JP3629605B2 - 金属缶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、缶口部に、頂板と頂板の周縁から下方向に延びる側壁とからなる合成樹脂製の帽子状の外蓋が冠着されている金属缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来金属缶の缶口部付近の内側に仕切板(又は仕切フィルム)を固着する為に環状鍔を設けることがあったが、この場合には、別製の鍔部材を缶口部内側へ嵌挿固着していた。
また、従来、缶口部に、頂板と頂板の周縁から下方向に延びる側壁とからなる合成樹脂製の帽子状の外蓋が冠着されている金属缶であって、当該外蓋の頂板の下面に、摺り切り片が設けられていると共に、当該外蓋の頂板の摺り切り片が設けられている位置に近接してヒンジ部が、摺り切り片と平行に設けられ、ヒンジ部によって区画された頂板の前記摺り切り片が設けられている側の外蓋が缶口部に冠着されている状態で、頂板の他方の側が前記ヒンジ部を介して回動して缶口部の開閉が行われる金属缶であって、前記ヒンジ部によって区画された頂板の前記摺り切り片が設けられている側の外蓋の缶口部への安定的な冠着状態を維持しつつ前記頂板の他方の側の前記ヒンジ部を介した回動による缶口部の開閉を行わせる具体的な構造に関する提案はされていなかった。
【0003】
【発明により解決しようとする課題】
この発明は、缶口部に、頂板と頂板の周縁から下方向に延びる側壁とからなる合成樹脂製の帽子状の外蓋が冠着されている金属缶であって、当該外蓋の頂板の下面に、摺り切り片が設けられていると共に、当該外蓋の頂板の摺り切り片が設けられている位置に近接してヒンジ部が、摺り切り片と平行に設けられ、ヒンジ部によって区画された頂板の前記摺り切り片が設けられている側の外蓋が缶口部に冠着されている状態で、頂板の他方の側が前記ヒンジ部を介して回動して缶口部の開閉が行われる金属缶であって、前記ヒンジ部によって区画された頂板の前記摺り切り片が設けられている側の外蓋の缶口部への安定的な冠着状態を維持しつつ、前記頂板の他方の側の前記ヒンジ部を介した回動による缶口部の開閉を行わせることのできる金属缶を提案することを目的としている。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
然るにこの発明は、缶胴の上端開口縁が内側または外側に巻曲げされて玉縁に形成され、該玉縁が形成された上端開口縁付近の缶胴内側に環状鍔が缶胴と一体に形成されていると共に、該環状鍔上に中央仕切り板の周縁が取り付けられ、前記内側または外側に巻曲げされて玉縁に形成されている上端開口縁で形成される缶口部に、合成樹脂製の帽子状の外蓋が冠着されてなる金属缶であって、前記合成樹脂製の帽子状の外蓋は、頂板と頂板の周縁から下方向に延びる側壁とからなり、当該側壁は、その内周壁に前記缶口部外周壁に掛止される突部を有すると共に、当該突部が形成されている部分より下側に環状切り取り線部が形成されているものであって、当該環状切り取り線部を介して前記側壁の下側に環状封緘帯が連設されており、前記頂板は下面に突設された摺り切り片を備えていると共に、該摺り切り片に平行に延びて、弓の弦状に頂板を横切って両端が頂板の周縁に達するヒンジ部を有し、前記ヒンジ部によって区画される頂板の前記摺り切り片が配備されている側の頂板のヒンジ部の前記両端に近接した位置における前記側壁内周壁に近接する位置に、それぞれ、下方向に向けて突部が設けられ、当該突部と前記側壁内周壁との間で、外蓋が缶口部に冠着されている際に缶口部を挟み付けることを特徴とする金属缶によって前記課題を解決したのである。
【0005】
削除
【0006】
前記の金属缶を製造するにあたっては、金属缶胴の上端開口部を縮径しつつ外方へ延伸して成形した小径缶口の開口部付近の缶胴壁を缶胴内側方向へ加圧凹入させて環状凹入部を形成した後、前記環状凹入部を缶胴中心と並行の方向から加圧して扁平化することにより環状鍔を缶胴と一体に成形することができる。この場合、環状凹入部を形成する前又は環状凹入部を形成した後に、前記小径缶口部の端縁を内側又は外側に巻曲することもできる。
【0007】
前記製造方法において、缶胴の口部側へ小径缶口部を成形する際には、縮径しつつ外方へ延伸加工するので、缶口部の肉厚は殆んど変化なく(当然のこと乍ら皺もよらない)、所望の小径缶口部を得ることができる。同様にして、環状鍔も缶胴内側へ環状凹入部を設けるのであるから、縮径により皺を生じるおそれなく、かつ環状鍔は扁平2重状になって、きわめて強度の高い補強鍔ともなる利点がある。前記のように、加工による缶口材料の肉厚化又は強度低下のおそれなく、却って缶口部を補強し、外力に対し、十分の剛性を保有するので、比較的薄肉の缶材料でも十分使用し得る利点が付加される。
【0008】
前記外蓋のヒンジ部は、外蓋の頂板における薄肉部によって構成し、外蓋の一側を当該ヒンジ部を支点として開閉自在とするものである。また外蓋の側壁下部側には環状切取線部を介して環状に封緘帯を連設し、該封緘帯には摘み片が設けられている。更に、前記外蓋を構成する側壁の前記環状切取線部より上側の内周壁に、あるいは外蓋側壁の内周壁に近接する頂板の下方向に、玉縁と掛止する突部又は突条が設けてある。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、内側又は外側に巻曲させて玉縁に形成した缶口部付近の缶胴内側へ缶胴と一体に環状鍔を成形したので、缶材料を節約したにも拘らず、缶口部を著しく補強した金属缶を提供することができる。
【0010】
またこの発明によれば、金属缶胴の上端開口部を縮径しつつ外方へ延伸して成形した小径缶口の開口部付近の缶胴を缶胴内側方向へ加圧凹入させて環状凹入部を形成した後、前記環状凹入部を缶胴中心と並行の方向から加圧して扁平化することにより環状鍔を缶胴と一体に成形するので、従来の金属缶の成形工程を一部変更することにより同一製造ラインで缶口部付近の内側へ缶胴と一体に環状鍔が成形されている缶の全体を成形し得る特質がある。すなわち、この発明によれば、環状鍔を成形あるいは取り付けるための製缶工程が不必要となり、同一製造ラインで全体を成形し得る特質がある。
更に、この発明によれば、缶口部に冠着される、頂板と頂板の周縁から下方向に延びる側壁とからなる合成樹脂製の帽子状の外蓋は、前記側壁が、その内周壁に前記缶口部外周壁に掛止される突部を有すると共に、当該突部が形成されている部分より下側に環状切り取り線部が形成されているものであって、当該環状切り取り線部を介して前記側壁の下側に環状封緘帯が連設されており、前記頂板は下面に突設された摺り切り片を備えていると共に、該摺り切り片に平行に延びて、弓の弦状に頂板を横切って両端が頂板の周縁に達するヒンジ部を有し、前記ヒンジ部によって区画される頂板の前記摺り切り片が配備されている側の頂板のヒンジ部の前記両端に近接した位置における前記側壁内周壁に近接する位置に、それぞれ、下方向に向けて突部が設けられ、当該突部と前記側壁内周壁との間で、外蓋が缶口部に冠着されている際に缶口部を挟み付けるものである。
そこで、本発明の金属缶に収容されている内容物を使用する時には、封緘帯を環状の切取線部の位置において切り取った後、外蓋の側壁内周壁に設けられている突部が缶口部外周壁に掛止していることによって外蓋を缶口部に冠着させたまま、外蓋のヒンジ部によって区画されている頂板の前記摺り切り片が配備されていない側をヒンジ部を中心として折り曲げて開蓋し、外蓋の頂板下面に設けられている摺り切り片によりスプーンに収容した内容物を摺り切りながら、スプーンによる1回の取出し量を正確に計量して、内容物を取り出すことができる。そして、内容物取出し後は、開蓋のためにヒンジ部を中心として折り曲げていた帽状の外蓋の前記摺り切り片が配備されていない側の頂板部分を再び冠着し、密封することができる。ここで、頂板のヒンジ部によって区画されている前記摺り切り片が配備されていない側をヒンジ部を中心として折り曲げて開蓋している際、前記ヒンジ部によって区画される頂板の前記摺り切り片が配備されている側のヒンジ部の両端に近接した位置における前記側壁内周壁に近接する位置に、それぞれ、下方向に向けて突部が設けられていて、当該突部と前記側壁内周壁との間で缶口部を挟み付けるので、安定的な冠着状態を維持しつつ、帽状の外蓋のヒンジ部によって区画されている前記摺り切り片が配備されていない頂板部分側をヒンジ部を中心として折り曲げて開閉動作を行わせることができる。
【0011】
【実施例1】
図1、3に基づいて、この発明の金属缶の缶胴部を成形する工程を説明する。
【0012】
缶体1の缶口部2の上端縁を外側に巻曲して玉縁10aにすると共に、缶口部2付近の下側における缶体の側壁を内側へ加圧して環状凹入部を形成し、これを扁平化して缶胴と一体成形した環状鍔3を設けた金属缶4である(図1)。
【0013】
この金属缶4は、内容物を収容し、前記環状鍔3に中仕切り板としての中仕切りフィルム5(又は箔)を貼着(又は熱溶着)によって取り付けて密封する。
【0014】
缶体1の上側の缶口部2には、帽状の外蓋6、好ましくは、合成樹脂によって製造された帽状の外蓋6、が冠着される(図3)。外蓋6はその側壁の内周壁に突部7aを備えており、これによって外側に巻曲されて玉縁10aに形成されている缶体1の上側の缶口部2に掛止されている(図3)。また、図3中、符号7で表される部分は、外蓋6の側壁下部側に環状切取線部7bを介して連設されている環状の封緘帯であって、該封緘帯7を除去しなければ、外蓋6を金属缶4から取外すことはできない。
【0015】
外蓋6の頂板の下面には、弦状に摺り切り片27が突設されており、金属缶4内に収容されている内容物をスプーン等で掬い取った際に、当該摺り切り片27を利用して摺り切りを行い、1回の取出し量を正確に計量することができる。外蓋6の頂板の摺り切り片27が設けられている位置に近接してヒンジ部28が、摺り切り片27と平行に設けられている。このようにヒンジ部28が設けられていることによって、図3中、ヒンジ部28が設けられている位置より右側にある外蓋6の部分は、外蓋6の側壁内周壁の突部7aと缶体1の缶口部2の玉縁10aとによる掛止によって、外蓋6の図3中ヒンジ部28が設けられている位置より左側の部分を、缶体1の缶口部2に冠着させたまま、矢示29のように移動させて開閉することができる。
【0016】
ヒンジ部28は外蓋6の頂板の肉薄部として形成することができ、例えば、摺り切り片27が設けられている位置に近接する外蓋6の頂板の上面において摺り切り片27と平行に刻設された溝として構成することができる。
【0017】
前記のようにヒンジ部28は、図3中、ヒンジ部28が設けられている位置より右側にある外蓋6の部分を開閉させる際の中心となるものであるから、弓の弦状に外蓋6の頂板を横切るように構成されている必要がある。一方、摺り切り片27は、スプーン等で内容物を掬い取った際に、正確に計量するために使用されるものであるから、これを可能とすることのできる横幅を有すれば十分であり、必ずしも外蓋6の頂板を横切るように構成される必要はない。
【0018】
前記においては、内容物を収容する前に底板16を缶体1の下側缶口部に巻締め固定したが、これとは異なり、環状鍔3に中仕切りフィルム5(又は箔)を貼着し(又は熱溶着し)、合成樹脂製の外蓋6を缶体1の上側の缶口部2に冠着した状態で、底板16と組み合わせてユーザーに納品し、ユーザー側において、内容物を缶体1の下側缶口部の方向から装入し、その後、底板16を缶体1の下側缶口部に巻締め固定することもできる。
【0019】
【実施例2】
この発明の実施例を、図4、5、6、について説明する。
【0020】
缶体の缶口部の上端縁を内側に巻曲して玉縁10bとし、その下部の側壁を、内側へ加圧して環状凹入部を形成し、該環状凹入部を扁平化して缶胴と一体に環状鍔3を設けて金属缶4を構成する。該金属缶4の缶口部2へ帽状の外蓋17、好ましくは合成樹脂製の帽状の外蓋17を冠着する。帽状の外蓋17の側壁下部側には、環状切取線部24を介して環状の封緘帯18が連設されている。封緘帯18には摘み片19が設けられており、摘み片19を摘んで、封緘帯18を前記環状切取線部24において帽状の外蓋17の側壁から切り離す。このようにして封緘帯18を除去した後でなければなければ、帽状の外蓋17を金属缶4の缶口部2から取外すことはできない。
【0021】
なお、外蓋17における頂板25の側壁内周壁に近接する位置には、下方向に向けて複数の突部23、23、23が設けられており、これが缶口部の玉縁10bと係合し、外蓋17の側壁内周壁との間で缶口部2を挟み付けることによって、前記のように封緘帯18を切り離した後の、帽状の外蓋17の缶口部2への冠着状態が維持されることになる。複数の突部23、23、23は、所定の間隔をおいて設けた突部とせずに、1本の突条とすることもできる。
【0022】
環状鍔3には、摘み片20を有する中仕切り板としての中仕切りフィルム5が貼着(又は熱溶着)されて取り付けられている。中仕切り板であるところの中仕切りフィルムはアルミニュウム箔、ビニール樹脂製のフィルムなどによって構成することができる。
【0023】
帽状の外蓋17の頂板25の下面には、弦状に摺り切り片21が突設されており(図6、図7)、また、頂板25の摺り切り片21が設けられている位置に近接してヒンジ部22が、摺り切り片21と平行に設けられている。ヒンジ部22は外蓋17の頂板25の肉薄部として形成することができ、例えば、摺り切り片21が設けられている位置に近接する外蓋17の頂板25の上面において摺り切り片21と平行に刻設された溝として構成することができる。
【0024】
この実施例の金属缶4は、底板(図示していない)をセットしてユーザーに販売される。ユーザーは金属缶4に内容物を収容した後、前記底板と缶胴の下端とを巻締め密封して缶入り製品を出荷する。
【0025】
前記缶入り製品の内容物を使用する時には、摘み片19(図7)を引張り、封緘帯18を環状の切取線部24の位置において切り取った後、外蓋17の一側17b(図6)を複数の突部23、23と玉縁10bとの掛合によって缶口部2へ冠着させたまま、外蓋17の他側17a(図6)をヒンジ部22を中心として矢示26のように折り曲げて開蓋し(図7)、通常の要領により、内容物をスプーンで取り出す。この場合に、摺り切り片21によりスプーンを摺り切れば、1回の取出し量を正確に計量することができる。内容物取出し後は、帽状の外蓋17の一側17aを再び冠着し、密封する。
【0026】
なお、前記のように、帽状の外蓋17の一側17bを缶口部2に冠着させたまま、ヒンジ部22を中心として帽状の外蓋17の他側17aを矢示26(図7)又はその逆の方向に移動させて缶体の開閉を行うので、安定的な冠着状態を維持しつつ帽状の外蓋17の他側17aの開閉を行わせるべく、複数の突部23の中の少なくとも2個を、図6において符号23a、23bで表されるように、ヒンジ部22に近接させた位置に設けておくことが好ましい。
【0027】
前記のようにヒンジ部22は、帽状の外蓋17の一側17aを開閉させる際の中心となるものであるから、弓の弦状に外蓋17の頂板25を横切るように構成されている必要がある(図6)。一方、摺り切り片21は、スプーン等で内容物を掬い取った際に、正確に計量するために使用されるものであるから、これを可能とすることのできる横幅を有すれば十分であり、必ずしも、図6図示のように、外蓋17の頂板25を横切るように構成される必要はない。
【0028】
【実施例3】
この発明の金属缶の缶胴部の製造工程を図2に基づいて説明する。
【0029】
金属缶を製造する為の薄板8により、通常の要領で筒状の缶体1を成形し、ついで缶口予定部2aを縮径しつつ外方へ、すなわち矢示9の方向へ延伸して、所定高さの缶口部2を形成する。次に缶口端を巻曲げして玉縁10aを形成した後、缶口部2の下側付近を矢示11の方向へ加圧して環状凹部12aを形成する。これによって缶体1の缶胴壁内側では、環状の凸部12bが形成されていることになる。ついで下型13と、上型14とで前記環状凹部12a、すなわち缶胴壁内側における環状の凸部12bを挾着した状態で、環状凹部12a(すなわち、環状凸部12b)を、缶胴中心と並行の方向から加圧して偏平化する。この実施例においては、上型14を図2中、矢示15のように加圧する。これによって、2重の扁平な環状鍔3が缶胴と一体に成形されて、この発明の金属缶4が完成する。この際、図2に示されているように、環状鍔3は偏平2重状となるので、極めて強度の高い一体成形環状鍔となる。
【0030】
図2図示の例においては、缶口部2の缶口端を外側に巻曲げして玉縁10aを形成したが、内側に巻曲げして図5図示のような玉縁10bを形成する構成にすることももちろん可能である。
【0031】
また、この例においては、玉縁10aを形成した後に、缶口部2の下側付近を矢示11の方向へ加圧して環状凹部12aを形成し、環状鍔3を缶胴と一体に成形する工程を採用したが、この工程を入れ替え、缶口部2の下側付近を矢示11の方向へ加圧して環状凹部12aを形成し、環状鍔3を缶胴と一体に成形した後に、缶口端を巻曲げして玉縁10a、あるいは10bを形成する工程とすることももちろん可能である。いずれの順序・工程を採用しても、缶口部付近の内側へ環状鍔を缶胴と一体に成形した金属缶を同一製造ラインで効率よく製造し得るという本発明の作用、効果に相違はない。
【0032】
前記金属缶4は、前記環状鍔部3をアルミニュウム箔などの中仕切板で塞ぎ、缶口上端部に合成樹脂製の外蓋6を冠着し、これに底板16をセットして金属缶のユーザーに販売される。ユーザーは、金属缶4に内容物を充填後、底板16と缶胴の下端開口とを巻締め密封して、缶入りの製品とする。
【0033】
前記実施例によれば、缶体1の缶口予定部を縮径すると共に外方へ、すなわち図2中、上方へ延伸して缶口部2を形成し、ついで缶口部下側付近に環状凹部12a(すなわち、缶体1の缶胴壁内側における環状の凸部12b)を設け、これを加圧、偏平化して缶胴と一体になった環状鍔3を成形するので、余分の材料を要することなく、同一製造ラインにより、環状鍔付きの金属缶4を製造することができる。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、缶口部付近の内側へ環状鍔を一体成形したので、内仕切り及び密封ができると共に、缶口部を著しく補強する効果がある。
【0035】
またこの発明によれば、余分の材料を使用することなく、缶口部付近の内側へ環状鍔を缶胴と一体に成形した金属缶を同一製造ラインで効率よく製造し得る効果がある。前記製造方法によれば、缶口部の肉厚が特に薄くなるおそれなく、また皺を生じるおそれもなく、外観良好な金属缶を連続製造することができる効果がある。
更に、この発明によれば、本発明の金属缶に収容されている内容物を使用する時には、封緘帯を環状の切取線部の位置において切り取った後、外蓋の側壁内周壁に設けられている突部が缶口部外周壁に掛止していることによって外蓋を缶口部に冠着させたまま、外蓋のヒンジ部によって区画されている頂板の前記摺り切り片が配備されていない側をヒンジ部を中心として折り曲げて開蓋し、外蓋の頂板下面に設けられている摺り切り片によりスプーンに収容した内容物を摺り切りながら、スプーンによる1回の取出し量を正確に計量して、内容物を取り出すことができる。そして、内容物取出し後は、開蓋のためにヒンジ部を中心として折り曲げていた帽状の外蓋の前記摺り切り片が配備されていない側の頂板部分を再び冠着し、密封することができる。ここで、頂板のヒンジ部によって区画されている前記摺り切り片が配備されていない側をヒンジ部を中心として折り曲げて開蓋している際、前記ヒンジ部によって区画される頂板の前記摺り切り片が配備されている側のヒンジ部の両端に近接した位置における前記側壁内周壁に近接する位置に、それぞれ、下方向に向けて突部が設けられていて、当該突部と前記側壁内周壁との間で缶口部を挟み付けるので、安定的な冠着状態を維持しつつ、帽状の外蓋のヒンジ部によって区画されている前記摺り切り片が配備されていない頂板部分側をヒンジ部を中心として折り曲げて開閉動作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の外蓋が冠着されていない状態の一部を省略し、一部を切断した正面図。
【図2】同じくこの発明の実施例の缶胴部分の製造工程を説明する流れ図。
【図3】同じくこの発明の実施例の一部を切断し、一部を省略した正面図。
【図4】同じく他の実施例の開蓋平面図。
【図5】同じく開蓋状態の一部を省略した断面図。
【図6】同じく開蓋状態の平面図。
【図7】同じくこの発明の実施例の一部を省略した一部断面図。
【符号の説明】
1 缶体
2 缶口部
3 環状鍔
4 金属缶
5 中仕切り板
6、17 外蓋
7、18 封緘帯
8 薄板
10a、10b 玉縁
12a 環状凹部
21 摺り切り片
22、28 ヒンジ部
25 頂板
Claims (1)
- 缶胴の上端開口縁が内側または外側に巻曲げされて玉縁に形成され、該玉縁が形成された上端開口縁付近の缶胴内側に環状鍔が缶胴と一体に形成されていると共に、該環状鍔上に中央仕切り板の周縁が取り付けられ、前記内側または外側に巻曲げされて玉縁に形成されている上端開口縁で形成される缶口部に、合成樹脂製の帽子状の外蓋が冠着されてなる金属缶であって、
前記合成樹脂製の帽子状の外蓋は、頂板と頂板の周縁から下方向に延びる側壁とからなり、
当該側壁は、その内周壁に前記缶口部外周壁に掛止される突部を有すると共に、当該突部が形成されている部分より下側に環状切り取り線部が形成されているものであって、当該環状切り取り線部を介して前記側壁の下側に環状封緘帯が連設されており、
前記頂板は下面に突設された摺り切り片を備えていると共に、該摺り切り片に平行に延びて、弓の弦状に頂板を横切って両端が頂板の周縁に達するヒンジ部を有し、
前記ヒンジ部によって区画される頂板の前記摺り切り片が配備されている側の頂板のヒンジ部の前記両端に近接した位置における前記側壁内周壁に近接する位置に、それぞれ、下方向に向けて突部が設けられ、当該突部と前記側壁内周壁との間で、外蓋が缶口部に冠着されている際に缶口部を挟み付ける
ことを特徴とする金属缶。
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