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JP3575335B2 - 有機発光素子 - Google Patents

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JP3575335B2
JP3575335B2 JP17498799A JP17498799A JP3575335B2 JP 3575335 B2 JP3575335 B2 JP 3575335B2 JP 17498799 A JP17498799 A JP 17498799A JP 17498799 A JP17498799 A JP 17498799A JP 3575335 B2 JP3575335 B2 JP 3575335B2
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徹哉 佐藤
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Panasonic Holdings Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ディスプレイや液晶ディスプレイ用バックライト等として用いられる表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス(EL)パネルは視認性が高く、表示能力に優れ、高速応答も可能という特徴を持っている。近年、有機化合物を構成材料とする有機発光素子について報告がなされた(例えば、関連論文 アプライド・フィジックス・レターズ、第51巻913頁1987年(Applied Physics Letters,51,1987,P.913.)、)。この報告には有機発光層及び電荷輸送層を積層した構造の有機発光素子が記載されている。
【0003】
有機発光素子は、図1〜3に示す3種類の積層構造に分けられる。それぞれ略称として、一般に図1の構成はSH−A型、図2はSH−B型、図3はDH型と呼ばれている。
【0004】
上記Tangらの報告は、図1のSH−A型と呼ばれる構成になっている。発光材料としてはトリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(以下Alq)を用いており、高い発光効率と、電子輸送を合わせ持つ優れた発光物質である。
【0005】
また、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、第65巻3610頁1989年(Journal of Applied Physics,65,1989,p.3610.)には有機発光層を形成するAlqにクマリン誘導体やDCM1等の蛍光色素をドープした素子を作成し、色素の適切な選択により発光色が変わることを見いだした。さらに、発光効率も非ドープに比べ上昇することを明らかにした。この場合は、図1のSH−A型の他、キャリアの再結合領域にのみドープし、発光と電子輸送の機能分離を図ることにより、図3のDH型を実現することができる。
【0006】
一方、図2のSH−B型は、2−(4−ビフェニリル)―5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)に代表されるオキサジアゾール誘導体が電子輸送材料として使用されることが多い。しかし、PBD等のオキサジアゾール誘導体は結晶化を起こしやすく実用化には不向きである。
【0007】
従って、研究開発は図1のSH−A型、あるいは図3のDHを中心として進められ、電子輸送性、正孔輸送性、蛍光発光性それぞれの機能に応じた新しい素子材料が開発、検討されている。特に正孔輸送性有機分子はトリフェニルアミンを基本骨格とする材料が数多く開発され、また蛍光発光性有機分子についても蛍光顔料やレーザー色素等の適用および修飾が盛んに行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一方で電子輸送性有機分子は非常に少なく、電子輸送性発光材料であるAlq、Alq誘導体、ベリリウムベンゾキノリンのキレート金属錯体が挙げられるのみである。従って、材料選択の余地が非常に狭いという課題がある。
【0009】
また、これらの錯体はSH−A型あるいはDH型の素子構成に基づいて開発されており、上記錯体の発光色は緑から黄色であるため、これよりエネルギー的に高い位置にある短波長側の発光色は原理的に得られない。
【0010】
有機発光層は、一般に上記の蛍光顔料やレーザー色素をゲスト材料としてドープすることにより構成される。ドーピング法は、ドープ濃度と発光効率は逆比例の関係にあるため、ドープ濃度が低いとき効率が高く、ドープ濃度が高くなるにつれ、濃度消光により効率は低下する。通常、最適濃度は0.1〜1%に存在するため制御が難しい。
【0011】
さらに、ドーパントである蛍光色素の吸収スペクトルとホスト材料の発光スペクトルの重なりの大きさが発光効率の決定要因となるが、前述したようにホスト材料となりうる電子輸送性発光材料の選択肢が狭いため、ドーパントを選択する範囲も狭くなるという課題が生じる。
【0012】
また、ドーピング法ではホスト材料の発光よりも長波長シフトするため、短波長側の発光が得られないという課題があった。
【0013】
さらに、有機発光素子では特に赤色発光が課題である。赤色を得るには、エネルギーギャップの狭い化合物が必要になるが、このような化合物はパイ電子系の広がりが大きく濃度消光へのさらなる配慮が必要となる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで我々は、新規な電子輸送性有機材料を提供し、これを用いることにより安定な有機発光素子を実現するに至った。また、エキサイプレックスからの発光を取り出すことにより、高輝度でかつ新規な発光色を与え、さらにプロセス的にも再現性の高い有機発光層を形成することができ、前記課題を解決するに至った。
【0015】
具体的には、第1の有機発光素子は陽電極および陰電極間に、少なくとも有機発光層、有機電子輸送層を有する有機発光素子において、少なくとも前記有機電子輸送層が下記一般式(化2)で表される電子不足化合物を含むことを特徴とする有機発光素子材料が提供される。
【0016】
【化2】
Figure 0003575335
【0017】
(R1及びR2は少なくとも2つの窒素原子を含む含窒素芳香環もしくは含窒素芳香環誘導体を有する架橋配位子あるいはハロゲン、炭素数1〜3のアルキルを有する架橋配位子であり、含窒素芳香環中の窒素を配位原子とする。R3,R4,R5およびR6はそれぞれ水素、アルキル、アリール、アリール誘導体及び少なくとも1つの窒素原子を含む含窒素芳香環もしくは含窒素芳香環誘導体から選ばれる1つであり、Mは中心金属)。
【0019】
第2の有機発光素子は、第1の有機発光素子の有機電子輸送層に含まれる有機多核金属錯化合物が、ピラザボール構造を有するとしたものである。
【0020】
第3の有機発光素子は、第1の有機発光素子の有機電子輸送層に含まれる
有機多核金属錯化合物を、4,4,8,8−テトラキス(1H−ピラゾールー1−イル)ピラザボールで構成するとしたものである。
【0021】
第4の有機発光素子は、順次陽電極、有機発光層、有機電子輸送層および陰電極からなる有機発光素子であることを特徴とする。
【0022】
第5の有機発光素子は、第4の有機発光素子の有機電子輸送層に含まれる有機多核金属錯化合物を、4,4,8,8−テトラキス(1H−ピラゾールー1−イル)ピラザボールで構成するとしたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
本願発明記載の電子不足化合物とは、原子価軌道数に比べ価電子数が少なく、オクテット則に従わない化合物である。我々が検討を行った結果、請求項1の一般式(化1)のように、三中心二電子結合を有する電子不足化合物である有機多核金属錯化合物が有機発光素子材料として適合していることを見出した。電子不足化合物を構成する元素としてはLi,Be,Mg,B,Alがよく知られている。これら化合物は、文字通り電子が不足していることから、電子を得ることによって安定化する。特に、請求項2〜6に記載したとおり、アニオンラジカルを形成することにより電子を伝達する電子輸送層として、熱的、膜質的に優れた性質を保有している。有用な化合物例としては以下のものがある。
A−1 ピラザボール
A−2 1,3,5,7−テトラメチルピラザボール
A−3 4,4,8,8−テトラエチルピラザボール
A−4 4,4,8,8−テトラキス(1H―ピラゾールー1−イル)ピラザボール
一般式(化1)に表される化合物の内、A−1〜4をはじめとするピラザボール構造からなる有機多核金属錯化合物は、溶液中あるいは薄膜状態で400nm〜420nmの紫色発光を有する。これは、バンドギャップが広い事を意味しており、またイオン化ポテンシャルが大きい。同時に、前述の通り優れた電子輸送能を持つことから、有機電子輸送層として用いた場合、エネルギーはより低い方へ移動、すなわち紫色よりも長波長側の発光色が可能になる。
【0033】
有機多核金属錯体からなる薄膜は非常に安定で、PBD薄膜のように結晶化することはなく、大気中に放置していても結晶化は見られない。従って、素子構成もSH−A型、DH型のみならず、陽極側の層にホール輸送性発光層あるいはエキサイプレックスからなる発光サイトを置くことにより、請求項5、6あるいは11に記したように、安定なSH−B型素子構成を実現することができる。
【0034】
本願請求項7〜12は有機発光素子の主要部である有機発光層に関するものである。有機発光層中で形成されるエキサイプレックスとは、異種の有機分子の組合せからなる励起錯体によって実現される。
【0035】
この場合、どちらの有機分子も、通常のドーパントのように、それ自体に必要な発光色を求められないので、エネルギー移動に必要なスペクトルの重なりや、パイ電子系の拡がりによる相互作用あるいは濃度消光等のおそれがない。
【0036】
例えば、特開平10−159076号公報において、電子輸送層中のドーパントがホール輸送材料との相互作用により本来のドーパントの発光色から波長シフトしてしまうため、電子輸送層とホール輸送層との間にブロッキング層を設けているが、本発明では、このようなプロセスの煩雑さを必要とせず、発光層内において全く異種の分子を形成し、その励起錯体からの発光を得ることができる。
【0037】
すなわち、個々には蛍光強度が弱い性質の有機分子であっても、エキサイプレックスの形成が新たな電子状態を生じ、強い蛍光発光を実現することも可能である。
【0038】
また、エキサイプレックスの形成は、分子全体が相互作用を及ぼし合う場合だけでなく、分子の一部が電子受容性あるいは電子供与性等の性質を持つことにより相互作用を及ぼし合って形成される場合もある。
【0039】
従って、その組合せを見出すことにより、高輝度発光でかつさまざまな色調を容易に得ることができる。
【0040】
有機発光層に含まれる有機分子の内、少なくとも一種は有機金属錯化合物であることが好ましい。さらにはピラザボール構造を有することが好ましく、特には4,4,8,8−テトラキス(1H−ピラゾールー1−イル)ピラザボールが好ましい。2,4−ビス(5,6−ジフェニルー1,2,4−トリアジンー3−イル)ピリジン、3−(2−ピリジル)−5,6−ジフェニルー1,2,4−トリアジン、5,6−ジー2−フリルー3−(2−ピリジル)―1,2,4−トリアジン、3−(4−ビフェニリル)4−フェニルー5−(4−tert−ブチルフェニル)1,2,4−トリアゾール等の複素芳香環を有する有機分子は、単独では溶液中あるいは蒸着膜において青色領域の微弱な蛍光を発しながら、上記ピラザボール構造を有する有機分子との組み合わせにおいて、エキサイプレックスを形成し、橙〜赤色領域の高輝度発光を可能にする。
【0041】
本願請求項10の要部は、A−1〜4に代表される有機ホウ素錯化合物が芳香族置換アミン誘導体と共に有機発光層を形成することにある。芳香族置換アミン誘導体として、下記一般式(化3)及び(化4)が挙げられる。
【0042】
【化3】
Figure 0003575335
【0043】
(nは1〜6の整数。R1,R2,R3はベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンのいずれかで同一でも異なっていてもよい。またそれぞれアルキル基、アミノ基フェニル基で置換されていてもよい)。
【0044】
【化4】
Figure 0003575335
【0045】
(R1,R2,R3のうち少なくとも1つはスチリル、フェニルスチリル、ナフチルスチリルからなり、それぞれ、アルキル基、アミノ基、フェニル基で置換されていてもよい。また、上記以外のR1,R2,R3を構成するものとしては、アルキル基、アミノ基、フェニル基、アルキル置換ベンゼン、アミノ置換ベンゼンのいずれかが挙げられる)。
【0046】
(化3)の具体的な例としては、N,N‘−ジフェニル−N.N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N‘−ジフェニル−N.N’−ビナフチル−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N′−ビス(4′−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等が挙げられる。
【0047】
(化4)の具体的な例としては、4−N,N‘―ジフェニルアミノーα―フェニルスチルベン、4−N,N‘―ビス(p−メチルフェニル)アミノーα―フェニルスチルベン、4−N,N‘―ジフェニルアミノーα―ナフチルスチルベン、4,4’−ビス(α―フェニルスチリル)トリフェニルアミン、4,4’,4‘’−トリ(α―フェニルスチリル)トリフェニルアミン、4,4’−ビス(3―メチルフェニルスチリル)トリフェニルアミン、4,4’−ビス(2,4―ジメチルフェニルスチリル)トリフェニルアミン、4,4’−ビス(α―ビフェニルスチリル)トリフェニルアミン等が挙げられる。
【0048】
これらの化合物は、溶液中あるいは薄膜状態で発光極大波長430nm〜490nmの青色発光を有する。有機ホウ素錯化合物と芳香族置換アミン誘導体との混合割合としては、芳香族置換アミン誘導体が1〜50wt%で含まれることが好ましい。
【0049】
本願請求項11の要部は、A−1〜4に代表される有機ホウ素錯化合物がピレン誘導体と共に有機発光層を形成することにある。ピレン誘導体の具体的な例としては、ピレン、1−ピレンメチルアミン、フェニルスチリルピレン、N−(1−ピレニル)マレイミド等が挙げられる。
【0050】
ピレン誘導体は、溶液中あるいは薄膜状態で発光極大波長500nm付近の青みがかった緑色発光を有するが、有機ホウ素錯化合物と共存した場合、ピレン誘導体の発光色は観察されない。
【0051】
むしろ有機ホウ素錯体に励起錯体を形成せしめ、発光極大波長460nm付近の青色発光を呈することが明らかになった。
【0052】
さらに、発光効率は極めて高く、有機ホウ素錯化合物単独で発光層を形成したときの10倍にも及ぶ。ピレン誘導体についても従来のドーピング法では適したホスト材料がないために、発光材料としての性能を十分に引き出すことができなかった。
【0053】
本発明では、有機ホウ素錯化合物とピレン誘導体の組み合わせを見出したことにより、エキサイプレックスからの発光を得るに至った。有機ホウ素錯化合物とピレン誘導体との混合割合としては、ピレン誘導体が1〜50wt%で含まれることが好ましい。
【0054】
有機電子輸送層の膜厚は、10〜1000nmとすることが好ましい。
【0055】
有機発光層の膜厚は、色素が発光するに十分な膜厚があればよく、1〜100nmが好ましく、さらには5〜50nmが好ましい。
【0056】
次に、本発明におけるホール輸送層であるが、構成材料としてはトリフェニルアミンを基本骨格として持つ誘導体が好ましい。
【0057】
例えば、特開平7−126615号公報記載のテトラフェニルベンジジン化合物、トリフェニルアミン3量体、ベンジジン2量体が挙げられる。
【0058】
また、特開平8−48656号公報記載の種々のトリフェニルジアミン誘導体、あるいは特開平7−65958号公報記載のMTPD(通称TPD)でもよい。特には、特願平9−341238号記載のトリフェニルアミン4量体が好ましい。
【0059】
上述の有機発光層、電子輸送層、ホール輸送層の各有機層については、アモルファス状態の均質な膜を形成することが望ましく、真空蒸着法による成膜が好ましい。
【0060】
さらに、真空中で連続して各層を形成することにより、各層間の界面に不純物が付着するのを防ぐことによって、動作電圧の低下、高効率化、長寿命化といった特性の改善を図ることができる。
【0061】
また、これら各層を真空蒸着法により形成するにあたり、一層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましいが、あらかじめ混合したものを蒸着しても良い。
【0062】
さらにこの他の成膜方法として、溶液塗布法、ラングミュア・ブロジェット(LB)法などを用いることもできる。溶液塗布法ではポリマー等のマトリクス物質中に各化合物を分散させる構成としても良い。
【0063】
有機発光素子は、少なくとも一方の電極を透明ないし半透明にすることにより、面発光を取り出すことが可能となる。通常、正孔注入電極としての陽極にはITO(インジウム錫酸化物)膜を用いることが多い。
【0064】
他に、酸化錫、Ni,Au,Pt,Pd等が挙げられる。
【0065】
ITO膜はその透明性を向上させ、あるいは抵抗率を低下させる目的で、スパッタ、エレクトロンビーム蒸着、イオンプレーティング等の成膜方法が採用されている。また、膜厚は必要とされるシート抵抗値と可視光透過率から決定されるが、有機発光素子では比較的駆動電流密度が高いため、シート抵抗値を小さくするため100nm以上の厚さで用いられることが多い。
【0066】
電子注入電極としての陰極には、Tangらの提案したMgAg合金あるいはAlLi合金など、仕事関数が低く電子注入障壁の低い金属と、比較的仕事関数が大きく安定な金属との合金が用いられることが多い。
【0067】
また、仕事関数の低い金属を有機層側に成膜し、この低仕事関数金属を保護する目的で、仕事関数の大きな金属を厚く積層してもよく、Li/Al、LiF/Alのような積層電極を用いることができる。これら陰極の形成には蒸着法やスパッタ法が好ましい。
【0068】
基板は、上述した薄膜を積層した有機発光素子を担持できるものであれば良く、また、有機層内で生じた発光を取り出せるように透明ないし半透明の材料であれば良く、コーニング1737等のガラス、あるいはポリエステルその他の樹脂フィルム等を用いる。
【0069】
次に具体的な実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0070】
(実施例1)
ITOを成膜したガラス基板上に、N,N′−ビス(4′−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N′−ジフェニルベンジジンからなる50nmの膜厚のホール輸送層を形成する。
【0071】
引き続き有機発光層としてAlqを20nm蒸着した後、有機電子輸送層としてA−4を40nm蒸着した。最後にAlLi合金からなる陰電極を形成した。
【0072】
この素子に直流電圧を印可して評価したところ、発光極大波長520nmのAlqからの緑色発光が得られた。効率は4.0cd/Aで、安定に光り続けた。
【0073】
A−4の代わりにA−1〜3を用いた場合も同様の結果を得た。
【0074】
(実施例2)
ITOを成膜したガラス基板上に、N,N′−ビス(4′−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N′−ジフェニルベンジジンからなる50nmの膜厚のホール輸送層を形成する。
【0075】
引き続き有機電子輸送層としてA−4を40nm蒸着した。最後にAlLi合金からなる陰電極を形成した。
【0076】
この素子に直流電圧を印可して評価したところ、発光極大波長420nmのA―4からの青紫色発光が得られた。効率は、視感度が低いため0.5cd/Aであった。A−4の代わりにA−1〜3を用いた場合も同様の結果を得た。
【0077】
(実施例3)
ITOを成膜したガラス基板上に、A−2と10wt%のフェニルスチリルピレンからなる有機発光層を50nm形成し、引き続きA−4からなる有機電子輸送層を50nm蒸着した。最後にAlLi合金からなる陰電極を形成した。この素子に直流電圧を印可して評価したところ、発光極大波長470nmの青緑色発光が得られた。効率は2.0cd/Aで、安定に光り続けた。
【0078】
(実施例4)
ITOを成膜したガラス基板上に、N,N′−ビス(4′−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N′−ジフェニルベンジジンからなる50nmの膜厚のホール輸送層を形成する。
【0079】
引き続き有機発光層としてA−4と20wt%の4−N,N‘―ビス(p−メチルフェニル)アミノーα―フェニルスチルベンからなる共蒸着膜を50nm蒸着した。
【0080】
最後にAlLi合金からなる陰電極を形成した。この素子に直流電圧を印可して評価したところ、発光極大波長460nmの青色発光が得られた。効率は、2.8cd/Aで、安定に光り続けた。
【0081】
(実施例5)
実施例4の有機発光層の形成において、20wt%の4−N,N‘―ビス(p−メチルフェニル)アミノーα―フェニルスチルベンの代わりに、20wt%の4,4’−ビス(α―フェニルスチリル)トリフェニルアミンを用いた以外は実施例4と同様にして有機発光素子を作製した。この素子に直流電圧を印可して評価したところ、有機発光層からの発光である発光極大波長460nmの青色発光が得られた。効率は、3.4cd/Aで、安定に光り続けた。
【0082】
(実施例6)
実施例4の有機発光層の形成において、20wt%の4−N,N‘―ビス(p−メチルフェニル)アミノーα―フェニルスチルベンの代わりに、20wt%のフェニルスチリルピレンを用いた以外は実施例4と同様にして有機発光素子を作製した。この素子に直流電圧を印可して評価したところ、有機発光層からの発光である発光極大波長480nmの水色発光が得られた。効率は、5.2cd/Aで、安定に光り続けた。
【0083】
(比較例1)
ITOを成膜したガラス基板上に、N,N′−ビス(4′−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N′−ジフェニルベンジジンからなる50nmの膜厚のホール輸送層を形成する。
【0084】
引き続き有機電子輸送層としてAlqを50nm蒸着した。最後にAlLi合金からなる陰電極を形成した。この素子に直流電圧を印可して評価したところ、発光極大波長520nmのAlqからの緑色発光が得られた。効率は3.3cd/Aであった。
【0085】
(比較例2)
比較例1の有機電子輸送層の形成において、Alqの代わりにPBDを用いた以外は比較例1と同様にして有機発光素子を作製した。この素子に直流電圧を印可して評価したところ、発光極大波長460nmのTPDからの青色発光が得られた。効率は0.8cd/Aで、約1時間後には殆ど光らなくなった。
【0086】
【発明の効果】
以上のように本発明は、電子不足化合物からなる有機多核金属錯化合物を新規電子輸送材料として提案し適用することで、安定な有機発光素子を実現できる。さらに、エキサイプレックスの形成により、様々な発光色を可能にし、同時に高輝度発光も実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SH−A型有機発光素子の断面図
【図2】SH−B型有機発光素子の断面図
【図3】DH型有機発光素子の断面図
【符号の説明】
1 陽極
2 ホール輸送層
3 有機発光層
4 電子輸送層
5 陰極

Claims (5)

  1. 陽電極および陰電極間に、少なくとも有機発光層、有機電子輸送層を有する有機発光素子において、少なくとも前記有機電子輸送層が、有機多核金属錯化合物からなる下記一般式(化1)で表される電子不足化合物を含むことを特徴とする有機発光素子。
    Figure 0003575335
    (R1及びR2は少なくとも2つの窒素原子を含む含窒素芳香環もしくは含窒素芳香環誘導体を有する架橋配位子あるいはハロゲン、炭素数1〜3のアルキルを有する架橋配位子であり、含窒素芳香環中の窒素を配位原子とする。R3,R4,R5およびR6はそれぞれ水素、アルキル、アリール、アリール誘導体及び少なくとも1つの窒素原子を含む含窒素芳香環もしくは含窒素芳香環誘導体から選ばれる1つであり、Mは中心金属)。
  2. 前記有機電子輸送層に含まれる有機多核金属錯化合物が、ピラザボール構造を有することを特徴とする請求項1記載の有機発光素子。
  3. 前記有機電子輸送層に含まれる有機多核金属錯化合物が、4,4,8,8−テトラキス(1H−ピラゾールー1−イル)ピラザボールであることを特徴とする請求項1記載の有機発光素子。
  4. 順次陽電極、有機発光層、有機電子輸送層および陰電極からなる有機発光素子であることを特徴とする請求項1記載の有機発光素子。
  5. 前記有機電子輸送層に含まれる有機多核金属錯化合物が、4,4,8,8−テトラキス(1H−ピラゾールー1−イル)ピラザボールであることを特徴とする請求項4記載の有機発光素子。
JP17498799A 1999-02-04 1999-06-22 有機発光素子 Expired - Fee Related JP3575335B2 (ja)

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