JP3612550B2 - ワイン風アルコール飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブドウ果汁を主原料にしてワイン風アルコール飲料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブドウ果汁、リンゴ果汁、ミカン果汁など各種の果汁を主原料にし、必要に応じてこれらにアルコール発酵用糖源を補充したものにアルコール発酵を生じさせてワインまたはワイン風アルコール飲料を製造する場合、アルコール発酵終了後オリ引き・濾過を終えたばかりの製品は、味も香りも刺激的であっておいしくないが、それを低温で静置保存するといわゆる熟成が進み、刺激感は解消してコクのあるまろやかな風味のものになる。
【0003】
そのため、ブドウ果汁を原料にしてワインを製造する場合は、最後に熟成工程を設け、その後に出荷するのが通常である。熟成に要する期間は、発酵条件、熟成条件などによっても異なるが、充分な熟成度を得るには通常1カ月ないし数カ月を要していることから、アルコール発酵の開始から終了までに通常必要とされる日数以上の日数が熟成のために費やされることになる。
【0004】
従って、熟成期間の短縮が可能になれば大きなコスト削減になるが、これまで真に有効な方法はなかった。例えば、酸素を添加する方法が提案されたことがあるが、制御が困難であって酸化による変質を招くことがあり、実施は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、ブドウ果汁を主原料にしてワイン風アルコール飲料を製造する際における熟成工程に要する日数を短縮し、しかも熟成工程を設けなくても充分においしいワイン風アルコール飲料を製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブドウ果汁を主原料にしてワイン風アルコール飲料を製造するにあたり、そのアルコール発酵をグレートフラワー・マリーローランサンのバルブ部分の存在下に15〜25℃の温度でアルコール濃度が8〜12%に達するまで進めることによって、上記課題を解決したものである。
【0007】
上記本発明の製造方法によれば、理由は定かではないがアルコール発酵を終えてオリ引き・濾過を済ませただけの状態でもコクのあるまろやかな風味のワイン風アルコール飲料が得られ、熟成に要する日数を著しく短縮することができ、熟成工程を設けずに出荷することも可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、発酵原料に添加するグレートフラワー・マリーローランサンは、ラン科植物の一つであるシンビジウム属(Cymbidium)に含まれるものであり、本発明において、このグレートフラワー・マリーローランサンを用いるのは、添加効果が顕著であるという理由によるものである。そして、その利用部分としては、葉、花茎、花、根なども利用可能であるが、バルブ(偽球茎)部分がまとまった量を入手しやすく、品質的にも安定していることから、本発明においては、このバルブ部分を用いる。
【0009】
グレートフラワー・マリーローランサンを発酵原料に添加するあたっては、グレートフラワー・マリーローランサンをよく洗浄した後、任意の手段で砕くか細断して有効成分が溶出しやすいようにしておくことが好ましい。
【0010】
ブドウ果汁を主原料とするワイン風アルコール飲料の製造にあたっては、ブドウの果実の潰したものまたは汁液に、必要に応じてショ糖、グルコース、麦芽糖、蜂蜜などをアルコール発酵用糖源として補給する。添加するグレートフラワー・マリーローランサンにはアルコール発酵用糖源となる得るものが事実上含まれていないので、目標とするアルコール濃度を実現するために必要な糖は果汁および補糖によりまかなう。
【0011】
グレートフラワー・マリーローランサンは、アルコール発酵がある程度進行してから添加するよりも、アルコール発酵原料に対して最初から添加する方が好ましいことから、本発明では、アルコール発酵の最初からアルコール発酵原料に添加しておく。好適添加量はあらかじめ実験により確認することが好ましいが、通常、発酵原料に対して0.5〜10重量%、特に1〜6重量%の範囲が好ましい。
【0012】
グレートフラワー・マリーローランサンは味も香りも微弱であるから、この程度の添加量であれば製品の香味に与える影響は僅かではあるが、これ以上多量に添加すると、製品にグレートフラワー・マリーローランサンの匂いを感じさせることが多い。しかしながら、本発明の主目的である熟成工程の短縮や熟成工程を設けなくても充分においしいワイン風アルコール飲料を得るということとは別に、意図してグレートフラワー・マリーローランサンの強い香りを製品に付加しようとする場合やグレートフラワー・マリーローランサンの薬効成分を製品に多く含有させようとする場合には、本発明の主目的達成に必要な量を超えてグレートフラワー・マリーローランサンを添加してもよいことは言うまでもない。例えば、グレートフラワー・マリーローランサン(特にそのバルブ部分)には鎮咳作用、発汗作用、解熱作用、利尿作用など各種の薬理作用があるので、このような薬理作用も利用する目的で、本発明の主目的達成に必要な量を超えてグレートフラワー・マリーローランサンを添加してもよい。
【0013】
アルコール発酵は、必要に応じて水を加えて濃度調整をした発酵原料にさらに適量のワイン醸造用酵母を加え、グレートフラワー・マリーローランサンのバルブ部分の存在下、温度を15〜25℃に保ってアルコール発酵を進行させる。添加したグレートフラワー・マリーローランサンのバルブ部分によって発酵が阻害されることはなく、通常、3〜4週間程度でアルコール濃度が8〜12%に達した段階で発酵を打ち切り、オリ引きと濾過を行って固形物を除き、さらに加熱殺菌をする。
【0014】
上記のようにして得られるアルコール飲料は、そのままでも通常の未熟成ワイン特有の刺激的な味や香りがなく、熟成済みワインのようにコクのあるまろやかな風味のものである。従って、このあと熟成工程を設けることなく直ちに瓶詰して出荷することも可能であり、熟成を行うにしても、グレートフラワー・マリーローランサンを添加しない場合に比べるとはるかに短期間の熟成で済ませることができる。
【0015】
【実施例】
つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0016】
実施例1
比重約1.05のブドウ果汁72リットルにラン科植物としてシンビジウム属に含まれるグレートフラワー・マリーローランサン(品種名)のバルブ部分の破砕物1.6kgを添加し、さらに上白糖7kgおよびワイン醸造用酵母を適量添加して混合し、温度を20℃に保って発酵させた。発酵は旺盛に進行し、24日後にアルコール濃度は12%になった。この後、オリ引きと濾過を行い、ワイン風アルコール飲料を得た。
【0017】
比較例1
ラン科植物を添加しなかったほかは実施例1と同様にして、アルコール濃度12%のアルコール飲料を得た。
【0018】
上記実施例1の製品および比較例1の製品(いずれも未熟成品)について、20名のパネラーによる官能検査を行った。評価は製品の相違やパネラーの感覚の相違により・「充分に熟成された、コクがあり、まろやかな風味である」と・「熟成不足の感じである」と・「明らかに熟成前の、刺激的な香りと味のものである」との3つに分かれた。その結果を表1にパネラーの人数で示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1に示すように、実施例1の製品は、熟成していないにもかかわらず、パネラーの全員が「充分に熟成された、コクがありまろやかな風味である」という評価をした。
【0021】
なお、比較例1の製品が「充分に熟成されている」と評価されるためには15℃で約1カ月熟成させる必要があった。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブドウ果汁を主原料にしてワイン風アルコール飲料を製造する場合における熟成工程を短縮または省略することが可能になり、製造コストの大幅な削減が達成される。
【0023】
また、上記効果に加えて、ワイン風アルコール飲料にグレートフラワー・マリーローランサンの有する香りや薬効成分を含有させることもできる。
Claims (2)
- ブドウ果汁を主原料にしてワイン風アルコール飲料を製造するに当たり、そのアルコール発酵をグレートフラワー・マリーローランサンのバルブ部分の存在下に15〜25℃の温度でアルコール濃度が8〜12%に達するまで進めることを特徴とするワイン風アルコール飲料の製造方法。
- 発酵原料に対して0.5〜10重量%のグレートフラワー・マリーローランサンのバルブ部分を存在させる請求項1記載のワイン風アルコール飲料の製造方法。
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1998
- 1998-08-18 JP JP23151598A patent/JP3612550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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