JP3629638B2 - 高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造 - Google Patents
高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、鋼構造建築物を構築する際にH形鋼や閉鎖断面を有する角形鋼管を柱材とし、この柱材の側部にH形鋼、I形鋼、C形鋼等からなる梁材を取り付ける、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁との接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、耐震性を向上させるために、柱材として閉鎖断面を有する角形鋼管やH形鋼を用い、梁材としてH形鋼を用いた両方向ラーメン構造が多用されており、例えば、両方向ラーメン構造を得るための閉鎖断面を有する角形鋼管柱と梁材との接合には、図10に示すような通しダイヤフラム形式が一般的であり、柱材としての角形鋼管柱1pとダイヤフラム3の接合、ダイヤフラム3と梁材としての鋼製梁2との接合は溶接wによって行われている。
【0003】
このような通しダイヤフラム形式の接合構造においては、柱−梁仕口部で溶接が多用されており、柱・梁部材の溶接を含む加工作業負担が多大となり施工コスト負担が大きく、施工工期も長くなる。また、鋼製梁2は、応力の最も厳しい梁端で角形鋼管柱1pに溶接wしており、接合部の剛性を安定確保するのが難しい。また、大地震時や強風時には、柱・梁部材の塑性変形を許容するように設計されているため、被災時の補修が困難で多大の補修費用が必要になるなどの問題がある。
【0004】
そのため、最近では、図11に示すように、ダイヤフラムを用いず、閉鎖断面の角形鋼管柱1pにスプリットティーやエンドプレートなどの接合金物4sをワンサイドボルト5で接合し、この接合金物4を介して鋼製梁2を角形鋼管柱1pにボルト6で接合するようにして溶接負担を軽減する接合構造も提案されている。(参考文献 特開平11−269985号公報)この接合構造においては、柱に閉鎖断面の角形鋼管柱1p、梁に鋼製梁2を用いた引張ボルト接合部構造では、加工工数が少なく溶接技能も必要としないので、この点でダイヤフラム形式の接合構造より改善されている。
【0005】
しかし、鋼製梁2に引っ張り荷重が作用したとき、この荷重が接合金物4を介して角形鋼管柱1pの接合面に作用し、その結果、角形鋼管柱1pの面外変形で、荷重に抵抗することになり、かかる接合面の変形によりダイヤフラム形式の接合構造に比較して接合部の剛性が低下し、かつ耐力も低くなる。また、大地震や強風時には、柱・梁部材の塑性変形を許容するように設計されているため、被災時の被害が全体に及ぶことになり、補修が困難で多大の補修費用が必要になるなどの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、柱・梁部材の加工および施工の工数を節減するとともに、骨組変形の大半を支配する柱・梁の曲げ変形領域を低減することにより柱・梁部材断面のサイズを小さくしても骨組剛性を強化でき、大地震や強風による被災時には、骨組損傷制御により被害を接合要素の範囲に止め、接合要素の交換のみの補修で済む、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(13)の発明から構成されるものである。
(1).鋼製柱と鋼製梁との接合構造において、鋼製梁の先端部が、鋼製梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する接合要素(鋼製柱、鋼製梁から伝達される荷重を主に引張・圧縮力(軸力)、剪断力とし、この荷重に対して抵抗する機能を有する接合金物やダンパー等の接合要素を示し、以下「軸力+剪断力抵抗要素」という。)を介して鋼製柱に緊結されており、なおかつ、梁の一方のフランジが、軸力+剪断力抵抗要素の取付部より後端側で主に軸力が作用する方づえ状の接合要素(鋼製柱、鋼製梁から伝達される荷重を主に引張・圧縮力(軸力)とし、この荷重に対して抵抗する機能を有する接合金物やダンパー等の接合要素を示し、以下「軸力抵抗要素」という。)を介して鋼製柱に緊結されており、該軸力抵抗要素が、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し建物の耐震・耐風性能を向上させる制振機構を有するものであることを特徴とする、高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(2).鋼製柱と鋼製梁との接合構造において、鋼製梁の先端部が軸力+剪断力抵抗要素を介して鋼製柱に緊結されており、なおかつ、両方のフランジが軸力+剪断力抵抗要素の取付部より後端側で軸力抵抗要素を介して鋼製柱に緊結されており、該軸力抵抗要素が、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し建物の耐震・耐風性能を向上させる制振機構を有するものであることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(3).鋼製柱と鋼製梁との接合構造において、鋼製梁の一方のフランジが軸力抵抗要素を介して鋼製柱に緊結されており、他方のフランジが、水平板、鉛直板、つなぎ材により構成されかつ水平板と鉛直板を一体化してなる軸力+剪断力+曲げ力が作用する接合要素(鋼製柱、鋼製梁から伝達される荷重を主に引張・圧縮力(軸力)、剪断力、曲げ力とし、この荷重に対して抵抗する機能を有する接合金物やダンパー等の接合要素を示し、以下「軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素」という。)を介して鋼製柱に緊結されており、前記軸力抵抗要素および前記軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素が、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し建物の耐震・耐風性能を向上させる制振機構を有するものであることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁との接合構造。
(4).(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記各接合要素と鋼製梁、および前記各接合要素と鋼製柱とが、ボルト(ボルト・ナットを意味し、以下単に「ボルト」という。)により緊結されていることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(5).(1)〜(4)のいずれかにおいて、軸力抵抗要素および/または軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素が、水平板(接合要素を鋼製梁のフランジに緊結する機能を有する厚鋼板などの板状体を示し、以下「水平板」という。)、鉛直板(接合要素を鋼製柱に緊結する機能を有する厚鋼板などの板状体を示し、以下「鉛直板」という。)、つなぎ材{水平板と鉛直板を結合する機能を有する厚鋼板などの板状体、棒状体(鋼棒、鋼管、形鋼)またはこれらを組み合わせたもの、ダンパー等を示し、以下「つなぎ材」という。}により構成されていることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(6).(5)において、前記制振機構が、接合要素の前記つなぎ材に組み込まれた履歴型ダンパーによって形成されていることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(7).(6)において、前記接合要素のつなぎ材が、柱・梁部材より降伏点の低い鋼材であることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(8).(5)において、前記制振機構が、接合要素の前記つなぎ材に組み込まれた粘性型ダンパーによって形成されていることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(9).(5)〜(8)のいずれかにおいて、接合要素の水平板、鉛直板が柱・梁部材よりも降伏点の高い鋼材で形成されていることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(10).(6)または(7)において、前記接合要素のつなぎ材が、つなぎ材本体との間に潤滑層を介在させて座屈拘束用治具を配したものであることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(11).(5)〜(10)のいずれかにおいて、前記接合要素のつなぎ材が、座屈補剛構造を有するものであることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(12).(1)〜(11)のいずれかにおいて、前記鋼製柱と鋼製梁の接合構造が、鋼製柱の1以上の側部において、少なくとも1箇所以上の箇所で適用されていることを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
(13).(12)において、鋼製柱の両側部に接合する、軸力抵抗要素、軸力+剪断力抵抗要素、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素の鉛直板どうしを、該鉛直板と鋼製柱に貫通させて挿通した共通の長締めボルトで緊結したことを特徴とする、高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、建造物の中柱、側柱となるH形鋼柱や角形鋼管柱等の鋼製柱の側部に、鋼製梁(圧延や溶接加工によって得られるH形、I形、C形、その他の形の断面を有する各種の形鋼等からなる鋼製の梁を意味し、以下「鋼製梁」という。)を軸力抵抗要素と軸力+剪断力抵抗要素または軸力抵抗要素と剪断力抵抗要素を介して、あるいは軸力抵抗要素と軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素を介して接合する鋼製柱と鋼製梁との接合構造であって、ブレースを配置しない高剛性骨組として設計の自由度を大きくすることができ、梁部材の断面サイズを小さくして骨組剛性を強化でき、かつ、柱・梁部材の加工および施工の工数を節減できる。
【0009】
また、鋼製柱・鋼製梁に対する軸力抵抗要素または軸力抵抗要素と軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素により骨組損傷制御が可能で、大地震や強風による被災時には被害を極力、抵抗要素(接合要素)に止め、この抵抗要素(接合要素)の交換のみの補修に止めて補修作業負担、補修コストを軽減し、補修工期を大幅に短縮することができる。なお、柱・梁仕口部をブラケット形式としないため、柱・梁部材、抵抗要素(接合要素)を分離して輸送することにより輸送効率を大幅に向上させることができる。
【0010】
(1)の発明では、軸力抵抗要素および剪断+軸力抵抗要素を介して鋼製柱・鋼製梁を接合する鋼製柱・鋼製梁の接合構造であり、垂直荷重が鋼製梁に作用した場合の鋼製梁の回転中心が、鋼製梁端部の[軸力+剪断力抵抗要素]となり、鋼製梁フランジに取り付けられている軸力抵抗要素で鋼製梁に作用する荷重を鋼製柱に伝達する簡易な接合構造にしており、特に柱・梁部材の加工工数および施工の工数を節減することができる。
【0011】
また、鋼製柱・鋼製梁のフランジに軸力抵抗要素を取り付けることにより、柱・梁に作用する最大曲げモーメントを低減し、柱・梁部材の断面のサイズを小さくできる。また、柱・梁フランジに軸力抵抗要素を取り付けることは、骨組変形の大半を支配する柱・梁の曲げ変形領域の低減にもつながるため、断面サイズを小さくしても、なお、骨組剛性を強化できる。例えば、梁部材では応力が最も厳しくなるのは、梁端より内側となるため、梁部材断面のサイズを小さくすること(スパンを小さくするのと同じ効果)が可能である。
また、各抵抗要素(接合要素)と鋼製柱・鋼製梁が強固に一体化されていることは、被害が全体に及び大きくなる恐れがあるので、抵抗要素(接合要素)にエネルギー吸収機能を付加して損傷制御骨組として、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを抵抗要素(接合要素)で吸収し、建物全体の耐震、耐風性能を確保するとともに、被災時には、被害が抵抗要素(接合要素)にのみ発生させ、抵抗要素(接合要素)のみの補修にとどめられるようにすることが有効である。エネルギー吸収機構(制振機構)としては、履歴型ダンパーや粘性型ダンパーを用いることができる。
【0012】
(2)の発明では、上下の軸力抵抗要素および剪断+軸力抵抗要素を介して鋼製柱と鋼製梁を接合することにより、柱・梁の曲げ変形が生じる長さを短くし骨組剛性を強化することができる。例えば、梁部材では応力が最も厳しくなるのは、鋼製梁端より内側となるため、梁部材断面のサイズを小さくすること(スパンを小さくするのと同じ効果)が可能である。
【0013】
垂直荷重が鋼製梁に作用した場合の鋼製梁の回転中心が、鋼製梁端部の[軸力+剪断抵抗要素]となり、この抵抗要素および、鋼製梁のフランジに取り付けられている[軸力抵抗要素]により梁部材に作用する曲げ・剪断荷重を鋼製柱に伝達する接合構造にしている。ここでは、軸力抵抗要素は上下に配置するため、柱・梁部材の加工工数および施工の工数を節減および柱・梁断面のサイズを小さくする観点では、(1)の発明に比較すると十分とは言えないが、軸力抵抗要素を上下に配置するため、骨組変形の大半を支配する柱・梁の曲げ変形領域を十分に低減することが可能になり、骨組剛性をより安定的に強化することができる。なお、(2)の発明においても、(1)の発明と同様の制振機構を有する。
【0014】
(3)の発明では、鋼製梁の片側フランジが軸力抵抗要素を介して鋼製柱の側部に連結されており、もう一方のフランジが、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素を介して鋼製柱に緊結されているため、垂直荷重が梁に作用した場合の鋼製梁の回転中心が、[軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素]となり、一方の鋼製梁のフランジに取り付けられている軸力抵抗要素で鋼製梁に作用する曲げ剪断荷重を鋼製柱に伝達する簡易な接合構造にしており、柱・梁部材の加工工数および施工の工数を節減することができる。
【0015】
また、鋼製柱・鋼製梁のフランジに軸力抵抗要素を取り付けることにより、骨組変形の大半を支配する柱・梁の曲げ変形領域を低減し、柱・梁に作用する最大曲げモーメントを低減可能なため、柱・梁断面のサイズを小さくしても骨組剛性を強化することができる。なお、(3)の発明においても、(1)の発明と同様の制振機構を有する。
【0016】
(1)〜(3)の発明において、鋼製柱・鋼製梁と各抵抗要素(接合要素)との緊結は、溶接でも可能ではあるが、大地震や強風時の作用応力がもっとも厳しい部位には、鋼製柱・鋼製梁と抵抗要素(接合要素)の応力分離が容易で一体破壊を生じにくいし、鋼製柱・鋼製梁と抵抗要素(接合要素)の着脱が容易なボルト接合にすることが好ましい。また、接合部の加工・施工工数の削減の観点からもボルト接合にすることが好ましい。
【0017】
また、抵抗要素(接合要素)中でも、つなぎ材を厚鋼板で形成した場合などでは、座屈して十分に機能を発揮できないことも予想されるので、例えば、つなぎ材の外周に筒状の座屈拘束用治具を配し、その内周面が、つなぎ材の外周面と摺動可能にすることが有効であり、この場合、摺動面間に潤滑処理を施すことが有効である。また、つなぎ材を、例えば断面がI型またはH型或いはT字型などのフランジやリブの座屈補剛機能を有するものにして座屈を抑制することが有効である。
【0018】
また、抵抗要素(接合要素)の交換を容易にするために、軸力抵抗要素、剪断力抵抗要素および軸力+剪断力抵抗要素、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素を構成する水平板、鉛直板は軽量であることが有効であり、柱・梁部材よりも降伏点が高くなるようにすることが有効である。
【0019】
なお、本発明の接合構造は、鋼製梁を鋼製柱の1〜4側部のいずれかにおいて、1箇所または上下方向の複数箇所で、鋼製梁を鋼製柱の複数の側部に接合する場合において適用が可能であり、複数の側部、複数箇所に適用する場合に接合構造をすべて同じにすることは不可欠ではない。また、鋼製柱の相対する両側部に鉛直板を接合する場合には、鉛直板どうしを該鉛直板と鋼製柱に貫通させて挿通した共通の長締めボルトで緊結することも有効である。この場合には、鋼製柱が閉鎖断面を有する角形鋼管柱であっても高価なワンサイドボルトを使用しなくてもよい。また、長締めボルトによる柱フランジの面外変形を抑える効果も期待できる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
以下に本発明の実施例1を図1に基づいて説明する。この実施例1は(1)の発明に係るものであり、柱材であるH形鋼の側部に梁材であるH形鋼を、軸力抵抗要素と軸力+剪断力抵抗要素を介してボルト接合したH形鋼柱とH形鋼梁の接合構造である。
【0021】
図1(a)において、1はフランジ1aに複数のボルト孔を有するH形鋼柱、2は、下フランジ2aとウエブ端部に複数のボルト孔を有する鋼製梁で、その先端のウエブ2uを、一対のアングル材4を介してH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合し、鋼製梁2の先端から距離x離れた領域で鋼製梁2の下フランジ2aを、つなぎ材7の水平板8にボルト接合し、このつなぎ材7の鉛直板9を、鋼製梁2の下フランジ2aの下面から距離y離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合してなるものである。アングル材4は、図1(c)に示すように、複数のボルト孔4aを有する鉛直板4cと複数のボルト孔4bを有する梁取付板4dによりに形成されたものである。
【0022】
また、つなぎ材7は、図1(b)に示すように、水平端面と垂直端面を有し、水平端面に複数のボルト孔8aを有する水平板8を接合し、垂直端面に複数のボルト孔9aを有する鉛直板9を接合してなるものであり厚鋼板を加工して形成されたものである。このつなぎ材7は、H形鋼柱1とH形鋼梁2にボルト6で接合された状態では、H形鋼柱1の軸に対して角度α(αは20〜70度)傾斜している。この実施例では、つなぎ材7(ここでは水平板8、鉛直板9を含む)は軸力抵抗要素になり、アングル材4が軸力+剪断力抵抗要素になる。図1(a)中の10は、H形鋼柱1の接合部位に設けた補強リブである。
【0023】
この実施例では、軸力抵抗要素となる、つなぎ材7は下部側にのみ設け、接合をボルト接合にしているので、高度な熟練を要し作業負担も大きい溶接を必要としない簡易な構造にすることができ、従来の溶接による接合構造に比べて、骨組剛性の低下はなく、コスト低減、施工工期の短縮などの観点で有利である。なお、つなぎ材7は、制振機構を有するものであるが、その制振機構についての図1での図示およびここでの説明は省略する。
【0024】
(実施例2)
本発明の実施例2を図2に基づいて説明する。この実施例2は(2)の発明に係るものであり、柱材であるH形鋼の側部に梁材であるH形鋼を、上下の軸力抵抗要素と軸力+剪断力抵抗要素を介してボルト接合したH形鋼柱・H形鋼梁の接合構造である。
【0025】
図2において、1はフランジ1aに複数のボルト孔を有するH形鋼柱、2は、上下フランジ2b、2aおよびウエブ端部に複数のボルト孔を有するH形鋼梁で、その先端のウエブ2uを、一対のアングル材4を介してH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合し、H形鋼梁2の先端から距離x離れた領域で下フランジ2aを、つなぎ材7aの水平板8にボルト6で接合し、このつなぎ材7aの鉛直板9を、H形鋼梁2の下フランジ2aの下面から下方へ距離y離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。
【0026】
また、H形鋼梁2の先端から距離x離れた領域でH形鋼梁2の上フランジ2bを、つなぎ材7bの水平板8にボルト6で接合し、このつなぎ材7bの鉛直板9を、H形鋼梁2の上フランジ2bの上面から上方へ距離ya離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。
【0027】
アングル材4、つなぎ材7a、7bは、実施例1と同様のものである。ただし、上側のつなぎ材7bは、下側のつなぎ材7aとは、上下方向で位置関係が反対の状態で接合される。このつなぎ材7a、7bは、H形鋼柱1とH形鋼梁2にボルト6で接合された状態では、H形鋼柱1の軸に対して角度α傾斜している。ここでは、つなぎ材7a、7b(水平板8、鉛直板9を含む)は軸力抵抗要素になり、アングル材4が軸力+剪断力抵抗要素になる。
【0028】
この実施例ではつなぎ材を一対(7a、7b)設けているので、加工および施工負担が大きく、コスト、施工工期の面では実施例1の場合より不利であるが、骨組剛性が大きく、また、実施例1の場合よりさらに大断面の柱・梁部材の接合を可能とする。なお、つなぎ材7a、7bは、制振機構を有するものであるが、その制振機構についての図2での図示およびここでの説明は省略する。
【0029】
(実施例3)
本発明の実施例3を図3に基づいて説明する。この実施例3は(3)の発明に係るものであり、柱材であるH形鋼の側部に梁材であるH形鋼梁を、下部側の軸力抵抗要素と上部側の軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素を介してボルト接合したH形鋼柱とH形鋼梁の接合構造である。
【0030】
図3(a)において、1はフランジ1aに複数のボルト孔を有するH形鋼柱、2は上下フランジ2b、2aに複数のボルト孔を有するH形鋼梁で、H形鋼柱1のフランジ1aに、下側のつなぎ材7と、上側の三角状つなぎ材11によりボルト6で接合され先端が自由端になっているH形鋼梁である。このH形鋼梁2は、下フランジ2aを、つなぎ材7の水平板8とボルト6で接合し、つなぎ材7の鉛直板9を下フランジ2aの下面から距離y離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。
【0031】
また、H形鋼梁2の先端から距離x離れた領域で上フランジ2bを、三角状つなぎ材11の水平板12にボルト6で接合し、この三角状つなぎ材11の鉛直板13を、上フランジ2bの上面から距離yb離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。
【0032】
つなぎ材7は、実施例1と同様のものである。また、三角状つなぎ材11は、ここでは、図3(b)に示すように、L型材の鉛直板13と水平板12間に三角板11aを形成したものであり、鉛直板13にボルト孔13aを有し、水平板12にボルト孔12aを有するもので厚鋼板を加工して形成されたものである。このつなぎ材7、三角状つなぎ材11は、H形鋼柱1とH形鋼梁2にボルト6で接合された状態では、H形鋼柱1の軸に対して角度α傾斜している。
【0033】
なお、三角状つなぎ材としては、図3(c)に示すように、L型材の鉛直板13と水平板12を厚板や棒鋼、鋼管などの単体または組み合わせによる棒材11pを、H形鋼柱1の軸に対して角度α傾斜させて連結したもので、隅部に空間oを形成したものでもよい。
【0034】
ここでは、つなぎ材7(水平板8、鉛直板9を含む)が軸力抵抗要素になり、三角状つなぎ材11(水平板12、鉛直板13を含む)が軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素になる。この実施例3の接合構造では、軸力抵抗要素となるつなぎ材7を下側に設け、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素となる、三角状つなぎ材11を上側に設けているが、H形鋼梁2の先端は自由端になっているため、加工および施工負担増は軽微である。コスト、施工工期の面では実施例1の場合より不利であるが、特に三角状つなぎ材11による剪断力+曲げ抵抗要素が強固で骨組剛性が大きく実施例1の場合より安定した柱・梁接合構造が得られる。
【0035】
なお、この例ではつなぎ材7を下部側に配設して軸力抵抗要素とし、三角状つなぎ材11を上側に配設して軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素としているが、三角状つなぎ材11と同様のつなぎ材を下部側に配設して軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素とし、つなぎ材7と同様のつなぎ材を上部側に配設して軸力抵抗要素としてもよい。また、つなぎ材7は、制振機構を有するものであるが、その制振機構についての図3での図示およびここでの説明は省略する。
【0036】
(実施例4)
本発明の実施例4を図4、図5に基づいて説明する。この実施例4は、(9)の発明に係るものであり、ここでは、実施例1と同様に、H形鋼柱1のフランジ1aにH形鋼梁2を、軸力抵抗要素となる、つなぎ材14と軸力+剪断力抵抗要素になるアングル材4を介してボルト6で接合した柱・梁接合構造において、大地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し、建物の耐震・耐強風性能を向上させる制振機構による骨組損傷制御構造を具体的に説明したH形鋼柱とH形鋼梁の接合構造である。
【0037】
(実施例4−1)
図4(a)において、14はつなぎ材であり、中間部に制振機構として履歴型ダンパーの1種である摩擦ダンパー15を組み込んだものである。この摩擦ダンパー15は、より具体的には、図4(b)に示すように、つなぎ材本体を長さ方向に71、72に2分割し、この分割つなぎ材71、72を突き合わせ(隙間があってもよいし、吸収材を介在させて突き合わせてもよい)、突き合わせ部を含む領域の両面に、摩擦板16a、16bを当接して分割つなぎ材71、72をボルト17で接合して連結し形成されたものである。この実施例では、つなぎ材14と摩擦板16a、16bとの摩擦力を作用させることにより大地震、強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し、建物の耐震・耐強風性能を向上させることができる。
【0038】
この実施例4−1では、H形鋼柱1、H形鋼梁2、アングル材4、ボルト6に対する、分割つなぎ材71、72、摩擦板16a、16b、ボルト17の強度と、分割つなぎ材71、72と摩擦板16a、16b間の摩擦力を調整し、つなぎ材14による軸力抵抗を調整することにより、つなぎ材14を損傷制御材として機能させ、被災時には被害をつなぎ材14の交換に止め、従来の溶接骨組みの場合にくらべ、補修作業負担、補修コスト負担を軽減し、補修工期を大幅に短縮することが容易になる。
【0039】
(実施例4−2)
図5(a)において、18はつなぎ材であり、中間部に制振機構として粘性型ダンパーの1種であるオイルダンパー19を組み込んだものである。このオイルダンパー19は、より具体的には、図5(b)に示すように、つなぎ材本体を長さ方向に71、72に2分割し、この分割つなぎ材71、72を角筒体(円筒体でも可)20内に挿入して、この角筒体20内で突き合わせ(隙間があってもよいし、粘性材を介在させて突き合わせてもよい)、角筒体20内にオイルを充填した上で摺動可能な状態にしたものである。この実施例では、分割つなぎ材71、72と角筒体20内のオイルとの摺動抵抗力(含む粘性剤)による減衰力を作用させることにより大地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し、建物の耐震・耐強風性能を向上させることができる。
【0040】
この実施例4−2では、H形鋼柱1、H形鋼梁2、アングル材4、ボルル6に対する、つなぎ材18と角筒体20の強度、つなぎ材18と角筒体20の間の摩擦力を調整し、つなぎ材18による軸力抵抗を調整することにより、つなぎ材18を損傷制御材として機能させ、被災時には被害をつなぎ材18の交換に止め、従来の溶接骨組みの場合にくらべ、補修作業負担、補修コスト負担を軽減し、補修工期を大幅に短縮することが容易になる。
【0041】
(実施例5)
本発明の実施例5を図6、図7に基づいて説明する。この実施例5は、(10)、(11)の発明に係るものであり、基本的には、実施例3と同様、柱材であるH形鋼の側部に梁材であるH形鋼梁を、下側の軸力抵抗要素と上側の軸力+剪断力抵抗要素を介してボルト接合したH形鋼柱のH形鋼梁接合構造であるが、下側の軸力抵抗要素、軸力+剪断力曲げ力抵抗要素に座屈補剛構造を配したものであり、特に軸力抵抗要素、軸力+剪断力曲げ力抵抗要素の座屈に対する性能をより安定させ、骨組剛性・強度をより安定にしたH形鋼柱とH形鋼梁の接合構造である。
【0042】
(実施例5−1)
図6(a)において、1はフランジ1aに複数のボルト孔を有するH形鋼柱、2は、上下フランジ2b、2aに複数のボルト孔を有するH形鋼梁で、H形鋼柱1のフランジ1aに、下側のつなぎ材21と、上側の三角状つなぎ材11oによりボルト6で接合され先端が自由端になっている。
【0043】
このH形鋼梁2は、下フランジ2aを、下側つなぎ材7の水平板8とボルト6で接合し、鉛直板9を下フランジ2aの下面から距離y離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。また、H形鋼梁2の先端から距離x離れた領域で上フランジ2bを、三角状つなぎ材11oの水平板12にボルト6で接合し、この三角状つなぎ材11oの鉛直板13を、上フランジ2bの上面から距離yb離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。
【0044】
下側のつなぎ材21は、基本的には実施例3と同様のものであるが、図6(b)に示すように、つなぎ材(本体)7の外周に、角筒状の座屈補剛治具22を配したものであり、つなぎ材(本体)7の外周面と座屈補剛治具22間には、座屈を適度に抑制するために、つなぎ材(本体)7と座屈補剛治具22が効果的に機能分担できる適度の隙間を形成したものである。ここでは、つなぎ材(本体)7と座屈補剛治具22間に潤滑層22oを介在させて、座屈を生じた場合の摩擦低減策を講じている。
【0045】
上側の三角状つなぎ材11oは、厚鋼板を加工して形成されたもので、基本的には図3(b)に示したものをベースとして、図6(c)に示すように、三角状つなぎ材11oの三角板11aの両側に、三角板11aよりやや小さい三角補強板11b、11cを当接してボルト6aで接合した座屈補剛構造を有するものである。
【0046】
この実施例5−1では、下側つなぎ材21(水平板8、鉛直板9を含む)が軸力抵抗要素になり、三角状つなぎ材11o(水平板12、鉛直板13を含む)が軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素になる。この実施例5−1の接合構造では、実施例3との比較で言えば、軸力抵抗要素として座屈補剛治具22付きのつなぎ材21を下側に設け、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素として座屈補剛構造を有する三角状つなぎ材11oを上側に設けているので、座屈補剛治具22、座屈補剛構造の採用に伴い、加工コスト、施工コスト、施工工期の面では実施例3の場合より不利であるが、つなぎ材(本体)7、三角状つなぎ材11oと座屈補剛治具22、座屈補剛構造の機能分担により座屈を適度に抑制(制御)することができ、骨組剛性を大きくするとともに、座屈に対して安定した性能を有するH形鋼柱とH形鋼梁の接合構造が得られる。
【0047】
(実施例5−2)
図7(a)において、1はフランジ1aに複数のボルト孔を有するH形鋼柱、2は、上下フランジ2b、2aに複数のボルト孔を有するH形鋼梁で、H形鋼柱1のフランジ1aに、下側のつなぎ材23と、上側の三角状つなぎ材24によりボルト6で接合され先端が自由端になっている。
【0048】
このH形鋼梁2は、下フランジ2aを、下側つなぎ材23の水平板8とボルト6で接合し、鉛直板9を下フランジ2aの下面から距離y離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト6で接合する。また、H形鋼梁2の先端から距離x離れた領域で上フランジ2bを、三角状つなぎ材24の水平板12にボルト6で接合し、この三角状つなぎ材24の鉛直板13を、上フランジ2bの上面から距離yc離れた領域でH形鋼柱1のフランジ1aにボルト4で接合する。
【0049】
下側のつなぎ材23は、図7(b)に示すように、つなぎ材本体23aの両側端に、座屈を適度に抑制するための座屈補剛用のフランジ23fを形成したI型断面のものである。また、上側の三角状つなぎ材24は、図7(c)に示すように、三角状つなぎ材本体24aの傾斜面に、座屈を適度に抑制するための座屈補剛用のフランジ24fを形成したものである。下側のつなぎ材23および三角状のつなぎ材24は、ここでは、厚鋼板を加工して形成されたものであるが、I形鋼を切断加工して形成してもよい。
【0050】
この実施例5−2では、下側つなぎ材23(水平板8、鉛直板9を含む)が軸力抵抗要素になり、三角状つなぎ材24(水平板12、鉛直板13を含む)が軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素になる。この実施例5−2の接合構造では、実施例3との比較で言えば、軸力抵抗要素として、座屈を適度に抑制するための座屈補剛用のフランジ23fを形成したつなぎ材23を下側に設け、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素として、座屈を適度に抑制するための座屈補剛用のフランジ24fを形成した三角状つなぎ材24を上側に設けるので、加工コスト、施工コスト、施工工期の面では実施例3の場合より不利であるが、座屈補剛構造を有するつなぎ材23と三角状つなぎ材24により、座屈を適度に抑制(制御)することができ、骨組剛性をさらに大きくするとともに、座屈に対してさらに安定した性能を有するH形鋼柱とH形鋼梁の接合構造が得られる。なお、つなぎ材23は、制振機構を有するものであるが、その制振機構についての図7での図示およびここでの説明は省略する。
【0051】
(実施例6)
本発明の実施例6について図8に基づいて説明する。この実施例では柱材として閉鎖断面を有する角形鋼管柱を用い、その側部に梁材であるH形鋼梁を、実施例3と同様、下部側の軸力抵抗要素と上部側の軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素を介してボルト接合した角形鋼管柱とH形鋼梁の接合構造である。
【0052】
図8において、25は側部に複数のボルト孔を有する角形鋼管柱、2は、上下フランジ2b、2aに複数のボルト孔を有するH形鋼梁である。このH形鋼梁2は、下フランジ2aを、下側のつなぎ材23の水平板8とボルト6で接合し、下側のつなぎ材23の鉛直板9を下フランジ2aの下面から距離y離れた領域で角鋼管柱型25にワンサイドボルト5で接合する。
【0053】
また、H形鋼梁2の先端から距離x離れた領域で上フランジ2bを、三角状つなぎ材24の水平板12にボルト6で接合し、この三角状つなぎ材24の鉛直板13を、上フランジ2bの上面から距離yb離れた領域で角鋼管柱型25にワンサイドボルト5で接合する。
【0054】
下側のつなぎ材23および三角状のつなぎ材24は、基本的には実施例5−2と同様のものであり、ここでは、厚鋼板を加工して形成されたものであるが、I形鋼を切断加工して形成してもよい。ここでは、つなぎ材23(水平板8、鉛直板9を含む)が軸力抵抗要素になり、三角状つなぎ材24(水平板12、鉛直板13を含む)が軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素になる。
【0055】
この実施例6の接合構造では、柱材として閉鎖断面を有する角形鋼管柱25を使用しているため、この角形鋼管柱とつなぎ材23の鉛直板8、三角状つなぎ材24の鉛直板12との接合にワンサイドボルト5を使用している点において異なるが、基本的には、実施例5−2と同様の効果が得られる。なお、つなぎ材23は、制振機構を有するものであるが、その制振機構についての図8での図示およびここでの説明は省略する。
【0056】
(実施例7)
本発明の実施例7について図9に基づいて説明する。この実施例では柱材として閉鎖断面を有する角形鋼管柱を用い、その両側部に対称的に梁材であるH形鋼梁を、下部側の軸力抵抗要素と上部側の軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素を介してボルト接合した角形鋼管柱とH形鋼梁の接合構造であり、引張力が作用する抵抗要素(接合要素)の応力を、圧縮側に伝達するメカニズムを考慮し、併せて高価なワンサイドボルトの使用を回避することができる。
【0057】
図9において、25は側部に複数のボルト孔を有する角形鋼管柱、21、22は、上下フランジ2b、2aに複数のボルト孔を有するH形鋼梁であり、それぞれ、角形鋼管柱25の両側部に、下側つなぎ材23と上側の三角状つなぎ材24により対称的にボルト6と長締めボルト26を用いて接合されるものである。このH形鋼梁21、22は、それぞれ下フランジ2aを、下側のつなぎ材23の水平板8とボルト6で接合し、このH形鋼梁21、22の下フランジ2aに接合した下側のつなぎ材23の鉛直板9を、下フランジ2aの下面から距離y離れた領域で、角鋼管柱型25の側部に対称的に当接した状態で、長締めボルト26を、それぞれの鉛直板9と角鋼管柱型25を貫通するように挿通し、この長締めボルト26によって、それぞれの鉛直板9と角鋼管柱型25を接合する。
【0058】
また、H形鋼梁21、22の先端から距離x離れた領域で上フランジ2bを、それぞれ、三角状つなぎ材24の水平板12にボルト6で接合し、この三角状つなぎ材24の鉛直板13を、上フランジ2bの上面から距離yb離れた領域で角鋼管柱型25の両側部に対称的に当接した状態で、長締めボルト26を、それぞれの鉛直板13と角鋼管柱型25を貫通するように挿通し、この長締めボルト26によって、それぞれの鉛直板13と角鋼管柱型25を接合する。
【0059】
下側のつなぎ材23および三角状のつなぎ材24は、基本的には実施例6と同様のものであり、下側のつなぎ材23は、図7(b)に示すように、つなぎ材本体23aの両側端に、座屈を適度に抑制するための座屈補剛用のフランジ23fを形成したI型断面のものである。また、上側の三角状つなぎ材24は、基本的には実施例6と同様のものであり、図7(c)に示すように、三角状つなぎ材本体24aの傾斜面に、座屈を適度に抑制するための座屈補剛用のフランジ24fを形成したI型断面のものである。下側のつなぎ材23および三角状のつなぎ材24は、ここでは、厚鋼板を加工して形成されたものであるが、I形鋼を切断加工して形成してもよい。
【0060】
この実施例7では、下側つなぎ材23(水平板8、鉛直板9を含む)が軸力抵抗要素になり、三角状つなぎ材24が軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素になる。この実施例7の接合構造では、柱材として閉鎖断面を有する角形鋼管柱25を使用しているため、この角形鋼管柱とつなぎ材23の鉛直板9、三角状つなぎ材24の鉛直板13との接合に長締めボルト26を使用している点において異なり、実施例6と同様の効果が得られる他、角形鋼管柱25の両側部に、H形鋼梁21と22を対称的に同様の接合構造によって接合されているので、面外変形拘束治具(リブプレート等)がなくても、柱の面外変形を防止することができ、強固で骨組剛性が大きく、一段と安定した柱・梁接合構造が得られる。
【0061】
また、この角形鋼管柱とつなぎ材23の鉛直板9、三角状つなぎ材24の鉛直板13との接合に、高価なワンサイドボルトを使用せずに、H形鋼梁21と22側を同時的に接合することができ、接合時間を短縮することができる。また、つなぎ材23は、制振機構を有するものであるが、その制振機構についての図9での図示およびここでの説明は省略する。
【0062】
なお、本発明は、上記の各実施例の内容に限定されるものではない、例えば、柱材条件、梁材条件、軸力抵抗要素、剪断力抵抗要素、軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素等の材質および構造条件、各抵抗要素の制振および座屈補剛構造(含む形状、材質、)条件、各抵抗要素と柱および梁との接合条件、接合部配置条件等は、建物構造、規模、適用対象部位、柱材条件、梁条件、骨組の要求強度、周囲条件等に応じて、上記請求の範囲を満足する範囲内で選択されるもので、変更のあるものである。
【0063】
【発明の効果】
本発明においては、ブレースを配置しない高剛性骨組として設計の自由度を大きくすることができ、梁部材の断面のサイズを小さくしても骨組剛性を強化でき、かつ、柱・梁部材の加工および施工の工数を節減できる。また、柱・梁に対する軸力抵抗要素または軸力抵抗要素と軸力+剪断力+曲げ力抵抗要素により骨組損傷制御が可能で、大地震や強風による被災時には被害を極力、抵抗要素(接合要素)に止め、この抵抗要素(接合要素)の交換のみの補修に止めて補修作業負担、補修コストを軽減し、補修工期を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図のつなぎ材の立体説明図、(c)図は、(a)図のアングル材の立体説明図。
【図2】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図。
【図3】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図の三角状つなぎ材の立体説明図、(c)図は、他の三角状つなぎ材の立体説明図。
【図4】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図のつなぎ材の平面部分説明図。
【図5】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図のつなぎ材の一部切欠断面平面説明図。
【図6】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図のつなぎ材の部分平面一部切欠断面説明図、(b)図は、(a)図の三角状つなぎ材の立体説明図。
【図7】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す側面説明図、(b)図は、(a)図のつなぎ材のAa−Aa断面説明図、(c)図は、(a)図の三角状つなぎ材の立体説明図。
【図8】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す一部切欠断面側面説明図。
【図9】(a)図は、本発明の柱・梁の接合構造の他の実施例を示す一部切欠断面側面説明図。
【図10】従来の柱・梁の接合構造例を示す側面説明図。
【図11】従来の他の柱・梁の接合構造例を示す側面説明図。
【符号の説明】
1 H形鋼柱
1a フランジ
1p 角形鋼管柱
2 H形鋼梁
2a 下フランジ
2b 上フランジ
2u ウエブ
21、22 H形鋼梁
3 取付板
w 溶接
4s スプリットティー
4a、4b ボルト孔
4c 鉛直板
4d 梁取付板
4 アングル材
5 ワンサイドボルト
6 ボルト
7 つなぎ材
71、72 分割つなぎ材
8 水平板
8a ボルト孔
9 鉛直板
9a ボルト孔
10 補強リブ
11、11o 三角状つなぎ材
11a 三角板
11b、11c 三角補強板
12 水平板
12a ボルト孔
13 鉛直板
13a ボルト孔
14 つなぎ材
15 摩擦ダンパー
16a、16b 摩擦板
17 ボルト
18 つなぎ材
19 オイルダンパー
20 角筒体
21 つなぎ材
22 座屈補剛治具
22o 潤滑層
23 つなぎ材
23a つなぎ材本体
23f フランジ
24 三角状つなぎ材
24f フランジ
25 角形鋼管柱
26 長締めボルト
Claims (13)
- 鋼製柱と鋼製梁との接合構造において、鋼製梁の先端部が、鋼製梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する接合要素を介して柱に緊結されており、なおかつ、梁の一方のフランジが、鋼製梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する前記接合要素の取付部より後端側で主に軸力が作用する方づえ状の接合要素を介して柱に緊結されており、主に軸力が作用する該方づえ状の接合要素が、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し建物の耐震・耐風性能を向上させる制振機構を有するものであることを特徴とする、高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 鋼製柱と鋼製梁との接合構造において、鋼製梁の先端部が、鋼製梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する接合要素を介して柱に緊結されており、なおかつ、梁の両フランジが、鋼製梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する前記接合要素の取付部より後端側で主に軸力が作用する方づえ状の接合要素を介して柱に緊結されており、主に軸力が作用する該方づえ状の接合要素が、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し建物の耐震・耐風性能を向上させる制振機構を有するものであることを特徴とする、高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 鋼製柱と鋼製梁との接合構造において、鋼製梁の一方のフランジが、主に軸力が作用する方づえ状の接合要素を介して柱に緊結されており、他方のフランジが、水平板、鉛直板、つなぎ材により構成されかつ水平板と鉛直板を一体化してなる軸力+剪断力+曲げ力が作用する接合要素を介して柱に緊結されており、主に軸力が作用する前記方づえ状の接合要素および軸力+剪断力+曲げ力が作用する前記接合要素が、地震や強風時に建物に入力されるエネルギーを吸収し建物の耐震・耐風性能を向上させる制振機構を有するものであることを特徴とする、高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記各接合要素と鋼製梁、および前記各接合要素と鋼製柱とが、ボルトにより緊結されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 主に軸力が作用する前記方づえ状の接合要素および/または軸力+剪断力+曲げ力に抵抗する前記接合要素が、水平板、鉛直板、つなぎ材により構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記制振機構が、接合要素の前記つなぎ材に組み込まれた履歴型ダンパーによって形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記接合要素のつなぎ材が、柱・梁部材より降伏点の低い鋼材であることを特徴とする、請求項6に記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記制振機構が、接合要素の前記つなぎ材に組み込まれた粘性型ダンパーによって形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記接合要素の水平板、鉛直板が柱・梁部材よりも降伏点の高い鋼材で形成されていることを特徴とする、請求項5〜請求項8のいずれかに記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記接合要素のつなぎ材が、つなぎ材本体との間に潤滑層を介在させて座屈拘束用治具を配したものであることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記接合要素のつなぎ材が、座屈補剛構造を有するものであることを特徴とする、請求項5〜請求項10のいずれかに記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 前記鋼製柱と鋼製梁の接合構造が、鋼製柱の1以上の側部において、少なくとも1箇所以上の箇所で適用されていることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
- 鋼製柱の両側部に接合する、主に軸力が作用する方づえ状の接合要素、鋼製梁に作用する軸力+剪断力に対して主に抵抗する接合要素、軸力+剪断力+曲げ力が作用する接合要素の鉛直板どうしを、該鉛直板と鋼製柱に貫通させて挿通した共通の長締めボルトで緊結したことを特徴とする、請求項12に記載の高剛性かつ軽量で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造。
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