JP3658583B2 - カラー画像形成装置およびカラー画像形成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、3原色に色分解された各色分解画像に対応する静電潜像を形成し、各静電潜像を色分解の色と補色の色に着色されたトナーで現像してトナー画像を得、各色トナー画像を、転写紙等の転写媒体上に重畳して転写・定着してカラー画像を得るカラー画像形成プロセスは、アナログ方式やデジタル方式のカラー電子複写装置に関連して広く知られている。
【0003】
このようなカラー画像形成プロセスの一つとして、光導電性の感光体上に形成された各色のトナー画像を、中間転写部において中間転写体上に順次重畳して中間転写してカラー可視画像を得、このカラー可視画像を最終転写部において転写媒体上に最終転写してカラー画像を得る「中間転写方式」が知られている。
【0004】
中間転写方式は、カラー可視画像を中間転写体から転写媒体に最終転写するので転写媒体に対する許容度が高く、種々の転写媒体にカラー画像を形成できる。
【0005】
しかし、転写後の残留トナーのクリーニングは、感光体と中間転写体の両者に対して行わねばならない。
【0006】
感光体のクリーニングは中間転写部と帯電部との間で行えば良いから、例えばブレード等のクリーニング部材は感光体表面に常接させてもよい。
【0007】
しかし、中間転写体には複数の色のトナー画像が順次転写されるから、最初のトナー画像の転写が開始されてから、これらトナー画像の重畳により合成されるカラー可視画像が転写媒体上に最終転写されるまでは、中間転写体へのクリーニング部材の接触は解除されていなければならない。
【0008】
最終転写されるカラー可視画像は、複数種のトナー画像により構成されているから、モノクロのトナー画像に比べるとトナーの量も多く、最終転写後に中間転写体上に残留するトナーの量も多い。
【0009】
このため、例えば特開昭64−56456号公報開示のように、クリーニング手段としてブレードを用い、これを中間転写体に接離させるようにした場合、クリーニングに伴いブレードのエッジに多量のトナーが付着し、ブレードを中間転写体から離すときのショックで、上記多量の付着トナーが飛散して画像形成装置内を汚染すると言う問題がある。
【0010】
また、特開平4−12384号公報開示のように、クリーニング手段として回転ブラシを用い、この回転ブラシもろともクリーニング装置を中間転写体に対して接離させるようにすると、回転ブラシの接離はブレードの接離ほどのショックを伴わないので、上記のトナー飛散の問題はないが、クリーニング装置全体を中間転写体に対して接離させるには、大がかりな機構が必要となり画像形成装置が大型化・複雑化する虞れがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、中間転写体に対する専用のクリーニング手段が不用である新規なカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法の提供を目的とする。
【0012】
この発明の別の目的は、中間転写体に対する中間転写体クリーニング手段が簡素で、しかもトナー飛散の問題を有効に軽減できる新規なカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明のカラー画像形成装置は「光導電性の感光体上に形成された各色のトナー画像を、中間転写部において中間転写体上に順次重畳して中間転写してカラー可視画像を得、このカラー可視画像を最終転写部において転写媒体上に最終転写してカラー画像を得るカラー画像形成装置」である。
【0014】
光導電性の感光体はドラム状もしくはループベルト状に構成され、循環的に回転し、各色のトナーで現像されるべき静電潜像を順次形成される。これら静電潜像を現像して得られる互いに色違いのトナー画像は、順次中間転写体へ中間転写される。
【0015】
即ち「中間転写」は、感光体上のトナー画像の中間転写体への転写であり、転写電界の作用により行われる。「中間転写部」は、感光体上のトナー画像が中間転写体へ中間転写される部位である。
【0016】
感光体への静電潜像の形成は、原稿画像を結像投影する「画像露光方式」でもよいし、光走査装置等による「画像書き込み方式」でもよい。
【0017】
現像は乾式で行われるが、感光体表面電位の極性と逆帯電させたトナーを用いる「ポジ−ポジ現像」でもよいし、感光体表面電位の極性と同極性に帯電させたトナーを用いる「反転現像」でもよい。
【0018】
トナー画像を構成するトナーの色の種類は2以上であり、例えば、形成するべきカラー画像が赤・黒2色画像であるならば赤トナーと黒トナーが用いられ、フルカラー画像を形成するのであれば「マゼンタ、シアン、イエロー」の3色、あるいはこれらに「黒」を加えた4色のトナーを好適に使用できる。
【0019】
中間転写体は、ドラム状もしくはループベルト状に形成されて循環的に回転し、中間転写部において、感光体に接触もしくは極く近接する。
【0020】
中間転写体に、互いに色の異なる複数のトナー画像が順次、互いに重なり合うように中間転写されると「カラー可視画像」が構成される。カラー可視画像は転写媒体上に「最終転写」される。即ち最終転写は中間転写体上のカラー可視画像の転写媒体への転写であり、最終転写が行われる部位が「最終転写部」である。
【0021】
「転写媒体」としては、通常の複写機等に用いられる転写紙を初めとする種々の紙シートを用いることができるほか、OHPシート(オーバーヘッドプロジェクター用の透明な樹脂シート)等を用いることができる。
【0022】
請求項1記載のカラー画像形成装置は「カラー可視画像の転写媒体への最終転写後、中間転写体上の残留トナーを、感光体側へ電気的に再転写する工程」を有する。
【0023】
即ち「再転写する工程」は、最終転写後に中間転写体上に残留するトナーを、電界の作用により、感光体側へ戻すように転写する工程である。勿論、再転写は「中間転写部」において行われる。
転写媒体の背面に圧接して転写電圧を印加し、中間転写体上のカラー可視画像を一括して転写媒体上に転写する転写ローラーは、再転写の工程が実行されるとき、中間転写体から離隔させられる。
【0024】
請求項2記載のカラー画像形成装置は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、「中間転写体上に摺接して最終転写後の残留トナーをクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、この中間転写体クリーニング手段により中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器とを、中間転写部の下流側で且つ最終転写部の上流側に配備した」ことを特徴とする。
【0025】
この場合、「中間転写後の感光体上の残留トナーを除去する感光体クリーニング手段により感光体上から除去された残留トナーを回収する回収容器」を、中間転写体クリーニング手段により中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器とすることができる(請求項3)。
【0026】
上記請求項1または2または3記載のカラー画像形成装置において、静電潜像の現像を反転現像により行う場合は、最終転写後、「感光体を通常極性(静電潜像を形成するときの帯電極性)に帯電し、中間転写体を接地電位として再転写を行う」ようにすることができ、あるいは、最終転写後、「感光体を非帯電状態とし、中間転写体を中間転写時の電位として再転写を行う」ようにすることができる(請求項5)。
【0027】
また、上記請求項1または2または3記載のカラー画像形成装置においては、
「最終転写後の中間転写体上の残留トナーの帯電極性を検出し、検出された極性に応じて、再転写のための電界の向きを決する」ようにしても良く、「中間転写体上の残留トナーの感光体側への再転写を、再転写のための電界の向きを交互に反転させて2度以上行う」ようにしても良い(請求項4)。
【0028】
この発明の「カラー画像形成方法」は、上記請求項1または2または3または4または5記載のカラー画像形成装置により実施されるカラー画像形成方法である。
【0029】
【作用】
上記のように、この発明においては、最終転写後に中間転写体上に残留するトナーは、中間転写体から感光体へ再転写により戻され、感光体上から感光体クリーニング手段により除去される。
【0030】
最終転写後に中間転写体上に残留するトナーは、当初の帯電極性を維持しているものと、当初とは逆の極性に帯電しているものとの何れも存在し、これら互いに逆に帯電した残留トナーの割合は、最終転写の転写方式や条件、あるいは最終転写時の環境条件によっても影響される。
【0031】
一般的には、最終転写後に中間転写体上に残留しているトナーは、当初とは逆の極性に帯電しているものが殆どである。このような場合、静電潜像の現像が反転現像である場合には、感光体から中間転写体へトナー画像を中間転写する際の電界の向きは、そのまま再転写用の電界の向きに一致する。
【0032】
従って、この場合には、再転写に際して「感光体を通常極性に帯電し、中間転写体を接地電位とする」か、あるいは「感光体を非帯電状態とし、中間転写体を中間転写時の電位とする(請求項5)」ことにより、再転写用の適正な電界を中間転写部に形成できる。
【0033】
また、最終転写後に中間転写体に残留するトナーとして、特定の極性に帯電しているものが圧倒的に多く、その状態が状況により変動しない場合であれば、この極性を予め実験的に確認し、その極性に応じて再転写の電界の向きを決定すればよい。
【0034】
最終転写後に中間転写体に残留するトナーとして、特定の極性に帯電しているものの割合が、環境的な状況に応じて大きく変動するような場合であれば、再転写に先立ち、例えば電位計測等により中間転写体上の残留トナーの帯電の支配的な極性を検出することにより、再転写のための電界の向きを決すればよい(請求項1)。
【0035】
最終転写後に中間転写体上に、各極性に帯電した相当量のトナーが残留する場合には、再転写のための電界の向きを交互に反転させて2度以上の再転写を行うことにより、いずれの帯電極性のトナーも有効に再転写することができる(請求項4)。
【0036】
【実施例】
以下、具体的な実施例を説明する。
【0037】
図1は、請求項1記載の発明の1実施例を示している。この実施例のカラー画像形成装置は「フルカラープリンター」である。
【0038】
光導電性の感光体1はループベルト状に形成され、矢印A方向へ回転可能であり、カラー画像形成時には矢印A方向へ等速回転し、その外周面が帯電ローラー2により所定の極性(説明の具体性のために正極性とする)に均一帯電される。
【0039】
形成するべきカラー画像は、マゼンタ、シアン、イエロー、黒の各色情報に分解されて画像信号化され、これらが順次、レーザー書き込み装置3に画像信号として入力される。
【0040】
まず、マゼンタ色情報の画像信号がレーザー書き込み装置3に入力され、レーザー書き込み装置3は、感光体1の均一帯電した部分を光走査してマゼンタ色情報を書き込む。書き込みは画像となる部分に光を照射することにより行う。
【0041】
この書き込みで形成された静電潜像は、レボルバー現像装置4のマゼンタ現像ユニットによりマゼンタトナーにより「反転現像」される。即ち、マゼンタトナーは感光体1と同じく正極性に帯電されており、書き込みの際に光照射によりポテンシャルを減衰された感光体部分に付着して「マゼンタ色のトナー画像」を形成する。
【0042】
感光体1の上位には、ループベルト状に形成された中間転写体5が図のように設けられ、矢印方向へ感光体1と同速で回転するようになっている。中間転写体5は、図のように、感光体1の上部と接触しており、感光体1に形成されたマゼンタ色のトナー画像を中間転写される。
【0043】
中間転写体5は材質的には中抵抗体であり、中間転写は、中間転写体5の内周面に当接するように設けられたバイアス用ローラー6に適当な転写バイアス電圧を印加することにより行われる。転写バイアス電圧は負極性であり、正帯電したトナー(マゼンタトナー)が感光体1から中間転写体5に移着することによることによる電荷移動を補償するように、中間転写体5に転写電流が流れる。
【0044】
勿論、中間転写の転写方式は、このような方式に限らず、感光体1と中間転写体5の接触部において、中間転写体5の裏面側をコロナチャージャーで帯電させる方式により行っても良い。
【0045】
なお、図示の例で、中間転写体5を掛け回されている2つの支持ローラーは導電性で接地され、転写電流の過剰分を吸収する。
【0046】
感光体1には、帯電ローラー2による帯電位置の上流側において「感光体クリーニング手段」であるブレード17のエッジが摺接しており、中間転写後の感光体1に残留するマゼンタトナーを感光体1上から除去する。除去された残留トナーは回収容器18内に廃トナーとして回収される。
【0047】
クリーニング後の感光体1は光除電器16により光除電されたのち、帯電ローラー2により新たに帯電され、レーザー書き込み装置3により「シアン色情報」の書き込みが行われる。この書き込みで形成された静電潜像を現像するために、レボルバー現像装置4が回転し、シアン現像ユニットが現像部へ移動される。
【0048】
現像により感光体1上に形成された「シアン色のトナー画像」は、上記マゼンタ色のトナー画像と全く同様の方法で中間転写体5に中間転写されるが、この中間転写は、シアン色のトナー画像が、先に中間転写されているマゼンタ色のトナー画像と重なり合うように同期を取って行われる。
【0049】
中間転写後の感光体1は残留するシアントナーを除去され、光除電されたのち新たに帯電される。続いてイエロー色情報の書き込み、イエロー現像ユニットによる現像、イエロー色のトナー画像の中間転写、感光体のクリーニング、除電、帯電が行われ、さらに黒色情報の書き込み、黒色現像ユニットによる現像、黒色のトナー画像の中間転写、感光体のクリーニングおよび除電が上記と全く同様にして行われる。
【0050】
このようにして、中間転写体5上には、マゼンタ、シアン、イエロー、黒の各色のトナー画像が互いに重なり合うように中間転写されて「カラー可視画像」が形成される。
【0051】
中間転写体5の上位には、最終転写用の転写ローラー7が設けられているが、この転写ローラー7は上記中間転写が実行される間、中間転写体5の外周面部から待避している。
【0052】
一方、転写媒体である転写紙12は、カセット9内から給紙ローラー10により給紙され、搬送路13内を搬送されてレジストローラー11にその先端部を保持されている。
【0053】
レジストローラー11は、中間転写体5の回転に伴う「カラー可視画像」の移動に同期を取って転写紙12を最終転写部(転写ローラー7と中間転写体5の対向部)に送りこむ。
【0054】
転写ローラー7は、転写紙12の背面に圧接して負極性の転写電圧を印加し、中間転写体5上のカラー可視画像を一括して転写紙12上に転写する。
【0055】
転写紙Sは続いて定着装置8へ送られてカラー可視画像を定着され、排出ローラー14によりトレイ15上に排出される。かくしてフルカラーのカラー画像が得られる。
【0056】
上記画像形成プロセスは、制御装置20(コンピュータあるいはCPU等)により制御されて実行される。
【0057】
制御装置20は上記画像形成プロセスに続き、再転写の工程を実行するように装置を制御する。即ち、転写ローラー7を中間転写体5から離隔させる。このとき、バイアス用ローラー6は「接地状態」に置かれる。
【0058】
実験で調べたところでは、最終転写後の中間転写体5には、カラー可視画像を構成していたトナー総量の略15%が残留していたが、残留トナーの98%以上は当初の正極性とは逆に負帯電しており、当初の帯電極性を維持しているものは2%未満であった。
【0059】
そこで、制御装置20は、再転写のために感光体1と中間転写体とをそれぞれ矢印A,B方向へ回転させつつ、感光体1の表面を帯電ローラー2により正極性に帯電させる。
【0060】
これにより中間転写部には、感光体1から中間転写体5へ向かう電界が発生し、負極性に帯電した残留トナーは、中間転写体5から感光体1へ再転写され、ブレード17により感光体1上から除去されて回収容器18内に回収される。
【0061】
上記再転写を中間転写体5を3回転させて繰り返したところ、中間転写体5上の残留トナーの95%以上を除去することができ、中間転写体5に専用のクリーニング手段を省略することができた。
【0062】
上記再転写の際、感光体1の方は帯電させず、バイアス用ローラー6に中間転写時と同様の極性の電圧を印加しても(請求項5)、上記と同様の結果が得られた。
【0063】
再転写のための電圧は、感光体1の表面電位および/またはバイアス用ローラー6への印加電圧を調整することにより容易に変更・調整可能である。
【0064】
このような方法では、中間転写体5の残留トナーは完全に除去されるわけではないから、画像形成工程を繰り返すうちには、残留トナーが次第に中間転写体に蓄積するので、必要に応じて、中間転写体を装置から取り外してクリーニングするのがよい。
【0065】
図2は、請求項2,4記載の発明の1実施例を示している。なお、繁雑を避けるため、混同の虞れが無いと思われるものについては、全図を通じて同一の符号を用いる。
【0066】
この実施例が、図1の実施例と装置の構造的に異なる点は、この実施例では、回収容器18Aの他に、回収容器22が設けられ、中間転写体5に接離可能な中間転写体クリーニング手段としてブレード21が設けられていることである。
【0067】
カラー画像を形成するプロセスは、図1に即して説明した実施例の場合と全く同様である。勿論、中間転写開始後から中間転写終了までの間は、ブレード21を中間転写体5から待避させておく。
【0068】
各中間転写後に感光体1上に残留するトナーおよび、中間転写体5から感光体1に再転写されたトナーは、感光体クリーニング手段であるブレード17により感光体1から除去されて回収容器18A内に回収される。
【0069】
中間転写体5上に残留するトナーは、そのかなりの部分が感光体側に再転写され、残りはブレード21により除去されて回収容器22内に回収される。
【0070】
中間転写体5上の残留トナーの大部分が当初と逆極性に帯電している場合は、再転写は図1に即して説明した実施例の場合と全く同じ方法で行えばよいが、この実施例では、残留トナーは、正帯電したものと負帯電したものとがそれぞれ相当の割合で混在する場合を想定している。
【0071】
この場合、制御装置20は、感光体1の帯電を停止させた状態で、バイアス用ローラー6への印加電圧の極性を中間転写体5の回転に合わせて、正・負交互に切り換える。このようにすると、中間転写部における転写電界の向きが周期的に切り替わるので、正・負何れの極性に帯電しているトナーも、有効に感光体1へ再転写される(請求項4)。
【0072】
再転写されない残留トナーは、ブレード21により回収容器22内に掻き落される。ブレード21は、再転写残り少量のトナーを掻き落すのみであるから、エッジ部に多量のトナーが付着することはなく、ブレード21を中間転写体5に接離するときのショックで、多量のトナーが上記エッジから落ちてカラー画像形成装置内に飛散することがない。
【0073】
図3は、請求項1,2,3,4記載の発明の1実施例を示している。
【0074】
この実施例が、図1,2の実施例と装置の構造的に異なる点は、この実施例では、ブレード17により感光体1上から除去された残留トナーを回収する回収容器18Bを、中間転写体クリーニング手段であるブレード21により中間転写体1から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器にしたこと、および、最終転写部の下流で中間転写部の上流側に中間転写体5の表面に非接触で近接させて電位計25を配備したことである。
【0075】
カラー画像を形成するプロセスは図1に即して説明した実施例の場合と同様である。勿論、中間転写開始後から中間転写終了までの間はブレード21は、中間転写体5から待避させておく。
【0076】
感光体上から除去された残留トナーを回収する回収容器18Bを、中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器としたことにより、回収した廃トナーの扱いが容易になる。
【0077】
中間転写体5上の残留トナーの大部分が「当初と逆極性」に帯電している場合は、再転写は図1に即して説明した実施例の場合ど全く同じ方法で行えばよい。
【0078】
この実施例では、残留トナーは正帯電したものと負帯電したものとがそれぞれ相当の割合で存在し、しかも、その割合が変化するような場合を想定している。
【0079】
最終転写後に、中間転写体5上に残留しているトナーによる電位を電位計25により検出することにより、残留トナーのうち、正・負の何れに帯電したトナーが残留量に支配的であるかを検出し、残留量に対して支配的な帯電極性のトナーを感光体1に再転写するように、中間転写部における再転写の電界の向き(感光体1の表面電位および/またはバイアス用ローラー6への印加電圧を調整することにより容易に変更・調整可能である)を決定する(請求項1)。
【0080】
このようにすると、残留トナーのうち「量的に多量である帯電極性のトナー」が感光体1へ再転写され、のこりの少量のトナーがブレード21ににより回収容器18B内に掻き落されることになる。
【0081】
残留トナーのうち、正極性に帯電したものと、負極性に帯電したものとが同程度有る場合には、上記図2の実施例の場合と同様に、制御装置20は、感光体1の帯電を停止させた状態で、バイアス用ローラー6への印加電圧の極性を中間転写体5の回転に合わせて正負交互に切り換え、中間転写部における転写電界の向きを周期的に切り替えて正負何れの極性に帯電しているトナーも感光体1へ再転写させる(請求項4)。
【0082】
この場合も、ブレード21のエッジ部に多量のトナーが付着することはなく、ブレード21を中間転写体5に接離するときに、多量のトナーが上記エッジから落ちて装置内に飛散することがない。
【0083】
なお、図2,3の実施例とも、ブレード21は中間転写部より下流側で最終転写部より上流側であるので、再転写に続き、直ちにブレード21によるクリーニングを実行できるため、中間転写体のクリーニング時間を有効に短縮できる。
【0084】
上記各実施例の装置により実行されるカラー画像形成方法は、請求項6記載の発明の実施例となっている。
【0085】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規なカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法を提供できる。
【0086】
この発明は上記の如き構成となっているから、従来問題となっていた、残留トナー回収に伴うトナーの飛散によるカラー画像形成装置内の汚染を有効に軽減させることが可能である。
【0087】
請求項1記載の発明は、上記の如き構成となっているので、中間転写体に専用のクリーニング装置が不用であり、残留トナーのクリーニング回収装置を簡単化・低コスト化することができる。
【0088】
請求項2〜5記載のカラー画像形成装置は、上記の如き構成となっているので中間転写体上の残留トナーを有効に除去回収することができる。
【0089】
請求項3記載のカラー画像形成装置は、感光体上の残留トナーと中間転写体上の残留トナーを共通の回収容器に回収するので、回収された廃トナーの取扱が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の1実施例を説明するための図である。
【図2】請求項2記載の発明の1実施例を説明するための図である。
【図3】請求項3記載の発明の1実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 感光体
4 現像装置
5 中間転写体
【産業上の利用分野】
この発明はカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、3原色に色分解された各色分解画像に対応する静電潜像を形成し、各静電潜像を色分解の色と補色の色に着色されたトナーで現像してトナー画像を得、各色トナー画像を、転写紙等の転写媒体上に重畳して転写・定着してカラー画像を得るカラー画像形成プロセスは、アナログ方式やデジタル方式のカラー電子複写装置に関連して広く知られている。
【0003】
このようなカラー画像形成プロセスの一つとして、光導電性の感光体上に形成された各色のトナー画像を、中間転写部において中間転写体上に順次重畳して中間転写してカラー可視画像を得、このカラー可視画像を最終転写部において転写媒体上に最終転写してカラー画像を得る「中間転写方式」が知られている。
【0004】
中間転写方式は、カラー可視画像を中間転写体から転写媒体に最終転写するので転写媒体に対する許容度が高く、種々の転写媒体にカラー画像を形成できる。
【0005】
しかし、転写後の残留トナーのクリーニングは、感光体と中間転写体の両者に対して行わねばならない。
【0006】
感光体のクリーニングは中間転写部と帯電部との間で行えば良いから、例えばブレード等のクリーニング部材は感光体表面に常接させてもよい。
【0007】
しかし、中間転写体には複数の色のトナー画像が順次転写されるから、最初のトナー画像の転写が開始されてから、これらトナー画像の重畳により合成されるカラー可視画像が転写媒体上に最終転写されるまでは、中間転写体へのクリーニング部材の接触は解除されていなければならない。
【0008】
最終転写されるカラー可視画像は、複数種のトナー画像により構成されているから、モノクロのトナー画像に比べるとトナーの量も多く、最終転写後に中間転写体上に残留するトナーの量も多い。
【0009】
このため、例えば特開昭64−56456号公報開示のように、クリーニング手段としてブレードを用い、これを中間転写体に接離させるようにした場合、クリーニングに伴いブレードのエッジに多量のトナーが付着し、ブレードを中間転写体から離すときのショックで、上記多量の付着トナーが飛散して画像形成装置内を汚染すると言う問題がある。
【0010】
また、特開平4−12384号公報開示のように、クリーニング手段として回転ブラシを用い、この回転ブラシもろともクリーニング装置を中間転写体に対して接離させるようにすると、回転ブラシの接離はブレードの接離ほどのショックを伴わないので、上記のトナー飛散の問題はないが、クリーニング装置全体を中間転写体に対して接離させるには、大がかりな機構が必要となり画像形成装置が大型化・複雑化する虞れがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、中間転写体に対する専用のクリーニング手段が不用である新規なカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法の提供を目的とする。
【0012】
この発明の別の目的は、中間転写体に対する中間転写体クリーニング手段が簡素で、しかもトナー飛散の問題を有効に軽減できる新規なカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明のカラー画像形成装置は「光導電性の感光体上に形成された各色のトナー画像を、中間転写部において中間転写体上に順次重畳して中間転写してカラー可視画像を得、このカラー可視画像を最終転写部において転写媒体上に最終転写してカラー画像を得るカラー画像形成装置」である。
【0014】
光導電性の感光体はドラム状もしくはループベルト状に構成され、循環的に回転し、各色のトナーで現像されるべき静電潜像を順次形成される。これら静電潜像を現像して得られる互いに色違いのトナー画像は、順次中間転写体へ中間転写される。
【0015】
即ち「中間転写」は、感光体上のトナー画像の中間転写体への転写であり、転写電界の作用により行われる。「中間転写部」は、感光体上のトナー画像が中間転写体へ中間転写される部位である。
【0016】
感光体への静電潜像の形成は、原稿画像を結像投影する「画像露光方式」でもよいし、光走査装置等による「画像書き込み方式」でもよい。
【0017】
現像は乾式で行われるが、感光体表面電位の極性と逆帯電させたトナーを用いる「ポジ−ポジ現像」でもよいし、感光体表面電位の極性と同極性に帯電させたトナーを用いる「反転現像」でもよい。
【0018】
トナー画像を構成するトナーの色の種類は2以上であり、例えば、形成するべきカラー画像が赤・黒2色画像であるならば赤トナーと黒トナーが用いられ、フルカラー画像を形成するのであれば「マゼンタ、シアン、イエロー」の3色、あるいはこれらに「黒」を加えた4色のトナーを好適に使用できる。
【0019】
中間転写体は、ドラム状もしくはループベルト状に形成されて循環的に回転し、中間転写部において、感光体に接触もしくは極く近接する。
【0020】
中間転写体に、互いに色の異なる複数のトナー画像が順次、互いに重なり合うように中間転写されると「カラー可視画像」が構成される。カラー可視画像は転写媒体上に「最終転写」される。即ち最終転写は中間転写体上のカラー可視画像の転写媒体への転写であり、最終転写が行われる部位が「最終転写部」である。
【0021】
「転写媒体」としては、通常の複写機等に用いられる転写紙を初めとする種々の紙シートを用いることができるほか、OHPシート(オーバーヘッドプロジェクター用の透明な樹脂シート)等を用いることができる。
【0022】
請求項1記載のカラー画像形成装置は「カラー可視画像の転写媒体への最終転写後、中間転写体上の残留トナーを、感光体側へ電気的に再転写する工程」を有する。
【0023】
即ち「再転写する工程」は、最終転写後に中間転写体上に残留するトナーを、電界の作用により、感光体側へ戻すように転写する工程である。勿論、再転写は「中間転写部」において行われる。
転写媒体の背面に圧接して転写電圧を印加し、中間転写体上のカラー可視画像を一括して転写媒体上に転写する転写ローラーは、再転写の工程が実行されるとき、中間転写体から離隔させられる。
【0024】
請求項2記載のカラー画像形成装置は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、「中間転写体上に摺接して最終転写後の残留トナーをクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、この中間転写体クリーニング手段により中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器とを、中間転写部の下流側で且つ最終転写部の上流側に配備した」ことを特徴とする。
【0025】
この場合、「中間転写後の感光体上の残留トナーを除去する感光体クリーニング手段により感光体上から除去された残留トナーを回収する回収容器」を、中間転写体クリーニング手段により中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器とすることができる(請求項3)。
【0026】
上記請求項1または2または3記載のカラー画像形成装置において、静電潜像の現像を反転現像により行う場合は、最終転写後、「感光体を通常極性(静電潜像を形成するときの帯電極性)に帯電し、中間転写体を接地電位として再転写を行う」ようにすることができ、あるいは、最終転写後、「感光体を非帯電状態とし、中間転写体を中間転写時の電位として再転写を行う」ようにすることができる(請求項5)。
【0027】
また、上記請求項1または2または3記載のカラー画像形成装置においては、
「最終転写後の中間転写体上の残留トナーの帯電極性を検出し、検出された極性に応じて、再転写のための電界の向きを決する」ようにしても良く、「中間転写体上の残留トナーの感光体側への再転写を、再転写のための電界の向きを交互に反転させて2度以上行う」ようにしても良い(請求項4)。
【0028】
この発明の「カラー画像形成方法」は、上記請求項1または2または3または4または5記載のカラー画像形成装置により実施されるカラー画像形成方法である。
【0029】
【作用】
上記のように、この発明においては、最終転写後に中間転写体上に残留するトナーは、中間転写体から感光体へ再転写により戻され、感光体上から感光体クリーニング手段により除去される。
【0030】
最終転写後に中間転写体上に残留するトナーは、当初の帯電極性を維持しているものと、当初とは逆の極性に帯電しているものとの何れも存在し、これら互いに逆に帯電した残留トナーの割合は、最終転写の転写方式や条件、あるいは最終転写時の環境条件によっても影響される。
【0031】
一般的には、最終転写後に中間転写体上に残留しているトナーは、当初とは逆の極性に帯電しているものが殆どである。このような場合、静電潜像の現像が反転現像である場合には、感光体から中間転写体へトナー画像を中間転写する際の電界の向きは、そのまま再転写用の電界の向きに一致する。
【0032】
従って、この場合には、再転写に際して「感光体を通常極性に帯電し、中間転写体を接地電位とする」か、あるいは「感光体を非帯電状態とし、中間転写体を中間転写時の電位とする(請求項5)」ことにより、再転写用の適正な電界を中間転写部に形成できる。
【0033】
また、最終転写後に中間転写体に残留するトナーとして、特定の極性に帯電しているものが圧倒的に多く、その状態が状況により変動しない場合であれば、この極性を予め実験的に確認し、その極性に応じて再転写の電界の向きを決定すればよい。
【0034】
最終転写後に中間転写体に残留するトナーとして、特定の極性に帯電しているものの割合が、環境的な状況に応じて大きく変動するような場合であれば、再転写に先立ち、例えば電位計測等により中間転写体上の残留トナーの帯電の支配的な極性を検出することにより、再転写のための電界の向きを決すればよい(請求項1)。
【0035】
最終転写後に中間転写体上に、各極性に帯電した相当量のトナーが残留する場合には、再転写のための電界の向きを交互に反転させて2度以上の再転写を行うことにより、いずれの帯電極性のトナーも有効に再転写することができる(請求項4)。
【0036】
【実施例】
以下、具体的な実施例を説明する。
【0037】
図1は、請求項1記載の発明の1実施例を示している。この実施例のカラー画像形成装置は「フルカラープリンター」である。
【0038】
光導電性の感光体1はループベルト状に形成され、矢印A方向へ回転可能であり、カラー画像形成時には矢印A方向へ等速回転し、その外周面が帯電ローラー2により所定の極性(説明の具体性のために正極性とする)に均一帯電される。
【0039】
形成するべきカラー画像は、マゼンタ、シアン、イエロー、黒の各色情報に分解されて画像信号化され、これらが順次、レーザー書き込み装置3に画像信号として入力される。
【0040】
まず、マゼンタ色情報の画像信号がレーザー書き込み装置3に入力され、レーザー書き込み装置3は、感光体1の均一帯電した部分を光走査してマゼンタ色情報を書き込む。書き込みは画像となる部分に光を照射することにより行う。
【0041】
この書き込みで形成された静電潜像は、レボルバー現像装置4のマゼンタ現像ユニットによりマゼンタトナーにより「反転現像」される。即ち、マゼンタトナーは感光体1と同じく正極性に帯電されており、書き込みの際に光照射によりポテンシャルを減衰された感光体部分に付着して「マゼンタ色のトナー画像」を形成する。
【0042】
感光体1の上位には、ループベルト状に形成された中間転写体5が図のように設けられ、矢印方向へ感光体1と同速で回転するようになっている。中間転写体5は、図のように、感光体1の上部と接触しており、感光体1に形成されたマゼンタ色のトナー画像を中間転写される。
【0043】
中間転写体5は材質的には中抵抗体であり、中間転写は、中間転写体5の内周面に当接するように設けられたバイアス用ローラー6に適当な転写バイアス電圧を印加することにより行われる。転写バイアス電圧は負極性であり、正帯電したトナー(マゼンタトナー)が感光体1から中間転写体5に移着することによることによる電荷移動を補償するように、中間転写体5に転写電流が流れる。
【0044】
勿論、中間転写の転写方式は、このような方式に限らず、感光体1と中間転写体5の接触部において、中間転写体5の裏面側をコロナチャージャーで帯電させる方式により行っても良い。
【0045】
なお、図示の例で、中間転写体5を掛け回されている2つの支持ローラーは導電性で接地され、転写電流の過剰分を吸収する。
【0046】
感光体1には、帯電ローラー2による帯電位置の上流側において「感光体クリーニング手段」であるブレード17のエッジが摺接しており、中間転写後の感光体1に残留するマゼンタトナーを感光体1上から除去する。除去された残留トナーは回収容器18内に廃トナーとして回収される。
【0047】
クリーニング後の感光体1は光除電器16により光除電されたのち、帯電ローラー2により新たに帯電され、レーザー書き込み装置3により「シアン色情報」の書き込みが行われる。この書き込みで形成された静電潜像を現像するために、レボルバー現像装置4が回転し、シアン現像ユニットが現像部へ移動される。
【0048】
現像により感光体1上に形成された「シアン色のトナー画像」は、上記マゼンタ色のトナー画像と全く同様の方法で中間転写体5に中間転写されるが、この中間転写は、シアン色のトナー画像が、先に中間転写されているマゼンタ色のトナー画像と重なり合うように同期を取って行われる。
【0049】
中間転写後の感光体1は残留するシアントナーを除去され、光除電されたのち新たに帯電される。続いてイエロー色情報の書き込み、イエロー現像ユニットによる現像、イエロー色のトナー画像の中間転写、感光体のクリーニング、除電、帯電が行われ、さらに黒色情報の書き込み、黒色現像ユニットによる現像、黒色のトナー画像の中間転写、感光体のクリーニングおよび除電が上記と全く同様にして行われる。
【0050】
このようにして、中間転写体5上には、マゼンタ、シアン、イエロー、黒の各色のトナー画像が互いに重なり合うように中間転写されて「カラー可視画像」が形成される。
【0051】
中間転写体5の上位には、最終転写用の転写ローラー7が設けられているが、この転写ローラー7は上記中間転写が実行される間、中間転写体5の外周面部から待避している。
【0052】
一方、転写媒体である転写紙12は、カセット9内から給紙ローラー10により給紙され、搬送路13内を搬送されてレジストローラー11にその先端部を保持されている。
【0053】
レジストローラー11は、中間転写体5の回転に伴う「カラー可視画像」の移動に同期を取って転写紙12を最終転写部(転写ローラー7と中間転写体5の対向部)に送りこむ。
【0054】
転写ローラー7は、転写紙12の背面に圧接して負極性の転写電圧を印加し、中間転写体5上のカラー可視画像を一括して転写紙12上に転写する。
【0055】
転写紙Sは続いて定着装置8へ送られてカラー可視画像を定着され、排出ローラー14によりトレイ15上に排出される。かくしてフルカラーのカラー画像が得られる。
【0056】
上記画像形成プロセスは、制御装置20(コンピュータあるいはCPU等)により制御されて実行される。
【0057】
制御装置20は上記画像形成プロセスに続き、再転写の工程を実行するように装置を制御する。即ち、転写ローラー7を中間転写体5から離隔させる。このとき、バイアス用ローラー6は「接地状態」に置かれる。
【0058】
実験で調べたところでは、最終転写後の中間転写体5には、カラー可視画像を構成していたトナー総量の略15%が残留していたが、残留トナーの98%以上は当初の正極性とは逆に負帯電しており、当初の帯電極性を維持しているものは2%未満であった。
【0059】
そこで、制御装置20は、再転写のために感光体1と中間転写体とをそれぞれ矢印A,B方向へ回転させつつ、感光体1の表面を帯電ローラー2により正極性に帯電させる。
【0060】
これにより中間転写部には、感光体1から中間転写体5へ向かう電界が発生し、負極性に帯電した残留トナーは、中間転写体5から感光体1へ再転写され、ブレード17により感光体1上から除去されて回収容器18内に回収される。
【0061】
上記再転写を中間転写体5を3回転させて繰り返したところ、中間転写体5上の残留トナーの95%以上を除去することができ、中間転写体5に専用のクリーニング手段を省略することができた。
【0062】
上記再転写の際、感光体1の方は帯電させず、バイアス用ローラー6に中間転写時と同様の極性の電圧を印加しても(請求項5)、上記と同様の結果が得られた。
【0063】
再転写のための電圧は、感光体1の表面電位および/またはバイアス用ローラー6への印加電圧を調整することにより容易に変更・調整可能である。
【0064】
このような方法では、中間転写体5の残留トナーは完全に除去されるわけではないから、画像形成工程を繰り返すうちには、残留トナーが次第に中間転写体に蓄積するので、必要に応じて、中間転写体を装置から取り外してクリーニングするのがよい。
【0065】
図2は、請求項2,4記載の発明の1実施例を示している。なお、繁雑を避けるため、混同の虞れが無いと思われるものについては、全図を通じて同一の符号を用いる。
【0066】
この実施例が、図1の実施例と装置の構造的に異なる点は、この実施例では、回収容器18Aの他に、回収容器22が設けられ、中間転写体5に接離可能な中間転写体クリーニング手段としてブレード21が設けられていることである。
【0067】
カラー画像を形成するプロセスは、図1に即して説明した実施例の場合と全く同様である。勿論、中間転写開始後から中間転写終了までの間は、ブレード21を中間転写体5から待避させておく。
【0068】
各中間転写後に感光体1上に残留するトナーおよび、中間転写体5から感光体1に再転写されたトナーは、感光体クリーニング手段であるブレード17により感光体1から除去されて回収容器18A内に回収される。
【0069】
中間転写体5上に残留するトナーは、そのかなりの部分が感光体側に再転写され、残りはブレード21により除去されて回収容器22内に回収される。
【0070】
中間転写体5上の残留トナーの大部分が当初と逆極性に帯電している場合は、再転写は図1に即して説明した実施例の場合と全く同じ方法で行えばよいが、この実施例では、残留トナーは、正帯電したものと負帯電したものとがそれぞれ相当の割合で混在する場合を想定している。
【0071】
この場合、制御装置20は、感光体1の帯電を停止させた状態で、バイアス用ローラー6への印加電圧の極性を中間転写体5の回転に合わせて、正・負交互に切り換える。このようにすると、中間転写部における転写電界の向きが周期的に切り替わるので、正・負何れの極性に帯電しているトナーも、有効に感光体1へ再転写される(請求項4)。
【0072】
再転写されない残留トナーは、ブレード21により回収容器22内に掻き落される。ブレード21は、再転写残り少量のトナーを掻き落すのみであるから、エッジ部に多量のトナーが付着することはなく、ブレード21を中間転写体5に接離するときのショックで、多量のトナーが上記エッジから落ちてカラー画像形成装置内に飛散することがない。
【0073】
図3は、請求項1,2,3,4記載の発明の1実施例を示している。
【0074】
この実施例が、図1,2の実施例と装置の構造的に異なる点は、この実施例では、ブレード17により感光体1上から除去された残留トナーを回収する回収容器18Bを、中間転写体クリーニング手段であるブレード21により中間転写体1から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器にしたこと、および、最終転写部の下流で中間転写部の上流側に中間転写体5の表面に非接触で近接させて電位計25を配備したことである。
【0075】
カラー画像を形成するプロセスは図1に即して説明した実施例の場合と同様である。勿論、中間転写開始後から中間転写終了までの間はブレード21は、中間転写体5から待避させておく。
【0076】
感光体上から除去された残留トナーを回収する回収容器18Bを、中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器としたことにより、回収した廃トナーの扱いが容易になる。
【0077】
中間転写体5上の残留トナーの大部分が「当初と逆極性」に帯電している場合は、再転写は図1に即して説明した実施例の場合ど全く同じ方法で行えばよい。
【0078】
この実施例では、残留トナーは正帯電したものと負帯電したものとがそれぞれ相当の割合で存在し、しかも、その割合が変化するような場合を想定している。
【0079】
最終転写後に、中間転写体5上に残留しているトナーによる電位を電位計25により検出することにより、残留トナーのうち、正・負の何れに帯電したトナーが残留量に支配的であるかを検出し、残留量に対して支配的な帯電極性のトナーを感光体1に再転写するように、中間転写部における再転写の電界の向き(感光体1の表面電位および/またはバイアス用ローラー6への印加電圧を調整することにより容易に変更・調整可能である)を決定する(請求項1)。
【0080】
このようにすると、残留トナーのうち「量的に多量である帯電極性のトナー」が感光体1へ再転写され、のこりの少量のトナーがブレード21ににより回収容器18B内に掻き落されることになる。
【0081】
残留トナーのうち、正極性に帯電したものと、負極性に帯電したものとが同程度有る場合には、上記図2の実施例の場合と同様に、制御装置20は、感光体1の帯電を停止させた状態で、バイアス用ローラー6への印加電圧の極性を中間転写体5の回転に合わせて正負交互に切り換え、中間転写部における転写電界の向きを周期的に切り替えて正負何れの極性に帯電しているトナーも感光体1へ再転写させる(請求項4)。
【0082】
この場合も、ブレード21のエッジ部に多量のトナーが付着することはなく、ブレード21を中間転写体5に接離するときに、多量のトナーが上記エッジから落ちて装置内に飛散することがない。
【0083】
なお、図2,3の実施例とも、ブレード21は中間転写部より下流側で最終転写部より上流側であるので、再転写に続き、直ちにブレード21によるクリーニングを実行できるため、中間転写体のクリーニング時間を有効に短縮できる。
【0084】
上記各実施例の装置により実行されるカラー画像形成方法は、請求項6記載の発明の実施例となっている。
【0085】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規なカラー画像形成装置およびカラー画像形成方法を提供できる。
【0086】
この発明は上記の如き構成となっているから、従来問題となっていた、残留トナー回収に伴うトナーの飛散によるカラー画像形成装置内の汚染を有効に軽減させることが可能である。
【0087】
請求項1記載の発明は、上記の如き構成となっているので、中間転写体に専用のクリーニング装置が不用であり、残留トナーのクリーニング回収装置を簡単化・低コスト化することができる。
【0088】
請求項2〜5記載のカラー画像形成装置は、上記の如き構成となっているので中間転写体上の残留トナーを有効に除去回収することができる。
【0089】
請求項3記載のカラー画像形成装置は、感光体上の残留トナーと中間転写体上の残留トナーを共通の回収容器に回収するので、回収された廃トナーの取扱が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の1実施例を説明するための図である。
【図2】請求項2記載の発明の1実施例を説明するための図である。
【図3】請求項3記載の発明の1実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 感光体
4 現像装置
5 中間転写体
Claims (6)
- 光導電性の感光体上に形成された各色のトナー画像を、中間転写部において中間転写体上に順次重畳して中間転写してカラー可視画像を得、このカラー可視画像を最終転写部において転写媒体上に最終転写してカラー画像を得るカラー画像形成装置において、
カラー可視画像の転写媒体への最終転写後、中間転写体上の残留トナーを感光体側へ電気的に再転写する工程を有し、
上記転写媒体の背面に圧接して転写電圧を印加し、上記中間転写体上のカラー可視画像を一括して上記転写媒体上に転写する転写ローラーを、上記再転写の工程が実行されるとき、上記中間転写体から離隔させ、
最終転写後の中間転写体上の残留トナーの帯電極性を検出し、検出された極性に応じて、中間転写体上の残留トナーの感光体側への再転写のための電界の向きを決することを特徴とするカラー画像形成装置。 - 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
中間転写体上に摺接して最終転写後の残留トナーをクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、この中間転写体クリーニング手段により中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器とを、
中間転写部の下流側で且つ、最終転写部の上流側に配備したことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 請求項2記載のカラー画像形成装置において、
中間転写後の感光体上の残留トナーを除去する感光体クリーニング手段により感光体上から除去された残留トナーを回収する回収容器を、中間転写体クリーニング手段により中間転写体から除去された残留トナーを回収する回収容器と同一の容器としたことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 請求項1または2または3記載のカラー画像形成装置において、
中間転写体上の残留トナーの感光体側への再転写を、再転写のための電界の向きを交互に反転させて2度以上行うことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 光導電性の感光体上に形成された各色のトナー画像を、中間転写部において中間転写体上に順次重畳して中間転写してカラー可視画像を得、このカラー可視画像を最終転写部において転写媒体上に最終転写してカラー画像を得るカラー画像形成装置において、
カラー可視画像の転写媒体への最終転写後、中間転写体上の残留トナーを感光体側へ電気的に再転写する工程を有し、
上記転写媒体の背面に圧接して転写電圧を印加し、上記中間転写体上のカラー可視画像を一括して上記転写媒体上に転写する転写ローラーを、上記再転写の工程が実行されるとき、上記中間転写体から離隔させ、
静電潜像の現像が反転現像により行われ、
最終転写後、感光体を非帯電状態とし、中間転写体に中間転写時と同極性の電圧を印加して、
中間転写体上の残留トナーの感光体側への再転写を行うことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 請求項1または2または3または4または5記載のカラー画像形成装置により実施されるカラー画像形成方法。
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