JP3603563B2 - 超微細粒を有する熱延鋼板及び冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱延ままで超微細フェライト粒を有し、延性、r値などの加工性に優れ、また、これらの異方性が小さい熱延鋼板に関するものであり、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の使途に適用して有利な鋼板を提案しようとするものある。また、上記熱延鋼板を素材として、加工性に優れた冷延鋼板を得ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用材、構造材等に用いられる鋼材には、強度、加工性、じん性といった機械的性質に優れることが求められる。これらの機械的性質を総合的に高める手段としては組織を微細化することが有効であることから、微細な組織をめざす製造方法が数多く模索されてきた。また、高張力鋼板においては、近年、低コストと高機能特性を両立できる高張力鋼板のニーズが強く、かつ、このニーズに適合する鋼板の開発に目標が移行しつつあり、高張力化に伴う延性、じん性、耐久比などの劣化を抑える目的で高張力鋼における組織の微細化も重要な課題となっている。更には、同じく自動車用材等に用いられる冷延鋼板において、素材とする熱延鋼板の細粒化は、加工性、特にr値(ランクフォード値)の向上に有効であるとされており、冷延母材としての熱延鋼板の組織の細粒化も重要な課題となっている。
【0003】
組織を微細化するには、一般に、大圧下圧延法、制御圧延法、制御冷却法などが知られている。
このうち、大圧下圧延による組織微細化法としては、例えば特開昭58−123823号公報等に代表される提案がある。これらの方法における微細化機構の要点は、オーステナイト粒に大圧下を加えることによるγ→α歪誘起変態を促進させることにあり、かかる方法により、ある程度の微細化は達成される。しかし、一パス当たりの圧下量を40%以上にするなど、一般的なホットストリップミルでは実現し難いという問題がある他、かかる実現し難い条件になることによって、得られる最終組織の微細化には限界があった。特にC:0.01wt%以下の極低炭素鋼の場合は、粒成長が極めて速いために、結晶粒の微細化は容易ではなかった。また、大圧下圧延によって結晶粒は偏平となるため、機械的特性に異方性が生じたり、セパレーションにより破壊吸収エネルギーが低下するという問題もあった。更に、加工性についても未だ十分だとはいえなかった。
【0004】
一方、制御圧延法や制御冷却法に属する結晶微細化法を適用した鋼板としては、NbもしくはTiを含む析出強化型鋼板がある。これらの鋼板は、Nb、Tiの析出強化作用を利用して高張力化を図るとともに、Nb、Tiがそなえるオーステナイト粒の再結晶抑制作用を利用して低温仕上圧延を施したときの未再結晶変形オーステナイト粒からのγ→α歪誘起変態によってフェライト結晶粒を微細化するものである。しかし、かかる微細化法をC:0.01wt%以下の極低炭素鋼に適用しようとしても、極低炭素鋼の場合は、生成する析出物量が少ないために上記のような析出物を利用した結晶粒の微細化は大して得られない。
【0005】
以上述べたように、C:0.01wt%以下の極低炭素鋼の場合は、大圧下圧延法、制御圧延法、制御冷却法による微細化が困難である。したがって、かかる極低炭素鋼板の微細化のためには圧延直後に急冷することが最も有効であり、実際に適用が試みられている。しかしながら、極低炭素鋼板は、粒成長が極めて速いために、この方法によっても、容易かつ安定して10μm 未満の微細な結晶粒を得ることはできなかった。また、加工性について更なる改善が求められている今日では、特にr値については、未だ十分だとはいえなかった。
【0006】
一方、極低炭素鋼のr値を改善する技術として、熱間圧延をAr3 変態点以下で終了し、母板焼鈍する方法が知られており、加工用熱延鋼板や、当該熱延鋼板を冷延母板とした加工用冷延鋼板に適用が考えられている。ところが、一般に熱延鋼板もしくは冷延鋼板においてAr3 変態点以下で終了すると、加工用鋼板としては好ましくない「リジング」と呼ばれる現象を生じやすい。
リジングは、薄鋼板に加工を加えた際に表面に細かい筋状のしわを生ずる現象で、表面の美麗性を損ない、著しい場合には加工破断や疲労破断の起点となる。リジングの発生原因については未だ統一された見解はないが、鋳造スラブもしくは粗圧延後のシートバーにおける粗大なオーステナイト粒が関与しているという点ではほぼ一致している。そのため、この粗大なオーステナイト粒の影響を低減すべく、熱間粗圧延におけるパス間時間を長くしたり熱延板焼鈍もしくはパス間焼鈍を施す(「鉄と鋼 Vol.77, No.8 (1991) p.84 」、「鉄と鋼 Vol.78, No.4 (1992) p.124」、あるいは、熱間仕上げ圧延の後段で高歪み速度で強圧下を加える(特開晶63−121623号公報)などの方法が開示されている。しかし、これらにおいても、粗大なオーステナイト粒の問題を根本的に解決するものではないため、安定してリジングを解消するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように極低炭素鋼に関する従来技術においては、微細な最終フェライト粒を容易かつ安定して得ることは困難であった。また、加工性、特にr値については、更なる向上が求められているところ、この要望に対し十分な特性が得られているとはいえなかった。また、Ar3 変態点以下の熱間圧延を施して加工性を向上する際にリジングの発生を十分に抑制することも困難であった。
【0008】
この発明は、上記の問題を解決するために、10μm 未満の超微細粒を容易かつ安定して得るとともに、延性、特にr値などの加工性に優れ、かつかかる機械的性質の異方性が少ない加工用熱延鋼板や冷延鋼板を得ることのできる製造方法を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、C:0.01wt%以下、 Si : 2.0 wt %以下、 Mn : 3.0 wt %以下、P: 0.3 wt %以下及び Al : 0.030 〜 0.050 wt %を含有し、さらに必要に応じて Ti 、 Nb 、V及び Mo のうちから選んだ少なくとも1種: 0.3 wt %以下、 Cr 、 Cu 及び Ni のうちから選んだ少なくとも1種: 1.0wt %以下、 Ca 、 REM 及びBのうちから選んだ少なくとも1種: 50 ppm 以下、の1種以上を含有し、残部は Fe 及び不可避的不純物の組成になる熱延鋼板用素材を溶製し、直ちに又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱間圧延を施す際、動的再結晶域での圧下として、4スタンド以上の圧下パスについて、各スタンドでの圧下率:4%以上、30%以下、該4スタンド以上の最初のスタンド入側の鋼板温度と最後のスタンド出側の鋼板温度の温度差:60℃以下、該最後のスタンド出側の鋼板温度:950 〜850 ℃を満足する条件で行い、直ちに20℃/s以上で冷却し、Ar3変態点以下での圧延を少なくとも1パス行うことを特徴とする超微細粒を有する熱延鋼板の製造方法である。
この発明では、Ar3変態点以下での圧延を施した後、650 〜550 ℃で巻き取ることが有利であり、また、この発明の熱延鋼板に、圧下率50〜95%の冷間圧延、次いで 600℃〜Ac3変態点での焼鈍を施して、冷延鋼板を製造することもできる。
この発明におけるフェライト粒の平均粒径は、常法に従い、圧延方向断面における平均粒径とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
さて、発明者らは、上記問題を解決すべく研究開発を重ねた結果、熱間圧延時において、動的再結晶域において繰り返し圧下を行うことにより、フェライトを超微細粒にすることができることを見出した。そして、かかる動的再結晶域での圧下は大圧下とする必要がなく、そのため、フェライト粒のアスペクト比(フェライト粒の長径と短径との比。実用上は、フェライト粒は圧延方向に伸びるので、圧延方向断面上の長径と短径の比で代用される。)が1.5 未満という良好な組織が得られるために、機械的特性の異方性も解消されることを併せて見出した。
【0011】
この発明により得られる極低炭素熱延鋼板は、平均フェライト粒径がおよそ
10μm 未満と結晶粒が微細であるため、強度、じん性、延性などの機械的特性が特に優れているばかりでなく、フェライト粒のアスペクト比が1.5 未満になるから、諸特性の異方性も少ない。なお、この発明の組織は、フェライト単相又は第2相として極少量の(体積分率で2%以下)パーライトないしはセメンタイトを含有する組織になる。
【0012】
また、発明者らは、熱間圧延の際に、上記の動的再結晶域での圧下を行った後、直ちに20℃/s以上で冷却し、Ar3 変態点以下での圧延を少なくとも1パス行うことにより、特にr値で代表される加工性が向上することを見出し、この発明を完成するに至ったのである。また、このような熱間圧延工程により、Ar3 変態点以下の圧延前に粗大なオーステナイト粒を細粒化してフェライト変態させるため、リジングの問題も根本的に解決されることを見い出したのである。
【0013】
以上のような特質を具備するこの発明に従う熱延鋼板は、軟鋼板から、自動車構造用鋼板、加工用自動車高張力用鋼板、家電用鋼板、構造用鋼板等として幅広い分野、用途の鋼板に適用することが可能である(以下、この明細書で加工用鋼板とは、これらの用途を全て包含する意味で用いる。)。
【0014】
以下、この発明において、熱延鋼板用素材の成分組成範囲を、前記の範囲に限定した理由について説明する。
(C:0.01wt%以下)
C量が0.01wt%を超えると深絞り性が劣化するために上限を0.01wt%とする。
(Si:2.0 wt%以下)
Siは、固溶強化成分として強度−伸びバランスを改善しつつ強度上昇に有効に寄与するため、強度を必要とする場合は適宜含有させることができるが、過剰な添加は、延性や表面性状を劣化させるために上限を2.0 wt%とする。
(Mn:3.0 wt%以下)
Mnは鋼を強化する作用があり、強度を必要とする場合は適宜含有させることができ、また、有害な固溶SをMnSとして無害化する作用を有するが、あまりに多量の添加は鋼が硬化して延性を劣化させるので上限を3.0 wt%とする。
【0015】
(P:0.3 wt%以下)
Pは、Mnと同様に鋼を強化する作用があるため、強度を必要とする場合は適宜含有させることができるが、Pは粒界に偏析し易いため、過剰な添加は深絞り性や脆性を劣化させる原因となるため、上限は0.3 wt%とする。
【0016】
以上の成分の他、必要に応じてTi、Nb、Cu等の以下の成分を含有させることができる。
Ti、Nb、V、Moは、炭窒化物を形成して固溶C、固溶Nを固定して鋼を清浄化する作用があり、加工性の向上に有用な成分であり、かかる作用を発揮させるためには、0.01wt%以上を含有させるのが好ましく、あまりに多量の添加では、作用が飽和する他にコストアップの要因になるので、上限は0.3 wt%、より好ましくは0.1 wt%以下とする。なお、Tiは、TiO2を形成して溶接部の結晶粒粗大化を防止する効果もある。
【0017】
Cr、Cu、NiもMn同様に強化成分として必要に応じて含有させることができるが、あまりに多量の添加ではかえって強度−延性バランスを劣化させるので上限は1.0 wt%とする。なお、その作用効果を十分に発揮させるためには、0.01wt%程度は含有させるのが好ましい。
【0018】
Ca、REM 、Bは、硫化物の形状制御や粒界強度の上昇を通じて加工性を改善する効果があるため、必要に応じて含有させることができるが、過剰な添加では清浄性や再結晶性に悪影響を及ぼすおそれがあるので、50ppm 以下に限定する。なお、Bには、加工後の二次加工ぜい性を軽減したり、冷延鋼板を連続焼鈍で得る際に、時効性を低減させる効果もある。
【0019】
以上の成分組成範囲に調整した溶鋼を、連続鋳造又は造塊−分塊圧延により圧延素材とし、この圧延素材に熱間圧延を施すのであるが、圧延に供する際には、一旦冷却して1200℃以下に再加熱しても良いし、また、直送圧延やホットチャージローリング(HCR)でも構わない。また、薄スラブ連続鋳造法のように、連続鋳造により鋳造されたスラブを直接熱間圧延しても構わない。再加熱する場合は1200℃以下の低温加熱の方が、結晶粒が粗大化しないので有利である。直送圧延の場合も、1200℃以下まで冷却後に圧延開始するのが圧延中の粒成長の抑制の上で望ましい。いずれの場合も下限は仕上圧延温度が確保できれば良く、現状では900 ℃程度である。
【0020】
熱間圧延は、この発明の最も重要な点である。すなわち、熱間圧延に際し、動的再結晶域での圧下を4スタンド以上の圧下パスにて行うことが、この発明で所期した超微細なフェライト粒を有する組織を得るために肝要である。
動的再結晶域での圧下を加えるには、仕上圧延の前段で、圧延素材の温度低下を極力防止しながら連続する4スタンド以上で圧下を加えることが有効である。そのためには、その最初のスタンド入側と最後のスタンド出側の鋼板温度の温度差を60℃以下(好ましくは30℃以下)にする必要がある。なお、連続する4スタンドとは、実際に圧延を行うスタンドを表し、例えば開放状態で圧下しないスタンドを挟んでも無論問題はない。動的再結晶域での圧下を行う最後のスタンド出側の鋼板温度は、Ar3変態点以上、具体的には 950〜850 ℃とする必要がある。
【0021】
以上のような仕上圧延は、通常の仕上圧延設備においても熱延時の鋼板及び設備の冷却を極度に低減することで実施することができるが、仕上圧延スタンド間に加熱手段を設置して、被圧延材又はロールを加熱することは、仕上圧延中の鋼板の温度低下をより簡単に防止することができる。
【0022】
図1に、かかる加熱手段の一例を示す。同図(a) に示した例は高周波加熱装置であり、鋼板に交番磁場を印加することにより、誘導電流を生起させて鋼板を加熱するものである。この発明の加熱手段は、同図(a) の高周波加熱装置に限らず、同図(b) のようなヒーター加熱でもよく、更に、直接通電加熱ヒーターであっても良い。
【0023】
なお、動的再結晶域における各スタンドの圧下率は、大圧下は不要で、最高でも30%であれば良く、できれば20%以下のスタンドを多くとるのが(3スタンド以上)、異方性を小さくする上で好ましい。
一方、圧下率の下限は、動的再結晶が生ずる範囲として少なくとも4%が必要である。
また、動的再結晶域で圧延する合計圧下率は50〜75%程度が好ましい。
【0024】
動的再結晶域での圧下を4スタンド以上で行った後、直ちに20℃/s以上の冷却速度でAr3 変態点以下の温度域まで冷却してから、1パス以上の圧延を行う。この冷却は、次工程の圧下をAr3 変態点以下で行うために行われる。冷却速度が20℃未満では、連続する圧延スタンドで動的再結晶域での圧下及びAr3 変態点以下での圧下の両者を行うことが難しくなる。より好ましい冷却速度は50℃/s以上である。かかる20℃/s以上の冷却は、スプレー式、ミスト式などの水冷設備をスタンド間に設けることによって容易に達成することができるし、また、スタンドの冷却用に設けられた設備以外に特別な冷却設備を設けなくても、連続する数スタンドで圧下を行わずに通板させ、その間における空冷によっても達成することができる。
【0025】
上記した冷却の後、Ar3 変態点以下での圧延を少なくとも1パス行う。このAr3 変態点以下での圧延は、いわば温間圧延に相当するから、2回冷延−2回焼鈍と同じ効果を奏する。すなわち、Ar3 変態点以下での圧延の鋼の集合組織は、(111)強度が大きくなって、製品のr値が良好になる。したがって、この発明では、熱間圧延の前段で結晶粒を微細化する圧延を、後段では集合組織を良好にする圧延を行うことで、両方の作用の組み合わせにより加工用鋼板として特に優れた特性が得られるのである。なお、熱間圧延時においては、潤滑を施しつつ圧下を行っても良く、これにより、加工性の向上や異方性の改善を図ることができる。
【0026】
Ar3 変態点以下での圧延は、成分にもよるが、およそ800 ℃以下である。圧延温度の下限は、特に限定するものではなく、巻取温度の関係で定めればよい。およそ500 ℃以上である。圧下率は、この発明の目的を達成するために20%以上、より好ましくは30%以上とする。圧下パス回数は、少なくとも1回を行う。上限は特に定めないが、熱間圧延設備のスタンド数との兼ね合いにもよる。
【0027】
上記のような熱間圧延を経た鋼板は、巻き取ってコイルとする。巻取温度は、650 〜550 ℃の範囲が好ましい。これは、高温巻取によって自己焼鈍させることにより、更なる加工性の向上を図ることができるためである。なお、従来の温間圧延鋼板においては、900 ℃程度の高温に保持しないと十分焼鈍(再結晶)が進行しないが、本発明鋼においては、再結晶サイトとなる結晶粒界が豊富にあるため、550 ℃以上で十分である。なお、650 ℃を超えると結晶粒径のコイル内ばらつきが増大し好ましくない。なお、熱間圧延後、直ちに冷却を行う直近急冷を行うことは、結晶粒の粗大化が防止できるので、超微細粒を得るこの発明の鋼板を得るために、より好ましい。
【0028】
この発明のフェライト粒径を満足する鋼板は、熱延鋼板として種々の用途に用いられる他、冷延鋼板用の素材としても適用することができる。結晶粒が微細かつ均質であり、更にr値に優れているため、特に加工用冷延鋼板用等として好適であり、優れたr値の鋼板が得られる。
【0029】
かかる加工用冷延鋼板を製造するには、圧下率50〜95%での冷延、600 〜Ac3 変態点での焼鈍を行う。圧下率が50%未満では、良好な加工性が得られず、95%を超える圧下を加えても特性が飽和する。焼鈍温度が600 ℃に満たない場合及びAc3 点変態点を超える場合のいずれも、良好な加工性が得られない。
焼鈍後に急冷してから過時効処理を行ってもよい。また、連続焼鈍のみならず、コイルに巻き取って、箱焼鈍にする方法でも良い。
【0030】
【実施例】
表1に示す各組成の鋼素材を表2に示す条件で熱間圧延を施した。なお、動的再結晶域での圧下を行う最後のスタンドの出側温度は860 〜880 ℃とし、動的再結晶域における累積圧下率は60%以上70%以下とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
なお、例えば表2中、No. 6の例では粗圧延を3スタンドで行ったのち、7スタンドからなる仕上圧延設備にて、第1〜5スタンドにおいて動的再結晶での圧延を行い、第6スタンドは圧下を行わずに第6スタンド付属の冷却設備を稼働しつつ通板されることにより50℃/sの冷却速度で冷却し、第7スタンドでAr3 変態点以下で圧下を行い、750 ℃で仕上げた。なお、圧下の際は潤滑圧延を行い、熱間圧延終了後は直ちに(0.2 秒後)冷却を開始した。かかる熱間圧延により板厚2mm(No. 1)、3mm(No. 2)及び4mm(No. 3〜10)の熱延鋼板を得た。
【0034】
得られた熱延鋼板の機械的性質を調べた結果を表3に示す。フェライト粒のアスペクト比は1.4 程度、引張強度T.S.は全て40kgf/mm2 以上、ΔEl. は全て3.5 %以下であった。なお、リジング性については、リジング評価指数を用いて判定し、JIS 5 号引張試験片に加工した鋼板に15%引張歪を与え、目視により0〜5の間で数値評価した。値が小さい方がリジングは小さく、2以下で実用可能なレベル,1以下はほとんどリジングなしである。
【0035】
【表3】
【0036】
次に、上記の熱延鋼板に表4の条件にて冷間圧延及び焼鈍を行って冷延鋼板を得た。これらの冷延鋼板の機械的特性を表4に併記する。これらの鋼板は、引張強度T.S.が38kgf/mm2 以上であった。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】
この発明の熱延鋼板の製造方法によれば、超微細粒を有するとともに、r値に優れる極低炭素熱延鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上圧延設備における鋼板加熱手段を示す図である。
【符号の説明】
1 ロールスタンド
2 圧下ロール
3 バックアップロール
4 被圧延材
5 高周波加熱装置
6 ヒーター加熱装置
Claims (4)
- C:0.01wt%以下、
Si : 2.0 wt %以下、
Mn : 3.0 wt %以下、
P: 0.3 wt %以下及び
Al : 0.030 〜 0.050 wt %
を含有し、残部は Fe 及び不可避的不純物の組成になる熱延鋼板用素材を溶製し、直ちに又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱間圧延を施す際、動的再結晶域での圧下として、4スタンド以上の圧下パスについて、各スタンドでの圧下率:4%以上、30%以下、該4スタンド以上の最初のスタンド入側の鋼板温度と最後のスタンド出側の鋼板温度の温度差:60℃以下、該最後のスタンド出側の鋼板温度:950 〜850 ℃を満足する条件で行い、直ちに20℃/s以上で冷却し、Ar3変態点以下での圧延を少なくとも1パス行うことを特徴とする超微細粒を有する熱延鋼板の製造方法。 - C:0.01wt%以下、
Si : 2.0 wt %以下、
Mn : 3.0 wt %以下、
P: 0.3 wt %以下及び
Al : 0.030 〜 0.050 wt %
を含有し、かつ
Ti 、 Nb 、V及び Mo のうちから選んだ少なくとも1種: 0.3 wt %以下、
Cr 、 Cu 及び Ni のうちから選んだ少なくとも1種: 1.0 wt %以下、
Ca 、 REM 及びBのうちから選んだ少なくとも1種: 50 ppm 以下、
の1種以上を含有し、残部は Fe 及び不可避的不純物の組成になる熱延鋼板用素材を溶製し、直ちに又は一旦冷却して 1200 ℃以下に加熱して熱間圧延を施す際、動的再結晶域での圧下として、4スタンド以上の圧下パスについて、各スタンドでの圧下率:4%以上、 30 %以下、該4スタンド以上の最初のスタンド入側の鋼板温度と最後のスタンド出側の鋼板温度の温度差: 60 ℃以下、該最後のスタンド出側の鋼板温度: 950 〜 850 ℃を満足する条件で行い、直ちに 20 ℃ /s 以上で冷却し、A r 3 変態点以下での圧延を少なくとも1パス行うことを特徴とする超微細粒を有する熱延鋼板の製造方法。 - Ar3変態点以下での圧延を施した後、 650〜550 ℃で巻き取ることを特徴とする請求項1又は2記載の超微細粒を有する熱延鋼板の製造方法。
- 請求項1,2又は3記載の熱延鋼板に、圧下率50〜95%の冷間圧延、次いで 600℃〜Ac3変態点での焼鈍を施すことを特徴とする超微細粒を有する冷延鋼板の製造方法。
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