JP3366843B2 - 超微細粒を有する加工用熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents
超微細粒を有する加工用熱延鋼板及びその製造方法Info
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- JP3366843B2 JP3366843B2 JP25499097A JP25499097A JP3366843B2 JP 3366843 B2 JP3366843 B2 JP 3366843B2 JP 25499097 A JP25499097 A JP 25499097A JP 25499097 A JP25499097 A JP 25499097A JP 3366843 B2 JP3366843 B2 JP 3366843B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱延ままで平均
粒径7μm 以下の超微細フェライト粒を有し、延性、じ
ん性、疲労強度等に優れ、更にはこれらの異方性の小さ
い熱延鋼板に関するものであり、自動車用、家電用、機
械構造用、建築用等の使途に適用して有利な鋼板を提案
しようとするものある。また、上記熱延鋼板を素材とし
て、加工性に優れた冷延鋼板を得ようとするものであ
る。
粒径7μm 以下の超微細フェライト粒を有し、延性、じ
ん性、疲労強度等に優れ、更にはこれらの異方性の小さ
い熱延鋼板に関するものであり、自動車用、家電用、機
械構造用、建築用等の使途に適用して有利な鋼板を提案
しようとするものある。また、上記熱延鋼板を素材とし
て、加工性に優れた冷延鋼板を得ようとするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用材、構造材等に用いられる鋼材
には、強度、加工性、じん性といった機械的性質に優れ
ることが求められる。これらの機械的性質を総合的に高
める手段としては組織を微細化することが有効であるこ
とから、微細な組織をめざす製造方法が数多く模索され
てきた。また、高張力鋼板においては、近年、低コスト
と高機能特性を両立できる高張力鋼板のニーズが強く、
かつ、このニーズに適合する鋼板の開発に目標が移行し
つつあり、高張力化に伴う延性、じん性、耐久比などの
劣化を抑える目的で高張力鋼における組織の微細化も重
要な課題となっている。更には、同じく自動車用材等に
用いられる冷延鋼板において、素材とする熱延鋼板の細
粒化は、加工性、特にr値(ランクフォード値)の向上
に有効であるとされており、冷延母材としての熱延鋼板
の組織の細粒化も重要な課題となっている。
には、強度、加工性、じん性といった機械的性質に優れ
ることが求められる。これらの機械的性質を総合的に高
める手段としては組織を微細化することが有効であるこ
とから、微細な組織をめざす製造方法が数多く模索され
てきた。また、高張力鋼板においては、近年、低コスト
と高機能特性を両立できる高張力鋼板のニーズが強く、
かつ、このニーズに適合する鋼板の開発に目標が移行し
つつあり、高張力化に伴う延性、じん性、耐久比などの
劣化を抑える目的で高張力鋼における組織の微細化も重
要な課題となっている。更には、同じく自動車用材等に
用いられる冷延鋼板において、素材とする熱延鋼板の細
粒化は、加工性、特にr値(ランクフォード値)の向上
に有効であるとされており、冷延母材としての熱延鋼板
の組織の細粒化も重要な課題となっている。
【0003】組織を微細化するには、一般に、大圧下圧
延法、制御圧延法、制御冷却法などが知られている。こ
のうち、大圧下圧延による組織微細化法としては、例え
ば特開昭58−123823号公報等に代表される提案
がある。これらの方法における微細化機構の要点は、オ
ーステナイト粒に大圧下を加えることによるγ→α歪誘
起変態を促進させることにあり、かかる方法により、あ
る程度の微細化は達成される。しかし、一パス当たりの
圧下量を40%以上にするなど、一般的なホットストリッ
プミルでは実現し難いという問題がある他、かかる実現
し難い条件になることによって、得られる最終組織の微
細化には限界があった。特にC:0.01wt%以下の極低炭
素鋼の場合は、粒成長が極めて速いために、10μm 以下
の結晶粒の微細化は実現されていなかった。また、大圧
下圧延によって結晶粒は偏平となるため、機械的特性に
異方性が生じたり、セパレーションにより破壊吸収エネ
ルギーが低下するという問題もあった。
延法、制御圧延法、制御冷却法などが知られている。こ
のうち、大圧下圧延による組織微細化法としては、例え
ば特開昭58−123823号公報等に代表される提案
がある。これらの方法における微細化機構の要点は、オ
ーステナイト粒に大圧下を加えることによるγ→α歪誘
起変態を促進させることにあり、かかる方法により、あ
る程度の微細化は達成される。しかし、一パス当たりの
圧下量を40%以上にするなど、一般的なホットストリッ
プミルでは実現し難いという問題がある他、かかる実現
し難い条件になることによって、得られる最終組織の微
細化には限界があった。特にC:0.01wt%以下の極低炭
素鋼の場合は、粒成長が極めて速いために、10μm 以下
の結晶粒の微細化は実現されていなかった。また、大圧
下圧延によって結晶粒は偏平となるため、機械的特性に
異方性が生じたり、セパレーションにより破壊吸収エネ
ルギーが低下するという問題もあった。
【0004】一方、制御圧延法や制御冷却法に属する結
晶微細化法を適用した鋼板としては、NbもしくはTiを含
む析出強化型鋼板がある。これらの鋼板は、Nb、Tiの析
出強化作用を利用して高張力化を図るとともに、Nb、Ti
がそなえるオーステナイト粒の再結晶抑制作用を利用し
て低温仕上圧延を施したときの未再結晶変形オーステナ
イト粒からのγ→α歪誘起変態によってフェライト結晶
粒を微細化するものである。しかし、かかる微細化法を
C:0.01wt%以下の極低炭素鋼に適用しようとしても、
極低炭素鋼の場合は、生成する析出物量が少ないために
上記のような析出物を利用した結晶粒の微細化は大して
得られない。
晶微細化法を適用した鋼板としては、NbもしくはTiを含
む析出強化型鋼板がある。これらの鋼板は、Nb、Tiの析
出強化作用を利用して高張力化を図るとともに、Nb、Ti
がそなえるオーステナイト粒の再結晶抑制作用を利用し
て低温仕上圧延を施したときの未再結晶変形オーステナ
イト粒からのγ→α歪誘起変態によってフェライト結晶
粒を微細化するものである。しかし、かかる微細化法を
C:0.01wt%以下の極低炭素鋼に適用しようとしても、
極低炭素鋼の場合は、生成する析出物量が少ないために
上記のような析出物を利用した結晶粒の微細化は大して
得られない。
【0005】以上述べたように、C:0.01wt%以下の極
低炭素鋼の場合は、大圧下圧延法、制御圧延法、制御冷
却法による微細化が困難である。したがって、かかる極
低炭素鋼板の微細化のためには圧延直後に急冷すること
が最も有効であり、実際に適用が試みられている。しか
しながら、極低炭素鋼板は、粒成長が極めて速いため
に、この方法によっても、せいぜい10μm 程度の細粒
しか得ることはできなかった。
低炭素鋼の場合は、大圧下圧延法、制御圧延法、制御冷
却法による微細化が困難である。したがって、かかる極
低炭素鋼板の微細化のためには圧延直後に急冷すること
が最も有効であり、実際に適用が試みられている。しか
しながら、極低炭素鋼板は、粒成長が極めて速いため
に、この方法によっても、せいぜい10μm 程度の細粒
しか得ることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように極低炭
素鋼に関する従来技術においては、到達できる最終フェ
ライト粒径は、10μm が限界であった。結晶粒径の微細
化による機械的性質の改善効果は、結晶粒径の平方根に
逆比例することから、この改善効果は、粒径が10μm 以
上の領域では緩慢な向上しか見られないが、7μm 以下
の結晶粒径が実現されるならば、大幅な特性向上が達成
される。
素鋼に関する従来技術においては、到達できる最終フェ
ライト粒径は、10μm が限界であった。結晶粒径の微細
化による機械的性質の改善効果は、結晶粒径の平方根に
逆比例することから、この改善効果は、粒径が10μm 以
上の領域では緩慢な向上しか見られないが、7μm 以下
の結晶粒径が実現されるならば、大幅な特性向上が達成
される。
【0007】この発明は、上記の問題を解決するため
に、一般のホットストリップミルで容易に実施可能で、
かつ、機械的性質の異方性が少なく、しかも従来技術で
達成できなかった最終フェライト粒径7μm 以下の超微
細粒を達成した加工用熱延鋼板や冷延鋼板用母材を、そ
の有利な製造方法とともに提案することを目的とする。
に、一般のホットストリップミルで容易に実施可能で、
かつ、機械的性質の異方性が少なく、しかも従来技術で
達成できなかった最終フェライト粒径7μm 以下の超微
細粒を達成した加工用熱延鋼板や冷延鋼板用母材を、そ
の有利な製造方法とともに提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、C:0.01wt
%以下の極低炭素鋼板であって、圧延方向断面における
平均フェライト粒径が7μm 以下でありかつ圧延方向断
面上のフェライト粒のアスペクト比が1.5以下である超
微細粒を有する加工用熱延鋼板である。また、この発明
は、C:0.01wt%以下の熱延鋼板用素材を溶製し、直ち
に又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱間圧延を施
す際、動的再結晶域での圧下を5スタンド以上としかつ
各スタンドでの圧下率を20%以下とする圧下パスにて行
うとともに、最終スタンド出側における通板速度を800
mpm 以上とすることを特徴とする超微細粒を有する加工
用熱延鋼板の製造方法である。さらに、この発明は、
C:0.01wt%以下の極低炭素鋼板であって、圧延方向断
面における平均フェライト粒径が7μm 以下でありかつ
圧延方向断面上のフェライト粒のアスペクト比が1.5以
下である超微細粒を有する冷延鋼板用母材である。この
発明におけるフェライト粒の平均粒径は、常法に従い、
圧延方向断面における平均粒径とする。
%以下の極低炭素鋼板であって、圧延方向断面における
平均フェライト粒径が7μm 以下でありかつ圧延方向断
面上のフェライト粒のアスペクト比が1.5以下である超
微細粒を有する加工用熱延鋼板である。また、この発明
は、C:0.01wt%以下の熱延鋼板用素材を溶製し、直ち
に又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱間圧延を施
す際、動的再結晶域での圧下を5スタンド以上としかつ
各スタンドでの圧下率を20%以下とする圧下パスにて行
うとともに、最終スタンド出側における通板速度を800
mpm 以上とすることを特徴とする超微細粒を有する加工
用熱延鋼板の製造方法である。さらに、この発明は、
C:0.01wt%以下の極低炭素鋼板であって、圧延方向断
面における平均フェライト粒径が7μm 以下でありかつ
圧延方向断面上のフェライト粒のアスペクト比が1.5以
下である超微細粒を有する冷延鋼板用母材である。この
発明におけるフェライト粒の平均粒径は、常法に従い、
圧延方向断面における平均粒径とする。
【0009】
【発明の実施の形態】さて、発明者らは、上記問題を解
決すべく研究開発を重ねた結果、熱間圧延時において、
動的再結晶域において繰り返し圧下を行うことにより、
フェライトを超微細粒にすることができることを見出し
た。そして、かかる動的再結晶域での圧下は大圧下とす
る必要がなく、そのため、フェライト粒のアスペクト比
(フェライト粒の長径と短径との比。実用上は、フェラ
イト粒は圧延方向に伸びるので、圧延方向断面上の長径
と短径の比で代用される。)が1.5以下という良好な組
織が得られるために、機械的特性の異方性も解消される
ことを併せて見出した。
決すべく研究開発を重ねた結果、熱間圧延時において、
動的再結晶域において繰り返し圧下を行うことにより、
フェライトを超微細粒にすることができることを見出し
た。そして、かかる動的再結晶域での圧下は大圧下とす
る必要がなく、そのため、フェライト粒のアスペクト比
(フェライト粒の長径と短径との比。実用上は、フェラ
イト粒は圧延方向に伸びるので、圧延方向断面上の長径
と短径の比で代用される。)が1.5以下という良好な組
織が得られるために、機械的特性の異方性も解消される
ことを併せて見出した。
【0010】この発明の極低炭素熱延鋼板は、平均フェ
ライト粒径が7μm以下と結晶粒が微細であるため、強
度、じん性、延性などの機械的特性が特に優れているば
かりでなく、フェライト粒のアスペクト比が1.5以下に
なるから、諸特性の異方性も少ない。なお、この発明の
組織は、フェライト単相又は第2相として極少量の(体
積分率で20%以下)パーライトないしはセメンタイトを
含有する組織になる。
ライト粒径が7μm以下と結晶粒が微細であるため、強
度、じん性、延性などの機械的特性が特に優れているば
かりでなく、フェライト粒のアスペクト比が1.5以下に
なるから、諸特性の異方性も少ない。なお、この発明の
組織は、フェライト単相又は第2相として極少量の(体
積分率で20%以下)パーライトないしはセメンタイトを
含有する組織になる。
【0011】以上のような特質を具備するこの発明に従
う熱延鋼板は、軟鋼板から、自動車構造用鋼板、加工用
自動車高張力用鋼板、家電用鋼板、構造用鋼板等として
て幅広い分野、用途の鋼板に適用することが可能である
(以下、この明細書で加工用鋼板とは、これらの用途を
全て包含する意味で用いる。)。
う熱延鋼板は、軟鋼板から、自動車構造用鋼板、加工用
自動車高張力用鋼板、家電用鋼板、構造用鋼板等として
て幅広い分野、用途の鋼板に適用することが可能である
(以下、この明細書で加工用鋼板とは、これらの用途を
全て包含する意味で用いる。)。
【0012】上述した極低炭素鋼板の成分組成範囲は、
特に限定するものではないが、好適な含有量は次のとお
りである。 (C:0.01wt%以下)C量が0.01wt%を超えると深絞り
性が劣化するために上限を0.01wt%とする。 (Si:2.0 wt%以下)Siは、固溶強化成分として強度−
伸びバランスを改善しつつ強度上昇に有効に寄与するた
め、強度を必要とする場合は適宜含有させることがで
き、また、フェライト変態を促進して、所望のフェライ
ト体積率を持つ組織を得る上で有効に作用するが、過剰
な添加は、延性や表面性状を劣化させるために上限を2.
0 wt%とする。 (Mn:3.0 wt%以下)Mnは鋼を強化する作用があり、強
度を必要とする場合は適宜含有させることができ、ま
た、有害な固溶SをMnS として無害化する作用を有する
が、あまりに多量の添加は鋼が硬化して延性を劣化させ
るので上限を3.0 wt%とする。
特に限定するものではないが、好適な含有量は次のとお
りである。 (C:0.01wt%以下)C量が0.01wt%を超えると深絞り
性が劣化するために上限を0.01wt%とする。 (Si:2.0 wt%以下)Siは、固溶強化成分として強度−
伸びバランスを改善しつつ強度上昇に有効に寄与するた
め、強度を必要とする場合は適宜含有させることがで
き、また、フェライト変態を促進して、所望のフェライ
ト体積率を持つ組織を得る上で有効に作用するが、過剰
な添加は、延性や表面性状を劣化させるために上限を2.
0 wt%とする。 (Mn:3.0 wt%以下)Mnは鋼を強化する作用があり、強
度を必要とする場合は適宜含有させることができ、ま
た、有害な固溶SをMnS として無害化する作用を有する
が、あまりに多量の添加は鋼が硬化して延性を劣化させ
るので上限を3.0 wt%とする。
【0013】(P:0.3 wt%以下)Pは、Mnと同様に鋼
を強化する作用があるため、強度を必要とする場合は適
宜含有させることができるが、Pは粒界に偏析し易いた
め、過剰な添加は深絞り性や脆性を劣化させる原因とな
るため、上限は0.3 wt%とする。
を強化する作用があるため、強度を必要とする場合は適
宜含有させることができるが、Pは粒界に偏析し易いた
め、過剰な添加は深絞り性や脆性を劣化させる原因とな
るため、上限は0.3 wt%とする。
【0014】以上の成分の他、必要に応じてTi、Nb、Cu
等の以下の成分を含有させることができる。Ti、Nb、
V、Moは、炭窒化物を形成して固溶C、固溶Nを固定し
て鋼を清浄化する作用があり、加工性の向上に有用な成
分であり、かかる作用を発揮させるためには、0.001 wt
%以上を含有されるのが好ましく、一方、あまりに多量
の添加では、作用が飽和する他にコストアップの要因に
なるので、上限は0.3 wt%、より好ましくは0.1 wt%以
下とする。なお、Tiは、TiO2を形成して溶接部の結晶粒
粗大化を防止する効果もある。
等の以下の成分を含有させることができる。Ti、Nb、
V、Moは、炭窒化物を形成して固溶C、固溶Nを固定し
て鋼を清浄化する作用があり、加工性の向上に有用な成
分であり、かかる作用を発揮させるためには、0.001 wt
%以上を含有されるのが好ましく、一方、あまりに多量
の添加では、作用が飽和する他にコストアップの要因に
なるので、上限は0.3 wt%、より好ましくは0.1 wt%以
下とする。なお、Tiは、TiO2を形成して溶接部の結晶粒
粗大化を防止する効果もある。
【0015】Cr、Cu、NiもMn同様に強化成分として必要
に応じて含有させることができるが、あまりに多量の添
加ではかえって強度−延性バランスを劣化させるので上
限は1.0 wt%程度とする。なお、その作用効果を十分に
発揮させるためには、0.01wt%程度は含有させるのが好
ましい。
に応じて含有させることができるが、あまりに多量の添
加ではかえって強度−延性バランスを劣化させるので上
限は1.0 wt%程度とする。なお、その作用効果を十分に
発揮させるためには、0.01wt%程度は含有させるのが好
ましい。
【0016】Ca、REM 、Bは、硫化物の形状制御や粒界
強度の上昇を通じて加工性を改善する効果があるため、
必要に応じて含有させることができるが、過剰な添加で
は清浄性や再結晶性に悪影響を及ぼすおそれがあるの
で、50ppm 程度以下が好ましい。なお、Bには、加工後
の二次加工ぜい性を軽減したり、冷延鋼板を連続焼鈍で
得る際に、時効性を低減させる効果もある。
強度の上昇を通じて加工性を改善する効果があるため、
必要に応じて含有させることができるが、過剰な添加で
は清浄性や再結晶性に悪影響を及ぼすおそれがあるの
で、50ppm 程度以下が好ましい。なお、Bには、加工後
の二次加工ぜい性を軽減したり、冷延鋼板を連続焼鈍で
得る際に、時効性を低減させる効果もある。
【0017】以上の成分組成範囲に調整した溶鋼を、連
続鋳造又は造塊−分塊圧延により圧延素材とし、この圧
延素材に熱間圧延を施すのであるが、圧延に供する際に
は、一旦冷却して1200℃以下に再加熱しても良いし、ま
た、直送圧延やホットチャージローリング(HCR)で
も構わない。また、薄スラブ連続鋳造法のように、連続
鋳造により鋳造されたスラブを直接熱間圧延しても構わ
ない。再加熱する場合は1200℃以下の低温加熱の方が、
結晶粒が粗大化しないので有利である。直送圧延の場合
も、1200℃以下まで冷却後に圧延開始するのが圧延中の
粒成長の抑制の上で望ましい。いずれの場合も下限は仕
上圧延温度が確保できれば良く、現状では900 ℃程度で
ある。
続鋳造又は造塊−分塊圧延により圧延素材とし、この圧
延素材に熱間圧延を施すのであるが、圧延に供する際に
は、一旦冷却して1200℃以下に再加熱しても良いし、ま
た、直送圧延やホットチャージローリング(HCR)で
も構わない。また、薄スラブ連続鋳造法のように、連続
鋳造により鋳造されたスラブを直接熱間圧延しても構わ
ない。再加熱する場合は1200℃以下の低温加熱の方が、
結晶粒が粗大化しないので有利である。直送圧延の場合
も、1200℃以下まで冷却後に圧延開始するのが圧延中の
粒成長の抑制の上で望ましい。いずれの場合も下限は仕
上圧延温度が確保できれば良く、現状では900 ℃程度で
ある。
【0018】熱間圧延は、この発明の最も重要な点であ
る。すなわち、熱間圧延を動的再結晶域での圧下を5ス
タンド以上の圧下パスにて行うことが、この発明で所期
したフェライト平均結晶粒径7μm 以下の組織を得るた
めに肝要である。動的再結晶域での圧下を加えるには、
例えば、仕上圧延中の圧延素材の温度低下を極力防止し
ながら連続する5スタンド以上で圧下を加えることが有
効であり、その際、その最初のスタンド入側と最後のス
タンド出側の鋼板温度の温度差が60℃以下、より好まし
くは30℃以下にすると良い。なお、連続する5スタンド
とは、実際に圧延を行うスタンドを表し、例えば開放状
態で圧下しないスタンドを挟んでも無論問題はない。
る。すなわち、熱間圧延を動的再結晶域での圧下を5ス
タンド以上の圧下パスにて行うことが、この発明で所期
したフェライト平均結晶粒径7μm 以下の組織を得るた
めに肝要である。動的再結晶域での圧下を加えるには、
例えば、仕上圧延中の圧延素材の温度低下を極力防止し
ながら連続する5スタンド以上で圧下を加えることが有
効であり、その際、その最初のスタンド入側と最後のス
タンド出側の鋼板温度の温度差が60℃以下、より好まし
くは30℃以下にすると良い。なお、連続する5スタンド
とは、実際に圧延を行うスタンドを表し、例えば開放状
態で圧下しないスタンドを挟んでも無論問題はない。
【0019】1.5 以下の良好なアスペクト比を得るため
には、動的再結晶域での圧下は、最終スタンドを含むこ
とが好ましい。また、容易に動的再結晶域での圧下を実
現するために、Ar3 変態点直上で、圧下を加えるのが望
ましい。
には、動的再結晶域での圧下は、最終スタンドを含むこ
とが好ましい。また、容易に動的再結晶域での圧下を実
現するために、Ar3 変態点直上で、圧下を加えるのが望
ましい。
【0020】以上のような仕上圧延は、通常の仕上圧延
設備においても熱延時の鋼板及び設備の冷却を極度に低
減することで実施することができるが、仕上圧延スタン
ド間に加熱手段を設置して、被圧延材又はロールを加熱
することは、仕上圧延中の鋼板の温度低下をより簡単に
防止することができる。
設備においても熱延時の鋼板及び設備の冷却を極度に低
減することで実施することができるが、仕上圧延スタン
ド間に加熱手段を設置して、被圧延材又はロールを加熱
することは、仕上圧延中の鋼板の温度低下をより簡単に
防止することができる。
【0021】図1に、かかる加熱手段の一例を示す。同
図(a) 示した例は高周波加熱装置であり、鋼板に交番磁
場を印加することにより、誘導電流を生起させて鋼板を
加熱するものである。この発明の加熱手段は、同図(a)
の高周波加熱装置に限らず、同図(b) のような電熱線等
を用いた抵抗加熱でもよく、更に、直接通電加熱ヒータ
ーであっても良い。
図(a) 示した例は高周波加熱装置であり、鋼板に交番磁
場を印加することにより、誘導電流を生起させて鋼板を
加熱するものである。この発明の加熱手段は、同図(a)
の高周波加熱装置に限らず、同図(b) のような電熱線等
を用いた抵抗加熱でもよく、更に、直接通電加熱ヒータ
ーであっても良い。
【0022】動的再結晶域で圧延する合計圧下率は60%
以上とする。合計圧下率は、蓄積エネルギーを高め、動
的再結晶を促進する因子であるが、60%未満では、この
効果が十分に達成できない。なお、各スタンドの圧下率
は、大圧下は不要で、むしろ大圧下では結晶粒のアスペ
クト比が劣化するので好ましくないことから、上限を20
%とする。なお、圧下率の下限は、動的再結晶が生ずる
範囲であれば、特に限定するものではないが4%以上が
好ましい。
以上とする。合計圧下率は、蓄積エネルギーを高め、動
的再結晶を促進する因子であるが、60%未満では、この
効果が十分に達成できない。なお、各スタンドの圧下率
は、大圧下は不要で、むしろ大圧下では結晶粒のアスペ
クト比が劣化するので好ましくないことから、上限を20
%とする。なお、圧下率の下限は、動的再結晶が生ずる
範囲であれば、特に限定するものではないが4%以上が
好ましい。
【0023】熱間圧延時における最終スタンド出側の通
板速度は800 mpm 以上になるようにする。このような高
速圧延により、歪を十分に蓄積させることができるとと
もに、粒成長を抑制することができ、これにより組織の
微細化に有効に寄与する。なお、熱間圧延時において
は、潤滑を施しつつ圧下を行っても良いことは、いうま
でもない。
板速度は800 mpm 以上になるようにする。このような高
速圧延により、歪を十分に蓄積させることができるとと
もに、粒成長を抑制することができ、これにより組織の
微細化に有効に寄与する。なお、熱間圧延時において
は、潤滑を施しつつ圧下を行っても良いことは、いうま
でもない。
【0024】上記のような熱間圧延を経た鋼板は、巻き
取ってコイルとする。巻取温度や巻取後の冷却速度は特
に限定するものではなく、製造しようとする鋼板に応じ
て、適宜定める。なお、仕上圧延後、直ちに冷却を行う
直近急冷を行うことは、結晶粒の粗大化が防止できるの
で、超微細粒を得るこの発明の鋼板を得るために、より
好ましい。
取ってコイルとする。巻取温度や巻取後の冷却速度は特
に限定するものではなく、製造しようとする鋼板に応じ
て、適宜定める。なお、仕上圧延後、直ちに冷却を行う
直近急冷を行うことは、結晶粒の粗大化が防止できるの
で、超微細粒を得るこの発明の鋼板を得るために、より
好ましい。
【0025】この発明のフェライト粒径、アスペクト比
を満足する鋼板は、熱延鋼板として種々の用途に用いら
れる他、冷延鋼板用の素材としても適用することができ
る。結晶粒が微細で、しかも均質なため、特に加工用冷
延鋼板用等として好適であり、優れたr値の鋼板が得ら
れる。
を満足する鋼板は、熱延鋼板として種々の用途に用いら
れる他、冷延鋼板用の素材としても適用することができ
る。結晶粒が微細で、しかも均質なため、特に加工用冷
延鋼板用等として好適であり、優れたr値の鋼板が得ら
れる。
【0026】かかる加工用冷延鋼板を製造するには、圧
下率50〜95%での冷延、600 〜Ac3変態点での焼鈍を行
う。圧下率が50%未満では、良好な加工性が得られず、
95%を超える圧下を加えても特性が飽和する。焼鈍温度
が600 ℃に満たない場合及びAc3 点変態点を超える場合
のいずれも、良好な加工性が得られない。焼鈍後に急冷
してから過時効処理を行ってもよい。また、連続焼鈍の
みならず、コイルに巻き取って、箱焼鈍にする方法でも
良い。
下率50〜95%での冷延、600 〜Ac3変態点での焼鈍を行
う。圧下率が50%未満では、良好な加工性が得られず、
95%を超える圧下を加えても特性が飽和する。焼鈍温度
が600 ℃に満たない場合及びAc3 点変態点を超える場合
のいずれも、良好な加工性が得られない。焼鈍後に急冷
してから過時効処理を行ってもよい。また、連続焼鈍の
みならず、コイルに巻き取って、箱焼鈍にする方法でも
良い。
【0027】
【実施例】表1に示す成分組成になる鋼素材に、表2に
示す種々の条件で加熱、熱間圧延を行って熱延鋼板を得
た。各鋼板は、仕上圧延後、0.3 秒以内に50℃/sで冷却
を開始した。また、鋼種Bについては、潤滑圧延を施し
た。これらの鋼板の機械的特性について調べた結果を表
3示す。また、これらの熱延鋼板を母材として、表4に
示す冷延圧下率、焼鈍温度で冷間圧延及び焼鈍を行って
冷延鋼板を得た。これらの冷延鋼板の機械的特性を表4
に併記する。
示す種々の条件で加熱、熱間圧延を行って熱延鋼板を得
た。各鋼板は、仕上圧延後、0.3 秒以内に50℃/sで冷却
を開始した。また、鋼種Bについては、潤滑圧延を施し
た。これらの鋼板の機械的特性について調べた結果を表
3示す。また、これらの熱延鋼板を母材として、表4に
示す冷延圧下率、焼鈍温度で冷間圧延及び焼鈍を行って
冷延鋼板を得た。これらの冷延鋼板の機械的特性を表4
に併記する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】この発明の熱延鋼板は、7μm 以下の超
微細粒を有するという、極低炭素熱延鋼板において従来
到達し得なかった粒度を有する鋼板であり、機械的特性
に優れ、かつその異方性も小さい。さらに、かかる熱延
鋼板は、一般のホットストリップミルで容易に製造する
ことができる。
微細粒を有するという、極低炭素熱延鋼板において従来
到達し得なかった粒度を有する鋼板であり、機械的特性
に優れ、かつその異方性も小さい。さらに、かかる熱延
鋼板は、一般のホットストリップミルで容易に製造する
ことができる。
【図1】仕上圧延設備における鋼板加熱手段を示す図で
ある。
ある。
1 ロールスタンド
2 圧下ロール
3 バックアップロール
4 被圧延材
5 高周波加熱装置
6 ヒーター加熱装置
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 岡田 進
東京都千代田区内幸町2丁目2番3号
川崎製鉄株式会社 東京本社内
(56)参考文献 特開 平2−301540(JP,A)
特開 昭59−170238(JP,A)
特開 平9−137248(JP,A)
特開 平7−258796(JP,A)
特開 平11−92825(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C22C 38/00 - 38/60
C21D 8/02
B21B 3/00
Claims (3)
- 【請求項1】 C:0.01wt%以下の極低炭素鋼板であっ
て、圧延方向断面における平均フェライト粒径が7μm
以下でありかつ圧延方向断面上のフェライト粒のアスペ
クト比が1.5以下である超微細粒を有する加工用熱延鋼
板。 - 【請求項2】 C:0.01wt%以下の熱延鋼板用素材を溶
製し、直ちに又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱
間圧延を施す際、動的再結晶域での圧下を5スタンド以
上としかつ各スタンドでの圧下率を20%以下とする圧下
パスにて行うとともに、最終スタンド出側における通板
速度を800 mpm 以上とすることを特徴とする超微細粒を
有する加工用熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 C:0.01wt%以下の極低炭素鋼板であっ
て、圧延方向断面における平均フェライト粒径が7μm
以下でありかつ圧延方向断面上のフェライト粒のアスペ
クト比が1.5以下である超微細粒を有する冷延鋼板用母
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25499097A JP3366843B2 (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 超微細粒を有する加工用熱延鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25499097A JP3366843B2 (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 超微細粒を有する加工用熱延鋼板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192864A JPH1192864A (ja) | 1999-04-06 |
JP3366843B2 true JP3366843B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=17272685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25499097A Expired - Fee Related JP3366843B2 (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 超微細粒を有する加工用熱延鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366843B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW200532028A (en) * | 2004-01-19 | 2005-10-01 | Jfe Steel Corp | Highly workable platted steel sheet for fuel tank being excellent in resistance to brittleness in secondary working and in plating adhesiveness and method for production thereof |
SI1662010T1 (sl) * | 2004-11-24 | 2009-04-30 | Giovanni Arvedi | Magnetni toplo valjani jekleni trak, predvsem uporaben za izdelavo elektromagnetnih lamelnih paketov |
BRPI0621050A2 (pt) * | 2006-01-26 | 2012-07-31 | Giovanni Arvedi | tira de aÇo laminada a quente |
-
1997
- 1997-09-19 JP JP25499097A patent/JP3366843B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1192864A (ja) | 1999-04-06 |
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