JP3611746B2 - 圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で嵩高く且つ厚みが薄く、圧縮回復性が高いシート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品、詳しくは、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品等に用いた場合に、吸収性物品等の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品等に必要な(安心感を与える)厚みを発現させる圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、構成や使用材料の改良により、その包装体がコンパクトになり、持ち運びが便利になった。
しかしながら、包装体をコンパクトにするために吸収性物品1枚1枚の厚みを薄くすると、吸収性物品がぺらぺらになり、使用時に漏れに対する不安感が生じる。
【0003】
そこで、使用時の漏れに対する不安感を解消するために、吸収性物品に、ポリエステル繊維、熱融着繊維を用いた不織布や、これらの繊維とパルプとの混合シート等の繊維集合体をクッション層として導入することが提案されている。このような繊維集合体としては、例えば、特開昭61−106151号公報及び特開平1−285265号公報等に記載のものがある。
しかし、これらの公報に記載の繊維集合体を吸収性物品のクッション層として導入した場合には、実際の使用場面や製品の包装体等の高圧縮された後に、クッション層としての機能が十分に達成できない。
【0004】
また、家具、ベッド、座席等の吸収性物品以外の分野でも、特開平5−161525号公報及び特開平7−316963号公報において、これら家具等のクッション材として、エラストマー成分を含む繊維集合体が提案されている。
しかし、このクッション材としての繊維集合体は、その用途から、坪量が非常に高く、厚みも大きく(最低でも5mm以上、実質は50mm以上である)、さらに、コスト等の点からも、吸収性物品に使用することはできない。
また、吸収性物品のクッション材として、ウレタンフォームを使用することも考えられるが、ウレタンフォームは、コストが高く、黄変や臭いの点で使用することはできない。
【0005】
従って、本発明の目的は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品等に用いた場合に、吸収性物品等の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品等に必要な(安心感を与える)厚みを発現させる圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、規則的に配列された多数の凸部が形成されている繊維集合体からなる、吸収性物品用の圧縮回復性シートであって、坪量が15〜100g/m2であり、無荷重厚みが1.2〜5mmであり、圧縮回復率が60%以上であり、前記繊維集合体は、該繊維集合体を構成する繊維同士が熱融着により接着されている不織布である圧縮回復性シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の圧縮回復性シートをその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0008】
本実施形態の圧縮回復性シートは、図1に示すように、規則的に配列された多数の凸部が形成されている繊維集合体からなるものであり、該凸部の裏面は凹部となっているものである。即ち、この繊維集合体からなる本実施形態の圧縮回復性シートは、実質的に表裏面が同形状のものである。
【0009】
前記凸部の数は、圧縮回復性シートの面積を基準として、好ましくは1〜100個/cm2 、更に好ましくは1.5〜50個/cm2 である。
また、前記各凸部間の距離K(図1参照)は、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは1〜10mmである。
【0010】
このような多数の凸部からなる形状を形成するには、図2(a)及び(b)に示すように、繊維集合体のシート1’を、スチールマッチエンボス加工等の2つの凸ロール2を用いてヒートロール加工する手段等により施され、多数の凸部からなる形状である本実施形態の圧縮回復性シート1が得られる。
多数の凸部からなる形状である本実施形態の圧縮回復性シートにおける凸部の高さL〔図2(b)参照〕は、かかる圧縮回復性シートの無荷重厚みと略同一である。
【0011】
また、前記凸部における表面と裏面との間の厚みM〔図2(b)参照〕は、好ましくは0.05〜1mm、更に好ましくは0.1〜0.8mmである。尚、前記凸部における表面と裏面との間の厚みは、シート全体にわたってほぼ同様である。
【0012】
本実施形態の圧縮回復性シートにおける繊維集合体は、エラストマー成分を10〜90重量%、特に15〜60重量%含むことが、繊維の融着交点を強固にするとともに、圧縮や引張りの変形に対する弾性回復性の向上の点で好ましい。
【0013】
エラストマー成分としては、例えば、エステル系、ウレタン系、オレフィン系、スチレン系、アミド系の熱可塑性エラストマー等が挙げられ、中でも、ポリエステル及びメタロセン触媒により重合された低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
また、エラストマー成分の構成ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色剤、その他の各種の改良剤等を配合することもできる。
【0014】
本実施形態においては、特に、前記繊維集合体が、エラストマー成分及び非エラストマー成分からなる複合繊維を10〜90重量%、特に30〜70重量%含むことが、得られるシートの圧縮回復性及びシート成形時に繊維同士を熱で強固に融着できる点で好ましい。
【0015】
前記複合繊維におけるエラストマー成分としては、前記の例が挙げられる。
また、前記複合繊維における非エラストマー成分としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系の成分、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の成分、更には、ナイロン、アクリル等が挙げられる。
また、非エラストマー成分の構成ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色剤、その他の各種の改良剤等を配合することもできる。
【0016】
前記複合繊維におけるエラストマー成分と非エラストマー成分との重量比は、好ましくは80/20〜20/80、更に好ましくは60/40〜40/60である。
【0017】
前記複合繊維は、例えば、サイドバイサイド型、芯鞘型、偏心芯鞘型、海島型等が挙げられ、中でも、図3に示すような、エラストマー成分が表面に露出する芯鞘型、偏心芯鞘型の複合形態が好ましい。また、前記繊維集合体を構成する繊維は、熱融着等により、繊維同士が接着している(図3参照)。
【0018】
また、前記複合繊維を含む繊維集合体における該複合繊維以外の繊維は、前記エラストマー成分からなる繊維でも、前記非エラストマー成分からなる繊維でもよい。
【0019】
前記繊維集合体を構成する繊維の形状は特に制限されず、例えば、機械的な2次元捲縮、コイル状の3次元捲縮、又はそれらの複合等が挙げられる。
【0020】
また、前記繊維集合体を構成する繊維の断面形状は特に制限されず、例えば、円形、偏平、異型、中空等が挙げられる。
また、前記繊維集合体を構成する繊維の繊度(繊維太さ)は、好ましくは1〜15デニール、更に好ましくは2〜10デニールである。
【0021】
また、前記繊維集合体は、コイル状に捲縮した繊維を10重量%以上、特に30重量%以上含む繊維集合体であることが、シートを嵩高にして、へたりにくくし、シートの圧縮回復性をより向上させる点で好ましい。
【0022】
前記のコイル状に捲縮した繊維としては、前記複合繊維がコイル状に捲縮されたものでも、前記エラストマー成分からなる繊維がコイル状に捲縮されたものでも、前記非エラストマー成分からなる繊維がコイル状に捲縮されたものでもよい。
【0023】
前記のコイル状に捲縮した繊維は、その捲縮数(JIS L1015により測定)が好ましくは3〜20ケ/inch、更に好ましくは5〜15ケ/inchである。
前記のコイル状に捲縮した繊維は、例えば、熱収縮率の異なる2成分からなる偏心芯鞘型複合繊維に熱処理等を施す等、公知の手法にて得ることができる。
【0024】
また、前記のコイル状に捲縮した繊維を含む繊維集合体における該コイル状に捲縮した繊維以外の繊維は、機械的な2次元捲縮状の繊維であってもよい。
【0025】
前記繊維集合体は、前述の通り、エラストマー成分及び非エラストマー成分からなる複合繊維、特に芯鞘型、偏心芯鞘型の該複合繊維を含む繊維集合体であることが好ましいが、単一の繊維、即ち、前述のエラストマー成分からなる繊維及び非エラストマー成分からなる繊維から構成される繊維集合体であってもよく、また、これらの複合繊維及び単一の繊維の混合体である繊維集合体であってもよい。
【0026】
前記繊維集合体の形態としては、その構成繊維からなる乾式不織布、湿式不織布が挙げられる。
【0027】
また、前記繊維集合体は、その構成繊維のみからなる不織布等の他、繊維にパルプを混合したパルプシートであってもよい。該パルプとしては、綿状パルプ、粉砕パルプ等の木材パルプの他、木綿等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維等が挙げられる。
パルプの含有量は、繊維集合体中、好ましくは5〜70重量%、更に好ましくは10〜50重量%である。
【0028】
更に、前記繊維集合体は、パルプシート、フィルム、発泡シート等との複合シートとして用いることもできる。
【0029】
前記繊維集合体からなる本実施形態の圧縮回復性シートは、その坪量が15〜100g/m2 、好ましくは20〜80g/m2 である。該坪量が15g/m2 未満であると、シートの繊維密度が得られないため、十分な圧縮回復率の発現が困難であり、100g/m2 を超えると、コストが高くなり、吸収性物品での使用は困難である。
【0030】
本実施形態の圧縮回復性シートは、その無荷重厚みが1.2〜5mmである。該無荷重厚みが1mm未満であると、充分な厚み感及びクッション性が得られなくなり、10mmを超えると、厚すぎて、おむつに使用した場合、1枚の厚みが厚くなり装着性が悪くなったり、包装体が大きくなり持ち運びに不便となる。ここで、圧縮回復性シートの無荷重厚みとは、測定前にシートを無荷重の状態で24時間放置して、シートに加えられている歪みをを取り除いた時点の厚みをいう。また、前記無荷重厚みは、レーザー変位計(キーエンス社製、商品名「PA−1830」)を用い、常法に準じて測定された平均厚みを意味する。
【0031】
本実施形態の圧縮回復性シートは、その圧縮回復率が60%以上、好ましくは70〜100%である。該圧縮回復率が60%未満であると、おむつに使用した場合、パッケージ内で充分な薄さを保ちながら、おむつ着用時に充分な安心感のある厚みが得られない。
ここで、圧縮回復率は下記測定法にて測定される。
圧縮回復率測定法;測定前にシートを24時間放置し、測定前にシートに加えられている歪みを取り除く。歪みを取り除いた時点の厚み(シートを圧縮する前の厚み)をamm、180gf/cm2 の圧力で24時間圧縮した後、圧力を取り除き30分間放置した時の厚みをbmmとした時に、圧縮回復率=b/aと定義し、各厚みを測定する。ここで、厚みは、レーザー変位計(キーエンス社製、商品名「PA−1830」)を用い、常法に準じて測定された平均厚みを意味する。
【0032】
本実施形態の圧縮回復性シートの製造に際しては、溶融紡糸及びゲル紡糸等の常法により紡糸した、エラストマー成分及び非エラストマー成分からなる複合繊維、エラストマー成分からなる繊維、非エラストマー成分からなる繊維、又はこれらの混合繊維を混綿し、必要に応じてパルプ等を加えて、カード等により開繊し、ウエブ化してウエブ状の繊維集合体とし、これに熱処理(好ましくは140〜240℃、更に好ましくは160〜220℃)等を施すことにより、繊維集合体のシートを形成する。この際、シートの製法としては、例えば、スパンボンド、エアースルー、ヒートロール、スパンレース等が用いられる。次いで、該繊維集合体のシートを、凸ロールを用いてヒートロール加工(好ましくは100〜200℃、更に好ましくは110〜180℃)する等により、規則的に配列された多数の凸部が形成されている繊維集合体からなる本実施形態の圧縮回復性シートとする。
【0033】
本発明の圧縮回復性シートは、前述の好ましい実施形態に基づき説明したが、かかる実施形態に限定されず、種々の変更形態が可能であり、他の好ましい実施形態としては、図6に示す圧縮回復性シートが挙げられる。また、表面が凸形状のみで裏面が凹形状のみからなるシートであってもよい。
【0034】
本発明の圧縮回復性シートは、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品等におけるクッション材として用いることが好ましい。
例えば、本発明の圧縮回復性シートを吸収性物品におけるクッション材として用いた場合について図4を参照して説明すると、図4は本発明の圧縮回復性シートを用いた吸収性物品の要部を模式的に示す断面図で、本発明の圧縮回復性シート44は、吸収性物品の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く〔図4(a)参照;矢印は荷重方向を表す〕、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品に必要な(安心感を与える)厚みを発現させる〔図4(b)参照〕ものである。
【0036】
次に、本発明の吸収性物品の1実施形態について、その要部の断面図を示す図5を参照して説明する。
図5は、展開型の使い捨ておむつの長手方向の断面を模式的に示す断面図で、本実施形態の使い捨ておむつ10は、図5に示すように、液透過性の表面シート20、液不透過性の裏面シート30、両シート20,30間に介在された液保持性の吸収体40、及びクッション材として前述の本発明の圧縮回復性シート44を具備するものであり、該圧縮回復性シート44が、吸収体40の下部(吸収体40における裏面シート30側の面)に配置されているものである。
【0037】
このように、本実施形態の使い捨ておむつ10は、クッション材として圧縮回復性シート44を具備するため、包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く〔図4(a)参照;矢印は荷重方向を表す〕、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に必要な(安心感を与える)厚みを発現する〔図4(b)参照〕ものである。
【0038】
尚、圧縮回復性シート44は、吸収体40の上部(吸収体40における表面シート20側の面)又は内部に配することもでき、また、使い捨ておむつ10の他の適宜な箇所に配することもでき、更に、これらの複数箇所に配することもできる。
また、吸収体40における他の構成部材は、吸収性ポリマー42をその繊維間隙に保持してなる嵩高不織布41、及び該嵩高不織布41を包装する台紙43である。
【0039】
本実施形態の使い捨ておむつは、包装体に入れる際には、通常通り、適宜折り畳まれ、積層され、圧縮されて収納包装される。そして、前述した本発明の圧縮回復性シートは、このように包装されたときの厚みが本発明に係る前記圧縮回復率を有していないシートを用いた場合と同程度であるが、前記使い捨ておむつを包装袋から取り出して使用する際には、本発明の圧縮回復性シートは前記圧縮回復率を満たす厚みに回復する。
【0040】
本実施形態の使い捨ておむつは、前述の如く構成されているので、包装体とした場合には、厚みが薄く、コンパクトにでき、しかも、包装体から取り出して使用する際には厚みが回復して適度な厚みを有するようになるため、使用者等に薄さからくる不安感を与えることなく安心して使用できる。
【0041】
【実施例】
実施例1〜4
表1又は表2に示す繊維を使用し、表2に示す不織布製法により、ウエブ状の繊維集合体に熱処理(200℃)を施して、繊維集合体のシート(不織布)を形成した。このシートを両面から2つの凸ロールを用いて130℃でスチールマッチエンボス加工することにより、表2に示す繊維組成、坪量、厚み(無荷重厚み)及び圧縮回復率を有する、図6に示す規則的に配列された多数の凸部〔凸部の数;5個/cm2 (圧縮回復性シートの面積基準)、各凸部間の距離;4.5mm、凸部における表面と裏面との間の厚み;0.5mm〕が形成されている繊維集合体からなる圧縮回復性シートを得た。
【0042】
比較例1、2
スチールマッチエンボス加工を施さない以外は前記実施例と同様にして、表2に示す繊維組成、坪量、厚み(無荷重厚み)及び圧縮回復率を有する、平板状の繊維集合体からなる圧縮回復性シートを得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
実施例5〜8及び比較例3、4
吸収体として、吸収性ポリマーとそれを繊維間隙に担持してなる繊維集合体としての嵩高不織布とを台紙で包装したものを用い、該吸収体における裏面シート側の面に、実施例1〜4及び比較例1、2の各圧縮回復性シートをクッション材として配置し、それ以外の部材は、公知の部材を用いて、図5に示す使い捨ておむつを作成した。
得られたおむつの荷重下厚みと無荷重厚みとを下記測定法に準じて測定した。また、このおむつを通常の方法で包装体内で24時間放置した後、該包装体からおむつを取り出し、その安心感について下記基準に従い評価した。それらの結果を表3に示す。
【0046】
<おむつ荷重下厚みと無荷重厚み測定法>
まず、吸収性物品を平面状に広げ、吸収性物品をその長手方向に2等分する線と幅方向に2等分する線との交点を中心に長手方向100mm×幅方向100mmの寸法で切り出して試験片を得る。なお、吸収性物品の長手方向または幅方向の寸法が100mmに満たない場合、吸収性物品の寸法を試験片の寸法とする。
試験片を水平な台上に静置し、無荷重の状態で24時間置く。次いで、試験片の上におもりとアクリル板とを載置し、荷重をかけた状態で24時間放置する。ここで、おもりは、試験片にアクリル板と合わせて180gf/cm2 の荷重がかかる様な重さ及び大きさのものを用いた。また、アクリル板は、長さ100mm×幅100mm×厚み5mmのものを用いた。
荷重を24時間かけた後、そのままの状態で試験片4隅の厚みを測定し(測定法1)、この測定値の平均をとって180gf/cm2 の荷重をかけた場合の荷重下厚みとする。
次いで、おもりとアクリル板を取り除き、無荷重の状態で30分置く。30分経過後、試験片に反りや歪みがあると厚みを正確に測定できないため、試験片に1gf/cm2 の荷重がかかるようにおもり及びアクリル板を載置し、試験片を平坦な状態に保つ。
ここで、おもりは、試験片にアクリル板と合わせて1gf/cm2 の荷重がかかる様な重さ及び大きさのものを用い、アクリル板は、長さ100mm×幅100mm×厚み5mmのものを用いた。
そして、アクリル板とおもりを載せ、直ちに前記測定法1と同様に試験片の厚みを測定し、この測定値の平均をとって、無荷重厚みとする。
【0047】
<安心感の評価基準>
◎;包装体から取り出した時厚み感があり、安心感が非常に良好。
○;包装体から取り出した時厚み感があり、安心感が良好。
△;包装体から取り出した時厚み感がややなく、安心感がやや悪い。
×;包装体から取り出した時厚み感がなく、安心感が悪い。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】
本発明の圧縮回復性シートは、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品等に用いた場合に、吸収性物品等の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品等に必要な(安心感を与える)厚みを発現させるものである。
また、本発明の吸収性物品は、包装体とした場合にはコンパクトであるが、包装体から取り出し使用する際には、厚みが回復し、使用時における安心感が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の圧縮回復性シートの1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1の圧縮回復性シートを製造するための製造装置の一部を示す概略斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のJ−J拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の圧縮回復性シートにおける繊維集合体を構成する繊維の一形態である複合繊維の一部を断面として模式的に示す斜視図である。
【図4】図4(a)は、本発明の圧縮回復性シートを具備する吸収体のある荷重下での状態を模式的に示す断面図であり、図4(b)は、本発明の圧縮回復性シートを具備する吸収体の使用時の(荷重が取り除かれた際の)状態を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの1実施形態を模式的に示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の圧縮回復性シートの他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 圧縮回復性シート
1’ 繊維集合体のシート
2 凸ロール
3 複合繊維
4 エラストマー成分
5 非エラストマー成分
10 使い捨ておむつ
20 表面シート
30 裏面シート
40 吸収体
41 ポリマー固定不織布
42 吸収性ポリマー
43 台紙
44 圧縮回復性シート
Claims (6)
- 規則的に配列された多数の凸部が形成されている繊維集合体からなる、吸収性物品用の圧縮回復性シートであって、
坪量が15〜100g/m2であり、無荷重厚みが1.2〜5mmであり、圧縮回復率が60%以上であり、
前記繊維集合体は、該繊維集合体を構成する繊維同士が熱融着により接着されている不織布である圧縮回復性シート。 - 前記凸部の数が圧縮回復性シートの面積を基準として1〜100個/cm2であり、且つ各凸部間の距離が1〜20mmである請求項1記載の圧縮回復性シート。
- 繊維集合体のシートを、凸ロールを用いてヒートロール加工することによって形成された請求項1又は2記載の圧縮回復性シート。
- 前記繊維集合体が、エラストマー成分及び非エラストマー成分からなる複合繊維を10〜90重量%含む繊維集合体である請求項1〜3の何れかに記載の圧縮回復性シート。
- 請求項1〜4の何れかに記載の圧縮回復性シートの製造方法であって、ウェブ状の繊維集合体を熱処理して、繊維集合体のシートを形成し、該繊維集合体のシートを、凸ロールを用いてヒートロール加工する、圧縮回復性シートの製造方法。
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、両シート間に介在された液保持性の吸収体、及びクッション材として請求項1〜4の何れかに記載の圧縮回復性シートを具備する吸収性物品。
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