JP2023019810A - 吸収性物品用不織布及びこれを備える吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品用不織布は、第1繊維層と、該第1繊維層に隣接して配された第2繊維層とを備える。前記不織布中に天然繊維を0.5質量%以上3.0質量%以下含む。前記第1繊維層を構成する繊維として、天然繊維と、繊度が1.5dtex以上3.0dtex以下である第1の熱融着性芯鞘複合繊維とを含む。前記第2繊維層を構成する繊維として、繊度が0.5dtex以上1.5dtex未満である第2の熱融着性芯鞘複合繊維を含む。前記不織布を備える吸収性物品も提供する。
【選択図】なし
Description
前記不織布は、第1繊維層と、該第1繊維層に隣接して配された第2繊維層とを備えることが好ましい。
前記不織布は、天然繊維を0.5質量%以上3.0質量%以下含むことが好ましい。
前記第1繊維層は、その構成繊維として、天然繊維と、繊度が1.5dtex以上3.0dtex以下である第1の熱融着性芯鞘複合繊維とを含むことが好ましい。
前記第2繊維層は、その構成繊維として、繊度が0.5dtex以上1.5dtex未満である第2の熱融着性芯鞘複合繊維を含むことが好ましい。
本発明のその他の特徴は、請求の範囲及び以下の説明から明らかになるであろう。
具体的には、第1繊維層は、その構成繊維として、天然繊維と、所定の繊度を有する第1の熱融着性芯鞘複合繊維(以下、これを「第1芯鞘繊維」ともいう。)を含む。第1繊維層は、不可避的に混入する繊維を除いて、天然繊維と第1芯鞘繊維とからなることが好ましい。
これに加えて、第2繊維層は、その構成繊維として、第1芯鞘繊維よりも繊度が小さい第2の熱融着性芯鞘複合繊維(以下、これを「第2芯鞘繊維」ともいう。)を含む。第2繊維層は、不可避的に混入する繊維を除いて、第2芯鞘繊維からなることが好ましい。
第2芯鞘繊維がこのような繊度となっていることによって、構成繊維の熱による融着性を十分に発現させつつ、第2繊維層の繊維密度を高い構成としやすくして、第2芯鞘繊維どうしの融着によって天然繊維を不織布中に保持させたり、意図せず繊維層間を移動した天然繊維を第2繊維層中の構成繊維間に絡めて保持したりしやすくできる。その結果、不織布としての強度を十分に発現させつつ、不織布の構成繊維、特に、熱融着性繊維ではない天然繊維の毛羽立ちや脱落を効率的に抑制でき、不織布の滑らかさ向上による風合いが更に向上する。
また、第1芯鞘繊維の繊度及び第2芯鞘繊維の繊度を上述した範囲とすることで、高い引張強度を有する不織布が得られ、その製造後に他の工程へ搬送される場合であっても強度を維持することができる。これに加えて、実使用に耐えうる強度も十分に有し、取り扱い性に優れたものとなる。
同様に、測定用サンプルの他方の面を対象として上述の測定方法を行い、この算出された値を第2芯鞘繊維の繊度(dtex)とする。
このような含有割合とすることで、第1繊維層内ならびに第1繊維層及び第2繊維層どうしの構成繊維の融着性を高めて、天然繊維の毛羽立ちや脱落を効率的に少なくしつつ、天然繊維を含む場合でも不織布の強度を十分に発現させることができる。これに加えて、このような不織布を吸収性物品の構成部材として用いたときに、該不織布以外の構成部材との接着性を十分に高めて、実用上十分な強度を有する吸収性物品を形成しやすい。
このような含有割合とすることで、第2繊維層内ならびに第1繊維層及び第2繊維層どうしの構成繊維の融着性を高めて、天然繊維の毛羽立ちや脱落を効率的に少なくできる。これに加えて、第2繊維層の繊維密度を高めて緻密な構造に形成することができるので、例えば不織布をその第2繊維層側が吸収性物品の外面を構成するように配したときに、第1繊維層に含まれる天然繊維が第2繊維層を厚み方向に通過して脱落したり毛羽立ちが生じたりすることを効果的に少なくできるので、不織布及びこれを備える吸収性物品の外面からの肌触り及び使用感が更に向上する。
まず、剃刀(品番FAS-10、フェザー安全剃刀株式会社製)を用いて不織布を厚み方向に沿って切断する。そして、不織布の切断面を厚み方向に3等分し、不織布における一方の面側の部位及び不織布における他方の面側に位置する部位についてそれぞれ、走査電子顕微鏡を用いて拡大(繊維断面が30~60本程度計測できる倍率に調整;150~500倍)する。各部位において、一定面積当たり(0.5mm2程度)の視野に存在する切断された繊維の断面数を計測する。そして、各部位の測定値について、1mm2当たりの繊維の断面数に換算する。測定は同一の繊維層を対象として3箇所行い、算術平均した値を、各繊維層の繊維密度とする。走査電子顕微鏡には、日本電子株式会社製のJCM-5100(商品名)を用いる。
繊維層の特定は、上記の測定方法に従って、不織布の一方の面側の部位に存在する繊維の繊度と、他方の面側の部位に存在する繊維の繊度とをそれぞれ測定し、各部位の繊度を測定し、繊度が1.5dtex以上の繊維を含む部位を第1繊維層とし、繊度が1.5dtex未満の繊維を含む部位を第2繊維層とする。
つまり、吸収性物品用不織布は、MD方向における引張強度がCD方向における引張強度よりも大きいものである。このような引張強度の違いは、不織布の構成繊維の配向の違いに起因するものであり、このような強度の違いを有することによって、不織布を製造した後、吸収性物品に組み込むまでの搬送過程や、実使用においても破断しづらい。
不織布単体を測定対象とする場合には、MD方向又はCD方向は、走査電子顕微鏡JCM-6000(日本電子株式会社製)を用いて繊維の配向方向を観察することにより確認する。より具体的には、不織布をその一方の面側から観察し、繊維の配向方向に沿う方向をMD方向とし、MD方向に直交する方向をCD方向とする。
不織布における融着点の有無は、測定対象の不織布をカミソリ等で厚み方向に切断して切断面を得て、その切断面に存在する繊維をマイクロスコープまたは顕微鏡によって観察することによって判断することができる。
このような不織布は、好ましくはエアスルー不織布であり、例えば後述する製造方法によって容易に得ることができる。
また、第2繊維層の坪量は、不織布の製造コストを低減しつつ、加工性及び風合いを向上させる観点から、好ましくは6g/m2以上、より好ましくは8g/m2以上であり、また、好ましくは20g/m2以下、より好ましくは15g/m2以下である。
また、吸収性物品用不織布全体の坪量(総坪量)は、不織布の製造コストを低減しつつ、加工性及び風合いを向上させる観点から、好ましくは16g/m2以上、より好ましくは20g/m2以上であり、また、好ましくは45g/m2以下、より好ましくは35g/m2以下である。
同様の観点から、第2芯鞘繊維の繊維径は、好ましくは8μm以上、より好ましくは10μm以上であり、好ましくは16μm以下、より好ましくは14μm以下である。
上述の繊維径は、マイクロスコープVH‐8000(株式会社キーエンス製)及び上述した剃刀を用いて、不織布の構成繊維の断面を200倍~800倍に拡大観察して測定する。観察した繊維1本について円形に近似したときの繊維径を5箇所測定し、それぞれ測定した値5点の算術平均値を繊維の直径とする。
同様の観点から、第2芯鞘繊維の繊維長は、好ましくは5mm以上、より好ましくは20mm以上であり、好ましくは100mm以下、より好ましくは80mm以下である。
上述した繊維長は、走査電子顕微鏡JCM-6000(日本電子株式会社製)を用いて、上述した繊維層の繊維密度の測定方法と同様に各芯鞘繊維の存在する層を特定し、その繊維層の構成繊維をその長さ方向に追跡し、その一端から他端までの長さを測定する。5本の繊維の長さを測定し、5本の算術平均値を上述した繊維長とする。
吸収性物品の外面とは、吸収性物品の使用時、あるいは吸収性物品を包装から取り出す等の取扱い時において、使用者が手に直接触れることができる吸収性物品の面(表裏を含有しているが、厚み方向に進んだ内部の面ではなく、表面側)を意味する。
また吸収性物品として、尿漏れパッド及び生理用ナプキンに吸収性物品用不織布を用いる場合、例えば表面シートや、サイド不織布、ヒップガード等の構成部材として用いることができる。
また吸収性物品として、尿漏れパッド及び生理用ナプキンに吸収性物品用不織布を用いる場合、例えば表面シートや鼠径部近傍に配されるギャザー等の構成部材として用いることができる。
例えば、吸収性物品用不織布が表面シートとして用いられる場合、該不織布は、その第2繊維層が、吸収性物品の肌対向面側に又は肌対向面を構成するように配されることが好ましい。また例えば、吸収性物品用不織布が外装体として用いられる場合、該不織布は、その第2繊維層が、吸収性物品の非肌対向面側に又は非肌対向面を構成するように配されることが好ましい。
吸収性物品に用いられる表面シート及び裏面シートは、本発明の吸収性物品用不織布以外のものを用いる場合、吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。表面シートとしては、例えば液透過性の各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。裏面シートとしては、液難透過性若しくは撥水性又は液不透過性のシートを用いることができ、例えば樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収性コアは、コアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートの被覆態様としては、例えば、少なくともその肌対向面が液透過性のコアラップシートで覆われていてもよく、肌対向面及び非肌対向面を含む表面の全域がコアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
これに加えて、得られた繊維集合体にカレンダー処理を行う工程(カレンダー工程)を更に採用することが好ましい。
不織布の好適な形態として、第1繊維層と第2繊維層とを備える複層構造のものを製造する場合には、例えば、カード法によって形成した天然繊維と第1芯鞘繊維とを混合状態で含む第1繊維ウエブと、カード法によって形成した第2芯鞘繊維とを含む第2繊維ウエブとを積層して、繊維ウエブの積層体を形成する。
第1繊維ウエブ及び第2繊維ウエブにおける各構成繊維の含有割合と、目的とする不織布における繊維の含有割合とは、本工程の前後において実質的に変化はないので、第1繊維ウエブ及び第2繊維ウエブにおける各構成繊維の含有割合は、それぞれ上述した範囲とすることができる。
上述した熱風の温度は、熱風の吹き出し口での温度とする。この温度は、例えば吹き出し口又はそのできるだけ近い位置に熱電対を取り付けて測定することができる。
また上述の条件における熱風の温度は、好ましくは142℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは138℃以下とすることができる。
また同様の観点から、繊維ウエブの積層体に吹き付ける熱風の風速は、好ましくは2.0m/秒以下、より好ましくは1.4m/秒以下である。
上述した温度及び風速の条件でエアスルー工程を行うことによって、繊維ウエブを構成する各芯鞘繊維表面に存在する熱可塑性樹脂を溶融又は軟化させて、繊維に熱融着性を効率的に発現させて、繊維どうしが融着した部位をランダムに形成することができる。その結果、製造される吸収性物品用不織布は、エアスルー不織布に起因する柔軟性及び良好な風合いを発現しつつ、使用に耐えうる強度が発現したものとなる。
また、繊維集合体をフィルム化させずに、構成繊維どうしの境界が明瞭となっている繊維形状を保ちつつ、得られる吸収性物品用不織布の風合いを良好なものとする観点から、カレンダー工程における加圧条件は、線圧で表して、好ましくは686N/cm(70kgf/cm)以下、より好ましくは294N/cm(30kgf/cm)以下である。
吸収性物品用不織布を吸収性物品の構成材料とする場合、吸収性物品を製造する工程のうちのいずれかにおいて、上述の方法で製造された吸収性物品用不織布を構成材料の一つとして用い、該吸収性物品用不織布を切断する工程や、該吸収性物品用不織布と吸収性物品を構成する他の構成材料(例えば吸収体やシート等)とを積層又は接合する等の各種操作を行う工程のうち一つ以上備えて、目的とする吸収性物品を製造することができる。
<1>
第1繊維層と、該第1繊維層に隣接して配された第2繊維層とを備える吸収性物品用不織布であって、
前記不織布中に天然繊維を0.5質量%以上3.0質量%以下含み、
第1繊維層を構成する繊維として、天然繊維と、繊度が1.5dtex以上3.0dtex以下である第1の熱融着性芯鞘複合繊維とを含み、
第2繊維層を構成する繊維として、繊度が0.5dtex以上1.5dtex未満である第2の熱融着性芯鞘複合繊維を含む、吸収性物品用不織布。
前記天然繊維がコットン繊維である、前記<1>に記載の吸収性物品用不織布。
<3>
前記天然繊維の含有量が、0.6質量%以上2.0質量%以下、好ましくは0.7質量%以上1.5質量%以下である、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品用不織布。
<4>
前記第1の熱融着性芯鞘複合繊維の繊度が、1.6dtex以上2.6dtex以下、好ましくは1.7dtex以上2.4dtex以下である、前記<1>~<3>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<5>
前記第2の熱融着性芯鞘複合繊維の繊度が、0.6dtex以上1.4dtex以下、好ましくは0.7dtex以上1.3dtex以下である、前記<1>~<4>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
前記第1繊維層中の前記第1の熱融着性芯鞘複合繊維の含有割合は、90.0質量%以上99.5質量%以下、好ましくは95.0質量%以上99.0質量%以下、より好ましくは97.0質量%以上99.0質量%以下である、前記<1>~<5>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<7>
前記第1繊維層中の前記天然繊維の含有割合は、0.5質量%以上3.0質量%以下、好ましくは0.8質量%以上2.8質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上2.5質量%以下である、前記<1>~<6>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<8>
前記第2繊維層中の前記第2の熱融着性芯鞘複合繊維の含有割合は、90.0質量%以上100質量%以下、好ましくは95.0質量%以上100質量%以下、より好ましくは98.0質量%以上100質量%以下である、前記<1>~<7>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
前記第1繊維層の繊維密度が、20本/mm2以上80本/mm2以下、好ましくは25本/mm2以上70本/mm2以下、より好ましくは30本/mm2以上65本/mm2以下である、前記<1>~<8>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<10>
前記第2繊維層の繊維密度が、30本/mm2以上200本/mm2以下、好ましくは40本/mm2以上150本/mm2以下、より好ましくは50本/mm2以上130本/mm2以下である、前記<1>~<9>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<11>
前記第1繊維層の坪量が、10g/m2以上25g/m2以下、より好ましくは12g/m2以上20g/m2以下である、前記<1>~<10>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
前記第2繊維層の坪量が、6g/m2以上20g/m2以下、好ましくは8g/m2以上15g/m2以下である、前記<1>~<11>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<13>
総坪量が、16g/m2以上45g/m2以下、好ましくは20g/m2以上35g/m2以下である、前記<1>~<12>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<14>
4.9mN/cm2(0.5gf/cm2)荷重下における厚みが、0.3mm以上5.0mm以下、好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは0.8mm以上3.0mm以下である、前記<1>~<13>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
前記第1の熱融着性芯鞘複合繊維の繊維径は、10μm以上20μm以下、好ましくは14μm以上17μm以下である、前記<1>~<14>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<16>
前記第2の熱融着性芯鞘複合繊維の繊維径は、8μm以上16μm以下、好ましくは10μm以上14μm以下である、前記<1>~<15>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<17>
前記第1の熱融着性芯鞘複合繊維又は前記第2の熱融着性芯鞘複合繊維の繊維長は、5mm以上100mm以下、好ましくは20mm以上80mm以下である、前記<1>~<16>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<18>
前記第1の熱融着性芯鞘複合繊維又は第2の熱融着性芯鞘複合繊維の芯/鞘の組み合わせが、PET/PP、PET/PE及びPE/PPから選択される少なくとも1種である、前記<1>~<17>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
前記第1の熱融着性芯鞘複合繊維又は第2の熱融着性芯鞘複合繊維が、同心タイプ及び偏心タイプのから選択される少なくとも1種である、前記<1>~<18>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<20>
エアスルー不織布である、前記<1>~<19>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布。
<21>
前記<1>~<20>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布を備える吸収性物品。
<22>
前記第2繊維層が前記吸収性物品の外面側を向くように配されている、前記<21>に記載の吸収性物品。
前記<1>~<20>のいずれか一に記載の吸収性物品用不織布の製造方法であって、
第1の熱融着性芯鞘複合繊維及び天然繊維を混合状態で含む第1繊維ウエブと、第2の熱融着性芯鞘複合繊維を含む第2繊維ウエブとをそれぞれ形成し、
前記第1繊維ウエブ及び前記第2繊維ウエブを積層して積層体とし、然る後に、
前記積層体に対してエアスルー処理を行う、吸収性物品用不織布の製造方法。
<24>
エアスルー処理を行った前記積層体に対して、カレンダー処理を更に行う、前記<23>に記載の製造方法。
前記エアスルー処理において、前記積層体に吹き付ける熱風の温度が、128℃以上142℃以下、好ましくは130℃以上140℃以下、より好ましくは132℃以上138℃以下である、前記<23>又は<24>に記載の製造方法。
<26>
前記エアスルー処理において、前記積層体に吹き付ける熱風の風速が、0.6m/秒以上2.0m/秒以下、より好ましくは1.0m/秒以上1.4m/秒以下である、前記<23>~<25>のいずれか一に記載の製造方法。
<27>
前記エアスルー処理における前記積層体の搬送速度が、3m/秒以上50m/秒以下、より好ましくは5m/秒以上20m/秒以下である、前記<23>~<26>のいずれか一に記載の製造方法。
第1芯鞘繊維として、繊度が2.0dtexであり、芯がPET(50質量%)であり且つ鞘がPE(50質量%)である熱融着性の芯鞘複合繊維を用いた。第1芯鞘繊維と、天然繊維としてのコットン繊維を以下の表1に示す質量割合で混合し、これを第1繊維ウエブとした。第1繊維ウエブの坪量はいずれも15g/cm2とした。
これとは別に、第2芯鞘繊維として、繊度が1.2dtexであり、芯がPET(50質量%)であり且つ鞘がPE(50質量%)である熱融着性の芯鞘複合繊維を用い、この繊維の集合体からなる第2繊維ウエブを形成した。第2繊維ウエブの坪量はいずれも10g/cm2とした。
実施例3と同様の構成及び条件でエアスルー処理を行ったあと、得られた繊維集合体に対してカレンダー処理を更に行い、目的とする吸収性物品用不織布を得た。カレンダー工程は、いずれも非加熱条件(室温)にて、樹脂製のロールと金属ロールとの間を通過させて第1の加圧を行った後、更に、樹脂製のロールと金属ロールとの間を通過させて第2の加圧を行った。第1の加圧における線圧が255N/cm、第2の加圧における線圧が115N/cmとなるように設定した。樹脂製のロールは、D硬度90度の硬質ゴムロールを用いた。この不織布は、第1繊維ウエブに由来する第1繊維層と、第2繊維ウエブに由来する第2繊維層とからなる2層構造のものであり、繊維どうしの融着点が形成されていた。
第2芯鞘繊維として、繊度が1.7dtexであり、芯がPET(50質量%)であり且つ鞘がPE(50質量%)である熱融着性の芯鞘複合繊維を用いた以外は、実施例2と同様の構成及び条件にて、目的とする吸収性物品用不織布を得た。
第1繊維ウエブに天然繊維を非含有とし、第1芯鞘繊維のみを用いた以外は、実施例1と同様の構成及び条件にて、目的とする吸収性物品用不織布を得た。
第1繊維ウエブ中の第1芯鞘繊維及び天然繊維の含有量を以下の表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の条件にて、目的とする吸収性物品用不織布を得た。
実施例及び比較例の吸収性物品用不織布について、厚みを測定した。厚みの測定は、測定対象の吸収性物品用不織布に4.9mN/cm2の荷重を負荷した状態で、レーザー変位計を用いて、5箇所以上測定し、それらの算術平均値を厚み(mm)とする。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の吸収性物品用不織布について、上述した方法で繊維層を特定し、各繊維層における構成繊維の存在密度(本/mm2)を測定した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の吸収性物品用不織布について、第1繊維層側と他の部材との接着強度の測定を、以下の方法で行った。
測定対象の不織布について、剃刀(品番FAS-10、フェザー安全剃刀株式会社製)を用いて、平面視10cm×5cmの領域を厚み方向の全体に亘って2枚切り出し、2枚の試験片を得る。次いで、1枚の試験片における一方の面に対し、該試験片の長手方向の一端側における5cm×5cmの領域に坪量6g/m2のホットメルト接着剤(ヘンケル社製、ゴム系ホットメルト)を塗布し、もう1枚の試験片に貼り付け、その上から2kg錘を載せて5分間静置して、これを測定サンプルとする。2枚の試験片を貼り合わせるときの面は不織布における第1繊維層の存在面とし、第1繊維層どうしが対向するように貼り合わせる。次いで、測定サンプルにおいて2枚の試験片が貼り合わされていない方の端部それぞれを、テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ株式会社製 「RTG1310」)のチャック間に固定する。チャック間の距離は50mmとする。次いで、チャックを、180°方向に沿って300mm/minの速度で移動させて、2枚の試験片を剥離させる。このとき観察される引張強度の最大値を求める。この測定を3回繰り返し、それらの算術平均値を接着強度とする。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の吸収性物品用不織布について、MD方向とCD方向との各引張強度を上述した方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の吸収性物品用不織布について、繊維の毛羽立ちを以下の方法で測定した。
まず、円盤(直径70mm、350g)を、その中心が試験機の回転軸から20mmずれた位置で取り付ける。この円盤は、その表面をウレタンフォーム(株式会社イノアテック製ウレタンフォーム、商品名:モルトフィルターMF-30タイプ、厚さ5mm、表面の摩擦係数0.508)で覆ったものである。
次いで、測定対象となる不織布を試験機の台上に固定し、前記円盤を不織布の上に載せ、円盤の主面と不織布の第2繊維層が存在する側の面とを接触させた状態で、円盤を回転させる。このとき、不織布に付与する荷重は円盤の自重のみとする。この回転は、時計回りに3回、反時計回りに3回を1サイクルとして10サイクル行った。周動時間は、1回転あたり3秒間とした。
A:第2繊維層からの毛羽立ち(繊維)本数が0であり、非常に優れる。
B:第2繊維層からの毛羽立ち(繊維)本数が1以上2未満であり、優れる。
C:第2繊維層からの毛羽立ち(繊維)本数が2以上3未満であり、問題の無い程度である。
D:第2繊維層からの毛羽立ち(繊維)本数が3以上であり、悪い。
不織布の表面をMD方向に沿って掌を動かして、その感触に基づいて、風合いとしての柔らかさ及び滑らかさを評価した。これらの評価は、専門パネラー3名により行い、評価基準品としてメリーズパンツBigサイズ(花王株式会社、2020年製、日本販売品)外層の風合いを3点として、以下の基準で評価した。パネラーの点数の算術平均を整数桁に四捨五入した値を算出した。この値が高いほど、不織布の風合いが良好であることを示す。結果を表1に示す。
5点:評価基準品よりも柔らかさに非常に優れる。
4点:評価基準品よりも柔らかさに優れる。
3点:評価基準品と同等の柔らかさである。
2点:評価基準品よりも柔らかさに劣る。
1点:評価基準品よりも明らかに硬く、柔らかさを知覚しない。
<滑らかさの評価基準>
5点:評価基準品よりも滑らかさに非常に優れる。
4点:評価基準品よりも滑らかさに優れる。
3点:評価基準品と同等の滑らかさである。
2点:評価基準品よりも滑らかさに劣る。
1点:評価基準品よりも滑らかさが明らかに悪く、滑らかさを知覚しない。
Claims (6)
- 第1繊維層と、該第1繊維層に隣接して配された第2繊維層とを備える吸収性物品用不織布であって、
前記不織布中に天然繊維を0.5質量%以上3.0質量%以下含み、
第1繊維層を構成する繊維として、前記天然繊維と、繊度が1.5dtex以上3.0dtex以下である第1の熱融着性芯鞘複合繊維とを含み、
第2繊維層を構成する繊維として、繊度が0.5dtex以上1.5dtex未満である第2の熱融着性芯鞘複合繊維を含む、吸収性物品用不織布。 - 前記天然繊維がコットン繊維である、請求項1に記載の吸収性物品用不織布。
- 第1繊維層に前記天然繊維を0.5質量%以上3.0質量%以下含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品用不織布。
- エアスルー不織布である、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品用不織布。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品用不織布を備える吸収性物品。
- 前記第2繊維層が前記吸収性物品の外面側を向くように配されている、請求項5に記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
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JP2021124807A JP2023019810A (ja) | 2021-07-29 | 2021-07-29 | 吸収性物品用不織布及びこれを備える吸収性物品 |
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WO2024180809A1 (ja) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | Jnc株式会社 | 不織布およびそれを用いた吸収性物品ならびに清掃用ワイパー |
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JP2006299480A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Kao Corp | 繊維シートの加工方法 |
WO2020004554A1 (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-02 | ダイワボウホールディングス株式会社 | 吸収性物品用不織布、吸収性物品用バックシート及び吸収性物品、並びに吸収性物品用不織布の製造方法 |
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