JP3617630B2 - 双方向放送方法および双方向の受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電話回線による応答に好適な、双方向放送方法および双方向放送の受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビショッピング、アンケート調査や、視聴者参加型のクイズ番組などにおいて、テレビジョン放送側で、その応答のための受付電話番号が、適宜の時間だけ、スーパーインポーズで画面に表示され、視聴者からの応答は、電話やファクシミリによって行なうようにした双方向放送がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のような双方向放送番組への応答のために、視聴者が受付電話番号に宛てて発信する場合、従来は、回線が混雑して電話がかかりにくい、口頭での応答に時間がかかって、その分、視聴者の回線使用料の負担が増えたり、回線に負荷をかけてしまうという問題があった。
【0004】
このような、双方向放送の応答時の回線の問題を解消するために、近時、テレゴングと呼ばれるサービスが電話会社により提供されるようになった。
【0005】
このテレゴングは、視聴者参加型のクイズ番組などにおいて、1つの設問に対する複数の回答ごとに、受付のための電話番号がそれぞれ割り付けられて、個々の電話番号に対する着信の回数、即ち、視聴者からの応答の件数を発呼側のそれぞれの電話局側でカウントし集計して、放送局側に通知するサービスであって、着信時点で、実質的な応答送信完了となり、回線を切断することができて、着信後の応答データ送受信による電話回線への負荷が軽減されると共に、視聴者側は、着信直後にオンフックすることができるので、回線使用料の負担が軽減される。
【0006】
しかしながら、テレゴングの場合は、例えば、「1」という応答を送信するために、0180−XX−XXXXのような、テレゴングの長い電話番号をダイヤルしなければならないので、番号の記憶違いによる間違いも発生しやすく、無駄な回線使用料の負担を強いる結果になっている。
【0007】
また、テレゴングの場合は、着信直後に回線を切断することができるにも拘わらず、視聴者は、テープで流されるテレゴングのメッセージを聞き、テレゴング側から回線を切断されるまで、回線を解放しないことが多いという問題もあった。
【0008】
一方、視聴者が受付電話番号を間違えて発信してしまった場合は、電話回線に無駄な負荷がかかると共に、受付電話番号に類似する電話番号を持っている第三者は、無関係な電話を頻繁にかけられて、甚だ迷惑するという問題があった。
【0009】
このような応答先の電話番号のかけ間違いを防止するために、放送側では、双方向放送のアクセス用データなどの番組関連情報を、主放送信号に多重して放送し、受信側では、復調した放送信号から分離した多重された番組関連情報をメモリに記憶しておき、双方向放送の自動応答ダイヤルなどに利用することが考えられる。
【0010】
しかしながら、この方法においても、放送の受信状態が悪いことなどにより、応答先の電話番号が正しく受信されないおそれがあり、依然として、間違い電話の問題が残る。
【0011】
かかる点にかんがみ、この発明の目的は、視聴者の間違い電話による、第三者の迷惑と、無駄な回線負荷とを、容易かつ確実に回避することができる双方向放送方法および双方向放送の受信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1の発明による双方向放送方法は、
放送側から受信者の応答を促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送側からは、上記応答返信先の無鳴動応答機能の有無を識別する応答機能識別情報を主放送信号に多重して放送し、
上記受信側では、受信信号から上記応答機能識別情報を分離して保存し、上記無鳴動応答機能に対応する所定の番号を上記応答返信先の電話番号の前に発呼すると共に、上記応答返信先の呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明による双方向放送の受信装置は、
放送信号を受信する受信手段と、放送側からの設問などに対する応答の情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信する送信手段とを備える双方向放送の受信装置において、
受信した放送信号に多重された上記応答返信先の無鳴動応答機能の有無を識別する応答機能識別情報を分離し再生する分離再生手段と、
再生された応答機能識別情報を取り込む手段と、
取り込まれた上記応答機能識別情報に基づいて、上記無鳴動応答機能に対応する所定の番号を上記応答返信先の電話番号の前に発呼する手段と、
上記応答返信先の呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明による双方向放送方法は、
放送側からの設問に対する複数の応答の選択を受信者に促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送側からは、上記複数の応答に対応する複数の応答返信先の有無を識別する複数返信先識別情報を主放送信号に多重して放送し、
上記受信側では、受信信号から上記複数返信先識別情報を分離して保存し、上記電話回線を通じて上記複数の応答返信先の選択呼出をすると共に、上記複数の応答返信先の選択呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明による双方向放送の受信装置は、
放送信号を受信する受信手段と、放送側からの設問などに対する複数の応答の選択情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信する送信手段とを備える双方向放送の受信装置において、
受信した放送信号に多重された上記複数の応答に対応する複数の応答返信先の有無を識別する複数返信先識別情報を分離し再生する分離再生手段と、
再生された複数返信先識別情報を取り込む手段と、
取り込まれた上記複数返信先識別情報に基づいて、上記送信手段により上記複数の応答返信先の選択呼出をする手段と、
上記複数の応答返信先の選択呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0016】
無鳴動応答ないし無鳴動呼出は、NRS(No Ringing Service) 信号を用いる、電話回線網を通じての自動検針システムや、NCNG(No CalliNG tone) 信号を用いる、「Fネット」と呼ばれる専用のネットワークでのファクシミリ通信がよく知られている。
【0017】
この発明では、放送局側では、その無鳴動応答に関する情報をも副放送情報に加えて放送すると共に、受信機側では、設置された地域の電話交換局が無鳴動呼出可能か否かを受信機に設定する。そして、応答返信先が無鳴動応答機能を有し、かつ、受信機設置地域の電話交換局が無鳴動呼出可能な交換局である場合は、放送側から送られる機能識別情報に基づいて、受信側からは、無鳴動呼出の番号を発呼してから、応答返信先の電話番号を発呼することにより、交換局から、応答返信先の機能に対応する無鳴動の呼出信号が送信され、所定の機能を有する応答返信先だけに着信して、間違い電話による迷惑が回避されると共に、選択された応答に対応する応答返信先へ自動ダイヤルすることにより、間違い電話が回避される。また、着信直後に回線が切断されるため、回線負荷が軽減される。
【0018】
また、放送側が、複数の応答に対応する複数の応答返信先を有する場合は、放送側から送られる返信先識別情報に基づいて、受信側から、複数の応答返信先が選択的に呼出されて、間違い電話が少なくなり、着信直後に回線が切断されるため、回線負荷が軽減される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明による双方向放送方法及び双方向放送の受信装置の実施の形態について説明する。この例においては、放送局側では、副放送情報としての番組関連情報をDTMF(Dual Tone Multi-Frequency)信号系式の信号の構成として、主放送オーディオ信号に多重化(混声)して放送する。一方、受信側では、受信した放送オーディオ信号からDTMF信号を分離・デコードして、番組関連情報を再生し、メモリに記憶して、サービス局などとの電話通信や番組予約などに利用する。
【0020】
そして、この例においては、放送局側の電話受信設備の無鳴動応答機能に関する情報も、上述の副放送情報として放送する。
【0021】
[無鳴動呼出]
まず、電話のベルを鳴らさない、無鳴動応答ないし無鳴動呼出の電話通信システムについて説明する。
【0022】
例えば、電気・ガス・水道などの自動検針システムでは、NRS(No Ringing Service) 信号による無鳴動着信機能を備えたモデムをメータに内蔵されることにより、電話回線を通じての検針を可能としている。
【0023】
NRS信号は、2080Hzの単一トーン信号であって、加入者が相手方の番号をダイヤルする前に、識別用の特定の番号をダイヤルすることにより、交換局から発信される。
【0024】
また、ファクシミリ通信では、「Fネット」と呼ばれる専用のネットワークを用いて送信する場合、NCNG信号(No CalliNG tone) による無鳴動呼出を行ない、相手方のファクシミリが無鳴動着信機能を備えていれば、同じ回線に電話機が接続されている場合でも、電話やファクシミリのベルを鳴らすことなく、着信することができる。
【0025】
NCNG信号は、1300Hzの単一トーン信号であって、ファクシミリ回線網の加入者が相手方の番号をダイヤルする前に、識別用の特定の番号をダイヤルすることにより、交換局から発信される。
【0026】
上述のような無鳴動呼出は、それに対応した設備を有する交換局がある地域で可能であり、主として、都市部に限定される。
【0027】
前述のような、応答先の電話番号のかけ間違いによる第三者の迷惑は、電話のベルが鳴ることに起因するので、この発明では、放送局側の電話受信設備を、無鳴動応答機能を備えたものとすることにより、かけ間違いによっても、第三者の電話のベルが鳴らないようにする。
【0028】
[DTMF信号]
次に、図2を参照しながら、DTMF信号について説明する。
DTMF信号方式は、1つは低周波数のグループ(低群)、そしてもう1つは高周波数のグループ(高群)の2つのトーンを同時に送るオーディオ帯域信号方式である。これらの低周波数及び高周波数のグループの各々は、どの2つも調音の関係にない4つのオーディオ帯域周波数のトーンからなっている。
【0029】
DTMF信号では、低群の4周波数は、例えば、697Hz、770Hz、852Hz、941Hzとされ、高群の4周波数は、例えば、1209Hz、1336Hz、1477Hz、1633Hzとされている。そして、これら低群と高群の中のそれぞれ1周波数ずつを組み合わせ、その組み合わせからなる各DTMF信号(この各DTMF信号のそれぞれを、以下機能信号という)を、図2に示すように、4行4列に配設されたプッシュボタン「0」〜「D」にそれぞれ割り付けられる。
【0030】
電話通信では、DTMF信号の16の組み合わせの機能信号のうち、単に12個が一般に加入者アドレス(電話番号)の信号に用いられている。つまり、電話機でいわゆるテンキーとして使用されている「0」〜「9」の数字と、「*」や「#」の記号に対して、前記の12個の組み合わせの機能信号が対応される。図2に破線で示した「A」、「B」、「C」、「D」の文字に対応する機能信号は、日本国内では一般には利用しておらず、プッシュボタン(PB)ダイアルを利用したデータ伝送に利用されているのみである。
【0031】
このようなDTMF信号を使って電話番号による回線選択を行なう場合、信号の送出条件は、図3に示すように規定されている。
【0032】
上述のような2周波数の組み合わせと送出条件とによって、DTMF信号は、自然界では滅多に発生しないものとなり、人の声などのような自然音と明確に区別することができるので、通常の放送オーディオ信号に多重(混声)して放送することができて、受信側での分離も比較的容易である。
【0033】
ちなみに、DTMF信号は、多機能電話においても利用されており、外出先からプッシュボタン式の電話のボタン操作によって、自宅の電話に留守番録音されている用件を再生させたり、留守番録音の応答メッセージを録音、再生したり、用件を消去したりすることができる。
【0034】
[副放送情報の放送]
この実施の形態の送信側、つまり放送局側においては、副放送情報の送信に当たって、上述のようにPB回線選択には使用されていない「A」、「B」、「C」、「D」を意味する機能信号のうち、「A」、「B」、「C」の機能信号は、副放送情報の送信開始情報として用い、「D」の機能信号は送信終了情報として用いる。
【0035】
送信開始情報が3種類あるので、この例では、3種類の副放送情報を区別して送信することができる。つまり、3種の副放送情報は、その種別ごとに、「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれかと、「D」の機能信号とで区切られて放送される。
【0036】
例えば、双方向番組への応答アクセスに関する情報、例えばアクセス先の電話番号(受付電話番号)、伝送レートなどの副放送情報は、「A」の機能信号を送信開始情報とし、送信終了情報である「D」の機能信号との間に送信される。また、同様に、例えば応答側の電話番号の末尾制限や現在時刻設定などの環境設定に関する副放送情報は、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に、受信データのクリアに関する情報は「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に、それぞれ挟まれた状態の信号として多重化されて放送される。
【0037】
そして、受信側においては、送信開始情報としての「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれかと、送信終了情報としての「D」の機能信号とに挟まれた数値や記号データが副放送データ列(情報群)とみなされて、後述のように、メモリの所定の格納域にそれぞれ区別されて保存される。
【0038】
例えば、応答アクセスに関する情報として、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンが00の受信機に対して、受付電話番号0990−1234−1234に、伝送レート300bpsでアクセスを許可する場合は、副放送情報は、
00#0990*1234*1234
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。ここで、データ列のうち、最初の00は、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンが00(伝送レート300bps)を示し、記号「#」の後の数値データは受付電話番号である。
【0039】
また、インタラクティブテレビジョン規格バージョンが01の受信機に対し、電話番号0990−1234−1235に、伝送レート1200bpsでアクセスを許可する場合には、
01#0990*1234*1235
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。ここで、データ列のうち、最初の01は、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンが01(伝送レート1200bps)を示し、記号「#」の後の数値データは受付電話番号である。
【0040】
なお、上述のような応答アクセスに関するデータ列では、記号「#」がセパレータ(個々のデータの区切り)を表わし、記号「*」がポーズを表わす。
【0041】
環境設定に関する情報として、特定の電話番号(加入者番号)を持った視聴者のみにアクセスを制限する場合、例えば、電話番号末尾が0の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#0
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、また、電話番号末尾が1の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、それぞれ、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。この場合、記号「#」の前の数字「0」は、記号「#」の次の数字を、末尾として有する電話番号からのアクセスを許可することを意味する。
【0042】
また、電話番号末尾が偶数の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#0*0#2*0#4*0#6*0#8
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。ここでは、記号「*」は論理和を意味している。
【0043】
さらに、放送番組の受信予約や録画予約などのための時刻情報として、例えば、現在時刻が1993年12月15日火曜日7時00分の場合は、
1#1993121520700
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。
【0044】
また、ある放送番組が、現時点から見て、次の日曜の7時00分から7時29分まで放送される場合は、
10#07000729
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出され、別の放送番組が次の月曜の12時00分から14時15分まで放送される場合には、
11#12001415
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0045】
なお、上述のような環境設定に関するデータ列では、記号「#」がセパレータを表わし、記号「*」が「オア(論理和)」を表わす。
【0046】
そして、受信データのクリアに関する情報として、例えば、番号制限のクリアの場合は、
99#0
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出され、また、受付電話番号のクリアの場合には、
99#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0047】
この実施の形態では、受付電話番号の無鳴動着信機能の有無を識別するための、応答アクセスに関する情報として、応答先の電話がNCNG信号に対応している場合には、例えば、
55#0
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0048】
また、応答先の電話がNRS信号に対応している場合には、例えば、
55#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0049】
呼出を行なう場合は、応答返信先の無鳴動着信機能に対応した無鳴動呼出用の番号をダイヤル(発呼)してから、応答返信先の電話番号をダイヤルすることにより、交換局から応答先へ、無鳴動呼出信号が送信されるが、受信側に無鳴動着信機能がないときには、呼出を検知することができず、従って、着信も行なわれない。
【0050】
上述のような、無鳴動着信機能の有無を識別するための、応答アクセスに関する情報として、前述のような、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョンを利用することもできる。
【0051】
例えば、この規格バージョンが00(伝送レート300bps)の場合は、無鳴動着信機能がなく、また、この規格バージョンが01(伝送レート1200bps)の場合は、NRS信号による無鳴動着信機能があるというように規定される。
【0052】
更に、この実施の形態では、受付電話番号がテレゴングサービスによる応答の受信を示す情報として、例えば、
44#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれて送出される。
【0053】
上述のように、電話回線の選択信号としては使用されていない「A」、「B」、「C」;「D」の機能信号を、副放送情報の送信開始情報及び送信終了情報とすることによって、例えば、ドラマの電話をかけるシーンなどで、DTMF音が発信されても、番組関連情報と混同されることはない。また、副放送情報を確実に送受することができる。
【0054】
なお、再放送などのために、放送局用のVTRで番組を録画する際には、ブランキング期間を含んで、水平および垂直の同期信号がVTR内部で生成したものに付け替えられる。DTMF信号は音声として記録されるので、放送局での番組録画によっても、上述のような副放送情報の変化や欠落はない。
【0055】
[受信装置の構成]
次に、図1、図4〜図6を参照しながら、この発明による双方向放送の受信装置を、双方向放送番組対応のテレビジョン受信機に適用した場合の実施の形態について説明する。
【0056】
この例の多重放送の受信装置の実施の形態の構成を図1に示す。図1において、10はテレビジョン受信機の信号系であり、20はその制御系である。
【0057】
アンテナ1で受信された放送電波はチューナ11に供給される。チューナ11には制御系20から選局信号が供給されて、このチューナ11において所望のチャンネルの放送信号が選択されて中間周波信号に変換される。この中間周波信号は中間周波回路12に供給される。この中間周波回路12には、映像復調器13と音声復調器14とが含まれ、映像信号及びオーディオ信号が復調される。
【0058】
映像復調器13からの映像信号S13は、映像信号処理回路15を経て、受像管16に供給される。音声復調器14からのオーディオ信号S14は、音声多重デコーダ17に供給されて、2か国語信号またはステレオ信号SL、SRがデコードされる。そして、これら信号SL、SRがそれぞれアンプ18L、18Rを通じて左右のスピーカ19L、19Rに供給される。
【0059】
音声復調器14からのオーディオ信号S14は、また、前処理回路31を介してDTMFデコーダ32に供給される。このDTMFデコーダ32は、その入力信号中のDTMF信号を常時サーチし、DTMF信号を検知すると、そのDTMF信号がいずれの機能信号であるかのデコードを行なう。つまり、「0」〜「9」の番号、「#」、「*」、「A」〜「D」がデコードされる。そして、そのデコードしたデータを制御系20に供給する。
【0060】
この例の場合には、このDTMFデコーダ32としては、広く普及している市販のDTMFデコーダを用いる。前処理回路31は、このようにDTMFデコーダ32として市販のDTMFデコーダを使用しても、より精度の高いDTMF信号のデコードを行なうことができるようにするための前処理を行なうために設けられる。すなわち、前処理回路31は、オーディオ信号S14について、DTMF信号以外の周波数成分を除去して、DTMFデコーダ32の入力信号が、市販のDTMFデコーダが許容する信号となるようにするもので、フィルタ回路から構成される。
【0061】
これにより、DTMFデコーダとして、IC化されて量産されているDTMFレシーバーチップなどのような、安価な回路を使用することができて、廉価な受信機を提供することができる。
【0062】
また、この実施の形態では、視聴者参加型番組への応答など、双方向放送番組に対応するために、データ通信用のモデム(変復調装置)33が設けられる。このモデム33の回線接続端子Lineには電話回線2が接続され、電話端子Tel には電話機3が接続される。このモデム33が、制御系20のシステムバス200に接続される。また、モデム33からのデータがDTMFデコーダ32に供給されており、このDTMFデコーダ32において、電話回線2を介して送られてくるDTMF信号をデコードして、制御系20に取り込むことができるようにされている。
【0063】
制御系20は、CPU21と、ROM22と、DRAM23と、SRAM24と、ビデオRAM25とを備え、それぞれがシステムバス200に接続される。ROM22には、後述するDTMFデータの受信取り込み処理プログラムのほか、各種の制御プログラムが格納されると共に、表示に用いるフォントやグラフィックのデータや、無鳴動呼出を行なうための発呼用の番号も格納される。DRAM23は主に演算のための作業領域として利用され、SRAM24には受信装置自身の設定情報やID情報などが保存される。
【0064】
そして、ビデオRAM25は表示に用いられる。ビデオRAM25に対してはディスプレイコントローラ25Cが設けられている。このディスプレイコントローラ25Cは、ビデオRAM25へのビデオデータの読み出し及び書き込みを制御するとともに、読み出したビデオデータをアナログ映像信号に変換する。そして、このディスプレイコントローラ25Cから得られるアナログ映像信号は、映像信号処理部15に供給され、制御部20からの映像信号処理部15の制御と相俟って、中間周波回路12からの映像信号に重畳され、あるいは切り換えられて合成される。
【0065】
制御系20は、また、I/Oポート261、262、263、264、265及びVTRのコントロールポート27を備える。I/Oポート261を通じて制御信号が映像信号処理回路15及び音声多重デコーダ17に供給される。また、リモコン送信機34からの、例えば赤外線リモコン信号がリモコン受信機35で受信され、その受信されたリモコン信号がリモコンデコード回路36でデコードされ、そのデコードされたリモコン信号が、I/Oポート261より制御系20に取り込まれる。
【0066】
そして、リモコン送信機34でのユーザーの操作に応じた制御が、ROM22のプログラムにしたがってCPU21により行なわれる。例えば、選局や音量制御などのリモコン操作の場合、チューナ選局や音量制御が実行されると同時に、必要な文字や記号の表示のためのフォントデータが、ROM22から読み出されてビデオRAM25へ転送される。そして、このビデオRAM25のデータが映像信号処理回路15に供給され、映像信号S13と合成(例えばスーパーインポーズ)されることにより、受像管16の画面に適宜の時間、表示される。
【0067】
そして、選局や音量制御などのデータは、それぞれの操作の都度、不揮発性のSRAM24に書き込まれて、電源を一旦オフとした後に再度オンとした場合、電源オフ直前と同音量で同じチャンネルを視聴する、いわゆる、ラストメモリ機能が実現される。
【0068】
I/Oポート263を通じては、選局信号がチューナ11に供給される。また、この実施の形態では、実時間の通知や所定の時間の割り込み発生のためのタイマー回路37からの時間データがI/Oポート264を通じて制御系20に入力される。
【0069】
また、VTRのコントロールポート27は、この例では3台のVTR1、VTR2、VTR3に対してのコントロールが可能に構成されている。制御系20は、このコントロールポート27を通じてVTRにコントロール信号を供給すると共に、VTRからのステータス信号を取り込み、VTRに対して所望の制御を行なうことができる。
【0070】
なお、各VTRは、チューナと中間周波数回路を内蔵しており、例えば分配器を介してアンテナ1に接続されて、後述のように、制御系20の制御の下に、予約録画をすることができる。
【0071】
そして、この実施の形態では、前述のような無鳴動呼出の可否を設定するためのスイッチ38が設けられて、I/Oポート265に接続される。このスイッチ38は、回線2を通じて受信機が接続されている、即ち、受信機が設置されている地域の電話交換局が無鳴動呼出が可能であるどうかに応じて、視聴者により予め設定される。
【0072】
後述のように、発信時には、このスイッチ38の設定状態が、I/Oポート265を通じて、制御系20に取り込まれ、受信機設置地域の電話交換局が無鳴動呼出可能かどうかの情報がチェックされる。
【0073】
[多重化情報の受信処理]
次に、図4及び図5をも参照しながら、図1の実施の形態の多重化情報の受信処理について説明する。
【0074】
テレビジョン受信機の電源がオンの状態では、前処理回路31及びDTMFデコーダ32を使用して、現在選択されているチャンネルの番組のオーディオ信号に混声されているDTMF信号を、常時、監視する。
【0075】
すなわち、CPU21は、I/Oポート262を通じてDTMFデコーダ32の出力を、常時、あるいは所定の周期でサーチし(ステップ101)、現に受信中の放送番組のオーディオ信号S14にDTMF信号が混声されていることを検知したときは(ステップ102)、そのDTMF信号のデコード出力D32を、前述したような番号や記号として取り込む(ステップ103)。
【0076】
このとき、前述のような送出条件、すなわち、DTMF信号の続く長さが50msec以上か、DTMF信号がなくなってから次の信号の立ち上がりまでのポーズ時間は30msec以上か、DTMF信号の長さとポーズ時間との合計が規定値の120msec以上かなどのチェックを行ない、本当に検出された信号がDTMF信号かをチェックする(ステップ104)。これにより、放送電波の受信状態の悪いときのエラーデータの受信を防ぐことができると共に、通常の音声に、偶然、DTMF信号と同じ周波数成分が含まれていた場合の誤受信を防ぐことができる。
【0077】
ステップ104において、受信データがDTMF信号でないと判断した場合は、ステップ105に進んで、DRAM23の一時格納域をクリアすると共に、保存ポインタを初期設定した後、ステップ101に戻って、DTMFデコーダ32の出力チェックを継続する。
【0078】
また、受信データがDTMFであると判断した場合は、ステップ106に進んで、保存ポインタアドレスが一時格納域の範囲内にあるか否かをチェックする。そして、保存ポインタアドレスが一時格納域の範囲内にない場合は、電源オン直後の状態、または、エラー状態であるため、ステップ106からステップ107に進んで、リセットの意味から、保存ポインタに一時格納域のアドレスを初期設定する。これにより、保存ポインタの示すアドレスが不定のまま、DRAM23にデータが書き込まれ、誤動作ないしはソフトウエア暴走の原因となることが防止される。
【0079】
ステップ106でポインタアドレスが一時格納域の範囲内にあると判別したとき、また、ステップ107でポインタに一時格納域のアドレスを初期設定した後には、ステップ108に進んで受信データが“0”〜“9”までの番号や、“#”や“*”などの記号データであるかを判別する。これら数値や記号であると判別したときには、ステップ108からステップ109に進んで、一時格納域に空きがあるか否かをチェックする。
【0080】
そして、受信データがこれらの数値や記号データであって、かつ、一時格納域に空きがある場合、つまりポインタが一時格納域の範囲内を指示している場合は、ステップ110に進んで、DRAM23の、そのポインタが示すアドレスへ受信したデータ(“0”〜“9”、“#”、“*”)を格納する。そして、その後、ステップ111に進んでポインタを1文字分だけ更新する。その後、ステップ101に戻ってDTMF信号の受信チェックを継続する。
【0081】
また、ステップ109において、一時格納域に空きがないと判断した場合は、受信エラーなので、ステップ112に進んで、一時格納域をクリアし、ポインタに一時格納域のアドレスを初期設定する。
【0082】
また、上述のステップ108において、受信データが、“0”〜“9”、“#”、“*”のような数値や記号データでない場合は、前述の4つの機能信号に対応する文字データ“A”、“B”、“C”、“D”のいずれかであるので、図4の区分格納のルーチン120に入る。このルーチン120は、図5に示す内容のもので、まず、ステップ121において、ポインタに一時格納域の先頭アドレスをセットする。次いで、ステップ122、123、124で、受信データが“A”、“B”、“C”の3つの機能信号のいずれであるかを順次チェックする。
【0083】
そして、ステップ122で受信データが“A”の機能信号であると判断した場合は、ステップ125に進んで、ポインタの示すアドレスに「A」を設定する。また、ステップ123で受信データが“B”の機能信号であると判断した場合は、ステップ126に進んで、ポインタの示すアドレスに「B」を設定する。さらに、ステップ124で受信データが“C”の機能信号であると判断した場合は、ステップ127に進んで、ポインタの示すアドレスに「C」を設定する。
【0084】
そして、これらステップ125、126、127の後は、ステップ111に進んで、ポインタを1文字分だけ更新する。その後、ステップ101に戻ってDTMF信号の受信チェックを継続する。
【0085】
上述のステップ122〜124において、“A”、“B”、“C”の3つの機能信号のいずれでもないと判断した場合は、残りの文字“D”の機能信号であると判断し、ここまでに一時格納域に格納されたデータを1つのデータ列(情報群)として処理する。
【0086】
すなわち、放送側は、DTMF信号の送信時には、送信開始信号として、“A”、“B”、“C”の機能信号のいずれかを送出するので、ステップ125〜127の結果、一時格納域の先頭には、「A」、「B」、「C」のいずれかが格納されている。そこで、次のステップ128においては、一時格納域の先頭が「A」、「B」、「C」の文字データのいずれであるかを判別する。
【0087】
この判別の結果、一時格納域の先頭が「A」であれば、ステップ129に進んで、一時格納域の先頭からポインタの示す最後の部分までのデータ列を、対応する格納域Gaに保存する。
【0088】
また、一時格納域の先頭が「B」であれば、ステップ130に進んで、一時格納域の先頭からポインタの示す最後の部分までのデータ列を、対応する格納域Gbに保存する。
【0089】
さらに、一時格納域の先頭が「C」であれば、ステップ131に進んで、一時格納域の先頭からポインタの示す最後の部分までのデータ列を、対応する格納域Gcに保存する。後述のように、これらの格納域Ga、Gb、Gcは、DRAM23上、またはSRAM24上に設定される。
【0090】
そして、次にステップ132に進んで、受信したデータ列の評価、解析を行ない、格納域Ga、Gb、Gcに格納された情報が、受信時に実行することが必要なコマンドである場合、そのコマンドに対応した処理、例えば、受信されている情報の一部または全部のクリア、現在時刻のタイマー回路37への設定、メニュー表示選択処理などを行なう。しかる後、ステップ101に戻って受信チェックを継続する。
【0091】
以上のように、この実施の形態の多重データの受信処理では、放送番組のオーディオ信号を常時監視しながら、DTMF信号の内の機能信号に対応する文字データ“A”と“D”、“B”と“D”、“C”と“D”の機能信号に挟まれたデータ列を1つの情報とみなし、前述のような情報の種類に応じて区分して、それぞれの情報を別々の格納域Ga、Gb、Gcへ自動的に保存する。こうして、この実施の形態では、受信情報を分類して保存することができる。
【0092】
例えば、始端が“A”の機能信号であれば、双方向番組への応答アクセスに関する情報として、データ列は格納域Gaに保存される。また、始端が“B”の機能信号であれば、環境設定に関する情報として、格納域Gbに保存される。そして、始端が“C”の機能信号であれば、受信データのクリアに関する情報として、格納域Gcに保存される。
【0093】
応答アクセスに関する情報など双方向番組に対応する一時的な情報は、番号クリア信号の受信時にクリアすることが考えられるが、クリア信号受信時にチャンネルが切り替わっていたりする可能性を考えると、電源オフのタイミングで、古い番号がクリアされることが望ましい。したがって、応答アクセスに関する情報は、DRAM23にそのまま保存してもよい。つまり、格納域GaはDRAM23上に設定してもよい。
【0094】
一方、環境設定に関する情報には、前述のように、放送番組の受信予約や録画予約などのための時刻情報が含まれており、予約された番組の時刻情報は、例えば、1週間を超えるような比較的長い期間にわたって保存する必要がある。そこで、これらの情報は、不揮発性のSRAM24上に転送した方がよい。
【0095】
したがって、この実施の形態では、格納域Ga、Gb、Gcは、その保存すべきデータの性質、つまり長期保存が必要か、電源オフで消去してもよいものか、などの条件に応じて、揮発性のDRAM23上、あるいは不揮発性のSRAM24上に設定される。
【0096】
そして、センター局に対する上り方向の情報の送信に一般の電話回線を利用した簡易型インタラクティブテレビジョンの、後述のような応答処理に際しては、DRAM23上の格納域Gaに保存された、宛先電話番号や通信条件などの必要な情報を、自動的に読み出して、利用することができる。
【0097】
また、録画予約に際しても、DRAM23上の格納域GbからSRAM24上に転送された予約番組の時刻情報を、自動的に、利用することができる。
【0098】
[双方向放送の応答処理]
次に、図6を参照しながら、図1の実施の形態の応答処理について説明する。
【0099】
図6の応答処理ルーチン150のステップ151において、放送番組に対する応答としての情報に、視聴者のID番号が付加されて、応答情報が作成される。
【0100】
前述のように、テレゴングへの応答の場合は、応答返信先の電話番号自体が応答情報としての意味を持っている。
【0101】
視聴者のID番号(識別番号)としては、モデム33に接続されている電話回線の電話番号が一般的ではあるが、視聴者が電話番号の登録をしないケースも考えられるので、衛星放送デコーダのように、生産時に設定される受信装置のID番号を利用することも可能である。
【0102】
ステップ152では、モデム33をオフフックして、電話交換局からの、ダイヤル番号受信の準備ができたことを知らせる発信音(ダイヤルトーン)が検出されるのを待つ(ステップ153)。
【0103】
次のステップ154では、DRAM23上に保存されている、前述のような応答アクセスに関する情報に基づいて、応答先の受信設備が無鳴動着信機能を備えているかどうかがチェックされる。
【0104】
そして、応答先の受信設備が無鳴動着信機能を備えている場合は、ステップ155に進んで、NCNG信号またはNRS信号のいずれに対応するかチェックされ、NCNG信号に対応する場合はステップ156に進み、NRS信号に対応する場合はステップ157に進む。
【0105】
両ステップ156,157においては、いずれもこの実施の形態の受信機のスイッチ38(図1参照)の設定がチェックされて、電話回線2が接続されている交換局が、それぞれの無鳴動呼出が可能な局であるか否かが判断される。
【0106】
無鳴動呼出が可能な交換局である場合は、それぞれ対応するステップ158,159に進み、モデム33を通じて、NCNG信号またはNRS信号による無鳴動呼出を行なうための特定の番号(識別コード)を送出する。この識別コードとして、NCNGの場合は、例えば、「161」,「162」の番号が用いられ、また、NRSの場合も所定の番号が用いられる。
【0107】
そして、次のステップ160では、モデム33を通じて、DRAM23上に保存されている所定の応答送信先の電話番号を送出する。
【0108】
また、ステップ154において、応答先の受信設備が無鳴動着信機能を備えていない場合と、ステップ156,157において、受信機が無鳴動呼出対応に設定されていない場合とには、それぞれステップ160に移行する。
【0109】
これにより、電話回線2が接続されている交換局が無鳴動呼出可能な場合、交換局では、識別コードによる無鳴動呼出の指示に応じて、前述のNCNG信号(1300Hz)またはNRS信号(2080Hz)を用いて、応答送信先の電話番号に対する呼出が行なわれる。また、識別コードによる無鳴動呼出の指示がない場合には、通常の16Hzの呼出信号(CI)を用いて、応答送信先の電話番号に対する呼出が行なわれる。
【0110】
いずれのトーン信号による場合も、その信号に対応する無鳴動着信機能を備えている電話、あるいは受信設備だけに着信が可能であり、対応する無鳴動着信機能を備えていない電話では、呼出を検知できず、従って、着信しない。
【0111】
また、放送の受信状態が悪いことなどにより、電話番号が間違っている場合でも、電話のベルが鳴らないので、第三者の迷惑にならない。万一、間違った電話番号が無鳴動着信機能を備えたファクシミリなどであっても、着信後のプロトコルが異なるため、エラー終了される。
【0112】
次のステップ161では、この呼出に対応する呼出音(リングバックトーン)が検出されなくなり、回線2の極性が反転されたことを、モデム33を介して検知することにより、着信が検知されるのを待つ。
【0113】
着信が検知されると、処理はステップ162に進んで、応答送信先の電話番号がテレゴングに対しての応答であるかどうかがチェックされ、テレゴングに対しての応答である場合は、直ちにオンフックして(ステップ163)、処理を終了する。
【0114】
また、ステップ162で、応答送信先の電話番号がテレゴングに対しての応答でない場合には、応答情報を送信し(ステップ164)、送信が終わってからオンフックする(ステップ163)。
【0115】
テレゴングは、電話局側で、着信によって応答の回数がカウントされるものであり、着信自体が応答の送信を終了したことを示す。従って、着信後、直ちにオンフックして回線を開放する。
【0116】
以上により、手動で回線を切断する場合や、テレゴング側で回線を切断する場合に比べて、発信側の電話局の回線に負荷をかける期間が、例えば、10秒以上から1秒以下に短縮されて、回線の負荷が軽減される。
【0117】
なお、ステップ153またはステップ161において、時間切れとなった場合には、図示は省略するが、いずれもオンフックされると共に、エラーを示すメッセージなどが受像管16の画面に一定時間だけ表示される。
【0118】
上述の実施の形態では、応答返信先の無鳴動応答機能の有無を識別する情報が放送側から送られた場合は、この識別情報に基づいて、受信側からは、交換局を介して、応答返信先の機能に対応する呼出信号が送信されることにより、所定の機能を有する応答返信先だけに着信するので、電話番号が間違っても、間違われた電話のベルは鳴らず、番号の間違いによる第三者の迷惑が回避される。
【0119】
なお、古い設備の交換局の地域に受信機が設置されている場合でも、スイッチ38に対して、視聴者が、予め設定しておくことにより、通常の呼出方法で呼び出しを行なうこともできる。
【0120】
これにより、放送側では、深夜の時間帯でも、電話回線を使った双方向放送番組を編成することができる。
【0121】
また、複数の応答に対応する複数の応答返信先の有無を識別する情報が放送側から送られる場合は、この識別情報に基づいて、受信側から複数の応答返信先が選択的に呼出され、着信した時点で、実質的な応答送信終了となるので、直ちに回線を切断することができて、電話回線への負荷が軽減される。
【0122】
[他の実施の形態]
双方向番組の番組関連情報は、映像信号の垂直ブランキング期間内の空きの水平区間に重畳するようにしてもよい。また、音声多重の副音声信号としてデータを多重したり、多重データを搬送するために主放送信号としての映像信号や音声信号とは別の帯域の信号を用いる多重放送の場合にも、多重データの抽出、デコード処理の部分を変更するだけで対応することができる。
【0123】
また、衛星放送、ケーブルテレビ放送の場合でも、この発明による放送信号の受信装置は有効である。
【0124】
また、前述の実施の形態では、応答返信先に無鳴動応答機能を持たせるようにしたが、受信側に無鳴動応答機能を持たせることにより、放送側から電話をかける場合、受信側の電話のベルを鳴らすことなく、受信装置に優先的に着信させることも可能となる。
【0125】
さらに、前述の実施の形態では、この発明をテレビジョン放送および受信機に適用した場合について説明したが、双方向放送のアクセス用データや番組予約用データなどの副放送情報を、上記の例のように比較的狭いオーディオ帯域内の例えばDTMF信号を用いて構成し、主放送オーディオ信号と多重して放送するものであれば、AM、FMのラジオ放送やPCM音声放送と、それぞれ対応の受信機に適用することも可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電話回線を通じて放送側に応答を発信する双方向放送において、放送側から、応答返信先の無鳴動応答機能の有無を識別する機能識別情報を放送信号に多重して放送し、応答返信先が無鳴動応答機能を有する場合は、機能識別情報に基づいて、受信側からは、応答返信先の電話番号をダイヤルする前に、応答返信先の機能に対応する無鳴動発信用の番号をダイヤルすることにより、交換局から所定の無鳴動呼出信号が発信され、所定の機能を有する応答返信先だけに着信して、間違い電話による迷惑が回避される。
【0127】
また、放送側から、複数の応答に対応する複数の応答返信先の有無を識別する返信先識別情報を放送信号に多重して放送し、放送側が、複数の応答に対応する複数の応答返信先を有する場合は、返信先識別情報に基づいて、受信側から、複数の応答返信先を選択的に呼び出し、着信した時点で、実質的な応答送信が完了して回線が切断され、回線負荷が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による双方向放送の受信装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】DTMF信号を説明するための図である。
【図3】DTMF信号の送出条件を説明するための図である。
【図4】図1の実施の形態のDTMF信号による副放送情報の受信動作の全体を説明するための流れ図である。
【図5】図4の流れ図の一部の流れ図である。
【図6】図1の実施の形態の双方向番組の応答動作を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
10…信号系、14…オーディオ復調器、20…制御系、21…CPU、23…DRAM、24…SRAM、31…前処理回路、32…DTMFデコーダ、33…モデム、38…無鳴動呼出可否設定用のスイッチ、150…応答処理ルーチン
Claims (4)
- 放送側から受信者の応答を促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送側からは、上記応答返信先の無鳴動応答機能の有無を識別する応答機能識別情報を主放送信号に多重して放送し、
上記受信側では、受信信号から上記応答機能識別情報を分離して保存し、上記無鳴動応答機能に対応する所定の番号を上記応答返信先の電話番号の前に発呼すると共に、上記応答返信先の呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするようにしたことを特徴とする双方向放送方法。 - 放送信号を受信する受信手段と、放送側からの設問などに対する応答の情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信する送信手段とを備える双方向放送の受信装置において、
受信した放送信号に多重された上記応答返信先の無鳴動応答機能の有無を識別する応答機能識別情報を分離し再生する分離再生手段と、
再生された応答機能識別情報を取り込む手段と、
取り込まれた上記応答機能識別情報に基づいて、上記無鳴動応答機能に対応する所定の番号を上記応答返信先の電話番号の前に発呼する手段と、
上記応答返信先の呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする双方向放送の受信装置。 - 放送側からの設問に対する複数の応答の選択を受信者に促す双方向番組を放送し、受信側からの応答の情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信するようにした双方向放送方法において、
上記放送側からは、上記複数の応答に対応する複数の応答返信先の有無を識別する複数返信先識別情報を主放送信号に多重して放送し、
上記受信側では、受信信号から上記複数返信先識別情報を分離して保存し、上記電話回線を通じて上記複数の応答返信先の選択呼出をすると共に、上記複数の応答返信先の選択呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするようにしたことを特徴とする双方向放送方法。 - 放送信号を受信する受信手段と、放送側からの設問などに対する複数の応答の選択情報を、電話回線を通じて所定の応答返信先に送信する送信手段とを備える双方向放送の受信装置において、
受信した放送信号に多重された上記複数の応答に対応する複数の応答返信先の有無を識別する複数返信先識別情報を分離し再生する分離再生手段と、
再生された複数返信先識別情報を取り込む手段と、
取り込まれた上記複数返信先識別情報に基づいて、上記送信手段により上記複数の応答返信先の選択呼出をする手段と、
上記複数の応答返信先の選択呼出をしたときに、上記応答返信先の着信を検出した時点で直ちに上記電話回線の接続を切断状態とするように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする双方向放送の受信装置。
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