第1実施形態と同様に、角速度検出用電極9、10の容量と、角速度検出用電極9’、10’の容量とを差動で検出することにより、角速度Ωを検出することができる。
【0101】
また、角速度センサ400、450における加工誤差(特に梁4aの加工誤差)により発生する不要振動を抑制する方法も、上記第1実施形態と同様、不要振動抑制用電極7、8、7’、8’を用いて実行することができる。それによって、上記第1実施形態で述べたのと同様に、角速度がゼロの場合は、一切出力が出ず、角速度印加時は、角速度信号のみ検出され、理想的な検出が出来る(図5参照)。
【0102】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態は上記第4実施形態を上記第2実施形態と組み合わせて変形したものであり、主に、第4実施形態との相違点に着目して説明する。図12に、本実施形態に係る角速度センサ500の平面構成を示す。上記第4実施形態では、第1の重り部3a及び第2の重り部3bよりなる重り部3が1個であったが、本実施形態では、ほとんど同じ重り部3を複数個(本例では2個)形成している点が、主に第4実施形態と異なる。
【0103】
つまり、図12に示す角速度センサ500は、上記図11に示した角速度センサ450に相当するE部が、x軸方向へ2個並んで設けられた形状に相当するため、図12中の符号は一部省略して示してある。また、本角速度センサ500では、電極パッド11を外周部に配置するために、トレンチ溝1の形状が多少、図11のものから変更されている。
【0104】
次に、本実施形態のセンサ500の動作について、主に、上記第4実施形態との相違点に着目して説明する。それぞれの重り部3における第1の重り部3a及び第2の重り部3bの動作はもちろん第4実施形態と同様である。ただし、それぞれの第1の重り部3aの関係において、駆動振動の位相が逆相であるように駆動振動させると、上記第2実施形態と同様の理由から、外乱加速度をキャンセルでき、特に、本実施形態の利点が発揮される。
【0105】
即ち、両方の第1の重り部3aを、互いに逆位相に駆動方向xに沿って駆動振動させ、角速度軸z回りに角速度が印加されると、検出梁4bの検出方向yへの自由度によって、それぞれの重り部3において両重り部3a、3bが共に、検出方向yへ逆相に振動する。このとき、2個の第2の重り部3bからの出力の差をとることによって、外乱加速度の影響を除去することができる。また、上記第4実施形態に比べて、感度が2倍になるというメリットがある。
【0106】
逆に、2個の第2の重り部3bからの出力の和をとることによって、加速度を測定することも可能である。従って、信号処理により、加速度、角速度を同時に測定するセンサを実現することも可能である。また、本実施形態においても、上記第2実施形態と同様、複数個の重り部3を連結せずに独立させることによる効果、即ち、センサ全体の小型化、低コスト化、歩留まり向上、複数個の駆動用電極の配置の容易化といった各効果を発揮することができる。
【0107】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態は上記第5実施形態を変形したもので、換言すれば、上記第4実施形態を上記第3実施形態と組み合わせたものである。主に、第5実施形態との相違点に着目して説明する。図13に、本実施形態に係る角速度センサ600の平面構成を示す。
【0108】
本角速度センサ600は、上記図12に示した角速度センサ500と同様、第1の重り部3a及び第2の重り部3bよりなる2個の重り部3が存在するが、それぞれ、内側(左側の第1重り部3aの右辺側、右側の第1重り部3aの左辺側)の駆動用電極5、6が無いこと、及び、2個の第1の重り部3aを駆動方向x、検出方向yの両方に変位可能な連結用梁(連成梁)20で連結してあることが異なる。また、本センサ600は、2個の同形状のF部が左右に並んだ形状である。
【0109】
次に、本実施形態の動作について、主に、上記第5実施形態との違いを中心にして説明する。それぞれの第1の重り部3aを同相または逆相で振動させるのは、第5実施形態と同じである。また、次のことも第5実施形態と同様である。
【0110】
即ち、2個の第2の重り部3bからの出力信号の差をとることによって、加速度の影響を除去することができること。上記第4実施形態と比べて、感度が約2倍となること。2個の第2の重り部3bからの出力の和をとることによって、加速度を測定することができ、信号処理の方法によっては、角速度、加速度の両方を同時に測定するセンサを実現可能であること。
【0111】
さらに、本実施形態では、2個の第1の重り部3aが連結用梁20で連結されているため、上記第3実施形態と同様に、2個の重り部3が連成振動系を構成することによる効果も発揮できる。
【0112】
(第7実施形態)
次に第7実施形態について説明する。本実施形態は上記第1実施形態を変形したものであり、主に第1実施形態のセンサ100との相違点について、図14を用いて説明する。図14は、本実施形態に係る角速度センサ700の平面構成図である。
【0113】
本実施形態では、重り部3を、基部2と駆動梁4aによって結合され且つ駆動方向(第1の方向)xへ駆動振動可能な第1の重り部(駆動用重り部)3cと、この第1の重り部3cに検出梁4bによって結合されることによって駆動方向xだけでなく検出方向(第2の方向)yへも変位可能な第2の重り部(検出用重り部)3dとを備えていることが、上記第1実施形態と異なる。
【0114】
つまり、第2の重り部3dは、検出梁4bによって第1の重り部3cに接続され、第1の重り部3cは、駆動梁4aを介して基部2に連結されており、本実施形態においても、これら駆動梁4a及び検出梁4bを合わせて本発明でいう梁部が構成されている。
【0115】
また、各々の第2の重り部3d及びこれと対向する基部2には、4個の不要振動抑制用電極7、8、7’、8’および2個の角速度検出用電極9、10、9’、10’が設けられている。
【0116】
また、上記第4実施形態と同様、第1の重り部3cに接続された4本の駆動梁4aは、主として駆動方向xに自由度を持ち、一方、各第2の重り部3dに接続された2本の検出梁4bは、主として検出方向yに自由度を持つように設計されている。つまり、第2の重り部3は第1の重り部3cに接続されているため、第1の重り部3cと同様に駆動方向xへの自由度を持つだけでなく、第1の重り部3cに対して相対的に検出方向yへの自由度も持つようになっている。
【0117】
そして、駆動梁4aの効果により、第1の重り部3cは、この第1の重り部3cに形成された駆動用可動電極5及びこれと対向して基部2に形成された駆動用固定電極6との間に、電圧印加することにより、第2の重り部3dとともに駆動方向xへ駆動振動可能となっている。この駆動振動のもと、角速度軸z回りに角速度が印加されたときに、検出梁4bによって、第4の重り部3dが検出方向yへ振動するようになっている。
【0118】
また、本角速度センサ700においても、第1の重り部3cとそれに対向する基部2に振動モニタ電極12、13を形成している。この振動モニタ電極12、13は、上記第1実施形態と同様に、駆動振動の物理量をモニタするために使用される。
【0119】
次に、本実施形態のセンサの動作について説明する。図示しない外部回路に周期的な電圧を与えると、第1の重り部3cは、第2の重り部3dとともに駆動梁4aの駆動方向xへの自由度により、駆動方向xに沿って駆動振動する。ここで、第1の重り部3cは、駆動振動(変位)しないため、角速度検出用電極9、10、9’、10’間の容量は、単なる駆動振動(駆動方向への純粋な振動)によっても変化する。
【0120】
これは、上記第4実施形態と異なり、本実施形態のデメリットであるようにみえるが、実際には、隣り合う2個の検出電極の出力の和をとることにより、駆動振動の影響はキャンセルされるため、実際には殆ど問題にならない。
【0121】
また、本実施形態においても、上記した共振駆動または非共振駆動させても良いし、さらに、AGC制御を採用すれば、駆動振幅の温度依存性を取り除くことができ、感度の温度ドリフトを抑えることができるので、有利である。
【0122】
そして、第1の重り部3c及び第2の重り部3dが駆動振動しているとき、角速度軸z回りに角速度が印加されると、第2の重り部3dに加わるコリオリ力により、検出梁4bの検出方向yへの自由度によって、第2の重り部3dが、検出方向yへ振動する。このとき、上記第1実施形態と同様に、角速度検出用電極9、10の容量と、角速度検出用電極9’、10’の容量とを差動で検出することにより、角速度Ωを検出することができる。
【0123】
ここで、第1の重り部3cおよび駆動電極5、6、振動モニタ電極12、13が検出振動によって検出方向へ変位しない。このことは、駆動電極5、6や振動モニタ電極12、13の静電気力によって、検出振動が影響を受けないことを意味しており、正確な検出を行う上で有利である。
【0124】
また、一般に、感度を大きくするため、検出梁4bは、駆動梁4aに比して、バネ定数が小さいことが多いが、本実施形態によれば、上記請求項15の発明に比べて、検出梁を、基部と結合された駆動梁よりも内側に持ってくることができるため、角速度軸z方向の共振周波数が大きくし易く、従って、角速度軸z方向に重り部が共振するような不要振動を避けやすく、ノイズの少ないセンサを実現することができ、非常に有利である。
【0125】
また、角速度センサ700における加工誤差(特に梁4aの加工誤差)により発生する不要振動を抑制する方法も、上記第1実施形態と同様、不要振動抑制用電極7、8、7’、8’を用いて実行することができる。それによって、上記第1実施形態で述べたのと同様に、角速度がゼロの場合は、一切出力が出ず、角速度印加時は、角速度信号のみ検出され、理想的な検出が出来る(図5参照)。
【0126】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態は上記第7実施形態を上記第2実施形態と組み合わせて変形したものであり、主に、第7実施形態との相違点に着目して説明する。図15に、本実施形態に係る角速度センサ800の平面構成を示す。上記第7実施形態では、2個の第1の重り部3c及び第2の重り部3dよりなる重り部3が1個であったが、本実施形態では、ほとんど同じ重り部3を複数個(本例では2個)形成している点が、主に第7実施形態と異なる。
【0127】
つまり、図15に示す角速度センサ800は、上記図14に示した角速度センサ700に相当するG部が、x軸方向へ2個並んで設けられた形状に相当するため、図15中の符号は一部省略して示してある。
【0128】
次に、本実施形態のセンサ800の動作について、主に、上記第7実施形態との相違点に着目して説明する。それぞれの重り部3における第1の重り部3c及び第2の重り部3dの動作はもちろん第7実施形態と同様である。ただし、2個の重り部3において、駆動振動の位相が逆相であるように駆動振動させると、上記第2実施形態と同様の理由から、外乱加速度をキャンセルでき、特に、本実施形態の利点が発揮される。
【0129】
即ち、両方の重り部3を、互いに逆位相に駆動方向xに沿って駆動振動させ、角速度軸z回りに角速度が印加されると、検出梁4bの検出方向yへの自由度によって、それぞれの重り部3における重り部3cが互いに、検出方向yへ逆相に振動する。このとき、2個の第2の重り部3dからの出力の差をとることによって、外乱加速度の影響を除去することができる。また、上記第7実施形態に比べて、感度が2倍になるというメリットがある。
【0130】
逆に、2個の第2の重り部3dからの出力の和をとることによって、加速度を測定することも可能である。従って、信号処理により、加速度、角速度を同時に測定するセンサを実現することも可能である。また、本実施形態においても、上記第2実施形態と同様、複数個の重り部3を連結せずに独立させることによる効果、即ち、センサ全体の小型化、低コスト化、歩留まり向上、複数個の駆動用電極の配置の容易化といった各効果を発揮することができる。
【0131】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態は上記第8実施形態を変形したもので、換言すれば、上記第7実施形態を上記第3実施形態と組み合わせたものである。主に、第8実施形態との相違点に着目して説明する。図16に、本実施形態に係る角速度センサ900の平面構成を示す。
【0132】
本角速度センサ900は、上記図15に示した角速度センサ800と同様、第1の重り部3c及び第2の重り部3dよりなる2個の重り部3が存在するが、それぞれ、内側(左側の第1の重り部3cの右辺側、右側の第1の重り部3cの左辺側)の駆動用電極5、6、振動モニタ電極12、13が無いこと、及び、2個の第1の重り部3cを駆動方向x、検出方向yの両方に変位可能な連結用梁(連成梁)20で連結してあることが異なる。また、本センサ900は、2個の同形状のH部が左右に並んだ形状である。
【0133】
次に、本実施形態の動作について、主に、上記第8実施形態との違いを中心にして説明する。それぞれの重り部3(第1の重り部3c及び第2の重り部3d)を同相または逆相で振動させるのは、第8実施形態と同じである。また、次のことも第8実施形態と同様である。
【0134】
即ち、2個の第2の重り部3dからの出力信号の差をとることによって、加速度の影響を除去することができること。上記第7実施形態と比べて、感度が約2倍となること。2個の第2の重り部3dからの出力の和をとることによって、加速度を測定することができ、信号処理の方法によっては、角速度、加速度の両方を同時に測定するセンサを実現可能であること。
【0135】
さらに、本実施形態では、2個の第1の重り部3cが連結用梁20で連結されているため、上記第3実施形態と同様に、2個の重り部3が連成振動系を構成することによる効果も発揮できる。
【0136】
(他の実施形態)
以上、各実施形態について述べてきたが、全ての実施形態に共通する事項としては、次のことが挙げられる。まず、上記各実施形態において、不要振動を抑制する方法として、静電気力による方法を主に記述してきた。これは、静電気力を用いる場合は、製造プロセスが簡単で部品点数が少なく、小型化が可能であるというメリットがあるためである。
【0137】
しかし、不要振動抑制手段としては、圧電素子を用いることも可能である。この場合、例えば、梁部4または駆動梁4a上にPZT等の圧電薄膜(圧電素子、図示せず)を形成し、この圧電薄膜に電気信号を印加することにより発生する歪みを利用して、重り部3に対して検出方向yへ外力を印加し、不要振動を抑制することができる。圧電素子は、電圧印加により発生する歪み、即ち重り部の不要振動を抑制するための外力が非常に大きいので、電圧が小さくて済むというメリットがある。
【0138】
また、不要振動抑制手段としては、重り部3に印加する外力としてローレンツ力を発生するものであってもよい。具体的には、ローレンツ力の発生手段として、梁部4または検出梁4bを経由して重り部3上または第2の重り部3b上に配線(図示せず)を形成し、この配線を流れる電流と外部に設置された永久磁石または電磁石(図示せず)とを相互作用させるものとすることができる。そして、配線を流れる電流を調整したり、電磁石を用いる場合には電磁石を流れる電流を制御することでもローレンツ力を制御できる。
【0139】
このローレンツ力を利用した不要振動抑制手段では、配線や電磁石に印加する電圧が角速度の検出側にもれてノイズの原因となることが少なく、あったとしてもその値が小さいというメリットがある。また、配線を梁部上を経由して重り部上に設けることにより、簡単なプロセスでローレンツ力を発生させることができる。
【0140】
また、上記第2、第3、第5、第6実施形態において、重り部3は3個以上であっても良い。また、上記第3及び第6実施形態において、複数個の重り部3の少なくとも2個が連結用梁20で連結されていればよく、2個の重り部3が複数個の連結用梁20で連結されていても良い。
【0141】
また、上記各角速度センサにおいては、重り部3を駆動振動させる駆動手段及び角速度検出手段としては、櫛歯電極を用いた静電駆動または静電検出を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は駆動方法や検出方法によらずに適用可能であり、例えば電磁力を用いた駆動または検出、圧電素子やひずみゲージを使った駆動や検出を採用した角速度センサにおいても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】不要振動の発生と不要振動の抑制の様子を示す説明図である。
【図4】不要振動抑制用電極に交流電圧を印加する場合を示す説明図である。
【図5】不要振動抑制による角速度出力への効果を示す説明図である。
【図6】上記第1実施形態に係る角速度センサの他の例を示す平面構成図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図8】上記第2実施形態に係る角速度センサの他の例を示す平面構成図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図11】上記第4実施形態に係る角速度センサの他の例を示す平面構成図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図16】本発明の第9実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【符号の説明】
2…基部(固定部)、3…重り部、3a…第1の重り部、
3b…第2の重り部、3c…第1の重り部、3d…第2の重り部、4…梁部、
4a…駆動梁、4b…検出梁、5…駆動用可動電極、6…駆動用固定電極、
7、7’…不要振動抑制用可動電極、8、8’…不要振動抑制用固定電極、
12、13…振動モニタ電極、20…連結用梁(連成梁)、
x…駆動方向(第1の方向)、y…検出方向(第2の方向)、z…角速度軸、
100…図1に示す角速度センサ、101…第1の半導体基板、
102…第2の半導体基板、103…絶縁膜層(絶縁膜部)、104…開口部、105…台座部、150…図6に示す角速度センサ、
200…図7に示す角速度センサ、250…図8に示す角速度センサ、
300…図9に示す角速度センサ、400…図10に示す角速度センサ、
450…図11に示す角速度センサ、500…図12に示す角速度センサ、
600…図13に示す角速度センサ、700…図14に示す角速度センサ、
800…図15に示す角速度センサ、900…図16に示す角速度センサ。
Claims (16)
- 基部(2)と、この基部に梁部(4、4a、4b)を介して連結された重り部(3)とを備え、前記梁部は、検出しようとする角速度軸(z)に垂直な水平面内にて互いに直交する第1の方向(x)及び第2の方向(y)へ前記重り部を変位可能なように支持しており、
前記重り部を前記第1の方向へ駆動振動させつつ前記角速度軸回りに角速度が印加されたときに発生する前記重り部の前記第2の方向への振動に基づいて、前記角速度を検出するようにした角速度センサにおいて、
前記第1の方向以外の方向へ前記重り部が駆動振動するのを抑制するために、前記重り部に対して前記第2の方向へ外力を印加する不要振動抑制手段(7、8、7’、8’)を備え、
この不要振動抑制手段は、前記重り部の前記第2の方向に沿う一辺側と前記重り部の前記第2の方向に沿う他辺側にそれぞれ2つずつ設けられており、前記重り部の一辺側と他辺側にそれぞれ設けられた2つの不要振動抑制手段は、一方が前記重り部に印加する外力として前記重り部を前記第2の方向の一方向に引きつける外力を発生し、他方が前記重り部に印加する外力として前記重り部を前記第2の方向の他方向に引きつける外力を発生するものであり、
前記重り部の駆動振動の方向が前記第1の方向から斜めにずれた場合に、前記重り部の一辺側の一方の不要振動抑制手段と前記重り部の他辺側の他方の不要振動抑制手段とにより発生される外力と前記重り部の一辺側の他方の不要振動抑制手段と前記重り部の他辺側の一方の不要振動抑制手段とにより発生される外力のうち前記重り部の駆動振動の方向の斜めずれを無くす方向に作用する外力を用いて前記重り部の駆動振動の方向を補正することを特徴とする角速度センサ。 - 前記重り部(3)は複数個設けられており、各々の前記重り部は、互いに独立して変位可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
- 前記重り部(3)は複数個設けられており、これら複数個の重り部のうち少なくとも2個が、少なくとも1個の連結用梁(20)にて連結されていることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
- 前記複数個の重り部(3)のうち少なくとも1個が、他の重り部とは逆相に駆動振動するようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の角速度センサ。
- 前記不要振動抑制手段(7、8、7’、8’)は、前記重り部(3)に印加する外力として静電気力を発生するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の角速度センサ。
- 前記静電気力の発生手段は、前記基部(2)から櫛歯状に突出する基部側櫛歯電極(8、8’)と、この基部側櫛歯電極の隙間に噛み合うように前記重り部(3)から櫛歯状に突出する重り部側櫛歯電極(7、7’)とを備え、これら両櫛歯電極間に静電気力を発生させるものであることを特徴とする請求項5に記載の角速度センサ。
- 前記両櫛歯電極(7、8、7’、8’)のうち前記重り部側櫛歯電極(7、7’)が、その両側に隣接する前記基部側櫛歯電極(8、8’)の隙間の中心よりも、どちらか一方の隣接する前記基部側櫛歯電極に近くなるように位置していることを特徴とする請求項6に記載の角速度センサ。
- 前記不要振動抑制手段は、前記梁部(4、4a)に圧電素子を形成し、この圧電素子の歪みを利用して、前記重り部(3)に外力を印加するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の角速度センサ。
- 前記不要振動抑制手段は、前記重り部(3)に印加する外力としてローレンツ力を発生するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の角速度センサ。
- 前記ローレンツ力の発生手段は、前記梁部(4、4b)上を経由して前記重り部(3、3b)に配線を形成し、この配線を流れる電流と外部に設置された永久磁石とを相互作用させるものであることを特徴とする請求項9に記載の角速度センサ。
- 前記ローレンツ力の発生手段は、前記梁部(4、4b)上を経由して前記重り部(3、3b)に配線を形成し、この配線を流れる電流と外部に設置された電磁石とを相互作用させるものであることを特徴とする請求項9に記載の角速度センサ。
- 前記重り部(3)を駆動振動させる手段が、前記重り部と前記基部(2)との間に静電気力を発生することにより、前記重り部の駆動振動を行わせるものであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の角速度センサ。
- 前記重り部(3)における駆動振動の物理量をモニタする手段(5、6、12、13)を備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の角速度センサ。
- 前記モニタの結果を用いた負帰還により、前記重り部(3)の駆動振幅を一定に制御することを特徴とする請求項13に記載の角速度センサ。
- 前記重り部(3)は、前記第1の方向(x)へ駆動振動可能な第1の重り部(3a)と、この第1の重り部に駆動梁(4a)によって結合され、かつ前記基部(2)に検出梁(4b)によって接続された第2の重り部(3b)とを備えており、
前記第1の重り部を前記第1の方向へ駆動振動させつつ前記角速度軸(z)回りに角速度が印加されたときに、前記検出梁によって、前記第1の重り部及び前記第2の重り部が共に、前記第2の方向(y)へ振動するようになっており、
前記第2の重り部の前記第2の方向への振動に基づいて、前記角速度を検出するようになっていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の角速度センサ。 - 前記重り部(3)は、基部(2)と駆動梁(4a)によって結合され且つ前記第1の方向(x)へ駆動振動可能な第1の重り部(3c)と、この第1の重り部に検出梁(4b)によって結合されることによって前記第1及び第2の方向(y)へ変位可能な第2の重り部(3d)とを備えており、
前記第1及び第2の重り部を前記第1の方向へ駆動振動させつつ前記角速度軸(z)回りに角速度が印加されたときに、前記検出梁によって、前記第2の重り部が前記第2の方向へ振動するようになっており、
前記第2の重り部の前記第2の方向への振動に基づいて、前記角速度を検出するようになっていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の角速度センサ。
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