JP3611185B2 - 微粒子ゼオライトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平均一次粒子径が微小で、カチオン交換能に優れる微粒子ゼオライトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライトは、そのイオン交換能により、水軟化剤として洗剤用ビルダーに利用されている。そのイオン交換能はゼオライトの一次粒子径に大きく依存しており、一次粒子径の微小なゼオライトはイオン交換速度に優れるため、高い洗浄性能を発揮することが知られている。
【0003】
また、微粒子ゼオライトは衣類への沈着性が少ないことや、濁りが低減されるといった利点もあることが知られており、洗剤用ビルダーとして有益なものである。
【0004】
このような微粒子ゼオライトの製造方法としては、例えば特開昭60−127218 号公報や特開昭62−275016 号公報のようにアルミン酸ナトリウムと珪酸ナトリウムを混合しゼオライトを合成する際に、特定の仕込み組成や反応条件(温度、時間)下で合成を完結させる例が示されている。このようにして微細なゼオライトを合成する場合、原料仕込み組成や反応条件は限られた制約のもとで行われなければならず、生産性の低下などが問題となる。
【0005】
また特開昭60−118625 号公報のようにサッカロースなどの可溶性炭化水素を添加することによってゼオライトの粒子径を微小化する報告があるが、本発明者がゼオライトの合成に適用したところ、上記のような可溶性炭化水素を添加しても一次粒子径の低減効果は認められなかった。
【0006】
一方、アルカリ土類金属はゼオライトのNaイオンと容易に置換されやすい元素であり、その働きはイオン交換性カチオンという点で、しばしばアルカリ金属と等価に扱われるケースが多い。特開昭55−116617 号公報では、ゼオライトのナトリウムの一部をアルカリ土類金属で置換することにより、熱安定性を有する吸着剤としてゼオライトを利用することが開示されている。
【0007】
しかしながら、ゼオライトの合成時に意図的にアルカリ土類金属を添加し、水軟化剤として優れるものを得るといった報告はなく、更にそれが一次粒子径の微小化に必要な必須元素であるといった報告はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ゼオライトの合成をアルカリ土類金属を含有する化合物の存在下に行うことにより、平均一次粒子径が微小でカチオン交換速度が早く、かつ、平均凝集粒径が微小で分散性にも優れる結晶性アルミノ珪酸塩からなる微粒子ゼオライトの製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、シリカ源とアルミ源を反応させてゼオライトを製造するに際し、アルカリ土類金属を含有する化合物の存在下に反応を行うことを特徴とする微粒子ゼオライトの製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の微粒子ゼオライトの製造方法はアルミ源とシリカ源を反応させる際にアルカリ土類金属を含有する化合物の存在下で行う。
【0011】
シリカ源とアルミ源は特に限定されるものではないが、反応の均一性や分散性の観点よりそれらの水性溶液が好ましい。例えばシリカ源としては市販の水ガラスが好適に用いられ、場合によっては水や苛性アルカリを加えることにより、モル比や濃度を調整したシリカ源とすることもできる。またアルミ源は特に限定されるものではないが、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、また、アルミン酸カリウムまたはアルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ金属塩等が用いられ、このうち特に、反応の高さの点でアルミン酸ナトリウムが好適に用いられる。これらは必要に応じて苛性アルカリおよび水を用いて適宜のモル比および濃度に調整してアルミ源として用いられる。例えば、水酸化アルミニウムと水酸化ナトリウムを水中に混合後加熱溶解してアルミン酸ナトリウム溶液を調整し、この溶液を水に攪拌しながら加え水性溶液としアルミ源とすることが出来る。またこのようなモル比および濃度調整は反応槽にあらかじめ水を導入して、これに高濃度のアルミン酸アルカリ金属塩水性溶液および苛性アルカリを加えることにより行うことも出来る。
【0012】
反応系に共存させるアルカリ土類金属を含有する化合物において、アルカリ土類金属としてはMg、Ca、Sr、Baなどが用いられ、このうちMg、Caが原料入手の簡便さやコストの点で好適に用いられる。これらは単独であっても、2種以上を混合して用いてもよい。これらはアルカリ土類金属の水酸化物、または炭酸塩、硫酸塩、塩化物、硝酸塩等のアルカリ土類金属塩として反応系に添加される。また、水性溶液として添加されることが反応の均一性等の点から好ましく、特にそれらの水溶性の塩を用いることが好ましく、Ca、Mgなどの塩化物水溶液が特に好適に用いられる。アルカリ土類金属の水酸化物やアルカリ土類金属塩は、シリカ源とアルミ源が反応している際に共存していれば良いが、特に水性溶液の状態でシリカ源および/またはアルミ源にあらかじめ添加しておくことが好ましく、シリカ源に添加しておくことがより好ましい。そしてその後それらのシリカ源とアルミ源を混合し、ゼオライトの合成反応を行うことが好ましい。
【0013】
本発明では、ゼオライトの合成後にNaイオンとアルカリ土類金属イオンを置換させる方法と異なり、合成時にアルカリ土類金属をゼオライトの構造中に取り込ませることにより、ゼオライトのネットワークに作用することで、平均一次粒子径の微小なゼオライトが生成する。このような観点から、アルカリ土類金属と親和性の高いシリカ源とをあらかじめ共存させておいた方が良いわけである。また、アルカリ土類金属は反応初期及び/又は結晶化時に反応に関与することが望ましく、いったん結晶化が終了した後の添加では、本発明のような効果を有する微粒子ゼオライトは得られない。
【0014】
本発明の微粒子ゼオライトの製造方法によって得られる微粒子ゼオライトの無水物の組成は、一般式がxM2 O・ySiO2 ・Al2 O3 ・zMeO(ただし、Mはアルカリ金属、Meはアルカリ土類金属を表し、x=0.2〜2、y=0.5〜6、z=0.005〜0.1)であるのが好ましい。より好ましくは、上記組成中MがNa、Kであり、原料入手の簡便さやコストの点からNaが特に好ましい。MeはCaおよび/またはMgが好ましい。また、x=0.6〜1.3がより好ましい。y=0.9〜5がより好ましい。zは平均一次粒子径を微小化させる効果の点から0.005以上が好ましく、カチオン交換能、即ち、カチオン交換速度およびカチオン交換容量の点から0.1以下が好ましく、0.08以下が更に好ましい。また、より好ましくは0.01〜0.03である。
【0015】
このような組成を有するゼオライトを得るには仕込み組成として、SiO2 / Al2 O3 のモル比が結晶構造の安定性の観点から、 0. 5以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。また、カチオン交換能の点から6以下が好ましく、4以下がより好ましく、2.5以下が特に好ましい。
【0016】
また、アルカリ金属を含有する化合物の仕込み組成としてアルカリ金属を酸化物で表すとM2 O/ Al2 O3 のモル比は通常0.2〜8が好ましく、結晶化速度の観点から0.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。また収率の観点から8以下が好ましく、4以下がより好ましい。アルカリ金属は前記のようにシリカ源、アルミ源中に含有させてもよく、さらに別途用いてもよい。
【0017】
また、アルカリ土類金属を含有する化合物の仕込み組成としてアルカリ土類金属を酸化物で表すとMeO/Al2 O3 のモル比は好ましくは0.005〜0.1であり、平均一次粒子径の微小化効果の点から0.00 5以上が好ましく、0.01以上がより好ましい。またカチオン交換能の観点から0.1以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.05以下が更に好ましく、0.03以下が特に好ましい。
【0018】
反応時の固形分濃度としては、前記のモル比となるように添加した原料のSi、M、Al、Meの各元素を全て酸化物に換算した重量を固形分量とみなし、全含水スラリー量に対する固形分の濃度を反応時の固形分濃度とした場合、その濃度は生産性の観点から10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。またスラリーの流動性の観点から50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
【0019】
反応はシリカ源、アルミ源、アルカリ土類金属を含有する化合物の水性溶液をそれぞれ別々の容器(アルカリ金属は、シリカ源および/またはアルミ源中に含まれている)に入れ、アルカリ土類金属を含有する化合物の水性溶液をシリカ源および/またはアルミ源に添加した後、シリカ源とアルミ源を混合する方法により好適に行われる。中でもシリカ源にアルカリ土類金属を含有する化合物の水性溶液を添加した後、それをアルミ源中に添加して、或いはアルミ源をそれに添加して反応させる方法が特に好ましい。また、それらシリカ源とアルミ源を混合する際、その添加に要する時間は、平均凝集粒径の微小化の点から好ましくは1〜50分、より好ましくは1〜20分である。
【0020】
本発明では、上記の方法に限定されず、シリカ源とアルミ源をアルカリ土類金属を含有する化合物の水性溶液の中に添加してもよい。
【0021】
反応温度は通常25℃〜100℃であり、反応速度の観点から25℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。またエネルギー負荷や反応容器の耐圧の観点から100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
【0022】
また反応初期に急激なゲル生成反応により生成スラリーが増粘する。そこでスラリーの反応を助長するために強攪拌するのが好ましい。
【0023】
反応時間は特に限定されるものではないが、全仕込み成分添加終了後数分〜60分間、好ましくは5〜20分間である。
【0024】
結晶化は反応後、攪拌下で熟成することにより進行させる。熟成温度は特に限定されるものではないが結晶化速度の観点か50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、エネルギー負荷や反応容器の耐圧の観点から100℃以下が好ましい。熟成時間は特に限定されないが、生産性の観点から通常1〜300分が好ましい。その際X線回折パターンの最強ピーク強度が最大となるか、またはカチオン交換容量が最高になるまで熟成することが好ましい。
【0025】
本発明の製造方法により得られる微粒子ゼオライトの結晶形態は公知の結晶形を有しており、A型、X型、Y型、P型などが例示される。結晶形態は特に限定されるものではないが、カチオン交換能の観点からX型やA型が好ましく、A型ゼオライトがより好ましい。これら生成する結晶相は単相でもよく、混合相でもよい。
【0026】
熟成終了後はスラリーをろ過洗浄するか、あるいは酸で中和することにより、結晶化を終了させる。ろ過洗浄をする場合、洗浄液のpHが好ましくは12以下になるまで行うのが良い。また中和する場合、特に限定されることなく、硫酸、塩酸、硝酸、炭酸ガス、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸などを用いることが出来るが、装置腐食やコストの観点から硫酸や炭酸ガスが好ましい。スラリーpHは7〜12に調整することが好ましい。
【0027】
本発明の微粒子ゼオライトの平均一次粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)による定方向接線径(フェレー径)の平均値によって求められるが、カチオン交換速度の観点から1.5μm 以下が好ましく、1.3μm 以下がより好ましい。また、平均一次粒子径が小さ過ぎると結晶性が低下したり、平均凝集粒径が大きくなる点から0.2μm 以上が好ましく、0.5μm 以上がより好ましい。なお、本明細書にいうカチオン交換速度とは、本発明の微粒子ゼオライトの1分間当たりのCaイオンの交換容量を意味し、洗浄性能の点から150mgCaCO3 /g以上であることが好ましく、170mgCaCO3 /g以上であることがより好ましい。
【0028】
また本発明の微粒子ゼオライトの平均凝集粒径はレーザー回折・ 散乱式粒度分布測定装置などにより測定されるが、その際の平均凝集粒径としては、微粒子ゼオライトの分散性、洗剤へ配合した際の衣服への沈着性の観点から13μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましく、1〜5μm が特に好ましい。
【0029】
更に本発明では平均一次粒子径(μm)と平均凝集粒径(μm)の積をとった値を分散パラメータと定義するが、この値が、好ましくは7以下、より好ましくは0.1〜5のものがカチオン交換速度150mgCaCO3 /g以上を有し、本発明の微粒子ゼオライトとして好適である。
【0030】
一方、カチオン交換容量とは、実施例で詳細に説明するように、本発明の微粒子ゼオライトの10分間当たりのCaイオン交換容量を意味し、この値が180mgCaCO3 /g以上のものが洗浄性能の点から好適であり、200mgCaCO3 /g以上のものがより好ましい。
【0031】
本発明の微粒子ゼオライトは製紙用充填剤、樹脂充填剤、水処理剤、洗剤用ビルダー、酸素窒素分離剤、園芸用土質改良剤、研磨剤等に好適に用いられるが、特に洗剤用のビルダーとして好適に用いられる。
【0032】
【実施例】
実施例および比較例における測定値は次に示す方法により測定した。なお、「%」は「重量%」を表す。また各表中、カチオン交換速度およびカチオン交換容量の単位を簡単に「mg/g」と表示した。
【0033】
(1)カチオン交換速度
100mlビーカーに試料を無水物換算で0.04g精秤し、塩化カルシウム水溶液(CaCO3 にして100ppm)100ml中に加え、20℃で1分間攪拌した後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過を行った。そのろ液10mlを取ってろ液中のCa量をEDTA滴定により測定し、1分間で試料1g当たりがイオン交換したCa量(CaCO3 量換算)をカチオン交換速度として求めた。
【0034】
(2)カチオン交換容量
100mlビーカーに試料を無水物換算で0.04g精秤し、塩化カルシウム水溶液(CaCO3 にして100ppm)100ml中に加え、20℃で10分間攪拌した後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過を行った。そのろ液10mlを取ってろ液中のCa量をEDTA滴定により測定し、10分間で試料1g当たりがイオン交換したCa量(CaCO3 量換算)をカチオン交換容量として求めた。
【0035】
(3)平均一次粒子径
電解放射型高分解能走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製作所製S―400)により撮影したSEM写真をもとに、デジタイザー(グラフティック製、デジタイザーKW3300)により、平均一次粒子径(50個以上の平均値)を測定した。
【0036】
(4)平均凝集粒径
レーザー回折/散乱式粒度分布装置(堀場製作所製LA−700)を用い、試料をイオン交換水を分散媒として超音波で1分間分散させた後の粒度分布を測定し、得られたメジアン径を平均凝集粒径とした。
【0037】
(5)結晶形態
X線回折装置(株式会社リガク製、モデルRAD―200)を用いて、CuKα線、40KV、120mAの条件でX線回折パターンを測定し、定性した。
【0038】
実施例1
2 リットルのステンレス製セパラブルフラスコに48%NaOHを1297.2g添加し、ついで水酸化アルミニウム1000g(純度99%)を攪拌しながら添加した。その後昇温し120℃で1時間加熱したのち冷却し、アルミン酸ナトリウム(Na2 O:21.01%、Al2 O3 :28.18%)を得た。
【0039】
上記手法で得られたアルミン酸ナトリウム320gを2リットルステンレス製セパラブルフラスコ(内径12cm)に入れ、ついで48%NaOHを316.1g添加し、アルミ源とした。
【0040】
次に3 号水ガラス(Na2 O:9.68%、SiO2 :29.83%)355.6gを別の2リットルステンレス製セパラブルフラスコに入れ、そこに予めイオン交換水818.2gに無水塩化カルシウム1.96gを混合し調製した塩化カルシウム水溶液を攪拌しながら添加し、この溶液をアルカリ土類金属を含有したシリカ源とした。
【0041】
上記アルミ源を羽根径11cmの攪拌羽根で300rpmで攪拌しながら50℃に昇温した。また、シリカ源も同様に50℃に昇温した。両原料が50℃になったところで、ローラーポンプを用いてアルミ源の中にシリカ源を5分間にわたって滴下して添加した。適下終了後10分間50℃〜60℃の温度に保持し、次に80℃まで昇温した。その後1.5時間80℃の状態で攪拌しながら熟成を行った。なお、反応時の固形分濃度は23%であった。
【0042】
得られたスラリーを、ろ液のpHが11.4になるまでろ過水洗した。そして、100℃で13時間乾燥し、ゼオライトの粉末を得た。
【0043】
得られたゼオライトの組成は無水物で1.09Na2 O・ 2.05SiO2 ・Al2 O3 ・0.02CaO(x=1.09、y=2.05、z=0.02)であった。また、X線回折パターンから結晶形はASTM No.38−241に帰属されるA型ゼオライトであった。
【0044】
また平均一次粒子径は0.87μm、カチオン交換速度は184mgCaCO3 /g、カチオン交換容量は219mgCaCO3 /gである、カチオン交換能に優れる微粒子ゼオライトであった。さらに平均凝集粒径は4.2μmで平均一次粒子径と平均凝集粒径の積で定義される分散パラメータは3.7であった。
【0045】
実施例2〜6
実施例1と同様の手法でアルミ源を調製し、シリカ源として表1記載の仕込み量に基づきCa添加量の異なる水ガラス溶液を調製し、実施例1と同様の方法でゼオライトの合成を行った。その結果、表2に示すように、平均一次粒子径が0.75〜1.3μmの微粒子A型ゼオライトが得られた。
【0046】
比較例1
実施例1と同様の方法でゼオライトの合成を行ったが、その際にアルカリ土類金属を添加せずに表1に基づく仕込み組成で合成を行った。その結果、表2に示すようにアルカリ土類金属を添加しない場合、平均一次粒子径が1.8と大きく、カチオン交換速度も130mgCaCO3 / gと低いものであった。
【0047】
比較例2
比較例1で合成したゼオライト3.5gを333mg/Lの無水塩化カルシウム水溶液1Lに添加し、10分間攪拌した。その後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過を行った後、1Lのイオン交換水で洗浄し、100℃で13時間乾燥した。得られたゼオライトは表2の生成物の組成に示したようにCaがイオン置換されているが、それにより平均一次粒子径の変化は認められなかった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
実施例7
実施例1と同量のアルミ源とシリカ源を用意し、シリカ源の添加時間を20分にする以外は同一の反応方法でゼオライトの合成を行った(表3)。その結果、表4に示されるように平均凝集粒径がやや大きくはなるものの、カチオン交換速度に優れる微粒子A型ゼオライトが得られた。
【0051】
実施例8
実施例7と同様の方法でゼオライトの合成を行ったが、添加するアルカリ土類金属塩を無水塩化マグネシウムとした(表3)。その結果表4のように実施例7で得られた微粒子A型ゼオライトと同様のものが得られた。
【0052】
比較例3
実施例7と同様の方法でゼオライトの合成を行ったが、その際にアルカリ土類金属を添加せずに合成を行った(表3)。その結果、表4に示されるように平均凝集粒径は28.3μmと大きくカチオン交換速度も97mgCaCO3 / gと低いものであった。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
実施例9
仕込み組成のうちNa2 O/Al2 O3 (モル比)を3にする以外は実施例1と同様の反応方法でゼオライトの合成を行った(表5)。その結果、表6に示されるように平均一次粒子径は1.3 μmと実施例1のものよりもやや大きくなるものの、分散パラメータが4.3であり、その結果カチオン交換速度の高いA型ゼオライトが得られた。
【0056】
比較例4
実施例9と同様の方法でゼオライトの合成を行ったが、その際にアルカリ土類金属を添加せずに合成を行った(表5)。その結果、表6に示されるように平均一次粒子径が2.2μmと大きくカチオン交換速度が90mgCaCO3 / gと低いものであった。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【発明の効果】
本発明の微粒子ゼオライトの製造方法により、平均一次粒子径が微小でカチオン交換速度が速く、また平均凝集粒径が微小で分散性にも優れる結晶性アルミノ珪酸塩からなる微粒子ゼオライトが得られる。
Claims (6)
- シリカ源とアルミ源を反応させてゼオライトを製造するに際し、アルカリ土類金属を含有する化合物の存在下に反応を行う、微粒子ゼオライトの製造方法。
- アルカリ土類金属がCaおよび/またはMgであり、アルカリ土類金属を含有する化合物をMeO/Al2O3(MeはCaおよび/またはMg)のモル比が0.005〜0.1となる量用いる請求項1記載の微粒子ゼオライトの製造方法。
- 微粒子ゼオライトの無水物の組成が、一般式xM2O・ySiO2・Al2O3・zMeO(ただし、Mはアルカリ金属、Meはアルカリ土類金属を表し、x=0.2〜2、y=0.5〜6、z=0.005〜0.1)である請求項1または2記載の微粒子ゼオライトの製造方法。
- 平均一次粒子径が1.5μm以下である請求項1〜3いずれか記載の微粒子ゼオライトの製造方法。
- カチオン交換速度が150mgCaCO3/g以上である請求項1〜4いずれか記載の微粒子ゼオライトの製造方法。
- 平均凝集粒径が13μm以下でかつ平均一次粒子径と平均凝集粒径の積で表される分散パラメータが7以下である請求項1〜5いずれか記載の微粒子ゼオライトの製造方法。
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