JP2827156B2 - ポポーワインの製造法 - Google Patents
ポポーワインの製造法Info
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- JP2827156B2 JP2827156B2 JP2726895A JP2726895A JP2827156B2 JP 2827156 B2 JP2827156 B2 JP 2827156B2 JP 2726895 A JP2726895 A JP 2726895A JP 2726895 A JP2726895 A JP 2726895A JP 2827156 B2 JP2827156 B2 JP 2827156B2
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- fermentation
- poppo
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- pectinase
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポポーの果実を原料に
して香り豊かなワイン風アルコール飲料・ポポーワイン
を製造する方法に関するものである。
して香り豊かなワイン風アルコール飲料・ポポーワイン
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バンレイシ科の温帯果樹であるポポー
(Asimina triloba Dunal)は北米大陸東部の中〜北部
が原産地であるが、耐寒性が強く日本国内でも栽培が容
易なため、庭園果樹や街路樹として我が国でも広く植栽
されている。
(Asimina triloba Dunal)は北米大陸東部の中〜北部
が原産地であるが、耐寒性が強く日本国内でも栽培が容
易なため、庭園果樹や街路樹として我が国でも広く植栽
されている。
【0003】熟したポポーの果実は、中にクリーム状の
果肉と大きな種子がある。熱帯果実のように強い特有の
香りがあり、ポポー果実の特徴となっているが、人によ
って好き嫌いが分かれる傾向がある。果肉部分の糖濃度
は13〜25%程度である。従来、ポポー果実はもっぱ
ら生食されている。クリーム状の果肉部分から果汁を採
取することは難しく、飲料等の製造に利用された例はな
い。
果肉と大きな種子がある。熱帯果実のように強い特有の
香りがあり、ポポー果実の特徴となっているが、人によ
って好き嫌いが分かれる傾向がある。果肉部分の糖濃度
は13〜25%程度である。従来、ポポー果実はもっぱ
ら生食されている。クリーム状の果肉部分から果汁を採
取することは難しく、飲料等の製造に利用された例はな
い。
【0004】ブドウ酒の製法にならって発酵性果実から
ワイン風アルコール飲料を製造することが幾つかの果実
について提案されているが、この種のアルコール飲料を
ポポー果実から製造した場合、この果実特有の香りはほ
とんど失われ、何の特徴もないものとなることがわかっ
た。
ワイン風アルコール飲料を製造することが幾つかの果実
について提案されているが、この種のアルコール飲料を
ポポー果実から製造した場合、この果実特有の香りはほ
とんど失われ、何の特徴もないものとなることがわかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のようなポポー果実を原料にして香り豊かな新しいワイ
ン風アルコール飲料を製造する方法を提供することにあ
る。
のようなポポー果実を原料にして香り豊かな新しいワイ
ン風アルコール飲料を製造する方法を提供することにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、従来生食するしかな
く市場性もほとんどなかったポポー果実の新規な利用方
法を提供することにある。
く市場性もほとんどなかったポポー果実の新規な利用方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
に成功した本発明は、熟したポポーの果実を破砕し、こ
れを水または任意の果汁で希釈したものにアルコール発
酵用糖源を補給し、酵母を加えてアルコール発酵を生起
させ、発酵末期にペクチナーゼを加えて該酵素を果実破
砕物に作用させつつさらに発酵を進めたのち発酵を終了
させることを特徴とする。
に成功した本発明は、熟したポポーの果実を破砕し、こ
れを水または任意の果汁で希釈したものにアルコール発
酵用糖源を補給し、酵母を加えてアルコール発酵を生起
させ、発酵末期にペクチナーゼを加えて該酵素を果実破
砕物に作用させつつさらに発酵を進めたのち発酵を終了
させることを特徴とする。
【0008】以下、本発明のポポーワイン製造法につい
て詳述する。原料のポポー果実は、十分に熟したもの
を、洗浄後、任意の装置で破砕する。破砕物から好まし
くは種子や果皮など果肉以外の部分を除いた後、得られ
たスラリー状物を水もしくは果汁(たとえばブドウ、リ
ンゴ等の果汁)またはこれらの混合物で適宜希釈する。
このとき、少量のアスコルビン酸を添加すると酸化によ
る変色を防止するのに有効である。次いで、製品のアル
コール濃度を9%前後にするのに十分な量の糖を補給す
る。補給する糖としては、ショ糖、グルコース、麦芽
糖、蜂蜜等を用いることができる。
て詳述する。原料のポポー果実は、十分に熟したもの
を、洗浄後、任意の装置で破砕する。破砕物から好まし
くは種子や果皮など果肉以外の部分を除いた後、得られ
たスラリー状物を水もしくは果汁(たとえばブドウ、リ
ンゴ等の果汁)またはこれらの混合物で適宜希釈する。
このとき、少量のアスコルビン酸を添加すると酸化によ
る変色を防止するのに有効である。次いで、製品のアル
コール濃度を9%前後にするのに十分な量の糖を補給す
る。補給する糖としては、ショ糖、グルコース、麦芽
糖、蜂蜜等を用いることができる。
【0009】調製された発酵原料に適量のアルコール発
酵用酵母を加えてアルコール発酵を生起させるが、発酵
温度は15〜25℃が適当である。この温度で発酵を進
行させた場合、通常13〜15日程度で発酵が沈静化す
る。ペクチナーゼを添加しなかった場合、ポポー果実の
芳香成分はここまでの発酵過程で大部分揮発または化学
変化により失われので、発酵を終わったときポポーの芳
香はほとんど感じられない。
酵用酵母を加えてアルコール発酵を生起させるが、発酵
温度は15〜25℃が適当である。この温度で発酵を進
行させた場合、通常13〜15日程度で発酵が沈静化す
る。ペクチナーゼを添加しなかった場合、ポポー果実の
芳香成分はここまでの発酵過程で大部分揮発または化学
変化により失われので、発酵を終わったときポポーの芳
香はほとんど感じられない。
【0010】本発明に従い発酵末期にペクチナーゼを添
加すると、まだ塊のまま残っていたポポーの果肉破片が
酵素作用により破壊されて、中に残っていた芳香成分が
溶出する。ペクチナーゼ添加が早すぎると、溶出した芳
香成分も発酵終了までにほとんどが失われるが、アルコ
ール濃度が約7.5〜8.5%に達した発酵末期に添加す
ると、大部分の芳香成分は最後まで発酵液中に残り、ご
く低沸点の成分だけが揮発する。また、アルコール濃度
が上昇した発酵液中では、酵母も関与して、芳香成分の
一部に香りの変化を伴う化学変化が生じるものと思われ
る。これらの現象が溶出した芳香成分の組成変化を招く
結果、最終製品はポポーに由来する香りを明確に備えて
いるだけでなく、その香りは原料の果実に感じられたや
や刺激的な強い芳香とは違い、多くの人に好まれるマイ
ルドなものとなる。
加すると、まだ塊のまま残っていたポポーの果肉破片が
酵素作用により破壊されて、中に残っていた芳香成分が
溶出する。ペクチナーゼ添加が早すぎると、溶出した芳
香成分も発酵終了までにほとんどが失われるが、アルコ
ール濃度が約7.5〜8.5%に達した発酵末期に添加す
ると、大部分の芳香成分は最後まで発酵液中に残り、ご
く低沸点の成分だけが揮発する。また、アルコール濃度
が上昇した発酵液中では、酵母も関与して、芳香成分の
一部に香りの変化を伴う化学変化が生じるものと思われ
る。これらの現象が溶出した芳香成分の組成変化を招く
結果、最終製品はポポーに由来する香りを明確に備えて
いるだけでなく、その香りは原料の果実に感じられたや
や刺激的な強い芳香とは違い、多くの人に好まれるマイ
ルドなものとなる。
【0011】上述したところから明らかなように、ペク
チナーゼの添加時期を上記範囲内で適宜変更することに
よって、最終製品の香りの強さや質をある程度調整する
ことができる。
チナーゼの添加時期を上記範囲内で適宜変更することに
よって、最終製品の香りの強さや質をある程度調整する
ことができる。
【0012】ペクチナーゼ添加は香りを発現させるのに
有効なだけでなく、発酵終了後のオリ引き(固形物の沈
降分離)を容易にする。
有効なだけでなく、発酵終了後のオリ引き(固形物の沈
降分離)を容易にする。
【0013】ペクチナーゼを作用させながら引き続き発
酵を進め、アルコール濃度が目標濃度に達したならば、
適当な段階で発酵を打ち切る。沈殿物を除き、さらに加
熱して殺菌すると共に酵素を失活させると、淡黄色透明
で香りのよいポポーワインが得られる。
酵を進め、アルコール濃度が目標濃度に達したならば、
適当な段階で発酵を打ち切る。沈殿物を除き、さらに加
熱して殺菌すると共に酵素を失活させると、淡黄色透明
で香りのよいポポーワインが得られる。
【0014】
実施例1 熟したポポーの果実を破砕し、得られたスラリー状物1
000mlに酸化防止のためのアスコルビン酸3gを加
え、リンゴ果汁と水を500mlずつ加えて希釈した。こ
れに砂糖185gを添加し、さらにワイン醸造用酵母を
添加してよく混合し、温度を約20℃に維持しながら発
酵させた。
000mlに酸化防止のためのアスコルビン酸3gを加
え、リンゴ果汁と水を500mlずつ加えて希釈した。こ
れに砂糖185gを添加し、さらにワイン醸造用酵母を
添加してよく混合し、温度を約20℃に維持しながら発
酵させた。
【0015】14日後、アルコール濃度が約8%になっ
たとき、ペクチナーゼ製剤を0.1%添加し、該酵素の
作用下に引き続き発酵を進めた後、アルコール濃度が9
%になったとき発酵を終了させ、オリ引きを行なった。
得られたポポーワインは、淡黄色透明で、通常の果実酒
にはない明確な香りがあり、風味も良好なものであっ
た。
たとき、ペクチナーゼ製剤を0.1%添加し、該酵素の
作用下に引き続き発酵を進めた後、アルコール濃度が9
%になったとき発酵を終了させ、オリ引きを行なった。
得られたポポーワインは、淡黄色透明で、通常の果実酒
にはない明確な香りがあり、風味も良好なものであっ
た。
【0016】比較例1 発酵末期にペクチナーゼを添加しないほかは実施例1と
同様にして、アルコール濃度9%のポポーワインを製造
した。
同様にして、アルコール濃度9%のポポーワインを製造
した。
【0017】上記実施例および比較例の製品の香りにつ
いて、20名のパネルによる官能検査を行なった結果は
次のとおりであった。 実施例1 比較例1 強く感じると答えた者 5名 0名 やや強く感じると答えた者 12〃 4〃 少し感じると答えた者 3〃 14〃 全く感じないと答えた者 0〃 2〃
いて、20名のパネルによる官能検査を行なった結果は
次のとおりであった。 実施例1 比較例1 強く感じると答えた者 5名 0名 やや強く感じると答えた者 12〃 4〃 少し感じると答えた者 3〃 14〃 全く感じないと答えた者 0〃 2〃
【0018】
【発明の効果】上述のように、本発明によればポポーの
果実を原料にしてその独特の芳香を生かした極めてユニ
ークなワイン風アルコール飲料を製造することが可能に
なる。また、従来生食するしかなかったポポー果実の新
しい利用のみちも開けることになる。
果実を原料にしてその独特の芳香を生かした極めてユニ
ークなワイン風アルコール飲料を製造することが可能に
なる。また、従来生食するしかなかったポポー果実の新
しい利用のみちも開けることになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Energy,Vol.10[9 ](1985)p.1009−1016 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12G 3/02 118 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 熟したポポーの果実を破砕し、これを水
または任意の果汁で希釈したものにアルコール発酵用糖
源を補給し、酵母を加えてアルコール発酵を生起させ、
発酵末期にペクチナーゼを加えて該酵素を果実破砕物に
作用させつつさらに発酵を進めたのち発酵を終了させる
ことを特徴とするポポーワインの製造法。 - 【請求項2】 アルコール濃度が7.5〜8.5%に達し
たときペクチナーゼを加える請求項1記載のポポーワイ
ンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2726895A JP2827156B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | ポポーワインの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2726895A JP2827156B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | ポポーワインの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08196261A JPH08196261A (ja) | 1996-08-06 |
JP2827156B2 true JP2827156B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=12216338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2726895A Expired - Lifetime JP2827156B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | ポポーワインの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2827156B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008035502A1 (fr) * | 2006-09-23 | 2008-03-27 | Mikio Kuzuu | Procédé de production d'aliments traités |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP2726895A patent/JP2827156B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Energy,Vol.10[9](1985)p.1009−1016 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08196261A (ja) | 1996-08-06 |
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