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JP3617131B2 - 金属帯の乾燥方法及び装置 - Google Patents

金属帯の乾燥方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金属帯の乾燥方法に関し、特に、オンラインで連続的に薬液処理された該金属帯を水洗後に高温空気噴射で乾燥する方法及びその実施に利用する装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
鋼帯の連続製造においては、該鋼帯にオンライン上で、焼鈍、酸洗等の熱処理、あるいは薬液処理を施す。その一般的な薬液処理工程の例を図6に示すが、まず、鋼帯1は、薬液槽2で薬液3に浸漬され、リンガーロール4で該薬液3を搾りとられた後、水洗槽5で水洗され、再びリンガーロール4で水切りされる。しかし、該鋼帯1は、まだその表面に水膜を残している部分もあり、その状態を維持すると錆を発生するという重大な問題があるので、乾燥機6で完全に乾燥してから後工程に送られる。そこで使用される乾燥機6は、通常、ファン8で外気を取り込み、それを熱交換器9で昇温して空気噴射ヘッダ7から高速で鋼帯1に吹きつけるものである。
【0003】
しかしながら、前記した従来の乾燥方法では、乾燥機6の空気噴射ヘッダ7から吹きつけられる空気の温度と吹付速度を単に常時一定とする操業方法が採用されることが多く、しかも、それらの値は金属帯の最も乾きにくい条件を仮想して過剰に設定されていた。例えば、特公昭59−38286号公報は、「連続焼鈍炉から出た金属帯を冷却する方法において、焼鈍炉出側に金属帯を水冷する装置と水冷後の該金属帯に加熱空気を吹き付けて乾燥させる装置とを設けて該金属帯を通過させ、前記乾燥装置の入側及び出側の金属帯温度を測定し、乾燥装置出側の金属帯温度が乾燥装置入側の金属帯温度または大気の湿球温度のいずれか高い方の温度より5℃以上高くなるように乾燥用空気の加熱温度及び/又は流量を制御することを特徴とする金属帯の冷却方法」を開示している。ところが、かかる従来方法は、必ずしも乾燥を最適化しているとは言えず、ファン8の動力エネルギーや熱交換器9で消費される空気昇温エネルギーに無駄が多いという問題があった。
【0004】
また、乾燥に要するエネルギーの節約という観点からは、特開昭58−19490号の他、多数の公報に開示された乾燥排風の再利用技術がある。しかしながら、それらの技術も最適乾燥という意味では不十分な点が多く、エネルギーの無駄を完全に解消するに至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情を鑑み、従来に比べてエネルギー消費が少なく、ランニング費用を大幅に低減できる金属帯の乾燥方法及び装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、金属帯表面の水膜を最小のエネルギーで完全に除去する方法の研究を以下のように行った。
すなわち、高温空気吹付けによる物体の乾燥においては、一般に、(1)式の関係が成立する。
【0007】
Q=k(x −x ) …(1)
Q:単位面積、時間あたりの蒸発水分量(kg/m ・hr)
k:物質移動係数(kg/m ・hr)
:吹付け空気の絶対湿度(水と空気の重量比)
:物体表面での空気の飽和絶対湿度
で表わされる。また、物質移動係数kは、乱流における物質伝達と熱伝達の相似性より、熱伝達率α(kcal/m ・hr℃)に比例することが知られている。
【0008】
ここで、x は、乾燥すべき物体に関連して決まる数値であり、物体が鋼板の場合、板の寸法や移動速度、水膜の厚みや表面温度に依存する。しかし、高温空気による乾燥では、設備の大きさが決まっており、一定の時間内に乾燥させる必要があるので、板の寸法や移動速度は一定とした。そして、本願明細書でいう最適乾燥とは、上記Qを最小にしてエネルギー的に過不足のない乾燥を行うこととする。
【0009】
従って、本発明は、(1)式のQを、乾燥において常時最適に維持する方法及び装置を提供することであり、そのためには、(1)式に基づき、k、x 、x の3つのパラメータを適切に調整すればよいことは明白である。本発明は、前記パラメータをそれぞれ調整可能とし、あるものは一定に設定して最適な乾燥量Qを得るのに必要なk、x 、x の組合せを種々考えたものである。ただし、k、x 、x 等を調整するために実際の装置で変更するパラメータには、
(a)乾燥前の水洗水温度
(b)吹付空気の温度
(c)吹付空気の湿度
(d)吹付空気の速度
を選んだ。図7に本発明に係る金属帯の乾燥方法に用いる調整概念を示しておく。
【0010】
以下、各パラメータについて説明する。
1.物質移動係数,k
kは、前記したように、乱流における物質伝達と熱伝達の相似性により熱伝達率αに比例すると考えられている。そして、熱伝達率αは、一般に空気を吹付けるノズルの形状と吹付け速度により決まることが知られているので、kは、必然的に空気の吹付け速度で変更可能なことがわかる。
2.水膜厚表面の空気の絶対湿度、x
は、乾燥している鋼帯表面の水膜温度により決定される。鋼帯に付着した水膜温度は、該鋼帯温度に等しいと仮定しても大きな誤差にはならないので、乾燥中の熱収支は、(2)及び(3)式で表わされる。
【0011】
=α(T −T ) …(2)
=Q・G …(3)
:吹付空気から単位面積、時間あたりの伝熱量
:吹付空気温度
:水膜温度≒鋼帯温度
:蒸発潜熱による単位面積、時間あたりの抜熱量
G:蒸発潜熱
α:熱伝達率
従って、水膜温度(≒鋼帯温度)T は、(4)式で表わされ、水膜厚H は、(5)式で表わされる。
【0012】
【数1】
Figure 0003617131
=HWO−Qt …(5)
ここで、ρ: 比重、C:比熱、H:水膜厚みであり、添字Sは鋼帯、Wは水膜、WOは乾燥初期の水膜、TWOは乾燥初期の水膜温度である

【0013】
また、(2)式及び(4)式より、水膜温度T は、初期水膜温度TWO、吹付空気の温度T 、熱伝達率αの関数となっていることがわかる。初期水膜温度TWOは、乾燥前の水洗で用いる水洗水温度に等しいと考えられ、また熱伝達率αは前記したように空気吹付速度により変更可能である。
従って、水膜表面の空気の絶対湿度x の調整は、水膜温度T の調整に置き換えが可能であり、水膜温度T を変更する実機上でのパラメータは、前記(a)乾燥前の水洗水温度、(b)吹付空気の温度、(c)吹付空気の速度となる。
3.吹付空気の絶対湿度、x
は,例えば空気循環形式の乾燥機を用いると、外気の湿度以上の領域では、循環率を変更することで変更が可能である。また、外気の取入れに際して、除湿器を設置すれば、直接的に変更が可能である。
【0014】
次に、上記した各制御パラメータを変化させるのに必要なエネルギーを求める。
(1)水洗水の昇温エネルギー、E
乾燥前の水洗水温度をT (℃)、該水洗水の水洗槽取入口での温度をTRO(℃)、水洗水量をW(リッタ/min)とすると、水洗水をTROから温度T に昇温するのに必要なエネルギーE は、
=W×(T −TRO) (kcal/min)
となる。
【0015】
ここで、水洗水量Wは、鋼帯の洗浄に必要な流量であり定数と考えると、TROを測定することで、該エネルギーE は、算出可能である。
(2)吹付空気の昇温エネルギー、E
空気用熱交換器前の取入れ空気の温度をTA1(℃)、熱交換後の昇温した空気温度をT (℃)、風量をG(m /min)、該空気の比熱をC(kcal/m ・℃)とすると、このエネルギーは、
=G×c×(T −TAO) (kcal/min)
となる。
【0016】
ここで、取入れ空気の温度TA1は、外気を直接吹付ける形式の乾燥機であれば、外気温度TAOに等しいと考えられる。一方、吹付け空気を循環する形式の乾燥機であれば、循環率をβとし、循環戻り空気の温度をT ’とすると、
A1=βT ’+(1−β)TAO
で与えられる。このT ’は、実測もしくはT より熱バランス計算で求めることができるが、いづれにしても外気温度TAOを測定することで求めることができる。
(3)空気吹付エネルギー,E
このエネルギーは、乾燥機のファン動力であり、ファン効率をηとして、
=(P×G)/(η×J)
で表わされる。
【0017】
ここで、 P:空気圧力(mmAq)
J:熱定数(kgm/kcal)
また、吹付風速v と圧力の関係は、下記式で求まり、
【0018】
【数2】
Figure 0003617131
δ:ノズル効率
g:重力加速度
γ:空気の比重
さらに、吹付風量Gは、
G=A×V
A:ノズル面積
であるので、吹付風速が求まれば、吹付エネルギE は容易に求めることができる。
(4)湿度調整に必要なエネルギー、
前記した循環形式の乾燥機において、取入れ外気の湿度調整のため循環率を変化させると、外気取入量も変化し、熱交換器前の空気温度TA1が変化する。この変化により変動したエネルギーが、ここでの湿度調整に必要なエネルギーと考えることができる。また、冷凍式除湿器を設置している場合は、この除湿器の運転エネルギーが調湿に必要なエネルギーとなる。
【0019】
いづれにしても該調湿を行うため及びエネルギー算出のために、取入れ外気の湿度を測定することが必要である。
以上の説明より、高温空気乾燥機での乾燥量は、
(a)乾燥前水洗水の温度
(b)吹付空気の温度
(c)吹付空気の湿度
(d)吹付空気の速度
のうち、いずれか1つ以上の調整で可能である。また、それにかかるエネルギーは
i)水洗水取入口
ii)吹付空気の取入口温度
iii)吹付空気の取入口湿度
を測定することで算出可能である。
【0020】
したがって、前記(a)〜(d)のいずれかを調整可能とし、その設定値をi)〜iii)を測定することで決定すれば乾燥に要するエネルギーを最小にした金属帯の完全乾燥が可能である。本発明では、それを5通りの方法で達成するものであり、それらは以下の通りである。
すなわち、本発明は、連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、上記吹付け空気の湿度温度及び速度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面に付着した水膜厚みを測定若しくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び水洗水の温度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう上記水洗水の温度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法である。また、本発明は、連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、水洗水の温度、吹付け空気の湿度及び温度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面に付着した水膜厚を測定もしくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び吹付け空気の速度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう上記吹付け空気の速度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法であり、吹付け空気の湿度水洗水の温度及び吹付け空気の速度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面の水膜厚みを測定もしくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び吹付け空気の温度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう上記吹付け空気の温度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法であり、あるいは水洗水の温度、吹付け空気の温度及び速度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面の水膜厚みを測定もしくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び吹付空気の湿度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう金属帯に上記吹付け空気の湿度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法である。さらに、本発明は、
(a)水洗水の温度
(b)吹付け空気の温度
(c)吹付け空気の湿度
(d)吹付け空気の速度
のうち、いずれか1つ又は2つを測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面の水膜厚を測定もしくは設定し、さらに、前記(a)〜(d)及び金属帯の板厚に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなり、且つ乾燥エネルギーが最小となるよう残りの3つ又は2つを相互に関連させて決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法でもある。
【0021】
また、これらの方法を実施する装置として、本発明は、薬液処理された金属帯の水洗槽と、該水洗槽に供給する水洗水を昇温する水洗水用熱交換器と、水洗槽から出た金属帯の表面に付着した水を搾るリンガーロールと、通過する該金属帯に高温空気を噴射する複数のノズルを有する乾燥機本体と、外気を取入れる送気ファンと、該取入れた外気を昇温し前記高温空気とする空気用熱交換器とを備えた金属帯の乾燥機において、
上記水洗槽の給水口に水の温度を測定する温度計、
上記リンガーロール出側に金属帯表面の水膜厚みを測定する厚み計、
上記空気用熱交換器出側に高温空気の温度を測定する温度計、
上記ノズル入口に高温空気の湿度を測定する湿度計
を設けると共に、これらの測定値を入力、演算してそれぞれの適正値を求める計算機と、該計算機からの出力を受け水洗水用熱交換器及び空気熱交換器の水蒸気量を変更させる調整手段及び高温空気の流速を変更する調整手段とを備えたことを特徴とする金属帯の乾燥装置である。また、本装置に、上記外気取入口に空気除湿器を追設したり、あるいは上記高温空気の流速を変更する調整手段にVVVF制御駆動モータを有する送気ファンを備えるようにした。
【0022】
その結果、従来に比べてエネルギー消費が少なく、ランニング費用を大幅に低減した金属帯の乾燥が可能になった。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に、本発明に係る金属帯の乾燥方法の1例を示す。
被乾燥体の鋼帯1は、水洗槽5で水洗された後、リンガーロール4により水切りされ、乾燥機6で高温空気の噴射で乾燥される。本発明は、その際、乾燥機6の高温空気取入口に設けた湿度計16及び空気用熱交換器9の出側に設けた温度計10により、吹付空気の湿度及び温度が測定される。また、セントラルコンピュータ(C/C)12より,板厚情報がプロセスコンピュータ(P/C)13に与えられ、リンガーロール4出側に設けた水膜厚計15で水膜厚みが測定される。
【0024】
そして、以上の情報をプロセスコンピュータ(P/C)13に入力し、そこに記憶されている前記した各式によって乾燥前に行う水洗に用いる水洗水温度を、完全乾燥で且つ乾燥エネルギーが最小になるように決定し、TICコントローラ14’にその値を設定する。その結果、該水洗水温度は、水洗水用熱交換器9’で水蒸気で昇温され、該設定温度に調整される。
【0025】
なお、吹付空気温度については、本例のように空気昇温機構を持つものであれば、温度計10の測定値でなく設定値を用いても構わない。また水膜厚計15を設置していない場合は、水膜厚として仮の値を用いても構わない。
(実施形態2)
図2に、本発明に係る乾燥方法の別の1例を示す。
【0026】
鋼帯1が水洗槽5で水洗された後、リンガーロール4により水切りされ、乾燥機6の高温空気で乾燥されることは、前記方法と同じである。しかし、本発明では、水洗槽への水取入口に設けた水温計11で水洗水の温度が、また前記した湿度計17で吹付空気の湿度が測定される。また、前記方法と同様に、セントラルコンピュータ(C/C)12より,板厚情報がプロセスコンピュータ(P/C)13に与えられ,水膜厚計16により水膜厚みが測定される。
【0027】
次に、以上の情報をプロセスコンピュータ(P/C)13に入力し、そこに記憶されている前出の各式を用い、完全乾燥且つ乾燥エネルギーが最小を満足する高温空気の吹付速度を決定し、その値を乾燥機6に設けた空気噴射用のノズルヘッダ7の圧力としてPICコントローラ14に設定する。その結果、PICコントローラ14は、送気ファン8の駆動モータ10の回転数もしくは可変ダンパ18の開度を変更して、該ノズルヘッダの設定圧力(≒設定風速)になるよう調整される。
【0028】
なお、水膜計16を用いずにプロセスコンピュータ(P/C)に、水膜厚の設定値を用いても構わない。また、水洗水の温度については、昇温機構が設置されているものは、実測値でなく設定値でも構わない。同様に、吹付空気の湿度についても、調質機構が設置されている場合は実測値でなく設定値でも構わない。
(実施形態3)
図3に、本発明に係る乾燥方法の別の1例を示す。
【0029】
この方法では、前記同様に、水温計11により水洗水の温度が、また、湿度計16により吹付空気の湿度が測定され、さらに、セントラルコンピュータ(C/C)12により板厚情報が与えられる。加えて、水膜厚計15により水膜厚みが測定され、以上の情報をプロセスコンピュータ(P/C)13に入力して、前記と同様に吹付空気の温度を決定し、それをTICコントローラ14に設定する。
【0030】
その結果、吹付空気の温度は、空気用熱交換器9で水蒸気と熱交換して所定の温度に昇温され、調整される。
なお、水洗水温度については、水洗水の昇温機構を持つものであれば、水温計11の測定値でなく、設定値を用いても構わない。また、水膜厚計15を設置していない場合には、水膜厚として仮の値を用いても構わない。
(実施形態4)
図4に、本発明に係る乾燥方法の別の1例を示す。
【0031】
この例では、水温計11により水洗水温度が、温度計10により吹付空気の温度が測定され、セントラルコンピュータ(C/C)12により板厚情報がプロセスコンピュータ(P/C)13に与えられる。また、水膜厚計15により水膜厚みが測定される。そして、以上の情報をプロセスコンピュータ(P/C)13に入力し、前記と同様にして吹付空気の湿度を決定し、それを湿度コントローラ(XIC)17に設定する。
【0032】
その結果、外気取入ダンパ18が調整され、外気取入口19より外気が取り入れられ、ノズルヘッダ7における吹付空気の湿度が調整される。ところで、外気湿度が高く、可変ダンパー18を全開にしても目標湿度とならない場合は、除湿器20を運転することで該空気の湿度を制御する。
なお、水洗水温度については、昇温機構を持つものであれば実測値を用いなくとも設定値で構わない。また、水膜厚計15を設置していない場合は水膜厚として仮の値を用いても構わないものとする。
(実施形態5)
図5に、本発明に係る5番目の乾燥方法を示す。
【0033】
本発明では、水洗槽5の水洗水は水洗水用熱交換器9’により温度調整が可能であり、水温計11’により水洗槽への取入時の水温が測定される。また、乾燥機6で鋼帯1に吹きつける高温空気は、空気用熱交換器9でその温度を調整することが可能であり、送気ファン8の駆動モータ23のVVVF制御により吹付空気の速度(ファン吐出圧力)を調整可能としている。さらに、可変ダンパ18により高温空気の循環率を、あるいは除湿器20により高温空気の湿度を調整可能とし、温度計10’及び湿度計16’により、取入外気の温度及び湿度を測定できる。
【0034】
実施手順としては、水温計11、空気の温度計10及び湿度計16’で測定した水洗水及び高温空気取入時の水温、空気の温度及び湿度が、まずプロセスコンユータ(P/C)13に取り込まれる。また、セントラルコンピュータ(C/C)12により板厚が,水膜厚計15から水膜情報が,同様にプロセスコンピュータ(P/C)13に組み込まれる。そして、該プロセスコンピュータ(P/C)13は、以上の情報を用いて鋼帯1を最小の乾燥エネルギ(コスト)で且つ完全に乾燥させるのに必要な水洗水温、吹付空気の温度、湿度、風速を算出し、それぞれのコントローラ14、14’17、22に設定値として出力する。次に、各々のコントローラ14、14’、17、22は、水洗水温、吹付空気の温度、湿度及び速度(風圧)を上記設定値となるように調整し、鋼帯1を乾燥する。
【0035】
なお、水膜厚計15のない場合は設定値でもかまわない。また以上の全ての制御がなくても少なくとも2つ以上あれば、その範囲で最適計算を行い、設定するものとする。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、金属帯の高温空気噴射による完全乾燥をエネルギー最小で行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属帯の乾燥方法の1実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る金属帯の乾燥方法の1実施形態を示す図である。
【図3】本発明に係る金属帯の乾燥方法の1実施形態を示す図である。
【図4】本発明に係る金属帯の乾燥方法の1実施形態を示す図である。
【図5】本発明に係る金属帯の乾燥方法の1実施形態を示す図である。
【図6】従来の金属帯の乾燥方法を説明する図である。
【図7】本発明に係る金属帯の乾燥方法で用いる制御概念を示す図である。
【符号の説明】
1 金属帯(鋼帯)
2 薬液槽
3 薬液
4 リンガーロール
5 水洗槽
6 乾燥機
7 ノズルヘッダ
8 送気ファン
9 空気用熱交換器(9’ 水洗水用)
10 空気の温度計
11 水温計
12 セントラルコンピュータ(C/C)
13 プロセスコンピュータ(P/C)
14 温度コントローラ(TIC)
15 水膜厚計
16 湿度計
17 湿度コントローラ
18 可変ダンパ
19 空気取入口
20 除湿器
21 圧力計
22 圧力コントローラ(PIC)
23 可変速モータ(VVVF)

Claims (8)

  1. 連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、
    上記吹付け空気の湿度温度及び速度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面に付着した水膜厚みを測定若しくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び水洗水の温度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう上記水洗水の温度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法。
  2. 連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、
    水洗水の温度、吹付け空気の湿度及び温度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面に付着した水膜厚を測定もしくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び吹付け空気の速度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう上記吹付け空気の速度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法。
  3. 連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、
    吹付け空気の湿度水洗水の温度及び吹付け空気の速度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面の水膜厚みを測定もしくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び吹付け空気の温度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう上記吹付け空気の温度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法。
  4. 連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、
    水洗水の温度、吹付け空気の温度及び速度を測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面の水膜厚みを測定もしくは設定し、さらに、これら測定値もしくは設定値、金属帯の板厚、及び吹付空気の湿度に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなるよう金属帯に上記吹付け空気の湿度を決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法。
  5. 連続的に薬液処理、水洗した金属帯を、高温空気の吹付けで乾燥するに際して、
    (a)水洗水の温度
    (b)吹付け空気の温度
    (c)吹付け空気の湿度
    (d)吹付け空気の速度
    のうち、いずれか1つ又は2つを測定もしくは設定すると共に、乾燥前の金属帯表面の水膜厚みを測定もしくは設定し、さらに、前記(a)〜(d)及び金属帯の板厚に基づいて算出される乾燥機出口までの水分蒸発量と前記乾燥前の水膜厚みによる水分量が等しくなり、且つ乾燥エネルギーが最小となるよう残りの3つ又は2つを相互に関連させて決定することを特徴とする金属帯の乾燥方法。
  6. 薬液処理された金属帯の水洗槽と、該水洗槽に供給する水洗水を昇温する水洗水用熱交換器と、水洗槽から出た金属帯の表面に付着した水を搾るリンガーロールと、通過する該金属帯に高温空気を噴射する複数のノズルを有する乾燥機本体と、外気を取入れる送気ファンと、該取入れた外気を昇温し前記高温空気とする空気用熱交換器とを備えた金属帯の乾燥機において、
    上記水洗槽の給水口に水の温度を測定する温度計、
    上記リンガーロール出側に金属帯表面の水膜厚みを測定する厚み計、
    上記空気用熱交換器出側に高温空気の温度を測定する温度計、
    上記ノズル入口に高温空気の湿度を測定する湿度計
    を設けると共に、
    これらの測定値を入力、演算してそれぞれの適正値を求める計算機と、
    該計算機からの出力を受け水洗水用熱交換器及び空気熱交換器の水蒸気量を変更させる調整手段及び高温空気の流速を変更する調整手段とを備えたことを特徴とする金属帯の乾燥装置。
  7. 上記外気取入口に空気除湿器を追設したことを特徴とする請求項6記載の金属帯の乾燥装置。
  8. 上記高温空気の流速を変更する調整手段に、VVVF制御駆動モータを有する送気ファンを備えたことを特徴とする請求項6記載の金属帯の乾燥装置。
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