JP3638303B2 - ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係るハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、ハーフトロイダル型無段変速機を構成するパワーローラに加わるスラスト荷重を支承するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機、或は各種産業機械用の変速機として、図4〜5に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内面、或はこのケーシング内に設けられた支持ブラケットには、前記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6が設けられている。
【0003】
各トラニオン6、6は、両端部外側面に前記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させる事により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン6、6に支持された変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、各パワーローラ8、8を、前記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。
【0004】
入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面形状が、ほぼ上記枢軸5を中心とする円弧形の凹面をなしている。そして、球面状の凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面8a、8aは、前記内側面2a、4aに当接させている。
【0005】
前記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、前記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成されている。前記カム板10の片側面(図4〜5の左側面)には、円周方向に関する凹凸面であるカム面13を形成し、又、前記入力側ディスク2の外側面(図4〜5の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、前記複数個のローラ12、12を、前記入力軸1の中心に対して放射状に配置している。
【0006】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13によって複数個のローラ12、12が、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面14に押圧される。この結果、前記入力側ディスク2が前記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、前記1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との噛合に基づいて、前記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0007】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。
【0008】
反対に、増速を行なう場合には、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を、図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得る事ができる。
【0009】
図4〜5には、トロイダル型無段変速機の基本構造のみを示しているが、自動車用変速機等としてより具体化した構造も、例えば実願昭61−87523号(実開昭62−199557号)のマイクロフィルムに記載されている様に、従来から種々知られている。
【0010】
ところで、上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ8、8は、入力側ディスク2及び出力側ディスク4からのスラスト荷重を受けつつ、高速で回転する。この為、これら各パワーローラ8、8と前記各トラニオン6、6との間には、図6に示す様にスラスト玉軸受15を設けている。
【0011】
上記スラスト玉軸受15は、第二の軌道輪である内輪としての機能を兼ね備える上記パワーローラ8と、複数の玉16、16と、これら複数の玉16、16を転動自在に保持する為の保持器20と、上記パワーローラ8と同じ中心軸αを有する、第一の軌道輪である外輪17とから構成されている。尚、上記パワーローラ8、玉16、16、外輪17は、それぞれ軸受鋼、浸炭鋼等の軸受用鋼、或はセラミックにより形成されている。又、上記パワーローラ8の軸方向片面(図6の上面)には第二の軌道である内輪軌道18を、上記外輪17の軸方向片面(図6の下面)で上記内輪軌道18と対向する部分には第一の軌道である外輪軌道19を、それぞれ形成している。これら各軌道18、19は、それぞれ断面形状が円弧形で全体が円環状とされている。上記各玉16、16の転動面は、これら内輪軌道18と外輪軌道19とに転がり接触する。
【0012】
又、前記保持器20は、金属或は合成樹脂により円輪状に造られた主体21を有する。この主体21の直径方向中間部で円周方向等間隔位置には、円形のポケット22、22を形成し、これら各ポケット22、22に上記玉16、16を、1個ずつ、転動自在に保持している。更に、外輪17は、やはり円輪状に形成されたスペーサ23を介して、前記各トラニオン6の内側面に突き当てられている。トロイダル型無段変速機の運転時に、この様なスラスト玉軸受15は、前記各パワーローラ8、8に加わるスラスト荷重を支承しつつ、高速で回転する。尚、24は、スラスト玉軸受15に潤滑油を供給する給油孔である。
【0013】
ところで、上述の様なトロイダル型無段変速機に組み込まれるスラスト玉軸受15には、次の▲1▼▲2▼の様な機能を要求される。
▲1▼ 入力側ディスク2と出力側ディスク4との間での動力伝達のロスを小さくすべく(伝達効率を向上させる)、回転トルクが小さい事。
▲2▼ 十分な耐久性を確保すべく、各玉16、16の転動面、並びに内輪軌道18、外輪軌道19の寿命を長くする事。
【0014】
スラスト玉軸受の場合、上記▲1▼の条件を満たす為には、上記内輪軌道18及び外輪軌道19の断面形状の曲率半径を大きくして、上記玉の転動面と内輪軌道18及び外輪軌道19との接触幅を狭くし、玉16、16の転がり抵抗を小さくする必要がある。これに対して、上記▲2▼の条件を満たす為には、上記内輪軌道18及び外輪軌道19の断面形状の曲率半径(玉16、16の半径より大きい)を小さくして、上記転動面と内輪軌道18及び外輪軌道19との接触幅を広くし、上記転動面と内輪軌道18及び外輪軌道19との接触面圧を低くする必要がある。
【0015】
この様に、スラスト玉軸受15には、相反する要求がある。この為従来は、実用上満足できる程度の耐久性を確保しつつ、やはり実用上満足できる程度の伝達効率を確保できる程度に、上記内輪軌道18及び外輪軌道19の断面形状の曲率半径を規制していた。より具体的には、例えば図7に示す様に、パワーローラ8の軸方向片面に形成した内輪軌道18の断面形状の曲率半径r18と、上記外輪17の軸方向片面に形成した外輪軌道19の断面形状の曲率半径r19とを互いに等しい適当な単一曲面(途中で曲率が変化しない曲面)としていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際にトロイダル型無段変速機に組み込まれてパワーローラ8を支承するスラスト玉軸受の場合には、内輪軌道18及び外輪軌道19を単一曲面とした場合には、必ずしも十分な(設計値通りの)耐久性を得られない可能性がある事が実験により確認され、この原因の主要因は上記パワーローラ8に加わるラジアル荷重による事が解った。
【0017】
即ち、トロイダル型無段変速機、特に入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aの断面形状が四分の一円弧形である所謂ハーフトロイダル型無段変速機の場合、運転時に上記パワーローラ8には、スラスト荷重だけでなくラジアル荷重が加わった複雑な力(荷重)が作用する。この様なラジアル荷重は、ディスク2、4とパワーローラ8との接触部に加わるトラクション力や、パワーローラ8を支持しているトラニオン6が変速比変更に伴って傾斜したり、或は構成各部材の組み立て精度、或は自重に基づく偏荷重により発生する。しかも、この様なラジアル荷重に結び付く偏荷重が発生する方向や発生した場合の大きさは、変速比や回転速度等によりまちまちである。
【0018】
この様な偏荷重に基づくラジアル荷重は、スラスト荷重に比べて遥かに小さい(1/10以下)が、スラスト玉軸受15を構成するパワーローラ8と外輪17とを直径方向に亙って相対変位させてしまう。即ち、従来のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、(ラジアル荷重を含まない)純粋なスラスト荷重を支承する事を前提に考えられていた為、比較的小さなラジアル荷重を受けただけで、上記パワーローラ8と外輪17とが、無視できない程相対変位する。この様にパワーローラ8と外輪17とが相対変位した状態のまま、上記パワーローラ8が大きなスラスト荷重を支承しつつ回転すると、玉16、16がスラスト玉軸受本来の運動とは異なる複雑な運動をする。この場合には、各玉16、16の転動面と上記内輪軌道18及び外輪軌道19との間の摩擦状態に、転がり摩擦だけでなく滑り摩擦も加わる。
【0019】
この結果、内輪軌道18と外輪軌道19との一部、即ちラジアル荷重を受けた状態で上記各玉16、16の転動面が接触する部分(各軌道の幅方向中央部から直径方向にずれた部分)に、フレーキング等の損傷が生じ易くなり、スラスト玉軸受15の耐久性が損なわれる。特に上記外輪17は、ハーフトロイダル型無段変速機の小型軽量化を図る為、パワーローラ8に比べて薄肉に形成されており、必ずしも十分な剛性を確保できない為、耐久性が不足しがちとなる。
【0020】
上述の様な理由に基づいてスラスト玉軸受の寿命が低下する事を防止する為には、上記各曲率半径r18、r19を小さくして玉16、16の半径(D16/2)に近づける事が考えられる。この様に各曲率半径r18、r19を小さくすると、各玉16、16の転動面と上記各軌道18、19との接触面積が広くなり、接触面圧が小さくなる。同時に、パワーローラ8がラジアル荷重を受けた場合に、このパワーローラ8と外輪17とが直径方向に相対変位する事を防止(変位量を少なく)して、軸受寿命を延長する(耐久性を向上させる)事ができる。
【0021】
ところが、単に内輪軌道18の断面形状の曲率半径r18と外輪軌道19の断面形状の曲率半径r19とを小さくした場合、これら両軌道18、19と玉16、16との転がり抵抗が増大して、スラスト玉軸受の回転トルクが増大する。この結果、前記パワーローラ8の回転に要する力が増大し、スラスト玉軸受を組み込んだハーフトロイダル型無段変速機の性能を低下させる原因となる為、好ましくない。本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0022】
【課題を解決する為の手段】
本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持したパワーローラをトラニオンの内側面に回転自在に支持する為、これらパワーローラとトラニオンとの間に設けられて、このパワーローラに加わるスラスト荷重の他、このスラスト荷重に比べて小さなラジアル荷重が作用する状態で使用される。
【0023】
この様な状態で使用される本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、上記トラニオンの内側面にスペーサを介して突き当てられた、軸方向に関する厚さ寸法が上記パワーローラの軸方向に関する厚さ寸法よりも小さい外輪と、この外輪の軸方向内側面に形成された、断面形状が円弧状で全体が円環状の外輪軌道と、上記外輪と同心に配置された上記パワーローラの軸方向外側面でこの外輪軌道と対向する部分に形成された、断面形状が円弧状で全体が円環状の内輪軌道と、それぞれの転動面をこれら外輪軌道と内輪軌道とに当接させた複数の玉とを備える。そして、これら外輪軌道と内輪軌道との少なくとも外輪軌道の断面形状の曲率半径を、上記各玉の半径以上の範囲で、当該軌道の幅方向中央部よりも幅方向両側で小さくしている。
【0024】
【作用】
上述の様に構成される本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、回転トルクの増大を抑えつつ、耐久性の向上を図る事ができる。
【0025】
即ち、ラジアル荷重を受けず(又はラジアル荷重が無視できる程度に小さく)、外輪とパワーローラとの間で直径方向に亙る相対変位が生じていない場合には、複数の玉の転動面は、外輪軌道と内輪軌道との幅方向中央部に当接する。各軌道の幅方向中央部の断面形状の曲率半径は比較的大きいので、上記転動面と各軌道との接触幅は狭く、玉の転がり抵抗が小さくなって、ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の回転トルクが小さくなる。
【0026】
又、ラジアル荷重が加わり外輪とパワーローラとが直径方向に相対変位すると、複数個の玉の転動面が上記各軌道に、当該軌道の幅方向片側に寄った部分で当接する。少なくとも外輪軌道に関しては、この部分の断面形状の曲率半径は小さいので、上記転動面とこの外輪軌道との接触幅が広くなり、上記転動面とこの外輪軌道との接触面圧が低くなる。この結果、ラジアル荷重を受けた状態でも、この外輪軌道に加わる応力が過大とはならず、この外輪軌道を含めたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の耐久性向上を図れる。
【0027】
【実施例】
図1〜2は、請求項1〜3に対応する、本発明の第一実施例を示している。尚、本実施例のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の特徴は、回転トルクの増大を抑えつつパワーローラ8A及び外輪17aの寿命延長を図るべく、内輪軌道18a及び外輪軌道19aの断面形状を工夫した点にあり、その他の構成及び作用は、例えば前述したトロイダル型無段変速機に組み込まれている様な、従来から知られたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受と同様である。よって、重複する説明を省略し、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0028】
外輪軌道19a及び内輪軌道18aは何れも、単一曲面ではなく、曲率半径の異なる複数の曲面を滑らかに連続させる事で構成されている。即ち、上記両軌道19a、18aの断面形状は、幅方向中央部分の曲率半径R19a 、R18a を大きく、幅方向両側部分の曲率半径r19a 、r18a を小さく(R19a >r19a 、R18a >r18a )している。
【0029】
即ち、曲率半径R19a 、r19a 、R18a 、r18a のうち、上記各軌道19a、18aの幅方向中央部分の曲率半径R19a 、R18a は、従来のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合と同様の値、或はその値よりも大きくしているのに対して、上記各軌道19a、18aの断面形状の幅方向両側部分の曲率半径r19a 、r18a は、上記R19a 、R18a より玉16の外径D16の二分の一(半径)に近づけている。
【0030】
上記外輪軌道19aの断面形状と内輪軌道18aの断面形状とは同じ(該当部分の曲率半径を同じとする)でも良いが、異ならせる事もできる。異ならせる場合には、外輪軌道19aの断面形状の曲率半径を内輪軌道18aの断面形状の曲率半径よりも小さくする事が好ましい。この理由は、外輪17aの厚さ寸法がパワーローラ8Aの厚さ寸法よりも小さく、外輪17aの剛性を必ずしも十分に確保できず、上記外輪軌道19aの寿命が内輪軌道18aの寿命よりも短くなる傾向がある為である。
【0031】
尚、これら各寸法の関係は、例えば次の様に規制する事が適当である。
R19a −r19a =(0.01〜0.2)D16
R18a −r18a =(0.01〜0.2)D16
【0032】
上述の様に構成される本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、回転トルクの増大を抑えつつ、耐久性の向上を図る事ができる。
【0033】
即ち、ラジアル荷重を受けず(又はラジアル荷重が無視できる程度に小さく)、パワーローラ8Aと外輪17aとの間で直径方向に関する相対変位が生じていない場合に複数の玉16、16の転動面は、図1に示す様に、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの幅方向中央部に当接する。上述の様に、各軌道19a、18aの幅方向中央部の断面形状の曲率半径R19a 、R18a は比較的大きいので、上記転動面と各軌道19a、18aとの接触幅lは狭くなる。
【0034】
従って、玉16、16の転がり抵抗が小さくなって、スラスト玉軸受15の回転トルクが小さくなる。この結果、このスラスト玉軸受15を組み込んだトロイダル型無段変速機の伝達効率が十分に高くなる。この際、上記転動面と各軌道19a、18aとの接触面圧の最大値Pmax が大きくなるが、これら転動面と各軌道19a、18aとの接触状態は、純転がり接触に近い状態となり、滑り摩擦は殆ど生じない。従って、上記最大値Pmax が大きくなっても、上記転動面並びに各軌道19a、18aの耐久性が実用上問題となる程低下する事はない。
【0035】
又、ラジアル荷重が加わって上記パワーローラ8Aと外輪17aとが直径方向に相対変位すると、図2に示す様に上記複数個の玉16、16の転動面が、上記各軌道19a、18aに、これら各軌道19a、18aの幅方向片側に寄った部分で当接する。この部分の断面形状の曲率半径r19a 、r18a は小さいので、上記転動面とこれら両軌道19a、18aとの接触幅Lが広くなり、上記転動面と各軌道19a、18aとの接触面圧の最大値P´max が低くなる(<Pmax )。この結果、ラジアル荷重を受けた状態でも、上記転動面及び各軌道19a、18aに加わる応力が過大とはならず、これら転動面及び各軌道19a、18aを含めたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の耐久性向上を図れる。
【0036】
即ち、上述の様にパワーローラ8Aと外輪17aとが直径方向に相対変位した場合には、上記転動面とこれら両軌道19a、18aとの接触部分に転がり摩擦だけでなく滑り摩擦が作用するが、本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、接触面圧の最大値が小さくなる分だけ、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの弾性変形量が少なくなる。この結果、ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の使用に伴って上記外輪軌道19a及び内輪軌道18aに繰り返し加わる応力歪が小さくなり、これら外輪軌道19a及び内輪軌道18aを含むパワーローラ8A及び外輪17aの寿命延長を図れる。
【0037】
又、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの断面形状の曲率半径が幅方向両側で小さくなっている分、これら各軌道19a、18aに対して玉16、16がラジアル方向に変位しにくくなる。この結果上記外輪軌道19a及び内輪軌道18aに、玉16、16の変位に基づく偏荷重が加わりにくくなって、やはり上記パワーローラ8A及び外輪17の寿命延長を図れる。
【0038】
即ち、上記パワーローラ8Aと外輪17aとがラジアル方向に相対変位した場合には、変位量に応じた大きさの偏荷重が上記各玉16、16の転動面と上記内輪軌道18a及び外輪軌道19aとの当接部に加わり易くなる。これに対して本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、上記変位量を少なく抑えられる為、上記偏荷重を小さくして、ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の寿命延長を図れる。
【0039】
次に、図3は、請求項1にのみ対応する、本発明の第二実施例を示している。本実施例の場合には、外輪軌道19aのみを、単一曲面ではなく、曲率の異なる曲面を滑らかに連続させる事で構成している。即ち、上記外輪軌道19aの断面形状を、幅方向中央部分の曲率半径R19a より幅方向両側部分の曲率半径r19a が小さい、複合曲面としている。一方、パワーローラ8Aに形成した内輪軌道18は、断面形状の曲率半径R18が比較的大きな(R18≒R19a )単一曲面としている。
【0040】
本実施例の場合には、剛性が低く、振動によりパワーローラ8に比べて耐久性に関して悪影響を受け易い外輪17aの外輪軌道19aの断面形状を工夫する事により、この外輪17aの耐久性向上を図ったものである。本実施例の場合、前述した第一実施例の場合に比べて、耐久性向上効果が少し劣るが、従来のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受に比べた場合には、十分に耐久性向上を図れる。しかも、内輪軌道18の加工が容易になる為、製作費を余り高くする事なく、実用上十分な性能を発揮するハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受を得られる。
【0041】
尚、上述の各実施例の場合には、各軌道19a、18aの幅方向両側部分を曲率半径r19a 、r18a を有する単一の曲面としたが、この両側部分を2種類以上の曲率半径を有する円弧を連続させた複合曲面とする事もできる。この場合には、幅方向端縁に向かう程曲率半径が小さくなる様にするのが好ましい。尚、軌道19a、18aの断面形状は、幅方向中央部と幅方向両側との少なくとも一方が、いくつかの円弧の連続から成る円弧状でも良い。又、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの少なくとも一方は断面形状がいくつかの円弧の連続から成る円弧状でも良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、以上に述べた通り構成され作用する為、回転トルクの増大を防止し、耐久性並びに信頼性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を、スラスト荷重のみを受けている状態で示す半部断面図。
【図2】パワーローラにラジアル荷重が加わった状態を示す、図1と同様の断面図。
【図3】本発明の第二実施例を示す、図1と同様の図。
【図4】スラスト玉軸受を組み込んだハーフトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図6】スラスト玉軸受並びにその潤滑装置部分の断面図。
【図7】スラスト玉軸受のみを取り出して示す断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8、8A パワーローラ
8a 周面
9 押圧装置
10 カム板
11 保持器
12 ローラ
13、14 カム面
15 スラスト玉軸受
16 玉
17、17a 外輪
18、18a 内輪軌道
19、19a 外輪軌道
20 保持器
21 主体
22 ポケット
23 スぺーサ
24 給油孔
【産業上の利用分野】
この発明に係るハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、ハーフトロイダル型無段変速機を構成するパワーローラに加わるスラスト荷重を支承するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機、或は各種産業機械用の変速機として、図4〜5に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内面、或はこのケーシング内に設けられた支持ブラケットには、前記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6が設けられている。
【0003】
各トラニオン6、6は、両端部外側面に前記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させる事により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン6、6に支持された変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、各パワーローラ8、8を、前記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。
【0004】
入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面形状が、ほぼ上記枢軸5を中心とする円弧形の凹面をなしている。そして、球面状の凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面8a、8aは、前記内側面2a、4aに当接させている。
【0005】
前記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、前記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成されている。前記カム板10の片側面(図4〜5の左側面)には、円周方向に関する凹凸面であるカム面13を形成し、又、前記入力側ディスク2の外側面(図4〜5の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、前記複数個のローラ12、12を、前記入力軸1の中心に対して放射状に配置している。
【0006】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13によって複数個のローラ12、12が、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面14に押圧される。この結果、前記入力側ディスク2が前記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、前記1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との噛合に基づいて、前記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0007】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。
【0008】
反対に、増速を行なう場合には、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を、図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得る事ができる。
【0009】
図4〜5には、トロイダル型無段変速機の基本構造のみを示しているが、自動車用変速機等としてより具体化した構造も、例えば実願昭61−87523号(実開昭62−199557号)のマイクロフィルムに記載されている様に、従来から種々知られている。
【0010】
ところで、上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ8、8は、入力側ディスク2及び出力側ディスク4からのスラスト荷重を受けつつ、高速で回転する。この為、これら各パワーローラ8、8と前記各トラニオン6、6との間には、図6に示す様にスラスト玉軸受15を設けている。
【0011】
上記スラスト玉軸受15は、第二の軌道輪である内輪としての機能を兼ね備える上記パワーローラ8と、複数の玉16、16と、これら複数の玉16、16を転動自在に保持する為の保持器20と、上記パワーローラ8と同じ中心軸αを有する、第一の軌道輪である外輪17とから構成されている。尚、上記パワーローラ8、玉16、16、外輪17は、それぞれ軸受鋼、浸炭鋼等の軸受用鋼、或はセラミックにより形成されている。又、上記パワーローラ8の軸方向片面(図6の上面)には第二の軌道である内輪軌道18を、上記外輪17の軸方向片面(図6の下面)で上記内輪軌道18と対向する部分には第一の軌道である外輪軌道19を、それぞれ形成している。これら各軌道18、19は、それぞれ断面形状が円弧形で全体が円環状とされている。上記各玉16、16の転動面は、これら内輪軌道18と外輪軌道19とに転がり接触する。
【0012】
又、前記保持器20は、金属或は合成樹脂により円輪状に造られた主体21を有する。この主体21の直径方向中間部で円周方向等間隔位置には、円形のポケット22、22を形成し、これら各ポケット22、22に上記玉16、16を、1個ずつ、転動自在に保持している。更に、外輪17は、やはり円輪状に形成されたスペーサ23を介して、前記各トラニオン6の内側面に突き当てられている。トロイダル型無段変速機の運転時に、この様なスラスト玉軸受15は、前記各パワーローラ8、8に加わるスラスト荷重を支承しつつ、高速で回転する。尚、24は、スラスト玉軸受15に潤滑油を供給する給油孔である。
【0013】
ところで、上述の様なトロイダル型無段変速機に組み込まれるスラスト玉軸受15には、次の▲1▼▲2▼の様な機能を要求される。
▲1▼ 入力側ディスク2と出力側ディスク4との間での動力伝達のロスを小さくすべく(伝達効率を向上させる)、回転トルクが小さい事。
▲2▼ 十分な耐久性を確保すべく、各玉16、16の転動面、並びに内輪軌道18、外輪軌道19の寿命を長くする事。
【0014】
スラスト玉軸受の場合、上記▲1▼の条件を満たす為には、上記内輪軌道18及び外輪軌道19の断面形状の曲率半径を大きくして、上記玉の転動面と内輪軌道18及び外輪軌道19との接触幅を狭くし、玉16、16の転がり抵抗を小さくする必要がある。これに対して、上記▲2▼の条件を満たす為には、上記内輪軌道18及び外輪軌道19の断面形状の曲率半径(玉16、16の半径より大きい)を小さくして、上記転動面と内輪軌道18及び外輪軌道19との接触幅を広くし、上記転動面と内輪軌道18及び外輪軌道19との接触面圧を低くする必要がある。
【0015】
この様に、スラスト玉軸受15には、相反する要求がある。この為従来は、実用上満足できる程度の耐久性を確保しつつ、やはり実用上満足できる程度の伝達効率を確保できる程度に、上記内輪軌道18及び外輪軌道19の断面形状の曲率半径を規制していた。より具体的には、例えば図7に示す様に、パワーローラ8の軸方向片面に形成した内輪軌道18の断面形状の曲率半径r18と、上記外輪17の軸方向片面に形成した外輪軌道19の断面形状の曲率半径r19とを互いに等しい適当な単一曲面(途中で曲率が変化しない曲面)としていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際にトロイダル型無段変速機に組み込まれてパワーローラ8を支承するスラスト玉軸受の場合には、内輪軌道18及び外輪軌道19を単一曲面とした場合には、必ずしも十分な(設計値通りの)耐久性を得られない可能性がある事が実験により確認され、この原因の主要因は上記パワーローラ8に加わるラジアル荷重による事が解った。
【0017】
即ち、トロイダル型無段変速機、特に入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aの断面形状が四分の一円弧形である所謂ハーフトロイダル型無段変速機の場合、運転時に上記パワーローラ8には、スラスト荷重だけでなくラジアル荷重が加わった複雑な力(荷重)が作用する。この様なラジアル荷重は、ディスク2、4とパワーローラ8との接触部に加わるトラクション力や、パワーローラ8を支持しているトラニオン6が変速比変更に伴って傾斜したり、或は構成各部材の組み立て精度、或は自重に基づく偏荷重により発生する。しかも、この様なラジアル荷重に結び付く偏荷重が発生する方向や発生した場合の大きさは、変速比や回転速度等によりまちまちである。
【0018】
この様な偏荷重に基づくラジアル荷重は、スラスト荷重に比べて遥かに小さい(1/10以下)が、スラスト玉軸受15を構成するパワーローラ8と外輪17とを直径方向に亙って相対変位させてしまう。即ち、従来のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、(ラジアル荷重を含まない)純粋なスラスト荷重を支承する事を前提に考えられていた為、比較的小さなラジアル荷重を受けただけで、上記パワーローラ8と外輪17とが、無視できない程相対変位する。この様にパワーローラ8と外輪17とが相対変位した状態のまま、上記パワーローラ8が大きなスラスト荷重を支承しつつ回転すると、玉16、16がスラスト玉軸受本来の運動とは異なる複雑な運動をする。この場合には、各玉16、16の転動面と上記内輪軌道18及び外輪軌道19との間の摩擦状態に、転がり摩擦だけでなく滑り摩擦も加わる。
【0019】
この結果、内輪軌道18と外輪軌道19との一部、即ちラジアル荷重を受けた状態で上記各玉16、16の転動面が接触する部分(各軌道の幅方向中央部から直径方向にずれた部分)に、フレーキング等の損傷が生じ易くなり、スラスト玉軸受15の耐久性が損なわれる。特に上記外輪17は、ハーフトロイダル型無段変速機の小型軽量化を図る為、パワーローラ8に比べて薄肉に形成されており、必ずしも十分な剛性を確保できない為、耐久性が不足しがちとなる。
【0020】
上述の様な理由に基づいてスラスト玉軸受の寿命が低下する事を防止する為には、上記各曲率半径r18、r19を小さくして玉16、16の半径(D16/2)に近づける事が考えられる。この様に各曲率半径r18、r19を小さくすると、各玉16、16の転動面と上記各軌道18、19との接触面積が広くなり、接触面圧が小さくなる。同時に、パワーローラ8がラジアル荷重を受けた場合に、このパワーローラ8と外輪17とが直径方向に相対変位する事を防止(変位量を少なく)して、軸受寿命を延長する(耐久性を向上させる)事ができる。
【0021】
ところが、単に内輪軌道18の断面形状の曲率半径r18と外輪軌道19の断面形状の曲率半径r19とを小さくした場合、これら両軌道18、19と玉16、16との転がり抵抗が増大して、スラスト玉軸受の回転トルクが増大する。この結果、前記パワーローラ8の回転に要する力が増大し、スラスト玉軸受を組み込んだハーフトロイダル型無段変速機の性能を低下させる原因となる為、好ましくない。本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0022】
【課題を解決する為の手段】
本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持したパワーローラをトラニオンの内側面に回転自在に支持する為、これらパワーローラとトラニオンとの間に設けられて、このパワーローラに加わるスラスト荷重の他、このスラスト荷重に比べて小さなラジアル荷重が作用する状態で使用される。
【0023】
この様な状態で使用される本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、上記トラニオンの内側面にスペーサを介して突き当てられた、軸方向に関する厚さ寸法が上記パワーローラの軸方向に関する厚さ寸法よりも小さい外輪と、この外輪の軸方向内側面に形成された、断面形状が円弧状で全体が円環状の外輪軌道と、上記外輪と同心に配置された上記パワーローラの軸方向外側面でこの外輪軌道と対向する部分に形成された、断面形状が円弧状で全体が円環状の内輪軌道と、それぞれの転動面をこれら外輪軌道と内輪軌道とに当接させた複数の玉とを備える。そして、これら外輪軌道と内輪軌道との少なくとも外輪軌道の断面形状の曲率半径を、上記各玉の半径以上の範囲で、当該軌道の幅方向中央部よりも幅方向両側で小さくしている。
【0024】
【作用】
上述の様に構成される本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、回転トルクの増大を抑えつつ、耐久性の向上を図る事ができる。
【0025】
即ち、ラジアル荷重を受けず(又はラジアル荷重が無視できる程度に小さく)、外輪とパワーローラとの間で直径方向に亙る相対変位が生じていない場合には、複数の玉の転動面は、外輪軌道と内輪軌道との幅方向中央部に当接する。各軌道の幅方向中央部の断面形状の曲率半径は比較的大きいので、上記転動面と各軌道との接触幅は狭く、玉の転がり抵抗が小さくなって、ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の回転トルクが小さくなる。
【0026】
又、ラジアル荷重が加わり外輪とパワーローラとが直径方向に相対変位すると、複数個の玉の転動面が上記各軌道に、当該軌道の幅方向片側に寄った部分で当接する。少なくとも外輪軌道に関しては、この部分の断面形状の曲率半径は小さいので、上記転動面とこの外輪軌道との接触幅が広くなり、上記転動面とこの外輪軌道との接触面圧が低くなる。この結果、ラジアル荷重を受けた状態でも、この外輪軌道に加わる応力が過大とはならず、この外輪軌道を含めたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の耐久性向上を図れる。
【0027】
【実施例】
図1〜2は、請求項1〜3に対応する、本発明の第一実施例を示している。尚、本実施例のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の特徴は、回転トルクの増大を抑えつつパワーローラ8A及び外輪17aの寿命延長を図るべく、内輪軌道18a及び外輪軌道19aの断面形状を工夫した点にあり、その他の構成及び作用は、例えば前述したトロイダル型無段変速機に組み込まれている様な、従来から知られたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受と同様である。よって、重複する説明を省略し、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0028】
外輪軌道19a及び内輪軌道18aは何れも、単一曲面ではなく、曲率半径の異なる複数の曲面を滑らかに連続させる事で構成されている。即ち、上記両軌道19a、18aの断面形状は、幅方向中央部分の曲率半径R19a 、R18a を大きく、幅方向両側部分の曲率半径r19a 、r18a を小さく(R19a >r19a 、R18a >r18a )している。
【0029】
即ち、曲率半径R19a 、r19a 、R18a 、r18a のうち、上記各軌道19a、18aの幅方向中央部分の曲率半径R19a 、R18a は、従来のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合と同様の値、或はその値よりも大きくしているのに対して、上記各軌道19a、18aの断面形状の幅方向両側部分の曲率半径r19a 、r18a は、上記R19a 、R18a より玉16の外径D16の二分の一(半径)に近づけている。
【0030】
上記外輪軌道19aの断面形状と内輪軌道18aの断面形状とは同じ(該当部分の曲率半径を同じとする)でも良いが、異ならせる事もできる。異ならせる場合には、外輪軌道19aの断面形状の曲率半径を内輪軌道18aの断面形状の曲率半径よりも小さくする事が好ましい。この理由は、外輪17aの厚さ寸法がパワーローラ8Aの厚さ寸法よりも小さく、外輪17aの剛性を必ずしも十分に確保できず、上記外輪軌道19aの寿命が内輪軌道18aの寿命よりも短くなる傾向がある為である。
【0031】
尚、これら各寸法の関係は、例えば次の様に規制する事が適当である。
R19a −r19a =(0.01〜0.2)D16
R18a −r18a =(0.01〜0.2)D16
【0032】
上述の様に構成される本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、回転トルクの増大を抑えつつ、耐久性の向上を図る事ができる。
【0033】
即ち、ラジアル荷重を受けず(又はラジアル荷重が無視できる程度に小さく)、パワーローラ8Aと外輪17aとの間で直径方向に関する相対変位が生じていない場合に複数の玉16、16の転動面は、図1に示す様に、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの幅方向中央部に当接する。上述の様に、各軌道19a、18aの幅方向中央部の断面形状の曲率半径R19a 、R18a は比較的大きいので、上記転動面と各軌道19a、18aとの接触幅lは狭くなる。
【0034】
従って、玉16、16の転がり抵抗が小さくなって、スラスト玉軸受15の回転トルクが小さくなる。この結果、このスラスト玉軸受15を組み込んだトロイダル型無段変速機の伝達効率が十分に高くなる。この際、上記転動面と各軌道19a、18aとの接触面圧の最大値Pmax が大きくなるが、これら転動面と各軌道19a、18aとの接触状態は、純転がり接触に近い状態となり、滑り摩擦は殆ど生じない。従って、上記最大値Pmax が大きくなっても、上記転動面並びに各軌道19a、18aの耐久性が実用上問題となる程低下する事はない。
【0035】
又、ラジアル荷重が加わって上記パワーローラ8Aと外輪17aとが直径方向に相対変位すると、図2に示す様に上記複数個の玉16、16の転動面が、上記各軌道19a、18aに、これら各軌道19a、18aの幅方向片側に寄った部分で当接する。この部分の断面形状の曲率半径r19a 、r18a は小さいので、上記転動面とこれら両軌道19a、18aとの接触幅Lが広くなり、上記転動面と各軌道19a、18aとの接触面圧の最大値P´max が低くなる(<Pmax )。この結果、ラジアル荷重を受けた状態でも、上記転動面及び各軌道19a、18aに加わる応力が過大とはならず、これら転動面及び各軌道19a、18aを含めたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の耐久性向上を図れる。
【0036】
即ち、上述の様にパワーローラ8Aと外輪17aとが直径方向に相対変位した場合には、上記転動面とこれら両軌道19a、18aとの接触部分に転がり摩擦だけでなく滑り摩擦が作用するが、本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、接触面圧の最大値が小さくなる分だけ、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの弾性変形量が少なくなる。この結果、ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の使用に伴って上記外輪軌道19a及び内輪軌道18aに繰り返し加わる応力歪が小さくなり、これら外輪軌道19a及び内輪軌道18aを含むパワーローラ8A及び外輪17aの寿命延長を図れる。
【0037】
又、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの断面形状の曲率半径が幅方向両側で小さくなっている分、これら各軌道19a、18aに対して玉16、16がラジアル方向に変位しにくくなる。この結果上記外輪軌道19a及び内輪軌道18aに、玉16、16の変位に基づく偏荷重が加わりにくくなって、やはり上記パワーローラ8A及び外輪17の寿命延長を図れる。
【0038】
即ち、上記パワーローラ8Aと外輪17aとがラジアル方向に相対変位した場合には、変位量に応じた大きさの偏荷重が上記各玉16、16の転動面と上記内輪軌道18a及び外輪軌道19aとの当接部に加わり易くなる。これに対して本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の場合には、上記変位量を少なく抑えられる為、上記偏荷重を小さくして、ハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受の寿命延長を図れる。
【0039】
次に、図3は、請求項1にのみ対応する、本発明の第二実施例を示している。本実施例の場合には、外輪軌道19aのみを、単一曲面ではなく、曲率の異なる曲面を滑らかに連続させる事で構成している。即ち、上記外輪軌道19aの断面形状を、幅方向中央部分の曲率半径R19a より幅方向両側部分の曲率半径r19a が小さい、複合曲面としている。一方、パワーローラ8Aに形成した内輪軌道18は、断面形状の曲率半径R18が比較的大きな(R18≒R19a )単一曲面としている。
【0040】
本実施例の場合には、剛性が低く、振動によりパワーローラ8に比べて耐久性に関して悪影響を受け易い外輪17aの外輪軌道19aの断面形状を工夫する事により、この外輪17aの耐久性向上を図ったものである。本実施例の場合、前述した第一実施例の場合に比べて、耐久性向上効果が少し劣るが、従来のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受に比べた場合には、十分に耐久性向上を図れる。しかも、内輪軌道18の加工が容易になる為、製作費を余り高くする事なく、実用上十分な性能を発揮するハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受を得られる。
【0041】
尚、上述の各実施例の場合には、各軌道19a、18aの幅方向両側部分を曲率半径r19a 、r18a を有する単一の曲面としたが、この両側部分を2種類以上の曲率半径を有する円弧を連続させた複合曲面とする事もできる。この場合には、幅方向端縁に向かう程曲率半径が小さくなる様にするのが好ましい。尚、軌道19a、18aの断面形状は、幅方向中央部と幅方向両側との少なくとも一方が、いくつかの円弧の連続から成る円弧状でも良い。又、外輪軌道19a及び内輪軌道18aの少なくとも一方は断面形状がいくつかの円弧の連続から成る円弧状でも良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明のハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受は、以上に述べた通り構成され作用する為、回転トルクの増大を防止し、耐久性並びに信頼性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を、スラスト荷重のみを受けている状態で示す半部断面図。
【図2】パワーローラにラジアル荷重が加わった状態を示す、図1と同様の断面図。
【図3】本発明の第二実施例を示す、図1と同様の図。
【図4】スラスト玉軸受を組み込んだハーフトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図6】スラスト玉軸受並びにその潤滑装置部分の断面図。
【図7】スラスト玉軸受のみを取り出して示す断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8、8A パワーローラ
8a 周面
9 押圧装置
10 カム板
11 保持器
12 ローラ
13、14 カム面
15 スラスト玉軸受
16 玉
17、17a 外輪
18、18a 内輪軌道
19、19a 外輪軌道
20 保持器
21 主体
22 ポケット
23 スぺーサ
24 給油孔
Claims (3)
- 入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持したパワーローラをトラニオンの内側面に回転自在に支持する為、これらパワーローラとトラニオンとの間に設けられて、このパワーローラに加わるスラスト荷重の他、このスラスト荷重に比べて小さなラジアル荷重が作用する状態で使用されるハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受であって、上記トラニオンの内側面にスペーサを介して突き当てられた、軸方向に関する厚さ寸法が上記パワーローラの軸方向に関する厚さ寸法よりも小さい外輪と、この外輪の軸方向内側面に形成された、断面形状が円弧状で全体が円環状の外輪軌道と、上記外輪と同心に配置された上記パワーローラの軸方向外側面でこの外輪軌道と対向する部分に形成された、断面形状が円弧状で全体が円環状の内輪軌道と、それぞれの転動面をこれら外輪軌道と内輪軌道とに当接させた複数の玉とを備え、これら外輪軌道と内輪軌道との少なくとも外輪軌道の断面形状の曲率半径を、上記各玉の半径以上の範囲で、当該軌道の幅方向中央部よりも幅方向両側で小さくしたハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受。
- 外輪軌道及び内輪軌道の断面形状の曲率半径を、これら各軌道の幅方向中央部よりも幅方向両側で小さくした、請求項1に記載したハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受。
- 外輪軌道の断面形状の曲率半径が内輪軌道の断面形状の曲率半径よりも小さい、請求項2に記載したハーフトロイダル型無段変速機用スラスト玉軸受。
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