JP3578854B2 - ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、肥料、化学薬品などの重包装袋や米袋、砂糖袋などに用いられるフィルム及びそのフィルムの原料となるポリエチレン系樹脂組成物に関するもので、特に、袋の開口性に優れつつ滑りにくく、しかも原料組成物の高分岐度あるいは低分子量成分の表面へのにじみ出しが少なく、さらに、フィルム強度、低温ヒートシール性、耐熱性に優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チーグラー型触媒で得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、重包装袋や米、砂糖袋などの分野で大量に使用されている。チーグラー型触媒で得られるLLDPEは、高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE)と比較し、強度およびじん性が大きく、フイルム、シート、中空成形体、射出成形体等さまざまな用途に用いられているが、成形品の薄肉化、軽量化の為さらなる高強度化が要求されている。
また、ポリエチレンフィルムからなる袋においては、そのフィルムどうしが密着(ブロック)してしまうことにより、袋の開口に煩わしさを伴うことがある。その為、開口性を改良するために、シリカ等の抗ブロッキング剤を大量に用いる手法がとられるが、それでも開口性が必ずしも十分になるとはいえず、さらに、フィルムの表面状態が肌荒れしたり印刷性や透明性が悪化等することがある。
また開口性を改良するもうひとつの方法として滑剤を使用することが考えられるが、脂肪酸アミド等の滑剤を大量に添加するとフィルムの表面が滑り過ぎて、自動充填装置へ袋を供給する際のつかみ不良や、内容物を充填した袋を輸送したり、段積み保管したりする際に荷崩れ等が起きるおそれがある。
【0003】
また、近年、これらの分野では自動充填装置による処理がより高速化しており、袋が高速で供給されることにより、その際の摩擦により静電気が発生し、粉体などの内容物の充填時に、内容物が開口部付近に付着し、袋を密封するためのヒートシールに支障が生ずることがある。そこで、静電気の帯電を防止するために、種々の帯電防止剤の添加が行われている。
しかし、帯電防止剤を一定量以上添加すると、帯電防止剤成分の表面ブリード現象により粘着性が発現し、フィルムの開口性が悪くなるという問題がある。
また一般の重包装用フィルムにオレイン酸アミド等の公知の滑剤を添加するとフィルム表面が滑り過ぎて、倉庫保管中に荷崩れ発生の重大な原因となることがあった。
また、ポリエチレンフィルムから袋を製造する上では、低温で且つ強固にヒートシールできることが重要である。
【0004】
このような状況下、特開昭61−218649号公報には、開口性を改善すべく、アルキレンビス高級脂肪酸アマイドを添加する技術が開示されており、その実施例においてはエチレン・酢酸ビニル共重合体にメチレンビスステアリン酸アミドを添加することが例示されている。
しかしながら、高強度を保ちつつ、低滑性、ブリード防止、低温ヒートシール、耐熱性を達成することはできない。また、任意成分としての帯電防止剤の配合を開示するものの、高速成形時の帯電防止剤を添加した場合の役割とフィルムのブロッキング防止(開口性)と滑性の制御等についての具体的な示唆開示はない。
また、特開昭62−25138号公報ではアンチブロック剤と脂肪酸ビスアミドを併用する技術が開示されている。しかしながら、この公報においても高速成形時における静電気防止のために配合される帯電防止剤に起因するブロッキングの防止およびフィルムの滑性の制御についての教示はない。
【0005】
さらに、特開平1−282232号公報では熱安定性ポリオレフィン樹脂組成物としてヒンダードフェノール系酸化防止剤に、
R−CO−NH−(CH2)n−NH−CO−R
(Rは炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基)
の構造式からなるアルキレンビス脂肪酸アミド化合物を添加することが提案されている。しかしながら、この公報においては熱安定性を目的としているに過ぎず、帯電防止剤の記載はなく、かつフィルムの滑性に及ぼす効果については何も教示していない。
また特開平5−59224号公報においては粘着防止剤である無機充填剤を使用しなくても良好なスリップ性と粘着防止効果の得られる飽和アミドと不飽和アミドとの混合組成物の製造方法の記載はあるものの、この技術をポリエチレン系樹脂組成物に応用展開することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、高いフィルム強度と適度な滑性を有し、低温ヒートシール性、耐熱性に優れ、袋とした場合に開口性に優れるフィルムとなるポリエチレン系樹脂組成物、さらにはこれらの諸性質を保持しつつ帯電防止剤がフィルムの表面にブリードした状態で良好な帯電防止性能を発揮させるポリエチレン系樹脂組成物は未だかってないものである。
したがって、本発明はこれらの諸特性を有するポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、特定のパラメーターを満足する密度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする樹脂成分を用い、特定のアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドあるいはそれらに帯電防止剤を添加することにより上記問題点を解決するポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルムを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、(A)下記(ア)〜(エ)の要件を満足する密度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体と、
(ア)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5。
(イ)組成分布パラメーターが1.08〜2.00。
(ウ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(wt%)と密度d及びMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足する。
a)d−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
b)d−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(エ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在する。
(A " )前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)とは異なるエチレン・α−オレフィン共重合体(但し、(A)成分と(A " )成分の合計を100重量%とした場合に、(A)成分が20重量%以上で(A " )成分が80重量%以下)と、
(A')高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体とからなる樹脂成分(但し、(A)成分と(A " )成分の合計が50重量%以上、(A ' )成分が50重量%以下)に対し、
(B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドが100〜1500ppm含有されていることを特徴とするものである。
この際、さらに帯電防止剤が100〜2000ppm含有されていることが望ましい。
【0010】
アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミドであることが望ましい。
帯電防止剤としては、多価アルコール系帯電防止剤及び/又はアミン置換型帯電防止剤が望ましい。
本発明のフィルムは、上記ポリエチレン系樹脂組成物を用いたことを特徴とするものである。
この際、静摩擦係数tanθは0.4〜0.6であることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
〔(A)エチレン・α−オレフィン共重合体〕
本発明に用いられる(A)エチレン・α−オレフィン共重合体は下記(ア)〜(エ)の要件を満足する共重合体である。用いられるα−オレフィンは炭素数3〜20のものであり、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、などが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
(ア)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5。
(イ)組成分布パラメーター(Cb)が1.08〜2.00。
(ウ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足する。
a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(エ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在する。
【0012】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、密度が0.86〜0.96g/cm3、好ましくは0.90〜0.94g/cm3、より好ましくは0.91〜0.93g/cm3の範囲であり、メルトフローレート(以下MFRと称す)が0.1〜50g/10min、好ましくは0.2〜20g/10min、より好ましくは0.3〜10g/10minである。密度が0.86g/cm3未満のものは柔らかすぎ耐熱性が不良で抗ブロッキング性が劣るものとなる。また0.96g/cm3を超えると硬すぎて、強度が低くなりすぎる。MFRが0.1g/10min未満では加工性が不良となり、50g/10minを超えると強度が低下する。
【0013】
〔(ア)分子量分布(Mw/Mn)〕
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の(ア)の要件、すなわち、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比(Mw/Mn)を算出することにより求まる。
本発明のエチレン・α−オレフイン共重合体(A)のMw/Mnは1.5〜4.5であり、好ましくは1.6〜4.0、さらに好ましくは1.8〜3.5の範囲にあることが望ましい。Mw/Mnが1.5未満では成形加工性が劣り、4.5を超えるものは耐衝撃性が劣る。
【0014】
〔(イ)組成分布パラメーター〕
組成分布パラメーター(Cb)の測定法は下記の通りである。
酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン)を加えたオルソジクロルベンゼン(ODCB)に試料濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解する。この溶液を、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し、0.1℃/minの速度で25℃まで冷却し、試料をセライト表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温し、試料を溶出させ分別する。溶出液にメタノールを混合し、試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度におけるフラクション試料を得る。各温度における溶出試料の重量分率およびその分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を13C−NMRにより測定する。
【0015】
30℃から90℃のフラクションについては、次のような分岐度の補正を行う。溶出温度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小二乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上の成分については溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないのでこの補正は行わず実測値を用いる。
【0016】
次にそれぞれのフラクションの重量分率wiを、溶出温度5℃当たりの分岐度biの変化量(bi−bi−1)で割って相対濃度ciを求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメーター(Cb)を算出する。
【数1】
ここで、cjとbjはそれぞれj番目の区分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーター(Cb)は試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0017】
エチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布を記述する方法は他にも多くの提案がなされている。例えば、特開昭60−88016号公報では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。しかしながら、この近似計算では、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係数R2はかなり低く、値の精度は充分でない。尚、このCw/Cnの測定法および数値処理法は、本発明のCbのそれとは異なるが、あえて数値の比較を行えば、Cw/Cnの値は、Cbよりかなり大きな値となる。
【0018】
本発明のエチレン・α−オレフイン共重合体(A)の組成分布パラメーター(Cb)は1.08〜2.00であり、好ましくは1.10〜1.80、さらには1.12〜1.70の範囲にあることが望ましい。
2.00より大きいとブロッキングしやすく、ヒートシール特性も不良となり、また低分子量あるいは高分岐度成分の樹脂表面へのにじみ出しが多く衛生上の問題が生じる。
【0019】
〔ODCB可溶分量と密度及びMFRの関係〕
本発明のエチレン・α−オレフイン共重合体(A)の25℃におけるODCB可溶分の量は、下記の方法により測定する。
試料0.5gを20mlのODCBにて135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィルターでろ過してろ液を採取する。このろ液のメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm−1付近の吸収ピーク面積を求め、予め作成した検量線により試料濃度を算出する。この値より、25℃におけるODCB可溶分量が求まる。
【0020】
本発明の、(ウ)25℃におけるODCB可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRの関係は、dおよびMFRの値が
d−0.008logMFR≧0.93を満たす場合は、
Xは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、
d−0.008logMFR<0.93の場合は、
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
好ましくは、
X<7.4×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+1.0
さらに好ましくは、
X<5.6×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+0.5
の関係を満足していることが必要である。
【0021】
25℃におけるODCB可溶分は、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分であり、衛生性の問題や成形品内面のブロッキングの原因となる為、この含有量は少ないことが望ましい。ODCB可溶分の量は、コモノマーの含有量および分子量に影響される。従ってこれらの指標である密度およびMFRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重合体全体に含まれるα−オレフィンの偏在が少ないことを示す。
【0022】
〔溶出温度−溶出量曲線におけるピーク〕
本発明のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、(エ)連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複数個存在することが必要である。この際、85℃から100℃の間に高温側のピークが存在することが特に好ましい。このピークが存在することにより、成形体の耐熱性が向上する。図1に本発明の共重合体の溶出温度−溶出量曲線を示し、図2に典型的なメタロセン触媒による共重合体のものを示す。このように、両者は顕著に異なる。
【0023】
本発明にかかわるTREFの測定方法は下記の通りである。試料を酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン)を加えたODCBに試料濃度が0.05重量%となるように加え、135℃で加熱溶解する。この試料溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入し、0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温しながら、試料を順次溶出させる。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm−1に対する吸収を赤外検出機で測定することにより連続的に検出される。この値から、溶液中のエチレン・α−オレフィン共重合体の濃度を定量分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TREF分析によれば、極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0024】
〔エチレン・α−オレフイン共重合体(A)の製造方法〕
本発明の特定のエチレン・α−オレフイン共重合体(A)の製造は、好ましくは以下のa1〜a5の触媒で重合することが望ましい。
a1:一般式Me1R1 p(OR2)qX1 4−p−qで表される化合物(式中Me1はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R1およびR2は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X1はハロゲン原子を示し、p及びqは各々0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たすを整数である)。
a2:一般式Me2R3 m(OR4)nX2 z−m−nで表される化合物(式中Me2は周期律表第I〜III族元素、R3およびR4は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X2はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2が水素原子の場合はMe2は周期律表第III族元素の場合に限る)を示し、zはMe2の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)。
a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物。
a4:有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物。
a5:無機担体及び/又は粒子状ポリマー担体を相互に接触させて得られる触媒。
【0025】
以下、さらに詳説する。
上記触媒成分a1の一般式Me1R1 p(OR2)qX1 4−p−qで表される化合物の式中、Me1はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R1およびR2は各々炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X1はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。
【0026】
上記触媒成分a1の一般式で示される化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、特にテトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZr(OR)4化合物が好ましく、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0027】
上記触媒成分a2の一般式Me2R3 m(OR4)nX2 z−m−nで表される化合物の式中Me2は周期律表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R3およびR4は各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X2はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただし、X2が水素原子の場合はMe2はホウ素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限るものである。また、zはMe2の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0028】
上記触媒成分a2の一般式で示される化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0029】
上記触媒成分a3の共役二重結合を持つ有機環状化合物には、環状で共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0030】
上記の好適な化合物としては、シクロペンタジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリールオキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用いられる。
【0031】
環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式で表示することができる。
ALSiR4−L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0032】
上記成分a3の有機環状炭化水素化合物の具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラン、トリスインデニルシランなどが挙げられる。
【0033】
触媒成分a4の有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物とは、アルキルアルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムが得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個の
Al−O−Al結合を含有する。また、変性有機アルミニウム化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0034】
有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
【0035】
触媒成分a5の無機物担体および/または粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3等が挙げられる。これらの中でもSiO2およびAl2O3からなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0036】
上記無機物担体および/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物などに接触処理させた後に成分a5として用いることもできる。
【0037】
前記した条件(ア)〜(エ)を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は分子量分布および組成分布が狭いため、機械的強度が強く、ヒートシール性、抗ブロッキング性に優れしかも耐熱性の良い共重合体である。
【0038】
前記エチレン・α−オレフイン共重合体(A)の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではない。
【0039】
〔(A’)高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体〕
本発明で用いられる高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体(A’)とは、その単独重合体と共重合体の両方を意味し、高圧ラジカル重合法による密度0.91〜0.94g/cm3のエチレン単独重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられる。
【0040】
上記高圧ラジカル重合法による密度0.91〜0.94g/cm3のエチレン単独重合体とは、公知の高圧ラジカル法による低密度ポリエチレンである。
【0041】
上記エチレン・ビニルエステル共重合体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体および他の不飽和単量体との共重合体である。これらの共重合体のうち好ましいものとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体を挙げることができる。すなわち、エチレン65〜99.5重量%、酢酸ビニル0.5〜35重量%および他の不飽和単量体0〜25重量%からなる共重合体が好ましい。
【0042】
前記他の不飽和単量体とは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数3〜10のオレフィン類、C2〜C3アルカンカルボン酸のビニルエステル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸および無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物類などの群から選ばれた少なくとも1種である。
【0043】
上記のエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体とは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体および他の不飽和単量体との共重合体、およびそれらの金属塩、アミド、イミド等が挙げられる。そのエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体の具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類を挙げることができる。またその誘導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル等を挙げることができる。これらの共重合体のうち、好ましくは高圧ラジカル重合法で製造されるエチレン・アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができる。すなわち、エチレン65〜99.5重量%、アクリル酸エチルエステル0.5〜35重量%および他の不飽和単量体0〜25重量%からなる共重合体が好ましい。
【0044】
本発明における高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体(A’)は、密度が0.91〜0.94g/cm3、好ましくは 0.915〜0.935g/cm3、より好ましくは0.92〜0.93g/cm3、またMFRは、0.1〜20g/10min、好ましくは0.2〜10g/10min、より好ましくは0.3〜5g/10minである。
【0045】
高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体(A’)は溶融張力が大きく、インフレーション成形あるいはTダイフィルム成形に好適で、高速成形性やフィルム成形時のバブル安定性を向上させる。
樹脂成分(A)+(A’)あるいは後述する(A)+(A’)+(A”)に対して、(A’)成分は50重量%以下の範囲で配合されるのが好ましい。(A’)成分の範囲が50重量%を越えると耐衝撃性、機械的強度に劣り、さらに成形性とのバランスを考慮すると(A’)成分は10〜30重量%の範囲とすることが好ましい。
【0046】
〔(A”)エチレン・α−オレフィン共重合体〕
本発明における、(A)成分とは異なるエチレン・α−オレフィン共重合体(A”)とは、上記(ア)〜(エ)で規定される分子構造を特定するパラメーターを満たさないものであり、従来公知のチーグラー触媒あるいはフィリップス触媒あるいはメタロセン触媒において重合されるエチレン・α−オレフィン共重合体である。これは、(A)成分より一般的には分子量分布あるいは組成分布が広く、密度が0.86〜0.96g/cm3、MFRが0.1〜20g/10minの範囲のものが好ましく、いわゆる超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)を包含するものである。
【0047】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、加工性やコストの面では不利な場合があり、そのような観点から、加工性に優れ安価なエチレン・α−オレフィン共重合体(A”)が配合される。
(A”)成分の配合量は、(A)+(A”)の合計量に対して80重量%以下であるが、好ましい範囲は用途によって異なり、強度を重視する場合は(A”)が(A)+(A”)の合計量に対して30重量%以下、経済性を重視する場合には(A”)が80〜30重量%、好ましくは50〜30重量%である。
【0048】
前記(A)成分、(A’)成分、(A”)成分の配合割合は従って(A)+(A’)+(A”)全体を100重量%とした場合は、(A)成分が100〜10重量%、(A”)成分が0〜80重量%、(A’)成分が0〜50重量%以下の範囲となる。
【0049】
〔(B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド〕
本発明で用いられるアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドとは、下記一般式で示される化合物である。
【化1】
(但し、R1は炭素原子1〜20のアルキレン基であり、R2、R3は炭素原子5〜21のアルキル基である。)
かかる化合物の具体例としては例えば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサエチレンビスパルミチン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等を挙げることができる。
これらのうちでは、エチレンビスステアリン酸アミドが最も好ましい。
【0050】
アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドの配合割合は、(A)、(A’)、(A”)樹脂成分の合計に対して、100〜1500ppm、好ましくは300〜1200ppm、より好ましくは400〜1000ppmである。アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドの配合量が1500ppmを越えるとヒートシール性や印刷特性に支障が生じ、100ppm未満では開口性を改良する効果がない。
【0051】
上記一般式で示されるアルキレンビス高級脂肪酸アミドとしては、飽和高級脂肪酸を用いた化合物でなくてはならない。
帯電防止剤を添加した場合、その添加量が増加すると帯電防止効果が向上する反面、滑性およびブロッキングが増加し、開口性は悪化する。
しかしながら、帯電防止剤とアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを併用すると、帯電防止剤の滑性を抑えて開口性を改善できるので、従来フィルムに多用されていた抗ブロッキング剤を大量に用いる必要がなくなる。したがって、抗ブロッキング剤を大量に用いた時に生じる透明性の悪化などの弊害を避けることができるので、米、砂糖袋用等のフィルム用途に対しては特に有効である。
尚、本願のアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドに代えてアルキレンビス不飽和高級脂肪酸アミドを使用すると、開口性は改善されるけれども、同時に滑性をも付与し、高滑性となるので重包装袋用フィルムの場合は好ましくない。
【0052】
〔帯電防止剤〕
本発明で用いられる帯電防止剤とは、ポリオレフィン用として一般的に用いられている非イオン系界面活性剤、両性ベタイン型界面活性剤、アミン系帯電防止剤、多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤等の内部練り込み型帯電防止剤が使用される。
上記非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミン、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミンの高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミド、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミドの高級脂肪酸エステル、高級アルコールの高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸エステル等を挙げることができる。
両性ベタイン型界面活性剤の具体例としては、アルキル(またはアルケニル)ジヒドロオキシエチルベタイン等の単独または併用混合物が挙げられる。
アミン系帯電防止剤の具体例としては、パルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、パルミチルジエタノールアミド、ステアリルジエタノールアミド等が挙げられる。
多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤の具体例としては、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート等が挙げられる。
これらの帯電防止剤は単独または複数の混合物として用いられるが、複数の混合物として用いるのが好ましい。具体例としては、アミン系帯電防止剤と多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物等が挙げられる。
【0053】
帯電防止剤を配合する場合、その配合割合は(A)、(A’)、(A”)樹脂成分の合計に対して、100〜2000ppm、好ましくは300〜1500ppm、より好ましくは400〜1300ppmである。帯電防止剤の配合量が2000ppmを越えるとブロッキング現象が生じて開口性が悪化するおそれがあり、100ppm未満では帯電防止効果が得られにくいからである。
【0054】
〔配合法〕
本発明の組成物の配合は従来の樹脂組成物配合法として一般に用いられる公知の方法により配合することができる。
その一例としては、上記(A)(A’)(A”)成分および所望により各種添加剤をタンブラー、リボンブレンダーまたはヘンシェルタイプミキサー等の混合機を使用してドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機等の連続式溶融混練機により溶融混合し、押出してペレットを調整することによって該樹脂組成物を得ることができる。
【0055】
また他の配合方法としては、(A)成分のエチレン・α−オレフィン共重合体および/または(A”)成分のエチレン・α−オレフィン共重合体と(A’)成分の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンと(B)成分のアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド、さらには必要により帯電防止剤を混合、溶融混練し、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド及び帯電防止剤の両成分の高濃度の樹脂組成物を得て(以下マスターバッチと称す)、次いで、そのマスターバッチと(A)または(A)+(A’)、(A)+(A”)、(A)+(A’)+(A”)成分とを混合してなる、いわゆるマスターバッチ法により該樹脂組成物を得ることもできる。
【0056】
前記組成物には表面の肌荒れや印刷性、透明性を損なわない程度の範囲で抗ブロッキング剤を併用添加することにより、上記性能を活かすことが出来る。用いられる抗ブロッキング剤はシリカ、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト等が挙げられ樹脂成分に対して500〜5000ppm程度、好ましくは1000〜3500ppmである。
【0057】
本発明においては、該ポリエチレン系樹脂組成物に対し、防曇剤、有機あるいは無機フィラー、酸化防止剤、滑剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防止剤、分散剤、核剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤などの公知の添加剤を、本願発明の特性を本質的に阻害しない範囲で添加することができる。
【0058】
〔フィルム〕
本発明のフィルムとは、前記特定な飽和高級脂肪酸アミドあるいは該組成物に帯電防止剤を特定の割合で配合した樹脂組成物から成形されたフィルムであり、開口性、帯電防止性能、適度の滑性を有し、かつ耐衝撃性等の機械的強度にすぐれている。
近年の重包装フィルムへの要求としては、静摩擦係数tanθが大きすぎても(滑りにくい)または小さすぎても(滑りやすい)自動パレタイザーシステムに不向きの場合があり、開口性と同様に滑性のコントロールが非常に重大な問題となっている。特に重包装袋等においては、前記従来技術の欄で記載されている如く、静電気によってヒートシール面に内容物の粉体等の夾雑物が付着する等の問題を有している。しかしながら、本発明のフィルムであれば、静電気の発生が抑えられ、高速成形性等が要求される自動充填用袋、重包装用袋等に対しても好適である。
【0059】
本発明のフィルムに帯電防止性能を効果的に発現させるためには、該フィルムにコロナ放電処理等の表面処理を施すことが好ましい。このような方法をとることによりフィルム表面にブリードアウトした帯電防止剤と表面処理効果により帯電防止性能は相乗的な効果を発揮する。
【0060】
本発明のフィルムの帯電防止性能としては、表面固有抵抗が1×1013Ω未満であることが好ましい。この範囲を満たしていないフィルムの場合には静電気によりヒートシール面に粉体等の夾雑物が付着し、十分なヒートシール強度が得られないおそれを生じる。
【0061】
本発明のフィルムの開口性とはブロッキング強度として判定される。該ブロッキング強度として2.0kgf/10cm2未満であることが好ましく、ブロッキング伸びは10%未満が好ましい。この範囲を満たしていないフィルムは開口性が十分でないおそれがある。
【0062】
本発明のフィルムの滑性は適度に制御されたものであり、具体的には静摩擦係数tanθが0.4〜0.6の範囲であることが好ましい。tanθが0.4未満ではフィルムが滑りすぎて高速自動充填包装機に不適となるおそれあり、倉庫内で段積された包装袋の荷崩れなどが発生するなどの不都合が生じるおそれがある。また、tanθが0.6を越えると滑性が不足し、フィルムへの充填作業などに支障をきたすので好ましくない。
【0063】
本発明のフィルム厚みは用途によって異なるが、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド、帯電防止剤の添加量はフィルム厚みによって適正配合量が決められる。この適正配合量はフィルムの帯電防止性能を保持しながら、開口性を改善するとともに適度の滑性を保つことができるようにフィルム表面にブリードする量により決定される。
【0064】
フィルム厚みが100〜250μmの重包装袋用フィルムの場合は、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドの添加量は100〜1500ppm、また帯電防止剤を添加する場合は100〜2000ppm、フィルム厚みが20〜100μmの一般包装袋用フィルムおよび米、砂糖袋用等フィルムの場合は、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドの添加量は200〜2000ppm、帯電防止剤の添加量は300〜1500ppmであることが好ましい。
【0065】
本発明のフィルムの製造方法は、インフレーション成形法、Tダイ成形法、水冷フィルム成形法等の公知の成形方法を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を原料とし、インフレーション成形法でフィルムを成形する場合、押出機の形態としては一般的に用いられるフィルム成形機の押出機が使用可能であるが、特にスクリュー径が25〜200mmφ、スクリューL/Dが15〜35であることが好ましい。
上記インフレーション成形における押出条件としては、押出温度160〜250℃、好ましくは180〜220℃、ダイリップ間隔0.5〜5.0mm、好ましくは1.0〜3.5mm、ブローアップ比は1.0〜4.0、好ましくは2.0〜3.0で、フィルム厚み20〜250μmのフィルムを成形することができる。
【0066】
本発明のフィルムは、生鮮食品、加工食品、日用品、雑貨等の一般包装用フィルム、文房具、テイッシュペーパー、生理用品等の軽包装用の高速自動充填包装用フィルム、米、砂糖袋、粉末製品等の帯電防止フィルム、肥料、樹脂ペレット、薬品等の重包装袋用等に好適に用いられる。
【0067】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
表1,2に示す組成からなる樹脂組成物にて本発明の実施例および比較例のフィルムを製造した。
即ち、各成分の所定量をタンブラーミキサーにて混合した後、50mmφ押出機を用いてペレット化した後、65mmφ押出機付きインフレーション成形装置(モダンマシナリー社製)を用いてブロー比2.55、フィルム厚み100μm、フィルム幅400mmで40kg/hの押出量で成形した。
またフィルム表面にはコロナ処理を施し、表面張力が42dyn/cmとなるようにした。
実施例および比較例において使用した樹脂成分を以下に示す。
【0068】
(A):エチレン・α−オレフィン共重合体
A1:エチレン・1−ブテン共重合体
密度=0.922g/cm3 MFR=0.5g/10min
分子量分布(Mw/Mn)=2.6
組成分布パラメーター(Cb)=1.20
d−0.008logMFR=0.924
ODCB可溶分(%)=1.2<9.8×103×(0.9300ーd+0.008logMFR)2+2.0
A2:エチレン・1−ヘキセン共重合体
密度=0.923g/cm3 MFR=0.5g/10min
分子量分布(Mw/Mn)=2.6
組成分布パラメーター(Cb)=1.22
d−0.008logMFR=0.925
ODCB可溶分(%)=1.5<9.8×103×(0.9300ーd+0.008logMFR)2+2.0
これらのエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は以下のようにして重合した。
【0069】
(固体触媒の調製)
窒素下で電磁誘導攪拌機付き触媒調製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)2Cl2)28gおよびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウムを45gを滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時間攪拌した。この溶液をα液とする。次に窒素下で別の攪拌器付き触媒調製器(No.2)に精製トルエンを加え、前記α溶液と、ついでメチルアルミノキサン6.4molのトルエン溶液を添加し反応させた。これをβ液とする。
次に窒素下で攪拌器付き調製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついで予め400℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m2/g)1400gを加えた後、前記β溶液の全量を添加し、室温で攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。
【0070】
(試料の重合)
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2Gでエチレンと1−ブテンあるいは1−ヘキセンの共重合を行った。上記調製した触媒を連続的に供給して重合を行ない、系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。
【0071】
(A’):高圧ラジカル法エチレン(共)重合体
高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
密度=0.923g/cm3 MFR=1.0g/10min
【0072】
(A”):チーグラー触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン・1−ブテン共重合体
密度=0.922g/cm3 MFR=0.5g/10min
分子量分布(Mw/Mn)=3.7
組成分布パラメーター(Cb)=1.51
d−0.008logMFR=0.924
ODCB可溶分(%)=2.9<9.8×103×(0.9300ーd+0.008logMFR)2+2.0
【0073】
(B):アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド
エチレンビスステアリン酸アミド(EBSA)
[商品名:スリパックスE、日本化成(株)製]
【0074】
(C):帯電防止剤
C1:グリセリンモノステアレート
[商品名:S100、 理研ビタミン(株)製]
C2:ステアリルジエタノールアミン
[商品名:SE165、理研ビタミン(株)製]
(D):抗ブロッキング剤
シリカ(けいそう土)
[商品名:セライトスーパーフロス、ジョンマンビル(株)製]
(E):その他の添加剤
E1:エチレンビスオレイン酸アミド(EBOA)
(アルキレンビス不飽和高級脂肪酸アミド)
[商品名:スリパックスO、日本化成(株)製]
E2:エルカ酸アミド(EA)
[商品名:ニュートロンS、日本精化(株)製]
E3:オレイン酸アミド(OA)
[商品名:ニュートロン 、日本精化(株)製]
【0075】
得られた各フィルムについてブロッキング性(ブロッキング強度、ブロッキング伸び)、滑性(静摩擦係数)、表面固有抵抗、挟雑物シール性、開口性、ダート衝撃強さ、印刷適性を測定した。測定結果を表1,2に示す。
尚、物性の測定に用いた試験方法は以下の通りである。
[密度]JIS K6760に準拠した。
[MFR]JIS K6760に準拠した。
[ブロッキング性]フィルムサンプルを縦方向(インフレーション成形時の)に2cm幅で切り出し内面同士の末端部分をオーバーラップさせて相対し0.5kg/cm2の荷重下で60℃×5h養生した後、引張り試験機(オリエンテック社製)を用いてチャック間150mmとし、500mm/minで引っ張り、オーバーラップさせた部分が剥がれるまでの距離を伸び率とし、最大荷重をブロッキング強度とした。
【0076】
[静摩擦係数]静摩擦係数測定機(新東科学(株)製)を用いて傾斜速さ2.7度/秒で滑走斜度を変化して行った時のフィルムの滑り出し角度(移動ブロック:200g)をtanθの値で表した。
[開口性]インフレーション成形で得られたフィルムを自動製袋機にて幅40cm×長さ60cm(内容物20kg)にて製袋し、ケイ酸カルシウムの粉末を充填機(ニューロング社製)及びトップシーラーでヒートシールテストを行いその際、口開きの悪いものは自動的に充填機系外に吹き飛ばされるので、その数で評価した。(枚数/50枚)
0〜2枚:○
3〜5枚:△
6枚以上:×
【0077】
[表面固有抵抗(帯電防止性能)]JIS K6911に準拠し、表面固有抵抗測定装置(HEWLETT・PACKARD社製)を用いて測定した。
印加電圧 500V
印加時間 60秒
[夾雑物シール性]前記の開口性評価の際のトップシール部分を観察し以下の様に判定した。
容易に剥がれそうなもの:×
剥がれそうだが使用には差し支えないもの:△
良好にシールされているもの:○
[ダート強度]JIS Z1702に準拠した。
[印刷適性]成形したフイルムを印刷工程にかけた後、印刷面にセロテープを密着させ一気に剥す。10枚の試験を行い、インクの剥がれた枚数を調べた。
0枚 :○
1〜3枚:△
4枚以上:×
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
〔実施例1〜8〕
実施例1〜8のものは、滑り角度も良好でブロッキング性も低く、夾雑物シール性、開口性、ダート強度、印刷適性のいずれも良好で重袋フィルムに要求されるすべての性能を満たしていた。
【0081】
〔実施例9〕
表面固有抵抗、夾雑物シール性、開口性こそ十分ではないものの、滑り角度も良好でブロッキング性も低く、またダート強度、印刷適性のいずれも良好であった。
【0082】
〔比較例1〕
実施例1で使用したEBSAの代りにEBOAを400ppmとした他は実施例1と同様に成形した。
その結果、フィルムの開口性、夾雑物シール性、表面固有抵抗値は良好だったが、フィルムが滑りすぎ重袋フィルムとしては不適当であった。
〔比較例2〕
実施例2で使用したEBSAの代りにEAを800ppmとした他は実施例1と同様に成形した。
その結果、フィルムの夾雑物シール性は良好だったが、表面固有抵抗値が高く、開口性がやや悪く、フィルムが滑りすぎ、またブロッキング特性も悪く重袋フィルムとしては不適当であった。
【0083】
〔比較例3〕
EBSAの代りにOAを600ppmとしたところ、フィルムの夾雑物シール性は良好だったが、開口性が悪く、フィルムが滑りすぎ、またブロッキングが激しく、重袋フィルムとしては不適当であった。
〔比較例4〕
帯電防止剤を3000ppmと多量に配合したところ、ブロッキング性、開口性、夾雑物シール性、印刷適性が不良となった。
〔比較例5〕
EBSAを2000ppmと多量に配合したところ、表面固有抵抗が高く、印刷適性、夾雑物シール性が不良であった。
【0084】
〔比較例6〕
樹脂成分として本発明の特徴である(A)成分を用いない為、ダート衝撃強さ、夾雑物シール性が不良であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明は特定の条件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体、もしくはさらにエチレン(共)重合体を主成分とする樹脂成分に対し、特定のアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを添加したポリエチレン系樹脂組成物を提供するものであり、該組成物を用いて製造されたフィルムは帯電防止性、フィルム強度、低温ヒートシール性に優れ、かつ低滑性であり、また耐熱性に優れ、しかも原料組成物の高分岐度あるいは低分子量成分の製品袋表面へのにじみ出しが少ない。また、袋としたときの開口性に優れる。
さらに、帯電防止剤を配合することにより上記特性に加え、帯電防止性、特に、高速成形時の静電気の帯電防止性能に優れ、肥料、化学薬品などの重包装袋や米、砂糖袋などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共重合体のTREF曲線を示すグラフである。
【図2】メタロセン共重合体のTREF曲線を示すグラフである。
Claims (17)
- (A)下記(ア)〜(エ)の要件を満足する密度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体と、
(ア)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5。
(イ)組成分布パラメーターが1.08〜2.00。
(ウ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(wt%)と密度d及びMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足する。
a)d−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
b)d−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(エ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在する。
(A " )前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)とは異なるエチレン・α−オレフィン共重合体(但し、(A)成分と(A " )成分の合計を100重量%とした場合に、(A)成分が20重量%以上で(A " )成分が80重量%以下)と、
(A ' )高圧ラジカル重合法によるエチレン系重合体とからなる樹脂成分(但し、(A)成分と(A " )成分の合計が50重量%以上、(A ' )成分が50重量%以下)に対し、
(B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドが100〜1500ppm含有されていることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物。 - 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、密度が0 . 90〜0 . 94g/cm 3 、メルトフローレートが0 . 1〜50g/ 10min であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が1 . 6〜4 . 0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- 前記エチレン・α - オレフィン共重合体(A)は、連続昇温溶出分別法により求めた溶出温度−溶出量曲線にて、85℃から100℃の間に高温側のピークが存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- 前記アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドは、(A)成分、(A ' )成分、(A " )成分からなる樹脂成分に対して、300〜1200ppm含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドが、エチレンビスステアリン酸アミドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- さらに帯電防止剤が100〜2000ppm含有されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- さらに帯電防止剤が300〜1500ppm含有されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- 帯電防止剤が、多価アルコール系帯電防止剤及び/又はアミン置換型帯電防止剤であることを特徴とする請求項7又は8に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- 自動充填包装用フィルム用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- (A)成分と(A " )成分の合計量に対して、(A " )成分が30〜80重量%、かつ、
(A)成分と(A ' )成分と(A " )成分の合計量に対して、(A ' )成分が10〜30重量%であることを特徴とする請求項10に記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 重包装袋用フィルム用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- (A)成分と(A " )成分の合計量に対して、(A " )成分が30重 量%以下、かつ、
(A)成分と(A ' )成分と(A " )成分の合計量に対して、(A ' )成分が10〜30重量%であることを特徴とする請求項12に記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 前記エチレン・α−オレフイン共重合体(A)は、下記a 1 〜a 5 の触媒で重合されていることを特徴とする請求項1〜13に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
a 1 :一般式Me 1 R 1 p (OR 2 ) q X 1 4-p-q で表される化合物(式中Me 1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R 1 およびR 2 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X 1 はハロゲン原子を示し、p及びqは各々0≦p<4、0≦ p+q ≦4の範囲を満たすを整数である)。
a 2 :一般式Me 2 R 3 m (OR 4 ) n X 2 z-m-n で表される化合物(式中Me 2 は周期律表第I〜 III 族元素、R 3 およびR 4 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X 2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X 2 が水素原子の場合はMe 2 は周期律表第 III 族元素の場合に限る)を示し、zはMe 2 の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)。
a 3 :共役二重結合を持つ有機環状化合物。
a 4 :有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物。
a 5 :無機担体及び/又は粒子状ポリマー担体を相互に接触させて得られる触媒。 - 請求項1〜14のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物を用い、厚みが20〜250μmであることを特徴とするフィルム。
- 静摩擦係数tanθが0.4〜0.6であることを特徴とする請求項15に記載のフィルム。
- 表面固有抵抗が1×10 13 Ω未満、ブロッキング強度が2 . 0kgf/10cm 2 未満であることを特徴とする請求項16に記載のフィルム。
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