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JP3647384B2 - 薄膜半導体素子およびその製造方法並びに表示パネル - Google Patents

薄膜半導体素子およびその製造方法並びに表示パネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜半導体素子の製造方法に関するものであって、より詳しくは素子の小型化、低価格化および性能向上のための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示パネルに代表される平面ディスプレイの発達がめざましい。
液晶表示パネルにおいては、画素ごとにスイッチング素子を配したアクティブマトリックス型が広く普及している。
また、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等、他の表示パネルにおいても、画素の制御にスイッチング素子が配される。
【0003】
これらスイッチング素子には、MIM(metal-insulator-metal)やTFT(thin-film-transistor)が用いられている。
このうち、TFTは、応答速度に優れる一方で、その製造の煩雑さから製造コストが高く、低価格化が要請されている。また、液晶表示装置等、表示パネルにおいては、スイッチング素子が配される領域は、画素の表示に利用されない非表示領域であることから、表示品質の精細化のため、TFTの小型化が要請されている。また、表示パネルに限らず他の機器においても、TFTの小型化が基板上への高密度実装の観点等から求められている。
【0004】
液晶表示装置等に広く用いられているトップゲート型のMIS(metal-insulator-semiconductor)TFTを図27および図28に示す。
ガラス等からなる絶縁基板1の上にアンダーコート層2を隔てて配されたTFTは、非晶質シリコン(a−Si)、多結晶シリコン(p−Si)等からなる半導体薄膜3を備える。半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cには、それぞれN型又はP型の不純物イオンが注入されている。半導体薄膜3のチャネル領域(活性領域)3aに絶縁膜4を隔てて配されたゲート電極5aに電圧が印加されると、ソース電極配線8bとドレイン電極配線8cが電気的に接続される。
【0005】
アンダーコート層2は、基板1から半導体薄膜3への不純物の混入を防止するためのものであって、たとえば酸化ケイ素からなる。ゲート絶縁膜4aは、たとえば酸化ケイ素からなる。
ゲート電極5aは、製造工程における半導体薄膜の活性化のための熱処理に耐え得るようクロム等の高融点金属からなる。
【0006】
このようなTFTは、たとえば以下のようにして製造されていた。
まず、図29(a)に示すように、基板1の表面にアンダーコート層2および半導体薄膜3を形成し、形成された半導体薄膜3をレジスト層18をマスクに用いたエッチングにより所定のパターンに加工する。
次いで、半導体薄膜3の上に絶縁膜4およびゲート電極5aを形成する。たとえば、図29(b)に示すように半導体薄膜3を覆うように酸化ケイ素からなる絶縁膜4およびクロムからなる導電膜5を形成したのち、レジスト層19をマスクに用いたエッチングにより導電膜5を所定のパターンに加工してゲート電極5aを形成する。
【0007】
形成されたゲート電極5aおよび絶縁膜4をマスクに用いて、図30(a)に示すように半導体薄膜3にP型又はN型の不純物イオンを注入してチャネル領域3a、ソース領域3bおよびドレイン領域3cを形成する。
なお、いわゆるLDD(lightly-doped drain)構造のTFTの場合は、上記のように形成されたソース領域3bおよびドレイン領域3cのうち、チャネル領域3aと分離された領域にさらにイオンを注入して、その領域のイオン濃度をより高くする。
【0008】
いわゆるオフセット構造のTFTの場合には、ゲート電極5aの周縁部を覆うマスクを用いて上記と同様のイオン注入を行う。
次いで、図30(b)に示すように、これらを覆うようにたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜6を形成し、さらにレジスト層21をマスクに用いたエッチングによりこの絶縁膜6に半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cを外部配線と接続するためのコンタクト窓6aを形成する。
コンタクト窓6aの形成ののち、図30(c)に示すようにこれらを覆うようにたとえばアルミニウムからなる導電膜8を形成し、さらに、レジスト層20をマスクに用いたエッチングにより、ソース電極配線8b、ドレイン電極配線8c等を形成して図28の(a)および(b)に示すTFTが得られる。
【0009】
実際の装置においては、同様にして、それらの上層に絶縁膜を介してソース電極配線を信号源等と接続するための配線等、さらに他の信号配線が形成される。一般に、素子は、製造工程における誤差やばらつきが完成品の特性にばらつきを生じないように設計される。この安定した製造のための設計上のマージンが素子の小型化を阻害する要因の一つとして挙げられる。上記のような従来のTFTの製造においては、エッチングやイオン注入に用いるマスクのサイズのばらつきや、マスクと基板(または処理しようとする薄膜)との位置合わせのずれを考慮した設計が不可避である。たとえば、コンタクト窓を形成するためには、それらを考慮してコンタクト窓を配する箇所とゲート電極との間に充分な距離を確保する必要がある。したがって、従来のTFTは、機能上望ましい設計よりもそのゲート長方向の長さを長くする必要があった。
【0010】
上記のような設計上のマージンは、素子やそれを用いた機器の特性を低下させる要因にもなる。たとえば、チャネル領域端部とソース・ドレイン電極配線との距離、すなわちゲート電極とコンタクト窓との間の距離は、素子のON状態でのソース−ドレイン間電流の大きさに大きな影響を及ぼす。ソース・ドレイン領域の不純物濃度を高めてもその電気抵抗を金属配線並に下げることは困難であり、またソース・ドレイン領域の不純物濃度を極端に高めることは素子の信頼性を低下させるため、ソース−ドレイン間の電気抵抗を増大させるゲート電極とコンタクト窓との間のマージンは、素子のON状態での電流量を低下させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決するためのものであって、機器の省電力化、小型化およびその表示の精彩化に適したON電流が大きく小面積の薄膜半導体素子を提供することを目的とする。本発明はまた、そのような優れた薄膜半導体素子を安価で提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トランジスタのソース・ドレイン領域の面積を大幅に低減することで素子の面積を低減する。また、ゲート電極とソース・ドレイン電極(配線)との距離を大幅に低減することで、素子のON電流を増大する。
さらに、素子の製造工程を大幅に簡略化する。
【0013】
本発明によると、半導体薄膜の外形の加工と半導体薄膜内の各領域(チャネル領域、ソース領域およびドレイン領域)の形成が、ゲート電極等、素子の他の構成要素をマスクに用いた処理により行われる。すなわち、ゲート電極等が先に加工され、半導体薄膜は、これら構成要素の形状に対応して自己整合的に加工される。したがって、従来の薄膜半導体素子の製造に必要とされた設計上のマージンを最小限にまで小さくすることができ、サイズが小さくかつ特性が優れた薄膜半導体素子が実現される。また、使用するマスクの数の低減等、製造工程の簡略化が実現される。
【0014】
本発明では、薄膜半導体素子の製造において、絶縁膜を隔てて重ね合わさって形成されたゲート電極をマスクにして半導体薄膜の所定の領域に不純物イオンを注入してイオン注入領域を形成し、さらにゲート電極等、先立って形成された素子の構成要素をマスクにしたエッチングにより半導体薄膜を所定の形状に加工する。半導体薄膜は、不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン領域がチャネル領域(活性領域)を挟んで対向して配されるよう、その加工のためのみのマスクを用いること無く加工することが可能になる。
【0015】
薄膜半導体素子は、たとえば以下の方法によって製造される。
まず、絶縁基板上に、活性領域となる半導体薄膜を形成し、さらにその上に第一絶縁膜、導電膜および第二絶縁膜を積層して形成する。
ついで、エッチングにより導電膜を所定のパターンに加工してゲート電極を形成する。このとき、導電膜の上に形成された第二絶縁膜が同様のパターンに加工される。
たとえば、第二絶縁膜の表面に所定のパターンを有する第一レジスト層を形成したのち、第一レジスト層をエッチングマスクとして第二絶縁膜と第一導電膜をエッチングすると第一導電膜はゲート電極に加工される。なお、導電膜の下に形成された第一絶縁膜も同時に加工すると、ゲート電極と半導体薄膜間のゲート絶縁層も形成される。エッチングののち、第一レジスト層は除去される。
ついで、形成されたゲート電極をマスクに用いてそれよりも下層に配された半導体薄膜にN型またはP型の不純物を注入する。ここで、半導体薄膜のうち、表面をゲート電極で覆われた領域は、トランジスタのチャネル領域に加工される。ゲート電極をマスクとして、第一絶縁膜越しまたは直接に半導体薄膜の所定の領域に不純物が注入される。なお、形成されるトランジスタのソース−ドレイン間の短絡を防止するため、好ましくは半導体薄膜のうちチャネル領域の側端部となる領域を被覆する第二レジスト層を形成し、ゲート電極とともにマスクに用いる。イオン注入の後、第二レジスト層は除去される。
【0016】
半導体薄膜への不純物イオンの注入に先だってその表面を覆う絶縁膜を除去すると、絶縁膜越し不純物イオンを注入する場合と比べて低エネルギーで高効率の不純物イオンの注入が可能になる。また、容易に高濃度に不純物イオンを注入することができる。絶縁膜の膜厚のバラツキによる注入量のバラツキを防ぐことができ、電気特性の均一性がよい薄膜半導体装置を得ることができる。
次に、ゲート電極の側壁を覆う枠状の絶縁壁を形成する。たとえば、基板の表面に一様に絶縁膜を形成し、その後異方性エッチングによりゲート電極周囲を除き形成された絶縁膜を除去する。形成される絶縁膜のゲート電極の周縁部における厚さは、平坦な領域、すなわちゲート電極が配された領域および第一絶縁層(または半導体薄膜)が露出した領域におけるそれよりも厚い。したがって、その後のエッチングの条件を適正に設定することにより、ゲート電極周囲にのみ絶縁体を残存させることができる。
【0017】
絶縁壁の形成ののち、絶縁基板の半導体薄膜が形成された側の表面を覆う第二導電膜を形成し、さらに所定のパターンを有するレジスト層をマスクにしたエッチングにより第二第二導電膜を加工してソース領域およびドレイン領域に接続する配線部材を形成する。このエッチングにおいてゲート電極および絶縁壁もまたマスクとして機能するため、それらの下層に配された半導体薄膜は、ソース領域およびドレイン領域を有する所定の形状に加工される。
ソース電極およびドレイン電極を形成したのち、全面に第三絶縁膜を形成する。次いで、ゲート電極を被覆する領域の第三絶縁膜に開口部を形成し、この開口部を含む領域に走査信号線等、ゲート電極に接続する他の配線部材を形成すると半導体素子が得られる。
【0018】
なお、絶縁壁を形成したのちに不純物イオンを注入すると、半導体薄膜の絶縁壁により覆われた領域には不純物イオンが注入されないため、いわゆるオフセット構造の薄膜半導体素子が得られる。
また、絶縁壁の形成の後であって、第二導電膜の形成の前に、ゲート電極および絶縁壁をマスクに用いて半導体薄膜に先のイオン注入に用いたものと同種の不純物イオンを注入し、半導体薄膜に不純物イオンの濃度がより高いサブ領域を形成すると、いわゆるLDD(lightly-doped drain)構造の半導体素子が得られる。
P型トランジスタとN型トランジスタを対で用いたいわゆるCMOSトランジスタも、上記と同様の方法により製造される。すなわち、一方の不純物イオンの注入時には、他方の不純物イオンを注入しようとする領域(または既に注入された領域)を覆うパターンを有するマスクを用いればよい。
好ましくは、第三絶縁膜の形成ののち、半導体薄膜に活性化のための熱処理が施される。
【0022】
本発明の製造方法は、いわゆるLDD(lightly doped drain)構造の半導体素子にも適用される。一般にマスクを用いたエッチングによると、得られるパターンのマスクに隣接する側の外形はマスクのそれと略一致するものの、他方の側の外形はそれよりも大きい。したがって、ゲート電極を囲うように枠状の絶縁壁を形成するとともに半導体薄膜を所定のパターンに加工して得られる半導体薄膜の絶縁壁と当接する面(上面)の外形は絶縁体側壁のそれと略一致するものの、他方の面(下面)の外形は絶縁壁のそれよりも大きい。絶縁壁およびゲート電極をマスクに用いて、不純物が注入されかつ絶縁壁より露出した領域の半導体薄膜に先に注入したものと同じ不純物を注入して、その不純物濃度が絶縁体側壁に被覆された領域のそれよりも高くすることでLDD構造が得られる。
【0023】
ゲート電極の側面を覆う絶縁壁を形成した後に、この絶縁体側壁およびゲート電極をマスクに用いて半導体薄膜にイオンを注入すると、オフセット構造の薄膜半導体素子を得ることができる。
CMOSトランジスタのようにPチャネル型およびNチャネル型の半導体素子を同一基板上に形成する際には、半導体薄膜へのP型およびN型の不純物の注入に互いに異なるパターンの第二レジスト層をそれぞれ用いればよい。
【0024】
本発明の薄膜半導体素子は、
不純物イオンを含まないチャネル領域と、該チャネル領域の両側に形成された、不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン領域とを含む半導体薄膜と、
ゲート絶縁膜を介在させて前記チャネル領域に対向して配されたゲート電極と、
前記ゲート電極の周縁部を覆う枠状の絶縁壁と、
前記ソース領域に接続されたソース配線と、
前記ドレイン領域に接続されたドレイン配線とを備え、
重なり方向への投影において、前記ゲート電極、前記絶縁壁、前記ソース配線および前記ドレイン配線を重ね合わしたものの、その周縁を定める側壁面と、前記半導体薄膜の、その周縁を定める側壁面とはほぼ面一にされている
【0027】
本発明の薄膜半導体素子は、液晶表示パネル、有機EL表示パネル等、表示パネルにおいて調光手段または発光手段の動作を制御するためのスイッチング素子に用いられる。
【0028】
なお、本発明は、ゲート電極が半導体薄膜よりも上層に配されたいわゆるトップゲート型の半導体素子に特に有用であるが、ゲート電極が半導体薄膜よりも下層に配されたいわゆるボトムゲート型の半導体素子に対しても有用である。
ソース・ドレイン領域を形成するための不純物は、たとえばプラズマドープ法により半導体薄膜に注入する。また、それらに接続しようとする配線材料に不純物を導入した後に、熱処理により半導体薄膜に拡散させる方法によってもソース・ドレイン領域を形成することができる。
【0029】
Nチャネル型トランジスタには、不純物としてたとえばリンが用いられる。またPチャネル型トランジスタには、不純物としてたとえばボロンが用いられる。本発明によると、応答特性に優れた薄膜半導体素子を得ることができることから、これをスイッチング素子に用いることにより、大画面の表示パネルを製造することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
《実施例1》
【0032】
本実施例では、本発明の薄膜半導体素子として薄膜トランジスタ(TFT)の例について説明する。
本実施例のTFTを図1および図2に示す。
絶縁基板1の表面には、たとえば多結晶シリコンからなる半導体薄膜3が形成されている。
半導体薄膜3は、不純物を含まないチャネル領域(活性領域)3aと、P型またはN型の不純物が注入されたソース領域3bおよびドレイン領域3cを有する。
絶縁基板1と半導体薄膜3の間に挟まれたアンダーコート層2は、絶縁基板1から半導体薄膜3への不純物の拡散およびチャネル領域3aの表面における格子欠陥の発生を抑制するためのものである。
【0033】
半導体薄膜3の上面には、チャネル領域3aのほぼ全面を覆うようにゲート絶縁膜4aを隔ててゲート電極5aが形成されている。半導体薄膜3のチャネル領域3aの長さは、ゲート電極5のそれと実質的に等しい。ゲート電極5aの上面は酸化ケイ素からなる絶縁膜6により被覆され、その側壁面は枠状の絶縁壁13aにより被覆されている。絶縁壁13aの外径は、その下方に配された半導体薄膜3のそれまたはゲート絶縁膜4aのそれと実質的に等しい。
半導体薄膜3はその周囲をゲート電極5a、絶縁壁13a、ソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8cにより被覆されている。ゲート絶縁膜4aを隔ててゲート電極5aに被覆された領域の半導体薄膜3は、不純物が注入されていないチャネル領域3aを構成する。絶縁壁13aにより被覆されかつチャネル領域3aの一対の側辺部に相当する領域の半導体薄膜3もまたチャネル領域3aの一部を構成する。すなわち、ソース領域3bおよびドレイン領域3cは、高抵抗のチャネル領域3aにより分離されている。ソース領域3bは、絶縁壁13aまたはソース電極配線8bにより被覆されている。ドレイン領域3cは、同様に絶縁壁13aまたはドレイン電極配線8cにより被覆されている。
【0034】
ソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8cは、ともに絶縁膜6、絶縁壁13a等によってゲート電極5aと電気的に絶縁されている。基板1の半導体薄膜3等が配された表面は酸化ケイ素からなる絶縁膜9により被覆されている。絶縁膜9の上に形成された信号配線10は、ゲート電極5aの上方の絶縁膜9に設けられたコンタクト窓9aにおいてゲート電極5aと電気的に接続されている。
【0035】
本実施例のTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
図3(a)に示すように、絶縁基板1の上に、たとえば酸化ケイ素からなるアンダーコート層2を形成し、さらにその上に多結晶シリコンからなる半導体薄膜3を形成する。その後、半導体薄膜3を覆うように、酸化ケイ素からなる絶縁膜4およびモリブデン・タングステン合金からなる導電膜5を形成する。また、これらを覆うように絶縁基板1の全面にたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜6を形成する。
次いで、半導体薄膜3にチャネル領域3aを配しようとする領域を覆うようにレジスト層11を形成する。形成されたレジスト層11をマスクとして、絶縁膜4および導電膜5をエッチングする。このエッチングにより、導電膜5は得ようとするTFTのゲート電極5aに加工され、導電膜5を覆う絶縁膜4はゲート絶縁膜4aに加工される。
【0036】
レジスト層11を除去した後、半導体薄膜3の所定の領域(イオン注入領域3f)に不純物イオンを注入する。ここで、ゲート電極5aはマスクとして機能するため、表面をそれによって被覆された領域の半導体薄膜3には、不純物イオンは注入されない。得ようとするTFTにおいて不純物イオンが注入されて形成されるソース領域3bおよびドレイン領域3cは、チャネル領域3aをその間に挟んで配される。したがって、イオン注入に先立って、得られるTFTのソース−ドレイン間の短絡の防止のため、好ましくは図3(b)に示すように、矩形状のゲート電極5aの互いに平行な一対の端辺を覆うようにレジスト層12が形成される。レジスト層12とゲート電極5aをマスクとして、半導体薄膜3にたとえばフォスフィン(PH3)ガスを用いたプラズマドープ法によりN型不純物であるリンが注入される。
【0037】
レジスト層12を除去したのち、図3(c)に示すように、基板1の半導体薄膜3が配された側の全面を覆うようにたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜13が形成される。一般に凹凸を有する表面に膜を形成すると、得られる膜の段差のある領域の厚さは、平坦な領域のそれよりも大きい。すなわち、図3(c)に示すように、形成される絶縁膜13の平坦な領域における厚さは、そのゲート電極5aの周囲におけるそれよりも大きい。そこで、基板1の法線方向に異方性エッチング(ドライエッチング)を行うと、絶縁膜13のうちゲート電極5aの周囲の部分のみが残存して、図4(a)に示すように、ゲート電極5aの側面を覆う枠状の絶縁壁13aが自己整合的に形成される。また、このエッチングにより、ゲート電極5aが配されていない領域の絶縁膜4が除去され、ゲート絶縁膜4aが形成される。
【0038】
絶縁壁13aの形成の後、ドレイン電極配線8b、ソース電極配線8c等の配線を形成する。図4(b)に示すように、基板1のそれらが配された側の面を覆うように、たとえばチタンからなる導電膜8を形成する。形成された導電膜8の配線に加工しようとする領域を覆うようにレジスト層14を形成したのち、エッチングにより不要な領域の導電膜8を除去する。これにより図4(c)に示すように、ソース電極配線8b、ドレイン電極配線8c等が形成される。
このエッチングによって、導電膜8の形成前に露出していてレジスト層14により被覆されなかった領域の半導体薄膜3が除去され、ゲート電極5a、ソース電極配線8b、ドレイン電極配線8c、絶縁壁13aおよびレジスト層14により被覆された領域の半導体薄膜3のみが残存する。したがって、半導体薄膜3は、これらによって自己整合的にイオンが注入されたソース領域3bおよびドレイン領域3cと、それらに挟まれたチャネル領域3aとを備えた個片に分割される。
【0039】
レジスト層14を除去した後、基板1の表面を覆うように酸化ケイ素からなる絶縁膜9を形成する。
絶縁膜9を形成した後、たとえば、基板1を400〜600℃で熱処理することにより、リンが注入された半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cを活性化するとともに、ソース領域3bとソース電極配線8bの間およびドレイン領域3cとドレイン電極配線8cの間のコンタクト抵抗の低減を図る。
【0040】
次に、走査信号線、画像信号線等、各電極に接続する信号配線および他の信号配線を形成する。
図5に示すように、形成しようとする配線と各電極とのコンタクトを形成しようとする領域が開口したパターンのレジスト層16を形成する。このレジスト層16をマスクとしたエッチングにより、露出した領域の絶縁膜15を除去してコンタクト窓9aを形成する。
次いで、たとえば、アルミニウムからなる導電膜を基板1の全面に形成し、さらにこの導電膜を所定のパターンに加工して、走査信号線、画像信号線等の信号配線10を形成することにより、図1および図2に示すTFTが得られる。
【0041】
以上のように、本実施例によると、半導体薄膜が自己整合的に形成される。すなわち、チャネル領域に加工される領域(またはソース・ドレイン領域に加工される領域)は、ゲート電極の形状により規定される。また、半導体薄膜の形状は、それと同時に加工されるソース・ドレイン電極の形状により規定される。本発明によるとこれらTFTの構成要素が自己整合的に形成されるため、特性が安定した半導体素子を製造することができる。
【0042】
本発明によると、ゲート電極とソース・ドレイン電極との距離は薄い絶縁壁により規定されるため、従来の素子に比べてこれらの間の距離を小さくすることができる。また、素子がONのときのソース・ドレイン領域における抵抗成分を最小にすることができるため、従来の素子に比べて、ソース−ドレイン間の抵抗は小さく、ON電流は大きい。さらに、半導体薄膜のソース・ドレイン領域と電極部材との間に充分な接触面積を確保することができるため、従来の素子よりも両者の間の接触抵抗は低い。
【0043】
さらに、素子の占有面積を、従来の素子のそれよりも小さくすることができる。したがって、より高密度で配することが可能になる。また、本実施例のTFTを液晶表示パネル、有機EL表示パネル等の表示パネルの各画素の制御のためのスイッチング素子に用いることは、これら表示パネルの画素の開口率の向上、表示の精彩化等に寄与する。
さらに、本発明によると、素子を製造する工程は大幅に簡略化される。たとえば、従来の素子のように、半導体薄膜のソース・ドレイン領域と電極部材とを電気的に接続するために両者の間に配される絶縁膜にコンタクト窓を形成する必要はない。
【0044】
本実施例のTFTを液晶表示パネルのスイッチング素子に用いた例を図31の(a)および(b)に示す。
アレイ基板200上に画素ごとに配された透明画素電極201は、TFTのドレイン電極と一体化している。走査信号線202は、スイッチング素子7としてのTFTのゲート電極に接続されている。画像信号線203は、TFTのソース配線として機能する。走査信号駆動回路(図示せず)より走査信号線202を介してTFTに入力された信号によりTFTのソース−ドレイン間の接続がON/OFF制御される。ソース−ドレイン間の接続がONになると、画像信号線203からの画像信号が透明画素電極201に入力され、透明画素電極201と液晶層204を隔ててそれに対向して配された透明対向電極205との間に電圧が印加される。
【0045】
両電極間に形成された電界は、液晶層204中の液晶分子の配向を変化させ、バックライト206より照射される光の偏光方向を変化させる。バックライト206より照射され、偏光板207aを透過した光は、液晶層204を通過する際に、液晶分子の配向に依存して旋回したのち対向基板208側に配されたカラーフィルタ層210および偏光板207bを透過する。この旋光により、画素に表示される光の輝度が調節される。アレイ基板200および対向基板208の液晶層204に対向する面には、液晶層204中の液晶材料の初期配向を規定するための配向膜209が形成されている。
本実施例のTFTは、従来のTFTに比べてON電流を大きくすることができるため、それを用いることで、画素への書き込み時間を短縮することができる。また、多数の画素が配列した大画面のパネルにおいて、より効果的である。非表示領域となるTFTの配された領域を小さくすることができ、液晶表示装置の開発において課題である開口率の向上に寄与することができる。
【0046】
同様に、有機EL表示パネルのスイッチング素子に応用した例を図32を用いて説明する。
ガラス基板300上には有機EL材料層301とそれを挟み込むように一対の電極302および303が配され、各発光素子に配されたスイッチング素子7としてのTFTは、各電極302および303の間に印加する電圧信号の接続をON/OFF制御する。スイッチング素子7に電流供給能力が高い本実施例のTFTを用いることにより、有機EL材料層301への電流供給が十分に行え、高輝度の表示が可能になる。
もちろん、本発明の薄膜半導体素子は、液晶表示パネルおよび有機EL表示パネルのみならず、他の表示パネルの画素の制御に用いることができる。
さらに、他の装置の回路部の駆動スイッチに用いることもできる。
【0047】
《実施例2》
本実施例では、実施例1のそれと同様に配された半導体薄膜を有するLDD(lightly-doped drain)構造のTFTの例について説明する。
本実施例のTFTを図6に示す。このTFTの構造は、実施例1のTFTのそれとほぼ等しい。ただし、このTFTでは、半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cのそれぞれは、不純物イオンの濃度が互いに異なる高濃度領域3dおよび低濃度領域3eからなる。高濃度領域3dは、ソース電極配線8bまたはドレイン電極配線8cの下にのみ配され、低濃度領域3eは、チャネル領域3aと高濃度領域3dに挟まれて絶縁壁13aの下にのみ配されている。したがって、半導体薄膜3は、高濃度領域3dにおいてのみソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8と接続されている。
【0048】
このTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
実施例1と同様にして、絶縁基板1上にゲート電極5aを形成したのち、図7の(a)に示すように半導体薄膜3にイオンを注入し、さらに絶縁壁13aを形成する。絶縁壁13aを形成した後、(b)に示すように、半導体薄膜3のゲート電極5aおよび絶縁壁13aより露出したイオン注入領域3fに、先に用いたものと同種のイオンをそのイオン濃度がより高くなるよう注入する。このさらなるイオン注入において、ゲート電極5aおよび絶縁壁13aはマスクとして機能し、図4bに示すように、半導体薄膜3の絶縁壁13aより露出した領域のイオン濃度は、絶縁壁13aに被覆された領域のそれよりも高くなる。したがって、このさらなるイオン注入によって、イオン注入領域3fは外部に露出した高濃度領域3dと絶縁壁13aに被覆された低濃度領域3eに分割される。
その後、実施例1と同様に電極、配線等を形成して、図6に示すLDD構造を有するTFTが完成する。
【0049】
LDD構造を有する本実施例のTFTは、実施例1のそれと比べてゲート電極5a直下での電界が緩和されるため、より信頼性に優れる。
本実施例によると、低濃度領域および高濃度領域の形成に、それらの形成に先立って形成されたゲート電極および絶縁壁がマスクとして用いられることから、一部の領域を保護する以外にレジストパターンを用いる必要がない。したがって、本実施例の半導体素子は、従来のLDD構造を有する半導体素子の製造と比べて、これらの領域の形成におけるマスクの位置合わせの精度やそのサイズのばらつきに起因した素子特性のばらつきが格段に小さい。すなわち、本実施例によると、信頼性が高く特性が安定した薄膜半導体素子を安定して製造することができる。
【0050】
《実施例3》
本実施例では、実施例1のそれと同様に配された半導体薄膜を有するオフセット構造のTFTの例について説明する。
【0051】
本実施例のTFTを図8に示す。このTFTの構造は、実施例1のTFTのそれとほぼ等しい。ただし、本実施例のTFTでは、半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cは、それぞれソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8cの下にのみ配され、絶縁壁13a下の領域には、不純物イオンが注入されていないオフセット領域3gが配されている。すなわち、ゲート電極5aおよび絶縁壁13aにより覆われた領域には不純物イオンが注入されていない。
【0052】
本実施例のTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
図9(a)に示すように、実施例1と同様にして基板1上に導電膜5等を形成した後、エッチングによりこれらを加工してゲート電極5aを形成する。その後、絶縁壁13aを形成する。すなわち、基板1の半導体薄膜3が配された側の全面を覆うようにたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜13を形成し、さらに絶縁膜13を異方性エッチング(ドライエッチング)により加工して、ゲート電極5aの側面を覆う絶縁壁13aを自己整合的に形成する。
【0053】
形成された絶縁壁13aおよびゲート電極5a(必要に応じてはさらにレジスト層)をマスクに用いて、図9(b)に示すように半導体薄膜3に不純物イオンを注入する。
その後は、実施例1と同様にしてゲート電極5a、ドレイン電極配線8c配線等を形成すると、絶縁壁13aの下にオフセット領域3gを有するTFTが得られる。
【0054】
本実施例によると、実施例2で低濃度領域を形成する場合と同様に、自己整合的にオフセット領域を形成することができる。したがって、レジストパターンを用いてオフセット領域が形成される従来のオフセット型TFTと比べて、特性の安定したTFTを製造することが可能になる。
【0055】
《実施例4》
本実施例では、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタが並列して配されたCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型トランジスタの例について説明する。
上記実施例1と同様の方法によってN型不純物およびP型不純物をそれぞれ半導体薄膜の所定の領域に注入製造することにより、CMOS型トランジスタを製造することができる。
本実施例のCMOS型トランジスタを図10に示す。
Pチャネル型トランジスタ7aとNチャネル型トランジスタ7bは、半導体薄膜3に注入された不純物以外は同一である。これらは、ともに実施例1のTFTとほぼ同一の構造を有する。
【0056】
以下に、本実施例のCMOS型トランジスタの製造方法の一例を示す。
実施例1と同様に、たとえば図11(a)に示すように絶縁基板1上にアンダーコート層2、半導体薄膜3、絶縁膜4、導電膜5および絶縁膜6を形成し、さらにレジスト層17をマスクに用いたエッチングにより導電膜5をゲート電極5aに加工する。
【0057】
ゲート電極5aを形成した後、半導体薄膜3にN型不純物およびP型不純物をそれぞれ注入する。たとえば、図11(b)に示すように、Pチャネル型トランジスタを形成しようとする領域を覆いかつ必要に応じて形成しようとするNチャネル型トランジスタのチャネル領域3aの側辺部に相当する領域をも覆うように基板1上にレジスト層18を形成し、このレジスト層18をマスクとして半導体薄膜3にN型不純物イオンを注入してN型不純物領域3nを形成する。さらに、同様にしてP型不純物領域3pを形成する。すなわち、Nチャネル型トランジスタを形成しようとする領域を覆いかつ、必要に応じて形成しようとするPチャネル型トランジスタのチャネル領域3cの側辺部に相当する領域をも覆うように基板1上にレジスト層19を形成し、このレジスト層19をマスクとして図12(a)に示すように半導体薄膜3にボロン等のP型不純物イオンを注入する。
【0058】
半導体薄膜3にP型不純物領域3pおよびN型不純物領域3nを形成した後、実施例1と同様にして図12(b)に示すようにゲート電極5aを囲む絶縁壁13aを形成する。すなわち、基板1の全面を覆うようにたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜を形成し、さらにこの絶縁膜に異方性エッチングを施す。
絶縁壁13aの形成の後、図12(c)に示すようにドレイン電極配線8b、ソース電極配線8c等の配線を形成する。基板1のそれらが配された側の面を覆うように、たとえばチタンからなる導電膜を形成したのち、ゲート電極5a、絶縁壁13aおよび配線を形成するためにレジスト層を用いたエッチングにより不要な領域の導電膜を除去して、ドレイン電極配線8b、ソース電極配線8c等の配線を形成する。また、このエッチングによって、半導体薄膜3を個片に分割する。
【0059】
さらに基板1の表面を覆うように絶縁膜9を形成したのち、たとえば、基板1を熱処理して半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cを活性化するとともに、ソース領域3bとソース電極5bの間およびドレイン領域3cとドレイン電極配線8cの間のコンタクト抵抗の低減を図る。
次に、絶縁膜9にコンタクト窓9aを形成し、さらに走査信号線、画像信号線等、各電極に接続する信号配線10および他の信号配線を形成することにより、図10に示すCMOS型トランジスタが得られる。
【0060】
なお、Nチャネル型トランジスタおよびPチャネルトランジスタに、実施例2のようにLDD構造を有するそれや実施例3のようにオフセット構造を有するそれを用いてもよい。
【0061】
《実施例5−1》
本実施例の薄膜半導体素子を図13および図14に示す。
絶縁基板1の表面には、多結晶シリコンからなる半導体薄膜3が形成されている。
半導体薄膜3は、不純物を含まないチャネル領域(活性領域)3aと、N型不純物としてリンが注入されたソース領域3bおよびドレイン領域3cを含む。
基板1と半導体薄膜3の間に挟まれたアンダーコート層2は、ガラス基板1から半導体薄膜3への不純物の拡散およびチャネル領域3aの表面における格子欠陥の発生を抑制するためのものである。
【0062】
半導体薄膜3の上面には、チャネル領域3aのほぼ全面を覆うようにゲート絶縁膜4aを隔ててゲート電極5aが形成されている。ゲート電極5aの上面は絶縁膜6により被覆され、その側壁面は酸化ケイ素からなる絶縁壁13aにより被覆されている。絶縁壁13aの幅は、その下方に配された半導体薄膜3のそれまたはゲート絶縁膜4aのそれと実質的に等しい。
半導体薄膜3の一対の端部に設けられたソース領域3bおよびドレイン領域3cは、傾斜した端面においてそれぞれソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8cと接続されている。これらを覆うように絶縁膜9が形成されている。ソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8cは、ともに絶縁膜6および絶縁壁13aによってゲート電極5aと電気的に絶縁されている。信号配線10は、絶縁膜9のゲート電極5aの上方に設けられたコンタクト窓9aにおいてゲート電極5aと電気的に接続されている。
半導体薄膜3のチャネル領域3aの長さは、ゲート電極5aのそれと実質的に等しい。
【0063】
本実施例のTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
図15(a)に示すように、たとえばガラスからなる絶縁基板1の上に、酸化ケイ素からなるアンダーコート層2が形成され、さらにその上に多結晶シリコンからなる半導体薄膜3が形成される。その後、半導体薄膜3を覆うように、酸化ケイ素からなる絶縁膜4とモリブデン・タングステン合金よりなる導電膜5が形成される。次いで、TFTのチャネル領域(活性領域)3aを配しようとする領域を覆うようにレジスト層11を形成する。レジスト層11をマスクとして、絶縁膜4および導電膜5をエッチングする。このエッチングにより、導電膜5は得ようとするTFTのゲート電極5aに加工され、導電膜5を覆う絶縁膜6もまた同様な形状に加工される。
【0064】
レジスト層11を除去した後、半導体薄膜3の所定の領域に不純物イオンを注入する。表面をゲート電極5aによって被覆された領域の半導体薄膜3には、ゲート電極5aがマスクとして機能するためイオンは注入されない。イオンが注入された領域(イオン注入領域3f)は、チャネル領域3aをその間に挟んで配されるソース領域3bおよびドレイン領域3cに加工される。したがって、イオン注入に先立って、得られるTFTのソース−ドレイン間の短絡の防止のため、好ましくは、図15(b)に示すように矩形状のゲート電極5aの互いに平行な一対の端辺を覆うようにレジスト層12が形成される。レジスト層12とゲート電極5aとをマスクとして、半導体薄膜3にたとえばN型不純物であるリンがフォスフィン(PH3)ガスを用いたプラズマドープ法により注入される。
【0065】
レジスト層12を除去したのち、図15(c)に示すように、基板1の半導体薄膜3が配された側の全面を覆うようにたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜13が形成される。形成される絶縁膜13の平坦な領域の厚さは均一であるのに対して、ゲート電極5aの端辺に相当する部分の厚さは、図15(c)に示すようにそれよりも厚い。そこで、基板1の法線方向に異方性エッチング(ドライエッチング)を行うと、絶縁膜13のうちゲート電極5aの周囲のみが残存し、ゲート電極5aの側面を覆う絶縁壁13aが形成される。このエッチングにより、図16(a)に示すように、ゲート電極5aが配されていない領域の絶縁膜4が除去されてゲート絶縁膜4aが形成されるとともに、その下層に配された半導体薄膜3が除去される。すなわち、半導体薄膜3は、自己整合的にゲート電極5aの周囲に配された絶縁壁13aの外形と略一致した形状に加工される。これにより、半導体薄膜3は、イオンが注入されたソース領域3bおよびドレイン領域3cと、それらに挟まれたチャネル領域3aとを備えた個片に分割される。ここで、図16(a)に示すように、加工された半導体薄膜3の底部側の端部は絶縁壁13aよりも突出している。すなわち、半導体薄膜3は、その断面が略台形状になるよう加工される。
【0066】
半導体薄膜3の加工の後、ソース電極配線8b、ドレイン電極配線8c等の配線が形成される。図16(b)に示すように基板1のそれらが配された側の面を覆うように、たとえばチタンからなる導電膜8を形成する。形成された導電膜8の配線に加工しようとする領域を被覆するようにレジスト層14を形成したのち、エッチングにより不要な領域の導電膜8を除去する。これによりたとえば図16(c)に示すように、走査信号線等の信号配線8a、ソース電極配線8b、ドレイン電極配線8c等が形成される。このエッチングにより、半導体薄膜3の露出した突出端は除去される。半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cの突出した端部は、それぞれ形成されたソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8cと接続される。半導体薄膜3が傾斜した側面を有することから、ソース領域3bとソース電極配線8bの間およびドレイン領域3cとドレイン電極配線8cの間には充分な接触面積が確保され、両者の間には安定した電気的接続が得られる。
【0067】
レジスト層14を除去した後、図17(a)に示すように、基板1の表面を覆うように酸化ケイ素からなる絶縁膜9を全面に形成する。
絶縁膜9を形成した後、たとえば、基板1を400〜600℃で熱処理することにより、リンが注入された半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cを活性化するとともに、ソース領域3bとソース電極配線8bの間およびドレイン領域3cとドレイン電極配線8cの間のコンタクト抵抗の低減を図る。
【0068】
次に、走査信号線、画像信号線等の他の信号配線を形成する。
図17(a)に示すように、形成しようとする配線と各電極を接続しようとする領域が開口したパターンのレジスト層16を形成する。このレジスト層16をマスクとしたエッチングにより、露出した領域の絶縁膜9を除去してコンタクト窓9aを形成する。
次いで、たとえばアルミニウムからなる導電膜を基板1の全面に形成し、さらにこの導電膜を所定のパターンに加工して信号配線10を形成する。
以上のようにして、図13および図14に示すTFTが得られる。
【0069】
本実施例によっても、半導体薄膜が自己整合的に形成される。すなわち、チャネル領域に加工される領域(またはソース・ドレイン領域に加工される領域)は、ゲート電極の形状により規定される。また、半導体薄膜の形状は、ゲート電極の周囲にされる絶縁壁の形状により規定される。絶縁壁も自己整合的に形成される。本発明によると、これらTFTの構成要素が自己整合的に形成されるため、特性が安定した半導体素子を製造することができる。
本発明によると、ゲート電極とソース・ドレイン電極との距離は薄い絶縁壁により規定されるため、従来の素子に比べてこれらの間の距離を小さくすることができる。また、素子がONのときのソース・ドレイン領域における抵抗成分を最小にすることができるため、従来の素子に比べて、ソース・ドレイン間の抵抗は小さく、ON電流は大きい。また、半導体薄膜のソース・ドレイン領域と電極部材との間に充分な接触面積を確保することができるため、従来の素子よりも両者の間の接触抵抗は低い。
【0070】
さらに、素子の占有面積を、従来の素子のそれよりも小さくすることができる。したがって、より高密度で配することが可能になる。また、本実施例のTFTを液晶表示パネル、有機EL表示パネル等の表示パネルの各画素の制御のためのスイッチング素子に用いることは、これら表示パネルの画素の開口率の向上、表示の精彩化等に寄与する。
本発明によると、さらに素子を製造する工程は大幅に簡略化される。たとえば、従来の素子のように、半導体薄膜のソース・ドレイン領域と電極部材とを電気的に接続するために両者の間に配される絶縁膜にコンタクト窓を形成する必要はない。
【0071】
《実施例5−2》
本実施例では、実施例5−1と同様の薄膜半導体素子をより効率的に製造することができる方法について説明する。
本実施例では、半導体薄膜3の上面に形成された絶縁膜を介して半導体薄膜3にイオンを注入する。すなわち、図18(a)に示すように、実施例5−1と同様にして絶縁基板1の上に形成された導電膜5をエッチングによりゲート電極5aに加工する際に、露出した領域の絶縁膜6およびその下に配された導電膜5とともに、その領域の導電膜5の下層に配された絶縁膜4を同時に除去する。このエッチングにより、レジスト層11により被覆されなかった領域の半導体薄膜3は図18(b)に示すように露出する。その後、絶縁膜4を介すること無く、直接に半導体薄膜3にイオンが注入される。
【0072】
絶縁膜4を介することなくイオンを注入することにより、高濃度のイオン注入やイオン注入の高効率化が図られる。また、実施例5−1では半導体薄膜3の上面に形成された絶縁膜4の厚さのばらつきが半導体薄膜3に注入されるイオンの濃度にばらつきを生じさせるのに対して、本実施例によると半導体薄膜3に直接イオンを注入することにより特性のばらつきが小さい半導体素子を安定して製造することができる。
【0073】
《実施例6》
本実施例では、上記実施例のように半導体薄膜のソース・ドレイン領域がそれぞれその端面において電極配線と接続され、さらにLDD(lightly-doped drain)構造を有するTFTの例について説明する。
本実施例のTFTを図19に示す。このTFTの構造は、実施例5−1のそれとほぼ等しい。ただし、本実施例のTFTでは、半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cのそれぞれは、不純物イオンの濃度が互いに異なる高濃度領域3dおよび低濃度領域3eからなる。高濃度領域3dは、半導体薄膜3の絶縁壁13aより露出した領域にのみ配され、低濃度領域3eは、チャネル領域3aと高濃度領域3dに挟まれて絶縁壁13aの下にのみ配されている。半導体薄膜3は、高濃度領域3dにおいてのみソース電極配線8bおよびドレイン電極配線8と接続されている。
【0074】
このTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
実施例5−1と同様に、基板1上にゲート電極5aを形成し、さらに半導体薄膜3にイオンを注入したのち、図20(a)に示すように絶縁壁13aを形成する。
次いで、先にイオン注入に用いたものと同様のレジスト層11を用いて、半導体薄膜3の絶縁壁13aより露出した領域に先に用いたものと同種のイオンをたとえばプラズマドープ法により注入する。この半導体薄膜3の絶縁壁13aより露出した領域およびそれに連なる絶縁壁13a下の領域には、既にイオンが注入されている。このさらなるイオン注入において、絶縁壁13aはマスクとして機能し、図20(b)に示すように、半導体薄膜の絶縁壁より露出した領域にのみ新たにイオンが注入され、ソース領域3bおよびドレイン領域3cに、高濃度領域3dおよび低濃度領域3eが形成される。
その後、実施例1と同様に電極、配線等が形成され、図19に示すようなLDD構造を有する半導体素子が得られる。
【0075】
LDD構造を有する本実施例のMISトランジスタは、実施例5−1のそれと比べてゲート電極5直下での電界が緩和されるため、より信頼性に優れる。
本実施例によると、低濃度領域および高濃度領域の形成に、それらの形成に先立って形成されたゲート電極および絶縁壁がマスクとして用いられることから、一部の領域を保護する以外にレジストパターンを用いる必要がない。したがって、本実施例の薄膜半導体素子は、従来のLDD構造を有する薄膜半導体素子の製造と比べて、これらの領域の形成におけるマスクの位置合わせの精度やそのサイズのばらつきに起因した素子特性のばらつきが格段に小さい。すなわち、本実施例によると、信頼性が高く特性が安定した半導体素子を安定して製造することができる。
なお、もちろん、実施例5−2のように、先のイオン注入に先立ってゲート絶縁膜を形成してもよい。
【0076】
《実施例7》
本実施例では、LDD構造を有するTFTの他の例について説明する。
本実施例では、実施例5−1および5−2の半導体素子のソース領域およびドレイン領域をそれらの低濃度領域とし、それらのソース電極配線およびドレイン電極配線を高濃度領域とすることで、LDD構造を形成する。
本実施例のTFTを図21に示す。このTFTでは、半導体薄膜3の両端部の不純物イオンが注入されたイオン注入領域3hがそれぞれLDD構造における低濃度領域として機能し、それに接続された信号配線20bおよび20cがそれぞれLDD構造における高濃度領域として機能する。
【0077】
本実施例のTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
実施例5−1と同様に、基板1上にゲート電極5aを形成し、さらに半導体薄膜3にイオンを注入してイオン注入領域3fを形成したのち、図22(a)に示すように絶縁壁13aを形成し、さらに半導体薄膜3を個片に分割する。
その後、図22(b)に示すように、基板1の表面を覆うようにたとえばチタンシリサイド(TiSi)からなる半導体薄膜23を形成する。ついで、半導体薄膜3のチャネル領域の両側壁等を保護するように形成されたレジスト層24をマスクに用いて半導体薄膜23に先の半導体薄膜3へのイオン注入に用いたものと同種のイオンをたとえばプラズマドープ法により注入する。ここで、半導体薄膜23に注入するイオンの濃度を、半導体薄膜3のイオン注入領域3fのそれらよりも高くする。
【0078】
イオンが注入された半導体薄膜23は、信号配線20bおよび20cや他の配線に加工される。信号配線20bおよび20cは、それぞれよりイオン濃度が低い半導体薄膜3のイオン注入領域3fと接続されることから、高濃度領域および低濃度領域を備えたLDD構造が得られる。半導体薄膜23の加工の後、上記実施例と同様に絶縁膜を形成し、さらに400〜600℃の熱処理により、半導体薄膜3に接して形成された配線20bおよび20cに注入されたイオンを半導体薄膜3の端部に拡散させる。
その後、コンタクト窓を形成し、さらに所定のパターンに信号配線を形成することで、LDD構造を有するTFTが得られる。
【0079】
《実施例8》
本実施例では、実施例5−1のように半導体薄膜のソース・ドレイン領域がそれぞれその端面において電極配線と接続され、さらにオフセット構造を有するTFTの例について説明する。
本実施例のTFTを図23に示す。このTFTの構造は、実施例5−1のTFTのそれとほぼ等しい。ただし、本実施例のTFTでは、半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cは、半導体薄膜のそれぞれ絶縁壁13aより露出した一対の端部にのみ配され、絶縁壁13a下の領域には、不純物イオンが注入されていないオフセット領域3gが配されている。すなわち、ゲート電極5aおよび絶縁壁13aにより覆われた領域には不純物イオンが注入されていない。
【0080】
本実施例のTFTは、たとえば以下のようにして製造される。
実施例5−1と同様にして基板1上にゲート電極5aを形成し、絶縁壁13aを形成する。この絶縁壁13aを形成する異方性エッチングにおいて、半導体薄膜3は個片に分割される。このとき、分割された半導体薄膜3の端部は、図24に示すように絶縁壁13aより露出している。絶縁壁13aおよびゲート電極5a(必要に応じてはさらにレジスト層11)をマスクに用いて半導体薄膜3に不純物イオンを注入する。すなわち、この絶縁壁より突出した端部にイオンが注入される。
その後は、実施例5−1と同様にしてゲート電極配線、ドレイン電極配線等を形成すると、絶縁壁13aの下にオフセット領域3gを有するTFTが得られる。
【0081】
本実施例によると、自己整合的にオフセット領域を形成することができる。したがって、レジストパターンを用いてオフセット領域が形成される従来のオフセット型TFTと比べて、特性の安定したTFTを製造することが可能になる。
【0082】
《実施例9》
上記実施例の半導体薄膜のソース・ドレイン領域がそれぞれその端面において電極配線と接続されたTFTを用いたCMOS型トランジスタの例について説明する。
【0083】
本実施例のCMOS型トランジスタを図25に示す。
Pチャネル型トランジスタ7aとNチャネル型トランジスタ7bは、半導体薄膜3に注入された不純物以外は同一である。これらは、ともに実施例1のTFTとほぼ同一の構造を有する。
【0084】
以下に、本実施例のCMOS型トランジスタの製造方法の一例を示す。
実施例5−1と同様に、たとえば図26(a)に示すように絶縁基板1上にアンダーコート層2、半導体薄膜3、絶縁膜4、導電膜5および絶縁膜6を形成し、さらにレジスト層17をマスクに用いたエッチングにより導電膜5をゲート電極5aに加工する。
ゲート電極5aを形成した後、半導体薄膜3にN型不純物およびP型不純物をそれぞれ注入する。たとえば、図26(b)に示すように、Pチャネル型トランジスタを形成しようとする領域を覆いかつ必要に応じて形成しようとするNチャネル型トランジスタのチャネル領域3aの側辺部に相当する領域をも覆うように基板1上にレジスト層18を形成し、このレジスト層18をマスクとして半導体薄膜3にN型不純物イオンを注入してN型不純物領域3nを形成する。さらに、同様にしてP型不純物領域3pを形成する。すなわち、図27(a)に示すようにNチャネル型トランジスタを形成しようとする領域を覆いかつ必要に応じて形成しようとするPチャネル型トランジスタのチャネル領域3cの側辺部に相当する領域をも覆うように基板1上にレジスト層19を形成し、このレジスト層19をマスクとして半導体薄膜3にボロン等のP型不純物イオンを注入する。
【0085】
半導体薄膜3にP型不純物領域3pおよびN型不純物領域3nを形成した後、実施例5−1と同様にして図27(b)に示すようにゲート電極5aを囲む絶縁壁13aを形成する。すなわち、基板1の全面を覆うようにたとえば酸化ケイ素からなる絶縁膜を形成し、さらにこの絶縁膜に異方性エッチングを施す。
絶縁壁13aの形成の後、図27(c)に示すようにドレイン電極配線8b、ソース電極配線8c等の配線を形成する。基板1のそれらが配された側の面を覆うように、たとえばチタンからなる導電膜を形成したのち、ゲート電極5a、絶縁壁13aおよび配線を形成するために形成されたレジスト層を用いたエッチングにより不要な領域の導電膜を除去して、ドレイン電極配線8b、ソース電極配線8c等の配線を形成する。また、このエッチングによって、半導体薄膜3を個片に分割する。
【0086】
さらに基板1の表面を覆うように絶縁膜9を形成したのち、たとえば、基板1を熱処理して半導体薄膜3のソース領域3bおよびドレイン領域3cを活性化するとともに、ソース領域3bとソース電極5bの間およびドレイン領域3cとドレイン電極配線8cの間のコンタクト抵抗の低減を図る。
次に、絶縁膜9にコンタクト窓9aを形成し、さらに走査信号線、画像信号線等、各電極に接続する信号配線10aおよび他の信号配線を形成することにより、図25に示すCMOS型トランジスタが得られる。
【0087】
【発明の効果】
本発明によると、機器の省電力化、小型化に適したON電流が大きく小面積の薄膜半導体素子を低価格で提供することが可能になる。この薄膜半導体素子を液晶表示パネル等の表示パネルに用いることで、その表示品質の向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の半導体素子を示す平面図である。
【図2】同半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図4】(a)、(b)および(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図5】同素子の製造工程の一段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図9】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図11】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図12】(a)、(b)および(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す平面図である。
【図14】同半導体素子の概略した縦断面図である。
【図15】(a)、(b)および(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図16】(a)、(b)および(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図17】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図18】(a)および(b)は、それぞれ本発明のさらに他の実施例の半導体素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図20】(a)および(b)は、同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図21】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図22】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図24】同素子の製造工程の一段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図25】本発明のさらに他の実施例の半導体素子を示す概略した縦断面図である。
【図26】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図27】(a)、(b)および(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図28】(a)は、従来のTFTを示す平面図であって、(b)は、同素子の概略した縦断面図である。
【図29】(a)および(b)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図30】(a)、(b)および(c)は、それぞれ同素子の製造工程の各段階の状態を示す概略した縦断面図である。
【図31】(a)は、スイッチング素子にTFTを用いたアクティブマトリクス型の液晶表示パネルの要部を示す概略した縦断面図であって、(b)は、同パネルに用いるアレイ基板の要部を示す平面図である。
【図32】スイッチング素子にTFTを用いた有機EL表示パネルの要部を示す概略した縦断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 アンダーコート層
3、23 半導体薄膜
3a チャネル領域
3b ソース領域
3c ドレイン領域
3d 高濃度領域
3e 低濃度領域
3f イオン注入領域
3g オフセット領域
3n N型不純物領域
3p P型不純物領域
4、6、9、13、15 絶縁膜
4a ゲート絶縁膜
5、8、16 導電膜
5a ゲート電極
6a コンタクト窓
7 薄膜トランジスタ(TFT)
7a Pチャネル型トランジスタ
7b Nチャネル型トランジスタ
8a 信号配線
8b ソース電極配線
8c ドレイン電極配線
9a コンタクト窓
10、20a、20b、20c 信号配線
11、12、14、16、17、18、19、20、21、110、111、114 レジスト層
13a 絶縁壁
200 アレイ基板
201 透明画素電極
202 走査信号線
203、画像信号線
204 液晶層
205 透明対向電極
206 バックライト
207a、207b 偏光板
208 対向基板
209 配硬膜
210 カラーフィルタ層
300 ガラス基板
301 有機EL材料層
302、303 電極

Claims (18)

  1. 不純物イオンを含まないチャネル領域と、該チャネル領域の両側に形成された、不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン領域とを含む半導体薄膜と、
    ゲート絶縁膜を介在させて前記チャネル領域に対向して配されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の周縁部を覆う枠状の絶縁壁と、
    前記ソース領域に接続されたソース配線と、
    前記ドレイン領域に接続されたドレイン配線とを備え、
    重なり方向への投影において、前記ゲート電極、前記絶縁壁、前記ソース配線および前記ドレイン配線を重ね合わしたものの、その周縁を定める側壁面と、前記半導体薄膜の、その周縁を定める側壁面とはほぼ面一にされている薄膜半導体素子。
  2. 前記ソース領域と前記ドレイン領域の間隔が、前記ゲート電極の同方向の大きさと等しい請求項1記載の薄膜半導体素子。
  3. 前記ソース領域または前記ドレイン領域は、前記絶縁壁に対向した領域に他の領域よりも前記不純物イオンの濃度が低い領域を有する請求項2記載の薄膜半導体素子。
  4. 前記ソース領域と前記ドレイン領域の間隔が、前記絶縁壁の同方向の大きさと等しい請求項1記載の薄膜半導体素子。
  5. 画素ごとに、調光手段または発光手段と、前記調光手段または発光手段の動作を制御するためのスイッチング素子とを備え、前記スイッチング素子は
    不純物イオンを含まないチャネル領域と、該チャネル領域の両側に形成された、不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン領域とを含む半導体薄膜と、
    ゲート絶縁膜を介在させて前記チャネル領域に対向して配されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の周縁部を覆う枠状の絶縁壁と、
    前記ソース領域に接続されたソース配線と、
    前記ドレイン領域に接続されたドレイン配線とを備え、
    重なり方向への投影において、前記ゲート電極、前記絶縁壁、前記ソース配線および前記ドレイン配線を重ね合わしたものの、その周縁を定める側壁面と、前記半導体薄膜の、その周縁を定める側壁面とはほぼ面一にされている薄膜半導体素子からなる表示パネル。
  6. 液晶層をさらにを具備し、前記スイッチング素子は、前記調光手段としての電極対への電圧信号のON/OFFを制御する請求項記載の表示パネル。
  7. 電圧の印加により発光する発光層をさらにを具備し、前記スイッチング素子は、前記発光への電圧信号のON/OFFを制御する請求項記載の表示パネル。
  8. 不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン領域を有する半導体薄膜と、ゲート電極と、前記ソース領域および前記ドレイン領域にそれぞれ接続されたソース配線およびドレイン配線とを備えた薄膜半導体素子の製造方法であって、
    絶縁基板の表面に半導体薄膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の表面に前記半導体薄膜を覆う第一絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の表面に前記第一絶縁膜を覆う第一導電膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の表面に前記導電膜を覆う第二絶縁膜を形成する工程と、
    所定のパターンを有する第一マスクを用いたエッチングにより、前記第一導電膜をゲート電極に加工する工程と、
    前記ゲート電極をマスクに用いて前記半導体薄膜に不純物イオンを注入する工程と、
    前記ゲート電極の側壁を覆う枠状の絶縁壁を形成する工程と、
    前記絶縁基板の前記半導体薄膜が形成された側の表面を覆う第二導電膜を形成する工程と、
    所定のパターンを有する第二マスク、前記ゲート電極および絶縁壁をマスクに用いたエッチングにより、前記半導体薄膜をチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する所定の形状に加工するとともに前記第二導電膜を加工して前記ソース領域およびドレイン領域に接続した配線部材を形成する工程と、
    前記絶縁基板の前記半導体薄膜が配された側の表面を覆う第三絶縁膜を形成する工程と、
    前記第三絶縁膜に開口部を形成して前記ゲート電極を露出させる工程と、
    前記開口部を含む領域に前記ゲート電極に接続した他の配線部材を形成する工程と
    含む薄膜半導体素子の製造方法。
  9. 前記絶縁壁を形成する工程の後であって前記第二導電膜を形成する工程の前に、前記ゲート電極および前記絶縁壁をマスクに用いて前記半導体薄膜に先のイオン注入に用いたものと同種の不純物イオンを注入し、前記半導体薄膜に前記不純物イオンの濃度がより高いサブ領域を形成する工程をさらに含む請求項記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  10. 前記半導体薄膜に不純物イオンを注入する工程において、パターンが互いに異なるマスクをそれぞれ用いて前記半導体薄膜の互いに異なる領域に前記イオンとしてP型イオンおよびN型イオンをそれぞれ注入する請求項記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  11. 前記絶縁壁が、前記ゲート電極を覆うように絶縁膜を形成し、形成された前記絶縁膜を異方性エッチングによって除去することにより前記ゲート電極の周縁部のみ残存させて形成される請求項記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  12. 前記第二導電膜が、1,000℃以上の融点を有する金属からなる請求項記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  13. 前記第三絶縁膜を形成する工程ののちに、前記半導体薄膜に活性化のための熱処理を施す工程をさらに含む請求項記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  14. 不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン領域を有する半導体薄膜と、ゲート電極と、前記ソース領域および前記ドレイン領域にそれぞれ接続されたソース配線およびドレイン配線とを備えた薄膜半導体素子の製造方法であって、
    絶縁基板の表面に半導体薄膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の表面に前記半導体薄膜を覆う第一絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の表面に前記第一絶縁膜を覆う導電膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の表面に前記導電膜を覆う第二絶縁膜を形成する工程と、
    所定のパターンを有する第一マスクを用いたエッチングにより、前記導電膜をゲート電極に加工する工程と、
    前記ゲート電極の側壁を覆う枠状の絶縁壁を形成する工程と、
    前記ゲート電極および絶縁壁をマスクに用いて前記半導体薄膜に不純物イオンを注入する工程と、
    前記絶縁基板の前記半導体薄膜が形成された側の表面を覆う第二導電膜を形成する工程と、
    所定のパターンを有する第二マスク、前記ゲート電極および絶縁壁をマスクに用いたエッチングにより、前記半導体薄膜をチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する所定の形状に加工するとともに前記第二導電膜を加工して前記ソース領域およびドレイン領域に接続した配線部材を形成する工程と、
    前記絶縁基板の前記半導体薄膜が配された側の表面を覆う第三絶縁膜を形成する工程と、
    前記第三絶縁膜に開口部を形成して前記ゲート電極を露出させる工程と、
    前記開口部を含む領域に前記ゲート電極に接続した他の配線部材を形成する工程と
    含む薄膜半導体素子の製造方法。
  15. 前記半導体薄膜に不純物イオンを注入する工程において、所定の形状を有する他のマスクをさらに用いてP型およびN型の前記不純物イオンを、互いに異なる領域にそれぞれ注入する請求項14記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  16. 前記絶縁壁が、前記ゲート電極を覆うように絶縁膜を形成し、形成された前記絶縁膜を異方性エッチングによって除去することにより前記ゲート電極の周縁部のみ残存させて形成される請求項14記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  17. 前記第二導電膜が、1,000℃以上の融点を有する金属からなる請求項14記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  18. 前記第三絶縁膜を形成する工程ののちに、前記半導体薄膜に活性化のための熱処理を施す工程をさらに含む請求項14記載の薄膜半導体素子の製造方法。
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